行政改革会議の「中間整理」について

行政改革会議事務局

1 「中間整理」の取りまとめ

行政改革会議(以下「行革会議」という。)は、平成9年5月1日に開催した第11回会議において、それまでに開陳された委員意見の内容を主要論点項目に沿って整理した『中間整理』を取りまとめた。『中間整理』は、さらに、第1部「中間整理」及び第2部「[詳細版]委員の意見の整理」に分かれているが、第2部を含む全体が『中間整理』を構成している。
これは、第1部が、簡潔な要約を旨とした結果、各委員の意見を大幅に要約したものとなったため、第2部を併せて参照していただく必要があるためである。例えば、第1部においては、理由付けなどにニュアンスの差があるといった場合でも、大筋において同じものと考えられるものについては一つにまとめているが、第2部においては、各委員の意見の理由付けのニュアンスの差を残しながら整理している。今回の『中間整理』は、内閣の危機管理機能の強化を扱った第1部のIIの部分を除いて、各委員の意見内容を集約した合議体としての結論を述べたものではなく、あくまで各委員の意見を項目別に「整理」したものである。その意味で、委員意見の内容をニュアンスを含めできる限り忠実に扱った第2部は、第1部と一体のものとして扱っていただきたいというのが、行革会議の委員の希望でもある。

2 危機管理に関する「意見集約」

『中間整理』の基本的性格は、上に述べたとおりであるが、『中間整理』中、第1部のU「内閣の危機管理機能の強化に関する意見集約」については、他の部分と異なり、各委員の意見を集約し、合議体としての行革会議の提言となっている。
危機管理の機能強化が重要かつ緊急な課題であることについては、早い時期から委員間の認識が一致していたが、委員間で意見開陳がなされる過程において、当面取るべき措置等についても合意が形成されたところから、内閣の危機管理機能の強化に関しては特に意見内容の項目別整理にとどまらず、意見集約を行い、行革会議として政府に提言をすることとしたものである。
若干注意を要するのは、危機管理についての行革会議の「提言」に当たるのは、第1部のIIの部分に限られている点である。危機管理について述べられた各委員の意見の内容は、第1部のI及び第2部のそれぞれの第4章「内閣機能の強化」の(6)「危機管理」において項目別に整理されており、その中には、より詳細にわたる記述もある。しかし、これらはあくまで個々の委員の意見の要約にとどまり、行革会議でどのような意見が述べられたかという意味で重要な資料ではあるが、会議における討議を経て集約された合議体としての意見ではない。意見集約中にあるとおり、会議としては、「政府において早急に具体的な検討」を行うよう要望しているところであり、会議の意見集約を受けた細目の具体化措置は、政府の責任において行われるべきものである。
なお、中間整理を決定した際の委員からの発言については、別途公表された行政改革会議第11回議事概要に詳しい。発言はそのほとんどが危機管理の意見集約に関してのものであり、委員の問題意識の所在をよく示していると思われるので、関心のある方は参照願いたい。

3 閣議了解人事に関する口頭要望

中間整理の決定に併せて、各省庁の幹部人事への内閣の関与の在り方について、内閣機能強化に関する検討事項の一つとして、引き続き当会議において議論をする必要があるが、行政改革推進に向けた内閣のリーダーシップ発揮の緊急性にかんがみ、当面、内閣において事務次官、局長等に係る閣議了解人事の運用について十分配慮を行うよう、内閣に口頭で要望してはどうか、との提案があり、了承された。
『中間整理』の文書中には出て来ないが、行革会議の重要な提言活動の一環である。

4 「中間整理」の構成

ここで、中間整理の第1部及び第2部の大きな構成と行革会議が検討している3つの課題との関係を簡単に整理しておく。危機管理に関する意見集約の部分を除き、『中間整理』の第1部と第2部は基本的に同じ構成であり、各部は、それぞれ5章に分かれている。第1章が「行政改革の理念」、第2章が「国家機能の在り方」、第3章が「中央省庁の在り方」、第4章が「内閣機能の強化」、第5章が「関連諸制度の改革方向」である。一方、行政改革会議の検討課題は、第1回会議における総理あいさつにもあるとおり、第一に「21世紀における国家機能の在り方」であり、第二に、それを踏まえた「中央省庁の再編の在り方」であり、第三に「官邸機能の強化のための具体的方策」である。
ここから明らかなとおり、『中間整理』の第1章及び第2章が第一の課題に、第3章が第二の課題に、第4章が第三の課題にほぼ対応している。
以下やや詳しく見れば、第1章「行政改革の理念」が扱っている論点は、例えば、21世紀の日本の社会の目指すべき姿をどう考えるか、行政改革の理念をどう押さえるか、現内閣の他の5つの改革(財政構造改革、経済構造改革、金融システム改革、社会保障構造改革、教育改革)との関係をどう考えるかといった問題である。
第2章「国家機能の在り方」が扱っている論点は、例えば、国の行政が本来果たすべき役割は何か、国の行政の責任領域の見直しの方向は何か、また、国の行政が重点的に取り組むべき重要課題は何かといった問題である。
第3章「中央省庁の在り方」が扱っている論点は、例えば、企画立案機能と実施機能の分離についてどう考えるか、大括り化についてどう考え、再編の軸をどうとらえるのか、政治の責任と指導性についてどう考えるのか、総合調整機能の在り方をどう考えるのか、行政委員会や審議会の在り方をどう考えるのか、いわゆるエージェンシーの導入というアイディアについてどう考えるのかといった問題である。
第4章「内閣機能の強化」が扱っている論点は、例えば、総理のリーダーシップの在り方、大臣の任期や無任所大臣の設置、閣議の運営方法などの内閣運営の問題、総理の補佐体制及び内閣官房の在り方の問題、内閣の危機管理の機能強化の問題などである。
第5章「関連諸制度の改革方向」が扱っている問題は、人事管理など国家公務員制度の問題、財政投融資制度・特殊法人に関する問題、地方行財政制度に関する問題、行政の評価、監察やその前提条件ともなる情報公開や国民の行政参加と行政監視の問題、さらには国会や司法改革など、必ずしも行革会議の直接の検討課題ではないが、行政組織改革に密接に関連する様々な分野の問題である。

5 政府の対応

上記2及び3に述べた行革会議の「提言」に対する政府の反応は、早かった。会議翌日の5月2日の午前の定例記者会見で、梶山内閣官房長官は、まず、各省庁幹部人事等に係る閣議了解人事の運用については、「事務次官、局長等の政府の重要官職に適切な人材配置を行うことは、何よりも大切なことでありますので、閣議了解人事の運用については、事前に十分内閣官房と協議をしていただいているところでありますが、今回の要望を踏まえ、内閣としても、清廉かつ省益に捕らわれない、有為な人材を登用されるように十分配意しながら、その観点から、運用の見直しを行うことといたしたい」旨述べるとともに、内閣の危機管理機能の強化については、「内閣としては、危機管理機能の強化について、最重要課題と私自身も考えてきたところであり、誠に時宜を得たものと受け止め、これらの御提案を踏まえた内閣官房としての対応について、危機管理という事柄の性格上、早急に検討してまいりたい…。スケジュールとしては、夏の概算要求に間に合うような準備を進めたい」旨述べて、行革会議の提言を正面から受け止めたのである。

6 行革会議の今後の日程

5月1日の会議では、行革会議はまた当面の審議日程についての了解を行った。当面の日程としては、連休明け5月7日以降5月及び6月においては毎週会議を開催し、順次各省庁ヒアリングを行う方針を明らかにし、そのヒアリングの質問項目も既に公表していたところであったが、『中間整理』の決定という審議の節目を機会に、既に公表した各省庁ヒアリング等の日程の確認を含め、7月以降を含む当面の日程について了解を行ったものである。
それによると、各省庁ヒアリング期間にあっても、5月28日には特に委員間の討議の時間を確保すること、また、各省庁ヒアリング後の7月においては、7月30日を除き毎週会議を開催することとし、委員間の意見交換の時間を確保するほか、各省庁ヒアリングの結果を踏まえ、主要な検討項目について審議を進めることとしている。その後7月最終週から短い夏休みを挟み、8月の御盆過ぎ(8月18日からの4日間を想定するが、4日目は予備日)に、改革案の全体構想及び主要な改革項目について検討・審議するため、集中審議を行うこととされた。9月以降は、大詰めの審議に入ることになるが、その日程については、今後の審議の進捗いかんによるところ大であるため、5月1日の了解日程では、単に「以上の審議結果を踏まえ、改革案の検討・作成」とのみされている。

以下、『中間整理』の全文を掲載する。

平成9年5月1日
行政改革会議

第1部 中間整理
T 委員の意見の要約整理
U 内閣の危機管理機能の強化に関する意見集約
第2部 委員の意見の整理[詳細版]