−速報のため事後修正の可能性あり−

第2回機構問題小委員会議事概要

1 日時 平成9年7月23日(水) 10:00〜12:05
2 場所 内閣総理大臣官邸 大客間
3 出席者
(会議)
武藤嘉文行政改革担当大臣・総務庁長官(行革会議会長代理)、藤田宙靖(機構問題小委員会主査)、芦田甚之助、有馬朗人、猪口邦子、河合隼雄、佐藤幸治、塩野谷祐一、豊田章一郎、水野清、諸井虔、渡辺恒雄の各委員
(政府)
田波内閣内政審議室長
(事務局)
水野事務局長(再掲)、八木事務局次長
4 議題
国家機能の在り方、中央省庁及びその編成の在り方について(討議)

5 会議経過

(1) 事務局から、提出資料(各省庁が担っている機能(事務)の整理(未定稿)、外局関係資料、省庁間の調整システムについて(討議用参考資料)等)についての説明があった。

(2) 藤田主査から、本日は、前回に引き続き組織論の総論として、1)各省庁が現に担っている機能とその減量の可能性、2)外局の在り方、3)省庁間の調整システムについて議論し、次いで、省庁編成、現業の在り方についての具体論について議論を行いたい旨提案があり、了承された。

(3) 各省庁が現に担っている機能とその減量の可能性について、本日の事務局提出資料を、1)再編を考える際の資料としてこのまま参照することとしたいとの意見、2)他方、産業規制の緩和、食糧安定供給に関する通常業務等のポイントについては、より突っ込んだ詳細な資料を作り、これに基づいて議論すべきではないかとの意見が述べられた。結局、主査が、各委員からの意見を踏まえてポイントとなるべき事項をピックアップし、これについて事務局において所要の資料を作成した上、8月の集中審議で議論することとされた。

(4) 外局の関係については、以下の議論が行われた。

・事務局の提出資料について、藤田主査より、外局は国の機関とされているが、独立行政法人については、法人格を有するということ以上に述べられていないなど、独立行政法人の組織上の位置づけが必ずしも明確でないほか、職員の身分など微妙な問題が残されており、全体として未定稿の討議資料であるとの発言があった。

・特殊法人については主務官庁が監査等を行っているが、国民が納得する十分なチェックが行われていない状況にある。エージェンシーについても、所管大臣が監督することとなっているが、それだけでは不十分であり、例えば内閣にエージェンシーを評価する組織を置くべきではないかとの意見が述べられた。これに対し、エージェンシーに対する監視は必要だが、逆にエージェンシーにインセンティブを与える観点も重要で、余り規制を強めるのはいかがなものかとの意見が述べられた。これに対して、評価といっても会計検査院のような違法性のチェックを念頭に置くのではなく、目的に即した評価を強化すべきとの趣旨であるとの説明があった。
 これに関連して、事務局資料では、3年から5年の中期業務計画を立て、これに照らして運営評価委員会が評価することとされているが、これでは不十分なのかとの発言があった。

・事務局資料のように外局と独立行政法人を作った場合、現行の特殊法人はどうするのか、外局又は独立行政法人化すべきではないかとの問題提起があった。これに対し、現行の特殊法人はいずれは整理されるべきものであるとの意見が述べられた。また、特殊法人については、自民党公約ではサンセット制にすることとされていたが、行革会議の成案の段階でも、特殊法人についてサンセットとし、その段階で独立行政法人等への移行や廃止を検討するというようにまとめてはどうかとの意見が述べられた。
 これに関連して、事務局資料は、外局、独立行政法人及び特殊法人が並列に扱われている箇所があり、三つが併存するようにも見えるとの指摘があった。これに対して、同資料中、特殊法人については、可能な限り民営化、民間法人化し、場合によっては独立行政法人化することを否定するものではないとの記載があるので、併せて読めば誤解はないとの意見も述べられた。

・独立行政法人の新設に当たっては、1)一方で特殊法人の見直しが行われている状況下で、また新しいものができたという批判を招かないようにする必要がある、2)特殊法人があるのに、これに加えてなぜ独立行政法人を作らなければならないかの理由を明確に示す必要がある等の意見が述べられた。また、自民党の行政改革推進本部での作業状況を見ながら検討を進めるべきであるとの意見が述べられた。

・新しい外局は、政策と実施を分離した上で実施機能を担うものとする点で、現在の外局と大きく異なっている。そうすると、許認可、行政処分等の多くを外局の事務とするというドラスティックな改革となるが、基本的にこの考え方でよいのかとの問題提起があった。これに対して、具体的な検討段階では種々の問題点も生じようが、現段階では基本的にこの考え方に従って論議を進めていくことでよいのではないかとの意見が述べられた。

・特殊法人について、独立行政法人構想と類似している点も多く、事務局資料では、どこが同じでどこが違うのかはっきりしない。特殊法人が独立行政法人に移行できるのか等の問題点を解決するためには、より詳細に類似点、相違点を整理する必要があるとの意見が述べられた。これに対し、1)主務大臣の一般的監督権の有無が相違点であるが、これが具体的にどのような違いになるのかがポイントである、2)会計の制度の違いもある、3)計画の策定及びこれに基づく評価という点、このような評価を義務化するか否かの点が大きな違いである等の意見が述べられた。また、身分や給与等具体的なシミュレーションを行う必要があるとの意見が述べられた。

・行政委員会の在り方をどういうものとして考えるか、利用価値のあるものとして積極的に考えるべきか、これまで機能しなかったとして消極的に考えるべきかを議論する必要がある。選挙管理などは、行政委員会で行うのがよいのではないかと思うが、議論が必要であるとの意見が述べられた。これに対し、行政委員会については、一貫性、公正性、中立性、専門性等の機能が十分に発揮されていないばかりか、責任の所在がはっきりしないこと等の問題があるとの意見が述べられた。これに対し、1)行政委員会が従来機能してこなかったこととこれからどうすべきかということは区別して議論する必要がある、2)行政委員会に対しては、これまで、違憲論も論じられるなど過剰批判のきらいもあり、この機会に、違憲、合憲の問題も含めてきっちり議論すべきではないかとの意見が述べられた。
 この点の議論の進め方については、本当に必要かという視点の議論を8月の集中審議で行うべきであるとの意見が述べられた。

(5) 省庁間の調整システムについて、以下の議論が行われた。

・藤田主査から、省庁間の調整がどのような意味を持つかを整理したものとして、「省庁再編案作成に向けての覚え書き(その三)」(別紙1)が紹介された。

・事務局作成の資料に記載されている各省庁の発意による調整の仕組みの案について、協議が整わない場合に内閣に上げるのはよいが、整った場合に内閣には全く上がらないことでよいのかとの質問があった。これに対して、各省で調整が可能なことを何から何まで内閣に上げていては、内閣の負担が大きすぎることになるが、影響の大きい問題については、各省の協議が整った段階で閣議に報告する閣議報告の活用が一方策として考えられるのではないか等の意見が述べられた。

・省庁間調整のための場を作ることが必要な場面は多くなっており、その場合に米国のインターエージェンシーの考え方が参考になると思われるが、「インターエージェンシー」という用語は、今議論されている「エージェンシー」構想と紛らわしいので、混乱を避けるために名称を工夫した方がよいのではないかとの意見が述べられた。

・事務局作成の資料は、内閣の発意、主導によるトップダウン型の調整と各省庁の発意によるボトムアップ型のそれについて述べているが、これらの調整を行う際に重要なことは、調整過程が外から見えることであって、その意味で、情報公開が重要である。これに加え、予算配分と人事の運用とが調整のポイントになるのではないかとの意見が述べられた。

・省庁間調整システムを構築した場合、現在ある総合調整官庁の位置づけをどうするのかとの問題提起があった。これに対し、省庁編成が未定であるから、総合調整官庁をどうするかについては触れていないが、現状では特定の総合調整官庁に認められている調整のための権限を広く他の省庁に認めようという考えである等の意見が述べられた。

・現状の内閣官房による調整について、政府側出席者から、1)高度情報通信化のように、多くの省庁に関係するもののほか、電子マネーのように新しい課題にどう取り組んでいくかといういわば総合戦略を検討するもの、アイヌ新法のように中心的な役割を担う省庁が明確でないものなどがあり、このような場合に所管を決定する権限が内閣にないことが悩みである、2)全体として、どこからどういう問題が出てくるか分からないので、情報にどうやってアプローチするか、アンテナをどう張っておくかが難しく、そのあたりが問題である、3)国際金融犯罪に対する対処としては、犯罪捜査を行う警察、立法措置を採る法務、業界を監督する通産、大蔵等がいろいろな形で絡んでおり、問題の定型化に限界があるが、最近はそうした事象が多くなってきている、等の発言があった。

・総合調整については、例えば国土庁には数百億円の調整費があるが、こうした調整費がないと、調整官庁が無力になってしまう。金の問題に余りこだわるのも問題であるが、こうした調整費をどうするかという問題も検討しておいた方がよいのではないかとの意見が述べられた。これに関連し、各省庁の有する調整費の現状について調べておくべきであるとの意見が述べられた。

・総合調整の問題は、人事と切り離すことはできない。すなわち、総合調整官庁には有力官庁から人が送られてきて、実質的に有力官庁が支配する形となっている。人事交流と支配をしっかり区別し、総合調整官庁で人が育つようにする必要があるとの意見が述べられた。

(6) 省庁再編の具体案について、渡辺委員及び猪口委員から、意見の開陳があった(別紙2及び別紙3参照。なお、渡辺委員から、この意見は若干古いもので、現在も修正途上である旨、猪口委員から、この意見は現段階でのものであり、将来修正の可能性がある旨及び各省の局として示したものは組織としての局というよりむしろ機能として記載したものである旨補足があった。)。これらに関連して、以下の議論が行われた。
 なお、各委員においては、省庁再編についての意見を8月8日までに提出し、これに基づいて8月の集中審議を行うこととされた。

・自民党案は、当初14省庁に絞る案であったが、これを内閣総理大臣に説明した際、総理は既に4分類を持っており、これらを基にして、省庁数を約半分とするいわゆる自民党案が作成されたものである。作成に当たっては、郵政の民営化のほか、地方分権推進の下における自治省の役割及びその取扱い、農水省の取扱い、環境庁や科学技術庁の取扱い等が問題になったとの紹介があった。

・教育と科学技術・文化を分離すべきとの猪口委員の案及び教育・文化と科学技術・環境に分離すべきとの渡辺委員の案に対し、1)猪口委員の案は、科学技術はフロンティア突破力を重視するとしてこれを教育と分離しているが、フロンティア突破力は教育にも必要なものであって、教育と科学技術は、常に一体となってかみ合って行うべきものである、2)教育、科学、文化のうち、文化は科学と異質であってこの二つは分離すべきで、文化はむしろ教育と統合すべきである、3)学術研究の意味での科学は教育と結びつくものであり、また、各省庁の目的に沿った研究はそれぞれの省庁で行ってもよい。しかし、海洋研究のように、必ずしも特定の省庁の目的に結びつかないものも多い。科学技術と環境を統合する括りは一つの考え方である。なぜなら、環境は規制だけが目的でなく、環境をよくするという科学分野があるからである、4)科学技術は独立させるのがよいのではないか、等の意見が述べられた。

・猪口委員の案は、防衛庁を首相府の外局にするとしているが、防衛庁の予算や人員を削減してもよいから、自衛隊員の士気を向上させるためには、大臣を頂く省に格上げすることが重要であるとの意見が述べられた。

・情報通信について、1)その研究の実施体制をどうするかは大切な問題であり、仮に庁であるとしても、独立に立てるべきではないか、2)情報通信は、21世紀に向けて重要な分野であり、担当省庁の名称の中に「情報通信」を入れた方がよいのではないかとの意見が述べられた。

以上
(文責 行政改革会議事務局)

連絡先:行政改革会議事務局   高野(電話03-3581-2641)  杉山(電話03-3581-0272)
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議事概要別紙