−速報のため事後修正の可能性あり−
5 会議経過
(1) 冒頭、佐藤主査より、次のとおり7月9日の第1回企画・制度問題小委員会における議論の要約が行われた。
行政改革の理念と目標については、前回提示資料(第1回企画・制度問題小委員会議事概要別紙1参照)の方向性について合意が得られたと考えており、将来の夢と厳しい現実の両者を織り込んで主査において文章化を図りたい。また、内閣機能の強化策については、1)内閣は国務を総理するものであり、総理のリーダーシップとその補佐体制が重要である、2)閣議の決定方式について憲法が何も明示していないことを重く受け止めるべきである、3)特命相を活用することが有益である、4)総理は戦前のような単なる首班でも大統領でもない独自の地位を持つ、5)総理による基本方針の発議権を明示することが必要であり内閣法4条の改正につながる、6)総理による行政各部の指揮監督については内閣法6条の改正につながるものだが、本件については賛否両論があった。
これを受けて以下のとおり意見交換が行われた。
・内閣法6条は改正すべきと考えるが、同条の改正は憲法問題になるとの内閣法制局見解もあり、また実際に改正できるかどうかも不明である。短期間で改革案を取りまとめるとすれば6条の改正は諦めて4条及び12条の改正で強化を図ることがよいのではないかとの意見があった。
これに対し、内閣法制局見解は金科玉条ではなく、憲法第9条の解釈においても二転三転しており、危機管理の場合にあっては閣議の事後承認も視野におき、内閣法6条の議論を続けるべきであるとの意見があった。関連して、危機の際においては現在の方式で対応可能との前提で本年5月1日意見集約を行ったのではないかとの発言があり、これに対して、危機への対応以外に残された6条関係の課題があるかどうかである、内閣法6条の問題は防衛庁の在り方とも絡んでおり、改正には相当のエネルギーを要する、本日は両論があったということにとどめてはどうかとの発言があった。
(2) 内閣の補佐支援体制について、事務局より「内閣・総理府の組織の在り方についての意見のパターン(未定稿)」資料(別紙1)の説明があり、これを受けて以下の意見交換があった。
・総理が自ら分担管理するにふさわしい機能を結集して設置する首相府の案については、英国にも例のあるところであって、その問題点として職務の分量、性質から総理を名実の備わった主任の大臣とすることは不可能であり、専任の大臣を置かざるを得ないので、各省横並びとなるのではないかとの要検討事項を当該資料中に書き込む必要はないのではないかとの発言があった。これに対し、これから議論すればよいことではないかとの指摘があった。
・従前に提示した案については更に検討中であり、おって新しい提案をしたいとの発言があった。
(3) 内閣機能の強化策について、佐藤主査より、資料(別紙2)の説明があり、それを受けて以下のとおり意見交換が行われた。その際、主査より、内閣官房の「総合戦略」には予算の基本方針の企画・立案を含むとの補足説明があった。
・「内閣府、総理府等」を分担管理大臣としての総理大臣の機関としてとらえる場合の事務について、男女共同参画が防災等と一緒に今後の検討とされているが、これについては既に十分議論され特段の反対意見もなかったところであるので資料を修正願いたいとの意見が述べられた。これに対し、防災や地方自治等も極めて重要な問題であるところから今後の課題として全体の中で議論することに異論はないとの説明がなされたところ、重要性の問題ではなく会議運営の問題であり、重ねて資料の修正を求めるとの発言があり、賛成意見も述べられた。これを受けて、主査から、報道機関に対し、その趣旨を入れて説明したいとの表明があった。他方、男女共同参画の問題は他の要素との関連において検討するとされた課題であって、その位置づけが決まったものではないのではないかとの指摘があった。
・「内閣府、総理府等」の用語に「首相府」を入れるべきであるとの意見があった。これに対して、英国の首相に対する個人的なサポート組織である首相府をイメージしたものは、むしろ「内閣官房」としている中に意味を含めているとの指摘があった。
・内閣官房と総理府の人事が併任関係にあることが問題とされているが、内閣官房と内閣府の上位レベルの者については、現実には併任とするしかないのではないか。例えば、総理補佐官が内閣府に入って業務を行う場合には、併任としなければ仕事ができなくなる懸念があるとの意見があった。
・中央省庁を半減する際に、大括りしにくいものをどうするかという課題がある。また、現在の総理府外局(防衛庁など)は形式上は総理を通じて予算要求や法案提出を行っているが、新しい内閣府に外局が設置できるかどうか、その外局に予算要求権、法案提出権を持たせるかどうかなど、詰めるべき課題が多い。これらが確保されないと内閣府もできないのではないかとの指摘があった。
・閣内相、閣外相という区分を設ける考え方は問題である。閣外相は予算や法案の提出権を持たないので、こうした区分では議論がまとまらないのではないかとの発言があった。これに対し、閣外相については置かないことで議論が収束しているのではないかとの指摘があった。
・これまで各省庁間の調整を経ない案件については、閣議の全会一致の原則があるために閣議まで上がってこないというところに問題があり、これを改善することが今次行革の重要な課題ではないかとの発言があった。
・新しい補佐体制において内閣官房等と内閣府等を統合型とするか分離型とするかについて、現時点で分離型に結論付けるのは反対であり、8月の集中審議において結論を得るべきであるとの意見があった。関連して、分離型においても内閣官房等と内閣府等をリンクして考えるべきであり、こうした組織における事務は1)行政を管理する部門、2)内閣官房での企画立案を具体化する、例えば経済政策のシンクタンクとして機能するような部門、3)男女共同参画のような個別案件を推進する部門に分けられるが、とりわけ2)の部門はリンクさせる必要があるとの意見が述べられた。
・本来、内閣が方針を定めて各省庁に指示し、各省庁がそれに沿って業務を遂行するのが正しい姿であり、内閣府の事務として総合調整と呼ばれる事務を挙げることはおかしいのではないかとの指摘があった。これに関連して、総合調整という用語は手垢のついた言葉であり適当ではない、総合戦略を立案して各省に指示するものであるとの意見があった。
・内閣府において総合戦略を立案するために大きな機構が必要なのであれば、そうした大組織を作るべきである。ただし、大組織としたために総理が目配りできなくなり、専任の大臣を置くこととなれば、それが各省と横並びになる結果となるのではないかとの意見があった。これに関連して、1)内閣官房等の優位性は総理の近くに位置することに由来する、補佐する者が官僚でよいのか、それとも政治任用者とするのかという問題もある、2)現在の総理補佐官は総理に直結しているが、内閣官房の室長は必ずしもそうなってはいないとの指摘もある。すべての話を総理が直接聞くわけにはいかないが、阪神淡路大震災の際にも総理への情報ルートに問題があったと指摘されている、3)総合調整には攻めと守りがあり、上位下達の総合戦略以外に、人事・組織管理のような日常的に処理すべき調整事項もある。こうしたルーティンの事務については専任の大臣を置いても問題はなく、攻めの調整を行う総合戦略は総理直轄とし、ルーティン的な調整は内閣府で行うこととすれば横並びの解消につながるのではないかとの発言があった。
さらに関連して、総合調整に守りと攻めの考えを導入するのは有効な考え方であるが、もう一つの要素として柔軟性が必要である。こうした考えに立てば、組織論として内閣官房と首相府を一緒にはできない。御厨貴氏はタスクフォース型の組織を提案しており、参考となるのではないかとの発言があった。
・内閣官房等を内閣府等に統合した組織は大統領府的であるが、大統領制と議院内閣制は異なる。この会議として大統領府を作るとの合意が出来るならよいが、日本人の国民性の問題もあり、権力の集中は避けた方がよいのではないかとの意見があった。関連して、各省庁の上下関係があってはならず、横並びでよいのではないか。内閣府や内閣官房がどれだけ総理をサポートできるかが問題であるとの意見があった。
・総合戦略に予算の基本方針を定めることを含めることに賛成である。ただし、基本方針と大綱では意味合いが異なり、後者は詳細な決まったものとの印象があるので、「基本方針」を定めるとするのがよいのではないかとの指摘があった。関連して、予算が総合調整に含まれるかどうかは重要な問題であるので明確にすべきであるとの意見があり、賛意が示された。
・内閣法12条の改正はよいが、4条の改正が必要かどうか疑問である。現行4条でも総理の発議権は確保されており、改正は総理に発議を義務付けることとなるのではないかとの発言があった。これに対し、前回の小委員会の議論において、総理には一般政策や基本政策に対する責任があり、その責任を明確に表すことが必要である、それを基礎として支援する機能と組織の強化が必要であるとの方向について合意がなされている。現行4条によって発議ができるかどうかが問題なのではなく、位置付けを明確化することに意味があるとの見解が示された。関連して、総理の基本方針発議権を規定したからといってこれを義務づけるものではない。各省は大臣名において内閣に発議する。現在は閣議が全会一致なので各省が議案を止めることができるようになっているが、改正によってそうした発議の上位に総理の発議権を置こうというものではないかとの発言があった。
関連して、これについては前回小委員会において確認済みであり、改正に対する明示的な反対意見はなく、その意味でおおむねの合意があったのではないかとの指摘や、また、7月中の会議において結論を得るような取り進め方はしないとの合意はあるが、方向性について何ら確認できないとすれば議論が前に進まないのではないかとの意見があり、賛意が示された。
・「内閣官房」について現在の5室体制を前提とすることはしないが、これを時の総理の意向に沿った柔軟かつ弾力的な運営を可能とするものとするとの合意はなかった、少なくとも内閣官房の内部組織をなくしてよいとの議論はしていないのではないかとの指摘があった。これに対し、様々な提案があり、内部組織を置かない案についても議論されており、内容は詰まっていないが「内閣官房」の組織は柔軟であるべきであるとの共通認識はあると理解しているとの見解が示された。
・内閣官房の各室長を政治任用とするかどうかが課題である。内閣官房副長官がそうであるように、本来は室長も政治任用であるべきと考える。昭和30年代までは組閣において副長官人事も行い、副長官は内閣と運命を共にしたのであって、その責任を明確にすることが必要ではないかとの意見があった。これに対して、それは行政ではなく政治責任の問題であるが、本当の補佐役は運命共同体であるべきであるとの意見があった。
・この10年の日本の経済政策には大きな誤りがあったと思うが、総合戦略にとってマクロ経済政策は必須のものである。この意味で「内閣官房」の企画機能にマクロ経済政策が入らないわけはなく、逆にマクロ経済政策以外の企画機能とは何かが不明であるとの意見があった。これに関して、マクロ経済政策を内閣官房の事務に含めるとする場合にそれを支えるエコノミスト集団をどこに位置づけるかが課題ではないかとの指摘がなされたところ、そうしたケースにおいてこそ内閣官房と内閣府のリンクが重要であって、エコノミスト集団は内閣府に置くべきであるとの意見が述べられた。住専問題のような金融政策の誤りも、同一人物が続けていては転換もし難く、責任者の交代をする仕組みが必要であるとの指摘があった。
・内閣官房の職責を踏まえてどのような人物をリクルートするかが重要であるとの指摘があった。
・情報機能について内閣官房に独自の収集組織を持つべきか、情報コミュニティをどのように構築するのか、内閣広報官の位置づけをどのようなものとするか等の課題が残されているが、本会議としてどこまで詰めるのかとの問題提起があった。これに対し、1)情報や広報をもっと重視すべきであり、現在の内閣5室は同格ではないという問題があるが、新組織においては改善を要する、2)情報については政策と情報の分離等を指摘した委員提出の意見を参考とすべきである、内閣官房にある程度の情報組織が必要としてもこれを大きな組織とするのは危険であって、情報収集については、警察、防衛、公安調査庁等との分散型の形態を維持しつつ、これらの組織間での完全な保秘の下での重要情報の交換・分析・評価の体制を構築することが重要であるとの意見があった。
・官邸機能の強化については、現在の組織等にとらわれず、総理をサポートし、その指導性を強化するためにいかにあるべきか、その中でスリムで効率的な組織等はどのようなものであるのか、新しいものを作るという視点で方向性を出していくことが必要ではないかとの発言があった。
・上記の議論を受け、佐藤主査より、1)内閣官房等と内閣府等の分離型のほか、統合型について意見がある、2)総合戦略には予算の基本方針及びマクロ経済政策を含む、3)男女共同参画についておおむね合意があった部分とする、との取りまとめがあり、報道機関に説明するとともに、8月の集中審議において更に議論を継続することとなった。
(4) 審議会等の在り方について、佐藤主査より資料(別紙3)の説明があり、これを受けて以下のとおり意見交換があった。
・審議会の委員資格について「厳正に定め」るとは言っても、官僚OBが委員となって各省庁の代弁をし、各省庁はそれを隠れみのとするが、他方、行政についての知識が必要なことも事実であり、会長職からは排除するとしても、委員については官僚OBの上限比率を定めることが必要ではないかとの指摘があった。これに対し、会長職からの排除には賛成であるが、委員の上限比率を定めるとそれが既得権益化するのではないかとの指摘がなされたところ、上限比率を定めなければOBが半分以上を占めてしまう可能性があるとの発言があった。
・審議会の委員資格については、狭い視野の人物だけにならないよう、広く高い識見を重視すべきであるとの意見があった。これに対し、幅広い識見が必要な場合もあるが、それぞれの審議会の性格によって異なるのではないか、基本を決めればよいのではないかとの発言があった。
・国連では女性の政策決定への参画について30%というガイドラインを提示しており、審議会委員についても同様の比率を明記すべきであるとの意見があった。これに対し、既に別紙2が引用している事務局作成の討議資料に明記されているとの指摘がなされたのに対して、別紙2中自体に明記すべきであるとの意見が述べられた。関連して、そうした具体の指摘は整理方針を示すガイドラインに記述すればよいのではないかとの指摘があった。
・審議会を大幅に整理するといわゆる私的懇談会が濫設される懸念があるので、これについても触れておくべきではないかとの意見があった。
・1)審議会の中には利害調整を行うものがあり、「識見」を委員資格とすることは、そうした利害調整型の審議会には当てはまらないものになってしまう。2)他方、今の行政は、本来国民を向かなければならない行政が業界行政になっており、業界行政から国民行政にシフトすることが必要であることとの整合性を考える必要があるとの指摘があった。これに対し、1)利害関係者を入れておかなければ機能しない面があるのではないか、2)国民行政へのシフトは理解できるが、審議会には労使関係を扱うものもあり、労使及び公益の三者構成が必要である。このような審議会では、カウンターパートがきちんといる方式を採らなければ公平を欠くことになるのではないかとの意見があった。関連して、いずれにせよ審議会の性格、目的によって資格要件は異なるのであり、具体論はガイドラインで記述すればよいのではないかとの意見があった。
・委員資格の基本として、「厳正」に加えて「フェアー」を入れるべきではないかとの意見があった。これに対し、「厳正」とは「厳格かつ公正」の意味であるとの指摘があった。
・上記の議論を受け、佐藤主査より、審議会等の在り方についての基本は了承されたとの取りまとめがあった。
(5) 公務員制度の在り方について、佐藤主査より、まず前回小委員会の議論として一括採用・一括管理の問題が提起されたが、これが現実に機能するかどうかについては日本人の意識の根本にかかわる問題でもあるとの指摘もあったところであるとの発言の後、本日は1)企画と実施を分離した場合における公務員の人事制度の在り方をどう考えるか、2)U種、V種職員の登用及びその関連においての一括採用問題をどのように考えるべきか、3)T種職員の一括採用はフランスのENAのようなスーパー・エリートのような存在につながるのではないかとの意見もあるのではないか、4)退職管理をきちんと行なうことで、中間の人事管理や入口である採用の問題にも影響が及ぶことも考えられ、入口のみでなく、中間、出口に工夫ができるのではないか等の問題提起がなされ、8月の集中審議につながる議論を願いたいとの発言があった。
これを受けて、以下のとおり意見交換があった。
・日本の行政の国際対応力を考えると専門性の蓄積が必要であり、国際交渉の場に欧米からはこの道10年20年の専門家が登場する。ローテーション人事は縦割り行政の弊害の是正という国内問題の解決には有効だが、国際場裏で機能し得るかどうかは疑問であり、加えて一括採用となると更に問題となるのではないか。今は専門家が必要な時代であって、環境や防衛、財務等の分野でそれぞれ「○○マフィア」とも呼ばれるような国際的集団で有効に働き得る人材が必要であり、こうした人材がローテーション人事で育つかどうかを懸念するとの意見があった。これに対し、1)専門家の育成については、現在でも時に傑物が出ることはあるが例外である。現在のような2年程度の人事ローテーションでは今後は難しい。今後はスペシャリストがより重要となると考えるが、現在の年功序列による処遇の体系では無理であり、スペシャリスト向けの人事体系が必要となる、2)各省をローテーションで回ることは人材育成においてプラスになる、3)内閣府については専任の職員を採用するのか、各省からの出向者とするのか、人事ローテーションの一環とするのかなど多様な考えがあり得るとの発言があった。
さらに関連して、スペシャリストにも役職が必要であるとの指摘があり、これに対して、1)何々マフィアと呼ばれるような人の仕事は若くなければできないハードなものであり、そのための人事体系が必要である、2)スペシャリストにも役職がないと対外的に通用しない、3)試験制度による登用など多様なシステムを導入することが重要であるとの発言があった。
・一括採用・一括管理については、人間を相手にするものであり、T種職員だけでも管理しきれるかどうかの問題があるが、局長クラスなど幹部が省益にとらわれることが問題である。これを解消するため、例えば課長就任直前くらいの直に内閣に登録して管理する方式がよいのではないか。傑物を輩出しやすいような環境を整備することも必要であるとの意見があった。
・人事管理については技官をどうするかも課題であり、職種によってグループ管理をすることも考えられるとの意見があった。
・20代で局長に就任するフランスのENA等の方式は特別であり、日本では通用しないのではないかとの発言があった。
・一括採用等は縦割り行政の弊害、天下り問題の是正の観点から提起されているものと理解するが、1)省庁再編によって大括りし、縦割りをなくそうとしている中でも必要かどうかを考えるべきである、2)天下り問題については定年制できちっと管理すれば改善できるのではないかとの意見があった。
・T種採用となるとその成績に関係なく昇進が保障されるというシステムはおかしいので、努力しなければ地位が保障されないようにすることが必要ではないか。他方、U種等で採用された者が採用時の差だけでT種職員と異なる取扱いを受け続けるのは問題であり、登用を考えるべきではないかとの意見があった。
・能率給については賛成であるが、官庁は生産性等の測定が困難であり、これを計る物差しについてのアイデアが必要であるとの指摘があった。
・1)人事行政についてはチェック・アンド・バランスが大事である。人事局を強化するのであれば、そのバランスにおいて中立機能も充実すべきではないか。2)人事院の中立性を高く評価する学術論文もある。3)研修については形だけでも中立機関が行うべきと考えるとの意見があった。これに対し、人事院と人事局のチェック・アンド・バランスが必要な点については賛同するが、研修はどちらが行ってもよいのではないかとの発言があった。
・1)公務員には労働三権のうち団結権は認められているが団体交渉権と争議権が制約されており、その代償措置として人事院があるが、労働三権を公務員に認めることも含めて議論してもよいのではないか。2)現在は中立的な人事院があって公務員に安心感を与えているが、人事院を軽視する傾向には疑問があるとの発言があった。これに対し、1)提案に共感を覚える、2)公務員制度調査会において議論がなされており、行革会議としてどこまで議論できるかは別にして労働三権の問題を含めて議論すべきではないかとの発言があった。さらに関連して、1)私見だが警察官、消防隊員、自衛隊員を除けば公務員に労働三権を与えても差し支えはないのではないか、2)これまで公務員の労使関係は馴れ合いの面があるが、労働三権を与えた上で国民が判断できるよう明確な形とすればよいのではないかとの意見があった。
これに関連して、公務員に対する労働三権の付与は議論の分かれるところであり、認めるかどうかは慎重な検討が必要であるとの見解が示された。
・現在の人事院制度の役割を再確認することは重要であるとの発言があった。
・人事交流と人事支配とを分けて考えることが必要であり、省庁再編の前でも特定省庁が他省庁の特定ポストを固定的に確保する現状を見直すべきであるとの意見があった。
・公務員制度調査会にあって、必要な場合には行革会議の関心事項についてその要請にこたえて審議することは可能であり、注文を出してもよいのではないかとの発言があった。
(6) 8月18日(水)より4日間の予定(4日目は予備日)で行政改革会議としての集中審議を開催する。
以上
(文責 行政改革会議事務局)
連絡先:行政改革会議事務局 高野(電話03-3581-2641) 根本(電話03-3581-0270)
行政改革会議議事概要は、インターネット(官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/)の「最近の話題」又は「審議会」の欄)及びパソコン通信ネットワーク(PC-VAN及びGサーチ)でも御覧になれます。
別紙1
考え方 (○) と 要検討事項 (●)
○内閣官房は、内閣の補助機関として、閣議事項の整理その他内閣の庶務、及び閣議に係る重要事項に関する統一 保持上必要な総合調整等を行う。
内閣総理大臣を主任の大臣とする総理府は、総理が直轄すべき事務の実施 (栄典等)、事務の連絡調整等を行う。
○ 制度上は、内閣事務と分担管理事務が明確に分離されている。
*(注1)内閣の補助部局と行政各部の事務分配については、次のような見解がある。
国法は、国の行政事務が「内閣の統轄の下に、明確な範囲の所掌事務と権限を有する行政機関の全体によって、系統的に構成され」た国家行政組織によって処理されることを本則とするものと認められ、したがって、国法は、内閣に附置する機関によって処理される行政事務を、国務大臣のうちの一部の者で合議して処理するにふさわしいと認められる特別の事務(国防会議)のほかには、もっぱら、内閣の議事活動が円滑に行われるようにするための庶務的な事務(閣議等庶務)と、内閣が本来的にもつ行政の機能の統轄に関する事務(総合調整)と、内閣の審議事項でことが専門にわたり、その審議には、単なる政治上の識見だけでなく、特別の専門的な知識が必要とされるものにつき、閣員が審議の職責をはたすうえに欠くことのできない知識を補給する事務(法制局)とに局限することを、本旨とするものと考えられる。(高辻正己「憲法講説」。かっこ内は引用者補注)
*(注2)内閣の補助部局については、次のような見解がある。
内閣の補助部局については、「憲法上、法律上、内閣が直接にみずから決定すべきものとされている事項についての閣議の補佐という職務の担当というのが、その最大限」である(昭和40年 林修三 「内閣の組織と運営」。下線引用者)
● 内閣官房と総理府に同種の組織がウラオモテの関係で存在し、人的にも大部分が併任関係にある状況下では、内閣官房に実質的に業務が集中する問題等がある。(平成9年7月 第20回行革会議 猪口委員提出資料)
●現在の総理府は、多岐にわたり、またレベルの異なる種々の事務案件を渾然と抱えており(例えば賞勲、動物愛護、古都保存等の事務の混在)、このため性格があいまいとなっている。

考え方 (○) と 要検討事項 (●)
○内閣総理大臣に対する助言・補佐機能を強化する観点から、内閣官房を少数精鋭で政治任用を積極的に活用する「内閣総理大臣室」に改組し、重要政策の企画・立案、広報、情報機能を備える。
○ 内閣の総合調整機能を強化する観点から、総理府を「内閣府」に改組。総合調整機能は、「内閣府」の専管事項とし、総理府外局の総合調整官庁を原則廃止。
●(内閣府の)職務の分量、性質からいって、内閣総理大臣を名実の備わった主任の大臣とすることは不可能であり、専任の大臣を置かざるを得ないので、実質的には各省並びとなるのではないか。(前出・林論文)
● 総理府本府、外局その他に分散した政策企画・総合調整関係の実務機構を内閣に集中するとの考え方もあるが、これについては、前提となる個々の機能の内閣移管に問題があり、また、機構の膨大化を招き、新たな所管大臣が必要となるなど、内閣機能の本質的強化の要請に即応し得るか否かについては疑問がある。(昭和47年12月 行政監理委員会答申)
● 過去、第一次臨調において、大きな「内閣府」を作ることが検討されたことがあったが、本来の内閣官房としての機能か、行政事務を分担管理する総理府としての機能かという点が不明確になること、内閣の中に行政事務を分掌する総理府の機能を持ち込むと、宮内庁、公取委等の機関もこの中に入ってくるが、実効性があがるのかとの問題点があり、実現に至らなかった。 (平成9年3月 第7回行革会議における首席内閣参事官の発言)
考え方 (○) と 要検討事項 (●)
○ 内閣官房と総理府の主要な機関を統合し、内閣の首長としての内閣総理大臣の補佐機関として「内閣府」 を設置し、重要政策及び各省間の総合調整を担当。
● 例1に同じ。
● 内閣官房が内閣府という大組織の一部となることにより、少数精鋭のスタッフによる内閣総理大臣の直接的・効果的な補佐機能の十全な発揮をかえって困難とする可能性があるのではないか。

考え方 (○) と 要検討事項 (●)
○ 総合調整を包括的に行う機関を、内閣官房とは別に、内閣に直属させるもの。
○ 内閣における企画機能・総合調整機能を強力に補佐できる。
○ 内閣総合調整局の長には国務大臣を当てることが必要と考えられる。
○ 「府」の名称を用いると、国家行政組織上の諸機関との関係においてイメージが不明確になる。
● 例1に同じ。
● 現行内閣法12条は、内閣の補助部局として内閣官房(第1項)と、一定の目的を限り、その目的を有効に果たすための「必要な機関」(第4項)を予定していると解され、包括的な総合調整機関の設置に当たっては、内閣法の改正が必要となると考えられる。
● 内閣総合調整局の長に国務大臣を当てる場合、「局」の名称は適切か。
考え方 (○) と 要検討事項 (●)
○ 内閣法12条4項に規定する「その他必要な機関」として、すなわち、一定の目的に限り、その目的を有効に果たすために必要な機関として、内閣官房とは別に、内閣に直属させるもの。
○ 個々の機関については、比較的スリムなものとすることができ、内閣の事務の停滞を避けられる。
● 複数の補佐機関全体を統括する仕組みが更に必要となるのではないか。総合的な企画・調整の機能を果たし得るか。
● 各機関の長をどうするか。各機関の職務の質・量によっては、国務大臣を当てることが必要となるものもあると考えられるが、その場合、総理直結との性格は薄くなる(また、「局」の名称が適切か)。他方、職業公務員を当てると各省への指導性に問題。
考え方 (○) と 要検討事項 (●)
○「内閣官房」は、総理直属スタッフとして、基本方針の企画立案・調整、各省間の調整を行う。
○ 一般閣僚より一段上の格の内閣総理大臣の資格で「内閣府」を司り、その下に担当閣僚を置く。
「内閣府」は所管の行政の実施と各省間の調整を行う。
○ 内閣総理大臣補佐官については、拡充を図る。
● 例1に同じ
考え方 (○) と 要検討事項 (●)
○ 新内閣官房の3室については、いずれも官房副長官に準ずる職(官房副長官補)を置く。
○ 内閣官房3室は、最終的な総合調整と、重要事項の企画立案のみに特化し、実施は行わない。
○ 首相府は、総理大臣が自ら分担管理するに相応しい機能を結集して設置し、個別政策事項であっても国政上重要行政課題については、各行政機関への影響力を発揮できる構造を創成するべき。
○ 首相府は、首相の優越性を実現する機関として位置づける。
○ 外局に、宮内庁、統計・恩給庁、防衛庁、国家公安委員会・警察庁、金融監督庁、地方分権推進委員会を置く。
●(首相府の)職務の分量、性質からいって、内閣総理大臣を名実の備わった主任の大臣とすることは不可能であり、専任の大臣を置かざるを得ないので、実質的には各省並びとなるのではないか。(例1参照)
考え方 (○) と 要検討事項 (●)
○ 総理府本府と内閣官房の二重行政をやめ、総務庁を合併して総務省を設置する。
○ 外局に「国民安全」関係、自治省等を統合する。
○ 名称は「内閣府」も検討する。
[総務省について以下2つ]
● 内閣の総合調整機能が総務省に代替されて内閣官房の位置づけが曖昧になり、官邸のリーダーシップが副総理格の総務大臣との綿密な関係という状況的要素に左右されがちになる可能性がある。(平成9年7月 第20回行革会議 猪口委員提出資料)
● 総務大臣と官房長官との関係が複雑になる。(平成9年7月 第20回行革会議 猪口委員提出資料)
考え方 (○) と 要検討事項 (●)
○内閣総理大臣を直接補佐する「内閣官房」とは別に、内閣総理大臣自らが分担管理する総理直属の機関として「総理府」を設け、総理直属の機関にふさわしい事務を集中する。
○総理府には、官房長官とは別に専任の担当大臣を置く。
○内閣官房と総理府の分担の明確化に伴い、内閣官房と総理府の人的併任関係を極力限定する。
● 具体的内容が乏しすぎる。(平成9年7月 第20回行革会議 諸井委員発言)
● 組織の名称など、現状をあまりにも前提とし過ぎているのではないか。
● 内閣の代表者たる内閣総理大臣の権能を十分に活用する組織体制になっていないのではないか。
別紙2
(平成9年7月30日 佐藤幸治委員)
(第1回企画・制度問題小委員会の際配布した「内閣機能の強化策に関して」([資料9]の9頁に続く)
(3)内閣及び内閣総理大臣の補佐・支援体制の強化について
(イ)基本的視点
上述のように、内閣がそれに託された「国務を総理する」任務を遂行し、そのため内閣総理大臣が内閣の「首長」にふさわしいリーダーシップを十全に発揮できるようにするには、それらを補佐・支援する体制を格段に強化することが必要である。
「体制」は、1)総合戦略(企画・立案)、2)危機管理、3)総合調整の各面にわたって内閣及び内閣総理大臣を補佐・支援するものであり、それにふさわしい組織原理と活動方法を備えなければならない。
(ロ)具体的措置
1)分離型か統合型かの選択
現行制度上は、内閣の補助機関としての「内閣官房」(閣議事項の整理その他内閣の庶務、及び閣議に係る重要事項に関する統一保持上必要な総合調整等を行う)と、内閣総理大臣を主任の大臣とする「総理府」(総理が直轄すべき事務の実施(栄典等)、事務の連絡調整等を行う)と二本建てになっており、内閣事務と分担管理事務とが分離されている。
改革案としての第一の考え方は、内閣官房と総理府の主要な機関を統合し、内閣の「首長」としての内閣総理大臣の補佐機関として「内閣府」を設置し、重要政策及び各省間の総合調整を行なわせようとする統合型構想である。改革案としての第二の考え方は、「内閣官房、総理大臣室等」と「内閣府、総理府等」とを分離し、それぞれにふさわしい機能を担わせようとする分離型構想である。
いずれの構想を選択すべきか。統合型には、内閣官房が内閣府という大組織の一部となって、内閣総理大臣のリーダーシップを支えるにふさわしい機動性を発揮しうるかに疑問があると考えた場合、分離型に落ち着かざるをえないが、それでは「内閣官房、総理大臣室等」と「内閣府、総理府等」とにどのような機能を、どのような組織原理の下で担わせるか、については様々な考え方がありうる。ただ、委員の見解を仔細にみると、多くの共通性があることが知られる。
2)まず、「内閣官房」について
「内閣官房」という名称は内閣の補助機関であることを含意するが、その実質は内閣の「首長」たる内閣総理大臣の政策と行動を直接に補助・支援する機関と解するものとする。
かかる「内閣官房」の機能としては、(a)企画・立案、(b)総合調整、(c)危機管理、(d)安全保障、(e)情報、(f)広報、が考えられる。総合戦略という場合、主として (a)及び(b)をその内実とするが、その充実強化が極めて重要な課題となる。また、内閣官房の担うべき機能として、特にマクロ経済政策を指摘する見解がある。
○ このような観点から、内閣法4条、12条の法改正が課題となる。
第4条 内閣がその職権を行うのは、閣議によるものとする。このような機能を担うべき「内閣官房」の組織の在り方としては、現行の5室体制にこだわらず、時の総理の意向に沿った柔軟かつ弾力的な運営を可能にするものでなければならないという点については、ほぼ共通した認識がある。もっとも、危機管理、情報等については、恒常的組織にする必要があるかどうかを検討すべき余地がある。
A 閣議は、内閣総理大臣がこれを主宰する。
B 各大臣は、案件の如何を問わず、内閣総理大臣に提出して、閣議を求めることができる。第12条(略)
A 内閣官房は、閣議事項の整理その他内閣の庶務、閣議に係る重要事項に関する総合調整その他行政各部の施策に関するその統一保持上必要な総合調整及び内閣の重要政策に関する情報の収集調査に関する事務を掌る。
B、C (略)
○ 「内閣官房」の機能と組織についての概略を図式化すれば、次のとおりである。
内閣総理大臣が独自の政策構想を持って国政の場で指導力を発揮するためには、「内閣官房」におけるいわゆるポリティカル・アポインティーの役割が極めて重要であることに留意すべきである。
3)次に、「内閣府、総理府等」について
分離型によれば、上述の「内閣官房」とは別に、管理、監察機能を含む総合調整機能及び賞勲等直轄事務を担当する機関の存在が措定される。問題は、かかる機関をもって、内閣の機関と捉えるか、あるいは分担管理大臣たる内閣総理大臣の機関と捉えるか、また、後者の見地に立った場合、その機関の「格」をどのように捉えるか、である。
まず、かかる機関の位置付け方であるが、第一の考え方は、当該機関を内閣の機関として捉え、総理府は設けないというものである(その場合、直轄事務を含みうるとするものと、総合調整を専管とし、直轄事務は外局に移管すべきであるとするものとがありうる)。第二の考え方は、当該機関を内閣の機関として捉えるが、別途総理の分担管理事務を担当する総理府も設けるというものである(内閣の補佐機関は、組織・人事・監察・財政経済等の総合調整を担当し、総理府は、新規のプロジェクトの受け皿となり、賞勲等の実施機能を担う)。第三の考え方は、当該機関を分担管理大臣としての内閣総理大臣の機関として捉えようとするものである。第三の考え方にあっては、当該機関が担うべき事務として人事管理、行政監察、賞勲があるという点では概ね一致しているが、その外どのような機能を担わせるかについては様々な見解がある(総合調整、行政管理、男女共同参画、マクロ経済、防災、地方自治、選挙等々)。
当該機関が担うべき機能として想定される「総合調整」とは、具体的にどのようなものであろうか。上述のように、「内閣官房」が高度の総合調整力を発揮し、また、新たな省庁間調整システムの整備を通じて調整が行われると考えた場合、さらに残る「総合調整」とはどのようなものであるか、を検討する必要がある。そして、当該機関が内閣の機関であるべきか否かの問題も、この“残る”「総合調整」の具体的内実がどのようなものであるかを検討し、及び、管理・監察、総理直轄事務等との整合性の要素も考慮しつつ、判断さるべきであろう。
別紙3
(平成9年7月30日 佐藤幸治委員)
1 基本方針
審議会等は、従来一定の役割を果たしてきたが、その数が膨大になり、縦割り行政を助長するなどその弊害も目立つようになってきていることにかんがみ、従来の審議会等を思い切って整理し、その設置は必要最小限にとどめるとともに、その運営の改善を図る。
2 具体的措置