[経済企画庁に対する質問項目]
| ☆行政改革の趣旨に照らし、各省庁において、今後取り組むべき(取り組もうとする)改革方策をご提示願いたい。 |
| ☆マクロ経済政策と財政政策、又はマクロ経済政策と産業政策の組織的一体化についてどう考えるか。 |
| ☆マクロ経済政策に関する総合調整機能を、内閣及び総理に直結させることについてどう考えるか。 |
| ☆経済協力、物価行政、消費者行政その他の国民生活行政、総合交通政策、電源開発行政に関し、他の組織との一元化についてどう考えるか。 |
経済企画庁説明資料(平成9年6月11日)
| 1.経済企画庁の機能と今後の役割 |
(1)経済企画庁は、発足以来、常に時代を先取りしながら、経済運営の「かじ取り役」として経済政策の企画立案・総合調整にあたるとともに、消費者、生活者の立場から縦割り省庁間の調整を図りながら消費者保護等の行政を進めるなど様々な横断的行政に携わってきた。この中で、多様な経済社会問題に対応し得る人材の養成とともに、経済運営や社会問題の解決に資する種々の経済分析手法などのノウハウの蓄積に努めてきた。経済企画庁の行政の特徴は、これらのストックを活用した客観的な経済分析を基礎として、また個別業種を所管しない中立的な立場から、市場機能の整備を始め時代を先取りした機能を発揮していることにある。具体的には、
1)国際的な大競争、少子・高齢化等その時々の重要課題とそれらへの政策対応を織り込んだ我が国経済の長期ビジョンを策定 --- (「構造改革のための経済社会計画」に至るまで戦後13次にわたり経済計画を策定)
2)長期ビジョンを基礎としつつ、変化する諸情勢を考慮した経済政策の企画立案、総合調整を実施 --- (経済見通し、累次の経済対策、物価安定政策、OECD閣僚理事会等における経済政策の国際協議、ODA中期目標等の経済協力政策等)
3)各省庁の政策のレビューと政策提言 --- (経済計画のフォロー・アップ、6分野の構造改革、公共料金の制度改革、市場アクセスの改善(OTO)等)
4)客観的な分析に基づく経済運営に不可欠な情報の提供 ---(月例経済報告、経済白書、世界経済白書、国民生活白書、物価レポート、GDPに代表される経済統計等)
5)消費者、生活者の立場に立った消費者保護政策等の実施 ---(消費者保護基本法、製造物責任法等)
(2)経済企画庁は定員約500人、関係予算約140億円の極めてスリムな組織で、民間・学界とも交流を活発に行いつつ、これらの業務を推進してきた。
新たな時代に対応して、国際的な大競争、少子・高齢化等への対応、一層の市場経済化の促進、消費者・生活者の利益の増進、政策の選択枝の提示等を通じた政策決定過程の透明化などが政府全体の重要な課題となる中で、経済企画庁の機能、とりわけ経済政策の総合調整や政策提言機能等は益々重要なものとなっている。経済企画庁としては、今後一層こうした諸課題に重点的、効率的に取り組む考えである。
経済企画庁説明資料(平成9年6月11日)
| 2.マクロ経済政策と財政政策または産業政策との組織的一体化について |
(1)マクロ経済政策に関する企画立案・総合調整は、財政政策や産業政策を含む分野横断的な業務であり、個別の分野を所管する省庁に併せてこれを行わせる場合、政策の策定過程におけるバイアス(財政事情や個別産業への過大な配慮等)を生みやすく、さらにその過程を不透明なものにする危険が大きい。
(2)また、経済官庁が大括り化された場合には、大括り化された省間の総合調整は従来以上に強力なものである必要があり、内閣及び総理を補佐する経済企画庁の総合調整機能はむしろ強化されるべきである。
(3)従って、マクロ経済政策と財政政策または産業政策との組織的一体化は不適切である。
(注) ここで言うマクロ経済政策は、経済見通しの策定、的確な景気の現状判断に基づく適切かつ機動的な短期の経済運営(財政・金融政策等)、不況時における経済対策の策定等に加え、規制緩和をはじめとした「構造政策」、社会保障制度や社会資本整備等の中長期の政策、これらを取りまとめる経済社会の長期ビジョン(経済計画)まで含む極めて広範な行政である。
(4)なお、大括り省自身に横断的調整機能等を付与すれば、総合調整官庁は不要との議論もあるが、その場合は上記に加えて以下のような大きな弊害がある。
1)テーマ毎に調整を担当する省を決め、当該省が調整を行う場合、客観的な拠り所のないバランス・オブ・パワー型の調整に堕してしまう恐れが強い。
2)実施部門を外局化、エージェンシー化する場合であっても、実施部門が本省から完全に独立する訳ではないことから、特定分野の利益に偏った調整が行われる恐れが強い。
3)テーマ毎に調整役を決めるとしても、それぞれのテーマで中心となる省が明確でない場合が多いと考えられ、その決定にからむ権限争議に時間が浪費される恐れがある。
経済企画庁説明資料(平成9年6月11日)
| 3.マクロ経済政策に関する総合調整機能を内閣及び総理に直結させることについて |
(1)先に述べたように、省庁の大括り化に対応して、経済企画庁の総合調整機能は強化される必要がある。経済企画庁は従来より総理大臣、内閣との緊密な連携のもとに任務を遂行してきたが、今後一層こうした関係を維持・強化すべきである。
(2)こうした総合調整機能の強化の観点から、経済企画庁の組織を内閣及び総理に直結させるという考え方があるが、その際には、以下の点を十分に考慮する必要がある。
1)内閣及び総理に直結しうる組織には一定の規模があると思われるが、的確な経済分析に基づいた政策の企画立案・総合調整のためには現在の経済企画庁規模の組織と専門家集団を要する。
2)多忙な総理大臣が担当大臣として常時、企画庁を指揮監督することは到底不可能であり、また、マクロ経済政策の立場から閣議において責任ある発言の機会が与えられなければ、実効ある総合調整は果たせない。従って、専任の担当大臣が不可欠である。
(3)いずれにせよ、この問題については、内閣の総合調整機能に何をどこまで含めるかということも含め、内閣機能の強化の在り方及び中央省庁再編の全体像と密接な関連があることから、さらに議論を深める必要がある。
経済企画庁説明資料(平成9年6月11日)
| 4.経済協力、物価行政、消費者行政その他の国民生活行政、総合交通体系、電源開発行政に関し、他の組織との一元化について |
(1)これらの行政は、経済企画庁の総合調整機能、特定の個別業界を所管していない中立的な性格、マクロ経済政策との関係等様々な理由から経済企画庁の行政として行ってきており、今後もこのような横断的な行政が必要であることは変わらないと考える。
(2)例えば、経済協力については、経済企画庁が経済政策の観点からその専門的知見を活用しつつ経済協力の効率的・効果的な実施に努めてきており、具体的には、ODAの中期目標や国別援助方針の策定などに成果が現れている。経済協力の効率化が強く求められる今日、経済企画庁のこうした機能はこれまで以上に必要とされており、今後とも経済協力行政を担当することが重要と考える。
(3)物価行政については、物価の安定を図るべく、関係省庁と連携しつつ、財政・金融政策、公共料金政策、競争促進政策等、物価情勢に応じた適時適切な対応を図ってきている他、石油危機等の非常事態に対しても、生活二法*等により価格及び物資需給の両面にわたる措置を準備している。また、最近では、公共料金制度改革や内外価格差是正等を物価政策の重点としているが、こうした構造政策も含めた物価政策面での総合調整の機能は、基本的にはマクロ経済政策の一環であり、引き続き経済企画庁において行うことが重要と考える。
*生活二法とは、「国民生活安定緊急措置法」、「生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律」をさす。昭和47年秋以降の異常な物価高騰及びこれに続く第1次オイルショック時に生活関連物資等の価格の安定等を図り、国民生活の安定と国民経済の円滑な運営を確保するために制定された。
(4)消費者行政については、消費者取引の適正化、情報提供のほか、製造物責任法の制定・施行を通じ、総合的な消費者被害の防止、救済策の確立に努めてきた。これらの消費者行政は、各省庁の枠を超えた横断的行政であること、個別業種の利害に対して中立的な対応が必要であること、また消費者取引のルール作り等のように基本的な経済システムの在り方に関わることから、今後とも引き続き経済企画庁が担当することが適切と考える。
(5)いずれにせよ、今後これらの行政をどのような組織で行うのが最適かについては、省庁再編の全体像と密接な関連があることから、さらに慎重に検討していく必要がある。
(参考1)経済企画庁の政策課題と今後の重点施策
1. 経済計画策定、経済構造改革の推進等中長期的な経済のかじ取り
(1)中長期的経済運営の指針策定(経済計画の策定)等
(課題の背景と目標)
経済運営に当たっては、中長期的に日本経済の進むべき方向を明確にし、そのための政策体系を総合的に示す基本的指針が不可欠である。国際的な大競争、少子・高齢化等、大きな潮流変化に直面し、広範な分野の構造改革が求められている現在、総合的かつ中長期的な指針の重要性は一層高まっている。
(課題達成のための方針、施策内容等)
中長期的経済運営の基本的指針として経済計画を策定するとともに、その推進状況のフォローアップを毎年行い、着実な実行を図る。なお、現在の経済計画「構造改革のための経済社会計画」(平成7年12月閣議決定)は、我が国経済社会の最大の課題が抜本的構造改革であることを明確に指摘し、そのための政策と経済の展望を示している。
(2)構造改革の推進
(課題の背景と目標)
日本経済の中長期的な発展を確かなものとするためには、従来の制度・仕組みを抜本的に見直し、経済社会の構造そのものを早急に改革していくことが不可欠である。構造改革の最も基本的な指針は現在の経済計画「構造改革のための経済社会計画」であり、この考え方に基づき、6つの改革(行政、財政、社会保障、経済、金融システム、教育)が推進されている。
(課題達成のための方針、施策内容等)
当面、経済計画「構造改革のための経済社会計画」の着実なフォローアップにより、6つの改革等広い意味での構造改革を推進する。規制緩和については、昨年の経済審議会建議「6分野の経済構造改革」等重要な意見具申を行っており、今後その推進を図るとともに、規制緩和の経済効果について評価を行う。また、財政・社会保障問題については、昨年経済審議会において計量モデルを用いた将来展望を行っており、今後も財政構造改革及び社会保障制度改革の推進を図るべく、経済的な側面から検討を進める。
2.適切かつ機動的な経済運営とその基礎となる迅速かつ正確な調査研究の推進
(1)適切かつ機動的なマクロ経済運営
(課題の背景と目標)
我が国経済が不況に陥った場合には内需拡大策等により不況からの脱却を図り、逆に景気が過熱ぎみの時は予防的な引締め政策により経済を安定化させることが必要である。
現時点では、景気回復を確実にし、中長期的に持続可能な安定的な成長を図ることが課題である。
(課題達成のための方針、施策内容等)
毎年度、予算編成時期に合わせて、政府の基本的な経済運営の方針と翌年度の経済の姿を示す「政府経済見通し」を関係各省庁の意見も踏まえつつ策定する。
今後の経済運営としては、民間需要を中心とした自律的な景気回復を実現するとともに、資源の効率的配分という質的な側面を重視していくこととし、具体的には規制緩和等の構造改革を推進する。
なお、経済が著しい不況に陥り政府として放置できない場合、景気回復に資する関係省庁の施策をとりまとめた「総合経済対策」を策定することとなる。(バブル崩壊後の平成4年以降では計8回策定)
その他、その時々の経済情勢を踏まえ、関係省庁との連携の下、適切かつ機動的なマクロ経済運営を図る(例えば公共事業の前倒し施行等)。
(2)経済政策の企画・立案及び実施の上で必要となる経済活動の迅速かつ正確な把握並びに関連経済統計の作成及び整備
(課題の背景と目標)
90年代に入って我が国経済はバブルの崩壊や円高の進展など激しいショックに見舞われ続けてきた。こうした状況を背景に、政府は財政・金融政策面で思い切った措置を採ってきたが、我が国経済の回復はかつてに比すれば緩慢な状況が続いており、一方、累次の大型補正予算による財政赤字の急増、さらに世界的「大競争」、人口の少子・高齢化など、グローバルかつ中長期の課題の克服のためには我が国経済の抜本的な構造改革の必要性が明らかになってきている。こうした中で、適切なマクロ経済運営のためにも、また構造問題への処方箋を描くためにも、刻々と変化する経済動向を迅速かつ正確に把握するとともに、経済現象の背景にある複雑多岐にわたる因果関係について踏み込んだ分析を行う必要性が高まっている。また、こうした経済動向の把握と分析の基盤となる経済統計の作成、整備及び国民への迅速かつ正確な情報提供が極めて重要である。
(課題達成のための方針、施策内容等)
国内マクロ経済、地域、産業、海外経済に関して継続的に調査・分析を行い、政府の景気の現状認識を示す「月例経済報告」等を閣僚会議に報告する。また、年に一度「年次経済報告」(経済白書)等において、その年の経済動向や政策動向の評価を行う。さらに、上記のような経済の構造変化等を踏まえて、景気判断及び構造改革への処方箋を描くのに欠かせない個人消費、設備投資等に関する経済統計の整備に努めるとともに、時々の政策ニーズに応じた調査分析の充実を図る。
(3)日本経済の定量的把握とアジア・太平洋の成長持続に向けた政策課題分析
(課題の背景と目標)
上記のような我が国経済を取り囲む環境変化の中で、経済の活力を取り戻し、新たな成長軌道に乗せるためには、複雑化する我が国経済の一層定量的な把握とともに、望ましい構造改革の在り方について学界との連携に基づいて水準の高い研究及び政策提言が求められている。
他方、急速に発展しているアジア経済は、今や世界経済の成長のリード役を果たすまでに至っており、その持続的発展はアジア諸国のみならず、日本経済及び世界経済にとっても重要である。このため、アジア・太平洋地域の発展要因を研究し、その持続的発展に向けた高度な政策分析を行う必要がある。
(課題達成のための方針、施策内容等)
我が国経済の一層的確な把握を目的として、基礎的な統計である国民経済計算について新しい国際基準に準拠し、改善を行うとともに、各般のマクロ経済政策を定量的に評価するための計量経済モデルの開発及び応用分析を行う。さらに、構造改革の望ましい方向を探るため、現在行われている構造改革の評価を行う。
また、アジア・太平洋経済に関しては、理論・実証分析に基づくアジアの成長メカニズムの解明を行うとともに、新たな手法であるCGE(計算可能な一般均衡)モデルを用いてAPECの貿易自由化政策効果の定量的分析を行う。
さらに、これらの研究成果を国際会議等へ積極的に投入し知的貢献を行う。
3.我が国経済の国際化への対応
(1)世界経済の枠組作り等への積極的参画
(課題の背景と目標)
経済のグローバリゼーションが進展する中で、各国間の経済的な相互依存関係はますます深まってきており、各国経済の見通しや各国の経済政策運営等について相互に十分情報や意見の交換を行い、我が国及び他国の経済運営に反映していくことが課題となっている。
また、失業問題や規制改革などの各国共通の構造的課題については、各国の多様な経験を共有することによって、それぞれの国にとって最善の政策を見出し、活用を図ることが重要である。
(課題達成のための方針、施策内容等)
OECD、二国間会議(日米経済専門家会合、日独経済専門家会合等主要9カ国との間で設置)等の場を通じ、各国の経済動向について共通認識を得、マクロ経済政策や構造政策の運営について率直な意見交換に努めるなど、政策協調を進める。また、APECやASEMといった国際地域協力についても、「APEC経済展望」、「ASEM経済相乗効果研究」の取りまとめ等知的貢献に努める。
(2)市場アクセス改善に向けた対策の推進
(課題の背景と目標)
市場アクセスの改善により、人、物、資金、情報の我が国への自由な移動を促進し、経済構造改革の一環として、消費者利益の増大や経済の効率化、活性化を図る。
(課題達成のための方針、施策内容等)
市場開放問題苦情処理体制(OTO)、政府調達苦情処理体制及び対日投資会議において、内外企業、在日商工会議所、各国大使館等からの個々の具体的事例に即した苦情や意見・要望を積極的に取り上げ、各省庁の関連制度をより公正かつ透明なものとするとともに競争条件を整備する。特に、市場開放問題苦情処理体制では、これまでに蓄積された800件近い事例から、市場アクセス改善のための横断的かつ具体的な提言(建議)をまとめていく。
(3)経済協力の推進
(課題の背景と目標)
ODAについては、これまで5次にわたる中期目標の策定を通じて計画的な拡充が図られてきたが、今後についてはこれまで以上に効率的、効果的な経済協力の実施を図るべく抜本的な見直しが必要な状況にある。その際、ODAが関連19省庁という多くの省庁により実施されていること等もあり、政府全体としてより効果的・効率的な経済協力の推進を図るためには、その基本方針を明確にし、総合性を確保することが求められる。
(課題達成のための方針、施策内容等)
経済企画庁は、経済協力に関する基本的な政策、計画の企画立案、総合調整を実施していることから、新たな経済協力の在り方に関して基本方針を示していくことを通じて全体としての総合性を確保し、効果的・効率的な経済協力の実施に資する。また、海外経済協力基金(OECF)が効率的・効果的に円借款を実施できる体制を整備していく。
4.豊かで安心できる暮らしの実現
(1)市民活動の促進
(課題の背景と目標)
近年、国際化や高齢化が進展する中でボランティア活動を始めとする市民活動が注目され、市民の側の参加意欲にも高まりがみられる。こうした市民活動が企業・政府に次ぐ第3のセクターを形成し、益々重要な役割を果たすものと期待される一方、そのための環境整備は、諸外国に比べて遅れている。
このため、ボランティアや市民活動団体の自主性を尊重しつつ、その活動促進のための環境整備を積極的に図る。
(課題達成のための方針、施策内容等)
市民活動団体の活動の実態に関する詳細な調査・分析を行った上で、今後の我が国社会における市民活動の位置付けを明確にし、活発な市民活動が行われるための環境整備を進めていく。
(2)消費者取引の適正化
(課題の背景と目標)
官民の役割分担を見直して各種の規制緩和を推進する中で、消費者・事業者双方の自己責任に基づく行動を促すべく、消費者と事業者の間に存在する情報や交渉力の格差を是正し、市場原理を補完・強化するために必要な環境整備を行う必要がある。
(課題達成のための方針、施策内容)
製造物責任法の適切な施行に努めることに加え、近年増加の著しい契約をめぐるトラブルの未然防止を図るため、消費者取引の適正化のための環境整備を図る。具体的には、業種や取引形態を問わずに隙間なく適用され、かつ、消費者・事業者双方にとって取引の安定性を高めるようなルール作り、即ち消費者契約に関する具体的かつ包括的な民事ルールの立法化について更なる検討を進める。
(3)物価の安定・内外価格差の是正
(課題の背景と目標)
物価の安定は、国民生活安定と持続的経済成長の基盤となるものである。世界的需給バランスの変化等に伴う一次産品価格の上昇等、海外からの物価上昇要因は常に存在しており、こうした要因が国内の悪性インフレにつながることを未然に防止するとともに、一旦物価高騰が生じた際には強力な対策により迅速に物価を鎮静化することが必要となる。
また、物価の安定のみならず、我が国経済の高コスト構造の現れである内外価格差を是正・縮小していくことが、経済を活性化させるとともに、真に豊かな国民生活を実現していくために必要である。
(課題達成のための方針、施策内容等)
財政・金融政策を中心としたマクロ経済運営、個別物資対策、公共料金政策等の適切な組合せにより物価の安定を確保する。また、日常的に地方公共団体、消費者との連携を図り、現在実施している消費税率引上げに伴う便乗値上げ対策等の物価対策を推進するとともに、緊急時においては、こうした連携を通じて機動的な対応(生活二法運用)を行う。さらに、高コスト構造是正の観点から、内外価格差の調査・分析及び政策提言を通じ規制緩和等構造改革の促進を図るとともに、消費者等への情報提供・啓発を行う。
(4)公共料金の制度改革
(課題の背景と目標)
民間の財・サービスの中には価格が下落しているものも見られる中で、我が国の公共料金については諸外国に比べて割高なものが多く、内外価格差が大きい。公共料金に係る財・サービスは、生活の基礎をなす必需的なものが多く、国民生活に大きな影響を有するとともに、生産の重要な要素として我が国産業の国際競争力と密接に関わるものである。こうした観点から、公共料金の低廉化のため、公共料金に係る事業をできる限り効率化し、コスト引下げを図ることが肝要である。
(課題達成のための方針、施策内容等)
国民生活の安定及び高コスト構造是正の観点から、公共料金の制度改革を推進するため、所管省庁との調整を進めていく。
物価安定政策会議の提言「公共料金の価格設定の在り方等について」に基づき、鉄道運賃、タクシー運賃等で効率化インセンティブを付与する価格設定方式が導入されつつあるが、さらに広範な公共料金分野において価格設定方式の改革を進めるとともに、事業の参入規制の緩和・撤廃を進める。
また、公共料金の透明性を高め、消費者の十分な理解を得るとともに、事業効率化を監視していくため、情報公開の制度化を推進していく。