−速報のため事後修正の可能性あり−

行政改革会議第44回会議議事概要

1 日時 平成10年2月27日(金) 18:00〜19:06
2 場所 内閣総理大臣官邸 大食堂
 
3 出席者
(会議)
橋本龍太郎内閣総理大臣(会長)、小里貞利行政改革担当大臣・総務庁長官(会長代理)、芦田甚之助、有馬朗人、飯田庸太郎、猪口邦子、河合隼雄、佐藤幸治、塩野谷祐一、豊田章一郎、水野清、諸井虔の各委員
(説明者)
坂野内閣官房中央省庁再編等基本法案(仮称)準備室長
小早川中央省庁再編等準備委員会参与
(政府)
額賀内閣官房副長官、古川内閣官房副長官、竹島内閣内政審議室長
(事務局)
水野事務局長(再掲)、八木事務局次長
4 議題
(1) 中央省庁等改革基本法案について
(2) 今後の行政改革会議の運営について

5 会議経過

(1)冒頭、小里会長代理から、中央省庁等改革基本法案は、2月17日(火)に閣議決定し、国会に提出した旨、あいさつがあった。

(2)中央省庁等改革基本法案について坂野中央省庁再編等基本法案(仮称)準備室長から、及びこれに関連して、中央省庁等改革基本法案に関する意見について小早川中央省庁再編等準備委員会参与から、それぞれ説明があった(別紙1及び2参照)後、以下のとおり、質疑が行われた。

・参与の意見の内容には基本的に賛成であるが、なぜ基本法案に取り入れられなかったのかとの質問に対し、1)内閣府と省の位置付けについては、法案において、内閣府は、内閣に置かれるものと明記され、省との違いは既に条文において明確になっており、内部組織の扱い等内閣府と各省の共通事項について「府省」として併記されているのは、単に立法上の技術的な問題である。内閣府と省の位置付けの違いを明確にすべきとの指摘の趣旨は、それぞれの設置法の検討を行う段階で取り入れていきたい。2)省庁間調整システムにおける担当大臣の調整権については、確かに最終報告においてその行使の態様について例示がなされているところであるが、その具体的な在り方については、今後、内閣府の設置法を検討していく中で検討されていくものと考える。3)第三者的機関の設置の問題については、基本法において設けることを決めてしまうのではなく、中央省庁等改革推進本部において決定できるようにしたところである、との回答があった。これに関連して、1)、2)の点については、立法技術上の問題であると説明を受けている、3)については、中立・公正な立場からチェックする仕組みが必要であることは確かであるが、法律で明記することとするかどうかという点に関しては、土光臨調の際の経験に照らしても、明記しない方が弾力的に対応できてよいと考える。逆に、明記することで新たな論争点を増やすことにもなる。むしろ、人選が勝負であると考える、との補足があった。

・参与の方々が丹念に法案の条文をチェックしていただいたことに感謝する。内閣府と省を書き分けるという参与の意見の方が内閣府と省の位置づけがはっきりしてベターとも思うが、もともと、内閣府の性格が企画調整機能と実施機能と二つの機能を持つことになってしまったことが根本の原因のような気がする。そのような内閣府の性格付けについては、最終報告で決定したことであり、それを法案の条文にする際の書き方はいろいろあるのではないか。国会に提出していることでもあり、新しい府省の設置法の段階で明確にしていただくという理解の下に基本法案の内容を了承したい、との発言があった。

・外務公務員試験の廃止や人事交流など人事面の改革について基本法案で書かなかったのはどのような理由かとの質問に対し、1)外務公務員試験については、最終報告では、公務員制度調査会にその検討を指示する形で盛り込まれており、基本法案においては、公務員制度の改革について、政府に引き続き検討を指示する旨の規定を設けることとし、個々の項目については書き込まなかったところであるが、それぞれの項目について検討を行う旨であることはこの規定により明確になっている、2)大使などへの民間人の登用や国税庁の内部登用の推進など人事の問題については、現行法制上、既に人事権者の判断で可能な事項であり、別に法律で定めることは不適当と判断したものであるとの回答があった。

・最終報告では、政策評価の充実に関して、民間有識者などを加えた第三者的評価を可能とする仕組みが是非とも必要であるとしているのに、この点について基本法案で触れていないのは問題であるとの指摘があったのに対し、第三者的評価の仕組みについては、制度として堅固なものから運用で行うものまで幅の広いものが想定されると考えており、第三者的評価の仕組みも含め、評価機能の強化の点については、総務省の行政の評価及び監視の機能の強化について具体的に検討していく中で決定すべきと考えるとの回答があった。

・現在の各省の設置法では、所掌事務の規定と権限の規定の両方が定められているが、設置法体系において権限規定を列挙することが、各省行政の膨張主義、裁量範囲の拡張を招いている根幹ではないかと考えるので、今後の課題であろうが、新たな設置法では権限の規定は設けずに、権限は個別の作用法だけで定めることとすべきではないかと考えるとの意見があった。これに関連して、1)基本的に賛成である、2)設置法上に所掌事務の規定を残したままで権限の規定を削除することは、逆に権限行使の裁量性を膨張させてしまうことにつながるのではないか。むしろ、個別の作用法の権限の規定も、明確にブロック単位等の出先に下ろしていくことが必要である、3)いずれにしても、行政の裁量性をどのように規律していくかが重要な課題である、等の発言があった。

・国の試験研究機関の見直しについては、多くの省庁に関係する問題であり、できるだけ早い時期に、科学技術会議などでも検討に入ってほしいとの要望があった。

・この法律は、日本の統治構造にかかわる重要な法案であり、提案をした以上是非とも成立させていただきたい、との要望があった。これに関連して、基本法案が成立しないことがあり得るのかとの質問があり、これに対し、あり得なくはないが、いずれにしても重大な決意をもって取り組むべき法案であるとの趣旨の発言があった。

(3) 今後の行政改革会議の運営について、事務局から別紙3のとおり説明があり、了承された。

以上
(文責 行政改革会議事務局)

連絡先:行政改革会議事務局   高野(電話03-3581-2641)  根本(電話03-3581-0270)
行政改革会議議事概要は、インターネット(官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/)の「最近の話題」又は「審議会」の欄)及びパソコン通信ネットワーク(PC-VAN及びGサーチ)でも御覧になれます。


別紙1

中央省庁等改革基本法案

(参考)

中央省庁等改革基本法案の国会提出までの経緯

1月 29日(木)中央省庁再編等準備委員会(法案概要の決定)
第43回行政改革会議

(法案の各省庁との調整)
  
2月10日(火)与党政策調整会議(案件登録)
与党行政改革協議会
11日(水)参与への説明会
12日(木)自民党行政改革推進本部総会、社民党行財政改革調査会
13日(金)自民党総務会
16日(月)自民党総務会
与党政策調整会議
中央省庁再編等準備委員会幹事会
事務次官等会議
17日(火)中央省庁再編等準備委員会
閣議(基本法案の決定)
基本法案の国会提出


別紙2

平成10年2月12日


行政改革会議会長
内閣総理大臣   橋本龍太郎 殿

中央省庁等改革基本法(案)に関する意見

 私たちは、行政改革会議最終報告(平成9年12月3日)を最大限尊重するという平成9年12月4日の閣議決定及び政府声明の趣旨を忠実に法案に反映させることを主眼として、「中央省庁等改革基本法案」の起草過程に参画し、意見を述べて参りました。しかし、現時点で中央省庁再編等基本法案(仮称)準備室から示された法案には、なお、根幹的事項、とくに内閣府の位置付けについて重大な疑問が残っていると考えられますので、われわれの見解を明確にし、あわせて、今般の経験に鑑み、「基本法」成立後に予定されている推進体制下での外部意見聴取のあり方について提案を行うため、別紙の通り意見を提出いたします。

中央省庁再編等準備委員会 参与磯 部  力
稲 葉  馨
大 石  眞
小早川 光 郎
森 田  朗

(別紙)

1.内閣府の位置付けについて
(問題点)
 ・内閣官房の総合戦略機能を助け、横断的な企画・調整機能等を担う内閣府の設置構想は、行政改革会議が当初から重点課題とした内閣(官邸)機能強化に係る諸提案の中でも最も新鮮味を感じさせるものであり、最終報告の要諦をなすものである。
 ・しかし、法案は、内閣府と新たな省を「府省」として一括し、むしろ内閣府を省と同様に扱うことを基本としている(第3章「国の行政機関の再編成」、第4章「国の行政組織等の減量、効率化等」)。

(視点)
 ・内閣府は、内閣の機関であって、各省と横並びの機関ではないことを、法文上、より一層明確にすべきである。

(提案)
 @内閣府(本府)を、省と一括して規定することは原則として避けるべきである。やむを得ず両者を同一条文で扱うとき(内部部局の総数制限等)も、「内閣府及び省」といった並列的表現を用いるべきである。
 A内閣府の外局を省と同様に扱う必要がある場合には、内閣府外局ないし準省と明記して、規定すべきである。

2.内閣の総合調整及び省間政策調整のシステムについて
(問題点)
 ・最終報告では、「内閣官房による総合調整、内閣府(担当大臣)による総合調整、さらに省間の相互調整という、三類型の調整の組合せ」によって、調整システムの抜本的な機能強化を図る必要があると述べられている(56頁)。この新しい調整システムこそ、省庁縦割行政の弊害を打破する画期的なシステムである。にもかかわらず、その趣旨が法文上に明確に表わされているとは言いがたい。

(視点)
 ・法案11条の「当該国務大臣に強力な調整のための権限を付与する」との表現は、私たちの指摘を踏まえたものであるが、最終報告では、担当大臣に「強力な調整権(提案、資料・報告の徴収、拒否、指示)」を付与できるよう措置するとされており(57頁)、この「強力な調整権」は、特に指示権までを含むところに意味がある。
 ・内閣官房による、調整の中核となる省(調整省)の指定権が、一定分野において特定省に認められる中核的調整機能に優越する旨が明示されることに重要な意味がある。

(提案)
 @担当大臣の講整権には、指示権も含まれることを明記すべきである。
 A 内閣官房の調整省指定権が、特定省の調整礎能に優越する旨を明らかにすべきである。

3.第三者的機関の設置について
(問題点)
・中央省庁等改革をめぐる各省庁間の駆け引き、利害対立は、基本法成立後における関係法令の制定・改廃の過程において、より一層顕在化・激化することが予想される。

(視点)
・基本法成立後の推進体制の具体的な在り方については、中央省庁再編等推進本部において決定すべきことであり、これを基本法に盛り込むべきではないという見解もあり得ようが、第三者的機関の設置問題は、体制の全体構想にかかわる重要事項であり、基本法の段階において規定しておくことが望ましいものと考える。

(提案)
 行政改革会議最終報告の趣旨を個別法令にまで徹底するために、中央省庁等改革推進のための体制の一環として、中立・公正な立場から判断のできる第三者的機関を設置すべきである。なお、この点は基本法案に盛り込むべきである。

以上


別紙3

今後の行政改革会議の運営について

1.行政改革会議の設置期限
  平成10年6月30日をもって行政改革会議の設置期限とされている(総理府本府組織令の一部を改正する政令の規定により、期限経過後は自動的に失効。)。

2.今国会の会期
  平成10年6月10日までの会期とされている。

3.今後の会議の開催
(1)行政改革会議の設置期限を目途に最終会議を開催する(平成10年6月を目途。)。
(2)それまでの間、特に必要が生じた場合においては、臨時に会議を開催する(特に必要が生じた際、その都度会議を御案内。)。