−速報のため事後修正の可能性あり−

行政改革会議第40回会議議事概要
(集中審議第4日)

1 日時  平成9年11月20日(木) 13:00〜18:00, 22:45〜22:50
2 場所  内閣総理大臣官邸 大ホール
3 出席者
(会議)
橋本龍太郎内閣総理大臣(会長)、小里貞利行政改革担当大臣・総務庁長官(会長代理)、芦田甚之助、有馬朗人、飯田庸太郎、猪口邦子、河合隼雄、川口幹夫、佐藤幸治(企画・制度問題小委員会主査)、塩野谷祐一、豊田章一郎、藤田宙靖(機構問題小委員会主査)、水野清、諸井虔、渡辺恒雄の各委員
(政府)
古川内閣官房副長官、田波内閣内政審議室長
(事務局)
水野事務局長(再掲)、八木事務局次長
4 議題
行政改革会議最終報告案について(討議)

5 会議経過

(1) 「論議の結果の整理(11/17・18・19)を踏まえたたたき台の修文等」(別添資料8参照)について事務局より説明があった後、以下のとおり意見交換があった。

・なお修文せよということではないが、世界に対して原子爆弾を製造しないこと等を表明している原子力基本法の運用等を総務省で担った方がよいのか、それとも内閣府で担った方がよいのかについて、政治的な側面からも議論した方がよいとの意見があった。

・以上の意見の後、別添資料8の内容について了承された。

(2) 食糧庁の扱いについて、事務局によるたたき台等の説明の後、これに関連して以下の意見交換が行われた。

・検査業務は既に民間に移譲しつつあるが、食糧庁にはその他に備蓄や輸出入等の業務がある。これらは実施というよりも重要な企画立案業務であり、それは庁を建てて取り組むべきものである、との意見があった。

・食糧庁では減反政策やそのための補償金に関する業務を行っているのか、との質問があり、これに対して、実際の減反は市町村や農協で行っているが、需給計画に基づく減反政策や予算措置等は食糧庁で行っている旨の説明があった。

・検査に携わる人員について質問があり、これに対して現在なお食糧検査官は4,000人を超えているが、かつては全量管理、全量検査であったものが、現在では全量管理は廃止されているものの、全量検査は変わっていない旨の説明があった。

・食糧庁としては、検査業務を穀物検定協会に移そうとしており、5,000人の減員に取り組んでいる最中であり、混乱を避けるため独立行政法人化は避けたいとの希望であると聞いているとの発言があった。これに関連して5,000人の減員は何年でやろうとしているのか、との質問があり、5年位であると聞いている、との説明があった。

・食糧の全量を政府が検査することはおかしい。政府が検査すべきものとそうでないものとを区分し、政府が検査する必要性のあるもの以外からは手を引くべきである、との意見があった。

・検査業務の民間移譲は進めてもらうこととして、備蓄と輸出入の業務は企画と実施の両面を併せ持っており、一気に食糧庁を潰すわけにはいかない。5年間で5,000人の減員を行っている期間中については、この問題は引き続き検討扱いしてはどうか、との意見があった。関連して、5年なりの期限を区切って検討を行うべきではないかとの意見が述べられたことに対し、5年とか期限を切って検討するということに関しては、専門家ではないので何とも言えない、専門家の判断を仰ぐべきである、との意見があった。

・WTOの協約によって外国から輸入する穀物については検査すべきであるが、それ以外は政府として検査する必要はない。食糧庁は仕事を減らさないようにしているだけであり、職員も高齢化し平均年齢が50才位であることでもあるし、期限を切って検討することにすればよい、との意見があった。

・以上のような議論を経て、食糧庁については、検査業務の民間への移譲を進めてもらい、その様子も見ながら、新しい省庁の体制がスタートする2001年までに独立行政法人化の可能性も含めてその組織の在り方を検討する、という趣旨で取りまとめることが了承された。

(3) 林野庁の扱いについて、事務局よるたたき台等の説明の後、以下のとおり意見交換が行われた。

・国有林野は、現業としての存続はもはや無理であり、森林管理の業務が中心になるので、その部分をどうするのかが検討課題か、との質問があり、これに対してその実施部門を外局にしておくか、独立行政法人とするか、また、残る企画部門を本省の内局とするかどうかということである、との説明があった。

・林野庁は以前は7万人の職員を擁していたが、それが今は1万人くらいに減少し、今後更に5,000人位にするということなのではないか、との質問があり、確定ではないが大体そのような方向ではないか、との説明があった。

・毎年の財政支出は大変であるが、林野の資産は10兆円位であるとの話がある。今は伐採期ではないが4〜5年で伐採期が到来するので、そうすれば赤字を上回る価値が顕在化してくることになる。このように考えると、お金のかかる公益機能ばかりを重視していけばよい、という考え方は間違いであるし、いつまで輸入材に頼れるかという問題もあるので、そうした側面も含めてこの問題を考えるべきではないか、との意見があった。これに対し、現状では独立採算を前提とする現業として成立する環境はなく、仮に将来伐採期が到来して収入が上がるとしても日本では人件費が高いため採算に合わないし、現況を基に整理しなければならないのではないか。将来状況が変われば、それはその時に考えればよい、との意見があった。

・国有林を管理していくためには、民有林も含めて森林の全体を見なければならないのが実態である。伐採、運搬業務などは今でも民間に委託していることなども踏まえなければならない。管理が行き届いていないために杉花粉や松くい虫の問題が生じているとも言われている。山林行政を根本的にどうするかということを考えないで、人が足りる足りないということを言うべきではない、採算や人件費の側面だけでこの問題は考えられない、100年先にも影響する問題であり、将来、あの行革会議が決めてしまったと言われないようにしなければならない、との意見があった。これに対し、独立行政法人は国の仕事をするところであり、したがって独立行政法人にしたから機能が果たせなくなるということは言えないのではないか、との意見があった。

・以上のような議論を経て、林野庁については、現在種々合理化方策を検討していることでもあり、食糧庁の場合と同様に、その様子も見ながら、新しい体制がスタートする2001年までに独立行政法人化の可能性も含めてその組織の在り方を検討する、という趣旨で取りまとめることが了承された。

・なお、たたき台に記述されている「現在の組織要員については、抜本的な見直しを行い、その徹底的合理化、大幅縮減を図る。その際、雇用問題には十分配慮すべきである」との文言をどうするかとの提起があり、これに対して、林野庁はこれまでに7万人から1万人に減員してきたところであり、これ以上はなかなか進まないだろう、との意見があった。また、現在改革を進めようとしていることに配慮すれば表現が強すぎるとの意見もあり、修文の上、盛り込むことが了承された。

(4) 新外局(実施庁)の検討対象について、事務局による説明の後、以下のとおり意見交換が行われた。

・エネルギー事業規制庁についてはこれまでの議論で解決済みと思うとの発言があり、原案のとおり了承された。

・統計調査庁について、これまでの議論で、1)現在各省庁の統計部局において行われている集計事務を、効率化の観点から現行の総務庁統計センターに集約することは見送られたこと、2)各種統計が各省の専門的な企画立案のリソースとなっていることを十分認識した上で、大規模統計(センサス)についてはその専門性を踏まえ、それ以外の統計は各省が企画及び実施を行うことを前提として、必要な一元化を行うことと整理されたところであるので、統計調査庁とする必要はなく、また、統計センターも今のロットでは独立行政法人化するほどの業務量ではないとの意見があり、これに賛同する意見もあって、統計調査庁は設置しないこととされた。

(5) 省の名称について、藤田主査より、これまでに各委員より出された意見をできるだけ絞った形に整理し参考として供した上で、会長たる総理に一任したいとの提案があった後、以下のとおり意見交換が行われた。

・内閣府(仮称)については、各委員に異論なく、内閣府を候補とすることとされた。

・防衛庁(省)(仮称)については、国防庁(省)というのは少しきつくなるとの意見があり、防衛庁(省)を候補とすることとされた。

・国家公安委員会(仮称)について、名称は短い方がよいのが原則ではあるが、自治体警察から都道府県警察にした際に、各都道府県に公安委員会を置いた経緯もあり、各県の公安委員会とも紛らわしくなるため現行どおり国家公安委員会が適当であるという意見などがあり、国家公安委員会を候補とすることとされた。

・総務省(仮称)については、これからの重要事項の調整結果を待つ必要もある、内務省は適当ではないなどの意見があり、総務省を候補とすることとされた。

・法務省(仮称)については、変えられるものがあればなるべく変えた方がよいとするならば、司法省はどうかという意見に対し、法務省は司法以外の仕事も多いこと、司法省では戦前期の印象が強いことから適切ではないという意見があり、法務省を候補とすることとされた。

・外務省(仮称)については、外政省にしては不都合か、外政というと経済が入らなくなる印象がある、内政と外政という区分もあるなどの意見があり、外務省及び外政省を候補とすることとされた。

・大蔵省(仮称)について、大蔵という名はいかにも古臭い印象がある一方、財政金融省は適切ではないなどの意見があり、大蔵省、財務省及び財政省を候補とすることとされた。

・産業省(仮称)について、経済という言葉を付すのは適切ではないし、産業省とすると通商の部分が抜け落ちるので産業省は適切でなく、結局、通商産業省にするしかない、世界的にも有名な通産省がよいとの意見、経済産業省がよいとの意見などがあり、経済産業省、通商産業省及び通産省を候補とすることとされた。

・国土開発省(仮称)及び国土保全省(仮称)のうち国土開発省(仮称)については、国土交通省とすべきという強い希望があるとの発言があったが、省の編成も含め総理に一任することとされた。

・環境安全省(仮称)について、環境重視の観点から端的に環境省がよい、安全の言葉を残すべきではないなどの意見があり、環境省を候補とすることとされた。

・雇用福祉省(仮称)については、1)生活省が適切である、2)生活省では漠然として何ををするところか不明なので、労働福祉省がよい、3)夏の集中審議の経緯からして雇用福祉省も選択肢として残しておくべき、4)二つの言葉を並べたのではいつまでも二つのスクールが残る、一本化するためには第三の別の名称がよいなどの意見があり、結果、雇用福祉省、生活省及び労働福祉省を候補とすることとされた。

・文部・科学技術省(仮称)について、文部・科学技術では長すぎるのではないか、最大限4文字にすべきである、文化・教育・科学・技術から一文字づつ採って、文教学術省でどうか、一文字づつとるならば、技術の語を入れるべきで、文教科技省の方がよい、文教という言葉は難しいので教育科学省がよいという意見、文化省ではどうか、文化省とすると文化庁と重なることにならないかという意見などがあり、結論として、文化省、文教科学省及び文教科技省を候補とすることとされた。

(6) 独立行政法人の対象業務のうち、国立病院・療養所の扱いについて、事務局案と塩野谷委員案との両論併記とするのはいかがかという発言があり、以下のとおり意見交換が行われた。

・不必要な国立病院・療養所は民間や地方への移譲を進めるべきである一方、ナショナルセンターは国立を維持すべきであり、事務局案には反対である、どちらかというと塩野谷委員案に近いのだが、これは、平成12年まではあくまで現行の組織形態のままとし、その後独立行政法人化もあり得るということかとの質問があったのに対し、塩野谷委員より、1)国立病院・療養所全体を国立として維持する、2)国立病院・療養所全体を独立行政法人化する、3)国立病院・療養所の一部を国立として維持し、残りを独立行政法人化する、という3つの可能性のすべてをオープンにしているものであり、かつ優先順位はこの順番である、厚生省による国立病院・療養所の再編計画は既に閣議決定もされており、今まで再編が進まなかったという批判もあるが、今後は必ず整理・統廃合が進むし、高度専門医療センターを除く部分で無理に独立行政法人化しても、すべてが駄目になると考えているとの説明があった。これに対し、塩野谷委員案に賛成だが、「一体のものとするように」という表現は強すぎるのではないかとの意見があった。

・1)組織的な一体と機能的な一体とは別のものであり、事務局原案では組織として一体のこともあるし、そうでないこともありうるとなっている、仮に組織形態を別にしてもネットワークの維持は可能ではないか、2)塩野谷委員案では問題の改革には弱すぎるので、平成12年までに独立行政法人化の可否を検討するなどの表現に改めるべきである、3)雇用福祉省は、115,000人、予算規模20兆円の巨大官庁になるため、もっとアウトソーシングすべきという議論になったとき、5万人の職員を擁する国立病院・療養所の在り方を検討せざるを得なくなることも考慮すべきである、との発言や、4)総理大臣が高度専門医療センターは国立を維持すべきという発言をしたので、総理に判断を任せてはどうか、との提案等があり、結果、この問題は、表現ぶりの問題ではなく、内容の対立であり、議論しても平行線なので、最終報告までに総理の考えも聞いた上で、整理することが了承された。

(7) 水野事務局長より、総理に対し、本日、たたき台の修文の確認、新しい省の名称の候補選定、外局の残された問題の整理等について討議があったことについて報告があった後、以下のとおり意見交換が行われた。

・会長より、政治案件について現在党で所定の手続きが進行中であり、区切りがついたところで会議に報告することとしたい旨述べられた。

・会長代理より、課、公務員の数の縮減目標について委員の意見も踏まえて一考あるべしと考え、国民の前に効果的な響きを与えるものであるべき、と考えている旨発言があった。

・藤田委員より、本日の議論の経過の報告があり、新しい省の名称については、委員の意見を預かっているので、参考としていただきたい旨発言があった。

(8) 午後9時過ぎを目途に会議を再開したい旨会長代理より提案があり、午後6時に休会となった。

(9) 午後10時45分に再開し、会長より、現在与党との間で重要案件の調整が行われているが、与党行政改革協議会が本日は開かれないこととなった等の事情から、本日の会議は散会とし、明日夜10時以降開催できるよう、委員におかれては準備を願いたい旨の要請があり、了承された。

以上
(文責 行政改革会議事務局)

連絡先:行政改革会議事務局   高野(電話03-3581-2641)  根本(電話03-3581-0270)

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