−速報のため事後修正の可能性あり−

行政改革会議第41回会議議事概要
(集中審議第5日)

1 日時  平成9年11月21日(金) 25:55〜26:30
2 場所  内閣総理大臣官邸 大ホール
3 出席者
(会議)
橋本龍太郎内閣総理大臣(会長)、小里貞利行政改革担当大臣・総務庁長官(会長代理)、芦田甚之助、有馬朗人、飯田庸太郎、猪口邦子、河合隼雄、川口幹夫、佐藤幸治(企画・制度問題小委員会主査)、塩野谷祐一、豊田章一郎、藤田宙靖(機構問題小委員会主査)、水野清、諸井虔、渡辺恒雄の各委員
(政府)
村岡内閣官房長官、額賀内閣官房副長官、古川内閣官房副長官
(事務局)
水野事務局長(再掲)、八木事務局次長
4 議題
最終報告案について

5  会議経過

(1) 政府・与党協議の結果について、会長である総理より、以下のとおり説明があった(別添資料10及び11参照)。

・財政・金融の分離問題については協議が成立せず、私(総理)がAPECから帰国するまで、なお与党3党間で協議を継続することとなった。

・防衛庁の取扱いについては、与党間の意見調整がつかず、総理の判断を聞きたいとの話があった。そのように判断を求められるのであれば、私としては、現時点において、スリム化し、新たな業務の追加がない防衛庁は省にはできない。防衛庁は庁として維持したいとの判断を示した。現時点までのところ自由民主党総務会は、この判断を受け入れてはいない。

・以上2点については、継続協議であるが、防衛庁については「庁」とするとの判断を示している。その上で、APECから帰国するまでに自由民主党に議論をしていただくこととした。

・これまでの行革会議の議論のうち、政府・与党の協議の結果変更を願わざるを得ない点が以下のとおりいくつか生じた。

・行革会議では、国家公安委員会の下に警察庁、海上保安庁、麻薬取締を置き、専任大臣を置くとしていたが、与党協議によって海上保安庁は国土交通省に置くこととされた。これは、海上保安庁の主たる機能が海洋汚染防止や人命救助にあるにもかかわらず、国家公安委員会の下に置くのは不自然との理由によるものである。本件は、本来、行革会議に諮るべき課題ではある。なお、海上保安庁を戻すこととなったので、麻薬取締も労働福祉省に戻すこととし、国家公安委員会には専任大臣を置かず、兼任とすることとした。したがって、専任の大臣は1名減となる。

・郵政事業については、三事業一体で国営とし、公社へ移行することとなった。法律により直接設立し、5年後に郵政公社とする。これにより、独立採算制の下で事業を運営し、事前管理から事後評価に転換する。考え方の基本は行革会議と同じである。資金運用部への預託は廃止し、全額自主運用とする。郵便事業への民間参入については、その条件の検討にはいる。職員には国家公務員の身分を付与し、団結権、交渉権は与えるが、争議権は与えない。これは一般職現業と同じであるが、総定員法の枠からは外れる。

・郵政事業を上記のとおり改革するに伴い、総務省の内局として郵政企画管理局を置き三事業に係る企画立案と管理を行うとともに、実施庁として総務省に郵政事業庁を置く。現行の郵政省の通信放送関係3局は2局に再編し、やはり総務省の内局とする。なお、現通産省の機械情報産業局がなくなるわけではない。また、想定していた通信放送委員会については設置をしない。

・国土庁、北海道開発庁、運輸省、建設省を母体として国土交通省とする。北海道開発局は予算の一括計上権を持っているが、国土交通省の地方支分部局についてもブロック化して整理する。

・農林水産省については、林野の扱いが変わる。行革会議ではその扱いを工夫したが、与党は当該分野を組織として一体とすることとした。すなわち、国有林野で扱うこととなる。大幅な減員も行うので、一体を維持すること自体はやむを得ないと考えた。なお、自然保護の観点から環境省が伐採してはいけないものについてどう関与するかという実務上の問題は残されている。

・名称については、内閣府、防衛庁、国家公安委員会、法務省、外務省、現在の大蔵省については財政・金融問題の決着後に名称は決めることとする、経済産業省、国土交通省、農林水産省、環境省、労働福祉省、教育科学技術省とした。いろいろとご意見を頂いておりながら、委員から提示のなかった名称もあるが、お許しを願いたい。

・閣僚の数については、現状よりも減る。与党からは15人〜17人の範囲で定めることで一任を受けている。専任大臣は12名となるので、何名の余裕が必要かについて少し時間を頂いて検討したい。

・スリム化目標については、局の数を128から90に近づける。課・室については、現在約1,200あるものを再編時に15%減らし、民営化、独立行政法人化、規制緩和、地方分権等を踏まえて再編後にも10%減らし、最終的には約900、すなわち23%減とすることを目標とするが、少なくとも2割以上は減らす。なお、2001年には新定員削減計画を定めるが、それまでの間も現在の計画で削減を進める。新定員削減計画においては、少なくとも10年間で10%の削減を行うものとする。

(2) 以上の総理の説明・報告を受け、以下のとおり意見交換が行われた。

・海上保安庁等の取扱いについては、すでに行革会議として決定していた事項であり、変更する手続が必要ではないかとの問題提起があった。これに対し、折衝の末の結論であり、総理の意向を尊重すべきであるとの意見が述べられ、了承された。

・国家公安委員会については、専任の大臣は置かないものの、主任の大臣は置くと理解してよいかとの質問があった。これに対し、会長より、海保、麻取を含む委員会であれば専任となるが、現在のままの国家公安委員会であれば専任の大臣は置くべきではない。なお、主任の大臣を置くことは当然である。また、兼任するのは恐らく地方行政担当となるであろうと考えれば、総務大臣となるのではないか。ただし、これは人によって異なる場合もあろう、との発言があった。関連して、現在は兼任でなければならないのかとの発言があり、これに対し、会長より、自治大臣が兼務しているのは地方自治体が警察の管理を行っているからである。すなわち、両者を兼務することで、予算その他もバランスが取りやすくなる、との説明がなされた。

・郵政三事業について、全額自主運用する場合に国庫に迷惑をかけないようにする文言が合意に入っていないが、これは国家保証を付けるとの意味か、運用によるリスクを国が負うようなことをして大丈夫か、との質問があった。これに対し、会長代理より、自主運用については財政支援は行わないとの考えを提案し、説明したが、与党側の抵抗が強く、協議結果の整理からは落とすこととなった。今後、最終報告を得て、諸計画を策定するが、その際には原則として財政支援をしないとの精神を尊重し、そうした気持ちを持ちながら対処していきたい。関連して、郵便貯金法第3条はそのまま維持されるのかとの質問があり、当面5年間については残るが、経営形態変更の際にどうなるかは、これから検討されることとなるとの回答があった。

・郵便事業への民間参入について、会長より、具体的条件の検討に入るとの合意は、民間参入を認めるとの合意である旨が確認されているとの発言があった。これに対し、当該郵便事業は信書を含むものかとの質問があり、選択肢として存在するが、具体的条件の検討において明らかになるものであるとの説明があった。

・郵政事業の改革は行政改革の理念にもかかわる問題である。今回の改革はこの理念を実現するための過程であって、理念と矛盾するものではないと理解してよろしいかとの問い掛けがあった。これに対し、政府・与党協議においても基本理念は堅持しながら議論をしてきている。具体の改革については、組織、制度、業務、雇用等の関係について改革への賛否両論があった。30万人の職員を擁する事業体の組織形態の異動となるので過渡期が必要となり、基本理念だけでできるものではない。さりながら、基本理念は重要であり、これからも大切にしていきたいとの指摘があった。

・印刷・造幣については、どのような取扱いとなるのかとの質問があり、「改革を前向きに検討する」と整理されているとの説明があった。

・国立病院・療養所の在り方については、委員間では両論となっているが、集中審議を終えるに当たって、会長の判断を伺いたいとの発言があった。これに対し、会長より、国立病院の果たす役割は二つあると考える。第1が先駆的医療、すなわち採算を考えたら成立しないものであり、がん、循環器病、国際医療、AIDS等がこれに当る。これらは研究がその業務において高いウェートを占め、ナショナルなものであり、他と区別すべきである。第2は、民間医療機関がまったく手を出そうとしない不採算医療であり、ハンセン氏病などが挙げられよう。これも国立としなければならない。他の国立病院等は、一つのグループとして独立行政法人化することでよい。なお、現在整理中のものについては民営化等を進めるが、整理ができないなら独立行政法人として一括りにすることでよいのではないかと考える、との回答があった。

(3) 財政・金融の分離問題及び防衛庁(省)の問題については会長たる総理に一任することが提案され、了承された。また、今後必要とされる修文については、会長代理、両主査、事務局長の4者において起案の上、会長たる総理の承認を得て最終確定とする旨合意された。

(4) 今回の集中審議を終えるに当たり、委員より以下のとおり発言があった。

・2つの課題は残ったが、改革案は相当の成功であり、ここまでできるとは考えていなかった。省、局、課、定員の削減に加え、郵政事業は5年後に公社化される。批判、不満は出ようが、大改革は成功であると考える。

・上記意見に賛同の意見が多数述べられ、会長より、委員の協力に心より感謝する旨の発言があった。

以上
(文責 行政改革会議事務局)

連絡先:行政改革会議事務局   高野(電話03-3581-2641)  根本(電話03-3581-0270)

行政改革会議議事概要は、インターネット(官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/)の「最近の話題」又は「審議会」の欄)及びパソコン通信ネットワーク(PC-VAN及びGサーチ)でも御覧になれます。