−速報のため事後修正の可能性あり−
5 会議経過
(1) 与党における検討状況について、事務局より概要以下のとおり報告があった。
・先週、与党の行政改革協議会が開催され、中間報告及び今後の行革会議審議スケジュールについて説明を行い、自由な意見交換が行われた。与党においては、今後毎週、同協議会を開催することとしている。
・自由民主党行政改革推進本部の省庁再編PTにおいて、10月2、3の両日同党各部会からの要望についてヒアリングが行われた。主なやりとりを紹介すると以下のとおりであるが、これらは党として結論を出したというような性格のものではないことに御留意願いたい。
1)マクロ経済政策関連:経済財政諮問会議(仮称)の在り方については、現在の経済企画庁全体が内閣府に移るというような考えは内閣府の在り方等から問題があるのではないか、また組織のスリム化を行うことが必要である等の意見があった。
2)消防関連:地行部会から、地方行財政を所管する省が所管するとともに、その省の外局として位置付け、長官をトップとする一元的な組織とするとの要望が出されたが、消防と地方自治行政、防災行政等との関係、外局の在り方等の観点等から更に検討していく必要があるという議論があった。
3)北海道開発、沖縄開発関連:内閣部会から、それぞれ内閣府に庁として位置付け、専任の担当大臣を置き、予算の一括計上を確保するとの要望が出されたが、1府12省の枠組みの中で予算の計上・執行の在り方も含め検討していく必要があるという議論があった。
4)郵政事業関連:通信部会から、「郵政三事業は、国家、国民の利益の観点から、国営三事業一体を堅持し、情報通信省において運営すべき」との要望が出されたが、ア)国営企業は全世界的に非効率と否定されているのに、どうして郵政3事業はそうでないと言えるのか、イ)自主運用のリスクは巨大であり、誰がリスクを有するかについて明確にする必要があるのではないか、ウ)ビッグバンの中での位置付けについて十分議論する必要があるのではないか等の問題提起がなされ、今後引き続き検討していく必要があるという議論があった。
5)情報通信関連:通信部会から「情報通信行政を一元的に担う情報通信省を設置する」との要望が出される一方、商工部会から「中間報告の方向は妥当」との要望が出されたが、情報通信において今後国が担うべき役割等を踏まえ検討を進める必要があるとの議論があった。
6)財政・金融関連:財政部会から、「まず、日銀法改正、金融監督庁設置という改革の成果を見据えるべきであり、大蔵大臣が国際協調に責任を持って対応していく必要がある点についても十分留意が必要」との要望が出されたが、金融制度の企画立案と市場信用秩序の維持に関する企画立案の相異等について検討を行っていく必要があるという議論があった。
なお、国税庁(徴税一元化)関連については、財政部会、地方行政部会から、「税制における企画立案・執行の一貫性の必要性、地方自治との関係等から慎重に対応すべきである」旨の要望が出されたが、特段の議論は行われなかった。
・自民党行革推進本部においては、スリム化の議論を今後精力的に進めることとしており、相沢議員を主査とするスリム化プロジェクトチームを設け、各省から関連資料を提出させ、具体的な作業を開始したところである。
(2) 産業省(仮称)の検討課題(別紙1参照)について事務局から説明があり、その後、以下のとおり意見交換があった。
・水野委員より、諸外国の経済政策関連組織(別紙2参照)について発言があった。関連して、各国では首脳のサポート体制としてのスタッフに加えて経済を担当する省も置いており、両者が必要ではないか。また、各国とも特に先端分野で産業政策を行っており、こうした省とマクロ経済政策を分離する必要はないのではないかとの発言があった。
・現在の通産省、新たに設置される産業省ともに種々の産業を所管するという性格であり、あくまでも「産業」がベースとなる。産業は経済の一つの要素でしかなく、労働、環境、金融等々と対立する性格のものであり、産業イコール経済ではない。産業の利益のために経済運営を行うようなことはあってはならない。産業省としては、1)産業に係る技術、2)産業の経済的側面すなわち産業構造と産業組織、3)通商の3つをしっかりやることが重要である。横断的な産業政策を行うとしても、国全体を考えるのは中央省庁として当然である。それでも産業の枠を超えられないのが産業省であり、あらゆる経済政策を行うこととしてはならない。産業の見方では経済省たり得ない。諸外国の例をみても、米国では経済諮問会議がマクロ経済を押さえており、英国では貿易産業省と大蔵省が対抗関係にある。ドイツでは州権が強いこともあって経済省が弱く、大蔵省がマクロ経済政策を行っているのではないか。名称は産業省が適切であるとの意見があった。
・省の名称は学問的に厳密であるべきだ。雇用福祉も経済の一部であり、産業省という名称にする意見に賛成である。同様に、内閣府に置かれる経済財政諮問会議も経済諮問会議でよいとの意見があった。これに対し、経済財政諮問会議の名称については理屈ではそのとおりであるが、経済諮問会議とした場合にはマクロ経済しか担当しないと霞が関では理解されるおそれがある。現に大蔵省は財政という文字を落としたがっており、予算の基本方針を所掌する意義を踏まえると財政を含んだ名称とすべきであるとの意見があった。
・大蔵省は予算を通じて一年の計を立てるところであり、産業等の一般経済は見られない。産業動向などは、本来経済企画庁で見るべきものであるが、これまでは手足がなかった。現在は、通産省の話を聞いても、経済企画庁の話を聞いても、あるいは大蔵省、日銀の話を聞いても景気動向も分からない状況である。したがって、産業を所管する省にもマクロ経済を考えさせ、経済財政諮問会議で総括的にマクロ経済政策を扱うようにした方がよい。産業だけを所掌させるのではバランスが悪いとの意見があった。これに対し、共感を覚えるとの発言があった。
・日本は天然資源が少ない国であり、産業が重要である。この意味において、省の名称も産業省とすべきであるとの意見があった。
・現在の通産省が行っている産業政策を整理し、新しい時代にふさわしい新規産業の育成を行う政策に転換すべきであり、そのように現在の個別政策を整理した後にマクロ経済にウィングを広げるようにすればよいのではないか。したがって、現時点で名称を決めない方がよい。雇用福祉も経済の一部であるが、日本にとって産業は重要であり、経済に占める比重も重いのであって、それを評価し経済を含む名称を用いてもよいのではないかとの意見があった。
・通産省からのヒアリングにおいて、当時の官房長は産業政策を放棄し、原局原課を縮小して産業の情報をキャッチするアンテナとすると述べたが、産業政策局長は異なる意見を述べ、省内に2つの意見があると見受けられた。こうした状況では、通産省が本当に現在の産業政策を放棄するのかどうかをチェックし、その上で更に検討すべきである。なお、経済という用語は近代経済学において用いられるよりも前から使われていたものであり、一般的な理解で用いればよいのではないかとの発言があった。
・産業政策を完全に放棄されては困るので、現在の政策を整理・転換することができればよいのではないか。理論モデルに基づいて対策を考えることが必要であり、さらに、経済財政諮問会議と産業省、大蔵省が併存してバランスをとるべきであるとの意見があった。
・経済財政諮問会議事務局に経済企画庁の関係機能の大部分が入るのに、産業省でもマクロ経済を扱うとなると霞んでしまう。マクロ経済政策は経済財政諮問会議で行うようにしたほうがはっきりしていてよいとの意見があった。
・通産省は海外でノトリアスMITIと呼ばれるように、国内でも他省の権限まで奪おうとする性向がある。こうした性向は新たな省には必要であり、例えば大蔵省と産業省が対立し、お互いに意見を交わすようになった方がよい。内閣にとっては、一つしか意見が上がってこないと大変であり、特に経済分野では複数の意見が必要である。マクロ経済については、複数の意見を経済財政諮問会議が吸い上げて決定するようにすべきではないかとの意見があった。
・競争政策は個別産業政策と利益相反関係がある。産業省は産業分野で努力するのであり、その産業の行為を監視するのが公正取引委員会の役割である。この公取委について、政策立案と審査・審判機能を分離することになると、力を失い、廃止に等しいことになる。また、分割は産業の事情を知らない者が審判等を行うことにもなる。したがって、産業省の所掌から競争政策を除くべきであるとの意見があった。これに対し、意見に賛成である。通産省は公取委にブレーキをかける役を演じてきたが、これは公害問題と同じ構図である。銀行の休業日がまったく同じになっているなど独禁法違反とも思えるような状況もある。独禁法は公取委で扱うこととすべきである。英国には通産省に類似する貿易産業省があるが、独禁当局とうまくいっていない。ドイツでは連邦カルテル庁は経済省の下にあるが、カルテル庁自身は経済省の傘下でないほうがよいと述べているとの発言があった。関連して、本会議の検討事項となっている行政審判庁との関係はどうなるのかとの発言があった。これに対し、競争政策を産業省で扱わないとした場合には議論が必要であるとの発言があった。
・原子力の扱いについて、産業省だけの所管としてよいのか。環境安全省との関係はどうなるのか。振興とコントロールが必要であるとの意見があった。
・原子力委員会の設置について、文部・科学技術省との話もあるが、原子力安全委員会と共に内閣府に設置すべきである。原子力安全に係る二次的チェックは環境安全省の事務と性格が異なるので、原子力安全委員会において行うべきである。安全についての一次チェックは産業省で行うこととすべきであるとの意見があった。
・原子力安全委員会を内閣府に設置する場合にあっても、その事務局は環境安全省でよいのではないかとの意見があった。これに対し、そうした振分けはおかしいのであって、内閣府に設置される場合には内閣府が事務局を務めるべきであるとの意見が複数述べられた。関連して、原子力安全委員会は内閣府でよいが、産業省は環境安全省に対して事前協議するものとすべきである。内閣府において二次的チェックを行うことは大事だが、環境安全省としても放射能や有害廃棄物のチェック機能を果たすべきである。従来のダブルチェックを踏襲しつつ、環境安全省が産業省にきちんと意見を言える仕組みが必要であるとの意見があった。
・資源のない日本においてはエネルギーの相当部分を原子力で賄わなければならない。既に発電量の40%は原子力発電によっているが、これは既に開発された技術でしのげるものであり、これと「ふげん」「もんじゅ」等の新たな技術開発とは区別して考える必要がある。総発電量の40%を担う既往の原子力技術についてどのような審査体制が必要かを考えた際には、現在の審査・チェックシステムは十分機能を果たしており、これまでどおりでよいことは明らかである。増殖炉等の巨大プロジェクトとしての原子力開発とこの40%を賄う部分とは次元が異なることに留意すべきであり、既開発分については、1府8省が関与している現行のシステムをそのまま維持することで足りる、不要な変更を施すべきでないとの意見があった。
・巨大プロジェクトには宇宙開発、海洋開発、核融合等があるが、産業省が原子力のすべてを扱うのではなく、増殖炉等は文部・科学技術省が扱うようにするのが望ましいとの意見があった。関連して、宇宙、海洋、核融合は基礎研究であり、文部・科学技術省の担当と考えるが、通常の原子力は産業省の所掌と思うとの発言があった。関連して、研究については資金が必要であり、民間だけで賄うことはできないのでこれからも政府の役割が必要であるとの意見があった。
・巨大プロジェクトにおける技術開発について、学問的研究の側面と産業的側面とがあるので、産業省と文部・科学技術省に振り分ける線引きの論理を考えるべきではないか。すべてをどちらかだけの担当としてしまうのはよくない。諸外国においても、研究成果の商業利用を考えていることを踏まえるべきであるとの発言があった。
・宇宙開発については、ロケットについても商業ベースに近く、米国から引き合いのあるものもある。こうしたものは文部・科学技術省が抱えている必要はないが、米国の通商政策との関連もあり、文部・科学技術省で実施しなければならない事情もあるようだ。しかし、ロケットについてはある段階まできたら産業省の所管とすべきはないか。文部・科学技術省に囲っておいたのでは商業化できないおそれもある。他方、宇宙飛行士の訓練などは文部・科学技術省ではないかとの意見があった。これに対し、事を急ぐのではなく、原子力も宇宙開発も産業省に回した方がよいものを見極めることが重要であるとの発言があった。
・情報通信はハードとソフトが一体化している。通信放送委員会でソフトを扱い、産業省でハードを扱うこととすると、難しい事態となるのではないか。これまでも通信放送委員会で振興を扱うようにした方がよいと発言してきたが、振興と規制の関係、委員会形態の是非も含め、さらに検討すべきではないかとの意見があった。これに対し、主査より、情報通信の問題は通信放送委員会について審議する際に検討したいとの発言があった。
・情報通信は産業政策の転換を行う際に強化すべき分野である。東南アジアでは円経済圏という状況があるにもかかわらず携帯電話は欧州規格を採用している。こうしたフロンティア・ビジネスの分野での標準の普及は行政が関与すべきであるとの意見があった。
・通産省が関係する製造物責任、割賦販売、訪問販売等の事務は、消費者サイドに立った組織で担当すべきではないかとの意見があった。
・通産省は全国の商工会議所等に補助金を出しているが、そうしたことまで行う必要はないのであって撤退すべきであるとの意見があった。これに対し、商工会議所の問題は中小企業問題にも絡む問題であり、与党の関心も高い問題であるとの発言があった。さらに、これに対し、中小企業対策を不要と主張しているのではなく、団体対策まで行う必要はないとの意であるとの発言があった。
・試験研究機関については独立行政法人とするのがよいが、特許庁についてはさらに強化することが必要であり、改革は必要としても外局とすべきではないか。日本の特許はアジアでは弱い。10年前には8,000〜9,000件で米国と拮抗していたが、現在は米国24,000件に対し日本は8,000件程度であるとの発言があった。これに対し、日本の特許は死蔵されているものが多く、非能率な特許庁の現状を改善するためにもサービスに特化し、独立行政法人とした方がよい。政策については産業省で行えばよいとの意見があった。さらに、これに対し、特許庁に審判機能がある限り独立行政法人化には難しい問題があるとの発言があった。
・特許庁を独立行政法人とするかどうかを考えるには、独立行政法人の明確化が必要である。各省の審議に当たっては、局の数を減らす、何を外に出すかを一緒に検討することが必要であるとの発言があった。これに対し、主査より、時間は限られているので、気付きの点は意見メモで提出してほしい、それを基にたたき台を作成し、審議を進めたいとの発言があった。関連して、独立行政法人についての成案ができるのは後になるのか、各省を審議するにあたって独立行政法人が明確でないため決められないとの発言があったところ、職員の身分についての問題は残っているが、それについても理論的には公務員とすることは難しいが過渡的措置はとることと確認されているとの指摘があった。
・外局については採用半減等を行うが、独立行政法人は目標による管理をするのでそうはならない。両者の違いを明確にすべきであるとの発言があった。これに対し、外局について採用半減との合意はない、独立行政法人の自主性確保は確認済みであるとの指摘があった。関連して、特殊法人は将来とも存続するが独立行政法人は3〜5年で評価される。また民営化が前提かどうかもわからないとの発言があった。これに対し、民営化が前提でないことははっきりしているとの指摘があったところ、そうであれば特殊法人も独立行政法人になり得るとの発言があった。
・独立行政法人は国の組織かとの発言に対し、独立行政法人は国の組織ではない、国の組織でないゆえに職員も国家公務員ではありえない、しかしそれでは事態が進展しないので職員の身分については過渡的措置を講ずるとの整理がなされているとの指摘があった。関連して、確認されている事項を文書にまとめてほしいとの要望があり、外局、独立行政法人の内容について、これまでの決定事項を事務局において整理の上、次回資料として提出することとされた。
・特許庁とともに、貿易保険は独立行政法人化、アルコール専売は民営化とすべきであるとの意見があった。これに対し、主査より、実施事務の取扱いについては審議が十分ではないので意見メモを提出してほしいとの発言があった。
・関税政策については、麻薬、銃器取締等の水際行政と貿易の振興とは利益相反なので、両者を分離すべきではないかとの意見があった。
・現在各省に分散している環境関係の権限を環境安全省に移管すべきであって、リサイクル行政についても、産業省の協力は必要だが、環境行政とうまく歩み寄ってほしいとの意見があった。
・以上の議論を踏まえ、藤田委員より、1)現状の通産省の機能について、今後、産業政策を転換し、個別産業にとらわれない広い機能を果たすべきか、その具体的イメージはどうかについて、通産省からの再度のヒアリングまたはペーパー提出によってチェックすることが必要である。その上で新たな機能にふさわしい名称を付与することが適切である。2)他方、個別産業政策から撤退して横断的な産業政策に転換したとしても、独禁法を中心とした競争政策は産業政策とは利益相反関係にあり、産業政策当局に包摂するのは適当ではないとの意見が多数であったとの取りまとめがあった。
(3) 内閣官房・内閣府・総務省の基本的な性格(別紙3参照)について事務局から説明があり、その後、以下のとおり意見交換があった。
・佐藤委員(主査)より、中間報告(別紙3のA案)をまとめる時点で、内閣府、総務省の性格が若干あいまいになり、特に総務省が内閣機能強化の文脈でどのように位置づけられるのかが不明確になった。中間報告の枠組みを守りながら、総務省の主任の大臣を総務大臣ではなく、内閣総理大臣とすれば(B案)、中間報告において内閣府に置いていた外局を総務省に持ってきやすくなり、さらに同省を内閣機能強化の一環に位置づけることもできるとの補足説明があった。
・資料中に内閣府又は総務省の外局に「防衛庁」があることに対して、同庁の省昇格問題はまだ結論が出ていないとの発言があり、その点は指摘のとおりであることが確認された。
・中間報告を基にした与党内の議論では、総務省ではなく内閣府の外局になりたいという組織が多く、このままでは皆が内閣府に来てしまうことになりかねないので、もしB案のように総務省の主任の大臣を内閣総理大臣とし、外局を設置することが可能ならこの問題は解決するとして、B案への賛意を示す意見があった。
・B案の場合、総務省総務長官と防衛庁長官との関係はどうなるのかとの質問があり、事務局より、昭和59年以前は総理府に総務長官がおり、その権限は、大臣が置かれる外局以外に及ぶとされていたので、今回も両大臣の権限を整理することは可能であると考えるとの説明があった。
・内閣府と総務省とを統合し内閣府とする案(C案)を推す。内閣官房、内閣府、総務省の三重構造は冗長であり、さらにB案の場合、多くの事務が総務省にきてしまうので内閣府を置く意味が薄くなる。C案で内閣府に担当大臣を複数置いた方が、内閣機能強化と整合性があるし、これなら一省減らすこともできるとの意見があった。これに対して、むしろC案で内閣府に様々な事務がくる方が内閣府の性格をあいまいにする。B案の内閣府は内閣官房と一体的に運営され、内閣官房の知恵の場として純化しようというものであり、また総務省は実務的な事務と外局管理を所掌するものであるのでB案がよいとの意見があった。さらに、A案でも総理・官房長官は国会答弁でパンクするのでB案を推す、C案は理屈の上ではもっともだが、現実的ではないとの意見があった。
・B案は、組織的には、内閣の機関と内閣の統轄の下に置かれる機関との2種類から構成されているものであり、3層構造ではない。すなわち、内閣官房と内閣府は内閣の機関であり内閣法が適用になるのに対し、総務省は内閣の統轄の下に置かれる機関であり、国家行政組織法が適用になる。中間報告では、大臣を長とする庁(防衛庁)及び委員会(国家公安委員会)は内閣府に置かれることになっているが、内閣の機関には国家行政組織法が適用にならないため、防衛庁と国家公安委員会には国家行政組織法が適用されない。従って、例えば、中央省庁の再編のために国家行政組織法の別表を改正しても、そこには、防衛庁と国家公安委員会は出てこない。この点については、集中審議の際に、大臣を長とする省の下に大臣庁が置かれるのは適当ではないと考えて、大臣庁は内閣府に付置するとのが良いとの発言を行った経緯があるが、果たして、同じ外局でありながら、中間報告のように大臣庁であるかどうかでこのような扱いの差を設ける必然性があったかどうかについては、再度検討する必要があり、その意味でB案の整理は妥当ではないか、との意見があった。
・内容について疑問無しとしない。また行革会議自体が中間報告を修正すると受取られるおそれもあるので、今日ここでB案の採用を決めることには躊躇するとの発言があった。これに対し、A〜C案は何ら中間報告の枠組みを修正する意図を持ったものではないとの指摘があった。
・防衛庁及び国家公安委員会について、非大臣庁との並びの問題があるのであれば、これらを内閣府に付置することなく、府省並びの位置付けとした上で、独立した組織とすることはできないのか、との発言があった。これに対し、1)現行の国家行政組織法上、庁及び委員会は、府または省の外局として置かれるものであり府省とは同列の扱いとはされていないので、防衛庁や国家公安委員会を府省と同列に位置付ける考えは現行から大きく離れることになる、2)国家行政組織法を改正すれば、庁及び委員会を府省と同列の扱いとすることも可能ではないか、3)府省と同列の扱いにするのであれば、憲法上、主任の大臣を定めることが必要になる、4)国家公安委員会については、国家公安委員長を主任の大臣と考えることもできるのではないか、等の意見があった。
・B案の総務省には国務大臣である総務長官が置かれることになっているが、総務省の主任の大臣が内閣総理大臣であることから、総務長官の位置付けが総務省の次官的なものにとどまることにはならないかとの発言があった。これに対し、現在総務庁長官が持っているような権限を法律で明確に総務長官の権限として規定することは必要であり、そうすれば問題は生じないのではないかとの発言があった。
・男女共同参画にかかる事務は、調整機能のみでは足りず、実施事務が必要である。したがって、B案の内閣府に男女共同参画にかかる直轄実施事務を残すべきであるとの発言があった。これに対し、中間報告においても内閣府は栄典、公式制度等、内閣が担当することが適切である実施事務のみを担うものであり、実施事務を大きく担うこととはされていないとの指摘があった。
・B案については、中間報告の骨格を変更するものではなく、内閣官房、内閣府及び総務省のそれぞれの性格をより明確にすべきとの観点から、中間報告のもとにあった本来の思想を再整理したものである点を理解すべきとの発言があった。
・現行総理府(本府)等の事務(別紙4参照)について事務局から説明の後、佐藤主査より、総理府及び総務庁の事務については、資料にある通り、その必要性について見直した上で、内閣府及び総務省が担うべきものを除き、関連の深い各省に担わせることしてはどうかとの発言があり、了承された。
以上
(文責 行政改革会議事務局)
行政改革会議議事概要は、インターネット(官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/)の「最近の話題」又は「審議会」の欄)及びパソコン通信ネットワーク(PC-VAN及びGサーチ)でも御覧になれます。
別紙1
○産業省(仮称)に属すべき機能としては、現行の通商産業省の機能と今後の方向を踏まえれば、次のような機能が想定されるのではないか。
○また、これらの機能については、国の果たすべき役割の見直し及び実施機能の効率化等の見地から、以下のような方向で、今後具体的な見直しを進める必要があるのではないか。
| 機能 | 具体的機能 | 撤退・縮小 | 地方分権 | 実施機能の分離・効率化 | 他省事務との関係整理 | 備考 |
| 通商貿易 | 通商に関する政策・計画・手続の立案、協定等の施行 | ○ | 外交政策等との関係整理、役割の明確化及び連携強化 | |||
| 通商経済上の国際協力(産業協力、経済協力、研究協力など) | ○ | 経済協力(開発援助)政策の一元化の検討、関係省庁との連携方策の検討 | ||||
| 所掌に係る関税事務 | ○ | 関税政策との関係整理 | ||||
| 輸出入の増進・改善・調整、その他通商の振興 | ○(輸入促進策) | ○(貿易保険等) | 同上、貿易保険等の外局・独法化の検討 | |||
| 産業政策(環境)(保安) | 産業に関する基本的な政策・計画の立案 | 横断的産業政策の重視、市場原理の尊重 | ||||
| 不正競争の防止等経済取引ルールの策定 | ○ | 公正取引委員会の独禁法等関係事務との関係整理 | ||||
| 産業構造の改善その他事業の合理化 | 同上 | |||||
| 産業活動に要する資金の融通のあっせん | ○ | |||||
| 商品取引所に関する調整 | 規制緩和 | ○ | 国土保全省、大蔵省との関係整理、連携強化 | |||
| 大規模小売店舗出店調整 | 規制緩和 | |||||
| 割賦販売・訪問販売等商取引規制 | ○ | 消費者保護行政との関係整理 | ||||
| 工業用地、工業用水その他の産業立地 | ○ | ○ | ○(工業用水) | 国土保全行政との関係整理 | ||
| 所掌物資の輸出入・生産・流通・消費の増進・改善・調整、所管事業の発達・改善・調整 | ○ | 個別産業振興、産業間所得再配分的行政からの撤退、縮小 | ||||
| アルコール専売事業 | ○(民営化) | |||||
| バイオ・宇宙・情報通信等先端産業振興 | ○(個別産業振興は縮小) | 文部・科技省等との関係整理 | ||||
| 産業公害の防止、産業廃棄物処理、リサイクル | ○ | ○ | 環境安全省等との関係整理 | |||
| 火薬類、高圧ガスの取締り、鉱山保安、鉱害防止 | 規制緩和 | ○ | ○ | 労働安全、消防、公害等との関係整理、保安規制の外局化の検討 | ||
| 資源エネルギー | エネルギーに関する総合的な政策・計画の立案 | |||||
| 鉱物、石油、可燃性天然ガス資源、新炭坑の開発、石油備蓄 | 民間能力活用 | |||||
| 原子力の研究・開発・利用・規制 | ○ | 実験・研究炉開発等を含めた原子力開発、推進行政の統合。安全管理・審査についての環境安全省等との関係整理。原子力行政の外局化の検討 | ||||
| 石炭鉱害賠償・鉱害復旧 | ○ | 労働安全、消防、公害等との関係整理 | ||||
| 電気・ガス等料金その他供給条件整備、事業監督、運営・需給調整、電気・ガス等保安 | ○(運営・需給調整) | ○ | 公益事業監督の外局化の検討 | |||
| 省エネルギー推進、代替エネルギー転換、新エネルギー開発 | 民間能力活用 | ○ | 環境政策との連携強化 | |||
| 電源開発 | ○ | 現行経企庁事務との関係整理 | ||||
| 知的財産保護 | 工業所有権政策の企画立案 | ○ | 著作権行政との連携 | |||
| 工業所有権に関する制度・出願・登録・審査・審判等 | ○ | 特許庁の外局・独法化の検討 | ||||
| 中小企業 | 中小企業振興の基本方策の企画立案 | |||||
| 中小企業に対する資金融通あっせん、経営相談・診断・指導 | ○ | ○ | ||||
| 分野調整 | ○ | ○ | ||||
| 中小企業者の利益保護、倒産防止 | ○ | |||||
| 工業技術 | 試験研究に基づく工業化試験、試験研究の助成、成果の普及 | ○(真に支援が必要な分野に戦略的に重点化) | ○ | ○ | ○ | 文部・科技省等及び総合科学技術会議との関係整理、試験研究機関の独法化の検討 |
| 所掌に係る科学技術に関する総合的施策の立案 | ○ | 同上 | ||||
| 工業標準の制定・普及 | ○ | ○ | 外局化・独法化の検討 | |||
| 計量に関する標準設定、検定・検査の総括 | ○ | 同上 |
別紙2
「産業省」か「経済省」かという選択は、単に名称の問題ではなく、経済政策に関連する各省庁の所掌範囲の線引きの問題である。このため、先進経済諸国(英米独仏)の行政組織の在り方を調査した(添付資料略)。
これによれば、各国とも、首脳をサポートする総合調整機関に加え、経済調査・分析、マクロ経済政策の立案、産業政策を担当する省庁が存在するが、必ずしも「経済」と「産業」を分節するような組織にはなっていない。
別紙3
(注)内閣府又は総務省に置かれる外局の検討に際しては、9月24日の第1回企画・制度問題及び機構問題合同小委員会に提出された「外局等の類型整理について(討議資料)」を参照し、外局の性格及びその担うべき事務について十分留意する必要がある。
別紙4