[北海道開発庁に対する質問項目]
☆行政改革の趣旨に照らし、各省庁において、今後取り組むべきと考える(取り組もうとする)改革方策をご提示願いたい。
☆特定地域の振興開発等を所管する独立した行政機関として存在することの必要性、他の行政組織との一元化についてどう考えるか。

北海道開発庁説明資料(平成9年6月4日)
行政改革の趣旨に照らし、各省庁において、今後取り組むべきと考える(取り組もうとする)改革方策をご提示願いたい。

1 業務の簡素・効率化等への取組み
 北海道開発庁においては、今後とも第9次定員削減計画の着実な実施に努めるとともに、外注化、行政の情報化の推進等による業務の簡素・効率化、組織の簡素化にも引き続き努力する考えである。さらに、公共事業の重点化、公共工事のコスト縮減対策にも積極的に取り組むこととしている。

2 今後の北海道開発体制のあり方についての検討
 現行の北海道開発体制は、現在の省庁体制の中において、総合性、効率性の面でメリットを有していると考えられるが、一方では次のような指摘もなされているところである。

(1) 本庁の予算の一括計上の範囲が公共事業に限定されるとともに、北海道開発局の業務も直轄公共事業に限定されているため、基盤整備以外の産業政策、農業政策といったソフト面の政策立案機能が不十分なのではないか。

(2) 北海道開発庁は、予算を一括計上しても執行は複数の実施官庁に移し替えて行う必要があることから、これら実施官庁の縦割りの弊害が残っているのではないか。

(3) 国主導の開発により北海道が官依存型の体質となり、地域の自立が阻害されているのではないか。

 これらの指摘を踏まえ、さらには、地元北海道の地方公共団体、産業界等からの北海道開発体制の維持・充実等に関する要望をも勘案し、今後望ましい組織体制のあり方について検討していく必要があると考えているが、想定しうる一つの検討の方向としては、以下のようなものが考えられる。

(1) 現行体制の有する機能(開発計画の調査立案、開発事業の調整推進、開発予算の一括計上、地方支分部局における国の直轄公共事業の一元的実施等)と、地域開発に関する他の諸機能とを一元化し、本庁においてはソフト面の政策立案機能の強化、事業等の企画に係る調整機能の強化を図るとともに、地方支分部局においては、事業実施等の更なる総合化を図り、北海道開発行政の総合性を一層高める。

(2) また、北海道開発行政の総合性が高まれば、関係省庁間の利害調整が一層複雑困難となり、より強力な調整機能が必要となるので、組織の長には国務大臣を充てるとともに、予算の一括計上範囲の拡大等調整手法の強化拡充を図る必要がある。

(3) 運用面においては、地域の実状に即した分権型行政の展開に資するため、より一層地域の意見を反映するシステムの確立に努める。

いずれにせよ、今後の北海道開発体制のあり方を検討する上で重要なことは、我が国の長期的発展を図る観点から、引き続き北海道開発を着実に推進するための仕組み及び地域の実状に即した総合的な行政を推進する組織体制を確保することにあると考えており、当庁としては、地元北海道の各方面の意見をも尊重しつつ引き続き検討を進めていきたいと考えている。

北海道開発庁説明資料(平成9年6月4日)
☆特定地域の振興開発等を所管する独立した行政機関として存在することの必要性、他の行政組織との一元化についてどう考えるか。

1 北海道開発の沿革
北海道開発は、明治以来、国自らが一貫した理念をもって実施すべき国家的事業として、特別の体制で進められてきた。

[明治初期〜第2次大戦後]
 国の施策としての北海道開発は、明治2年の開拓使の設置により、一元的な組織体制の下で行われることとなった。
 開拓使設置当時の開発の目的は、北辺の領土権の確立、防備(ロシアの脅威への対抗)、士族授産などであり、屯田兵等による拓地植民を進めることにより、人口の定着、食料増産、鉱物資源の開発、産業の育成が図られた。明治15年に開拓使が廃止されると、3県(函館、札幌、根室)1局(農商務省北海道事業管理局)が置かれたが、具体的な政策がなかったために開発は進まなかった。その後は、明治19年に内閣(後に内務省に移管)の出先機関として設置された北海道庁が、計画を策定し、これに基づく事業を一元的に実施するという特別の体制により第2次大戦後までの約60年間の開発が進められた。
 この時期の開発は、資源を北海道外に持ち出すことを中心とした資源収奪型の開発という性格が強いものであった。また、海外植民地の経営が重視されるようになり、更には戦時体制の強化が進むようになると、北海道開発は次第に軽視されるようになっていった。

[第2次大戦後〜現在]
 終戦後、内務省が解体され、その出先機関であった北海道庁も地方自治体に改組されたため、北海道開発のための一元的組織は消滅し、一時的には中央の各省が地方自治体たる北海道庁を指揮監督して国の直轄事業を実施させるという変則的な体制がとられていたが、戦後の国民経済の復興に資するため、北海道開発を総合的に推進するという観点から昭和25年には北海道開発庁が、翌昭和26年には北海道開発局が設置され、再び一元的な組織体制の下で北海道総合開発が強力に進められることとなった。
 その後、現在に至るまで、北海道においては、道路、河川、港湾、農業生産基盤等の整備が総合的に進められ、人口の定着、本州等への食料供給、エネルギー供給等により、我が国の安定的な発展に寄与してきた。

2 北海道開発の必要性について
 北海道は、地理的、歴史的、社会的な多くの特殊事情とともに、豊かな開発可能性を有する地域である。
 北海道開発は、これらの特殊事情に適切に対応しつつ、豊かな開発可能性を顕在化することを目的としており、我が国の長期的発展を図る観点から、国が一定の予算を確保して計画的に開発を進める必要性は依然として高いものと考えている。

(1) 北海道の特殊事情
 北海道は、次のような特殊事情を有する地域であり、国として適切な配慮が必要である。

[地理的条件]
・我が国の北辺の国境地帯に位置しており、冷戦構造の終焉後といえども、安全保障や北方領土の早期返還の観点から安定的な発展を図ることが必要な地域である。
なお、北方領土の返還後の開発を円滑に進めるためにも、北方領土隣接地域の疲弊は避けるべ きである。
・厳しい積雪寒冷の地(年間降雪日数134日、最低気温−11.6℃(平成5年)はいずれも全国第1位)であり、冬期間の生活の困難性が高い。このため住民生活の安定を図る上で社会資本整備の必要性は高く、特に冬期間の交通の確保は住民にとって死活問題となっている。また、社会資本整備の重要性が高い反面、施工期間が限定されるとともに、耐寒性などの要因により、コストが高くなる傾向にある。
・四国、九州は、近畿・中国等複数の地域と隣接し、陸路で結ばれているが、北海道は渡島半島から海を隔てて青森県と隣接するのみであり、島として孤立している(青函トンネルは出来たがその前後は単線であり、また、自動車交通には利用出来ない)。

[歴史的条件]
・明治2年に開拓使が設置されて以来わずか130年間の開発の歴史しかない地域である上、戦前の開発は資源収奪型の開発という性格が強く、社会資本整備が本格的に進められるようになったのは、戦後しばらくたってからである。
・このため、社会資本の整備はいまだ十分ではなく、また、産業構造の転換が遅れているため、地域としての経済的自立も不十分である。

[社会的条件]
・人口(全国の4.5%)と面積(全国の22.1%)がアンバランスであることに加え、都市間距離が本州等の1.5〜2倍にも及ぶなど、他の地域に例を見ない広域分散型の地域社会を形成しており、社会資本整備の重要性が高い地域である。
・我が国の1ブロックを形成する地域でありながら1道しか置かれておらず、また、地方自治体の財政力が脆弱である。
・産業構造転換が遅れているために、製造業のウエイトが低く、工業出荷額の対全国比(2.0%)は人口のそれ(4.5%)の半分以下に過ぎない。
・アイヌの人々が古くから居住し、自然と共生する生活の中でアイヌ語、ユーカラ等様々な固有の文化を育んできた地域であり、アイヌ文化の振興やアイヌの伝統等に関する知識の普及啓発が重要な課題となっているとともに、開発に際してはアイヌ文化の保護にも十分な配慮が必要とされている。

(2) 北海道の開発可能性
 北海道は、
・広い土地・少ない人口が開発余力を大きなものにしていること
・恵まれた環境や資源(土地、水、鉱物資源など)が賦存していることにより、大きな開発可能性を有する地域であり、今後、次のような点で我が国全体の課題解決に寄与することが期待される地域であることから、国として総合的に開発を推進することが必要である。

[地球規模に視点を置いた食料基地の実現]
 21世紀に予想される食料危機に対応するためには、国内の食料自給率の低下傾向に歯止めをかけることが喫緊の課題となっているが、国内でこのような要請に応えることができる地域は国際的なスケールの農業が可能な北海道のみであり、我が国の食料供給の最後の砦としての役割を果たしていく必要がある。

[北海道の優位性を生かした産業育成と研究開発の推進]
北海道は、自由度の高い広大な土地、余裕のある水資源等、更にはゆとりある生活環境等を有しており、その優位性を生かし、新たな産業展開、研究開発活動の場として活用を図る必要がある。特に今後は、恵まれた都市環境を生かし、ソフトウェア等の知識集約型産業の拠点としての北海道の魅力が高まっていくものと考えられる。

[自然的・地理的特性を生かした北の国際交流圏の形成]
北海道は、アジア地域と北方圏の接点に位置するとともに、我が国の中で最も欧米に近い地域であるという有利な特性を有している。また、我が国初の24時間空港であり、ハブ空港として活用可能な新千歳空港を有するという好条件にも恵まれている。このため、21世紀に向けて、北半球における物流を含めた国際交流の重要拠点として最も期待される地域となっている。
さらに、ロシアとの将来的な経済交流を視野に入れれば、北海道は、サハリン、シベリア等の開発を進める上での後方支援拠点としても重要な地域である。

[恵まれた自然を背景とした観光・リゾート空間としての発展]
北海道の持つ雄大な自然、ゆとりある空間、特色ある気候等は、我が国全体にとっての貴重な財産であり、その恵まれた自然を背景とした観光・リゾート空間としての活用を図る必要がある。
北海道は、将来的には国際的な観光拠点に成長する可能性を秘めており、今後に向けた基盤整備の重要性は高い。

3 現行の北海道開発体制について
 現行の北海道開発体制は、北海道総合開発計画の調査・立案から、同計画に基づく事業の実施までを一つの組織で担当しており、本州等では3省の地方支分部局が個別に実施している国の直轄公共事業を総合的・一元的に実施しているなど、本州等と比べて地域開発体制としての総合性、効率性が高められている。

(1) 北海道開発庁の組織
[北海道開発庁]
 北海道開発庁は、北海道総合開発計画の調査・立案、同計画に基づく事業の調整・推進、各省庁にわたる総合的な開発予算の要求・一括計上などの業務を行っている。(定員88名)

[北海道開発局]
 北海道開発局は、開発計画の調査に関する事務を分掌するとともに本州等では地方建設局、地方農政局、港湾建設局が個別に実施している国の直轄公共事業を、現地北海道において総合的・一元的に実施している。なお、北海道開発局は、事業の実施について建設、農林水産、運輸の3省の指揮監督を受けることとされており、北海道開発庁に計上された予算は、これら3省に移し替えた上で執行されている。(定員7,466名)

(2) 北海道開発庁が独立の行政機関として設置されている理由
 北海道開発庁は、国務大臣を長とする独立の行政機関として設置されているが、その理由としては次のような点が挙げられる。
1)北海道開発庁が、開発計画についての調査・立案、開発計画に基づく事業に必要な予算の一括計上を行った上で、これら予算を各省に移し替え、各省の指揮監督の下で北海道開発局が国の直轄事業を一元的に実施するという現行の体制は、計画の調査・立案から事業の実施に至る一連の業務を一つの組織で担当するものであり、北海道開発を総合的かつ効率的に推進する上で効果的なものであること。
2)北海道開発を総合的かつ効率的に推進するためには、各省庁の縦割りの立場からではなく、北海道開発事業全体を見渡す立場に立って事業間の調整を行う必要があるが、その調整を強力に進めるためには、各省庁と対等の、国務大臣を長とする独立の行政機関としての位置付けが必要であること。

(3) 現行の北海道開発体制のメリット
 現行の北海道開発体制は、現在の省庁体制の中において次に示すようなメリットを有している。
1)北海道開発庁が、開発計画についての調査・立案、開発計画に基づく事業に必要な予算の一括計上を行った上で、これら予算を各省に移し替え、各省の指揮監督の下で北海道開発局が国の直轄事業を一元的に実施するという現行の体制は、計画段階、予算要求段階、事業実施段階の各段階で各種事業間の調整を容易としており、各種事業の総合的実施、事業間の進度調整の円滑化などが図られるというメリットがある。
 また、現行の体制は、開発計画を強力に推進する上でも、開発計画の実効性が予算(予算の一括計上)及び組織(本庁の企画調整機能と北海道開発局の総合的な事業実施機能の一体化)の両面から担保されるというメリットがある。
2)北海道開発局は、3省の出先機関を1つに束ねた形となっており、それぞれ個別に機関を設置する場合と比べて、総務、人事、会計、用地等の共通部門の一元化が図られている点、及び地方自治体が事業(単独事業、補助事業)を実施する場合の、国の直轄事業との調整窓口の一元化が図られているという点でメリットがある。

(4) 現行の体制の抱える課題
 現行の北海道開発体制は、現在の省庁体制の中において、総合性、効率性の面でメリットを有していると考えられるが、一方では、
1)本庁の予算の一括計上の範囲が公共事業に限定されるとともに、北海道開発局の業務も直轄公共事業に限定されているため、基盤整備以外の産業政策、農業政策といったソフト面の政策立案機能が不十分なのではないか
2)北海道開発庁は、予算を一括計上しても執行は複数の実施官庁に移し替えて行う必要があることから、これら実施官庁の縦割りの弊害が残っているのではないか
3)国主導の開発により北海道が官依存型の体質となり、地域の自立が阻害されているのではないか
といった指摘もなされているところであり、当庁としてもこれを真摯に受け止め、今後の組織のあり方の検討に適切に反映させていく必要があると考えている。

4 北海道開発の成果
 北海道総合開発が特別の体制によって推進されてきたことにより、北海道の社会資本の整備は着実に進められてきているが、なお整備は必要である。
北海道は、これら社会資本を効果的に活用することにより、我が国の安定的な発展に寄与してきた。

[社会資本整備の進展]
 北海道における社会資本の整備は着実に進められてきているが、なお整備は必要である。                 

  
  ○道路延長
                      昭和35年     平成7年                    
       北海道  5.8万km →   8.5万km (1.47倍)             
       全 国 97.3万km → 113.7万km (17倍)

 ○1ku当たり道路延長
                      昭和35年     平成7年                    
       北海道   695m  →  1,015m         
       全 国 2,575m  →  3,008m         
                                                                            
 ○高速自動車国道の整備率                      
            昭和48年度末  平成8年度末          
       北海道   4.3%  → 26.1%(+21.8ポイント)
       全 国  16.0%  → 53.1%(+37.1ポイント)

 ○直轄河川整備率                          
            昭和47年    平成6年            
       北海道  21.3%  → 34.7%(+13.4ポイント)
       全 国  32.0%  → 38.2%(+6.2ポイント) 

 ○ジェット機就航空港数                       
            昭和36年    平成7年            
       北海道    1空港  →  8空港            
       全 国    5空港  → 54空港            
[我が国の食料供給基地]
 北海道においては、農業経営の大規模化が着実に進展してきており、我が国の食料供給基地としての重要性は増大している。
 
 ○耕地面積(カッコ内は北海道が全国に占める割合)          
           昭和25年      平成7年           
       北海道   754千ha → 1,201千ha       
            (14.9%)   (23.8%)        
       全 国 5,048千ha → 5,038千ha       

 ○戸当たり耕地面積
           昭和25年      平成7年
       北海道  3.1ha  →  14.8ha(4.8倍)
       全 国  0.8ha  →   1.3ha(1.6倍) 

 ○北海道が国内の食料生産に占める割合                
    (農業粗生産額ベース)昭和35年     平成6年        
                6.9%  →  10.3%       
    (供給熱量ベース)  昭和50年     平成6年        
               13.7%  →  19.1%       
[エネルギーの供給]
 北海道は、戦後の一時期、我が国の重要な国内エネルギー資源であった石炭生産の多くを担い、エネルギーの安定的な供給に大きく貢献した。
   
  ○石炭生産量(カッコ内は北海道が全国に占める割合)         
         昭和35年     昭和40年     昭和45年   
    北海道  19,043千t  22,133千t  19,039千t
         (36.2%)   (44.2%)   (49.7%) 
    全 国  52,607千t  50,113千t  38,329千t
    [人口の定着]
 北海道においては、他の地域において大都市圏への人口流出が見られた時期においても人口が着実に増加し、昭和21年に349万人であった人口が、平成7年には569万人となっている。
 ○地域別の人口動向(昭和30年 → 昭和45年)
        北海道   477万人 →  518万人 (8.6%増)
        東 北   933万人 →  903万人 (3.2%減)
        四 国   425万人 →  390万人 (8.0%減)
        九 州 1,294万人 →1,207万人 (6.7%減)
 以上のように、現行の体制による北海道開発は一定の成果をあげてきたが、その一方で、北海道自身の産業構造の転換という課題には必ずしも十分に対応できていないのも事実である。
 したがって、今後の北海道開発体制のあり方を検討する際においては、その点を十分に勘案する必要があると考えている。

5 北海道開発庁における定員削減等へのこれまでの取組み
 北海道開発庁においては、外注化、行政の情報化の推進等により業務の簡素・効率化に努めるとともに、定員の削減、組織の簡素化にも最大限努力してきている。

[定員の削減]
 北海道開発庁は、最も高い部類に属する削減率で定員削減を進めてきており、昭和42年度から平成9年度までに4,294人の定員を削減している。このため、現在の定員は昭和42年の2/3に満たない水準となっている。

 ○北海道開発庁の定員                        
     昭和42年      平成9年                 
      11,848人 →  7,554人(△4,294人)

 ○第9次定員削減計画(平成9〜13年度)における目標削減率     
     全省庁平均:4.11%                     
     北海道開発庁:6.00%                    
     (農林水産省(国有林野事業を除く)と同率で1位)        
[事業所等の整理合理化]
 北海道開発庁においては、事業実施を担当する北海道開発局の出先機関である事業所等の整理合理化に努めてきており、昭和44年度から平成9年度までに86か所の事業所等の整理合理化を行ってきている。このため、現在の事業所等の数は、昭和44年度の2/3に縮小されている。
 ○北海道開発局の事業所等の数
     昭和44年度    平成9年度                 
      255か所  →  169か所(△86か所)
6  他の行政組織との一元化等に対する考え方
他の行政組織との一元化の是非については、一元化後の組織のあり方が不明確な現段階において一概には言えないが、一元化により現行の体制の優れた点が失われることがあってはならないと考える。  いずれにせよ、北海道の有する多くの特殊事情及び豊かな開発可能性にかんがみれば、これを単純に全国一律型の行政の対象とすることは不適切であり、開発を総合的に推進するための何らかの特別な体制は、引き続き当分の間必要であると考える。なお、その特別の体制は現行の体制が有するメリットを損なうものではなく、むしろ、その不十分な点を克服したものであることが望ましい。

(1) 他の行政組織との一元化に対する考え方
 他の行政組織との一元化の是非については、一元化後の組織のあり方が不明確な現段階において一概には言えないが、一元化により現行の体制の優れた点が失われることがあってはならないと考える。
 なお、他の行政組織と一元化した場合には次のような影響が出ることが考えられる。
1)仮に、全国を対象とする行政組織において北海道開発を担当することとなれば、北海道独自の視点からの行政は制約され、北海道の特殊事情及び開発可能性に配慮を欠いた全国一律型の画一的な行政の傾向が強まることとなろう。
  また、北海道開発を担当する組織の長たる国務大臣が置かれなくなれば、現在のような強力なリーダーシップと調整機能が失われることとなるので、国の施策としての北海道開発の位置付けが低下することは避けられないと考える。
2)中央省庁の大括り(例えば公共事業担当組織の一元化)により事業の総合性が確保されるという考え方もあろうが、これにより北海道が全国一律型の行政の対象とされるのであれば1)と同様の影響が予想される。
  また、地域開発を効果的に推進するためには、公共事業に限らず、産業政策、農業政策といったソフト面を含めた広範な行政の総合化が必要であるとの指摘もなされているところであり、公共事業だけを一元化しても十分とは考えられない。

(2) 今後の北海道開発体制のあり方に対する考え方
 北海道の有する多くの特殊事情及び豊かな開発可能性にかんがみれば、これを単純に全国一律型の行政の対象とすることは不適切であり、開発を総合的に推進するための何らかの特別な組織体制は、引き続き当分の間必要であると考える。
 また、その特別の体制は、現行の体制が有するメリットを損なうものではなく、むしろ、その不十分な点を克服したものであることが望ましい。
 いずれにせよ、今後の北海道開発のあり方を検討する上で重要なことは、我が国の長期的発展を図る観点から、引き続き北海道開発を着実に推進するための仕組み及び地域の実状に即した総合的な行政を推進するための組織体制を確保することにあると考える。