[沖縄開発庁に対する質問項目]
| ☆行政改革の趣旨に照らし、各省庁において、今後取り組むべきと考える(取り組もうとする)を提示されたい。 |
| ☆特定地域の振興開発等を所管する独立した行政機関として存在することの必要性、他の行政機関との一元化についてどう考えるか。 |
[沖縄開発庁説明資料](平成9年6月4日)
| 行政改革の趣旨に照らし、各省庁において、今後取り組むべきと考える(取り組もうとする)改革方策を提示されたい。 |
○沖縄開発庁本庁は、極めて簡素、かつ効率的な組織であると同時に、地方支分部局である沖縄総合事務局は、沖縄開発庁の現地機関としての事務のほか、6省庁等の7つの地方支分部局の事務を併せ行う一元的な機関として、沖縄県民の便益を図り、効率的な行政により住民生活に密接に関係のある事務を総合的に処理している。
○今後、沖縄においては、戦略的な産業の振興、広大な返還基地跡地の利用対策等多くの課題が山積しており、地方分権のあり方や中央省庁のあり方に関する検討の動向に留意しつつ、事務の見直しや体制の整備が必要であると考えている。
○また、沖縄県民に対し、より一層開かれ、親しまれる行政を目指し、住民のさまざまな要望に的確に対応していくなど、業務運営の改善に努めてまいりたい。
1)沖縄開発庁は、振興開発計画に関する事務、予算の一括計上などによる振興開発事業の効果的、安定的な実施のほか、沖縄固有の事情により必要な事務(位置境界明確化、首里城城郭の復元整備、不発弾対策、対馬丸遭難学童遺族給付、厚生年金特例納付融資利子補給等)などを担当しており、これらはいずれも国の責務として行わなければならないものであると考えている。
2)沖縄開発庁本庁は総務局、振興局の2局からなっており、総務局はいわゆる官房業務のほか、沖縄振興開発計画の作成、沖縄振興開発金融公庫の監督、戦後処理、復帰処理問題などを担当し、振興局は、沖縄振興開発計画の実施に関する事務の推進、沖縄振興開発関係予算の一括計上及びその配分等を担当している。
本庁の定員は両局を合わせて89人(政務次官を含む。)であり、極めて簡素かつ効率的な組織であると考えている。
3)また、地方支分部局として那覇市に沖縄総合事務局があるが、総合事務局は沖縄開発庁の現地機関としての事務のほか、
・公正取引委員会事務総局の地方事務所
・大蔵省の財務局
・農林水産省の地方農政局
・通商産業省の通商産業局
・運輸省の地方運輸局
・運輸省の港湾建設局
・建設省の地方建設局
の6省庁7つの地方支分部局の事務を併せ所掌する一元的な機関として、沖縄県民の便益を図り、効率的な行政により住民生活に密接に関係のある事務を総合的に処理しており、定員は1060人である。(なお、沖縄開発庁の地方支分部局としての事務以外の事務を行うに当たっては、それらの事務に関する主務大臣等が沖縄総合事務局長を指揮監督することとされている。)
4)行政機構が所管別に構成されている中で、専門的な機関として、沖縄という特殊事情を抱える地域に着目し、常に沖縄の振興開発という視点から各省庁の調整を行う沖縄開発庁は、これまで有効に機能してきたし、沖縄の現状からみてなお必要であると考えている。
5)さらに、自由貿易地域の拡充・強化等による戦略的な産業の振興、普天間飛行場を始めとする広大な米軍基地跡地の有効利用、沖縄米軍基地所在市町村懇談会の提言の実現、さらには沖縄県が強く要望している国際都市形成構想への支援等の課題が山積しており、今後、ソフト、ハード両面からの施策を積極的に推進していく必要があるが、地方分権のあり方や中央省庁のあり方に関する検討の動向に留意しつつ、これに応じた体制の整備も課題であると考えている。
6)そして、例えば、総合調整の有効な手段としての予算の一括計上の範囲など個々の事務のあり方やそれに応じた執行体制については、常に見直しを行い、さらに効率的な業務の執行に努めてまいりたい。
7)また、沖縄県民に対し、より一層開かれ、親しまれる行政を目指し、住民のさまざまな要望に的確に対応していくなど、業務運営の改善に努めてまいりたい。
| 特定地域の振興開発等を所管する独立した行政機関として存在することの必要性、他の行政機関との一元化についてどう考えるか。 |
本土復帰後25年を経過し、沖縄の経済社会は総体として着実に発展してきたが、沖縄は、歴史的、地理的条件を含め、現在もなお本土の各県とは大きく異なるさまざまな特殊事情を抱える地域である。すなわち、1)沖縄県は、我が国唯一の島しょ県であり、遠く離れた本土との交通は空路及び海路に限られているため、経済活動、県民生活において大きなハンディキャップがあること、2)日米関係の基盤をなす日米安全保障体制の下で、駐留米軍の基地の75%が存在する現状にかんがみると、沖縄県は我が国の安全保障上重要な地域であるが、沖縄県民は長年にわたり、我が国全体の安全のために重い負担を負っていること等の特殊事情が存在する。このような実情にかんがみれば、戦略的な産業の振興や基地跡地利用対策など沖縄の発展のための諸課題に対応するとともに、県民のさまざまな期待に対応し、きめ細かな施策を総合的、一体的に推進する国の独立した行政機関が必要である。このためには、現下の最重要課題である沖縄振興策の推進に中心的な役割を担うこととなっている沖縄開発庁が必要であり、その機能を削ぐことは適当でない。また、沖縄開発庁の存在により、沖縄県の意向が直接国の計画、予算、金融政策に反映され、沖縄の主体性、自主性を重視する仕組みとなっていることにも留意すべきである。
1 沖縄の特殊事情
○沖縄戦による甚大な被害、長年にわたる我が国施政権からの分離、日米安全保障体制の下での広大な米軍基地の存在、本土から遠く離れた島しょ県である等の地理的・自然的ハンディキャップなど沖縄はさまざまな特殊事情を抱えている。
1)沖縄戦→先の大戦において、激しい地上戦と艦砲射撃などにより県土全体が焦土と化し、一般県民約9万4千人を含む20万人余の尊い犠牲者を出した。
(参考)沖縄戦戦没者数(沖縄県の試算及び米軍資料による。)
○全戦没者数 約200,000人 ・日本人戦没者 約188,000人 沖縄県出身軍人・軍属 28,228人 一般県民(推計) 約94,000人 他都道府県出身兵 65,908人 ・米軍戦没者 12,520人
2)我が国施政権からの分離→終戦後、昭和47年に本土復帰を果たすまで、約27年間にわたって米国の施政権下に置かれ、本土の経済発展から取り残されるとともに、基地依存型経済構造を余儀なくされた。
3)地理的・自然的ハンディキャップ→本土から遠く離れているため、本土との交通は空路及び海路に限られており、経済活動、県民生活において大きなハンディキャップを負っている。また、東西約1000km、南北約400kmの広大な海域に県内各島が散在しているため、県内交通においても本土の各県と比べて大きなハンディキャップがある。さらに、台風の常襲地帯であること、水資源の確保が難しいことなど不利な自然条件が多い。
4)広大な米軍基地の存在→一時使用施設を含めた米軍提供面積は、沖縄全島面積の約11パーセント、本島に限ってみると約19パーセントを占める。また、専用施設面積は、日本全体の提供面積の約75%に相当する。
日米関係の基盤をなす日米安全保障体制の下で、米軍基地を円滑かつ安定的に提供することは我が国の義務であり、このように米軍基地の大部分が存在する現状にかんがみると、沖縄県はわが国の安全保障上重要な地域である。しかしながら、沖縄県民は、長年にわたり我が国全体の安全のために重い負担を負っている。
(参考)沖縄における基地問題並びに地域振興に関する決議(平成9年4月22日 衆議院)
本院は、本年5月の沖縄の本土復帰25年の節目にあたり、ここに改めて、長きに亘る沖縄の苦難の歴史に思いをいたし、かつ、沖縄県民の筆舌に尽くし難い米軍基地の過重負担に対する諸施策が極めて不十分であったことを反省する。この際、沖縄のこころをこころとして厳しく受けとめ、沖縄問題解決へむけて最大限の努力を払う決意を表明する。
……さらに、沖縄県の過去の歴史と伝統的な特性を維持しつつも、経済的かつ文化的に優れた国際交流拠点として、活力に満ちあふれた真に魅力ある地域となるよう、地元の意志を十分に尊重しつつ、総合的かつ実効性のある大胆な改革を含めた沖縄振興策を講ずるべきである。 右決議する。(参考)第105議会第1セッション米上院決議第58号(1997年5月20日)
……アメリカ合衆国と日本国との間の相互協力及び安全保障条約は、米国、日本及びアジア太平洋地域諸国の安全保障に係る利益の促進に不可欠であり、また、沖縄の人々が、この条約の実施の確保のために行っている貢献が認められるべきであるとの上院の認識を表明し、… 米国及び日本の政府は、…沖縄の人々に対する米軍の負担を削減することへのコミットメントを行っており、このようなコミットメントは、米軍の運用上の能力及び即応体制を維持するものであり、沖縄の人々は、日本における米軍基地の負担の不相応な部分を負担してきたものであり、このようなコミットメントを達成するために沖縄の人々の理解及び支持を得ることが、条約の効果的な実施のために死活的に重要であり、それゆえに、今、以下が上院としての認識であることを決議した。
1)アメリカ合衆国と日本国との間の相互協力及び安全保障条約が米国及び日本の安全保障に係る利益並びにアジア太平洋地域諸国の安全保障に係る利益に不可欠であり、
2)沖縄の人々が、この条約の実施の確保並びに地域の平和及び安全のために行っている貢献は、特別の承認及び謝意を受けるに値する。
*なお、米下院においても3月11日に同趣旨の決議が行われている。(参考)沖縄開発庁設置法案提案理由説明(昭和46年11月10日/衆議院内閣委員会)
……沖縄が戦争で甚大な被害をこうむり、かつ、長期間米国の施政権下にあった事情に加え、本土から遠隔の地にあり、多数の離島から構成される等各種の不利な条件をになっていることに深く思いをいたすとき、まずその基礎条件を整備することが喫緊の課題であり、進んでは、沖縄が我が国の東南アジアの玄関口であるという地理的条件と亜熱帯地方特有の気候風土を生かし、その豊かな労働力を活用して産業の均衡ある振興開発をはかることが必要であると考えます。
今回、沖縄開発庁を設置しようとする趣旨は、このような沖縄の振興開発に関する国の諸施策を積極的に推進し、豊かな沖縄県づくりに政府が直接の力添えをするための体制を整備することにあり、このため、総合的な計画の作成並びにその実施に関する事務の総合調整及び推進に当たることを主たる任務とし、国務大臣を長とする沖縄開発庁を総理府の外局として設置しようとするものであります。
2 沖縄の振興開発の必要性
○沖縄の経済社会は総体として着実に発展してきたが、沖縄はなお多くの特殊事情を抱える地域であり、本土との格差是正、自立的発展の基礎条件の整備、広く我が国の経済社会及び文化の発展に寄与する地域としての整備は、国の重要な責務である。
○第3次沖縄振興開発計画は、平成9年度から計画期間の後半を迎えるが、去る3月に沖縄振興開発審議会において取りまとめられた後期展望に沿って、さらにその目標達成に努力していく必要がある。
○一昨年来、沖縄の米軍基地の整理・統合・縮小及び沖縄の経済振興が政府を挙げて取り組むべき最重要課題となっており、その解決のため、今後の振興策の取りまとめや推進に中心的な役割を担う行政機関が必要である。
(1) 沖縄の現状と振興開発計画
1)沖縄が本土に復帰して以来、3次にわたる振興開発計画に基づき沖縄の振興開発のための諸施策が講じられ、本土との格差は次第に縮小されるなど、沖縄の経済社会は総体として着実に発展してきた。
しかしながら、沖縄はなお多くの特殊事情を抱える地域であり、生活・産業基盤の面ではなお整備を要するものが多く見られるとともに、産業振興や雇用の問題など解決しなければならない多くの課題を抱えている。
2)沖縄県の経済は、第3次産業及び建設業のウエイトが高く、製造業のウエイトが著しく低い産業構造となっており、経常的に移輸入が移輸出を上回り、また、財政支出に大きく依存している。
沖縄県の経済状況をみると、1人当たりの県民所得は、全国の最下位(全国平均の71%)に位置しており、失業率についても、全国平均の2倍近い率となっている。
3)このような経済状況を反映して、県、市町村の財政も自主財源比率がそれぞれ22%、32%と国の財政支援に大きく依存している。
4)また、沖縄の米軍施設・区域は、県土の約11%を占め、沖縄本島に限ってみると約19%を占めており、地域開発や県民の日常生活の上でも様々な影響を与えている。
5)このように、沖縄の振興開発は未だ道半ばであり、沖縄振興開発計画に基づいて必要な事務量を確保しながら、引き続き本土との格差を是正し、自立的発展の基礎条件を整備するとともに、広く我が国の経済社会及び文化の発展に寄与する特色ある地域として整備を図ることは、重要な国の責務である。
6)第3次沖縄振興開発計画は、平成9年度から計画期間の後半を迎えることから、沖縄振興開発審議会において去る3月、第3次沖縄振興開発計画の後期展望がとりまとめられた。後期展望においては、
・経済社会の変化に対応し、地域特性を生かした特色ある産業の振興
・国際性豊かな県民性や地域特性を生かした我が国の南の国際交流拠点の形成の促進
・これらを推進する上で基盤となり、自立的発展を支える社会資本整備の推進
・沖縄の豊かで多様な自然環境の保全・継承など環境への配慮
・離島及び圏域における、その特性を生かした交通・情報通信体系等の整備、産業の振興、県内外の交流の促進
・米軍施設・区域の整理・統合・縮小と返還跡地の有効利用
が指摘されており、これを踏まえて計画の目標達成のためさらに努力していく必要がある。
(2) 沖縄問題の解決
1)一昨年来、沖縄の米軍基地の整理・統合・縮小及び沖縄の経済振興が国政の最重要課題となり、平成7年11月には、沖縄に所在する米軍施設・区域に係る諸問題に関し協議するため、沖縄開発庁長官も参加する沖縄米軍基地問題協議会が設置された。また、平成8年9月には、内閣総理大臣談話が閣議決定され、政府として、沖縄県が地域経済として自立し、雇用が確保され、沖縄県民の生活の向上に資するよう、また、我が国経済社会の発展に寄与する地域として整備するよう全力を傾注していくこととなった。
(参考)沖縄問題についての内閣総理大臣談話(平成8年9月10日閣議決定) 私は、過ぐる大戦において沖縄県民が受けられた大きな犠牲と、沖縄県勢の実情、そして今日まで沖縄県民が耐えてこられた苦しみと負担の大きさを思うとき、私たちの努力が十分なものであったかについて謙虚に省みるとともに、沖縄の痛みを国民全体で分かち合うことがいかに大切であるかを痛感いたしております。 また、地位協定の見直し及び米軍基地の整理・縮小を求める今回の県民投票に込められた沖縄県民の願いを厳粛に受け止めております。 ……豊かな自然環境や伝統、文化を生かしつつ、県土構造の再編、産業経済の振興及び生活基盤の整備等を進め、平和で活力に満ち、潤いのある地域の実現を目指した「21世紀・沖縄のグランドデザイン」は、沖縄県がその願いを込めた構想であると承知いたしております。 政府としては、この構想を踏まえ、通信、空港、港湾の整備と国際経済交流、文化交流の拠点の整備を行うとともに、自由貿易地域の拡充等による産業や貿易の振興、観光施策の新たな発掘と充実、亜熱帯の特性に配慮し、医療、環境、農業等の分野を中心とした国際的な学術交流の推進とそれに伴う関連産業の振興等のプロジェクトについて沖縄県と共に検討を行い、沖縄県が地域経済として自立し、雇用が確保され、沖縄県民の生活の向上に資するよう、また、我が国経済社会の発展に寄与する地域として整備されるよう、与党の協力を得て全力を傾注してまいります。2)この内閣総理大臣談話を受けて、沖縄に関連する基本施策について協議するため、内閣総理大臣と北海道開発庁長官を除く全閣僚と沖縄県知事を構成員とする沖縄政策協議会が設置され、沖縄開発庁は、協議会の下に政策分野ごとに設けられた10のプロジェクトチームの全てに参加するとともに、34の検討事項のうち11事項について取りまとめを行うこととなっている。
(参考)沖縄政策協議会における沖縄開発庁取りまとめ事項3)また、平成8年8月には、米軍基地所在市町村のまちづくりや各種施策のあり方、米軍との関係改善等の方策等を検討するため、内閣官房長官の下に沖縄米軍基地所在市町村懇談会が設置され、同年11月に提言が行われた。沖縄開発庁は、この提言に基づき設置された沖縄米軍基地所在市町村提案プロジェクトに関する連絡協議会に参加しており、この協議会における検討が進み、具体的に事業化していく段階においては、関連するインフラの整備を始めとして、当庁が所管する沖縄振興開発事業予算で対応すべきものについては、沖縄県や関係省庁との密接な連携の下に積極的に対応を図っていくこととしている。
・第3次沖縄振興開発計画(後期)の推進
・普天間飛行場返還跡地整備に関する調査
・普天間飛行場以外の米軍施設・区域返還跡地整備に関する調査
・米軍施設・区域返還跡地整備に関する制度・手法の研究
・米軍施設・区域返還跡地整備推進のための組識の整備
・空港インフラ整備の推進
・港湾インフラ整備の推進
・総合交通体系整備の推進
・自由貿易地域制度の拡充・地域の拡大
・産業立地促進・活性化の支援
・亜熱帯総合研究所(仮称)の整備等(参考)内閣総理大臣答弁(平成9年4月10日/衆議院日米安全保障条約の実施に伴う土地使用等に関する特別委員会)
……今後におきましても、私どもが沖縄県に対して、基地の問題とは別に、県の、いわば県勢の力をつけていただくための施策というものは、全力を挙げて進めていかなければなりません。・・・・・・そして、県のさまざまな構想は既にここ(沖縄政策協議会)で議論され、整理され、具体化のために沖縄開発庁を中心としたそれぞれのプロジェクトチームが動いております。(参考)沖縄開発庁長官答弁(平成9年5月21日/衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会)
……本年度におきましても……調査費を組みまして今後の自由貿易地域のあり方、また、そのための必要な機能について検討することになっております。もちろん、県の要望やそういったものがありますが、私どもが独自に後期展望の趣旨を踏まえた調査を行いながら、沖縄の産業振興、貿易振興に資するように自由貿易地域の拡充・強化に取り組んでまいるつもりでございますし、また、関係省庁と沖縄県も参加した沖縄政策協議会の国際貿易・物流基地の形成プロジェクトチームというのもやっておるわけでございますので、こういった点で幅広く検討していくことになると思いますので、決して委員がご心配のように県の案を待ってということではありませんので、積極的に国として対応してまいりたいと思います。
4)沖縄問題は、政府を挙げて取り組むべき最重要課題の一つであり、その解決のため、今後の振興策の取りまとめや推進に中心的な役割を担う行政機関が必要である。
3 沖縄の振興開発と国の責任
○さまざまな特殊事情を抱える沖縄の振興開発は、地方のみならず国としての重要な責務であり、そのためには、沖縄の振興開発の推進に責任を持つ国の行政機関が必要である。また、沖縄開発庁の存在は、沖縄の地方自治とは何ら矛盾するものではなく、むしろ現在の仕組みは、国の計画、予算、金融政策に対して直接沖縄県の意向が反映され、地方の主体性、自主性を重視する仕組みとなっていることにも留意すべきである。
1)沖縄県や県内市町村も沖縄の振興開発に責務を有することはもとよりであるが、以上のように、依然としてさまざまな特殊事情を抱える沖縄については、国のレベルにおいても他の地域とは異なった振興開発施策を引き続き講じていく必要がある。そして、そのためには沖縄の振興開発計画を作成し、その実施に関する事務の総合調整及び推進に責任を持つ国の行政機関が必要である。
2)なお、国として沖縄の振興開発に責任をもつということと沖縄県の地方自治の尊重は何ら矛盾するものではなく、現に、現在の国と地方の関係において、沖縄県と他の都道府県との間に基本的な差異はない。むしろ、振興開発計画の策定においては沖縄県の原案提出権が認められ、また、毎年度の概算要求においても、沖縄県の要望を全て取り入れて行っている。さらに、沖縄振興開発金融公庫についても、県民の代表等を構成員とする運営協議会を設置してその意向を反映させている。このように現在の仕組みは、国の計画、予算、金融政策に対して直接沖縄県の意向が反映され、地方の主体性、自主性を重視する仕組みとなっていることにも留意すべきである。
4 独立した行政機関が必要な理由
○国において沖縄の振興開発を着実に進めるためには、沖縄の振興開発に関する総合的な計画を策定し、その計画の実施に関する関係行政機関の事務を総合調整し、かつこれを一体的に推進する行政機関が必要である。
○また、広大な米軍基地の存在等に伴う沖縄県民の負担を十分認識しつつ、県民のさまざまな期待に対応し、きめ細かな施策や自由貿易地域の拡充・強化等による産業の振興、基地跡地の利用対策等沖縄について特別の施策を講じていくためには、沖縄を専門に担当する独立した行政機関が必要である。
1)国として沖縄の振興開発を着実に進めるためには、中央及び現地において沖縄の現状をつぶさに把握し、歴史的、地理的条件を含め、本土とは大きく異なった状況に置かれている沖縄の実情に即した施策を一体的に推進していく必要がある。また、国の行政及び窓口をできるかぎり一元化するとともに、沖縄の振興開発に関する国の責任体制を明確にする必要があり、そうした意味において沖縄の振興開発のための総合的な計画を策定し、その計画の実施に関する関係行政機関の事務を総合調整し、かつこれを一体的に推進する国の行政機関が必要である。
2)また、沖縄においては、工業振興のための工業等開発地区制度や企業の立地促進、貿易の振興に資するための自由貿易地域制度、不発弾対策や厚生年金特例納付融資利子補給等沖縄戦や沖縄が我が国施政権の外にあったことに起因する諸問題など沖縄の特別な状況に対応した施策を実施している。
3)さらに、広大な米軍基地の存在等に伴う沖縄県民の負担を十分認識しつつ、県民のさまざまな期待に対応し、きめ細かな施策や自由貿易地域の拡充・強化等による産業の振興、482haにおよぶ普天間飛行場を始めとする米軍基地の跡地の利用対策、米軍基地所在市町村の振興等山積する課題について調整し、沖縄について特別の施策を講じていく中核としての役割を担う国の行政機関が是非とも必要である。
4)なお、他の行政機関と一元化した場合には、一元化後の当該行政機関の中で、沖縄の特殊事情や今後の諸課題に対し、現在以上に的確に対応して沖縄に対する特別の施策を講じていくことは困難となり、かえって全国一律の施策、他の地域との横並びを重視する方向に向かうことが懸念され、沖縄の振興開発を一層進めるという観点からはマイナスになると考えられる。したがって、沖縄を専門に担当する独立した行政機関が必要である。
5 以上、沖縄の特殊事情を踏まえた振興開発を的確に推進するためには、現下の最重要課題である沖縄振興策の推進に中心的な役割を担うこととなっている沖縄開発庁が必要であり、その機能を削ぐことは適当でないと考える。