−速報のため事後修正の可能性あり−

第6回企画・制度問題及び機構問題合同小委員会議事概要

1 日時 平成9年10月29日(水) 14:00〜16:30
2 場所 内閣総理大臣官邸 大客間
3 出席者
(会議)
芦田甚之助、有馬朗人、飯田庸太郎、猪口邦子、河合隼雄、川口幹夫、佐藤幸治(企画・制度問題小委員会主査)、藤田宙靖(機構問題小委員会主査)、水野清、諸井虔、渡辺恒雄の各委員
(政府)
田波内閣内政審議室長
(事務局)
水野事務局長(再掲)、八木事務局次長
4 議題
(1) 与党における検討状況について(報告)
(2) 論議の結果の整理について(討議)
(3) これまでの論議で残された課題について(討議)
(4) 独立行政法人(仮称)の職員の身分について(討議)
(5) 独立行政法人(仮称)及び外局の対象について(討議)
(6) 河川行政と道路・都市行政との関係について(討議)
(7) 環境行政の範囲と機能について(討議)

5 会議経過

(1) 与党における最近の検討状況について、事務局より概要以下のとおり報告があった。

・与党行政改革協議会については、24日と28日の2回開催された。24日は内閣機能の強化及び防衛庁(省)問題について議論が行われた。内閣機能の強化については、内閣法4条の改正問題、内閣法6条の改正と憲法72条の関係などをめぐり議論が行われ、その後、防衛庁の省への昇格問題について、省になった場合の問題点等について討議が行われた。28日は、24日の議論に続き、防衛庁問題について、総理の自衛隊に対する指揮監督権について、内閣法6条との関係で法制局長官から意見聴取が行われ、その後、財政・金融の問題について、新藤宗幸立教大学教授、富田俊基野村総研理事及び大蔵省から意見聴取が行われた。

・自民党行政改革推進本部においては、現在省庁再編PTとスリム化PTにおいて、具体的な検討作業が進められている。省庁再編PTにおいては、前回の行革会議の後、10月23日に交通、外交、通信の各部会から検討状況のヒアリングが行われ、交通部会からは、海上保安庁と交通行政の組織的一体性の確保、気象業務を国の組織で遂行することについて要望がなされた。外交部会からは、開発援助庁の創設等援助行政の一元化、本省地域局の拡充について要望がなされ、通信部会からは、専任の大臣の下に情報通信省を設置すべきとの要望がなされるとともに、郵貯資金を全額自主運用するとした場合のイメージについて説明が行われた。これらの要望等に関し議論が行われたが、本部として結論を出すには到っていない。一方、スリム化PTは、各省庁から垂直的減量に関する資料を徴し、撤退・縮小、地方分権、実施事務の分離(アウトソーシング)の観点から検討作業を行うこととしており、10月27日に各省庁からのヒアリングを一巡したところである。

(2) 小委員会及び本会議における論議の結果の取りまとめについて、以下のとおり意見交換があった。

・国家公安委員会の下に置かれる3機関については「国家公安委員会の下に置くメリットを生かす方向が基本」とまとめられているが、3機関それぞれの特質を踏まえそれぞれの職務が実質的に機能するようにするとの論議ではなかったかとの発言があった。これに対し、同趣旨のまとめが別途なされているとの指摘があった。また、論議の結果の取りまとめですべてが決まったものではなく、個々の意見については時間の制約もあるのでメモを提出願いたいとの発言があった。

・経済協力行政のうち技術協力に関する企画立案については、外務省に一元化する旨取りまとめを修整すべきとの意見に対して、そうした合意はないのではないかとの発言があり、これに対しさらに、技術協力については「総合調整」ではなく「一元化」で決まったはずであるとの意見があった。関連して、「一元化」の意味するところが問題であって、窓口が一元化されるのか、それとも各省が窓口となって外務省が総合調整を行うのかで異なる。外務省にのみ一元化とすると、すべてを外務省で行うのかとの疑問も生じ得るので、外務省がコアとなって総合調整するという表現でよいのではないかとの発言があった。これに対し、それでは現状と変わらず、各省が重複して調査団を出す等の問題点が改善されない。国別プロファイルをベースに援助をデザインすべきであって、「一元化」とすべきである。総合調整では各省がそれぞれ企画・実施し、重複した場合に調整するとの印象を免れないとの意見があった。結果、以上の趣旨を踏まえ、会議としてのまとめの表現を工夫することとされた。

・統計行政について、統計行政の分散については、各種統計が各省の専門的な企画立案のリソースとなっていることを十分認識し、大規模統計(センサス)はその専門性を踏まえ、それ以外の統計は各省が企画及び実施を行うことを前提として、必要な一元化を推進することとなった。

・国立病院及び療養所の取扱いについて、売却等を進めている中で独立行政法人とすると安住してしまうおそれがあるのでまず整理を進め、ナショナルセンターは国立を維持するとの取りまとめとすべきであるとの意見があった。これに対し、そのように決め付けてよいのかどうかとの疑問が提起されたのが議論の経過であるとの発言があった。結果、国立病院、療養所は整理再編成を進めたうえ、ナショナルセンターを頂点とする政策医療ネットワークについては国立にするという意見が多かったが、なお独立行政法人化を検討する余地があるとの意見もあった旨取りまとめることとされた。

(3) なお今後に論議が残された課題(別紙1参照)について事務局から説明があり、その後、以下のとおり意見交換があった。

・消費者行政については医薬品や老人ホーム関係の問題も多く、雇用福祉省が扱うこととすると利益相反になるおそれがあるので、総務省の所掌とすべきではないかとの意見があり、なお残る課題があることが確認された。

・公共事業の効率性について評価を行うのが国土2省の内部組織ではお手盛りになるので、評価は行政監察部門で行い、同部門が評価して了承しなければ事業が実施できないようにすべきではないかとの意見があった。

・経済財政諮問会議の事務局について、資料中「経済企画庁のマクロ経済的要素に関する機能を内閣府の経済財政政策等の調整担当部局に移行」等の表現がなされているが、事務局は官庁エコノミストばかりであってはならず、民間の人材を登用できるようにしなければならないとの発言があった。これに対し、これまでの議論はそのようなものであり、資料の表現の問題と理解するとの発言があった。

・現在の自治省がそのまま総務省に移行するとの認識が一部にみられるが、地方分権の推進を図り、その成果を織り込むようにしなければならないとの発言があった。関連して、自治省の機能の見直しが必要であるとの発言があった。

・金融監督庁については、企画機能を付与すると金融庁になるが、その場合には企画と実施が一緒になっておかしくなるので今後検討を要するとの発言があった。関連して、資料中、金融監督庁が大蔵省の今後具体化を要する事項に整理されているが、内閣府の項に整理すべきであるとの発言があった。

・外局の取扱いについて、現農水省の林野庁、食糧庁、水産庁については当局が企画と実施の分離に前向きであると承知しているが、他の庁をどうするかが課題であるとの発言があった。

・青少年行政をどの省の所掌とするかが課題である。文部・科学技術省の所掌としては、現状を踏まえると問題を囲い込む傾向があるので問題であるとの発言があった。

・産業省について、その行政の在り方として、個別産業の振興から撤退し、業種横断的な市場ルールの策定・整備といった機能を中心とする方向で基本的な合意があり、これを「おおむね方向性が示された事項」に記述すべきであるとの発言があり、確認された。

(4) 独立行政法人(仮称)の職員の身分について、芦田委員(別紙2参照)及び渡辺委員(別紙3参照)より意見が述べられ、その後、以下のとおり意見交換があった。

・渡辺委員案にある予算の単年度主義をやめるということを、公務員の身分を持つ独立行政法人でできるのなら、国立大学も単年度主義を改めてもらいたいとの発言があった。これに対し、その場合には国立大学も独立行政法人にすればよいとの意見があったところ、国立のまま単年度主義を改めるのが主旨であるとの発言があった。

・自民党の一部では郵政三事業は国営を維持すべきとの意見が強いようだが、検討手順が問題とされている部分もあり、説得は可能ではないか。そのためにも渡辺委員案でなければまとまらないのではないかとの発言があった。

・行革会議としては関係者が合意できるよう努力しており、あとは関係組織において取りまとめを願うしかないのではないかとの発言があった。これに対し、1)関係者との協議の結果として、一般職国家公務員で身分保障があるということがぎりぎりの妥協点である、2)独立行政法人が認められるとしても、まず制度設計について合意してから、個別の対象業務を議論すべきであり、始めから対象業務を決めてかかると議論が混乱するとの発言があった。

・芦田委員意見のように、一般職の公務員でかつ労働三権を与えることになると、公務員制度全般の見直しが必要となるし、渡辺委員案でも争議権の付与については公務員全体の議論に跳ね返ることとなるのではないかとの指摘があった。これに対し、1)日銀は事実上国の行政組織の一部のような仕事をしながら、独立の法人で自由な運営をしており、独立行政法人も日銀に近い組織であると理解することが可能ではないか、2)国家行政組織そのものではないが国家行政組織と並ぶ位置づけを与え、しかも、職員に労働三権を与え新しく独立職国家公務員とすれば、郵政三事業の職員は新しく争議権を得るのであり、失うものは何もないはずである。妥協点を見出して独立行政法人を実現すべきである、との発言があった。

・芦田委員意見の中で、独立行政法人を国家行政組織の一部とするとの記述があるが、その場合には独立行政法人が国から独立した法人ではなくなり、独立行政法人の趣旨、目的と根本的に矛盾するのであって、制度設計のすべてを覆さなければできなくなり無理ではないか。選択としては、国家行政組織法を「国家行政組織並びに独立行政法人法」と改め、両者を並列に並べることが精一杯ではないか。また、国家行政組織の中となると財政民主主義が直接に適用され、当該組織は動きが取れなくなるのではないか。さらに、一般職公務員であり、かつ、労働三権があるというのは、現在の公務員概念と相容れないものであり、労働三権を与えるのならば、一般職とすることや、新たに独立職といったものを新設するのは無理であり、特別職とするのがギリギリのところではないか。この意見では、今までの議論と接点がなくなってしまうので再考を願いたいとの発言があった。

・渡辺委員案は、独立行政法人職員に身分保障も労働三権も与えるというが、両者は両立するものではない。労働三権制約の代償措置として身分保障があるのであり、日銀も、労働三権はあっても、法律上の身分保障はない。両者を同時に与えるのは制度として無理であるとの指摘があった。これに対し、独立行政法人法の中で、意に反し解雇・降格されないということを書けないかとの発言があったところ、民間の身分保障は労使の協約で決めていることであり、法で保障はしていない。法で身分保障を与えるのであれば、労働三権は必要ないとの意見があった。これを受けて、争議権は与えても与えなくても実態は変わらないのだから、こだわるものではないとの発言があった。

・英国では公務員に労働三権があり、ILO条約でも公務員に労働三権を与えるとなっているので、日本においても国家公務員について労働三権を与えることを検討すべきであるとの発言があった。これに対し、労働三権を与える場合には、身分保障条項を削除し、民間と同じようにしないとつじつまが合わなくなるのであって、両者を同時に求めることは無理であるとの指摘があった。

・財政民主主義に関連して、運営費やその他の経費が国庫から支出される場合に、独立行政法人になれば本当に単年度主義の弊害がなくなるのかというところの議論を深めるべきであるとの発言があった。これに対し、実効性の議論は確かにあるが、独立行政法人を国の行政組織とするのであれば完全に拘束されることになるとの指摘があった。関連して、独立行政法人を国の行政組織とすると、憲法上の要請から財政民主主義の適用が求められるので、そうした国営事業体については財政法を改正するにしても憲法違反となる。したがって、独立行政法人は国の行政組織の外とすべきであるとの発言があった。

・国家公務員身分の付与の仕方について合意が得られない場合は、独立行政法人の原点に戻って非国家公務員とすることも、最終的には選択肢の一つとせざるを得ないとの意見があった。

・以上の議論に引き続き、本日の本会議で、独立行政法人の職員の身分について、再度議論をすることになった。

(5) 独立行政法人(仮称)及び実施事務を担う外局の対象業務(別紙1参照)について事務局から説明があり、その後、以下のとおり意見交換があった。

(独立行政法人)

・独立行政法人の対象とする業務につき、独立行政法人にすることにより業務の効率化、サービスの質的向上が図られるものというような前向きの要素も記述すべきであるとの指摘があり、賛意が示された。

・対象業務を広く範囲を広げて検討すべきだが、一つ一つ審議していく時間がないので、基準を作った上、事務局において対象業務の洗い出し作業をすることにしてはどうかという提案があった。

・職員の身分について最終的な結論はまだ出ていないが、独立行政法人法を対象業務に合わせてどう設計していくかの各論も議論しなければならないとの意見があった。これに対して、以前の議論でも業務の態様により制度は少しずつ異なるのではないかということになっており、また、対象業務は各省庁で責任を持って検討することが基本ともいっているので、主なものの例示はあるものの、基本的には資料の方向で検討するということになるのではないかとの発言があった。これに対し、すべての実施事務を検討して11月末までに結論を出すのは無理にしても、この会議の任期は来年の6月まであるのだから、11月末までは大きなものの結論をだし、その後も政党などとのすり合わせをしつつ議論してはどうかとの提案があった。関連して、独立行政法人の対象業務だけでなく、今後の全体の行革推進の仕組みをどう考えるかが必要ではないかとの指摘があった。

・具体的な対象業務を同時に検討すると制度設計が難しくなるので、個々の対象業務については方向性を示す程度とし、個別業務について独立行政法人とするかの議論は関係者の意見をよく聞くなど慎重であるべきとの発言があった。これに対し、労働組合の意見だけで決めるわけにもいかないし、行政改革会議としては、国民全体の視点から議論すべきであるとの指摘があった、

・以上の議論を踏まえ、今後の方針として、ルールを作り、事務局において幅広く対象業務についてリストアップを行い、集中審議で検討することとなった。併せて、個別の対象業務についての意見があればペーパーで提出することとされた。

(外局)

・現在の外局には、政策立案と実施の両方の機能を持つもの、主に実施事務を行うものの2種類があるが、前者のうち特に政治の関心が高いのは中小企業庁と消防庁である。同様にして、文化庁と資源エネルギー庁の取扱いも難しい。他方、農水省はその下にある3庁について政策立案と実施機能の分離に前向きである。さらに金融監督庁については政策立案機能を持たせるかどうかの問題がある。これらとは別に、特許庁については独立行政法人化の検討対象であるし、海上保安庁は国家公安委員会の下に位置付けられるとの発言があった。関連して、宮内庁については内閣府の特別の機関となるのではないかとの発言があり、賛意が示された。

・文化行政は、1)これから更に大切にすべきものであり、政策立案と実施の両方の機能を持つ庁として残すべきである、2)文化「省」程度の位置付けを与えるべき重要な行政であるとの意見があった。これに対し、外局では実施事務を行うとする原則を適用してはならないものかとの問題提起がなされたところ、専ら学術教育を扱うというこれまでの文部省の性格であればよいが、文部・科学技術省となってその性格は教育と科学技術を扱うものとなるので、文化行政は中立性を確保するためにも例外として政策立案と実施の両方の機能を持つ庁とすべきである、との意見があった。

・文化庁で例外を認めると、他の庁も例外扱いを求めてくる。両者の線引きをどのようにすべきかが課題であるとの問題提起がなされた。これに対し、資源エネルギー庁や中小企業庁は例外扱いとする必要はなく、産業省の内局とすればよいとの意見があった。
関連して、文化庁を例外とする場合には線引きが必要であるが、その際にあっても例外の対象となりうるのは現存する庁のみであり、新たに設置する庁については例外を認めないこととしたいとの提案があり、了承された。

・例えば著作権行政や文化財保護行政のように、文化行政は企画立案と実施が一心同体で、両者の分離ができない。また、フランスにおいては省として取り扱われているなど、国際的な並びの問題もある。これらを考え合わせると、例外として扱ってよいと考えるとの意見があった。関連して、文化庁はユニークな組織であり、現実の問題として文化予算は教育予算に比べて少なく、仏と比べても1/26程度であるが、現在外局であるからこそこの程度の規模でも生きているが、内局化しては存在意義すらなくなる。文化庁として残し、仕事の充実を期待すべきであるとの意見があった。

・企画と実施のコンセプトが問題であって、主に実施事務を行うと分類された庁においても企画立案を行っていないわけではない。現実には実施のための言うならば現場の企画立案は当然に必要である。文化行政の企画立案機能とは何か、それが国の基本にかかわるものか、実施事務にかかわるものかを基準に庁とするかどうかを考えるべきであるとの意見があった。関連して、1)文部省は文化行政の実施主体の一部である博物館や美術館について独立行政法人化が可能であると考えている、2)博物館等の運営には7割以上の国庫補助が必要であり、入場料を安価に維持できるかもしれないし、どうしても独立行政法人化したいというなら別だが、そうした主体を独立行政法人化するメリットはどこまであるのだろうか、3)独立行政法人については運営費の100%を国が交付する場合もあることが確認されており、運営上のメリットがあればよい、等の発言があった。

・実施のための企画立案は庁に残してよいのであって、実際の文化財の保存や展示等の事務は博物館等で行うにしても、そのための企画機能は文化庁において行い、展示等の予算も文化庁予算とすることが必要である。また著作権関係の企画立案事務もあり、こうした事務を行うには基盤が必要である、との意見があった。これに対し、それは実施のための企画立案であり、例外として特別扱いする必要はないとの意見があった。さらにこれに対し、文化庁は、税に例えると主税局と国税庁の事務を一体で行う組織であり、実施のための企画立案だけに限定するのは問題であるとの発言がなされたところ、政策立案と実施のための企画立案の線引きは不可能ではないかとの発言があった。関連して、そうであるがゆえに、例外を認めると資源エネルギー庁や中小企業庁も例外扱いを求めてくるとの発言があった。

・文化庁は政策立案と実施の両方の機能を持つ庁として残すこととし、事務局においてその理由付け等を詰めてほしいとの発言があった。

・気象庁については、その業務が危機管理と直結するものであり、地球観測も強化すべき分野である。他国は軍事部門に観測機能を持っているが、日本は平和国家であり、そうした対応は取れない。さらに世界気象機関の登録機関の位置付けもあるので、国の業務として外局とすべきであるとの意見があった。

・新たな外局の具体的な検討対象業務を資料のとおりとしてよいかとの問題提起があった。これに対し、文化庁を残すのであれば文化財保護を新たな外局の対象業務とする必要はないのではないかとの発言があった。これに対し、文化財保護については発掘等はアウトソーシングされており、また公共事業においても数%の予算が振り向けられているなど、文化庁とは異なる視点の問題があるとの発言があった。

・以上の議論を踏まえ、1)外局については、実施機能を担うことを原則とする。2)政策立案と実施機能を担うものを認めるとしても、現にある範囲内とし、新たに設けることはしない。3)現在の外局については、文化庁を残すことを踏まえ、他の外局の取扱いについて検討することとし、事務局で試案を作成することとされた。

(6) 河川行政と道路・都市行政との関係についての建設省提出の資料(別紙4参照)について事務局から紹介があり、その後、以下のとおり意見交換があった。

・首都機能の移転を検討していると、建設省が主張するように河川行政と都市行政の一体化が必要と感じるが、一体論に対する関係者の反論もあるはずであり、国土保全省の主体となる省からも資料を提出させるべきではないかとの発言があった。関連して、水行政に関係する主な省は農水省、通産省、厚生省であり、それぞれから意見を聞くべきではないかとの発言があった。また、大蔵省主計局からも意見を聴取すべきであるとの発言があった。
これらに対し、建設省からは中間報告に対する異論を聞いたのであって、中間報告に与する意見を聞く必要はないのではないか、関係者に聞いてどちらにするかを決めるわけではないとの指摘がなされたところ、そうした考え方もあり得るが、関係する省の意見を聞くのは有益であるとの発言があり、結果、建設省だけでなく、農水省、通産省、厚生省、大蔵省からも文書で意見を聴取することとされた。なお、建設省からのヒアリングは必要ないとの発言があった。

・公共事業をアウトソーシングし、国土開発省と国土保全省の地方支分部局を一体化すれば、本省が2つに分かれていても関係がないのではないかとの意見があった。

・建設省が主張する一体論の本音は、人事、特に技官人事にあるのではないかとの発言があった。

・砂防はどこの事務になるのかとの質問があった。これに対し、事務局より、現在は治山、治水の両者にあり、川上が治山行政、川下が治水行政になっているとの説明があった。

・集中審議において河川行政を国土保全に整理したが、同行政は国土開発省の事務とすべきではないかとの発言があった。関連して、首都機能移転を考えても河川行政と都市行政の関係が深いので、河川行政は国土開発省の事務と考える、等の発言があった。
これに対し、河川行政の取扱いは中間報告全体に響く問題であり、それを踏まえて議論すべきであるとの指摘があった。

・以上の議論を踏まえ、河川行政の取扱いは集中審議において決することとされた。

(7) 環境行政の範囲と機能(別紙5参照)について事務局から説明があり、その後、以下のとおり意見交換があった。

・環境安全省を提案した8月の集中審議時の主査メモにおいて、安全とは何を想定したものであったかとの質問があった。これに対し、健康安全、生活環境安全等を想定したものであったとの回答があった。

・安全には、人間そのものの健康、事故等に関連する安全、治安等の安全などがあるが、人間そのものの健康は環境安全省の所掌とすべきではないか。また、人にとって好ましい環境を整備する視点から、公衆衛生のうち上下水道は健康安全でとらえることが適切であり、環境安全省の所管とすべきである。さらに、化学物質の安全が環境安全省の専管となるのであれば、薬物、農薬等も所管が問題となるのであって、少なくとも農薬は環境安全省の所管事務に含めるべきである。なお、医薬品の安全審査は行政委員会において取り扱うべきである、との意見があった。

・エネルギー問題は産業省の所掌と整理されており、資料中、環境安全省と他省との共管事務に挙げるのはいかがなものか。他方、放射性物質による環境汚染防止が共管事務とされているが、これは環境安全省にはできないのであって、むしろ放射線の監視事務を環境安全省の専管事務とすべきではないか、との意見があった。これに対し、原子力についてはエネルギー政策として産業省が所管する部分と研究開発として文部・科学技術省が所管する部分とがあり、共管と整理すべきとの発言があった。さらにこれに対し、放射線の監視は原子力開発とは関係なく、原発の一次チェックは担当省、二次的チェックは原子力安全委員会と整理されており、3番目として環境安全省が汚染や環境基準を定め、放射線量の調査やモニタリングを行うことでよい。したがって放射線の環境基準等は環境安全省の専管とすべきである、との意見があった。

・以上の議論を踏まえ、環境行政の範囲と機能については本日欠席の塩野谷委員、豊田委員からも意見の提出があるところであり、引き続き議論することにしたいとの発言があり、了承された。 以上
(文責 行政改革会議事務局)

連絡先:行政改革会議事務局   高野(電話03-3581-2641)  根本(電話03-3581-0270)

行政改革会議議事概要は、インターネット(官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/)の「最近の話題」又は「審議会」の欄)及びパソコン通信ネットワーク(PC-VAN及びGサーチ)でも御覧になれます。


別紙1

なお今後論議が残された事項(9月24日以後の論議をベース)
1.今後さらに検討を要する主要事項
○省の名称と編成(防衛省(庁)、国土開発省、国土保全省など)
○内閣府・総務省のあり方
○個別主要問題
  ・国土開発省と国土保全省の機能
  ・郵政事業
  ・環境安全省の機能
  ・国税庁
○独立行政法人の職員の身分
○独立行政法人の検討対象、外局の検討対象 --------【参考1】
○行政のスリム化方策 --------【参考2】(添付略)
○行政審判機能とその組織のあり方
2.これまでの論議でさらに具体化を要する事項
省(仮称) おおむね方向性が示された事項 今後具体化を要する事項
内閣府・総務省 ○内閣官房、内閣府及び総務省のそれぞれの性格をより明確にすべき。
○現行の総理府(本府)及び総務庁の事務の必要性を見直した上で、内閣府及び総務省が担うべきものを除き、関連の深い各省が担当。
○名称
○内閣官房、内閣府、総務省の具体的な組織の在り方
○現行の自治省の機能見直し
○消防庁の取扱い
○学術会議の取扱い
○実施事務の分離、効率化
  ○内閣官房・総務省・人事院の人事に関する諸機能の分担
・内閣官房は人事面・組織面について基本方針を策定し、総務省の行う人事管理についても、基本方針との整合性についてチェック。
・人事院の有する労働基本権制約の代償措置及び公正確保の機能の重要性を十分認識。
・以上を前提に、検討資料の方向を基本的に了承。
○総理府及び総務庁の事務の具体的帰属(統計行政等)
  ○統計行政
・統計行政の分散については、各種統計が各省の専門的な企画立案のリソースとなっていることを十分認識した上で必要な一元化を推進。
・統計行政の重複は、統計の総合調整を行う部局が指導性を発揮して是正。
・各省の利用にとどまっている調査結果の共有化を推進。
・以上を前提に、検討資料の方向を基本的に了承。
 
  ○経済財政諮問会議
・名称は「経済財政諮問会議」
・経済企画庁のマクロ経済的要素に関する機能を内閣府の経済財政政策等の調整担当部局に移行。
・経済研究所は、内閣府の附属機関とし、外部人材の活用も検討。
・以上を前提に、検討資料の方向を基本的に了承。
○総合科学技術会議は、次の事項を追加した上で、名称を含め、検討資料の内容を了承。
・常勤の委員を現在の科学技術会議より増やすなど構成員の充実を図る。
・事務局に民間や学界を含め広く優秀な人材を集める。
○中央防災会議は、名称を含め、検討資料の内容を了承。
○男女共同参画会議(仮称)及び事務局のあり方
【外局関係】 ○国家公安委員会
・警察、海上保安、麻薬取締の3機関を国家公安委員会の下に置くメリットを生かす方向が基本。
・海上保安における領海警備など3機関の機能の特性に配慮。
・他省事務との関係につき、海上とともに陸上の交通行政との連携を確保すべきとの指摘。
○通信放送行政
・通信放送委員会を置くことを確認。
・規制分野は通信放送委員会で担当。
○郵政事業
○国家公安委員会の組織・機能、事務局のあり方、委員長の権限、内閣総理大臣との関係等
○内閣府、総務省の傘下におかれる外局の取扱い(宮内庁、郵政事業庁、公正取引委員会、公害等調整委員会等)


○企画機能の位置づけ


○今後必要な検討
防衛省(庁)   ○省又は庁の両論
○実施事務の分離、効率化
法務省 ○出入国管理は、他のボーダーコントロール機関と統合しない。
○公安調査庁については、政府から提出された「今後の在り方」の検討資料を基本的に了承。なお、団体規制の実効性確保など現行の公安調査庁の機能の見直しを含め、今後政府において具体的に検討。
○登記・供託事務は、独立行政法人化を基本。訟務等他の事務の執行に与える影響について精査のうえ結論。
○名称
○実施事務の分離、効率化
外務省 ○経済協力行政の在り方
・被援助国に対する総合的な戦略など、経済協力に関する全体的な企画は外務省経済協力局がコアとなって総合調整。必要に応じ、内閣による調整。
・有償資金協力(円借款)の企画立案機能についても、外務省をコア。なお、統合されるOECF(海外経済協力基金)と日本輸出入銀行の活動については、経理等を区分し、前者については外務省等、後者については大蔵省との関係の緊密化。
・技術協力に関する企画立案機能は、外務省がコアとなって総合調整。ただし、留学生関係については、文部・科学技術省(仮称)の主導性を確保。
・国際機関を通じた協力は、現行の体制を基本としつつ、大蔵省等と外務省との連携を緊密化。
○対外経済政策については、通商政策機能等を担う各省との人事交流など協力体制の充実と役割分担の明確化。
○国際文化交流については、文部・科学技術省(仮称)との連携をさらに緊密化し、文化庁がより重要な役割を果たすことが必要。
○欧亜局、アジア局、中近東アフリカ局は、それぞれ今後の役割の重要性に鑑み、局の分割等により適切な分担に再編。
○外務公務員試験については、一般公務員試験と統合の方向。ただし、別途、特殊語学専門家の養成・確保に留意。
○名称
○JICA(国際協力事業団)を中心とした技術協力の実施についての各省による分担のあり方
大蔵省 ○財政と金融
大蔵省の機能のうち、中間報告にある「市場信用秩序の維持に関する企画立案」は、より正確には「金融破綻処理制度ないし金融危機管理に関する企画立案」と表現。
○造幣・印刷は、基本的に独立行政法人化の方向。
○名称
○金融監督庁の取扱い
○国税庁の取扱い
○実施事務の分離、効率化
産業省 ○独禁政策を中心とした競争政策については、産業政策とは利益相反関係にあり、産業政策当局に包摂するのは不適当
○アルコール専売は民営化。
○名称
○経済財政諮問会議との関係
○工業技術院の位置づけ
○資源エネルギー庁の取扱い
○特許庁の取扱い
○中小企業庁の取扱い
○実施事務の分離、効率化
環境安全省 ○環境行政の強化を図るため、独立の省とする。
○現在の自然環境保全、公害防止及び地球環境保全が所管事務に含まれることを確認。これらの行政について各省の環境行政を環境省に一元化するとともに、権限強化を図ることが必要。
○環境行政に関しては、他省の行政について重複して所管し、環境の観点からチェックしうるシステムの導入が必要。
○原子力の二次的チェック機能は、従来のシステムを基本とする。
○名称
○環境行政の一元化の範囲及び環境行政の立場からの各省行政への関与の仕方及び範囲
○公害審判との関係
○実施事務の分離、効率化
雇用福祉省 ○医療はこの省の所管。
○年金行政は一元化。
○幼保問題は、両施設及びその運営の総合性を確保することが何よりも必要。行政については共管の方向。
○船員の労働行政は交通行政を担当する組織が所管、という意見が大勢。
○名称
○公衆衛生について、環境安全省と雇用福祉省の所管関係
○消費者行政・物価政策の取扱い
○食品安全行政の所管
○医薬品の安全審査・許認可体制
○社会保険庁の取扱い
○国立病院・療養所のあり方
○実施事務の分離、効率化
国土開発省・国土保全省 〈国土開発省〉
○合併浄化槽はその機能を維持しつつ、国土開発省の下水道行政に一体化
○沖縄関連については特命担当大臣が必要
○航空管制は機器の整備等を民間委託。安全確保の機能は国の業務。
○国土地理院は独立行政法人化
○気象庁は国の直轄業務として残すべきものを精査。
○名称
○気象庁の取扱い
○海難審判庁の取扱い
〈国土保全省〉 ○名称
○農業基盤整備と他の社会資本整備との関係
○国有林野事業のあり方
○林野庁の取扱い
○食糧庁の取扱い
○水産庁の取扱い
〈両省共通〉 ○分担する機能
○総合計画等各省庁横断的な企画調整の位置づけ
○北海道開発行政、沖縄開発行政のあり方
○地域振興機能の位置づけ
○防災機能の位置づけ
○効率的・透明な事業遂行体制のあり方
○地方の主体性強化、国の直轄事業の縮小、補助金の整理等地方への大幅な権限・財源の移譲、民間能力の大幅活用の方策
○実施事務の分離、効率化
文部・科学技術省 ○国立大学は、人事・会計面での弾力性の確保など、種々改善が必要。高等教育行政のあり方も改善が必要。しかし、大学改革は長期的に検討すべき問題であり、独立行政法人化も改革方策の一つの選択肢の可能性はあるが、今早急に結論を出すべき問題ではない。 ○名称
○大規模プロジェクト等、技術開発の他省との分担関係
○原子力委員会・安全委員会の帰属
○青少年行政の位置づけ
○文化庁の取扱い
○国立試験研究機関のあり方
○実施事務の分離、効率化
各省共通 ○独立行政法人の制度設計
○外局のあり方
○省間調整システムのあり方
○地方支分部局のあり方及び整理合理化方策
○独立行政法人の職員の身分
○独立行政法人の検討対象
○外局の検討対象
○行政審判機能とその組織のあり方

【別紙1の参考1】

独立行政法人の対象業務について(検討資料)

1.対象業務
次の要件を満たす事務事業を独立行政法人の対象とする。
(1) 業務の性質上、次の要件を満たす事務事業を独立行政法人の対象とする。
1)社会経済・国民生活の安定等の公共上の見地から、その確実な実施が必要とされること
2)国が自ら主体となって直接実施しなければならない事務事業ではないこと
3)民間の主体に委ねた場合には必ず実施されるという保障がないか、又は公共的な事務事業として独占して行わせることが必要なものであること (2) 独立の組織とするに足るだけの業務量のまとまりがあること

2.編成の考え方
新たに独立行政法人を設立するに当たっては、業務、対象の類似・同質性に着目し、できる限り統合・一元化することを検討する。
また、複数の省に関連する業務を行うことがあり得るものとする。
(別表)「独立行政法人の対象として想定される業務・機関」参照

(注)以下の内、枠内で囲まれた内容は、これまでの議論の結果を整理したものである。

T.施設等機関

1.試験研究機関
○統廃合を前提とし、原則として独立行政法人化することの可否。
・国立研究所等については、可能な限り統廃合を検討。また、中核的、先端的研究所について、その育成にも配慮。
・政策研究機関は、できる限り総合化を検討。

2.文教研修施設
○国立大学については、人事・会計面での弾力性の確保など様々改善する必要があり、文部省の高等教育行政の在り方についても改善が必要。但し、大学改革は長期的に検討すべき問題であり、独立行政法人化もその際の改革方策の一つの選択肢となり得る可能性はあるが、現時点で早急に結論は出すべきではない問題である。

○国立学校以外のものであって、広く民間人を対象として研修を実施しているものについて、基本的に民営化を検討することの可否。
○上記民営化に至らない研修施設について、次のように原則として独立行政法人化することの可否。
・一定規模以上のまとまりのある研修施設は単独で独立行政法人化
・小規模の研修施設は統合して、独立行政法人化
○博物館、美術館等について、原則として独立行政法人化することの可否。

3.医療厚生施設
○国立病院、療養所は整理再編成を進める。また、ナショナルセンター等については国立でという意見が多かったが、さらに、これを含めて独立行政法人化を検討する余地があるとの意見があった。

○職域病院を民営化することの可否。
○その他の医療厚生施設を、可能なものについて独立行政法人化することの可否。

4.作業施設
○原則として、民営化、地方移管又は廃止することの可否。
○上記民営化等に至らないものについて、独立行政法人化することの可否。

U.その他の公的事務・サービス等業務
○原則として独立行政法人化することの可否。
○登記・供託については、独立行政法人化を基本とし、訟務等他の事務の執行に与える影響についてさらに精査のうえ結論。
○特許について、外局として強化を図るべきとの意見、特許と貿易保険は独立行政法人化すべきとの意見、行政審判との関係の整理が必要との意見があった。
○アルコール専売は民営化すべきとの意見があった。
○統計センターの事務及びその他の部局が行っている実地調査、集計・公表等の事務について、可能なものについては、民間委託を検討。
○社会保険庁については、国税庁と同様、強制徴収の権限を有するため、独立行政法人にはなじまないとの意見があった。
○公共職業安定所は、ILO88号条約を前提とすれば、外局化を含め国で行う必要があることとなるとの整理。
○航空管制は独立行政法人にはなじまないのではないかとの意見があった。
○国土地理院は独立行政法人化。
○気象庁は国の直轄業務として残すべきものを精査。
○営繕の一元化および独立行政法人化は引き続き検討。

(備考)
1.その他の検査検定業務
○規制緩和等の動向を踏まえ、廃止又は民営化するものを精査することの可否。
2.公共事業施設の建設・管理運営
〇省の再編成の在り方を踏まえ、具体的業務及び組織の在り方を検討することの可否。
3.関連する事業・サービスを行うものについては、組織の統合についても検討することの可否。

(別紙1の参考1の別表)独立行政法人の検討対象として想定される業務・機関
●以下は、各委員の意見をもとに現行組織のカテゴリー別に候補といえるものを掲げたものである。なお、以下に掲げる機関・業務の中には、民間委譲(民営化)・地方委譲すべきものも含まれている。
*以下の類型に属するもの全てが必然的に対象となるものではない。したがって、具体的には、個別業務ごとに検討の上、決定することが必要である。

[その他の公的事務・サービス等業務]
*現在外局で実施されているものは、上記現行の外局の欄に整理しており、この欄からは除いている。
○その他の検査検定業務、○工業標準、○統計・集計業務、○公共事業施設の建設・管理運営、 ○国有財産管理、○官庁営繕、○調達、○登記・供託、○航空管制、○恩給、○保険・共済(労働保険、貿易保険、各種再保険 等)、○調査・公表・閲覧業務、○国土地理、○職業紹介
[現行の外局]
→ 後出「現在の外局(大臣庁を除く)の今後の在り方」参照。
[施設等機関]
○試験研究機関(国立研究所、国立試験場 等)
○検査検定機関(農薬検査、製品評価技術センター 等)
○文教研修施設(国立学校、美術館、博物館、各省庁付属の研修所・学校 等)
○医療厚生施設(国立病院・療養所、国立身体障害者リハビリテーションセンター 等)
○作業施設(種苗管理、家畜改良、会計センター 等)

●なお、現業(郵政・造幣・印刷・林野)については、別途検討する必要がある。

(別紙1の参考1附属)
実施機能を担う外局の対象業務について(検討資料)

1.外局に関する概念整理 (第2回合同小委(10月1日)における審議)
(1) 外局については、国務大臣を長とし、省に準じた組織として、内閣府(仮称)に置かれるものと、府・省の傘下に置かれ、政策立案機能と実施機能の分離の観点から、実施機能を主として担うものとに区分する。
ただし、これは原則的なものとし、例外については、十分な説明が必要なこととする。
1) 準省(仮称)
内閣総理大臣を主任の大臣とするが、それぞれの組織に専任の長たる国務大臣を置き、政策立案機能及び実施機能を併せ持つもの:防衛庁(防衛省とならない場合)及び国家公安委員会
2)実施庁(仮称)・行政委員会
(ア)実施庁(仮称)〜 主に実施事務を行うものであって、一定の事務量のまとまりのある組織
(イ)行政委員会 〜 事務の性質上、その処理に当たって、公正中立性や専門技術性等を必要とされるものの実施に当たる組織
(2) 以上の区分による類型化を踏まえ、既存の外局を見直すとともに、必要に応じ、新たな実施庁(仮称)・行政委員会を設ける。
(3) 実施庁(仮称)における効率化・自律化のための方策
実施庁(仮称)に位置づけられるものについては、業務実施の効率化を図り、自律性を高めるため、1)業務実施権限の法律による明確な付与、2)目標の設定、評価による管理手法の導入、3)人事の独立性の確立、4)内部組織の弾力的な編成、といった工夫を加える。
(4) 実施庁(仮称)の総合性の確保
実施庁(仮称)を編成するに当たっては、省庁の枠にとらわれず、業務・対象の類似・同質性等に着目し、組織を再編する。また、担当する業務によっては、複数の大臣から指揮監督を受けることがありうることとする。
(5) 行政委員会
行政委員会については、従来、事務の性質上、その処理に当たって、公正中立性や専門技術性等を必要とされるため、内閣から独立した地位にある機関に行わせる必要がある場合に設置されてきたが、今後とも、このような趣旨から、行政委員会を活用する。
2.具体的な検討対象業務
(1) 以上の概念整理を踏まえた場合、現在の外局についてどのような見直しを行うか。
(2) 上記のほか、業務の類型(規制監督、事業)に対応して、実施庁の定義に該当し、かつ、独立行政法人化に馴染まないものとして、どのような業務を対象とするか。
具体的には、次のような業務が検討対象となりうるのではないか。
【事業規制行政】公益事業規制、運輸事業規制
【安全規制行政】原子力規制、医薬品等規制、鉱山保安監督、労働基準監督、航空管制
【取締行政】入国管理、税関、検疫、植物・動物防疫
【施設管理行政】国立公園管理、矯正収容施設管理
【その他】文化財保護
3.具体的な設置形態
上記の検討を踏まえ、現在の外局を含め、新たな各省の外局について、具体的に検討を行う必要があるのではないか。

現在の外局(大臣庁を除く)の今後の在り方

1.政策立案と実施の両方の機能を持つもの
現在の外局これまでの論議の結果
文化庁 
食糧庁 
林野庁 
水産庁 
資源エネルギー庁 
中小企業庁 
消防庁 

2.主に実施事務を行うもの
現在の外局これまでの論議の結果
防衛施設庁 
公安調査庁政府から提出された「今後の在り方」の検討資料を基本的に了承。なお、団体規制の実効性確保など現行の公安調査庁の機能の見直しを含め、今後、政府において具体的に検討。
国税庁税徴収の一元化や大蔵省からの分離については、地方自治との関係、中立公正の意義等について、今後精査。
社会保険庁 
特許庁 
海上保安庁国家公安委員会の下に置く。海上保安における領海警備など3機関の機能の特性に配慮。
海難審判庁 
気象庁国の直轄業務として残すべきものを精査。
金融監督庁大蔵省の機能のうち中間報告にある「市場信用秩序の維持に関する企画立案」は、より正確には「金融破綻処理制度ないし金融危機管理に関する企画立案」と表現すべきことを確認。これに伴う大蔵省及び金融監督庁の組織編成及び業務の詳細については、引き続き検討。

3.その他
現在の外局これまでの論議の結果
宮内庁 

4.行政委員会
現在の外局これまでの論議の結果
国家公安委員会警察、海上保安、麻薬取締の3機関を国家公安委員会の下に置くメリットを生かす方向が基本。海上保安における領海警備など3機関の機能の特性に配慮。委員会の組織・機能、事務局の在り方、委員長の権限、内閣総理大臣との関係等について引き続き検討。
人事院労働基本権制約の代償措置としての「人事行政の公正の確保及び職員の利益保護」のためにふさわしい機能に集中し、その実効的な遂行を目指すことが重要である。このため、本来、行政運営を担当する使用者側が果たすべき機能(個別の人事運用や組織運営に係わる事項など)との整理を行い、また、人事管理の弾力化等の観点から、人事院規則について見直し、規制の弾力化を進めることも必要である。(中間報告)
司法試験管理委員会 
公正取引委員会独禁政策を中心とした競争政策については、産業政策とは利益相反関係にあり、産業政策当局に包摂するのは適当でない。
公安審査委員会(公安調査庁の欄参照)
中央労働委員会 
船員労働委員会船員の労働行政については交通行政を担当する組織が所管、という意見が大勢。
公害等調整委員会 


別紙2

独立行政法人のあり方と職員の身分について

(平成9年10月29日 芦田甚之助委員)

1.独立行政法人の考え方について
(1) 本会議の中間報告においては、独立行政法人の制度設計は垂直的減量の受け皿との考え方に立ち、企画立案事務と実施事務とを区分して後者の一定のものについて国家行政組織の外に設置する、職員の身分については両論を示し未決定とまとめられた。その後の議論において、独立行政法人の職員は国家公務員とすべきなどの意見が出されている。独立行政法人の職員の身分とともにその性格付けについてもさらに議論を行い、行革の理念である簡素・効率的、透明な行政システムの構築をめさすべきと考える。
(2) はじめに議論の仕方について要請したい。独立行政法人の制度設計については明確に理解することが難しいとの声かでている。この疑問を解消するには、職員の身分問題を含めて制度設計について論議を十分に行う必要がある。
そしてこの制度設計の論議を行った後に、制度の諸要件を示しながら関係者、関係労働組合の意見を聞いて独立行政法人の対象業務について検討すべきと考える。
(3) 独立行政法人の設計については、1)国民生活の安定等の公共の見地からその実施が必要とされる業務、2)民間に委ねた場合には必ず実施される保障がなく公共的な事務事業として行わせる必要がある業務、また、これまで国が行ってきた事務事業を担う組織として共通理解がなされつつあると受け止めている。
 この理解に立てば、独立行政法人を「国の行政組織の外」とするのは極めて無理があり、独立行政組織は国の行政組織の中の一つとすべきである。
特に、独立行政法人に移行して働く職員の気持ち、また一般の勤労者の受け止め方を考えると、仕事がいままでと全く同じ公共の事務事業に携わりながら、「法律改正」を堺に非公務員とされるのは当該職員の納得を得ることはできないと考える。そして、このような疑問を生み出す新たな組織は成果をあげることができないと指摘せざるをえない。
(4) 以上の考えから、独立行政法人を「国の行政組織の外」とする考えを改め、国の行政組織の中の一つであり、行政の事務事業の効率化、サービスの質向上のための運営組織とすべきであると考える。
  すなわち、独立行政法人は内局、外局からは独立した組織であり、その事務事業が中期業務計画をつくりうるもの、運営において自律性、自主性が必要なものの行政組織と規定すべきである。この効率化のための新しい行政組織との考えは、国民が求める行政の効率化、透明化に応えるものと考える。
(5) さらに、これまでの独立行政法人に関わる議論では問題が未だ多く残されている。実施事務を区分し、それを独立行政法人に委ねる場合には実施事務に企画立案が残らざるを得ないこと、また運営費、固定的投資経費を国から交付される場合に財政民主主義の関連から独立性をどう保障するか、独立行政法人の業務に対する主務大臣の責任はどうなるかなど、議論を深めるべき課題は多い。これらは、独立行政法人を「国の行政組織の中の一つ」とすることで、解決策を見いだすことができると考える。なお、これらの問題点については今後さらに議論を詰める必要がある。
2.独立行政法人の職員の身分について
(1) 以上の考えにより、独立行政法人は国の行政組織の一部であることを国家行政組織法において定めることとする。
(2) この国家行政組織法の改正により独立行政法人の職員は、国家公務員法が適用されることとなるが、その職員の職は一般職とする。
(3) 独立行政法人の職員の任命権者については、主務大臣および主務大臣から委任を受けた独立行政法人の長とする。
(4) 独立行政法人の職員が中期業務計画等により独立の行政組織として事務事業に従事するなど「その職務と責任の特殊性に基づき」(国家公務員法の付則13条)、賃金等の労働条件の決定のあり方については、「独立行政法人労働関係法」および「独立行政法人の職員の給与等に関わる特例法」を定めて決めることとする。
(5) 独立行政法人の賃金等の労働条件の決定のあり方は、「国営企業」の場合と同じように労働協約権を与えるものとする。またILO87号条約を踏まえ争議権の付与を検討することとする。
3.独立行政法人の制度設計に関わる幾つかの問題について
(1) 運営評価委員会の委員に労働組合代表を加えることを明示すべきである。
(2) 独立行政法人の「見直し」においては関係労働組合と事前協議を行うことを定める。
(3) 運営評価委員会については、各省庁ごとの設置は問題があり、内閣府または総務省に設置すべきである。


別紙3

独立行政法人と関連法令との関係

(平成9年10月24日 渡辺恒雄委員)

△第一種独立行政法人は、独立採算を原則とする。これによって

(1)国から給与を受けない特別な地位の国家公務員として、その給与は法人の長の裁量による。従って総定員法からその定員をはずし、定員令も適用しない。但し、毎年単年度ごとに、その実員数を主務大臣、第三者による評価機関及び国会に報告する。身分保障は国公法並とするが労働三権は与える。

*「事務局案」の(3)争議行為の禁止に示された憂慮は現実的でないので 「暫定的に争議行為を禁止する」ことは必要ではないと思われる。

(2)企業会計原則を導入し、財政法3条、12条、42条は適用しない旨、新規立法もしくは法改正する。

*財政法3条=国が国権に基づいて収納する課徴金や独占的事業における専売価格、専売料金については、すべて法律または国会の議決に基づいて定めなければならない。

*同法12条=会計年度の独立

*同法42条=経費の繰越費用の制限

*国営企業職員給与特例法5条で「歳入増や経費削減の一部を特別の給与として支払える」との特例もあり、これをさらに緩和する。

*単年度会計主義を廃止、内部留保を認める。

*造幣、特許、登記等は国権による独占事業で、手数料などは税に近い性格を持つと見られる面もあるので、あらかじめ財政法3条の適用除外としておく。

*郵政三事業中、郵便事業は一部独占性があるが、民間の宅配便の参入、また将来信書等についても、民間の新規参入の可能性があり、郵貯、筒保は民間との競争関係にあるので郵政三事業は「国権による完全な独占事業」とは言えない。

*認可法人の日本銀行は大蔵省よりも強力な金融行政を掌るなど国家的業務を行っている。しかし、身分はみなし公務員、労働三権あり、定員管理規定なく、給与の基準は日銀が独自に定めるなど、大幅な裁量権が認められている。国民は日銀を民営と認識しておらず、国家機関の一部と認識しているとみるのが常識であろう。日銀発足の特別な事情はあるが、以上の現実は否定できない。これは独立行政法人の新設に関し参考になる。
 なお日銀法は第2条で「日本銀行ハ専ら国家目的ノ達成ラ使命トシテ運営セラルベシ」とあり、第19条で「日本銀行職員ハ、コレラ法令ニヨリ公務二従事スル職員トミナス」とされている。

*第一種行政法人は労働三権は与えられるが服務、刑罰関係は国公法を適用する。


△第二種独立行政法人は、その事務の性格上、完全な独立採算が不可能であり、将来事務効率をあげ、自主、自発的な努力により独立採算に近づけることとするが、当分の間、国からの一定の補助が必要である。従って、独立採算に至るまで当分の間、国家公務員法の大部分を適用するが組織としての効率及びサービスの向上、職員の労働意欲へのインセンティプを与えるため、給与については法人の長が給与準則を定める。労働協約の実施に関し、労使韓渉不調の場合は中労委の裁定に持ち込むこととする。
また第二種独立行政法人が独立採算をほぼ達成した時は労使合意の上、第一種独立行政法人に転換できることとする。


△国家公務員法の改正私案
<A案>
国公法第2条3項特別職の「十七」として「独立行政法人職員」を加える。また同条5項に「特別職のうち、独立行政法人職員については独立行政法人法を適用する。」旨を追加する。

<B案>
国公法第2条1項「国家公務員の職は、これを一般職、特別職、独立職に分かつ」と改正
同法第2条5項に「独立職国家公務員には独立行政法人法を適用する」と追加改正する。


△独立行政法人の新設についての法制上の諸問題はすぐれて立法政策上の問題であって既存の法制との整合性のみを優越させれば、この制度の構築は不可能である。この制度の構築は今次行政改革の重要な骨格であり、これに要する立法が既成の法令に優越するものとすることには違憲、違法性はない。


別紙4

河川行政と道路・都市行政の関係について

T 河川行政が道路行政、都市行政と一体でなければならない具体的論拠について

我が国の国土は、急峻な脊梁山脈が列島を縦断しているため、平野部は狭く、河川は急流であり、地震や風水害等による自然災害が絶えないという、厳しい地形的・自然的条件にある。
その中で、諸外国に伍して活力ある経済・社会活動を維持し、豊かな社会を築いていくためには、将来にわたり、厳しい国土条件を克服して、国土の安全かつ合理的な利用を実現することが最も重要な国家的課題の一つである。
・我が国の平野の大部分は、河川が運んだ土砂が堆積して形成された沖積平野であり、いわば河川の氾濫区域そのもの
・国土の10%に過ぎない氾濫区域に、人口の50%、資産の75%が集中

【河川行政と道路行政の一体性】
 限られた国土空間を最適・合理的に利用するためには、国土基盤整備に関する行政、とりわけ河川行政と道路行政が、互いに協調・協働することが不可欠。

1)河川と道路は、ネットワークとして、国土の隅々に張り巡らされる最も普遍的な国土利用の共通基盤であり、河川行政と道路行政という2つの行政分野が中心となって国土基盤整備を協調・協働しながら進めることで初めて、限られた国土空間を最適・合理的に利用することが可能となる。
・河川行政……水害や土砂災害等に対し安全な国土の空間を生み出すとともに、諸活動に必要な水資源の開発と利用を進めるもの
・道路行政……国土の移動可能な空間を拡げ、地域・都市の骨格を形成するとともに、生活空間を整備するもの

2)我が国においては、地形上の制約から、地域を結ぶ重要な道路が山間を縫うように河川と近接して存在していることが多く、道路の安全性を確保するため、河川改修や土砂災害対策が不可欠な状況にある。
 また、河川には多数の橋梁が架けられているが、その架設・架替は、河川行政と道路行政の密接な連携により行われている。

3)限られた国土空間を有効に活用し、事業を円滑に効率よく進めるため、河川と道路が一体となった事業が行われている。
・堤防を利用した道路整備(直轄で管理している河川堤防の4割は道路との兼用工作物)
・環状道路と放水路の一体的整備 など

【河川行政と都市行政の一体性】
 地域づくりやまちづくりにおいて、河川行政は欠かすことのできない基本的な要素。

1)地域計画や都市計画によって具体の土地利用を進めるに当たり、洪水の防止や生活用水の確保は、最も基本的な計画課題の一つとなっている。
 実際に、河川事業の9割以上は人々の生活する市街地の安全確保や災害防止のために行われ、建設省所管ダムについても、開発水量の84%は都市用水(生活用水及び工業用水)となっている。

2)都市計画事業として行われる市街地開発事業においては、道路、公園、下水道などの関連事業との調整が必要となるが、中でも治水対策は開発の成否を左右することから、河川との調整は最も早い段階から行われている。その結果、開発に対応した河川改修やがけ崩れ対策など、必須の措置を講じている。
・民間の宅地開発については、開発事業者が、河川計画等と調整しつつ、治水上の的確な措置をとることとされている。(都市計画法による開発許可の基準)

3)都市地域においては、河川行政もまちづくりと一体となって、都市行政と極めて密接な連携を図りつつ進められている。
・公園等を利用した雨水貯留・浸透、下水道整備、河川改修等の一体化による総合的な治水対策の実施
・大洪水でも破堤しない幅の広い高規格堤防[スーパー堤防]の整備(堤防の整備に当たっては、まちづくりの中で宅地の嵩上げ等を実施) など

【河川行政を一体的に担うことによる実務上の効率性】
 国土を面的にカバーする公共施設である河川と道路を、国、地方を通じて平素から一体的に管理しているからこそ、災害時の的確な対応が可能。
 また、これらの施設の整備・管理の経験等を基に、用地補償基準、積算基準などの公共事業に関する共通課題に総合的に取り組んできているところ。

1)現在、河川行政と道路行政は、国だけでなく、都道府県から市町村に至るまで、一体的組織で担当している。

2)災害時の迅速かつ的確な対応には、河川行政と道路行政の中枢から現場までが同一の指揮命令系統の下で緊密な意思疎通を図りながら、一体となって取り組む体制が確保できることが重要である。

3)水害や土砂災害が頻繁に発生する我が国においては、被災・復旧の対象である河川と資機材搬入路等として復旧活動の要となる道路を担当する組織が一体となることが必要不可欠である。
 また、河川と道路がともに被災する複合災害も多く、迅速な復旧のためには、河川・道路が一体となって対応する必要がある。

4)各公共事業主体を通じた統一的な用地補償基準、技術基準、積算基準の作成などの公共事業に関する共通課題については、これまで普遍的な一般公共事業である河川、道路に関する経験を基に、総合的に取り組んできている。

5)以上のような状況の中で、河川行政を分離すると、これらの対応が困難となり、行政の効率性が著しく阻害されるおそれがある。
U 国土保全省において河川行政を一体的に行うことについて

【国土保全省との一体化について】
 河川行政を、農林水産行政を担当する「国土保全省」に一体化するメリットは少なく、河川行政を道路行政や都市行政等と切り離すことのデメリットの方がはるかに大きい。

1)河川行政は、治水行政(砂防行政を含む)、水資源行政、利水行政、海岸行政を体系的に担っており、現行組織形態の下においても、水行政をほぼ包摂している。

*港湾、漁港、干拓地に係る海岸管理については、それぞれの施設との関連で行われている。

2)河川は、上流から下流まで、「水系一貫」の原則に基づき、都市、農山村を問わず、国土全体の合理的な利用の実現の観点から、流量管理、土砂管理を軸に総合的な管理が行われている。
・河川行政においては、流域全体のバランスを総合的に考慮しながら、相互に利害が対立することの多い上流対下流、右岸対左岸、様々な利水者間などの関係を調整することが極めて重要。このため、上下流、本支川、左右岸を一体的に管理する「水系一貫」の原則を採用
・特に、我が国の河川は急勾配で、多量の土砂を含んで流れるため、上流において砂防による土砂管理が河川の機能を維持するために不可欠

3)農林水産行政と河川行政の接点は、主として利水者として水を利用している点にあるが、利水者の利害と水利権の許可権者の立場とは相反しており、むしろ、農業用水の利水者に係る農林水産行政と河川行政が一元化すると、河川管理者が河川水の配分、水利使用の調整を行うに当たって、公正中立の立場を貫きにくい。
・自然な状態で河川に流れる流量については、その大半が農業用の慣行水利権に基づいて使用(都市用水への転換を図ることが大きな課題)
・渇水時には、比較的余裕のある既得水利権者である農業用水等の理解を求め、ひっ迫する生活用水に回す必要。各利水者の利害が対立する中、中立的立場で流域全体の利益を考えて公平な調整を行うことが不可欠

4)なお、河川事業費のうち、ほ場整備と関連して実施しているものは5%に満たず、また、建設省所管ダムの開発水量のうち農業用水は16%に過ぎないところであり、事業実施面においても、農業との関係は薄い。

【治水行政と治山行政の一体化について】
 治水行政と治山行政を一体化することのメリットは限られたものであり、これと比較すれば、治水行政と道路行政や都市行政等を切り離すことのデメリットの方がはるかに大きい。

1)治山事業と治水事業の一環として行われる砂防事業は、類似しているように見えるが、全く目的の異なった事業である。
・治山事業……森林の造成・維持のために戦後始められたもの
・砂防事業……土砂管理によって河川の機能を維持するとともに、下流部の人家や幹線道路等を土砂災害から守るために治水行政の一環として明治以来行われているもの

2)治山事業と砂防事業は、目的も事業箇所も異なるため、砂防事業と治山事業を一体化させるメリットは少ない。

3)治山事業によって造成・維持される森林には、土砂流出防止、洪水抑制や水源涵養の効果が認められるものの、河川行政が対象とするような大規模な洪水や渇水に対しては、ダム等の河川施設や砂防施設に替わる機能を期待することは難しい。
・我が国の森林率は約7割と非常に高く、これ以上に森林面積の増加を図るには限界


別紙5

環境行政の範囲と機能
1.任務についての考え方
 環境安全省(仮称)の省の任務は、「環境を人間にとって良好な状態に保持すること(=環境保全)」とすべきではないか。
(注)「安全」機能についての考え方
○「安全」という概念には、国防、治安、防災、交通安全、消防、健康安全等々、様々な機能が含まれるが、環境安全省(仮称)が担うべき機能は、どのような観点からの安全機能であるべきか。
○「環境」という観点を離れて、「安全機能」を付与することは、他省の機能との重複や新たな縦割を生ずることとなるのではないか。
○この省の本来的任務や今後の発展方向等を踏まえると、安全機能としては「環境の安全」という機能を付与すべきではないか。(この機能は、いわゆる環境保全という概念に含まれるのではないか。)
2.環境行政の範囲及び機能についての考え方
これまでの議論及び以上の論点を踏まえて、今後の環境行政の範囲及び機能の在り方について整理すると、次のとおりとなるのではないか。
環境に関する行政と環境安全省(仮称)との関わり方については、次のように整理されるのではないか。
1)環境安全省(仮称)のみが所管する制度・事務事業:環境保全を目的とする制度・事務事業については環境安全省(仮称)の所管
2)環境安全省(仮称)が共管する制度・事務事業:環境保全をその機能の一部とする制度・事務事業については、環境安全省(仮称)と他省との共管
3)環境安全省(仮称)の所管ではないが、環境保全の見地から同省が勧告等による関与を行うことが必要な制度・事務事業:環境に影響を及ぼすと認められる制度・事務事業については、環境保全の見地から、環境安全省(仮称)が勧告等により所要の関与
以上について、さらに具体的に整理すると、次のとおりとなるのではないか。(別紙1参照:添付略)
(1) 環境安全省(仮称)のみが所管する制度・事務事業
○環境保全を目的とする制度・事務事業については環境安全省(仮称)の専管とする。
−環境保全を目的とする制度・事務事業であって、従来、個別の業所管、物資所管等の観点から、各省に縦割りで所管されているものについては、環境安全省(仮称)の所管に一元化する。
[検討対象(例)]
*1 廃棄物、化学物質等の審査製造規制、オゾン層保護、CO2排出抑制(基準等)
*2 公害健康被害の補償等、特定有害廃棄物等の輸出入等規制(貿易管理に関する所管を除く)、野生動植物の種の保存 等
*注1.ここに掲げた例は、精査を経たものではない。また、広範に御議論いただくため、あえて幅広に取り上げたものである。
2.現在、制度が存在するものではなく、今後、国際的な動向を踏まえて、具体的に検討すべき課題である。
(備考)環境安全省(仮称)の所管となる原生林等
  森林は、国土保全機能・自然環境保全機能等の公益的機能を重複して保持。このうち、自然性の高い森林・重要な動植物が生息する森林については、自然の状態を保つことが国土保全機能とも合致するが、環境安全省(仮称)の所管となる原生林等の範囲についてどのように考えるか。
(2) 環境安全省(仮称)が共管する制度・事務事業
○他の目的・機能を有する制度・事務事業であっても、その目的・機能の一部に環境保全が含まれるものについては、当該環境保全に関し、環境安全省(仮称)との共管とする。
○この場合、環境安全省(仮称)に係る要素としては、環境面からの基準、指針、方針、計画等の策定、規制等が考えられる。
−基準、計画、規制等について従来、個別の業所管、物資所管等の観点から、各省に縦割りで所管されているものについては、環境安全省(仮称)の共管となる。
[検討対象(例)]
*1 リサイクル、エネルギー
*2 森林保全、公害防止施設・設備整備、工場立地、海洋汚染防止、緑地保全、河川・湖沼、下水道・農業集落排水・浄化槽、放射性物質による環境汚染防止 等
*注1.(1)の注1.に同じ。
2.(1)のCO2排出抑制と関連。
(3) 環境安全省(仮称)の所管ではないが環境保全の見地から同省が勧告等による関与を行うことが必要な制度・事務事業
○環境安全省(仮称)の所管しない制度・事務事業であっても、環境に影響を及ぼすものについては、環境保全の観点から、環境安全省(仮称)が必要なチェックを行う。
 −具体的に該当する制度・事務事業は、広範に及ぶ。
(参考)環境基本法第19条
国は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境保全について配慮しなければならない。
○この場合、チェックの仕組みはどのようなものとすることが適当か。
現在、環境庁長官には、環境保全に関する重要事項についての勧告権が与えられているが、さらに何らかの仕組みを設けることが必要か。
(参考)環境庁設置法第5条
2 環境庁長官(以下「長官」という。)は、環境の保全を図るため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
3 長官は、環境の保全を図るため特に必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し環境の保全に関する重要事項について勧告することができる。
4 長官は、前項の規定により関係行政機関の長に対し勧告をしたときは、当該行政機関の長に対し、その勧告に基づいてとつた措置について報告を求めることができる。
5 長官は、第三項の規定により勧告した重要事項に関し特に必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し当該事項について内閣法(昭和22年法律第5号)第6条の規定による措置がとられるよう意見を具申することができる。
●環境行政(表)