−速報のため事後修正の可能性あり−
5 会議経過
(1) 最終報告(案)について、小里会長代理から、以下の報告があった。
・前回の会議において、会長から、郵政問題など大きな問題について方向が示されたので、これに従って案文を作成し、既に各委員にお届けしたところであるが、その後、これ以外の検討中の事項についても最終的に整理をした。
・防衛庁を省とするかどうかという問題については、与党3党間の協議の結果、本日、「与党3党は、新たな国際情勢の下におけるわが国の防衛基本問題につき、引き続き真摯な協議を行う。」旨が3党間で確認された。これを踏まえ、行政改革会議の最終報告としては、別途政治の場で議論していくということで了承を頂きたい。また、防衛庁の扱いに伴い、防衛施設庁の改革も見送ることとなったので、合わせて了承を願いたい。
・財政・金融の分離問題については、当会議においても、金融監督庁と大蔵省の機能の関係について議論がなされてきたところであるが、本日、与党3党間の協議の結果、3党間で、「現下の金融情勢に鑑み、緊急金融システム安定化対策のとりまとめが急務である。したがって、財政・金融分離については、来年通常国会召集時までに、三党合意に基づき具体策を協議し決着する。以上の方針について、行政改革会議最終報告の閣議了解時において、改めて政府・与党間で確認する。」こととなった。これを踏まえ、行革会議の結論としては、この問題は今後政府において金融と大蔵省のかかわりについて検討していただくということで了承願いたい。
・なお、現行の大蔵省の新たな省名については、財務省とするとの総理の判断があり、これをこの場で確認したい。
・このほか、与党3党間で調整した問題としては、1)消費者行政は内閣府に位置づける、2)原子力委員会については、原子力安全委員会と同様内閣府に置くこととする、また、スリム化については、自由民主党行政改革推進本部の検討を受け、その成果を可能な限り盛り込む、ということとなった。
・以上のほか、事前に配布した報告案との変更点としては、1)独立行政法人化の検討対象を例示した別表について、独立行政法人化に懸念を有する職員団体等の過剰な反応を避け、円滑な移行を促進するため、表の一部を削除する、2)国有林野事業の組織・要員の合理化について、労働組合の協力を確保するため、「労使関係に十分配慮しつつ」との一文を加える、との変更点がある。
(2) 同最終報告(案)(別添)について、更に事務局から説明があった後、これが決定された。なお、決定に先立ち、以下の質疑応答等が行われた。
・財務省の英訳はどうなるのか、Ministry of Financeか、あるいはTreasuryを用いるのかとの質問があった。これに対し、1)Treasuryでよいのではないか、2)今後議論すべき問題であろうとの見解が述べられた。
・防衛庁に関する与党の合意の内容が今一つよく分からない。今後省に変わる可能性もあるのかとの質問があった。これに対し、事務局から、様々なニュアンスを含めてこの文章が作られているものと承知しているとの説明があった。
(3) 会長及び会長代理から、概要以下の内容のあいさつがあった。
(会長)
・結論に至るまでに、両主査を始め、各委員、事務局も苦労をかけたが、これを報告書にまとめ上げたことは万感の思いである。同時に、これから基本的な法律案を作り、更に具体化しなければならないが、与党の内部にも議論が残っている問題点がある。しかし、政府としては全力で具体化のために努力するので、よろしくお願いしたい。
・結論については、委員の方々が完全に満足できるものではないかもしれないが、政党における議論も踏まえて、言わば最大公約数をとったものであるので、御理解の上、実現のために更に力を貸してほしい。
(会長代理)
・短い間であったが、会長を補佐する大きな役回りを担うこととなった。皆様のおかげで今日の日を迎えられたことにつき、委員各位、事務局職員各位に心からお礼申し上げる。
(4) 最終報告の決定に当たり、各委員等から、概要以下の内容の所感等が述べられた。
・当初、1府12省といっても、検討していくうちにインフレを起こし、12,15と増えていくと思っていたが、1府12省の枠が守られ、局、課等の削減にも言及することができ、率直に言って当初考えていたよりもはるかに出来のよい案ができた。明治維新以来の大改革が成功したと思っている。
以前から、内閣官房、総理府、総務庁の位置付けがよく分からなかったが、これらが極めてすっきり位置付けされ、機能強化も実感できる内容であるし、公共事業や社会保障もおおむね一本化でき、外から分かりやすい組織構成になったと思う。さらに、独立行政法人や新型公社を創案したが、この実現は歴史的といってよく、胸を張って天下に問える内容になっていると思う。
会長、会長代理の努力に敬意を表したい。
・ギリギリのタイミングで日本の改革ができたと考える。まず、総理のリーダーシップが強く感じられたし、会長代理の調整に向けた誠実な努力もこの成功に大きく貢献している。また、両主査なしには報告書は出来なかったであろう。
この機会に2つのお願いをしたい。1)市場の状況を見ても、改革を一刻も早く行うことが不可欠である。内閣機能の強化は、今回の報告の中でも重要な柱の一つであり、早ければ次期通常国会にも内閣法等の改正を行うなどして、前倒しで実施してほしい。2)今後の法改正の中では各省設置法の改正が重要であるが、これに当たっては、各省任せにせず、しっかりチェックするために、第三者的な機関を設置すべきである。各省設置法には各省の任務と権限の規定があるが、この際、発想を転換して設置法の体系には権限の規定を入れず、個別法に規定することとすべきではないか。
・最終報告を手にして、感慨無量である。ともかくもまとまったことがうれしい。
1年前、学者が役に立つのか、1年以内で成案が作れるかと心許なかったが、各界の4番バッターの集まりであり、その中でバントやつなぎくらいはできるだろうと思って引き受けたところ、主査までも引き受けてしまった。大変な人々の意見を取りまとめることができるか心配であったが、会長を始めとする皆様の暖かい御協力を得られ、報告をまとめることができたことは奇跡とも思える。やはり、各界のトップの人々にはこうしたことができるのだと感じた。
・経済界の代表という立場で委員に選任されたので、関係団体等のサポートを得て、その立場からの意見を述べたが、総理のリーダーシップによりその大部分を容れていただき感謝している。その具体化を進めてほしいし、また、努力もしたい。
今次改革により、内閣府、内閣官房等の機能が世間に分かりやすくなったと思う。また、スリム化も思ったより立派に出来たと感じているが、更に民営化を進める必要がある。さらに、地方分権の関係にも道筋を付けることができた。
こうした成果が得られたことについて、リーダーシップを発揮した総理、よく報告書をまとめ上げた両主査に感謝したい。
・改革は時代の要請であり、これに最もふさわしい総理の下で行われる改革に参加できて大変よかった。
「リーダーシップ」は、民主主義と必ずしも両立しない。様々な意見がある中で、多数の意見に逆らってでも正しい方向を示すのがリーダーシップであり、一見民主的なことが必ずしもよいと言えない。特に改革の時にはこれが必要である。また、「知識」も同様に民主主義と両立しない面がある。この意味で、行革会議の委員は「賢人」として選ばれたのであろうが、必ずしも十分な知識を持たない委員を、総理はその行政知識と国家観により助けてくれた。民主主義と必ずしも相容れない「リーダーシップ」と「知識」を発揮された総理に最大限の敬意を表したい。
・このような機会を与えていただいたことに、総理を始め、関係各位に感謝したい。
これまでの議論を振り返ると、よくまあここまで議論できたと思うが、それについては、事務局の協力があったればこそであり、事務局にお礼を言いたい。
世上官僚批判がなされているが、事務局職員と接するうち、この国を良くしようとする職員達の態度を見て、新鮮な驚きと感銘を受けた。時に事務局主導の論理を排したりもしたが、これは事務局職員の名誉を傷つけることではない。21世紀の日本はこれらの人々によって支えられるものと思うと同時に、事務局職員が元の職場に戻ってからも、彼らが理想をもって職務に当たれるよう、関係の方々の配慮をお願いしたい。
・9月以来の状況を見ると、行革会議の意見に対し、与党もマスコミも、一部の側面のみをクローズアップして批判しており、肝心なところが理解されていないように思う。それは、行政改革の理念と目標の文章であり、その情熱と英知あふれる文章を与党もマスコミも見ていないのではないかと思う。また、結びの文章もすばらしく、これらを、これから実際に改革を実施していく上で、常に念頭においておく必要がある。
最終討議に入ってから、それぞれの省の人が自分の仕事の中身を変えていく「自己改革」的な改革が必要だと説いてきた。結局、当事者がやらなければ本当の改革はできない。そのためには、一人ひとりが自分の立場を見つめ直して、自己改革を始めなければならない。こうした考えは性善説であるといわれるが、人の性は善でなければならないし、善であることが多いと信じている。「自らの改革」によって、今後の改革が進められていくことを強く期待したい。
・人間が変わることの研究を本職としているが、一人の人間が変わることは極めて大変なことである。これと比べても国が変わることのすごさ、難しさを改めて実感した。その中で、よくここまで来れたと感じている。
内閣機能強化の議論の中で、総理のリーダーシップの必要性が明確にされたことで、日本文化が変わっていくことを実感した。すなわち、すべてを曖昧にするというこれまでの日本的なやり方を変えて、明確化するという線が出てきたということである。
両主査の働きを見て、学者も役に立つらしいということが分かった。他の委員や事務局長、事務局が学者を育てたという感じがするが、こうした関係を進めていくことによって学者も世の中の役に立つようになるということが分かり、有り難いと思った。
・日本でこれから必要な女性施策の強化について、男女共同参画の位置付けが明確にされたことに感謝している。環境省が設置されたことは歴史的な成果であるし、危機管理体制の充実も、広く国民の利益になると思う。
行革会議のプロセス自体にもいいものがあった。この会議は公開性が高く、詳細な議事概要が速やかにインターネットのホームページに掲示されるなど、情報化時代にふさわしい新しいプロセスがあった。また、自分自身も何度もポジションペーパーを提出するなどしたように、民主的なプロセスがとられていたし、加えて総理の知的リーダーシップにより、高い水準の結果を得ることができたと思う。
この会議に参加できて光栄である。
・13人の委員の中で一人だけ古くから行革に携わっているいわば「三浪」の身であり、我慢できないことだけ声高に発言したが、後はできるだけ発言を遠慮していた。
「オープン戦」の時、各委員が雑然と勝手な発言をしており、これでまとまるのかと心配だったので、「両主査を絶対支援するので、成果のある結果を出してほしい」と絶叫した。ところが、「公式戦」がスタートすると、両主査の第一球は膝元への剛速球であったり、スピードを落とした球であったりし、誠に見事なコンビネーションに驚嘆した。橋本総理の打力の前に無名新人が立ち向かったことによる戦力の発揮で、行革会議は大変な成果を上げ得たと思う。
しかし、不満に思うことは、新聞もテレビも今回の行革が失敗だと報道していることである。周囲の人の中にも今回の行革は失敗だと言う人がいるが、これから3年間のパフォーマンスを見るべきだと答えている。これから3年間、今回の行革の趣旨が浸透し、行革会議の成果が花開くよう、各位に協力をお願いしたい。
・一番感じたのは、総理が行政の活動を詳細に覚えており、その上でリーダーシップを発揮されたことである。暇になったら、大学のトップに就任して大学改革をしていただきたいくらいである。原子力委員会を置く組織についても内閣府となり、良い解決が得られた。水野事務局長の挑発は激しかったが、そのおかげで議論が進んだ。また、両主査は、文章力に優れ、学者、殊に法学者とは思えないくらい分かりやすい文章を書くと感じた。
この際、総理にお願いしておきたいことが2点ある。1)断固として改革を遂行してほしい。今回の行革を通じ、省庁が互いに話し合う状況が既に生まれて来つつあるように思う。縦割りの体質が変わりつつあるように思えるので、このような時期にこそ、改革を断行すべきである。2)国立試験研究機関は再編が必要であり、科学技術会議において、早急にこれを進めてほしい。また、特殊法人の中には独立行政法人に移行し得るところが多いと思うが、その移行がスムースにいくように支援をしてほしい。
・行革会議の中では、労働者代表という立場のため、メンバーの中でただ一人逆回転の役割をせざるを得ないこともあった。その際、傘下組合員の雇用や処遇にかかわる事項については、組合員の心の内を率直に発言させてもらったが、他方、メンバーの利益とともに国民との強調も必要であり、時代の趨勢を念頭に置いて議論に参加した。
報告の結論については、内部でも議論があるが、時が経てば、「当時の最良の結論だった」と言われる時期が必ず来ると思う。
両主査及び委員各位に感謝したい。
・事務局主導はいけないと発言したこともあるが、言いっ放しで事務局に作業を任せてきた面もあり、事務局なしではここまで来ることは難しかったと思う。
・報告書を前にして、申し上げる言葉はない。ここに我々の未来がある。皆様に感謝したい。
(5) 次回会議については、追って調整することとなった。
以上
(文責 行政改革会議事務局)
連絡先:行政改革会議事務局 高野(電話03-3581-2641) 杉山(電話03-3581-0272)
行政改革会議議事概要は、インターネット(官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/)の「最近の話題」又は「審議会」の欄)及びパソコン通信ネットワーク(PC-VAN及びGサーチ)でも御覧になれます。