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行政改革会議第34回会議議事概要

1 日時 平成9年10月29日(水) 17:00〜19:10
2 場所 内閣総理大臣官邸 大客間
3 出席者
(会議)
橋本龍太郎内閣総理大臣(会長)、小里貞利行政改革担当大臣・総務庁長官(会長代理)、芦田甚之助、有馬朗人、飯田庸太郎、猪口邦子、河合隼雄、川口幹夫、佐藤幸治(企画・制度問題小委員会主査)、藤田宙靖(機構問題小委員会主査)、水野清、諸井虔、渡辺恒雄の各委員
(政府)
古川内閣官房副長官、田波内閣内政審議室長
(事務局)
水野事務局長(再掲)、八木事務局次長
4 議題
(1) 第6回企画・制度問題及び機構問題合同小委員会について(報告)
(2) 独立行政法人の職員の身分について(討議)
(3) 男女共同参画推進会議について(討議)
(4) 内閣府・総務省の位置づけ、機能の在り方について(討議)
(5) 青少年行政の総合調整について(討議)
(6) 行政審判庁構想について(討議)
(7) 今後の審議スケジュールについて

5 会議経過

(1) 第6回企画・制度問題及び機構問題合同小委員会の模様について、藤田委員(機構問題小委員会主査)より報告があった。

(2) 独立行政法人の職員の身分に関連して、本日の合同小委員会に引き続き、以下の意見交換が行われた。

・手続の問題であるが、委員間で結論が一致しない場合、最終的には会長の判断ということになるのかもしれないが、それに至る前にどうするのかとの問題提起があった。これに対し、1)なるべく全員が納得するように努めるべきである、2)内閣に答申を出すのであるから、できる限りまとめることが望ましいが、どうしても詰まらない場合には、会長の裁断を仰ぐのも一つの考え方である。しかし、行革会議は政党や各種団体等から注視されており、余り早いタイミングで会長一任ということにはすべきでない、3)これまで多数決はしてこなかったが、大勢と少数意見を分けて書いたことはある。最終的には会長に一任であろうか、4)利害関係者から種々の主張は出るであろうが、最終的には国民の大多数にとってプラスかマイナスかという視点で議論をまとめ上げるべきである。どうしても意見が分かれる場合には、少数意見も付して結論を出し、判断を頂くことになろう、5)少数意見として残せという委員がいる場合、記名の上少数意見を書いてもよいのではないか、等の意見が述べられた。

・これまでに出た案としては、1)独立行政法人を行政組織内に位置付け、その職員を一般職とする芦田委員の案、2)独立行政法人を行政組織外に位置付け、その職員は非公務員とするとの行革会議における当初の案、3)渡辺委員の中間的な案がある。また、中間的な案の中には、新たな類型の公務員身分を設けることとする案と暫定的に公務員身分を付与することとする案の2種類があるとのこれまでの議論の整理がなされた。

・独立行政法人構想を労働組合等に受入れ可能なものとするため、国家行政組織法を改正するというA案と国家行政組織法を「国家行政組織及び独立行政法人法」に改正するというB案の二つを当初考えたが、独立行政法人の目的は、予算の単年度主義等の制約から解放し、効率的な運営、サービスの向上等を図ることであり、独立行政法人を国家行政組織内に位置づけると、憲法上の財政民主主義からくる制約を受けてしまい、その目的を達し得ないので、結局B案を採らざるを得ないと考え直した。本日の合同小委員会に提出された芦田委員の意見については、今述べたような独立行政法人化のメリットを生かそうとすると、一般職の公務員という身分は無理であって、A)総理大臣や自衛隊員等と並ぶ17番目の類型の特別職の公務員として「独立行政法人職員」を新設するか、B)国家公務員法上の一般職、特別職の外に、新たに「独立職」を立て、独立職については独立行政法人法によることとするか、にすべきではないかとの意見が述べられた。

・すべての独立行政法人の職員が公務員でなくてはならないということはないのではないか。法人ごとに選択の余地を残すことが可能であり、また、現実的ではないか。芦田委員意見が、選択の余地を残さないものだとすれば硬直的に過ぎるのではないかとの意見が述べられた。関連して、少なくとも特殊法人が独立行政法人に移行する場合にはその職員が公務員になるとは考えられないとの意見が述べられ、これに同意する旨の発言があった。

・独立行政法人は、国民生活の安定等公共の見地からその実施が必要とされ、他方民間にゆだねた場合には実施される保障がない事務について、これまで国がやってきたことを引き継ぐものであって、やはり行政組織の一つしてやるべきことであり、そうであれば一般職の公務員と考えるべきであるというのが原則的な考え方である。独立行政法人化により裁量を与え、効率化等のインセンティブを与えることが必要であり、身分を公務員にしてそれができるのかとの疑問もあろうが、公務員身分をそのままにしても、予算の単年度主義など今までの縛り方を改めることは可能であって、独立性を発揮できるようにもっていけるのではないかと考えているとの意見が述べられた。関連して、一般職の公務員とした場合に、争議権を付与し、単年度会計を改めるなどしてインセンティブを付与することが可能なのかとの疑問が呈され、これに対し、「一般職」というのは、ごくわずかの特別職公務員を除いて一般職であるので、その中でやっていけないかという発想に基づくものであり、疑問が呈された点についてはこれから議論する必要があろうとの見解が述べられた。

・芦田委員意見については、一般職の中に特別の権利を持つ公務員類型を作るということであるが、別の権利を持つ限りは別のカテゴリーにしないと差別の問題を生むものであり、矛盾を感じざるを得ないとの発言があった。

・独立行政法人の職員に公務員身分を与える場合に、恒久的なものとするか暫定的なものとするか、一般職、特別職等のいずれにするかに関し、1)暫定的なものとする案は、5年、10年先に民営化の可能性も考えられるのであって、独立行政法人化への移行について労働組合の賛同が得られないのではないか、2)独立行政法人構想と職員の公務員身分は元来矛盾するものであって、現実面の配慮のみから、いずれは然るべき形になるという見通しもなく恒久的な公務員とすることには疑問がある。当面公務員ということにするのであれば、一般職とするのは無理があるし、独立職を設けることも疑問があり、特別職ということになるのではないか。特別職についてはこれまで幾度も法改正によりその範囲が変更されているものであって、暫定的な措置になじむが、それにしても将来どうするかを考えないで安易に導入することには疑問がある、3)独立行政法人を国の行政組織とすると憲法の財政民主主義の規定との抵触が問題となるが、国の行政組織から外せば憲法上の問題は起こらず、あとは違法か否かの問題であるが、職員の身分を特別職とし、特例を定めれば法的に問題ないのではないか、4)特定郵便局長は戦前は特別職、現在は一般職であるので、郵政事業を独立行政法人化すると、局長の身分が戦前のそれに戻ることになる、等の意見、発言があった。

・長期的にみて、例えば郵政事業について、財投の預託を廃止して自主運用をするようになれば、公務員でない方が資金の運用面でも自由になることから、長期的には郵政自身の考え方が変わることも考えられ、仮に独立行政法人職員に公務員身分を与えるとしても将来非公務員を選択したいという時期が来るのではないかとの意見が述べられた。これに対し、それは一つの見通しかもしれないが、現時点における制度設計としてはそれでよいということにはならないとの発言があった。関連して、職員が民営化を望んだ場合にまで公務員の身分にこだわる必要はないのではないか、もともと矛盾があるものであるし、公務員から非公務員への移行の途を閉ざす必要はないとの発言があり、これに賛意が示された。

・特別職の公務員の場合、労働基本権は制約されるのかとの質問があった。これに対し、国家公務員法は特別職の公務員については適用されない旨の説明があった。

・独立行政法人職員の身分を一つに決める必要はないのであって、例えば第一種と第二種のような分類を前提に各機関に選ばせてもよいのではないかとの意見が述べられた。これに対し、1)その場合、逆に特殊法人の一類型である公社を希望するようなケースも出ると思われるが、これを考えても、独立行政法人に固定化しない方がよいのではないか、2)独立行政法人の制度設計の際、個々の法人ごとに違いがあることは想定しているが、それにしても余り違う制度になることは望ましくないのではないか、3)特殊法人になりたいというものも出てくるかもしれない、4)制度設計上、独立行政法人の方が特殊法人より自由度が高いので、特殊法人を望む場合があるかは疑問である、等の意見が述べられた。

(3) 前回会議から継続審議となっていた「男女共同参画会議」について、猪口委員より別紙1のとおり説明があった。これに基づいて以下の質疑・意見交換が行われた。

・まだ女性の社会参画が不十分な状況の中で、内閣府にこの機能を置いて各省横断的な総合調整を行うという猪口委員の提案を支持するとの意見があった。また、会議や推進本部を置くのはよいが、要となるポストに女性を据えるなど、人選を考えることが大事であるとの意見があった。

・推進本部と会議とが二重構造にならないかとの問題提起があった。これに対し、今回のポイントは男女共同参画会議に閣僚を加えたことであるが、推進本部はこれまでどおり全閣僚による組織なので両者は性格が違うとの説明があった。

・多忙な内閣官房長官が会長を務めることは現実的には難しいのではないか、専任の担当大臣が必要なのではないかとの疑問が提示された。これに対しては、1)専任の大臣として官房長官を充てるという考え方である、2)男女共同参画問題への対処に当たっては、しっかりしたナショナルマシーナリーを構築して関係行政機関をチェックする必要があるが、専任の担当大臣ではそこに封じこめられてしまうおそれがある、3)諸案件について関係閣僚を呼んで意見を聴取したりする際に官房長官がトップの組織でないと都合が悪い、4)従来審議会がやっていたような実際の作業は有識者、学識経験者で構成される会議の下の基本方針部会が担うことになるので常時官房長官に負荷がかかるものではない、等の説明が述べられた。これを受けて、会議の会長は官房長官でよいが、下部の委員会は専門性が要求されるので、関係閣僚を呼ぶというよりは関係省庁の局長、審議官クラスを呼ぶこととする方がより適当であり、また、委員会のトップは会議のメンバーの中から選ぶということでよいのではないか、との意見があった。

・男女共同参画会議の任務として、関係法律案、計画案に関して意見を述べることが提案されていることについて、1)これが会議への必要的付議を意味するとすれば、中間整理でまとめた審議会の改革方針と矛盾するのではないか、2)すべての関係法案、計画を会議の付議とすると膨大な作業量となるので、法案、計画案に限らず、会議として気づいた点を自由に建議できる仕組みにしておく方が現実的で応用がきくのではないかとの意見があった。

・資料中に男女共同参画室の新たな業務として、男女共同参画基本法(仮称)の所管とあるが、具体化の段階にも上がっていないものを行革会議として資料の中に入れ込むのは不適当ではないかとの意見があった。

・以上の意見交換を経て、猪口委員の案の大筋は了承された。なお、関係法律案、計画案等を会議への必要的付議事項とはしないこと、未だ策定されていない男女共同参画基本法(仮称)について言及するのは尚早であること等を踏まえて、引き続き検討することとされ、猪口委員が事務局と相談しながら資料を修正し、主査の了解を得た上で再提出することになった。

(4) 内閣官房・内閣府及び総務省について、事務局より別紙2の資料について説明の後、以下の意見交換が行われた。

・佐藤主査より、内閣官房、内閣府及び総務省については、内閣及び内閣総理大臣の指導性強化の観点に立って、それぞれの組織の在り方につき検討することが必要である。これまでの議論では、内閣官房は、総合戦略を企画立案・総合調整し最終的な決定・決断を行う場であり、また、内閣府は、内閣官房との密接な連携の下に内閣官房の総合戦略を助けるいわば知恵の場として位置付け、こうした内閣府の機能にふさわしいものとして、経済財政諮問会議(仮称)、中央防災会議(仮称)、男女共同参画推進会議(仮称)等につき議論を行ってきた。一方、総務省はいわば実務の場として位置づけ、具体的には、国の行政の基本的な管理や国・地方の関係に係る行財政制度の管理等の事務を担うものとしている。なお、現在自治省が担っている機能がそのままの形で総務省に入ってくるのではなく、地方分権の推進に伴って自治省が担っている機能もおのずから変わっていくものと考えられる。こうした各機関の果すべき役割を踏まえた上で、内閣機能強化の観点に立って各機関の在り方を考えると、内閣府を知恵の場として純化し機能させるためには、中間報告において内閣府に置かれることとされている外局を総務省の外局に移すことが適当ではないか、また、その際、総務大臣の下に大臣庁が置かれることとなっては具合いが悪いので、総務省の主任の大臣を内閣総理大臣とすることが必要ではないか、との考えから、第31回会議(10月8日)においてB案を提示したものである。A案、B案、C案のいずれについてもそれぞれ問題があるが、内閣機能の強化の観点からいずれが適当かを考えることが必要であるとの説明があった。

・B案では総務省の事務を統括する総務長官は国務大臣ではあるが主任の大臣ではないが、地方自治行政との関係や通信放送分野の企画立案事務が総務省に置かれる場合を念頭に置くと、総務省には専任の主任の大臣を置くことが必要であり、したがってA案の方が望ましいとの意見があるとの発言があった。間連して、地方自治行政を扱う省に専任の主任の大臣が必要であるのはなぜかとの質問があった。これに対して、B案のように総務省に専任の主任の大臣がいなければ、法案提出や予算要求に当たって、現在の総理府の外局と同様に、内閣総理大臣の名前で出さねばならないことになるとの発言があり、さらにこれに対し、それは形式的問題にすぎないとの発言があった。

・内閣機能強化の観点から総務省の主任の大臣を内閣総理大臣とするB案を採ると、その中に地方自治行政が含まれるのはその趣旨のそぐわないのではないかとの意見が述べられた。これに対し、B案の総務省の主任の大臣は内閣総理大臣であるが、事務を統括する総務長官に実質的な権限を付与することは可能であるので、そうであれば、中央と地方の関係に係る行政制度の設計・管理をB案の総務省が担うことについて、内閣機能強化との兼ね合いで特段の問題はないのではないかとの意見が述べられた。

・総務省には、現在自治省が担っている地方自治・地方行政と、総務庁が担っている人事・行政管理等の国の行政全体に係る管理という2つの大きな柱が予定されているが、地方分権の時代を迎え、ことに移行期でもある現在、重要性を増しつつある地方自治行政の役割・意義を重視する観点から、国の事務と地方に係る事務とは一線を画すべきであり、今後市町村合併や地方財政などの重要な事項に取り組んで行く主任の大臣を置くべきだとの声があるとの意見があった。

・行革会議自身が今の時点で中間報告の内容を変更することは問題であり、結論は先送りすべきであるとの意見があった。これに対し、B案は、中間報告における組織の性格付けの考え方を変更するものではないとの意見があった。さらにこの意見に対し、外部から見れば変更するものと見えるとの指摘があった。

・B案について、1)例えば防衛庁は総務省の外局であり、主任の大臣は総理大臣だが、それであれば外局として総務省に置くのではなく、他の省と並列的に内閣・総理につながっていても同じではないか、2)置かれることとなる外局が、将来的にどうなるかは不明である等の意見が述べられた。

・C案については、理論上考えられるので一応選択肢として提示してあるのだろうが、実際上は内閣府の肥大化を招き無理であり、論外だとの意見があった。

・A案の方がB案に比べてすっきりしているのではないかとの意見があった。これに対し、1)内閣府を創設する趣旨に照らすと、A案では理論的に曖昧になってしまう、2)A案では内閣府の中に種々雑多な事務が入り過ぎてしまう、等の意見が述べられた。

・B案において、総務省には国務大臣たる総務長官を置き、総務長官には、現行の総理府に対する内閣官房長官の権能のレベルを超え、現行総理府の外局の長たる国務大臣と同等以上の権能を与えるべきではないかとされているが、法律的にはどのような意味なのかとの疑問が呈された。これに対し、総務長官は主任の大臣ではないが、法律で実質的な権能を付与することができるとの指摘があった。

・以上の議論の後、内閣官房、内閣府、総務省については、内閣機能強化の趣旨を踏まえ、引き続き検討することとなった。

(5) 青少年行政の総合調整について、以下の意見交換が行われた。

・水野委員から、文部省には、問題が生じたときにこれを外部に出さずに囲い込んでしまうような体質があるのではないかという問題意識に基づいて、別紙3のとおり意見が述べられた。これに対し、1)中教審でもこうした問題を囲い込まずに外部に出すよう指摘しており、この問題は文部省というより、教育委員会や学校現場の問題ではないか、2)青少年対策は非常に重要な課題で全省にかかわることであるので、文部省だけに任せておくのではなく、前回提案したように「青少年・子供局」を内閣府に置くことが必要である。文部省をコアとした横断的調整では、教育という観点のみから問題を見ることとなり、他の省庁の協力が得られないことになるのではないか、3)青少年問題は非常に重要であり、内閣府にきちんとしたものが置けるならばいいが、他方、何もかも内閣府に置くという状況を避ける意味では文部省に置くことでよいと思う、その場合、横断的にやれる体制が不可欠である、4)各省横断的で重要な課題は他にも多数あり、こうした課題に対応して内閣府に部局を作り担当大臣を置くのでは、大臣数が20では足りなくなってしまう。こうした事態を避けて横断的調整を行うため、各省による調整、内閣官房による調整、特命事項担当大臣等の制度設計をしたのであるから、こうした制度をもっと活用すべきであるし、これに加え、インターエージェンシーの活用も可能であるので、内閣府に置く必要はない、5)青少年問題は以前総理府にあったものが総務庁に移管されたもので、そのプライオリティは高いことに配慮するべきである。内閣府が重くなるからという理由で、教育を担当する省に移管するというのは相当でなく、トップダウンの発揮が不可欠である、等の意見が述べられた。

・現在、例えば産業教育については文部省と通産省が協力し、産業教育審議会を設置してその在り方を検討しているが、こうした省庁横断的な審議会を臨時に設置することにより対応可能ではないかとの意見が述べられた。

(6) 行政審判庁構想について、藤田委員から、その検討結果について発表があり(別紙4参照)、行政審判庁構想は当面の省庁再編の対象から外すこととするが、今後、政府において真剣な検討に取り組むこととし、その旨を報告に盛り込むこととされた。

(7) 今後の審議スケジュールについて事務局から説明があり(別紙5参照)、了承された。なお、追加の意見ペーパーについては、11月4日までに提出することとされた。

(8) 次回は、11月5日(水)午後5時から、第35回会議を官邸において開催する。

以上
(文責 行政改革会議事務局)

連絡先:行政改革会議事務局   高野(電話03-3581-2641)  杉山(電話03-3581-0272)

行政改革会議議事概要は、インターネット(官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/)の「最近の話題」又は「審議会」の欄)及びパソコン通信ネットワーク(PC-VAN及びGサーチ)でも御覧になれます。


別紙1

男女共同参画会議について(検討資料)

(猪口邦子委員)

1.男女共同参画推進体制
○男女共同参画社会の形成の促進に関する中枢的機関として、「男女共同参画会議」を置いてはどうか。
2.名称
○「男女共同参画会議」でよいか。
3.任務
○男女共同参画会議の任務について、どのように考えるべきか。
1)男女共同参画に関する基本的な方針等の検討、総合的な計画案等の検討
・各省の行政に横断的にまたがる男女共同参画に関する基本事項はもとより、政府全体としてその方向づけが必要なもの等については、審議の対象とするか。
2)あわせて、あらゆる施策への男女共同参画の視点の反映のため、関係法律案、関係計画案等に関し意見を述べることとしてはどうか。
3)さらに、男女共同参画に関して講ぜられる施策の実施状況を調査、監視することとしてはどうか。
  ※現行の男女共同参画審議会の主な任務は次のとおり。
ア.内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に応じ、男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的かつ総合的な政策及び重要事項を調査審議すること。
イ.上記諮問に関連する事項について、内閣総理大臣又は関係各大臣に意見を述べることができること。
4.機関の性格
○内閣総理大臣又は関係大臣の諮問に応じ答申し、又は自ら必要な意見を述べるとともに、施策の実施状況を調査、監視する機関としてはどうか。
5.構成員
○内閣官房長官を会長とし、その他の関係閣僚のほか、有識者、学識経験者を含めるという構成が適当ではないか。
※現在の男女共同参画審議会は内閣総理大臣の任命する25人の学識経験者で構成
6.事務局
○内閣府の男女共同参画社会に関する施策の調整に当たる内部部局が会議の事務局となることが適当ではないか。
※現在の男女共同参画審議会の事務局は、総理府大臣官房の男女共同参画室(政令室)。
  なお、この部局は、会議事務局の機能を担うほか、以下の直轄事務(総合調整及びこれに伴う事務)を行う。
(1)現在の男女共同参画室の主な事務
ア.基本的施策の企画・立案
・計画案の策定 等
イ.総合的推進
・関係省庁との連絡会議等の開催 等
ウ.男女共同参画2000年プランの推進
・予算、施策のとりまとめ、・白書の取りまとめ
エ.政策・方針決定過程への女性の参画の推進
・国の審議会等委員への女性の登用促進 等
オ.啓発・広報関係
・広報紙・誌の発行、・各種イベントの開催、・インターネットホームページによる情報提供 等
カ.都道府県・政令指定都市等及びNGOとの連携
・各種会議の開催、・地方自治体、NGOへの情報提供、意見交換等
キ.国際関係
・諸外国の国内本部機構との連携、・国際会議、国際機関への対応、・海外広報 等
ク.その他
・男女共同参画社会の形成の促進に関する調査研究、・内閣官房長官(男女共同参画担当大臣)のサポート 等
(2)新たな事務
ア.男女共同参画基本法(仮称)の所管
イ.男女共同参画の視点に立った社会制度の見直し
ウ.男女の職業生活と家庭生活の両立の推進
エ.公的分野への女性の採用・登用等の計画の推進
オ.女性に対する暴力(性犯罪、売買春、家庭内暴力、セクシュアル・ハラスメント等)対策の推進
○事務局においては、男女共同参画が国民生活のあらゆる分野に関わることから、各分野の専門家等民間の人材を活用することが適当ではないか。
7.男女共同参画推進本部との関係
○男女共同参画会議とは別に、男女共同参画社会の形成の促進に関する総合的な計画等を決定し、推進する機関として、引き続き本部(内閣総理大臣を本部長とし、全閣僚で構成)を設置することが必要ではないか。
※現在の男女共同参画推進本部は内閣総理大臣を本部長、内閣官房長官を副本部長とし、全閣僚で構成。


別紙2

内閣官房・内閣府及び総務省について(検討資料)
1 各機関の性格
中間報告に基づけば、各機関の性格は次のように整理される。
(1)内閣官房:内閣に置かれる機関(内閣法に基づき設置)
・内閣の補助機関であるとともに、内閣の首長たる内閣総理大臣の活動を直接補助・支援する企画・調整機関
・形式上の主任の大臣は内閣総理大臣
・内閣官房長官(国務大臣)が内閣官房の事務を統轄し、職員の服務を統督する。
(2)内閣府:内閣に置かれる機関(内閣法に基づき設置)
・内閣官房の総合戦略機能を助け、横断的な企画・調整事務を行うとともに、栄典、公式制度等内閣が担当することが適切である実施事務を行う機関
・形式上の主任の大臣は内閣総理大臣
・内閣官房長官(国務大臣)が内閣府の事務を統轄し、職員の服務を統督する。
・調整事務に対応し、必要な担当大臣(複数)を置く。
(3)総務省:内閣の統轄の下に置かれる行政機関(国家行政組織法に基づき設置)
・内閣及び内閣総理大臣の補佐・支援体制の強化の一環として設置。
・総務省の長は、主任の大臣として、内閣の統轄の下に行政事務を分担管理する。
(参考)現行組織の位置づけ
○内閣官房
・内閣に置かれる機関(内閣法に基づき設置)
・形式上の主任の大臣は内閣総理大臣
・内閣官房長官(国務大臣)が内閣官房の事務を統轄し、職員の服務を統督する。
○総理府(外局を含む)
・内閣の統轄の下における行政機関(国家行政組織法に基づき設置)
・形式上の主任の大臣は内閣総理大臣
・内閣官房長官(国務大臣)が、内閣総理大臣を助け、府務を整理し、大臣庁以外の総理府所管事項について、政策及び企画に参画し、政務を処理し、事務を監督する。
○各省
・内閣の統轄の下における行政機関(国家行政組織法に基づき設置)
・主任の大臣は各省大臣
2 「主任の大臣」の意義
(1)憲法との関係
・憲法上、主任の国務大臣の存在が前提とされている。(憲法74条「法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名…することを必要とする。」)
・憲法上、行政各部の存在が前提とされており(憲法72条「内閣総理大臣は、…行政各部を指揮監督する。」)、この行政各部については、それぞれ主任の大臣があるものと解される。
(2)内閣法及び国家行政組織法との関係
・各大臣は、別に法律に定めるところにより、主任の大臣として、行政事務を分担管理することとされている。(内閣法3条)
・これを受け、内閣の統轄の下における行政機関として府及び省(行政各部)が置かれるとともに(国家行政組織法2条、3条)総理府及び各省の長は、それぞれ内閣総理大臣及び各省大臣とされ、これらは、内閣法にいう主任の大臣として、それぞれ行政事務を分担管理することとされている。(同法5条)
・上記の主任の大臣は、その機関の事務を統括し、職員の服務を統督する(国家行政組織法10条)他、主任の行政事務に関する法律及び政令の制定改廃の閣議請議等を行う。(同法11条)
(3)現行総理府の外局(大臣庁)の長たる国務大臣の地位
・行政事務を分担管理しない国務大臣を置くことも認められているところであり(内閣法3条)、現行総理府の外局の中には、その長に国務大臣を充てているものがある。(以下「大臣庁」という。)
・これらの大臣庁の主任の大臣は総理府の長たる内閣総理大臣であるが、大臣庁の長たる国務大臣は、機関の事務を統括し、職員の服務を統督する権能を有する。(国家行政組織法10条)
(主任の行政事務に関する法律及び政令の制定改廃の閣議請議等の権能は、主任の大臣たる内閣総理大臣にある。)
3 内閣総理大臣を主任の大臣とする行政組織の性格(現行総理府の例)
(1)国家行政組織法上の位置づけ
・現在、内閣の統轄の下に置かれる行政機関のうち、内閣総理大臣を主任の大臣とするのは総理府のみであり、各省は各省大臣を主任の大臣としている。(国家行政組織法5条)
(2)内閣総理大臣を主任の大臣とする理由
・総理府は@栄典、A各行政機関の施策及び事務の総合調整、B他の行政機関の所掌に属しない行政事務 等をその所掌事務としており、これらの事務が、その性質上内閣総理大臣が分担管理する事務としてふさわしいものと位置づけられているものと考えられる。
(3)内閣総理大臣、内閣官房長官及び総理府外局の長たる大臣との関係
・ 内閣総理大臣は、総理府の主任の大臣として、総理府の事務を統轄し、職員の服務を統督する。
・内閣官房長官は、内閣総理大臣を助け、府務を整理し、大臣庁以外の総理府所管事項について、政策及び企画に参画し、政務を処理し、事務を監督する。
・総理府外局の長たる大臣は、各庁の長官として、各庁の事務を統轄し、職員の服務を統督する。
4 総務省の事務の性格と組織の長の位置づけについての考え方
・総務省は、@各省横断的な組織・人事管理、評価監察など国の行政の基本的な管理、A国と地方の関係に係る行政制度の管理(地方自治に関する制度管理)、B他省に属しない事務 を所掌することとされており、その事務の性格は、内閣及び内閣総理大臣の補佐・支援体制の一環として、内閣総理大臣が分担管理するにふさわしいものであるということは考えられないか。
・総務省に外局管理事務を集約することとする場合には、総務省の外局として大臣庁が置かれることとなることから、総務省の長は内閣総理大臣とすることが適当ではないか。
・以上を前提に、総務省の主任の大臣を内閣総理大臣とした場合には、同省には国務大臣たる総務長官(仮称)を置くことが必要ではないか。その場合、総務長官には、現行の総理府に対する内閣官房長官の権能のレベルを超え、現行総理府の外局の長たる国務大臣と同等以上の権能を与えるべきではないか。
(例)*総務省(大臣庁を除く)の事務の統括、職員の服務の統督
*法律により総務長官に賦与された権限の行使(対国民、対行政機関)
*総務省の分担に係る事務に関する対外折衝、諸調整
*総務省の主任の大臣たる内閣総理大臣の権限とされる事項に関し、内閣総理大臣の補佐機関としての実質的な責任ある判断、各省間の調整等の事務

(別紙2の別表)

B案における、総務省に係る内閣総理大臣、総務長官及び外局の長たる国務大臣の権限の整理

内閣総理大臣総務省の「主任の大臣」憲法及び内閣法にいう「主任の大臣」として、総務省の所管行政全体を「分担管理」し、最終責任を負う。
総務省の所管に係る閣議請議や予算要求は、内閣総理大臣の名で行われる。
総務長官内局に係る「行政担務大臣」
(いわば、内局の長官)
総務省(国務大臣を長とする機関を除く)の事務を統括し、職員の服務を統督する。
法律により与えられた権限を行使する(対国民、対行政機関)。
総務省(国務大臣を長とする機関を除く)所管事項に関する対外折衝、諸調整。
内閣総理大臣の権限とされる事項についても、内閣総理大臣の補佐機関として、実質的な判断の責を負う。
その他必要な権限及び事務
防衛庁長官
国家公安委員会委員長
大臣を長とする外局に係る「行政担務大臣」
(外局の長官)
外局の事務を統括し、職員の服務を統督する。
法律により与えられた権限を行使する(対国民、対行政機関)。
当該外局の所管事項に関する対外折衝、諸調整。
内閣総理大臣の権限とされる事項についても、内閣総理大臣の補佐機関として、実質的な判断の責を負う。


* 行政担務大臣(担務に関し法律上必要な権限)


別紙3

青少年行政の総合調整について

(平成9年10月29日 水野清委員)

1 青少年の健全育成・非行防止を図っていくためには、教育はもとより、地域の環境浄化や有害情報からの保護、非行少年の適切な処遇など、少年警察、児童福祉、保護・矯正、労働といった多角的な観点からの取組が必要である。学校教育を中心とする分野を担当する文部・科学技術省(仮称)にこれら施策の総合調整を担わせるには、所管分野の限界から無理があり、そもそも、個別の省庁にこのような広範多岐にわたる施策の総合調整を担当させたとしても、十分な実効を期し難いのではないか。

2 ほとんどの地方公共団体においては、青少年行政の総合的な推進のための組織(青少年課、青少年女性課等)が知事部局に設けられており、これら知事部局が中心となって地方の教育委員会や県警本部等と連携する一方、国の青少年行政とのパイプ役となっている。このことは、実際の地域行政の場で教育委員会事務局が総合調整職能を担うことの困難さを表すものにほかならないと考えられる。

3 少子化が進む中で、次代を担うこととなる青少年をどのように育成していくかは、我が国のグランドデザインの根幹を成す重要な課題であり、我が国の行政全体が取り組むべきである。従って、特定の分野を担当する個別省庁にその総合調整を担わせることは困難であることから、青少年行政の総合調整事務は、内閣及び内閣総理大臣の補佐・支援体制の強化の一環として設置される組織に担当させることが適当ではないか。


別紙4

行政審判庁構想について

(平成9年10月29日 藤田宙靖委員)

一 趣旨・目的
私人相互間又は行政庁と私人との間に生ずる紛争につき、裁判所ではなく、行政機関が裁断を行うこととされているケースが数多くある(いわゆる「狭義の行政争訟」)。これらは、事案の性格に鑑み、当該事案に関し専門技術的な知識・経験を有する者が紛争解決に参与することにより、裁判所の負担を減らし、簡易・迅速・低廉・適正な解決がなされることを期待して設けられているものであって、最終的に裁判所に対する出訴の道が開かれている限り、三権分立の原則に反するものではない(日本国憲法76条2項第二文参照)。
行政審判庁構想は、これらの諸制度が果たす裁判制度の補完機能を積極的に評価し、これを更に改善することを目的とし、かつ、現行法上甚だ多岐にわたり、分散しているこれらの行政争訟の裁断機関を統合し、合理化することによって、行政組織の簡素化に寄与する途を探ろうというものである。
二 現行法上の(狭義の)行政争訟制度
検討の対象となる現行法上の行政争訟制度としては、大別して二種類のものがある。すなわち、

1.行政不服審査法による審査請求(行政庁の処分に対する不服の申し立て)につき裁断を行うもので、国税不服審判所のようにそのための特別の機関が設けられているケースを別とすれば、通常、原処分庁の直近上級行政庁が審査庁となる。従って、各処分毎に異なり、甚だ多岐にわたる。

2.特別法により、特別の手続と特別の審査機関が定められているものであって、中でも、通常「行政審判」と称され、いわゆる準司法手続ないし通常の不服審査手続よりはより整備された手続によって行われ、その結果、制度的に一部裁判判決に代替する機能を与えられているものが重要である。こういった例としては、例えば、公正取引委員会による審判、公害等調整委員会による審判、特許審判、海難審判、等があり、また、特殊な例であるが、郵政大臣の処分に対して行う異議申し立ての審理手続の一環として行われる、電波監理審議会による審理がある。
三 行政審判庁構想の射程
行政審判庁構想としては、上記の1.をも含めた広範なものも考えられ、現に一部の専門家の間で、その導入の是非についての検討がなされているやにも聞く。この構想は、当面、行政不服審査法による不服審査手続の一元化(昭和37年)に加え、審査機関の一元化をも図ろうとするものであるが、究極的には、裁判所の負担の軽減を図り、国民の適切な権利救済を実現するための、行政裁判所の設置までをも射程に入れたものと言ってよい(日本国憲法76条2項第一文で設置が禁止されている「特別裁判所」とは、司法権の組織外に設置される特別裁判所であって、例えば現行の家庭裁判所のように、司法組織の一部としての行政裁判所であるならば、これと抵触するものではないとするのが今日の通説であり、他方でまた、行政機関が前審として裁判を行うこと自体は、憲法によっても禁止されてはいない。同第二文参照。)。ただ、その導入の是非については、今日に至るまで、未だ明確な結論が出されてはいない。
これに対し、「中間報告」の段階で示唆された行政審判庁構想とは、専ら、上記の2.に対象を絞ってのものである。それは、1.のような包括的な行政審判庁構想の実現には未だ距離があるにしても、現に裁判機能の一端を担っている行政審判については、これを、いわば一種の(実質的な意味での)行政裁判所として統合する途を探ることも可能なのではないか、との考えからであった。このように、現に制度上裁判機能の代替的機能を果たしているもの、という前提からすれば、行政審判庁として統合すべきかどうかの検討の対象となるのは、当面、公正取引委員会、公害等調整委員会、特許庁、海難審判庁及び電波監理審議会による各審判ないし審理であることになる。
四 行政審判庁構想実現に対する障碍
このような行政審判庁構想に対する何よりも大きな障碍は、これらの行政審判の中には、その組織においてもまた審判の対象及び手続においても、甚だ多様なものがある、ということである。

1.例えは組織についてみるならば、公正取引委員会及び公害等調整委員会のように、行政委員会組織を持つものと、特許庁や海難審判庁のように、外局としての庁としての組織立てがされているものもある。また、いずれにしてもこれらはいわゆる三条機関であるが、電波監理審議会のように、八条機関に過ぎないものもある。

2.また、これらの機関の所管する事務についても、海難審判庁のように専ら審判のみを行うこととされているものから、一定の行政処分を含め審判以外の実施事務をも行うもの、更には、一定の企画立案機能をも担わされているもの(例えば、公正取引委員会、特許庁等)等、様々である。

3.更に、これを審判業務に限ってみても、特許審判や、電波監理審議会の審理、また、公害等調整委員会の扱う不服の裁定の場合のように、争訟の後行的裁断(いわゆる「覆審的争訟」)を行うケースもあれば、公正取引委員会の審決や、海難審判庁の裁決のように、同じく審判手続によりながら、しかし、むしろ第一次的な行政処分を行うもの(いわゆる「始審的争訟」)もある。

4.また、手続としては、対審構造を探る等、共通する面も多いが、中には、海難審判のように二審制を採っているものがある等、必ずしもその全てが同じであるわけではない。
五 障碍のクリア−の可能性とその限界
1.上記四に見た障碍の中、まず組織の多様性の問題については、以下の問題を考えなければならない。
「委員会」形態と「庁」の形態の違いそのものについては、専らその歴史的由来(アメリカ法に由来する制度かヨーロッパ大陸法に由来する制度かの違い)によるものであって、いずれの審判も、理論必然的に現在の形態でなければならないというものではない。問題はただ、これらの組織が現に所管している事務の範囲の違いにあり、仮に、審判業務のみを集めて新たな行政審判庁に統合した場合に、それぞれの機関が現在担っている他の専務をどうするか、を別に考えなければならないことになる。その際、例えば特許庁の行っている特許出願審査と特許審判のように、後者を前者から組織的に切り離すことが果たして合理的であるのかどうか、なお、精査を必要とする問題が存在する。
この場合、少なくとも当面は、他の事務も合わせて行政審判庁に統合し、「経済部」「特許部許部」のような独立の部立てをすることも考えられないではなく、このような形であっても、少なくとも庶務・会計等の事務は統合が可能となる筈である。しかしその場合にも、「行政審判庁」としての性格上、企画立案機能までをもここに持ち込むのは、適当ではないことになろう。また、特許部のように膨大な組織と他の部との間の組織的不均衡が生じることを、どう考えるか、等の問題もある。
いずれにしても、このような組織的再編については、例えば、公正取引委員会のように、極めて包括的な権能を有する行政委員会という組織形態の意義につき、なお本格的な検討を進めることが前提となろう。

2.審判の内容の違いについては、上記に見た「覆審的争訟」と「始審的争訟」の違いのみならず、行政庁と私人間の争いを裁断するケースと、私人相互間の争いを裁断するケースとの違いもまたある(例えば、公害等調整委員会は、鉱業等に関する行政処分に対する不服の裁定を行うほか、公害紛争・処理法に基づき、私人間の公害に係る紛争の裁定をも行っている)。こうした状況の下で、「行政審判庁」を構想するとき、果たして、現行の手続上の類似性に着目した統合が合理的であるのか、むしろ或いは、例えば「覆審型」と「始審型」に分け、前者は、現在では必ずしもここでいう「行政審判」としての制度設計となっていないもの(例えば国税審判所等を含めた、通常の不服審査機関)をも含めた、
より総合的な制度として構想し(上記三に見た1.の考え方)、後者は、一般行政手続法の世界の問題として考えて行く方が適当であるのか、等々、なお慎重に検討しなければならない問題が存在する。

3.組織統合の真のメリットを考えるならば、これら各種の審判相互に手続上の一元化を図り、また、審判官相互間の流動性が可能となるのでなければならない筈である(例えば、裁判官であれば、同一人が、民事、刑事、商事、労働等々、極めて広範な分野にわたり裁判を行っている)しかし、いうまでもなく、現行の各審判を統合しても、少なくとも直ちにこのようなことが可能になるとは期待できない。統一的な行政審判庁ないし行政裁判所の設置を構想する際には、本来、同時に、このような意味での手続的整備及び審判官ないし裁判官の育成が行われなければならないものであろう。その意味でも、行政審判庁実現については、未だ、多くの準備作業が必要となりそうである。

4.なお、行政審判が裁判制度の補完である以上、行政審判庁構想の実現は、当然に、司法の側における制度改革と、組織的機能的に連動するものでなければならない。司法改革が、必ずしもその緒についていない現状で、問題を行政改革の見地から先行させることが、果たして可能かつ適当であるかどうかも、考慮しなければならないであろう。
六 結論
上記に見たような理由から、行政審判庁構想は当面の省庁再編の対象からは外し、今後なお、政府及び関係者の間で引き続き真剣な検討を進めることとするのが合理的であると考える。


別紙5

今後の審議スケジュールについて

10月29日(水)14:00〜16:30第6回合同小委員会○ 中央省庁に係る全般的検討(審議)
17:00〜19:30第34回会議○ 中央省庁に係る全般的検討(審議)
○ 今後の審議スケジュールについて(審議)
11月5日(水)17:00〜19:30第35回会議○ これまでの論議で残された課題について(審議)
○ 今後の審議の進め方について(審議)
11月12日(水)17:00〜19:30第36回会議○ 集中審議に向けた準備的な検討(審議)

11月17日(月)
13:00〜19:30
(集中審議)

第37回会議

○最終報告(案)について(審議)
11月18日(火)第38回会議○ 最終報告(案)について(審議)
11月19日(水)第39回会議○ 最終報告(案)について(審議)
11月20日(木)第40回会議○ 最終報告(案)について
(実質審議終了)

11月26日(水)
(予備日)
(*総理国際会議のため出席不可能の見込み)
12月3日(水)17:00〜19:30第41回会議○ 最終報告の決定

(注)今後の審議の進捗状況に応じ、変更することがある。