−速報のため事後修正の可能性あり−

行政改革会議第17回議事概要

1 日時 平成9年6月11日(水)14:00〜16:50
2 場所 内閣総理大臣官邸 大客間
3 出席者
(会議)
武藤嘉文行政改革担当大臣・総務庁長官(会長代理)、芦田甚之助、有馬朗人、飯田庸太郎、猪口邦子、河合隼雄、川口幹夫、佐藤幸治、塩野谷祐一、豊田章一郎、藤田宙靖、水野清、諸井虔、渡辺恒雄の各委員
(説明者)
(経済企画庁)竹島官房長、土志田調整局長、中名生調査局長
(防衛庁)江間官房長、柳澤官房防衛審議官
(郵政省)天野官房長、鍋倉官房審議官、松井貯金局次長
(政府)
古川内閣官房副長官(事務)、田波内閣内政審議室長
(事務局)
水野事務局長(再掲)、八木事務局次長
4 議題
(1) 経済企画庁からのヒアリング
(2) 防衛庁からのヒアリング
(3) 郵政省からのヒアリング
(4) その他

5 会議経過

(1) 経済企画庁(以下「経企庁」)からの提出資料を踏まえ、以下のとおり意見交換が行われた。

・ 調査局や調整局などのマクロ経済部門と、国民生活局、物価局といった消費者保護部門とは性質を異にする。資料によれば、両者の一体的運用が必要であり、消費者保護行政や物価行政についても他の機関との一元化はできないとの主張のようであるが、1)消費者保護行政は本来マクロ経済と無関係である。2)物価も基本は市場の需給バランスで決まるものであり、インフレの阻止は財政当局と日銀の活動によって図るべきであって、経企庁が行うべきことはないのではないか。3)こうした観点からは、これら2局は国民生活を所管する省に統合可能なのではないかとの意見が述べられた。これに対し、経企庁から、1)消費者行政は広く各省庁にかかわる問題であり、現在はマクロ経済と並んで経企庁が受け持っているが、将来の省庁再編によってこれを所管するのによりふさわしい省庁ができるのであれば、現在の所管にこだわるものではない。ただし、特定の産業分野を所管する省庁で消費者行政を行おうとしてもうまく機能するかどうかは疑問が残る。2)物価局については、現在、オイルショック時のような大きな問題はなく、こうした意味での物価対策の必要性は薄れてはいるものの、公共料金の決定に当たっていかにコストダウンのインセンティブを与えるかなど公共料金決定の在り方などを議論しており、こうした政策はなお必要であるとの見解が述べられた。

・ 産業を所管する省庁が消費者保護行政を行うことは不適当というが、例えば訪問販売法は通産省の所管であるが厳しく運用されており、必ずしも経企庁のような省庁が行わなければならないというものではないのではないかとの意見が述べられた。これに対し、経企庁から、消費者約款の在り方など消費者保護の基本となる共通的基盤的分野を担当する行政の在り方について述べたものであるとの説明があった。

・ 経企庁経済研究所は、社会科学分野の国立研究所として貴重な存在であるが、かつては高レベルの研究を行なっていたのに、現在は国民所得計算を行っているくらいで、現在の在り方には失望している。その一因として、学者でなく役人が所長となって研究者のインセンティブが薄れたことが考えられる。経済研究所は、重要な政策研究の役割を担っており、各省との調整に当たっても理論で調整できるよう、学界との連絡、連携をとりつつ、しっかりと研究を行える体制にすべきであるとの意見が述べられた。これに対し、経企庁から、国立研究所の活性化は各省庁共通の悩みの種であるが、テーマ毎に気鋭の学者を客員研究員としてお願いするなどの工夫をし、学界との交流にも努めており、なお努力したいとの発言があった。

・ 生活大国5か年計画、構造改革のための経済社会計画など、経企庁は過去に多数の計画を立案してきているが、そのうち何が実施され、何が未実施であるのかなどが見えてこない。経企庁はそうした作業を行っていないのかとの質問があった。これに対し、経企庁から、経済計画については経済審議会で毎年フォローアップしており、計画の進捗状況についてのチェックがなされている。経済構造改革の推進等もこうしたフォローアップ作業の中で指摘されたものであるが、今後とも作業をなお一層分かりやすいものとするよう努力したいとの発言があった。

・ 財政や産業政策との一体化は不適当というが、通産省は、産業政策を放棄し、原課を圧縮して業界から情報を得る窓口としてそれをベースとして経済政策を行いたいとしている。そういう方向だとすると、そうした現場をもつ省庁がマクロ経済政策を抱えてもよいのではないかとの質問があった。これに対し、経企庁から、通産省が産業政策をやめて経済政策官庁になるとしてもなお他に経済官庁は残り、調整が必要となる。行政組織においては省の上に省なしであるべきであり、マクロ経済政策は、一経済官庁ではなく、内閣、総理府といった中立的な機関が総理の強いリーダーシップの下で行うべきものと考えるとの発言があった。

・ ODAについては、1)新たな中期目標は策定しないこととなり、また、財政構造改革会議でも議論されたとおり量から質への転換が求められているが、そうした視点が欠けているのではないか。2)ODAの実施をめぐる縦割りの弊害を除去するため、外交部局に一元化する方が無難と思われるがどうかとの質問があった。これに対し、経企庁から、ODAについての状況変化はそのとおりであり、理念方針をどう描くべきかが問題となる。現在は、屋上屋を架すことを避けるために円借款に係る4省庁体制があり、経企庁は経済政策の総合調整の立場から参画しているが、別な体制ができるのであれば検討したいとの発言があった。

・ 予算編成時に経企庁が算出する経済成長率の見通しが予算編成に合わせた数字ではないかという疑念がある。年度途中に下方修正をし、補正予算を組んでつじつまを合わせているが、こうした状況がマクロ経済政策についての経企庁の存在価値を薄くしている。根拠のしっかりした数字を出して梃子でも動かないという態度をとることが必要ではないかとの意見が述べられた。これに対し、経企庁から、経済見通しを出すにも大蔵省や通産省との調整は必要であり、経企庁が必ずしも強い庁ではないことから、その主張どおりに収まらないこともあるが、経済実態の客観的な把握を軸として調整することが重要であって、単に足して2で割るというようなことではなく、できる限りきちんと出しているつもりである。現に、平成8年度の成長率については、民間は1%台であったが、政府は2.5%という見通しを出し、ほぼそのとおり達成できる状況にあるとの説明があった。

・ ヒアリング資料中で、総合交通体系、電源開発行政の在り方についてはコメントがないが、他の組織と一元化して差し支えないとの趣旨かとの質問があった。これに対し、経企庁から、これらについては、通産省、建設省、運輸省等複数の省庁にまたがるので経企庁が行っているが、効率的にこれを扱う省庁ができるのであれば、検討に値するとの発言があった。

(2) 防衛庁からの提出資料を踏まえ、以下のとおり意見交換が行われた。

・ 自衛隊法(以下「隊法」)第8条において防衛庁長官を指揮監督する「内閣総理大臣」は総理府の長としての総理であり、隊法第76条の防衛出動を命ずる「内閣総理大臣」は内閣の首長としての総理であるとの解釈があるが、防衛庁の主張するように「省」とした場合にこうした関係はどうなるのかとの質問があった。これに対し、防衛庁より、隊法第8条では総理府の長、総理の自衛隊に対する最高の指揮監督権を定めた隊法第7条においては内閣の首長、防衛出動についても同様と理解している。防衛庁を省とすることについて現在具体的な検討を行っているわけではないが、省として位置づける場合には、個別の事務について整理が必要となり、総理府の長としての総理大臣の権限を主任の大臣としての「国防大臣」に移すことが必要となろうが、基本的な考え方を変えるものではない。現在、総理府の外局として位置づけられていることで財政、会計、政省令などで事務的に煩瑣な面はあるが、自衛隊の運用管理上特段の支障があるわけではない。省としての位置づけは、国民に対する国としての責任を明確化するものであり、隊員の士気向上にも資すると考えたものであるとの回答があった。

・ 省として位置づけると隊員の士気が向上するというが、隊員の募集にも苦労している中で本当に質の向上が図り得ると考えるかとの質問に対し、防衛庁より、士気の向上は省としての位置づけだけで得られるものではなく、基本は国民の自衛官に対する信頼、尊敬の念であり、防衛庁としても士気向上に努力しているとの回答があった。

・ 省として位置づけるとしたとき、総理の指揮権が十分確保できるのか。閣議に諮ることが必要になるのではないかとの意見があった。これに対し、防衛庁より、閣議に諮るか否かは内閣法の問題であるが、現状においても基本的事項は閣議に諮っている。例えば、海洋法条約により領海内の潜水艦に対して浮上を要求する等の海上警備行動を自衛隊が行うこととなったが、こうした行動をその都度閣議に諮るのでは遅延してしまうので、包括的に閣議に諮って対応している。また、昭和38年に防衛庁を省とする法案が閣議決定された(国会には提出されず)が、同法案においても基本的に総理と長官の関係を変えておらず、また、隊法第103条の防衛出動時における物資の収用等の告示についても、権限は分担管理大臣の権限であるが、あえて内閣の首長としての総理の権限とされた。このように、省とする場合においても基本的な枠組みを変える必要はないと考えるとの回答があった。

さらに委員より、省として位置づけた場合にも総理が部隊を指揮監督するとなると、その根拠が問題となるが、隊法によって総理権限について内閣法の例外を設けるとの考え方かとの質問があった。これに対し、防衛庁より、防衛出動等については内閣の首長としての総理が閣議に諮って命ずるものであり、内閣法の問題に帰着する。現状を修正しようとの考えではないとの説明があった。

・ 防衛施設庁は営繕事務等を行っており、エージェンシーに適するのではないかとの意見に対し、防衛庁より、例えば沖縄米軍基地の整理統合においては防衛施設庁が米国や外務当局と折衝し、駐留軍用地の暫定使用のための法改正まで至ったものであり、また地方分権推進委員会においても特措法関係は国の直轄事務にすることも視野に入れて検討されていると理解しており、こうした意味からも国自らが行うべき事務と考えるとの見解が示された。

・ 防衛費は抑制する時代にあるが、防衛庁を省と位置づけることでヒト、モノ、カネの肥大化につながるおそれはないかとの質問があった。これに関連し、国際的に見ても国の防衛は本来省として位置づけるべきものではないかとの発言があった。これに対し、防衛庁より、防衛力整備は防衛大綱に基づいて実施されており、省として位置づけるか否かには直接関係がないものと考えるとの回答があった。

・ 自衛隊員の定年を延長しているが、部隊の任務と矛盾するのではないかとの発言に対し、防衛庁より、体力の向上及び長年の知識・経験を活用するとの観点から慎重に検討し、延長することとしたものであるとの説明があった。

・ 専守防衛を旨とする自衛隊に大型の戦車は不要ではないかとの意見に対し、防衛庁より、総数を1,200両から900両に引下げる計画となっており、大型の90式戦車については特定の地域に配備することとしている。日本には陸上自衛隊は不要であるとの論もあるが、洋上ですべて撃破することは困難であり、陸上で防衛にあたるため、戦車等の装備が必要であるとの説明があった。

・ 省として位置づけられることを望む防衛庁の意見は、アジアから反発を招く可能性を考慮に入れたものかとの質問があった。これに対し、防衛庁より、省となれば自衛隊の位置づけが明確化される。海外の関心は、日米防衛協力に見られるように、むしろ運用面が中心である。防衛庁としても、国際間の信頼醸成に鋭意取り組んでいるところであるとの回答があった。

(3) 郵政省からの提出資料を踏まえ、以下のとおり意見交換が行われた。

(全般)

・通信や放送の分野はこれからの産業を担うハイテク産業であって、その育成・発展のためにも他の産業行政と一体化することが考えられるが、郵政三事業のネットワーク機能は民間でも可能なものであり、両者はかなり異種なものである。電気通信三局と郵政三局はどうしても同一の省に置いておく必要があるのかとの質問があった。これに対し、郵政省から、1)沿革的に、郵便を核としてそのネットワークを為替・貯金・保険、さらに電報・電話がこれを活用して発達してきたというように、これらの分野は一体として形成されてきた。2)郵便は基本的通信手段であり、情報通信の一分野である。3)情報通信はネットワークであるが、強力な情報通信行政を推進するためには情報通信の高度利用の環境を国が作る必要があり、そのために普遍的な郵便局のネットワークを利用することが必要で、これらを分離することは適当でない。4)世界的にも郵電省など郵便と通信行政が一体になっている例は少なくないとの説明があった。これに対し、さらに委員から、郵便局のネットワークの利用というが、ネットワーク自体は銀行でもローン会社でも行っており、いわばそろばんが電卓になっただけのことであって、一体でなければならない理由とはならないとの発言があった。

(郵政三事業)

・説明資料中、郵便局が年に5,000万通の日刊新聞を配達しているとの説明があるが、本社からの郵送分は一日に3万部余りとの新聞協会の統計もあり、説明は本当かどうかとの質問があった。これに対し、郵政省から、ヒアリング資料も新聞協会の資料から引用したものであるので、食い違いについて調査するとの発言があった。

・説明資料中に、「民間金融機関のない市町村数」が掲げられているが、この金融機関の中には農協、漁協は含まれるのかとの質問に対し、郵政省から、農協、漁協は含まれていないとの回答があった。

・簡易保険事業では、税金を使わずに福祉施設等を設置運営しているというが、これらは黒字なのか、赤字覚悟でやっているのか。また、福祉はこれを所管する省庁や民間が行えばよいことであって、郵政省が簡保資金を使って行う必要はないのではないかとの意見・質問が述べられた。関連して、こうした施設を営む法人の役員等が郵便局長等の天下り先となっており、そのために多数の施設が作られているのではないかとの指摘があった。これに対し、郵政省から、簡保については、法律でその利益を加入者に還元して加入者に対する福祉活動を行うこととされており、これらの施設はそのためのものである。これらが郵政省職員の再就職先となっていることは事実であるが、再就職を主眼とするものではなく、郵政省職員として培った専門性を活かした再就職をしているに過ぎないとの見解が示された。

・第三種郵便物の割引によって年間239億円の赤字があるということであるが、第三種郵便物についての広告割合の規制は現存するのかとの質問があった。これに対し、郵政省から、広告割合は以前から50パーセント以下に規制されており、変わっていないとの説明があった。

・1)郵貯・簡保の資金が財投を通じて社会資本整備に充てられているとの説明があるが、財投から特殊法人に流れる資金の無駄遣いや非効率に批判が集中し、財政構造改革会議においても財投を縮減させようとしているときに、財投資金として使われていることを積極的に評価している趣旨は何か。2)財投資金の運用先は赤字の公団などであるが、郵貯の運用は大丈夫なのか、また、自主運用する自信はあるのかとの質問があった。これらに対し、郵政省から、1)財投は国の責務の一つであり、今までもこの仕組みに協力してきたところである。2)今後もニーズがなくなるとは考えられず、公的資金として運用するのは当然であるが、償還が脅かされるような状況が出てくるのであれば考えなければならないとの発言があった。

・郵便局舎の9割が借入局舎であり、局舎の所有者が固定資産税等を納付しているとの説明であるが、郵便事業が非課税であることに対する批判に対するものとして書かれているのであれば、不動産の所有者が固定資産税を納付するのは当然であって、説明になっていないのではないかとの指摘があった。これに対し、郵政省から、資料の記載は、税金を免れているわけではないということを示したものであるとの説明があった。

・郵便事業を国が行うことの必要性に関し、憲法上の権利である信書の秘密ということが言われることがあるが、誤配や配達員による郵便物の投棄などの事例もあり、国が行っていても信書の秘密が守られていないのではないかとの発言があった。これに対し、郵政省から、1)郵便事業を民間に解放したとしても信書の秘密を守るべき義務は課す必要があり、民間に解放すると信書の秘密が守れないと主張するものではない。2)国民の監視の下にある国が行っても信書の秘密を守るのは難しく、なお職員の研修・教育に努めたいとの発言があった。

・郵政事業を民営化すれば赤字になると言われるが、それは現在の体制が非効率であることの証左であり、このことから民営化が不適当というのは理由になっていないのではないかとの指摘があった。また、郵政事業が非課税であることに対する批判があるが、仮に払ったとすれば、いくらくらいになるのかとの質問があった。これに対し、郵政省から、1)税金の問題は、イコールフッティング論から来ているが、郵便局の場合、撤退の自由がなく、ユニバーサルサービスを提供する厳しい義務が課されており、そのコストは大きい。2)今回郵政審議会が平成6年度決算を元にして初めて具体的なコストの数字を試算したが、その結果、支払うべき税額は2,100億円、ユニバーサルサービスのコストが6,600億円という結果になっているとの説明があった。

・郵貯の金利と運用金利の差があると思うが、逆ざやの場合に税金によって賄われるのかとの質問があった。これに対し、経済環境により変化があるが、現在は運用利率の方が高くなっている。逆ざやの時も資金運用部から借入をすることによって賄ってきており、これまで税金で補填したことはないとの説明があった。

・今次行革の基本は、現業等を外部化し、政策立案部分を大括りするという発想であるが、郵政三事業は正に現業であり、この考えからすれば三事業は本省から外部に出す必要がある。民営化が困るというのであれば、国営の形で本省から外に出すことも考えられるが、それでも不都合があるかとの質問があった。これに対し、郵政省から、1)郵政三事業のようなサービス行政は、政策の企画・立案と業務の執行の一体性が高い。2)国民のニーズを反映した執行を行うことが必要であるが、三事業を分離すれば、これを監督する組織が別途必要となる上、その監督組織が国民から遠い組織となるので国民ニーズの把握等に支障があるなどの弊害が考えられ、両者は一体でなければ適当ではないのではないかとの見解が述べられた。

・戦後逓信省から公社として分離され、さらに民営化された電信・電話については、資料中でも高く評価しているのに対して、郵便事業はそうはいかないというが、その違いは何かとの質問があった。これに対し、郵政省から、1)情報通信産業は成長性と収益性が高く、設備投資も大幅な伸びを示しているのに対し、郵便事業には大幅な需要の伸びは望めないなど両者は産業構造が異なる。そうした中で郵便事業に民間との競争を導入すると、いわゆる「いいとこ取り」となり、全国均一料金、ポスト投函制度等のユニバーサルサービスが守れなくなる懸念がある。2)NTTに対しては法律上ユニバーサルサービスを義務づけているが、郵便の場合にはこのような方策は採れないとの説明があった。

・郵政三事業を将来とも現状維持し続けるということであれば、国家全体の運営にどういう負荷をかけることになると考えているか。21世紀の国家像についてどう考えているのかとの質問があった。これに対し、郵政省から、21世紀の国家の役割としては、活力に満ちながら福祉に厚い国を形成することであり、その中で郵政事業の果たすべき役割は大きいと考えている。現在ある郵便のネットワークを情報の拠点とするなど、そのシステムをうまく活用する方が、この目的にかなうと思われるとの見解が示された。

・民間の生保であれば配当額等が個々の契約者に毎年通知されるが、簡保は何も通知をしておらず、保険事業としておかしいのではないかとの意見があった。これに対し、郵政省から、簡保資金については毎年決算をして、余剰分は保険金の支払時に配当している。通知については告示で済ませてきたが、今年度から個々の加入者への通知を行う予定であるとの発言があった。

・税金を使わずに事業を行っているというが、民間でもできる仕事を圧迫しているということを考えるべきである。そうであれば、同じ現業の大蔵省印刷局が年に60億円余を国庫に納付しているように、国庫納付をすべきではないかとの指摘があった。

・定額貯金については、金利水準が高かった平成2〜3年に大量の貯金があり、これらが平成12〜13年に集中的に満期を迎える。1)以前満期が集中した時期には、郵政省を挙げて満期定額貯金の回収(再貯入)に努めたと聞くが、今度もこのようなことを行うのか。また、官としてこのようなことを行うべきなのか。2)さらに、この時期は金融ビッグバンの進行中であることが考えられ、その中で郵貯資金が雲散霧消してしまう可能性もあると思うが、どう考えているのかとの質問があった。これに対し、郵政省から、1)平成12〜13年に大量の貯金が集中的に満期を迎えることは確かであり、その満期の際にはビッグバンの状況も念頭におかなければならない。2)ビッグバンでは、証券型金融商品にシフトすることが考えられ、長い目で見ると郵貯のシェアは低下するのではないかと考えているが、仮にそうであっても、過渡期への配慮は必要と考えるとの説明があった。

・総務庁の行政監察でも指摘されているが、一人1,000万円の郵貯の限度額を管理するための名寄せが不十分ではないかとの質問があった。これに対し、郵政省から、原簿が各郵便局にないことから、利用者が貯金をしようとする際に窓口で名寄せを行なうためにはシステムの抜本的な変更を要するが、限度額オーバーの貯金が現に存することから、行政監察局の指摘も踏まえ、早急に対策を行いたいとの説明があった。

・郵政審議会が郵便事業の民間ベースでの採算を計算している。民間の感覚では、関東等の黒字で他の地域の赤字を埋め、全体として採算がとれるよう努力しようと考えるであろうが、郵政審は、民間が参入すると郵便料金が跳ね上がるなどと主張し、独占が必要であると結論づけている。これは非常に楽な考え方で、正にお上の感覚であり、民間の感覚とは違うとの指摘があった。これに対し、郵政省から、この問題は結局は郵便料金が高いか低いかという問題に帰着するが、我が国の郵便料金は、取扱量が格段に多い米国を除き、欧州等他の先進諸国並みである。郵政審から、7年間郵便料金を据え置くべきとの答申も受けているので、効率化を図っていきたいとの説明があった。これに対し、委員から、民間であれば答申など受けなくても効率化を考えるはずであり、考え方が逆であるとの発言があった。

・国家公務員である特定郵便局長の団体である特定郵便局長会が郵便事業の民営化に反対して活動しているが、国家公務員が政治的な活動を行っているものであって不適当ではないかとの発言があった。これに対し、郵政省から、特定郵便局長会は任意団体であるが、特定郵便局長にとって郵政事業の民営化はそのよって立つ基盤が崩されることとなるので、危機意識を持ち、国会、世論に訴えて動くのは当然であり、公務員であってもこのような一定の範囲の政治的活動は許されると考えるとの発言があった。

(情報通信・放送関係)

・平成12年以前に地上波によるデジタル放送が開始できるよう取り組むとしているが、デジタル化には民放で9,000億円、NHKでも4,000億円の投資が必要であり、これに加えて視聴者は受像機の買替えが必要となる。こうした政策転換について、郵政省は国民に対する説明責任(アカウンタビリティー)を果たしていないのではないかとの意見があった。これに対して、郵政省より、デジタル化はチャンネル数増、映像の精度、音質の向上などメリットが多い反面、負担が大きいのも事実である。既にCS放送やCATVではデジタル化が進んでおり、地上波放送をどうするかが課題であるが、郵政省としては電気通信審議会で2回、私的諮問機関で2回の検討を行っており、有識者の意見を聞きつつ対処してきたものであるとの説明があった。

・1)電波は国民の共有財産であるが、その割当ては不透明であり、米国のように行政委員会方式に改めてはどうか。2)また、割当てにあたって入札制度の導入も考えるべきではないかとの質問があった。これに対し、郵政省より、行政手続法により審査基準を公表して割当ての透明性を確保しているところであり、放送については個別事案についても電波監理審議会の意見を聴いて対処している。入札制については外国に例があると承知しているが、例えば米国では高額で落札した者が辞退するなどによって、かえってコスト増となったこと、及び資金力のある者に利用が集中する等の弊害も指摘されている。入札制を否定するものではないが、将来の課題と認識しているとの回答があった。

・デジタル化、ニューメディア、マルチメディアなどを国が推進するのはよいが、民間の自然な発展に委ねる視点が必要であるとの意見に対して、郵政省より、指摘の趣旨を放送行政局に伝達するとの回答があった。これに関連して、委員より、今後200〜300chの放送枠が生まれるが、日本では米国と事情が異なるので番組が不足し、普及は難しい。地方局は投資能力がないために経営が困難になることが予想され、基幹局と外資によって放送がなされる事態になりかねない。また、インターネット上の犯罪が種々指摘されている。こうした状況において、国として行うべきは通信犯罪の抑制や社会秩序の維持であるとの意見があった。

・通信と放送の融合ということが言われるが、前者は利便性を追求するものであるのに対して、後者の内容は文化であり、相異がある。このため、両者は融合させても良くならないものであり、それぞれを発展させるべきであるとの意見があった。これに対して、郵政省より、ハードの面でみるとCATV網による電話、CSやインターネットによる放送、道路情報システムによる放送的事業などが行われている。すなわち、1つのハードで通信と放送を行うことが今日言われている通信と放送の融合である。通信、放送それぞれで基本的な部分は残るが、前述の新しい分野をどのように扱うのかといった点について、今後も検討していきたいとの説明があった。

・通信総合研究所は情報通信分野における唯一の総合的な国立研究機関というが、この分野にはNTTの研究所や通産省の電子総合研究所もある。通信総合研究所の研究を絞り、一部は民間等に移管することを検討すべきであるとの意見があった。本件について、通信総合研究所において行わなければならない研究を、後日、文書で回答することとなった。

(4) 各小委員会の所属委員及び座長について、別紙1のとおり決定された。

(5) 次回会議は、6月18日(水)午後2時より、国土庁、人事院、自治省、建設省からのヒアリングを行う。

以上
(文責 行政改革会議事務局)

連絡先:行政改革会議事務局   高野(電話03-3581-2641)  杉山(電話03-3581-0270)

行政改革会議議事概要は、インターネット(官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/)の「最近の話題」又は「審議会」の欄)及びパソコン通信ネットワーク(PC-VAN及びGサーチ)でも御覧になれます。


別紙1

各小委員会の所属委員について

平成9年6月11日
行 政 改 革 会 議

1 「小委員会の設置について」(平成8年5月28日行政改革会議決定)に基づき、各小委員会への所属委員は、以下のとおりとする。
(1)企画・制度問題小委員会
芦田委員、猪口委員、河合委員、川口委員、佐藤委員、豊田委員、諸井委員、水野委員
(2)機構問題小委員会
芦田委員、有馬委員、飯田委員、猪口委員、河合委員、塩野谷委員、豊田委員、藤田委員、
諸井委員、渡辺委員、水野委員

2 各小委員会の会議には、会長及び会長代理は、随時出席する。
また、各小委員会の会議には、その所属にかかわらず、各委員は自由に出席し、意見を述べることができる。
3 各小委員会の座長として、主査を置く。主査は、それぞれ、以下の委員にお願いすることとしたい。
(1)企画・制度問題小委員会:主査 佐藤委員
(2)機構問題小委員会:主査 藤田委員



(参考)
小委員会の設置について(平成9年5月28日行政改革会議)

1 設置の趣旨
改革案の具体的検討に当たって、委員間の論議の充実を図るため、以下により小委員会を設置する。
2 小委員会の構成及び任務
(1)構成
1)以下の複数の小委員会を設けることとし、会議の各委員は、その意思により、いずれかの小委員会に所属するものとする。
a 企画・制度問題小委員会
b 機構問題小委員会
2)各小委員会の会議には、当該所属委員以外の委員の随時出席を可能とする。
3)各小委員会の座長は、構成する委員間の互選による。
4)会長、会長代理は、随時、各小委員会の会議に出席する。
(2)任務
1)企画・制度問題小委員会
改革の基本理念、内閣制度及び内閣機能、国家公務員制度その他共通的組織・制度問題について、会議の論議を踏まえて検討の具体化作業を行う。
2)機構問題小委員会
中央省庁の編成、省庁を構成する組織及び各種事業部門の組織形態の在り方を含め、中央省庁の機構問題について、会議の論議を踏まえて検討の具体化作業を行う。
3 小委員会の設置及び活動
1)各小委員会は、6月末ないし7月初を目途に設置する。
2)各小委員会は、その検討に際し、事務局に必要な資料の作成・提出等を求め、効果的な審議を進めるものとする。