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行政改革会議第18回議事概要

1 日時 平成9年6月18日(水) 14:00〜16:50
2 場所 内閣総理大臣官邸 大客間
3 出席者
(会議)
武藤嘉文行政改革担当大臣・総務庁長官(会長代理)、芦田甚之助、有馬朗人、飯田庸太郎、猪口邦子、河合隼雄、川口幹夫、佐藤幸治、塩野谷祐一、豊田章一郎、藤田宙靖、水野清、諸井虔、渡辺恒雄の各委員
(説明者)
(国土庁)近藤官房長、福田防災局長、川嶋官房審議官
(人事院)尾木管理局長、武政給与局長、吉藤管理局審議官
(自治省)谷合官房長、松本行政局長、島津官房総務審議官
(建設省)小野官房長、村瀬官房総務審議官、大石官房技術審議官
(政府)
田波内閣内政審議室長
(事務局)
水野事務局長(再掲)、八木事務局次長
4 議題
(1) 国土庁からのヒアリング
(2) 人事院からのヒアリング
(3) 自治省からのヒアリング
(4) 建設省からのヒアリング
(5) その他

5 会議経過

(1) 政策立案機能を中心とした本省及び実施機能を中心とした外局並びに独立行政法人(仮称)による中央省庁の組織を編成する考え方、独立行政法人(仮称)構想についての考え方に関する各省庁への意見照会結果が出揃った旨報告があった。

(2) 国土庁からの提出資料を踏まえ、以下のとおり意見交換が行われた。

〇社会資本整備を担当する省庁を一元化するのが望ましいとする一方で、その場合に省庁が巨大化するとの問題点も指摘しているが、巨大化の弊害を防止するためにどうしたらよいと考えるかとの質問があった。これに対し、国土庁から、公共事業の所管省庁を一体化することには賛成であるが、(例えば、土地改良事業の関係で農業政策まで、空港整備の関係で航空政策まで括るなど)関連する産業政策部門まで含めるとすると巨大化の面でマイナスとなる懸念もある。予算項目上の公共事業を一元化することが考えられるが、例えば民間によるライフラインの設置管理等をどうするかなど、詰め切れていない部分もあるとの説明があった。

〇社会資本整備を担当する省庁の巨大化の防止策として、現実に工事を行う部門を集めて外部化するという考え方はどうかとの質問があった。これに対し、国土庁から、政策と執行を分離することは、具体的なケースにおいては難しい場合があると考えられるが、基本的には、巨大化を避けるための一方策として分離を考えるべきとの見解が示された。

〇防災については多数の省庁が関係しているものの、それぞれの省庁の防災の部分のみを集めてもさほど大きくはならないと思われるが、集中させた方が良いのか、あるいは、なお分散させておいて総合調整を行うのが良いのかとの質問があった。これに対し、国土庁から、防災に関する機能をすべてまとめることは現実的ではない。他方、総合調整機能のみでは、例えば応急措置に際して警察や消防を直接指揮することができず、復旧、復興に関しても各省の意見を聞いて段取りをする必要があり、十分に機能を果たし得ないので、一部でも実施部門を持つとともに、それを核にその他の部分についても総合調整を担うという体制が良いと考えるとの見解が示された。

これを受け、防災を所掌する省庁をどの実施部門を軸として構成すべきかとの質問があった。これに対し、国土庁から、警察・消防系統と社会資本整備系統の二つの選択肢が考えられる。前者による応急措置が必要な災害は、例えば震度5以上の地震は年間に一桁であるなど頻度がさほど大きくなく、大部分の災害は国土庁限りの措置で足りるものであるのに対し、後者が重要な役割を果たす予防、復旧、復興は大きな部分を占めており、特に予防が重要である。百年や20〜30年に一度起こる災害を念頭に置いた組織は必要以上に大げさな組織となること、警察や消防は、災害予防と関係しないのに対し、救命、救護については、これらのみならず自衛隊、医療、公共施設の管理部門も関係していること等から、社会資本整備担当の省庁が防災を所管するのが良いのではないかとの見解が示された。これに対し、救命に自衛隊の出動を要するような有事もあろうが、それほどでもない場合は警察・消防が救命を行うのではないかとの意見が述べられ、国土庁から、激甚災害の大部分は台風や地滑りであり、警察・消防よりも社会資本整備に関連するものであるとの説明があった。

これに関連し、委員から、そのような体制では警察や消防との連携がうまくいくのか疑問であり、むしろ内閣なり総理府で総合調整する方が良いのではないかとの意見が述べられた。これに対し、国土庁から、内閣に置くとしても、防災局が再編後の大括りされた省庁を相手に十分に総合調整を行い得るか疑念があるとの見解が示された。

〇土地行政に関し、バブル期の地価高騰の際、国土庁はどのような役割を果たしたのかとの質問に対し、国土庁から、地価高騰に対しては、国土利用計画法により、許可、届出制度等の地価抑制の制度があり、実際に地価の鎮静化に効果があったと考えられる。他方、土地の有効利用の問題については、総合調整以外に有効な手だてがないとの説明があった。

〇国土庁の有する機能は、社会資本整備関係と防災関係に大別できるが、前者は公共事業官庁の企画調整部門と一体化し、後者については、設置場所がどこであるかは別として、国土庁の防災局を置くということにするのが分かりやすいのではないかとの意見が述べられた。

〇公的な土地評価は、相続税評価、固定資産評価、地価公示など様々であるが、これは、土地に対する考え方がしっかりしていないからではないかとの意見があった。これに対し、国土庁から、土地評価について一元化を目指して努力している。土地行政を一元化すれば、こうした無駄を省くとともに地方分権にもつながり、望ましいと考えるとの意見が述べられた。

〇国土庁は、全国総合開発計画(全総)という各省にわたる壮大な計画を所管しながら、なぜ十分な調整を行えないのかとの質問があった。これに対し、国土庁から、全総の策定に際しては、国土庁が主体性を発揮してその哲学を反映させることができるが、そのフォローアップの段階で国土庁が総合調整を実効的に行い得る手段が十分でない。各省の5カ年計画、予算要求の中で、国土庁には、例えば総額10兆円の公共事業費に対して400億円の調整費という手段が与えられているにすぎないため、個々の公共事業の優先順位などについて調整力を発揮することができないとの説明があった。

(3) 人事院からの提出資料を踏まえ、以下のとおり意見交換が行われた。

〇現行制度の中で、在職者の給与は人事院、退職手当は総務庁人事局、年金は大蔵省というように分かれているが、その中で人事院と総務庁人事局の関係が分かりにくい。これとの関係で、省庁再編の中での人事院の位置づけとして、行政委員会として基準設定等に純化すべきなのか、それにとらわれずにいろいろなものを取り込むべきと考えているのかとの質問があった。これに対し、人事院から、人事院は、労働基本権の制約の代償機能と、公務の公正性の確保の観点から人事管理を考えるという役割であるのに対し、人事局は使用者としての責任体制の明確化と各省人事の総合調整を行っている。人事院が提出した意見の申出の法案化作業を人事局が行っているため、二重手続のような印象を与えるが、基本的な役割の違いがある。労働基本権制約の代償性や公正性の確保問題については、人事院が独立の機関としてこれらを担保する方が収まりがよく、人事院の機能は残ることとなり、これを中核として仕組みを考えていくのがよいのではないかとの見解が示された。

〇縦割り是正のため、公務員の一括採用、一括管理の必要性が議論されているが、人事院がこれに消極的な理由は何かとの質問があった。これに対し、人事院から、いろいろな考え方があろうが、1)国家公務員のT種採用職員だけでも現在2万人もおり、現実的に職員の能力、仕事の内容を把握して管理することができるのか、専門性の要求が高まる中で専門性の観点からの育成が可能かという問題点があり、加えて、2)最近の若者の就業意識は、特定の仕事に就きたいとの意識が強いことも考える必要がある。縦割りの弊害是正には横割り調整の強化が基本であり、また、縦割り意識の排除の方策としては、合同研修や省庁間交流が適切と考えるとの見解が示された。

〇1)人事交流については運用の問題であり、人事院が関与すべきことではないのではないか、2)また、各省幹部人事への内閣の関与について人事院が反対の姿勢を示しているとの報道があるが、これも運用の問題であって人事院が意見をいうべきことではないのではないかとの意見が述べられた。これに対し、人事院から、省庁間交流については、一括採用に代わるものとして良いものではないかと申し上げたものである。また、各省幹部人事については、内閣の関与の度合が強まると行政の公正性との関係で問題が生じることもあり得ることにも配慮していただきたいとの気持ちを伝えたものであるとの発言があった。

〇人事院が突然人事院規則を出して事務次官の定年を延長すると言い出したが、このようなことを人事院が行う必要があるのかとの質問があった。これに対し、人事院から、人事院では、人事管理の仕組みとして、昨年夏に在職期間の長期化の提言を行っている。運用に待つ部分もあり、徐々に在職期間長期化を図るため、規則改正も含めて検討を行ったものであるが、唐突に規則改正の話を持ち出したという批判があることは承知しているとの発言があった。

〇労働基本権にかかわることについては人事院が行うことがやむを得ないとしても、人事院の機能はそれだけに限り、他の部分については人事局に任せることは考えられないかとの意見が述べられた。これに対し、人事院から、議論としてはあるが、行政に対する信頼、公平性の確保が大切であり、そこに独立の人事院が基準を設定することの意味がある。また、「労働基本権に関係するもの」がどの範囲かという問題があるが、勤務条件、公正性にかかわるものについては、第三者機関が行うべきものと考えるとの見解が述べられた。

〇公務員組織にはヒエラルヒーが採られており、次官などの幹部ポストが少数しかできないが、大学では学長を辞めて一教授に戻る制度が採られているように、研究の分野までヒエラルヒーの構造をとる必要はなく、スタッフ式の組織にすることも考えてよいのではないかとの発言があった。これに対し、人事院から、大学ではそのような形となっており、さらに検討していきたいとの発言があった。

 上記に関連し、委員から、ラインから外れた者をスタッフとして残すのは無駄であり、関連の分野のシンクタンクで頭脳を活かす仕事をさせること等が望ましいのではないかとの意見が述べられた。さらに関連して、委員から、最後に同期のトップ一人のみが事務次官になる仕組みの下、一定年齢以上になると先を考えざるを得なくなり、大半の者が第二の職場で必ずしも意欲的でなく仕事をすることになるという現在の在り方でよいのか、再検討をする必要があるとの意見が述べられた。これらに対し、人事院から、1)ライン型では退職管理が不可欠であるので、人事院では、これに関連して事務次官の定年延長の提案をしたところである。また、2)公務組織の活力維持のためには再就職の問題もあり、透明な再就職システムの構築が必要であって、シンクタンクも有効な施策の一つと考えられるとの説明があった。

〇T種職員の採用区分において経済職は法文系全体の約3分の1であるが、長年22パーセント程度であった。人事院が勧めている行政職などよりも経済職の採用をより増やすべきであるとの意見が述べられた。また、関連して、委員から、理系の採用は約半分であるが、その中で事務次官になる者はほとんどおらず、文部省ですら局長になる者が少ないのは問題である。科学技術の重要性を考えれば理系の者をどんどん局長にすべきであるとの意見が述べられた。さらに、関連して、委員から、理系の採用区分が細分化されており、これが技官の縦割りの弊害を生んでいるので、試験区分を変更する必要があるのではないかとの意見が述べられた。これらに対し、人事院から、各省では業務の変化に応じて弾力的に採用を行っており、例えば経済職の採用者数は、20年前に比較するとかなり延びている。現在行政職からの採用を勧めているのは、思考の弾力化の面から必要と考えているからであり、今後も必要に応じて区分別の採用の割合が変化することになろうとの説明があった。また、人事院から、理科系の採用区分については、行政の高度化の中で科学技術の知識を活かしていく必要があり、試験区分の統合も考えられるとの見解が示された。

〇人事院が学位取得者の採用を検討していることは評価できるが、他方、一気に変革の速度を速めるためには、これを中枢に位置づける必要がある。我が国では、入省後の長期在外研修によって学位を取得させているが、アジア諸国では、四年制大学を卒業した上海外で学位を取得した者を採用している例が多いし、アメリカでは、法律家の資格を持っている者から採用されている。20年後にキャッチアップしたアジア諸国と互して戦える競争力を持った官僚を育てるためには、我が国でも、海外で学位を取得した者や司法試験合格者から公務員を採用すべきであって、そうすれば教育界が変わるし、奨学金制度も充実するのではないかとの意見が述べられた。また、関連して、委員から、日本のドクターも含め、専門家をより活用すべきであるとの意見が述べられた。これに対し、人事院から、国際社会の中での対応、特に行政官に国際競争力を持たせることは重要であり、委員の指摘の方向で考えている。他方、日本では研究者についてすら雇用流動性は3分の1程度であるという問題もあるが、専門能力のある者の採用は重要であるとの見解が示された。

〇女子の公務員の採用について、面接で不合格になる率が高いのではないかと思われるが、このような形で男女比を調整しているとすれば問題であるので、データを示してほしいとの要望があった。これに対し、人事院から、T種試験からの女性の採用の問題については丁寧にフォローしており、後日資料を提出したいが、各省の理解も深まりつつあり、U、V種も含めて女性の採用率は増えており、合格率よりも採用率が高い年もあるとの説明がなされた。

〇官庁の人事は追越し禁止が原則で、「up or out」などと言われているが、これは一般の会社では通用しないことで、優秀な者が他を追い越すこととなってもよいのではないか、また、天下りは突然上の方に飛び降りてくる制度であり、これも民間からするとショッキングな人事の在り方であるとの意見が述べられた。これに対し、人事院から、このようなこれまでの人事慣行については、在職期間の長期化を図ることも含めて見直す必要があるとの見解が示された。

〇公務員の俸給表は複雑すぎ、これでは能率給など採用できない。もう少し簡単にするように見直すべきではないかとの意見が述べられた。

(4) 自治省からの提出資料を踏まえ、以下のとおり意見交換が行われた。

〇「国の防災・災害対策行政に係る関係省庁間の連絡調整業務についても、消防行政を併せ持つ地方行財政制度を所管する組織が対応していくことの是非について検討することも考えられる」との意見は、いかなる趣旨かとの質問があった。これに対し、自治省より、現在国土庁において行われている防災等に関係する省庁間の連絡調整業務も、消防行政を併せ持つ前述の組織が実施するのも一つの方策として検討に値するとの意味であるとの回答があった。

〇市町村合併については、過去評判がよくないこともあったが、その推進に向けどのように取り組んでいるのかとの質問があった。これに対し、自治省より、1)市町村合併を自主的に進めるとの観点から、これまで広域行政アドバイザーの派遣等を実施してきたが、さらに新たな取組みとして、合併相談コーナーや合併情報掲示板の設置、自治大臣も出席した地方行革セミナー等における合併への取組みの要請、インターネットを活用した国民への情報提供等の各種方策によって合併気運の醸成を図ることに努めている。2)また、地方制度調査会においてもこれを議題として取り上げており、首長や議会あてのアンケートを実施するほか、省内にプロジェクト・チームを設立し、合併の阻害要因等の分析や合併に係る制度等の改善方策を検討しているとの回答があった。

さらに委員より、地方行革セミナー等での合併の要請は軟膏を塗るような方法であり、本当に合併を進めるためには全国の首長が真剣に合併を検討せざるをえないようなムチを用いることも必要であるとの意見が述べられた。これに対し、自治省より、合併に躊躇する理由としては、各地の地域性への配慮、中心街以外の地域がさびれることへの懸念、異なる行政サービス水準の調整、離島等の地理的不可抗力性などがあるが、自治省としては合併に積極的に取り組んでいきたい。その際には、旧市町村の維持をどうするのか、合併促進のための財政措置をどうするのか、市町村合併についての都道府県の役割をどう考えるかなど、一つ一つ詰めていきたいとの発言があった。

〇都道府県レベルの合併問題として、道州制をどのように取り扱うべきと考えているかとの質問があった。これに対し、自治省より、現在の都道府県については、廃藩置県の後、明治23年から現在の状況が続いており、定着度が高い。二層制の自治制度が現実的と考えられるが、広域行政を進める中で、さらに研究する段階にあると認識しているとの回答があった。

〇現状では地方自治体が起債すると地方交付税の基準財政需要額も増える仕組みとなっているが、こうした制度を維持するよりも、直接税、間接税のいずれかを地方に渡し、地方交付税制度をかつての平衡交付金制度的なものに改めたほうがよいのではないかとの意見があった。また、地方債を始め地方の借入れは100兆円を超えるが、こうした借財の返済について自治省はどのように指導しているのか、地方の利払費はどの程度となっているかとの質問があった。これに対し、自治省より、現在地方の税収は全体の3分の1となっている。自主財源で賄うのが望ましい姿であり、自主財源の税源を求めることが重要である。しかし、税源は偏在しており、これを調整して一定の行政水準を維持するには地方交付税制度が必要である。地方債の元利償還費を、基準財政需要額の算定に加えることについて議論はあるが、世代間の負担の公平の担保や返済をスムースにするといった観点からは、ある程度考慮することも必要である。なお、地方の累積借入総額は普通会計ベースで105兆円であり、9兆6千億円が公債費となっている。内訳は元本返済分が54%、利払が46%である。ただし、国債の償還がおおむね60年であるのに対し、地方債は平均20年であることから、比較的に財政健全化を図りやすく、地方財政計画の策定を通じて取り組んでいくこととしているとの回答があった。

〇地方自治体に財源を渡し、事務も移管し、自治体側が合併で行政能力を高めれば、国と地方の間の調整事務が残るにしても、現在の姿の自治省でなくてもよいのではないかとの意見があった。また、自治を扱う組織が「省」として必要であると主張するが、中央省庁が再編された後、どのようにして従来と違った役割を果たそうと考えているのかとの質問があった。これに対し、自治省より、地方自治体の自主性が高まっても、地方と国の関係は今後とも課題であり続ける。ただし、その役割は個別対応から基準作成に変化するのではないかとの回答があった。

〇地方公務員給与のラスパイレス指数について改善してきていると説明するが、都道府県や政令指定都市では改善していないのではないかとの質問があった。これに対し、自治省より、全体としてみるとラスパイレス指数はピーク時の110から101.7に低下している。都道府県や指定市についても同様の低下傾向がみられるが、依然として平均値より高いことは事実であり、今後とも指導したいとの回答があった。

〇地方自治の重要性が唱えられながら、地方税の比率が減少しており、自治が先細りしているとの印象を受けるが、その要因は何かとの質問があった。これに対し、自治省より、国税と地方税の割合については、毎年の税制改正において振れはあるものの、昭和30年代の地方税の割合が30%弱であったのに対して現在は37〜38%と、漸次上昇してきたと認識している。平成6年度の税制改正において地方税の比率が低下したのは、地方消費税の導入に伴い住民税の先行減税分を完全にカバーできず、やむを得ず交付税率を上げざるをえなかったことによるとの回答があった。

〇地方債の起債について自治省の規制が厳しすぎるとの声もあり、財政力のある自治体はマーケット・ルールに任せてはどうかと考えるとの意見があり、後日、自治省より文書で見解を提示することとなった。

〇政治資金を含め選挙事務を扱っているが、自治省は収支の閲覧についてみても政治に対して遠慮があるように見える。こうした事務は行政委員会で行う方式があり得るのではないかとの意見があった。これに対し、自治省より、現在の法体系は政治資金の収支を公開して国民の批判を待つものとなっており、行政は事の性格から介入しないこととしている。これを監視機能を強める形に変え得るかどうかということだが、公開し、選挙によって国民の判断を仰ぐ現在の方式がよいと考えるとの見解が示された。

〇選挙の投票率が低下する一方であるが、選挙事務を所管する組織として積極的な手だてを講じているか。なお、日本では選挙に子供を連れて行くことが原則としてできないが、何らかの方策がないものかとの質問があった。これに対し、自治省より、選挙管理事務の立場から何をどこまでできるか難しい面もあるが、投票率の低下は深刻な問題であり、啓発と環境作りに努めている。具体的には、不在者投票の改善、投票時間の延長などを検討しているが、要は国民に投票所に行くことの重要性を認識してもらうことである。なお、現行公職選挙法において投票所には選挙人が行くこととなっているが、子供を連れて行くことができないのは規則を極めて厳格に解釈したものと考えられるので、柔軟に対応するように考えたいとの見解が示された。

〇国立大学や国立研究所に対して自治体が土地等を寄付することが法律により禁止されているが、改善の余地はないものかとの質問があった。これに対し、自治省より、禁止は地方財政再建促進特別措置法の規定によるが、これは寄付の強要を予防する趣旨で設けられたものである。最近では産学共同の流れにあり、また、本件については地方分権推進委員会で議論されていると承知しているとの回答があった。

(5) 建設省からの提出資料を踏まえ、以下のとおり意見交換が行われた。

〇道路工事は国、地方自治体、公益事業者でバラバラに実施されているので国民は迷惑しているが、改善の余地はないものかとの質問があった。また、道路占用許可は建設省の権限であり、これを用いて一緒でなければ占用を許可しないとの対応も可能なはずであり、調整という方法では生ぬるいとの意見があった。これに対し、建設省より、共同溝において対処しようとしているが、工事の約8割は事業主体毎の占用工事であり、これらを一緒にできないかと地域で調整はしているものの、各事業者の予算や執行時期の問題もあって調整しきれない状況にある。占用許可を止めてしまうわけにはいかないとの見解が示された。これに対し、さらに委員より、同一箇所の工事を3〜4の事業者がまとめて実施するとの基準を作ればよい問題であって、現状は縦割りの弊害が出ているものであるとの指摘があった。

〇国土地理院は建設省に置く必要があると主張しているが、1)建設行政に地理院のデータが必要としても、外国との交流は大学や他省でも実施していることであり、建設省に置かなければならない理由にはならない、2)また、地震・防災関係の研究は防災関係で組織を一元化した方が国のためになるのではないか、3)地図については海上保安庁の海図作成部局との統合もあり得るのではないかとの意見があった。これに対し、建設省より、国土地理院の基本的任務である基本測量は、世界的にも国の機関が実施し、その成果が地図情報等として広く活用されているものである。このうち地震に活用されている地殻変動のみを切り離して地殻変動の観測を地震関係の組織に移管するとの考え方には問題があるのではないかとの見解が示された。これに対し、さらに委員より、基本測量を国が行うことが必要としても、建設省で実施しなければならないものかとの質問があり、建設省より、測量は公共事業の基本であり、国が実施する必要がある。国土地理院は地方の指導もしており、その成果を自由に利用してもらうことが重要な機能となっている。研究部門の統合は検討課題と考えるとの回答があった。

〇他省において「丸投げ」と呼ばれる事態が生じたが、ずさんな算定が原因なのではないか、事業費の多い建設省においてはどうなっているのかとの質問があった。これに対し、建設省より、例えば下水道事業費はこの30年間で大幅に増加しているが、自治体に技術者が不足している状況に対応するため、下水道事業団を作り、同組織が市町村を援助した結果うまく機能した。問題となった「丸投げ」のケースでは、元請を監督することが重要であるにもかかわらず、技術者がいなかったためうまく監督できなかったためではないか。建設省の補助事業において同様のことが起こることは考えられないとの回答があった。これに対し、委員より、下水道事業団は談合事件を引き起こした当事者であり、うまく機能した例とは言えないとの指摘があった。

〇直轄事業の独立機関化は巨大省庁が現出するのを防止する手段でもあるが、公共事業の一元化を主張する建設省として、こうした巨大省庁を防止する具体的な手段を考えているか。また、公共事業関係の省庁を統合すると、再編後の他の省との比較において問題はないかとの質問があった。これに対し、建設省より、1)中央省庁を大括りして再編するとの方針が実施されるならば、事業をどのような地方組織で行うかということが自ずと決まってこよう。建設省の地方建設局についても、民間委託や事業の見直しでスリム化に努めるが、根幹の施設は国で行う必要がある。2)巨大組織化の問題については、現在建設省は公共事業の7割を占めているが、これよりも少し大きくなったからといって利権化するとは考えない。3)巨大化には手続の透明化やチェックの充実で対処できるものと考える。4)他省との比較の問題については、公共事業すべてを統合するかどうかにもよる。集落排水や農道、港湾等については国土・地域・都市の切り口でまとめ、国土計画、都市計画の中で位置づけてはどうかと考えているが、すべての公共事業を集めて「公共事業省」を作ろうというものではないとの回答があった。これに対し、委員より、計画の総合性を確保できればよいということかとの質問があったのに対し、建設省より、計画の総合性は重要だが、一方これと実施を分けることはできない。土木・建築の根は経験工学であり、計画を現場で検証し結果をフィードバックすることが求められるとの回答があった。

〇機能の密接な関連が必要であることと組織論は別である。実施部隊は外に出し、企画立案は本省において行っても差し支えがないのではないかとの指摘があった。これに対し、建設省より、例えば東京外かく環状道路(埼玉区間)では計画調整に約24年、工事に約7年の年月を要している。地元との調整を繰り返しながら環境技術の開発等を取り入れつつ計画固めを行ってきたのが実態である。工事は入札して民間で実施すればよいが、着手までの調整に大変な時間がかかり、それを地方部局で実施している。工事事務所という名称を用いているが、こうした事務が企画なのか実施なのか線引きは簡単ではないとの回答があった。

〇行政改革委員会で取りまとめた行政関与の在り方に関する基準では、政策の費用対効果を公表するよう求めているが、これを公共事業全体に当てはめられるかとの質問があった。これに対し、建設省より、100%とはいかないが、9年度の新規個所から公表する。河川関係等についても、コスト・ベネフィット比率が1を超えないと実施しない。もちろん、ベネフィットを科学的にどこまで捕捉できるかどうか問題ではあるが、交通便益などを割り戻して算定しているとの回答があった。これに対し、さらに委員より、開示は地域住民にわかりやすい方式で行うべきであるとの意見があった。

〇中央省庁再編のイメージとして、建設省については運輸省、国土庁、北海道開発庁との統合が考えられる。農道や集落排水も統合対象と考えているようだが、仮に4省庁が統合することで不都合が生じるか、また、統合する際に企画と実施の線引きが可能かとの質問があった。これに対し、建設省より、1)国土・地域・都市ということで考えると、4省庁の統合は大きいかという気がする。2)国土庁はなじむが、運輸省は様々な政策を実施しており、港湾、空港というインフラ以外の部局もある。道路と農道は、総合的に考えなければならないのではないかとの回答があった。

これに関連して、委員より、インフラ整備は一体的に行うのが効率的である。運輸省については規制緩和が進むと関連部局は不要になるので大きな省ではなくなり、そうなれば、国土庁、運輸省、建設省の統合によって重複がなくなり、巨大化の弊害よりもメリットが大きくなるのではないかとの意見があった。これに対し、建設省より、常磐新線について運輸省と共同して当たったが、これが今後の一つの採るべき道であろう。大括り化について省内で大議論があったが、いずれにしても21世紀の国家として考えることが前提と考えるとの発言があった。

〇省庁大括り化の中で、総合交通部門を一体化して効率化することが必要であり、道路特定財源についても、法改正して他の交通関連に利用すべきである等の意見があった。これに対し、建設省より、現在でもガソリン税は本則の倍の48円強となっており、本則税率に戻せとの議論もある中で、ユーザの納得が得られるかどうかが問題である。高速道路はもっと国が資金を投じれば通行料も安くなるが、難しい。通行料をこれ以上値上げできないことから、現状、毎年2千億円を道路公団に投入している。なお、道路はまちづくりの一環でもあるとの説明があった。これに対し、委員より、税を意識してガソリンを購入しているユーザはおらず、ユーザの納得など存在しないとの発言があった。

〇国民は公共事業を批判している。政官財の鉄のトライアングルと言われるが、建設省はその典型であるとの発言があった。これに対し、建設省より、それによって行政が押え込まれて身動きできないというわけではないと思うとの見解が示された。

〇公共事業については、どこまで実施すれば飽和と考えるのかとの質問があり、建設省より、例えば下水道普及率は現在でも54%に過ぎず、高齢化が進む中でも、欧米諸国並みの水準までは引き上げる必要がある。また、高速道路はこれまでに6千5百kmを供用してきたが、これは旧西独が戦後供用した7千kmよりも短い。我が国の2倍の鉄道ストックを有するドイツは1万1千kmのアウトバーンを持っているがなお整備中であり、現在の計画は大きすぎるものではないと考えるとの回答があった。これに対し、委員より、山間地が8割を占める我が国の状況を考慮していない考え方ではないかとの指摘があった。

〇有料道路は公共財とは認められない。また、費用便益分析は政府部内の順位付けに用いることはできても、例えば国の防衛など政府が真に実施すべき事務には適用できないことは明らかであり、政府が行うべき事務かどうかの基準にはなり得ない。事業を縮小すべきであるとの意見があった。

(6) 芦田委員より、公務員労働組合からの意見を聞く機会を設けることについて提案があり、懇談会の開催を事務局において調整することとなった。

(7) 次回会議は、6月25日(水)午後2時より、総務庁、公正取引委員会、総理府本府、公害等調整委員会からのヒアリングを行う。

以上
(文責 行政改革会議事務局)
連絡先:行政改革会議事務局
高野(電話03-3581-2641)  根本(電話03-3581-0270)

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