−速報のため事後修正の可能性あり−

行政改革会議第15回議事概要


1 日時 平成9年5月28日(水) 17:00〜18:45
2 場所 内閣総理大臣官邸 大客間
3 出席者
(会議)
橋本龍太郎内閣総理大臣(会長)、武藤嘉文行政改革担当大臣・総務庁長官(会長代理)、芦田甚之助、有馬朗人、飯田庸太郎、猪口邦子、佐藤幸治、塩野谷祐一、豊田章一郎、藤田宙靖、水野清、諸井虔、渡辺恒雄の各委員
(政府)
古川内閣官房副長官、田波内閣内政審議室長
(事務局)
水野事務局長(再掲)、八木事務局次長

4 議題
 委員間の自由討議

5  会議経過

(1) 小委員会の設置について、事務局から別紙1のとおり提案があり、各委員から以下の意見が述べられた後、了承された。
・両小委員会の分担を明確に分けるべきではないか。
・各小委員会の活動に余り厳しく枠をはめない方が良いのではないか。
・本会議の結果を受けて、各小委員会で更に論議を深める方式が良いのではないか。
・本会議で大きく方向を出し、それを各小委員会で詰める方式が良いのではないか。
・8月の集中審議に向けた「たたき台」を各小委員会で詰める方式が良いのではないか。
・本来は、小人数で構成される単一の小委員会方式が望ましいと思う。
・本会議のみでは各委員の発言時間を十分確保できないので、このような小委員会方式が必要ではないか。

(2) 自由討議の参考資料(別紙2ないし4参照)について事務局から説明があった後、以下の討議がなされた。

(エージェンシーについて)

独立行政法人の予算について、独立行政法人が自ら相当の収入を得て活動を行うことを基本とするのか、国の予算で賄うことを原則とするのかとの質問があった。これに対し、事務局から、独立行政法人の収入については、その業務の性質によって様々なものが考えられるのではないかとの説明があった。

エージェンシーについての議論に入ることに反対はしないが、未だ議論は十分ではなく、問題点も少なくない。議論の経過の中で最終的にエージェンシーの導入が望ましいかどうかを慎重に判断していくべきであり、粗いまとめ方をすべきでないとの意見が述べられた。

エージェンシーのイメージ試案について、以下のような意見が述べられた。

 政策の企画立案と実施を分離する理由としてそれぞれの組織原理・目的が違うという点を挙げているが、それだけでは分離する理由にならず、全体の効率性が高まることなど実施部門を分離した方が効率的であることを理由とする必要がある。経済学上のプリンシパル・エージェンシー理論からいうと、プリンシパル(依頼者)である中央省庁がエージェンシー(代理人)をモニタリングするわけだが、そのコストが高過ぎては切り離しても効率化しないこととなるので、エージェンシーを監視しプリンシパルの意思を実現することのコストと、実施部門に対してインセンティブを付与することによって効率化するベネフィットを比較考量し、全体として判断する必要がある。その意味では、問題は評価基準の明確化に限界があることにある。一律に実施部門をエージェンシー化すればよいというものではなく、モニタリングコストとインセンティブのバランスを図るべきである。また、これとの関係で、国民をプリンシパルとすれば、企画機能に純化した中央省庁も、エージェンシーとして評価の対象となるべきであり、そうした視点が必要と考える。

経済学上のエージェンシー理論に基づく考え方に対し、英国のエージェンシー化の背景には、行政サービスを行政から提供されるものから行政サービスの消費者としての国民が選択し得るものへととらえ直す市民憲章の考え方があり、我が国においても、依頼人としての国民を中心に据えて行政サービスの在り方を考えるべきであるとの意見が述べられた。

エージェンシー化の目的を効率化という観点のみから説明するだけでは、行政改革会議の課題との関連が不明確である。英国のエージェンシー化は組織ではなく管理運営の改革であると言われているが、本会議が今検討しているのは組織の改革であって、その意味では、「中央省庁を実施業務の負担から解放して政策立案機能を向上させる」といった視点が必要ではないか。そうでなく効率性のみを前面に出すと、特殊法人との関係も不明確であるし、現体制で十分効率的であるとの議論を許すことになるとの意見が述べられた。

企画立案と実施の分離は省庁の再編成に直接つながるものではないとの意見が述べられた。これに対して、企画立案と実施の分離は、目的別の大括りの省庁編成の基礎となるものであるとの意見が述べられた。

企画立案と実施を分離することにより効率が悪くなる省庁もあり、そうした場合に分離することはかえって簡素化に反することともなり得るので、一律に無理に分けるという考えをとる必要はないのではないかとの意見が述べられた。これに対して、現在は枠組みとルール作りの段階であり、具体の適用はその後に考えるべき問題ではないかとの意見が述べられた。

独立行政法人と特殊法人の違いが分かりにくいとの意見が述べられた。これに対し、ここでいう独立行政法人とは新しく導入を検討する概念であり、会計制度、情報公開の制度のほか、業務の見直しが予定されていること等が現行の特殊法人との相違点であるとの意見が述べられた。関連して、現在の特殊法人は想定される外局、独立行政法人、特殊会社等のいずれに近いものかとの疑問が呈され、これについて、少なくとも外局には当たらないとの見解が示された。

独立行政法人の職員は公務員としての身分を有すると想定されているのかとの疑問点が述べられた。これに対し、身分については今後議論すべき問題であるが、国とは別の法人格になることに伴い公務員でなくなる一方、労働三権も保障されるということになるのではないかとの意見が述べられた。他方、今後の検討次第で公務員の身分とする可能性も否定できず、今の段階でエージェンシー職員の身分について決めつけない方がよいとの意見が述べられた。

「独立行政法人」の名称が分かりにくく、国民に分かりやすくなじみやすい名称を考える必要があるとの意見が述べられた。

エージェンシーの定義を明確にすることは必要であるが、何を民営化し、何をエージェンシー又は外局とするかをこの段階で決めることには問題があるとの意見、また、具体的な当てはめは今後の問題であるが、日本版のエージェンシーのイメージとしてはこのようなものであるということでよいのではないかとの意見が述べられた。

エージェンシー化については、1)地方分権の推進、2)民営化、民間委託等の推進、3)特殊法人の見直し、という3点が前提となっており、特殊法人の在り方についての議論を避けて通ることはできないのではないかとの意見が述べられた。これに関連して、エージェンシー化の対象組織を考える前に、まず民に委ねることのできるものについては民営化等を進め行政の簡素化を進めることが不可欠であり、その対象を早期にピックアップすべきであるとの意見が述べられたほか、地方分権の問題は行政改革会議の直接のテーマとはなっていないが、この問題を放置しておくことはできないとの意見が述べられた。

 また、省庁の組織改編は必ずしも特殊法人の問題を取り上げなくても可能であり、11月までに省庁再編の成案を得るためには、中央省庁の再編問題と同時並行して特殊法人の問題を取り上げるべきではないとの意見も述べられた。

(内閣機能の強化について)

内閣機能の強化に関し、現行制度は、1)各省が所掌事項を分担管理し、2)内閣が連帯して責任を負い、3)閣議決定に基づいて内閣総理大臣が行政各部を指揮するという体制になっている。また、運用上閣議決定は多数決でなく全員一致によっており、閣議に上げる案件は原則として事務次官等会議にかけてから閣議に上げるとの取扱いがなされているため、各大臣、各省がいわば実質的な拒否権を持っていることになっている。各省庁を機能別に編成すると、環境と経済など簡単に政策が一致するはずのない省庁間の調整がより困難となることが予想されるので、これらの問題点について議論すべきであるとの意見が述べられた。これに対し、閣僚懇談会等の場で閣僚からの発議が行われることもあるし、また、閣議決定に全員一致を要するとの点についても、現行憲法の制度上は大臣を罷免することによって全員一致で閣議決定を行うことも可能であり、通常時については対処可能であるとの意見が述べられた。

 関連して、上記のような運用で対処するのではなく、内閣法第6条の改正についても議論すべきではないかとの意見が述べられた。これに対して、危機対応については、既に本会議が提案しているとおり、内閣法6条の改正ではなく、あらかじめ概括的な閣議決定を経ておくことによって総理が行政各部を直接指揮するということで対処可能であり、他方、平時において権限を拡大することには問題があるのではないかとの意見が述べられた。

(3) エージェンシーについて、事務局から各省庁に意見照会を行い、その結果を会議に報告することとされた。

(4) 次回会議は、6月4日(水)午後2時より開会し、北海道開発庁、沖縄開発庁、通商産業省、運輸省からのヒアリングを行うこととされた。

以上
(文責 行政改革会議事務局)
連絡先:行政改革会議事務局   高野(電話03-3581-2641)  杉山(電話03-3581-0272)

行政改革会議議事概要は、インターネット(官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/)の「最近の話題」又は「審議会」の欄)及びパソコン通信ネットワーク(PC-VAN及びGサーチ)でも御覧になれます。


別紙1

小委員会の設置について

平成9年5月28日
行政改革会議

1 設置の趣旨
改革案の具体的検討に当たって、委員間の論議の充実を図るため、以下により小委員会を設置する。

2 小委員会の構成及び任務

(1)構成
1)以下の複数の小委員会を設けることとし、会議の各委員は、その意思により、いずれかの小委員会に所属するものとする。
a 企画・制度問題小委員会
b 機構問題小委員会
2)各小委員会の会議には、当該所属委員以外の委員の随時出席を可能とする。
3)各小委員会の座長は、構成する委員間の互選による。
4)会長、会長代理は、随時、各小委員会の会議に出席する。
(2)任務
1)企画・制度問題小委員会
改革の基本理念、内閣制度及び内閣機能、国家公務員制度その他共通的組織・制度問題について、会議の論議を踏まえて検討の具体化作業を行う。
2)機構問題小委員会
中央省庁の編成、省庁を構成する組織及び各種事業部門の組織形態の在り方を含め、中央省庁の機構問題について、会議の論議を踏まえて検討の具体化作業を行う。
3 小委員会の設置及び活動
1)各小委員会は、6月末ないし7月初を目途に設置する。
2)各小委員会は、その検討に際し、事務局に必要な資料の作成・提出等を求め、効果的な審議を進めるものとする。


別紙2

中央省庁の在り方及びエージェンシーについて(討議メモ)

(基本的考え方)
1.中央省庁(本省庁)は、基本として、政策機能の重点化と充実が必要。
このため、まとまりのある実施業務については、エージェンシー又は外局として分離することが必要ではないか。
2.以上の基本前提として、現行の実施事務について、「官から民へ」という視点で、民間で実施可能な業務は、可能な限り、民間化、民間委託化するとともに、「中央から地方へ」という視点で事務を整理すべきではないか。

(エージェンシー)
3.公共的、公益的な事務・サービスについては、その効率的、効果的な実施のために、その業務運営に可能な限りの自律性を付与し、責任を明確化するため、現行の組織形態にとらわれない特別の工夫を行う必要があるのではないか。
この業務分野には、英国のエージェンシーでとられた手法を参考としつつ、新たな組織の手法の導入を検討し、日本におけるエージェンシーと位置づけることが適当ではないか。
※ 現業については、企業的性格が強いところから、特殊会社化を含め検討することが必要ではないか。

(外局)
4.規制・監督をもっぱらとするものなど、エージェンシーになじまないものについても、基本的には、本省から分離し、外局として位置づけることが適当ではないか。


別紙3

新たな中央省庁の基本的在り方について(討議素材)
1. 新たな行政システムへの転換を目指すにあたり、以下のような点を考慮してはどうか。
 (1)多様な行政目的・価値をめぐるダイナミックな政策展開
  (2)透明度が高く、公正で国民本位の政策運営
  (3)効率的で無駄のない、国民のニーズに応える行政サービス
  (4)緊急的課題への機動的・集中的な対応
  (5)国際的視野に立った普遍的な行政
2. 新たな中央省庁の在り方として、以下の点が重要ではないか。
○実施部門の利害から解放された高い視点と広い視野からの政策立案
○国民本位で効率的な行政サービスの公正・中立な提供
(1)中央省庁における政策機能への重点化(純化)について
1)機能を純化し、行政を高度化、効率化
・政策部門と実施部門を組織的に可能な限り分離し、機能純化、政策部門の対応力を強化。
2)政策目的、実施基準の公正・透明化
・政策目的、実施基準を明確にし、外部に明らかにすることにより、行政の透明性を向上。
3)客観的な政策評価とフィードバックシステムの強化
・実施段階の政策評価・効果測定による政策立案部門へのフィードバック、実施・政策両部門間の健全な緊張関係の創出。
(2)中央省庁の組織及び編成の在り方について

≪ 政策部門 −本省− ≫
1)政策目的別編成
・国として取り組むべき政策目的、任務に即した編成。
・政策目的間の基本的な対抗関係の外部化と省間の透明な政策論議。
2)「省」への横断的調整機能の付与
・政策目的に照らした横断的な調整(縦割りの弊害排除)。
・政策目的を軸に、他の関係省への積極的提案・関与。
3)機動的・戦略的な意思決定ができるコンパクトな組織
・実施部門の利害から離れ、政策を機動的・総合的に企画立案。
・政策評価の充実、国民ニーズの把握・吸収。
4)組織編成の柔軟化
・内外の環境変化に応じて変化する行政課題に即し、省編成も柔軟に改組。
≪ 実施部門 −外局、エイジェンシー− ≫
1)公正、中立、透明な行政執行
・明確なルールに基づく公正、中立、透明な行政事務の実施。
2)事務の効率性、国民の利便性を重視した編成
$B!&8zN(@-!"9qL1$NMxJX@-$r9MN8$7!"9T@/BP>](I%手段の類似性、同質性を基準に編成。
3)組織運営上の裁量の拡大
・運営上の裁量拡大、市場原理、民間的手法の導入によるサービス向上、効率化。
4)責任の明確化と機能的組織管理
・業務責任の所在の明確化。実施機能にふさわしい業務・組織管理の実現。
(3)政策部門と実施部門の関係の在り方について −基本的に、密接な関係の維持が必要−
1)両部門の十分な意志疎通の確保
・相互に意見交換、資料請求ができるような制度的担保。
2)政策意志の実施段階への十分な反映
・政策部門の実施部門に対する監督。
3)政策の実施効果の企画への十分な反映
・政策評価システムの整備等。
4)以上を踏まえた必要な人事交流


別紙4

中央省庁の在り方及びエージェンシーについて(イメージ試案)

 主たる機能 業    務 備 考
本省○政策立案
○高度な政策判断を要する業務の実施
(1)政策の企画立案
(2)次の実施に係る事務事業
1)高度の裁量性・政策判断を要するもの(*)
2)外局・独立行政法人の監督
*制度管理事務のうち制度の基本に関わるもの(制度の基本に関わる、解釈・基準の定立、実施命令・基本通達の発出等)の実施を含む
外局○私人等の権利に直接影響を及ぼす業務のルールに則った中立・公正・透明な執行(1)国が組織として成立するために自ら行うことが必要な事務事業及び国が自らの名において行うことが必要な事務事業
(2)私人に対する規制等業務
〜定型業務については、極力、指定機関方式を採用
*ある程度まとまりのある事務であって、国の定立した客観的基準への当てはめによって実施可能な規制、監督等について検討
*性質に応じ、行政委員会を活用
独立行政法人 (エージェンシー)○公共性・公益性の高いサービスの効率的・高品質な提供
(注)業務の性格・類型に応じ、多様性を確保
公共的・公益的性格から、実施主体に特別の義務・能力等が必要とされる事務事業(*1)で、効率的・効果的な実施のため、法人格を付与して行わせることが必要な(*2)もの
(*1)→1)公共上の要請等から当該事務事業を行う主体の確実な存在が必要なもの、2)性質上、単一の主体が独占的に行うことが必要なもの
(*2)→法人格の付与は、国が主体となる場合に課せられる諸制約をはずし、自律的・効率的な運営を行うため
※現業的業務、事業会計(特別会計)業務、施設等業務など、広範に検討
(特殊会社及び民営化を含めて検討)○企業的性格の強い業務の提供公益性、独占性、採算性などの観点に併せ、企業的経営にふさわしい形態をとることが適当である業務※公企業的業務について検討
民間(1)公益法人:補助等を要する公益性のある事業の実施<民間で実施可能であるが、一定の公共性・公益性があるため、事業規制及び補助、基金の付与・造成等の助成が必要なもの※官民の役割分担の基準に照らし、広範に検討
(2)民間営利法人・民間委託上のいずれにも該当しないものについては、民間に委ねる

独立行政法人の導入の考え方(狙いと位置付け)(イメージ試案についての説明)

1.「実施」に係る組織・運営形態の考え方
◆現在国が行っている事務事業について、「政策立案」と「実施」を分離
◆「実施」に関しては、事務事業の内容・性質に応じて、最も適切な組織・運営の形態を追求

≪「政策立案」と「実施」の分離≫

(1)民間に委ねることが可能な業務 →民営化
(2)民間の自由意思に委ねた場合には必ずしも実施される保証がない(ex. 採算性がない等)が公共上の要請からその存在が必要とされる事務事業 →独立行政法人
(3)国民の権利に直接影響を及ぼす業務(規制等) →行政機関(外局)
※ 現業については、企業的色彩が極めて強いところから、エージェンシーの類型とは別に特殊会社化を検討する必要があるのではないか。

2.確保すべき目的・組織運営の在り方を考える視点
○「実施」に係る組織が確保すべき<<3つの目的>>

1)効率性の向上:一定水準の業務・サービスをより少ない費用(コスト)で実現
2)質の向上:目的・性質に応じてより質の高い業務・サービスを実現
3)透明性の確保:明確な基準・手続により業務実施・サービス提供、結果を国民の目に見える形で評価

○独立行政法人の組織・運営の在り方を考えるに当たって必要な<<3つの視点>>

1)評価の実施:業務に係る責任の所在を明らかにするとともに、国民の目に見える形で業務の結果について評価し、改善等に結びつける仕組み
2)自律性の付与:組織・運営に関して一定の枠内で自律性を付与することにより、業務の目的・性質に即した効率性や質の一層の向上を可能とする仕組み
3)自発性の付与:経営主体・業務に従事する職員の双方が自発的に効率性・質等の向上に努めることが可能となる仕組み(インセンティヴの付与)

3.現状の問題点と目指すべき方向

[現在の行政組織・運営の問題点] [目指すべき方向] [具体的な仕組み]
●評価に関する仕組みがない
1)明確な目標の設定・結果の評価を行う仕組がない。
2)予算配分(事前統制)を重視した官庁会計が主体であり、投資対効果の事後評価の仕組みが不十分。
○業務管理の在り方〜中期的目標管理と評価・見直し
【考え方】効率性・質の向上などに関し中期的目標を設定。実績を目標に照らし適正に評価。これを通じて業務を適正に管理。
一方、日常的な業務運営は、実施主体の裁量に委ね、実情に即した弾力的な運営により、効率性・質等の向上を促す。
◆中期的目標の設定=中期的(3〜5年)に達成すべき目標を設定
◆中期事業計画=中期的目標を達成するための事業計画を策定
◆目標達成に係る評価=期間終了後、目標の達成度を評価
●弾力的な財務運営が困難
・年度単位の予算統制は、財政民主主義の観点からのチェックの仕組として、国の予算に関しては一定の機能。
・しかし、運営の弾力性には限界。多年度にわたる中期的観点に立った効果的な資源配分の欠如や、年度末に残額を出さないための予算消化といった非効率な事態も生起。
○財務運営の在り方〜評価可能な形式の導入と運営の弾力化
【考え方】効率化の進展を客観的に評価することが可能な会計制度(企業会計)を導入。 また、中期的目標管理の枠組の中で、効率性の向上を追求する弾力的な財務運営の仕組を導入。
◆企業会計=複数年度にわたる費用按分・投資効果評価が可能
◆年度繰越=年度末の剰余金の次年度以降への繰越が可能 ◆利益処分=年度末の利益につき一定の内部留保を可能とする
◆移流用=予算の使途を一定弾力化し、効率的使用を進める
●組織・人事管理の自律性に限界
・組織・定員・人事について、法令等(国家行政組織法・総定員法・国家公務員法)による画一的な統制が働き、組織・人員配分の面で機動性・弾力性に限界。
○組織・人事管理の在り方〜自律性とインセンティヴの付与
【考え方】組織・人事・定員配分について自律性と柔軟性を付与することにより、実情に応じた効率化・質の向上措置を促進。
また、中期的目標管理の枠組の下で、業績評価を幹部の人事・処遇に反映させるとともに、組織全体の業績(効率性・質等の目標達成度等)を給与等に反映させる。
◆内部組織の柔軟性
◆人事・定員配分の柔軟性
◆給与等のメリット制=効率化による剰余金の一部を財源として給与・ボーナスの増額を図る等
●効率化・質の向上のインセンティヴが働きにくい
・明確な目標の設定・結果の評価・評価に基づく報奨措置等の仕組みがないため、自発的な効率化や質の向上が図られにくい。
○情報の公開 【考え方】
組織、事業内容、財務内容等に関する所要の情報を毎年公開することにより、事業運営の透明性を確保
◆事業計画(中期・年度)、財務諸表、評価結果、監査・会計検査等の結果、役職員の給与関係等の事項について公表
●組織・運営の見直しが制度化されていない
・組織・業務の必要性や運営の在り方等について見直す契機が内在せず、現状肯定に傾きがち。
○定期的な見直し◆中期事業計画の期間終了時に、組織・運営等の改善、事業継続の必要性、民営化の可否等について見直しを行う

4.組織的な位置付け
○目指すべき方向と具体的仕組みについて、組織主体の観点から整理すると次のとおり。
○目指すべき仕組みを一体的に実現するためには、行政機関とは別の主体(行政機関とは別人格を付与する)とならざるを得ないのではないか。

主体中期的目標管理・評価予 算 制 度会計制度機構・定員管理
移・流用年度繰越内部留保
行政機関予算統制の制約上、単年度の目標管理・評価ならば可能か限定的
(移用は国会議決・大蔵大臣承認、流用は大蔵大臣承認)
限定的
(明許繰越(国会議決・大蔵大臣承認)及び事故繰越(大蔵大臣承認のみ)
不可官庁会計<特別会計>総定員法・国家行政組織法の枠組みによる
独立行政法人可能可能可能可能企業会計自律性・柔軟性付与

5.独立行政法人制度の実施に関する手順
○独立行政法人については、共通的な枠組みを制度化(法定)し、その枠組みの下に、業務の内容等に応じた類型を設け、各類型ごとに具体的な組織・運営形態を規定することが適当ではないか。
○こうした枠組みの下で、可能な限り広範に独立行政法人化を図ることとするが、最終的には、各省庁が責任をもって検討し、決定する余地を与えることが適当ではないか。
(注)「目標による管理と評価」の仕組みは、外局においても導入を検討する。