−速報のため事後修正の可能性あり−
5 会議経過
(1) 佐々森和男全国電気通信労働組合中央執行委員長及び竹下光輝全日本たばこ産業労働組合中央執行委員長から、以下の説明があり(別紙1及び2参照)、これについて、以下の意見交換が行われた。
(佐々森和男全国電気通信労働組合執行委員長の説明)
・通信事業は国営形態でスタートした。1946年に逓信省が民営化の方針を発表してから50年をかけてNTTの再編成が仕上がった。その結果が良かったのか否かということより、結果としてできたものをより良くするために努力をしてきているというのが現在の労働組合の態度である。
・全電通は、法案の段階では、争議権、当事者能力、公共性等の電電公社時代の問題点を解決するに十分な内容とするよう、条件を出し、修正させる方向で取り組んだ。民営化自体については全電通としては反対闘争をしてきたわけであり、結果を受けて、どうしていこうかというのが真意である。
・電気通信の分野では技術革新、合理化の50年が続いたが、これからは国際的な自由競争の時代に入るので、このような分野としての特殊性から、国際競争、自由化という大きな流れの中で判断してきたことであり、通信事業の民営化が、他の分野の民営化とストレートに結びつくものではないことに留意する必要がある。
・民営化の結果、公共企業体の時より経営の自主性が認められた。自主性がある方が良いのは当然のことだが、NTTは特殊会社であり、国が株式の3分の2を所有しているので、その意味で完全な民間ではないという課題が残っている。
・民営化により、労使間の自主交渉によって経営者及び労組が相互責任で協定を締結することとなり、労使の主体性が保障された。他方、民営化により、独占から競争へという変化の中で、競争に対応する経営施策が打ち出され、結果として組合員数が約10万人が減少したことを始め、トータルとして雇用が拡大していない現状にあり、厳しい状況である。通信のユニバーサルサービスは維持すべきであるが、民間の中でNTTだけがその使命を負っている状況にある。そこで、一方で競争に対応しながら他方でユニバーサルサービスを維持する必要があり、大変厳しい状況であるが、国民の利便性に資するという使命を全うしようと考えている。
(竹下光輝全日本たばこ産業労働組合中央執行委員長の説明)
・民営化により、賃金の自主交渉ができるようになったが、他方、市場開放の下、葉たばこのコストが外国の3倍になっており、人件費にしわ寄せが来ている。そのため、1949年に36,200人であった職員数は、1985年には31,100人、1996年には22,600人に減少しているが、働きがいのある職場を作るために努力を重ねている。
・労働組合としては民営化について一定の評価をしているが、仕事の面での厳しさも表れている。
(意見交換)
・民営化して職員の賃金は良くなったのかとの質問があった。これに対し、両労組から、賃金は上がったが、他方、勤務条件は厳しくなったとの発言があった。
・民営化の際、それまでの「公共」企業体から会社となることで、身分の問題での不安や意識面での抵抗感はなかったかとの質問があった。これに対し、1)不安があったからこそ組合としては民営化に反対してきたが、実際に民営化した際には、実質的に身分を引き継ぐという協定を締結することができたので、以後不安はない、2)民営化後も、贈収賄等公務員が主体となる犯罪について公務員とみなされるなど、みなし公務員的な規定が残っている、等の回答があった。
・旧公社や特殊法人の問題点として団体交渉権の空洞化ということが挙げられているが、その理由は何かとの質問があった。これに対し、予算主義のため、総裁が、バケツを買う程度の権限しかないという状況の下で、実質的な労使交渉ができなかったことが空洞化の原因であったと考えるとの説明があった。
・民営化後の人員削減はどのような形で行われたのか、また、削減対象の人はどうなったかとの質問があった。これに対し、強制解雇はなく、自然減に見合う形でたばこ製造工場に新型機械を導入するなど、自然体で人員が削減されるような工夫がなされた。もっとも、これに伴い、もともと女性の多かった製造工場の近代化が進んで、結果として女性職員の割合が減少したとの説明があった。
・民営化後の人員削減により、結果的に女性が早期に退職せざるを得ないというような状況はなかったとの質問があった。これに対し、NTTでは、交換手に女性が多かったが、その自動化により他の職に配転することとなったが、これにともなう職場の移動にともなって退職せざるを得なくなるケースもあり、多いときは6万人を超えていた公社の女性職員がかなり少なくなっているとの説明があった。
・身分が変わることに不安があって民営化に反対してきたが、組合が努力して条件を詰め、経営側がこれに誠実に対応したので、結果的に心配したようなことは起こらなかったということかとの質問があり、そのとおりであるとの回答があった。
・電気通信省から電電公社に変わったときの状況はどうだったかとの質問があった。これに対し、民営化でなく公社化となった理由としては、電気通信の公共性、技術的な統一の必要性、自然的独占状態にあること、国家的保護の下で育成する必要性、また、プライバシーや機密保持の問題があり、純然たる民間よりも公共性が要求されること等があったと聞いているとの回答があった。
・公社化の際の身分はどうなったのかとの質問があった。これに対し、言わば準公務員という扱いであったとの説明があった。
・NTTの民営化に際しては、真藤社長が言葉の使い方を始めとして積極的に改革を進めていったという印象があるが、それについてどういう印象を持ったか、社長が官僚出身者であったらどう違ったと思うかとの質問があった。これに対し、組合は変革に対する抵抗が強いので、当初は事業のことが分かっているのかという思いもあり、乱暴なやり方をする人だと思ったが、一方で民間の厳しさのある人だという印象であった。他方、他の人であったらどうかという比較はできないとの発言があった。
・民営化をすると守秘義務の点で問題があるとの議論があるが、民営化してもこの点については大丈夫だと理解してよいかとの質問があった。これに対し、法律でその使命を明記し、規制をすることによって、民営でも経営的に可能な限り担保できる。しかし、競争との関係で変質するとどうなるのか、例えばユニバーサルサービスによる負担が大きい場合にどうなるかということは今後重要な課題になると考えるとの回答があった。
・様々な機関をエージェンシー化あるいは民営化するという中で、その負の影響の大きさに男女差が出ないようにするためのアドバイスはないかとの質問があった。これに対し、事業の性質もあろうが、今後、高齢化・少子化が進展する中で、女性の社会進出のため、これを担保する法制度の整備とともに、女性が育児ができ、また、男性も育児休業を取れるような労働協定の締結など、行政と労使の双方の努力が必要であるとの見解が述べられた。
・民営化のマイナスがあるとすれば、労働が強化されたことぐらいかとの質問があった。これに対し、課題としては色々あったが、それに対処して克服してきたということであって、民営化してよかった点、悪かった点というとらえ方はいかがなものかとの見解が述べられた。
・民営化の利点は何かとの質問があった。これに対し、経営の主体性が出来、労使双方が自主交渉を行うことができるようになったことである。また、組合員としては、労働条件が改善されたことが大きいとの発言があった。
(3) 独立行政法人について以下の意見交換が行われた。
・前回の合同小委員会で課題とされた、暫定的措置として国家公務員身分を維持できるような制度設計の可能性及び評価機関に関する客観性・中立性の担保方策等について、事務局において検討した結果が説明された(別紙3及び別紙4参照)。
・意見交換に先立ち、八木事務局次長から、昨日行われた独立行政法人制度に関する自由民主党省庁再編プロジェクトチームの結果について、1)独立行政法人の職員身分は公務員とすべきではない。あくまでも公務員身分を保持したい場合には外局とすべき、2)独立行政法人が財政的に破綻した場合などに、安易に財政的な支援を行うのではなく、リスクは自らが負うという原則を確立すべき、3)特殊法人には子会社等を増殖させているという問題点があるので、独立行政法人については子会社等の設立を認めないという規制を設けるべき、4)特殊法人については、民営化等必要な整理を行った上で、残るものについては独立行政法人とともに一類型に統合すべきではないか、との意見集約があったとの紹介があった。
・職員の身分についての事務局の検討結果の説明には説得力があるが、妥協案は混乱を招き、無理があるのではないか。他方、公務員概念をルーズに解することにより、独立行政法人の職員に公務員身分を与えることが可能であるとして、別紙5のとおり意見(以下「渡辺案」という。)が述べられた。これに対し、法的に問題がないのであれば、この案でよいのではないかとの意見が述べられた。
・渡辺案で公務員概念をルーズに解することができることの根拠として挙げられている例はすべて非常勤の職員であるが、独立行政法人は本体的な業務を行うものであり、これに非常勤の例を当てはめるのはいかがなものかとの意見が述べられた。これに対して、本体的な業務を行っている例として地方事務官があるとの発言があったが、他方、地方事務官については、例外的に「当分の間」認められている暫定的な措置であるとの指摘があった。
・渡辺案は魅力的であるが、独立行政法人の職員の身分を同案のようにすることで労組は納得するのかとの問題提起があった。これに対し、現業で本体的な業務を行っている者を、例外的に公務員法の適用があるというようなカテゴリーに当てはめるのはいかがなものかとの発言があった。
・渡辺案は、理論的にはつじつまが合っていると思われるが、公務員としながらも実態を見ると重要な点では国家公務員法の適用除外とされており、その法制自体複雑で分かりにくいのではないか。暫定的公務員、公務員と非公務員の併存は難しいというが、それと同じような問題が別の意味で出ているのではないか。これを恒久的な制度とするのであれば、むしろ恒久的に混乱が生じるのではないかとの指摘があった。これに対し、エージェンシー自体、本来公務員法になじまないものであるが、独立行政法人化をやるしかない状況にあるのだから、国家公務員法を改正すればよいとの発言があった。
・渡辺案について人事院に確認したら、理論的には可能であって、立法政策の問題であるとのことであったとの発言があった。これに対し、同案は、従来の一般職と特別職とは別に独立行政職というようなものを作っているようなもので、新たなカテゴリーを作ってこれに公務員という名を付しているのみではないか、との問題点の指摘があった。
・国家公務員身分が必要であるとの組合の主張の趣旨は、具体的には、身分保障、給与の安定、公務に従事しているとの名誉・使命感の3点かとの問題提起があった。これに対し、これらがすべてではないにしても大きな点であろうとの発言があった。
・本日の組合関係者のヒアリングでも、当初は経営形態の変更に伴う身分への影響について心配があったが、経営側が誠実に対応したため、むしろ労働条件がよくなったとの発言が聞かれた。経営側が誠実に交渉を行うことで心配を取り除くのが正攻法ではないかとの意見が述べられた。これに対し、本日の組合の例は公社からの民営化であるが、今問題とすべきはむしろ行政機関から公社に移行したときのことであり、その点がよく分からないとの発言があった。これについて、電電公社は占領政策によりできたもので、自由度を持たせるように法律上書かれているが、予算についての締め付けが厳しかったため、これが発揮できなかったのではないかとの発言があった。
・電気通信は、成長産業、国の戦略的な産業であり、民営化がうまくいった例ではないかとの発言があった。
・特殊法人の職員は公務員ではないが、給与が公務員に準ずることや争議権があるなどのよい面がある。公務員としなくても、これと同様に身分保障を与えることができるのではないかとの意見が述べられた。
・渡辺案が独立行政法人の職員を公務員とした上で国家公務員法の適用を必要に応じて排除するのに対し、事務局資料(別紙2)の「備考」に記載された案は、必要な限りにおいて国家公務員法を準用するというものである。すなわち、非公務員であることを基本としながら、例えば「国家行政組織及び独立行政法人に関する法律」によって、独立行政法人を公の任務のためのものと位置付け、必要な限りにおいて国公法の規定を準用するというもので、この方がよりすっきりとしているのではないかとの意見が述べられた。これに対し、組合としては、独立行政法人の根拠法令を国家行政組織の根拠法令と一本化すればそれでよいのかとの問題提起があった。また、「備考」案の場合、職員は争議権を持つのかとの質問があり、論理の出発点としては持つこととなるとの説明があった。
・なぜ「備考」案のように独立行政法人の根拠法を国家行政組織法と一本化しなければならないか分からないとの発言があり、別個で済めば、その方がすっきりするとの説明があった。
・独立行政法人の職員は強制解雇されることがなく、また、公務員より給与が低くなることはないという程度の条件では労組は納得しないのかとの指摘があった。これに対し、例えば印刷局の労組が最も国家公務員であることに固執しており、固執するのは郵政、印刷、造幣などではないかとの発言があった。関連して、公務員というのは一つの名誉であるが、意識は世代によって変わってくるものであり、本日のヒアリングの説明のように、身分が変わってしまえば何のことはなかったということになるのではないかとの発言があった。
・独立行政法人の性格から考えて、職員の身分が公務員というのはやはり引っかかる。一定期間公務員と非公務員を混在させ時間をかけて調整することを考えた方がよいのではないかとの意見が述べられた。これに対し、混在の期間は20〜30年の長期にわたるのかとの発言があった。
・現在の特殊法人はうまくいっておらず、形を変えて独立行政法人にしようというが、どういう違いがあるのかも鮮明ではないとの問題点の指摘があった。これに対し、独立行政法人の長は労使交渉の当事者としての独立性を持つ点が実質的に特殊法人と違うのではないかとの意見が述べられた。また、関連して、特殊法人にまで議論を広げるとまとまらない、独立行政法人を作れば特殊法人も変わらざるを得ない、との発言があった。
・藤田主査から、以上の本日の議論を要約し、1)独立行政法人の職員に身分は、原理的には国家公務員ではないが、円滑な移行等を図るため、身分に関し必要な措置を検討する。この場合、独立行政法人の特色を損なわないことが必要、2)評価体制については、各省レベル、全政府レベルそれぞれに評価委員会を設置、3)独立行政法人の対象をできるだけ広く検討、との取りまとめがあった。
・独立行政法人については、なぜ独立行政法人をおくのかという原点を忘れてはならない。企画と実施の分離、スリム化が大前提であり、規制緩和、地方分権等のスリム化が前提であることを確認すべきであるとの意見が述べられた。また、関連して、1)独立行政法人は税金を使わない公務員として、国家公務員総定員法の適用範囲外とすることにより、国民にアピールすべきではないか、2)スリム化の実績を国民に示すことが重要である、等の意見が述べられた。
(4) 外局及び行政委員会について、以下の意見交換が行われた。
・藤田主査から、外局等の類型の整理として、1)準省(内閣総理大臣を主任の大臣とするが、それぞれの組織に専任の長たる国務大臣を置き、政策立案機能及び実施機能を併せ持つもの)、2)実施庁等(主に実施事務を行うものであって、一定の事務量のまとまりのある組織(実施庁)及び事務の性質上、その処理に当たって、公正中立性や専門技術性等を必要とされるものの実施に当たる組織(行政委員会))を外局として置くこととし、企画・立案機能の主たるものは本省に置くとの考え方が示された。これに対し、このように割り切るとスカッとするが、1)郵政三事業を外局化することとされているが、その政策立案は総務省の内局が行うことになるのか、2)ODA庁を設置するとした場合、政策立案は行わないこととするのか、3)金融監督庁を実施のみの機関とすると、その企画立案はどうするのか、4)文化庁、消防庁、中小企業庁等も企画立案も行っているが、これらはどうするのか、例外を認めるのか、等の意見が述べられた。これらに対し、一つ一つの省について今後それを詰めていく必要があるが、そのために受皿としての外局の性格を整理する必要があり、そのための考え方の筋道としての分類であるとの発言があった。
・行政委員会については、そのままということかとの質問があった。これに対し、実施に当たる機能について、これを出発点として一つ一つの省庁の検討の際に検討をしていく必要があるとの見解が示された。
・海上保安庁が国家公安委員会の下に入る場合、その組織の位置づけはどうなるのかとの問題提起があり、これに対し、警察庁と同様に特別の機関となるのではないかとの見解が示された。
・公正取引委員会には、企画・立案部門と審査・審判部門があるが、後者だけでは組織が弱体で機能しないのではないかとの問題点が指摘された。
・以上の結果、一応上記の類型を前提として、各省についての検討を行うこととされた。
・行政審判庁について、公取委の審判機能のような機能を統合した準司法機関を考えているのかとの質問があった。これに関連し、1)具体的には詰めていないが、第一審裁判の代替となっているものとそうでないものの双方を統合することや、場合によっては国と地方公共団体の係争処理機関も含めることも考え得るのではないか、2)行政審判庁構想には基本的に賛成であるが、現在の司法が行政事件に十分対応できるかという問題もあり、司法改革につながるものであればよいが、司法改革をおいて先に走ってしまうのはいかがなものか、3)自民党内でも、規制緩和や行革の進展によって弱肉強食の状況がでてくるおそれがあり、そのため、司法の充実により弱者の人権を守る必要があるとの議論があり、こうしたことも行革全体の中で頭に入れておく必要がある、4)不当労働行為については、中労委が裁定するが、不服があると地裁、高裁に順次係属することとなり、救済までに何年もかかって意味がなくなってしまう事態があり、これをどうするかが問題である。中労委の決定を裁判所に持ち込めないことにするのも一つの方策ではないか、5)その意味で、裁判の迅速化も課題の一つであるが、裁判を受ける権利も重要な基本的人権の一つであり、これを奪うのも問題である、等の意見が述べられた。
・行政審判庁については、藤田主査において更に詳細に検討中であり、今後、検討の結果を会議に報告することとされた。
以上
(文責 行政改革会議事務局)
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