−速報のため事後修正の可能性あり−

行政改革会議第38回会議議事概要
(集中審議第2日)

1 日時  平成9年11月18日(火) 13:00〜18:40
2 場所  ホテル ニューオータニ ももの間
3 出席者
(会議)
橋本龍太郎内閣総理大臣(会長)、小里貞利行政改革担当大臣・総務庁長官(会長代理)、芦田甚之助、有馬朗人、飯田庸太郎、猪口邦子、河合隼雄、川口幹夫、佐藤幸治(企画・制度問題小委員会主査)、塩野谷祐一、豊田章一郎、藤田宙靖(機構問題小委員会主査)、水野清、諸井虔、渡辺恒雄の各委員
(政府)
古川内閣官房副長官、田波内閣内政審議室長
(事務局)
水野事務局長(再掲)、八木事務局次長
4 議題
最終報告に向けた改革案について(討議)
ア 新たな中央省庁の在り方(続き)
イ 行政機能の減量(アウトソーシング)、減量化等
ウ 公務員制度の改革

5 会議経過

(1) 「外局」について、以下のとおり意見交換が行われた。

・林野庁については、他の現業と一括して後で議論すべきであるとの発言があり、了承された。

・資源エネルギー庁の扱いについて、たたき台は政策庁の下に実施庁を位置づけるものであるが、それでよいかとの問題提起があった。これに対し、1)制度的に可能ならそのようにしてよい、2)政策庁の外局として実施庁を置くなら政策庁を内局とすべきである、3)現在でもそのような例(防衛施設庁)がある、4)それは防衛施設庁のみであり、沿革からくる極めて特別な例とされているのであって、一般論としてはおかしい、5)新たに設置する外局は実施庁に限るというのが行革会議の方針であり、外局としては政策庁のみが実施庁をその下に置き得る、との発言があった。関連して、1)外局に外局を設置できるようにすれば金融監督庁が企画機能も担うこととなったときに活用できる、2)企画と実施の分離を徹底する意味では有益である、3)資源エネルギー庁は原子力も所掌するので、その規模からして内局化するのは困難であり外局を置く意味がある、4)政策庁の外局たる実施庁については別の名称を考えるべきである、等の発言があった。

・政策庁に実施庁を置き得るとの制度設計は、説明上無理があるのではないかとの発言があった。これに対し、1)エネ庁はかつてエネルギー省構想も取り沙汰されたような事務を取り扱うものである、2)責任者として局長以上の者を置く必要があると当該部門は望んでいる、3)政策庁は説明しにくいものであり、水産庁にしても港を作りながら条約を扱うこととなっている、4)政策庁たる文化庁の存続はあくまで例外として認めたものであったが、これにより他の現行の庁も政策庁として存続したいと強く主張するに至っている、等の発言があった。関連して、1)政策庁になり得るのは現存する庁だけである、2)エネ庁に外局を置くのは、外局に政策立案機能を持たせる中でも、企画と実施を分離するためであるとの発言があった。

・資源エネルギー庁において政策立案を行うとなると原子力も所掌することになるが、文部・科学技術省でも所掌する部分があり、両者の線引きを明確にすべきであるとの問題提起があった。これに対し、行革会議においてすべての組織・機能の厳密な線引きを行うことは無理であるとの発言があった。

・以上の議論を踏まえ、資源エネルギー庁の企画立案部門は、理論的には内局とすべきであるが、その扱いについては、たたき台のとおりとするとの取りまとめがあった。

(2) 「評価機能の充実強化」について、事務局によるたたき台の説明の後、以下のとおり意見交換が行われた。

・会計検査院が評価機能を担うには、法改正が必要であり、現行法では手が出せない状況にある旨指摘があった。これに対し、1)努力を要請するだけでは不足ではないか、2)制度上評価機能を担い得るようにすべきである、3)会計検査院も評価機能を担いたいと考えている、等の発言があり、法改正も含めて対応という趣旨の文章に改めることとされた。

・総務省に公共事業の費用対効果の事前評価機能を付与することに関し、そうした技術面の評価を総務省という機関に担わせるのは困難ではないか、との発言があり、関連して、1)評価には経済分析の素養が必要であり、内閣府の経済調整部門が行政監察部門と連携して評価を行うべきである、2)細部については会計検査院で行い、マクロ的な分析評価は内閣府で行うことが望ましい、一例として経済白書は本来、政策を評価し政策課題を抽出するものであり、両者を発展させることが重要である、との意見があった。これに対し、1)内閣府が個別の公共事業についての評価を行うのは違和感がある、2)公共事業の事前評価は行政監察部門と会計検査院に新たな機能を付与して行うのが望ましいが、総務省では評価の基本となる推定交通量の確度等の経済的問題については評価能力を持たないのではないか、3)どこが評価を行うとしても個々の公共事業すべてについて事前評価を行うことは不可能であるが、評価の権能の行使の仕組みについては、工夫の余地があるのではないか、との指摘があった。

・各省で行う政策の自己評価と全体を通じて行う評価の関係はどうなるのかとの発言に対し、両者はそれぞれ独立したものであるとの発言があった。

・以上の議論を踏まえ、公共事業の選定における費用対効果分析の重要性にかんがみ、政府におけるその仕組みの確立と実効性確保について、政府全体を通じる行政評価・監察を行う立場から、その機能を十分活用することとされた上でたたき台が了解された。

(3) 「審議会等」について、以下のとおり意見交換が行われた。

・パブリックコメント制度について、より適切な日本語があれば修正すべきとの意見があり、検討することとされた上でたたき台が了解された。

(4) 「特別の機関」及び「今後の課題(行政審判庁構想)」については、たたき台が了承された。

(5) 「行政機能の減量(アウトソーシング)、効率化等」について、事務局によるたたき台の説明の後、以下のとおり意見交換が行われた。

・「基本的な考え方」については了承された。

・林野事業及び造幣・印刷事業については、郵政事業の在り方とも関連することから、郵政事業の在り方と合わせて後ほど検討することとされた。

(6) 「独立行政法人」の制度設計について、事務局によるたたき台及び資料(別添資料6)の説明の後、以下のとおり意見交換があった。

・独立行政法人の制度設計について、了解の得られていない職員の身分問題に限定して議論したい旨発言があり、了承された。

・独立行政法人の身分として旧三公社の職員と同様な位置づけもあり得るとのことだが、これはみなし公務員のことかとの質問があり、これに対し事務局より、みなし公務員とは刑罰について公務員と同等の扱いを受けるという意味である旨説明があった。

・制度設計につき、たたき台どおりでいいのではないかとの意見に対し、このたたき台は今日初めて目にするものであり、これでいいかどうか判断するのに3日くらいは必要との意見が述べられた。これに対し、1)このたたき台に書かれていることは、すべてこれまでの会議の場で出された議論であり、確認済みのものを整理し直したにすぎない、2)集中審議の日程は限られており、制度設計としてはこれ以上考えようがない旨説明があった。

・これまで身分問題については、事務局及び渡辺委員には御苦労いただき、いろいろ工夫がされてきたが、連合としては独立行政法人の職員の身分は国家公務員でということを主張してきたわけであり、選択制とはいえ非公務員という形が入ってきた、身分がかかっている人の受け止め方を聞かない限り、本日出された資料について軽々に判断できるものではない旨の意見が述べられた。

・非公務員型もあり得ることは既に了解された事項であり、本日初めての資料との指摘は当たらないとの指摘があった。これに対し、集中審議の2日目になって突然でてきた資料であり、持ち帰って議論しないと判断できない旨再度反論がなされた。関連して、1)意見を留保されたということでいいのではないか、2)反論は組織の責任ある立場という視点から述べられているものと思うが、必ずしも個別の組織の独立行政法人化の検討の問題と結び付ける必要はなく、制度論は制度論として議論すればいいのではないか、3)現在の特殊法人には独立行政法人になりたいというものもあろうが、身分が国家公務員類型だけだと独立行政法人になれないという問題があり、こうした視点も考慮すべきである、等の意見・提案があった。

・これまでの議論の途中で消えてしまったが、現在国家公務員である人はそのままの身分にし、新規採用者については非国家公務員にすることはできないかとの問題提起に対し、それは実現困難であるということで既に決着済みと整理がなされているとの指摘があった。これに対し、1)研究所の研究員の中には非公務員を希望している者もおり、独立行政法人化の結果としてこれらの職員が嘱託等の身分にしかなれないというのはおかしいのではないか、2)それは非公務員型の類型の独立行政法人を選択してもらうしかない問題である、3)しかし、個々の研究員で国家公務員身分を望む者がいるかもしれない、4)その点は組織単位で判断すべき問題である、との発言があった。

・新型公務員は給与の面でも弾力性を持たしたものと理解しているが、それでよいかとの質問があり、事務局より、そうした考えで差し支えないとの回答があった。関連して、独立行政法人にも独立採算でいけるものと国の補助が必要なものがあり、前者は給与を自分の組織で勝手に決めてもいいが、例えば博物館や美術館などは6〜7割補助を必要としており、このような場合は給与設定の自由度を与えることはできず、主務官庁が関与せざるをえないのではないかとの問題提起があった。これに対し、補助金が出ていても、認可された計画の中で効率性の向上やコストダウンが図られた場合などはその範囲で給料に反映させてもいいのではないか、との意見が述べられた。

・1)独立行政法人の職員の身分については、当初の議論では全く国家公務員ではなかったものを、皆が苦労してここまでもってきたものであるが、資料への反対は、選択制と言っておきながら結果的に非公務員とされてしまうことを懸念しているからか、2)制度設計の問題と予想される検討対象組織の問題とを直結させると議論が進まないので、両者は切り離すべきであるとの発言があった。これに対し、連合内部ではこれまでの公務員とする案をベースに議論しているのであり、今日出されたものは、議論の経過からすると新しいものと言わざるを得ない、出方が余りに唐突であり、何十万人もの人を背景に抱えた者としてはにわかに検討することは無理であるとの意見が述べられた。関連して、1)悩み苦しみは取りまとめの立場にある者も同じである。今までの議論の過程で独立行政法人の職員の身分について説明を受けてきたが、公務員と非公務員があるという議論はこれまでにもあった。制度論として処理できるものはここで処理し、対象組織・事業体との関係の問題は後で別途議論すべきではないか、2)制度が決まれば具体の適用について案を提示する用意があるが、今日のこの時点で制度論すら出来ないとなると大変なことになる、制度論を整理することが具体の適用の議論の場面で委員を拘束するものではないのであるから、できるだけ協調してほしい、等の発言があった。
また、この案の出され方が唐突であるとの意見に対し、1)今まで議論してきた内容であり、一体どこが唐突なのか、国家行政組織の内か外かという議論をし、外ではあるが新法で独立行政法人の公的性格を示すという議論もしてきた。唐突過ぎるなどといわれるものではない、2)国家公務員の概念を広げて新しい法体系に備える準備をしていると聞いており、国家行政組織の内か外かで目くじら立てる必要はないのではないか、3)内容はこれまでさんざん議論されたものであり、唐突な案であるとの主張は理解できない。事前配布された資料ではないという手続論ではないか、等の意見・発言があった。これに対し、確かに議論はしてきたが、先程も述べたように3つの案の中で決着させると思っていた、議論の引き延ばしを図っているわけではないので、不本意ではあるが意見を留保した上議論に引き続き参加する旨が表明された。なお、その際、留保は、資料の出し方という手続面だけでなく内容面も含めたものである旨表明があった。

・以上を踏まえ、議論の整理として、基本的に独立行政法人の職員の身分については、委員の一人が意見を留保したということを確認の上、資料の内容が了承された。なお、特殊法人と独立行政法人の関係については制度設計の補足であり、たたき台を了承したい旨提案があり、了解された。

(7) 独立行政法人の具体的対象業務について、事務局によるたたき台の説明の後、現行の外局であって独立行政法人とするか否か整理が必要な社会保険庁、特許庁、気象庁について以下のとおり意見交換が行われた。

(社会保険庁)

・社会保険庁については、業務の性格上外局とすべきである。理由としては、1)社会保険は国税と並ぶ公課であり、国税、地方税に続いて差押をすることができるもので、国の徴収権限に基づき行われるものである、また、2)健康保険組合は民間でも強制徴収権を持っているとの以前の指摘については、健康保険組合は大企業が運営しており、そもそも強制徴収の必要がほとんど生じないのに対し、社会保険庁は中小企業に対し強制徴収を実施しており、年間差押件数は1万4千件に及んでいる。健康保険組合では強制徴収のためには、その都度、主務大臣の許認可が必要であり、一件当たり数センチの書類を準備しているが、このような条件では、中小対象では非効率であり、また不可能である、との意見が述べられた。

・強制徴収の面は分かるが、部分的に独立行政法人化できるものもあるのではないかという意見が述べられた。これに対し、国税は徴収すればそれで終わりだが、社会保険庁は徴収した後も40年から50年にわたり資料を保管し、将来の給付開始に備えねばならず、国民が政府を信頼すればこそできることだとの説明がなされたところ、政府だけが信頼できるというようなことでは改革などできないとの反論がなされた。

・1)徴収後の管理事務などは独立行政法人でできるのではないか、2)資料保管、給付等について法律できちんと規定しておきさえすれば問題ないのではないか、との意見が述べられた。これに対し、法律を作ればやれるというのは法学的思考であり、社会保障制度の重要性を考えなければならない、比較感覚が重要であるとの反論がなされた。関連して、他の国はどのようにやっているかとの質問があり、国が実施しているとの回答がなされた。

・社会保険庁が独立行政法人化できなくなると、特許庁及び気象庁の独立行政法人化も難しくなるが、社会保険庁の所管する年金制度の収支見通しはどうなっているのかとの質問があった。これに対し、これまでのルールに従っていくと仮定すれば、今後少子高齢化に向かっていく中で、将来の再計算まで含めれば赤字になるのは明白であるとの説明がなされた。

・以上の議論を踏まえた上で、社会保険庁を含め外局の取扱いについては総理に確認してもらうこととされた。

(特許庁)

・行政審判庁が出来て、特許庁の審判機能がそちらに移行することとなれば、独立行政法人化の可能性もあるが、現段階で審判機能を国から離すことはできないので、独立行政法人化は難しいとの意見が出された。

(気象庁)

・長期予報は、景気に影響があるのに、当たった試しが無い。国がやるから信用があるというが当たらないのだから信用も何もあったものではない。公権力をもってやる必要があるというのは問題ではないかとの意見が述べられた。これに対し、本件は基礎的な情報の収集を国がやるかどうか、国際的並びについてどう考えるかという議論ではないかとの発言があった。

・1)気象庁を独立行政法人化すると世界気象機関の中で日本の気象庁だけが国家から離れることになる、2)気象観測は危機管理と直結している面があり国家が直接管理する必要がある、3)他国では軍事予算で大規模観測をやっているが我が国にはそれはない。しかし、国として日本に大規模観測を残す必要がある、4)地球的規模の観測が重要になる中、国の政策的重点化が反映されるべきである、という4点にかんがみ、気象庁は独立行政法人化すべきではなく、組織としては現状を維持し、むしろ機能を強化すべきであるとの意見が述べられた。これに対し、それを独立行政法人でやることに問題があるのかとの意見が述べられたところ、基礎情報の収集組織は国家にあるべきとの反論がなされた。

・米国では天気予報が商品になっていること、狭い範囲の地域の天気図がよく売れていることなどをかんがみるに、採算性のない地震観測以外は独立行政法人化できるのではないか、商業ベースの業務への展開が遅れているのは気象庁がお役所だからではないかとの意見が述べられた。これに対し、それは部分的な話で気象庁本体の話ではない。外局として残すなら、民間委託等を積極的に進めるとともに定員の縮減等を課してスリム化、効率化を図るべきではないかとの意見が述べられた。

・以上を踏まえ、基本的には独立行政法人化は難しいが、外局にしても民間委託あるいは定員削減等を進めるべきとの整理がなされ、これまで議論した3つの外局については、一通りすべて議論が終わった後にもう一度もどって議論することとされた。

(8) 本日午後1時30分より行われた与党行政改革協議会での郵政三事業の扱いに関する確認事項(別添資料7参照)について事務局より説明があった。関連して小里会長代理より、与党各党にはそれぞれの事情があり、また近々与党案も参考にして政府の統一見解をまとめる予定であるので、そうしたことを念頭に審議を進めていただくことが効率的ではないか、との発言があった。これに対して、与党三党の確認事項は重く受け止めるが、郵便事業の国家独占を定めた郵便法5条の削除とともに、郵便貯金を完全自主運用すると国が大赤字を出す恐れがあるが税金で穴埋めするわけにもいかないため、国家保証を定めた郵便貯金法3条を削除することを条件としてはいかがかとの意見があった。また、事務局より、与党としては独立行政法人の制度設計については行革会議と歩調を一にするとの確認があった旨紹介があった。

(9) 引き続き独立行政法人の具体的対象業務に関し、たたき台に沿って、個別の機関及び業務ごとに以下の意見交換が行われた。

・直轄公共事業については、独立行政法人化するとすれば港湾及び空港等が対象と考えられるとの発言があったが、地方支分部局の在り方と合わせ議論することとされた。

・航空管制については、運輸省では難しいと言っているが、米国の実例も参考にできるので、独立行政法人にできないことはないのではないか、との意見があった。これに対し、1)有事の際の対応があるので、慎重に考えるべきである、2)従前の会議で総理が独立行政法人化は難しいと発言された経緯もあり、引き続き検討とすべきであるとの発言があった。

・雇用保険・労災保険については、1)徴収事務の一元化を図る必要がある、2)10兆円もの資金の運用はもっと公正、透明に行われるべきであり、そうした観点からも独立行政法人にすべきである、3)これと関連する社会保険庁の在り方についてまだ結論が出ていないこと、また労災保険は職業紹介と密接不可分の関係であり、職業紹介の在り方について結論が出ていない、等の意見があり、引き続き検討の扱いとすることとされた。

・登記・供託については、1)その公権力性を理由に独立行政法人化に反対する声はあるが、公権力性は法律によって与えられるものであり、公証人の例もあることから行使の主体が国家である必要はない、2)その意味では独立行政法人化し得るが、もっと独立行政法人にふさわしい業務が圧力団体の存在ゆえに国に残るという状況があるとするならば、当会議としてはバランスを考えるべきである、3)地方法務局支局の職員は登記業務以外の国の事務を兼務しているため、登記だけを独立行政法人にし得るかという、実態からくる問題もある、等の意見があり、他との並び等も考慮する必要があることから、引き続き検討の扱いとすることとされた。

・統計センターについては、統計はそれぞれの省の政策目的から離れてはいけないものであり、総務庁になるべく集めてから外部化するという独立行政法人化はかえって非効率であり、今の規模、やり方のままでよいとの意見があった。

・博物館・美術館については、1)運営については、入場料収入だけで賄えるものではないので、国の補助が必要である、2)国の規制で入場料金が抑えられているため、需給バランスがとれておらず過度の混雑を招くという面もあるので、独立行政法人化してある程度市場原理が働くようにすべきであるとの意見があった。以上を踏まえ、独立行政法人化するとの取りまとめがあった。

・国立病院・診療所については、1)身分を公務員とし、国が資金を供給するのであれば自由度の高い組織とすべきではないか、2)4つのナショナルセンターについては国家戦略であるとともに、とても研究費を診療収入で賄うことは無理という面からも国がやるべきである。それ以外の国立病院については厚生省が民間、地方に移譲・売却を進めているが、独立行政法人にするとかえって売却のチャンスを逃がすという考え方もある一方、そうも言っていられないのであれば、これらは独立行政法人にしてしまうという考え方もある、3)国立病院は国家政策であって、危機管理と国際関係にも関係するものであること、戦略医療を行っているものであって民間ではできないものであること、社会保障制度(包括支払等)の実験の場でもあること等から国営を維持すべきである、4)ナショナルセンターをトップとする三層構造(国、ブロック、都道府県)の国立病院の医療ネットワークは最新の情報システムで結ばれ、国の宝ともいうべきものであり、独立行政法人化によってこれを分断するようなことはすべきではない。ブロック別の専門医療施設もナショナルセンターと同様の治療を各地で提供するという使命を担っており、所管大臣がその施策に責任を果たせるよう国立を維持すべきである、5)独立行政法人も国立であり、そうした責任は果たし得る、6)国立病院の再編計画については幾度も閣議決定がなされているにもかかわらず、それが実現していない。一般的に国立病院は組合の力が強いので経営がやりにくく、最新の医療を提供しているというイメージとはほど遠いし、厚生省も再編計画はあるものの実際には買い手もつかず苦労している、7)どうしても独立行政法人化するなら都道府県以下の層だけにすべきである、等の意見があった。関連して、政府側出席者より、国立病院といっても千差万別である、また現在では組合もそれほど経営に非協力的ではなくなっている、むしろ現場の心配は独立行政法人化によってナショナルセンターとの医療の交流がなくなり、活力が失われるということであり、ネットワークから外れる病院をどうするかについて悩み深い、さらに国立病院の売却については、組合の反対というよりは、地域から国立病院がなくなるということについての地元の感情面からの反発が強いことなど、現状についての説明があった。さらに関連して、1)独立行政法人といっても国が面倒をみるケースは考えられるし、むしろ医者は自由な裁量を持ちたいと思っているのではないか、2)全体を独立行政法人化してもネットワークの維持は可能である、3)独立行政法人化によって、沈滞している国立病院の現状を打破できるのではないか、との意見があった。以上を踏まえ、国立病院・療養所については、ナショナルセンターを除き、ネットワークの機能を阻害しないよう配慮しつつ、独立行政法人化の方向とするとのまとめがあった。

・貿易保険については、通産省は独立行政法人化してもよいとの意向と聞いているとの発言があったが、総理にお考えがあるようであるとの指摘もあり、総理に意見を求めることとされた。

・食糧事務所については、検査員を農協や穀物検査協会に委託し、人員も減らしているという発言があり、本体の独立行政法人化については引き続き検討とすることとされた。

・自動車検査については、1)オーナー車検という制度でユーザーが直接車検場に車を持ち込むことができるが、その数の割に設備・人員が膨大なものとなっている、2)オーナー車検は規制緩和の結果出てきたものである、3)大半は民間の車検場で検査ができる、等の発言があった。以上を踏まえ、車検は独立行政法人化することとされた。

・職業紹介については、1)その役割は底辺を支えるものであり、国として実施すべきものである、2)雇用保険をもらいに来る人に職業を紹介するという機能もあり、同保険とも一体であり、これだけを独立行政法人化するのは不適当である、等の意見があった。関連して、事務局より、以前独立行政法人化についての支障とされていたILO88号条約について、同条約は public officialsがその職につかなければならないと定めているとの説明があり、これに対して、1)独立行政法人の身分を公務員とするならば問題はない、サービスがなくなるわけではなく、何ら独立行政法人化の支障にはならない、2)現にオーストラリアでは来年から非公務員が事務を担当することとなっている、3)独立行政法人への反対は労働本省の局の存在を維持したいためではないか、4)職業安定行政は国で行い、その事業も直轄とすべきである、5)直轄事業とすべき理由が明確ではない、6)サービスさえ確保できるなら独立行政法人でもよいのではないか、7)労働省は職業安定所と労働基準局とを合併して地方労働局を置こうとしており、こうした状況下で職安を独立行政法人化するのは問題である、等の意見があった。以上を踏まえ、公共職業安定署は引き続き検討の扱いとすることとされた。

・国土地理院については、収入が支出にはるかに及ばないとの指摘はあったが、独立行政法人化することとされた。

・防衛施設庁の労務管理部門は昨日の会議で独立行政法人化が決まっているとの発言があった。

・国有財産管理については、1)企画立案を大蔵本省に残せば、実施部門の独立行政法人化は可能と聞いている、2)不動産管理と同じであり、民間委託すればすむのではないか、3)行政財産は各省で管理しており、本来はすべて一括して独立行政法人化すべきだが、今回は普通財産管理だけに限定されるのではないか、4)普通財産の管理は2,000人程度の要員である、等の発言があり、普通財産管理について独立行政法人化することとされた。

(10)民営化の可否について整理が必要なものについて、以下のとおり意見交換が行われた。

・アルコール専売について、民営化するとの合意がなされた。

・職域病院について、1)対象は印刷・造幣の診療所と逓信病院である、2)両者とも民営化すべきである、3)現業の取扱いとも関係するので両論とすべきである、等の意見が述べられ、引き続き検討とすることとされた。

・国民公園・国営公園の管理について、1)国営公園は地方分権の観点から地方に任せることはできないか、2)場所も遠く無理であろう、3)本件は規模も小さく、管理を民間に任せようとする民間委託の話であって、民営化の話ではない、等の発言・指摘があった。これを受けて、本項目は民営化の検討対象からは外すこととなった。

・食糧検査について、現在既に穀物検定協会へ業務を移す動きがあり、民営化に進みつつある、等の発言があり、既に問題が解決されつつあるとの取りまとめがなされた。

・工業標準実施部門について、JISの規格・適合検査等を民間に移譲すべきであるとの発言があり、了承された。関連して、農水省が所管するJASが項目として上がっていないが、どうなるのかとの意見があった。これに対し、委員間の議論で対象として取り上げるべきとのことであれば対象となるとの回答があった。

・国立オリンピック記念青少年総合センターについて、1)現在、ナショナル・センターとして利用されているので民営化は適当ではない、2)しかし独立行政法人化ならば考えられるのではないかとの発言があった。これを受けて民営化ではなく独立行政法人化の検討対象とすることとされた。

・北海道さけ・ます資源管理センターについては、例示から落とすことが確認された。

・登山研修所については、規模も小さく、検討対象から外すこととされた。

・以上の意見交換を受けて、結論の出なかった事項については、今後の政府において検討を願うこととなろうが、後刻総理の意向も聞いた上で扱いを決めることとされた。

(11)試験研究機関について、以下のとおり意見交換が行われた。

・直接行政活動に携わるものなどを除き、試験研究機関は原則として独立行政法人化すべきであるが、大蔵省の財政研究所、経済企画庁の経済研究所、農水省の農業総合研究所、通産省の通商産業研究所等の政策研究機関については、各省に残してほしいとの希望があるとの発言があった。関連して、1)文部省の国立教育研究所や国立特殊教育総合研究所も政策研究機関である、2)文部省は国語研究所と婦人教育会館のみが政策研究機関であると主張していると聞いている、3)厚生省にも政策研究機関がある等の発言があった。

・以上の論議を踏まえ、科学技術に関係する試験研究機関は独立行政法人化することで合意され、政策研究機関については、精査して結論を得る旨取りまとめられた。

(12)独立行政法人について、以下のとおり意見交換が行われた。

・財政法で定められている財政の単年度主義は、独立行政法人化した場合、どのような適用関係になるのかとの質問があった。これに対し、事務局より、国から独立行政法人に交付する資金については単年度主義とならざるを得ないが、それを受けた独立行政法人においては、例えば当該年度の予算を効率的に活用し、残余については翌年度以降、多年度に渡って使うことができるようになるとの説明があった。

・労働三権について、基本的には公務員であろうと非公務員であろうと付与されるべきであると考えるが、独立行政法人の職員についてはどうなるのかとの質問があった。これに対し、非国家公務員型の職員については、労働三権は与えられるとの指摘があった。

・民間においては、労使関係の重要な変更は労使協議をしているが、独立行政法人においても民間と同様に行われるのかとの質問があった。これに対し、非国家公務員型の法人であれば当然そうなるし、国家公務員型であっても、少なくとも現在の現業なみの協議は行われることとなるとの指摘があった。

・以上の論議を受け、たたき台の必要な修正を行うこととされた。

(13)「公共事業ブロック単位執行制度の創設」について、事務局より説明があり(別添資料8参照)、これに関連して以下のとおり意見交換が行われた。

・ブロック別の地方支分部局が公共事業実施に関する実質的な決定・執行機能を有するような仕組みを創設することには賛成だが、予算の計上についてブロック単位の一括計上はできないということなのかとの質問があった。これに対し、事務局より、編成時には本省に予算計上するが、予算成立後、各ブロック機関に予算を一括付与し、地方で一括して決定、執行できる仕組みである。それにより、自治体はブロック機関に出向けば済むようになるとの回答があった。

・今までは、本省にも地方出先機関にも予算要求の陳情をするという重複があったが、本案ではそのようなことをしなくても済むようになるのか、本省計上であれば、結局現状と変わらないではないかとの発言があった。これに対し、予算編成過程においてはブロック単位で域内の需要を聞いて本省にまとめて要求することになり、地方ブロックだけで完結するようになるとの回答があった。これに関連し、1)ブロック機関への権限委譲は公共事業関係省の巨大化の弊害防止策でもある、2)現行の北海道開発庁も持っていないような、県と県、事業と事業の間におけるブロックごとの調整費を多く持たせるようにすれば、現状よりも改善されて行くだろうとの意見があった。

・この公共事業ブロック単位執行制度が導入されるとなると、北海道開発局はどうなるのか、現状のままでもよいということになるのかとの発言があった。これに対し、北海道開発局には農水関係の予算も入っているとの発言があり、本件については国土2省との関係で議論することとされた。

(14)組織の整理・簡素化、定員の削減について、以下のとおり意見交換が行われた。

・局・課等の総数、定員の目標値について、数字の根拠何かとの質問があった。これに対し、事務局より、前回の会合における議論で大枠を設ける必要があるとの意見があったので、数字を抜きにした形でたたき台に盛り込んだものであるとの発言があった。これに対し、1)削減目標を掲げること自体は必要であり、積み上げで数字を出すのは大変だとしても、抑制のための目標数値でも許されるのではないか、2)政府において検討されているのであるから、その結果を待って盛り込むということでよいのではないか、との意見があった。これに関連し、政府においても政治的観点から鋭意検討を進めており、国民から見ても分かりやすいかなり思いきったものを出さないといけないと考えている旨の発言があった。

・以上の論議を受け、行革会議としても思い切った案を出すことになろうが、政府の取りまとめを見ながら進めることとするとの発言があった。

(15)公務員制度の改革について、事務局によるたたき台の説明の後、以下のとおり意見交換が行われた。

・国際的課題に取り組む能力の強化を図るため、海外の学位を取得した人材の採用の拡大等を進めるとあるが、海外の学位だけでなく日本国内の学位も重要であるため、「内外の学位を取得した人材」と改めるべきであるとの発言があった。これに対し、当該個所は中間報告の記載どおりであり、国際交渉に取り組む能力について論じているものであるので、原案を是非そのまま残すべきであるとの意見があった。

・上記の意見を受け、日本国内の学位の必要性にも他所において触れることとするが、この個所においては原案どおりにすることとされた。またこれに関連し、海外の学位の取得に関する記述を外務公務員試験の見直しと一緒に書くと誤解を招きやすいので、別に書くべきであるとの発言があった。

・一括管理について、省庁再編の機会をとらえ全面的に導入すべきとの意見があったが、一気に全体を対象として導入するのは困難であろうとの意見もあり、たたき台としては、管理職以上を対象として実施する構想を示しているとの発言があった。

・級別定数について触れないのかとの発言に対し、級別定数管理は公務員制度調査会も先送りしており、その議論にゆだねたいとの発言があった。これに対し、不満ではあるが、最終報告の段階であり、やむを得ないとの発言があった。

・今後、組織法の改正等が行われる際、最終報告がその実施段階において変質してしまうことのないよう、何らかの記述が必要であるとの発言があった。

(16)藤田委員より、論議の結果の報告が行われた後、以下のとおり意見交換が行われた。

・貿易保険について独立行政法人とすべきかとの質問があった。これに対し、通産省の通商政策局と貿易局を統合するとした場合の通商政策上の貿易保険の位置付けが問題となるものの、貿易保険の独立行政法人化には特に異論がない旨の意見が述べられた。これを受け、貿易保険も独立行政法人化の対象業務に加えることとされた。

・公務員制度に関し、先般の公務員制度調査会の意見を尊重すべきとの意見が述べられた。

・郵政3事業、印刷・造幣、国有林野の四現業、通信放送、国土2省、防衛庁(省)、財政・金融については、政治的判断を要する問題であるので、総理に一任することとしてはどうかとの発言があり、了承された。本件につき、会長より、一任事項の取りまとめに努力するが、まとめるに際しても助言を願いたい、また整理した段階において意見を頂きたいとの発言があった。

・公共事業のブロック単位執行制度の対象として、農林水産省の取扱いについて質問があり、この仕組みは建設省、運輸省のみでなく、公共事業を対象とするものであり、農水省も含まれるとの回答があった。

(17)11月19日は、17日及び18日の議論を踏まえて、たたき台の修文案の確認等を行うこととされた。

以上
(文責 行政改革会議事務局)

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