[郵政省に対する質問項目]

☆行政改革の趣旨に照らし、各省庁において、今後取り組むべきと考える(取り組もうとする)改革方策をご提示願いたい。
☆郵政三事業(郵便事業、貯金事業、簡易保険事業)の民営化についてどう考えるか。
☆通信放送行政と他の産業行政、文化行政との関係及び組織の在り方をどう考えるか。
☆研究機関について、他の研究機関との統廃合を含め、組織の在り方についてどう考えるか。
☆有限な国民的財産である電波に対する需要が高まる中、その利用調整については、現在の不透明な割当制から、透明な制度(たとえば公開入札制度等)に改革すべきとの意見をどう考えるか。また、電波割当の有料化も検討できるのではないか。
☆5月16日に閣議決定された「経済構造の変革と創造のための行動計画」においては、「地上放送のデジタル化については、平成12年(注:2000年)以前にデジタル放送が開始できるよう放送法式、チャンネルプランの策定、制度整備等を進めることを目標として所要の取組を推進する。」とされているが、その必要性は何か。このような意思決定に当たっては、公開の議論を経て、国民が利害得失や問題点を十分理解した上で方針決定されたのか。米国と日本の中継局の数等の状況の差異を考慮せずに、単に世界的な潮流を背景に意思決定されてはいないか。
 特に、NHKに関するデジタル化に関する、財源負担の考え方(受信料値上げ、財政投融資資金の活用等)及び民間事業者との公平性のバランスの取り方について、どのように考えているのか。
☆デジタル化の進展によって「通信と放送の融合」が進むといわれているが、今後の関連行政の在り方、法体系の在り方はどのように変化していくべきと考えるか。
 特に、放送は、言論・報道機関として、放送法のもと、放送事業者の責任により運営されてきた。今後、様々な形で映像情報サービスが出現するだろうが、こうした社会的な機能を果たす放送の役割は変わらないのではないか。すなわち、通信と放送を、さらには情報処理サービス業を一律に扱うことはそれほど容易なことではないのではないか。
☆「経済構造の変革と創造のための行動計画」においては、「規制緩和等により、平成13年(2001年)を目途に、国内・国際通信の料金水準、サービスの高度化・多様化において、内外格差の解消の実現を目指す。」とされているが、具体的な取り組み方針はどのようになっているか。
 また、電気通信の接続ルールについては、米国FCC、英国OFTELのような中立的機関による監視が必要との意見をどう考えるか。

郵政省説明資料(平成9年6月11日)
行政改革の趣旨に照らし、各省庁において、今後取り組むべきと考える(取り組もうとする)改革方策をご提示願いたい。

1 行政改革に対する基本的考え方
 21世紀を展望し、経済構造の改革、地域の活性化を推進するとともに、グローバル化、少子・高齢化、情報化への的確な対応を図るなど国民の期待、時代の要請に適切に応え、真に国民本位の行政を展開していくため、自己改革を推進していく。
(1)行政改革は、ア)我が国の活力ある発展のために経済社会の変化に柔軟に対応できるようにする、イ)国民が求めるサービスを最小の費用で提供できるようにする、との目的のもと、財政構造改革、経済構造改革等とともに、21世紀に向けて取り組むべき政府の重要課題と認識している。
(2)このような認識のもと、郵政省は従来から、ア)情報通信分野の規制緩和・競争の促進等による通信・放送市場の活性化を通じた「経済構造改革の推進」、イ)行政事務の合理化・効率化等による「国民負担の軽減」をはじめとする改革を推進してきており、行政需要や業務量が増大する中にあって、定員の削減も着実に実施してきている。
(3)さらに、21世紀を展望し、国民の期待、時代の要請に適切に応え、真に国民本位の行政を展開していくため、以下のような改革を強力に推進していく。

[21世紀に向けた改革方策]
 1)21世紀の高度情報通信社会を展望し、第二次情報通信改革の推進による情報通信産業のダイナミズムの創出、情報通信基盤の整備促進、電波の有効利用の確保等を図り、グローバル化に対応し、市場機能を発揮しやすい環境を整備すること等により、経済社会構造の一層の改革と行政の簡素化・効率化の実現とを一体的に推進する。
 2)郵便局を地域における行政のアクセスポイントとして活用するとの観点から、ワンストップ行政サービスを推進すること等により、国民の負担を軽減するとともに、行政全体の簡素化・効率化の促進に資する。
 3)評価システムの導入、情報化、外部化等により、行政事務の合理化・効率化を徹底的に推進し、国民負担の軽減を図る。
 4)情報公開を積極的に推進するとともに、国民の意見を行政に反映させる方策を拡充し、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図る。
 5)技術の進歩、経済社会情勢や行政ニーズの変化に積極的に対応するため、関係省庁との連携・政策調整を一層強化し、行政の機動性・柔軟性の向上を図る。

2 21世紀に向けた改革方策
(1)高度情報通信社会に向けた環境の整備
 21世紀の高度情報通信社会を展望し、情報通信分野の規制緩和等による第二次情報通信改革の推進をはじめ、メガコンペティションに代表されるグローバル化の進展に対応し、グローバルスタンダードの形成に貢献しつつ、市場機能を発揮しやすい環境を整備することにより、経済社会構造の一層の改革と行政の簡素化・効率化の実現とを一体的に推進する。
 ア 第二次情報通信改革の推進
 1)電気通信事業に関する規制緩和の推進、2)接続に関する政策の推進、3)NTTの再編成、を三位一体とする競争条件の整備を図るとともに、4)多様な放送の実現・普及、5)通信と放送の融合への対応、6)ニュービジネス創出のための環境整備等情報通信分野における競争促進、新技術導入を通じて、情報通信産業の一層のダイナミズム創出を図る。
 イ 情報通信基盤の整備促進等
 情報通信基盤の整備、電波資源の有効利用の確保を通じた情報通信の利活用の拡大は、個々人の創意工夫・主体性発揮を支援し、新規市場の創造、雇用機会の創出、生産性の向上、時間的なゆとりの醸成をもたらすなど、グローバル化に対応した自己責任原則に基づく豊かな社会を効果的・効率的に実現するものである。
 これは、行政の情報化による行政の効率化・柔軟化にとどまらず、経済構造、財政構造をはじめ、21世紀に向けた経済社会構造全体の改革を推進していく上での原動力となるものである。
 このような観点から、総合的な情報通信基盤の整備等について、官民の適切な役割分担を図りつつ、規制緩和、技術開発、国際調整等の措置を推進する。

 [ア 第二次情報通信改革の推進]
 (ア)電気通信事業に関する規制緩和の推進
 (電気通信事業に関する参入規制・料金規制等の緩和)
 1)第一種電気通信事業に係る過剰設備防止条項等の削除
 2)第一種電気通信事業者に対する外資規制の撤廃(NTT、KDDを除く)
 3)第一種電気通信事業の料金認可制の見直し(料金規制の抜本的な緩和)
 4)国際VANサービスの完全自由化
 5)携帯電話等への包括免許制度の導入(個別免許の不要化)
 6)衛星携帯電話サービスに係る国境を超えた端末の自由な流通の実現
 7)NTTの国際通信業務への進出の実現
 8)KDDの国内通信業務への進出の実現

(参考)昭和60年の第一次情報通信改革以降の規制緩和等による改革効果
a)電気通信事業者数の増大(平成9年4月1日現在):多数の新規参入が実現。
 第一種電気通信事業者: 138社
 第二種電気通信事業者:4,588社
b)産業規模の拡大(平成7年度決算による売上高):鉄鋼、造船を上回る産業に成長。
 第一種電気通信事業: 10.0兆円(対前年度比 17.9%増)
 うち移動体通信事業: 2.4兆円(対前年度比 71.6%増)
 全産業:408.8兆円(対前年度比 1.2%増)
 鉄鋼(6社): 6.5兆円(対前年度比 1.7%増)
 造船(5社): 5.2兆円(対前年度比 4.6%増)
c)設備投資規模(平成8年度実績見込み):全産業の一割を占める設備投資により経済成長を牽引。
 第一種電気通信事業: 4.1兆円(対前年度比 24.5%増)
 うち移動体通信事業: 1.6兆円(対前年度比 57.9%増)
 全産業: 45.6兆円(対前年度比 9.6%増)
 電気機械: 3.3兆円(対前年度比 -2.1%増)
 自動車: 1.5兆円(対前年度比 32.5%増)
 鉄鋼: 0.8兆円(対前年度比-18.7%増)
d)料金の低廉化:競争が進展している分野で料金が大幅に低廉化。
 国内電話(東京−沖縄 平日昼間3分間)昭和60年4月:400円  ⇒現在:100円(NCC)
 国際電話(東京−米国 昼間3分間)  昭和60年4月:1,530円 ⇒現在:440円(NCC)

 (イ)接続に関する政策の推進
 (ネットワーク接続の基本的ルールの策定と運用による公正有効な競争条件の整備)
 (ウ) NTTの再編成
 (NTTを持株会社の下に東・西二つの地域会社と一つの長距離会社に再編成)
 1)公正有効競争の促進、電気通信市場全体のダイナミックな展開
 2)NTTの国際通信業務への進出、情報通信のグローバル化への対応
 3)1)及び2)を通じ、低廉で多様なサービスを実現
 (エ)多様な放送の実現・普及
 (放送の多様化・デジタル化に向けた制度整備等)
 1)技術基準の策定
 2)CSデジタル放送の規制緩和(視聴料金の認可制の廃止等)
 3)第一種電気通信事業を併せ行うCATV事業者の外資規制の撤廃
 4)字幕放送等に関する免許制度の簡素化
 5)電波確保のための国際調整
 (参考)放送分野における規制緩和等の改革効果
 a)CSデジタル放送の実現:平成8年の制度整備により新市場が創出。
   テレビ放送  チャンネル数:99(平成9年6月現在)、事業者数:56
 b)CATVの普及:参入要件の緩和等を通じて事業展開が活発化。
 1)CATVの普及増(自主放送を行うもの)
   昭和60年:35万世帯 ⇒平成9年3月末:460万世帯
 2)CATVと第一種電気通信事業の兼業
   許可数    21社 (平成9年6月現在)
 (オ)通信と放送の融合の促進
 (通信と放送の融合に対応した制度の整備、技術開発等)
 1)CATV網を利用した通信サービス、インターネットと連動したデータ放送サービス等の実施・普及促進のための制度整備・技術開発
 2)通信と放送の中間領域的サービスの増加を踏まえた新しい制度の在り方の検討
 (カ)ニュービジネス創出のための環境整備
 (情報通信ベンチャー企業の起業環境の整備)
 1)投資事業組合の設立支援等資金調達環境の整備
 2)ストックオプション制度の創設等人材確保の円滑化
 3)研究開発の支援等技術シーズの事業化促進

 [イ 情報通信基盤の整備促進等]
 (ア)情報通信基盤整備の促進
 (官民の適切な役割分担の下での情報通信基盤の整備の促進)
 1)光ファイバー網等ネットワークインフラの整備促進
 2)先導的・汎用的なアプリケーションの開発等情報通信利用の高度化促進
 3)国際的標準化活動の推進等情報通信技術政策の推進
 4)情報流通円滑化のための国際調整への貢献
 5)情報通信利用の環境整備
 (高度情報通信社会推進本部に協力し、政府全体の情報通信関連の諸制度について見直しを促進する等情報通信利用の高度化に伴い生ずる社会的問題への対応)
 (参考)ネットワークインフラの整備目標
 a)光ファイバー網人口カバレッジ 平成9年3月末:16% ⇒平成22年(2010年)100%
 b)携帯電話・自動車電話が利用可能な市町村の割合 平成9年3月末:83% ⇒平成12年(2000年) 90%
 (イ)電波資源の積極的活用方策の推進
 (電波需要の急増、技術進歩に対応した電波資源の有効利用の確保)
 1)包括免許制度の活用
 2)衛星携帯電話サービスに係る国境を超えた端末の自由な流通の実現
 3)無線局の検査制度における民間能力の更なる活用(認定点検事業者制度)
 4)電波割当手続の透明性の確保(周波数分配についての国民意見の反映等)
 5)効率的・効果的な不法無線局の探査等の電波監視の推進
 6)無線局の収容能力の拡大につながる電波資源の開発の推進
  (参考)電波需要の急増と規制緩和等による効果
 a)無線局数の増大
   昭和60年3月末:330万局 ⇒平成9年3月末:2,921万局 (この1年間に68.7%の増加)
 b)携帯電話・PHSの加入増
   平成8年3月末:1,171万台 ⇒平成9年3月末:2,691万台(この1年間に約130%の増加)
 c)携帯電話等への包括免許制度の導入の効果
   無線局免許申請手数料は82%の減免:年661億円中541億円
   無線局免許申請手続は88%が不要化:年1,108万局中978万局
 (ウ)グローバルな展開の促進
 (メガコンペティションに代表されるグローバル化・ボーダレス化の進展に対応した情報通信事業環境の整備、グローバルスタンダード作りへの貢献等)
 1)通信・放送事業の国際競争力の強化(国内・国際サービスの相互参入の促進、NTTの海外進出の推進)
 2)国際的な標準化の推進、「デファクト標準」の形成の促進
 3)周波数分配の国際調整等による国際市場環境の整備(ITU等)
 4)国際交渉のリードを通じた世界市場自由化の促進(WTO、OECD、APEC等)
 5)情報通信利用の国際ルール検討の促進による国際情報流通の円滑化(OECD等)
 6)G7、APECの場における国際共同プロジェクトの推進
 7)開発途上国に対する技術協力等情報通信基盤整備への支援
 8)国際放送、放送番組交流事業の推進による国際情報流通の促進
 (注) ITU:国際電気通信連合、WTO:世界貿易機関、OECD:経済協力開発機構、APEC:アジア太平洋経済協力会議

(2)ワンストップ行政サービス等の推進
  国民に最も身近な郵便局を地域における行政のアクセスポイントとして活用し、郵便局窓口で一括して申請手続等を行えるようにする「ワンストップ行政サービス」を推進するなど郵便局ネットワークの有効活用を図ることにより、国民の負担を軽減するとともに、行政全体の簡素化・効率化の促進に資する。
 ア ワンストップ行政サービスの推進
  (参考)申請負担軽減対策(平成9年2月10日閣議決定)抜粋
 「簡素で効率的な行政、国民の主体性が生かされる行政及び質の高い行政サービスを実現するため、情報通信技術の飛躍的な発展をも踏まえ、許認可や補助金等に係る申請、届出又は諸種の統計調査等に際しての国民の負担の大幅な軽減を図る必要がある。」
 「申請・届出手続については、(略)、国・地方を通ずる行政の情報通信基盤の構築を進め、国・地方を通じた窓口の一元化、1つの手続で関連の申請などがすべて同時にできるワンストップサービスを早期に実現する。」【概念図 略】
 イ 郵便局ネットワークの有効活用
 (ア)郵便局のオープンネットワーク化
 (郵便局ネットワークを民間企業に開放し、送金・決済ネットワークへの国民アクセス機会を均等化→ 日本版ビックバンの進展に伴い、多様な金融商品へのアクセス機会を提供。特に金融に関する情報弱者の利便性が向上。)
 (イ)ボランティア活動の支援
 (各種ボランティア情報の提供、ボランティア活動と地域住民の仲介、介護活動の支援、国際ボランティア貯金の活用 等)

(3)行政事務の合理化・効率化による国民負担の軽減
  「郵便局経営効率化指標」の設定等評価システムを導入するとともに、情報化・機械化の推進、民間委託等の外部化の推進を図ることにより、行政事務の合理化・効率化を徹底的に推進し、郵便料金の低廉化等国民負担の軽減を図る。
 ア 外部評価システムの導入
 (ア)経営効率化・サービス水準の目標(郵便局経営効率化指標)の導入
 (イ)経営情報、経営分析の開示:経営に関する外部評価を実施
 (ウ)生活者、地域の視点からの「地方郵政局経営委員会(仮称)」の設置
 (エ)研究開発に関する外部評価システムの活用(通信総合研究所及び通信・放送機構における評価委員会の活用)
 イ 情報化・機械化
 (ア)申請書類・手続の電子化
 1)無線従事者の免許申請(平成8年度 約13万件)、CATVの許可申請(平成8年度約150件)について、オンライン又はフロッピーディスクによる申請を早期可能とすべく取組み
 2)平成11年度までにすべての情報通信関係の行政手続においてオンライン又はフロッピーディスクによる申請を実現
 (イ)郵政事業の情報化
 1)郵便局のマルチメディア化(情報キオスクとしての活用、高齢者等に対する操作サポートの充実)
 2)郵貯・簡保新システムの構築(最新技術の導入による合理化・効率化)
 3)新ロジスティクスシステムの構築(調達、物流システムの高度情報化)
 4)LAN・イントラネット・エクストラネットの導入による情報化・ペーパーレス化
 (ウ)新郵便番号制・バーコードによる情報機械化(導入後10年間で8,000人程度の合理化・効率化の見込み)
 ウ 外部化
 (ア)民間活力の導入(無線局検査における認定点検事業者制度の導入等)
 (イ)外部委託の推進(郵便物運送委託:現在郵便局間輸送は100%委託、郵便切手類販売委託:平成8年度末現在約146,000か所、貯金・保険における後方事務委託の拡大等)
 エ 定員の削減等
 (ア)第9次定員削減計画の着実実施(削減目標数:平成9年度〜13年度に12,564人)
 (イ)短時間職員制度の活用(朝夕の郵便物区分作業などに対応するため、現在、全国に2,318人(4時間勤務)配置)
 (ウ)貯金事務センター組織の見直し(貯金事務センターをスリム化し、配置を見直す)
 (エ)総合担務の推進(郵便・貯金・保険のサービスを一人の職員が一体的に取扱う服務体制の拡大)平成8年度末現在:2,206局 ⇒ 平成11年度末:3,913局
 オ 特殊法人等の整理・合理化
 (ア)NTTの再編成と国際通信業務への進出
 (イ)KDDの国内通信業務への進出
 (ウ)簡易保険福祉事業団及びNHKの事業の合理化・効率化の推進
 (エ)通信・放送機構の管制業務の経営の自立化(管制業務について平成11年度に国からの出資金を返還し、経営の自立化を実施)

 【郵政事業定員・郵便物数・貯金取扱件数・簡易保険保有契約件数の推移】(グラフ 略)
 【情報通信行政定員・無線局数・第一種電気通信事業者数の推移】(グラフ 略)

(4) 情報公開の推進
 情報公開を積極的に推進するとともに、国民の意見を行政に反映させる方策を拡充し、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図る。
 ア 郵政行政情報の積極的公開
 (ア)郵便局経営効率化指標と実績の公開
 (最近の取組み:財務諸表の日刊新聞広告、官報、インターネット等による公開、郵便事業における第一種、第二種等の種類別収支の公表)
 (イ)技術進歩に対応し、新しい情報公開手法の積極的導入
 (最近の取組み:報道資料(平成8年度 約1,000件)、統計データ、入札情報等のインターネットによる公開→ 統計データの公開についてはインターネットを活用することで300万枚/年のペーパーレス化を実現 通信白書について、他の省庁に先駆け、CD−ROM化、インターネットによる公開を推進してきており、平成9年にはDVD−ROM化を実施)
 (ウ)政府と国民とのアクセスポイントである郵便局を通じ、政府全体の情報公開を促進
 (エ)情報公開法の制定に対応した情報公開体制の整備
 イ 国民の意見の行政への反映
 (ア)郵便局モニター制度等を積極的に活用し、国民の意見を行政に反映
 (イ)郵政審議会、電気通信審議会等の中間報告をインターネット等で公開し、広く国民の意見を吸収して、最終答申・報告に反映するなど国民の意見を行政に反映させる方策を積極的に導入・拡充

(5)関係省庁との連携・政策調整の一層の強化
 技術の進歩、経済社会情勢や行政ニーズの変化に積極的に対応して、高度情報通信社会の構築を図るための多様な政策を有機的に関連づけて一体として遂行するため、関係省庁との連携・政策調整を一層強化し、行政の機動性・柔軟性の向上を図る。
  ア 高度情報通信社会推進本部への貢献
  情報通信社会に関する内閣レベルの課題について、高度情報通信社会推進本部の副本部長として積極的に対応
  イ 関係省庁との連携施策の積極展開
  関係省庁との協議会等を通じた政策調整を強化し、連携施策を積極的に展開
 [現在設置している主な協議会]
 A)マルチメディア社会推進に向けた文部省・郵政省連絡協議会
 B)厚生省・郵政省情報通信連絡会
 C)農山漁村における高度情報通信社会推進に向けた郵政省・農林水産省連絡協議会
 D)郵政省・通商産業省連絡協議会
 E)高度情報通信社会推進に向けた運輸省・郵政省連絡協議会
 F)マルチメディア社会推進に向けた郵政省・建設省連絡協議会
 G)基礎研究推進制度関係省庁連絡会(科学技術庁、文部省等)
 [平成9年度予算による主な連携施策]
 A)脳科学研究の推進(科学技術庁、通商産業省等)
 B)先進的情報通信システムモデル都市構築事業(通商産業省)
 C)マルチメディアパイロットタウン構想(文部省、農林水産省、建設省)
  1)モデルキャンパス展開事業(文部省)
  2)モデル農村展開事業(農林水産省)
  3)マルチメディア・モデル住宅(建設省)
  ウ 省庁間、国際間の人的交流の推進
  文部省、運輸省、外務省等との間で実施している人材交流の一層の拡充 → 郵政省から84人出向(平成9年5月現在)

郵政省説明資料(平成9年6月11日)
郵政三事業(郵便事業、貯金事業、簡易保険事業)の民営化についてどう考えるか。

1 郵政事業の特色・国営事業としての意義
 郵政事業の特性
  1)国民生活を支える「国民共有の生活インフラ」
  2)国民全体の利益を考える「公共性」
  3)国民の税金を一切使わない「独立採算」 【概念図 略】

(1)国民共有の生活インフラ
 ア 郵便局は身近な存在
  1)最も身近な公的拠点 … 平均距離1.1km (小学校と同じ)【説明図 略】
  2)生活に不可欠なサービスや情報を利用できる場
  3)フットワーク性 … 2,800万箇所/日の配達(毎日全家庭・事業所の半分強に配達)
     注:配達箇所数は、平成7年5月調査。
 イ 生活基礎サービスのネットワーク
  1)情報 … 郵便7,000万通/日の配達、過疎地域等での日刊新聞5,000万通/年の配達(低料金)
  2)モノ … 小包110万個/日の配達
  3)カネ … 1,040万件/日の預払い・送金、60万件/日の保険料受入れ・保険金支払
    注1:配達物数は、平成8年度。
    注2:日刊新聞の配達物数は、平成8年度推計値。
    注3:預払い・送金件数及び保険料受入れ・保険金支払件数は、平成7年度。

(2)公共性
 ア ユニバーサルサービスの提供
 1 郵政事業は、民間が参入・撤退の自由があるのに対し、ユニバーサルサービスとして、1)全国あまねく、2)いつでも、3)公平に、4)簡便に、5)生活基礎サービスの利用の機会を保証している。
 2 仮に郵政事業を民営化した場合、ユニバーサルサービスの維持は、不可能である。
 a)ユニバーサルサービスの提供
 1)全国あまねく→ 3,232すべての市町村に郵便局を配置
 2)いつでも→ 非常時も含め、利用機会を提供
 3)公平に → 誰もがどこでも同一サービスを同一条件で
 4)簡便に→ 手軽に利用可能
 5)生活基礎サービス→ 生活に必要不可欠なサービス
注:全国の市町村数は、平成8年3月末現在。

 b)民間金融機関等の店舗のない市町村
   全国3,232市町村のうち、民間金融機関等の店舗のない市町村
   都市銀行なし 2,809市町村、全国銀行なし 1,008市町村、銀行等なし 554市町村
  民間生保なし 1,852 市町村
  注1:「全国銀行」とは、都市銀行、地方銀行、第二地方銀行、長期信用銀行及び信託銀行。
  注2:「銀行等」とは、全国銀行、信用金庫、信用組合及び労働金庫。
  注3:「都市銀行なし」、「全国銀行なし」及び「銀行等なし」は、平成8年3月末現在。「民間生保なし」は、平成8年8月調査。
  資料:「日本金融名鑑」(日本金融通信社)、郵政省資料
 c)郵便局と銀行等の窓口機関配置状況
  1)金融機関の窓口機関配置状況
  東京23区 政令指定都市 町村
郵便局 24,564 (100%) 1,064 (4.3%) 2,448 (10.0%) 11,747 (47.8%) 9,305 (37.9%)
銀行等 28,838 (100%) 2,890 (10.0%) 4,559 (15.8%) 16,177 (56.1%) 5,212 (18.1%)

  2)過疎地域及び東京23区における構成比
  過疎地域 東京23区
郵便局4,689 (74.7%) 1,064 (26.9%)
銀行等1,586 (25.3%) 2,890 (73.1%)
(100%)(100%)

  注1:平成8年3月末現在。
  注2:「過疎地域」とは、「過疎地域活性化特別措置法」に定められた地域で、平成8年3月末現在、1,199市町村(全国の市町村の37%)。
  資料:「日本金融名鑑」(日本金融通信社)、「全国市町村要覧」(自治省)
  3)浦和駅周辺の窓口機関配置状況(平成8年3月末)【図 略】
 イ 国民生活における福祉の増進への寄与
 (1)郵政事業は、以下の施策等を通じて、国民生活における福祉の増進に寄与している。
  1)公的な窓口サービス
  2)社会的弱者を対象とした福祉施策
  3)地域振興施策
  4)文化・情報流通の振興施策
  5)災害時のサービス提供の継続等
  6)社会資本整備のための原資の供給
 (2)郵便局ネットワーク等の資源を活用しつつ、事業として税金を一切使わずに福祉施策等を行うところに特色がある。
 (3)仮に郵政事業を民営化した場合、上記施策等の継続は不可能である。
 a)公的な窓口サービス
  1)年金・恩給の支払 → 郵便局での受給者 929万人(平成8年度末)
  2)国庫金の受払い
  3)住民票等の交付請求の取扱い(郵送・ファクシミリ)→ 1,628市区町村、14,820局(平成8年度末)
  4)登記簿謄抄本の交付請求の取扱い(郵送・ファクシミリ)→ 226市町村、598局(平成8年度末)等
  (参考) 民事行政審議会答申(平成7年7月)
 「登記所の統合に当たっては、地域住民に対する行政サービスを確保するため、郵送請求の活用、ファクシミリを利用した請求の実施等、その交付事務について、なお一層の改善を図ること。」
 b)社会的弱者を対象とした福祉施策
  1)無料の盲人用郵便物等障害者用郵便物の料金免除・軽減
  2)お年玉付郵便葉書等寄附金の社会福祉団体等への寄附
  3)介護貯金 … 要介護者に対する金利の優遇等
  4)寝たきり独居老人等に対する年金・恩給及び簡易保険の年金の配達サービス等
 c)地域振興施策
  1)ふるさと小包 → 約8,600品目、約2,030万個(平成7年度)
  2)活き活き情報交流サービス … 各種自治体情報の提供 → 123自治体(平成8年度末)
  3)インターネットを利用した郵便局からのふるさと情報等の提供
  4)簡保資金の地方公共団体への貸付等 → 20.8兆円(平成8年度末) 等
 d)文化・情報流通振興施策
  1)新聞等定期刊行物(第三種郵便物)の料金軽減 → 物数12.7億通、赤字負担額239億円(平成7年度)… 過疎地域等では、日刊新聞の戸別配達も、郵便局がラストリゾートの役割
  2)新刊ブックポストサービス… 郵便局窓口に新刊書籍のカタログを配備し、申し込まれた書籍をゆうパックで郵送 → 過疎地域等約1,200町村、約3,000局(平成8年度末)等
 e)災害時のサービス提供の継続等(阪神・淡路大震災時の例等)
  1)震災当日も配達業務を実施 … 民間宅配便は、被災地あてのサービス最大約1か月間停止
  2)避難所等まで配達先を確認し、受取人へ確実に配達
  3)被災地あて救助用郵便物の料金免除 → 約61万個の救助用小包の配達
  4)災害ボランティア口座 … 郵便振替を利用して、被災地の救援活動のため寄附 等
 f)社会資本整備のための原資の供給:郵貯・簡保資金は、社会資本整備の主要な原資。
  1)財政投融資残高に占める割合 → 約60%(平成7年度末)
  2)長期・固定・低コストの資金として、社会資本整備の財源に最適
  【財政投融資計画の使途別分類(平成9年度当初計画)】(図表略)

(3)独立採算
 1)独立採算は、事業責任を明確化することにより、サービスの質的向上・効率化へのインセンティブとして機能している。
 2)三事業一体の効率的な運営は、全国津々浦々まで安いコストでサービスを提供することを可能にしている。
 3)事業別に区分経理し、経営情報をディスクローズすることにより、事業責任を明確にしている。
 4)厳格なコスト意識の下で事業運営し、税金を一切使わないで健全な経営を確保している。
 5)収支相償・国営・非営利は、公共性の高いサービスの提供を可能にしており、公共性を追求するという使命感により、職員に高いモラールがある。
 a)サービスの質的向上・効率化
 (a) 最近10年間で、郵便・貯金・保険の業務量が1.4倍から2.4倍増加しているのに対し、定員は横這いである。
 (b) 郵便の効率化の推進とサービス改善
  ア)日本の郵便料金は、欧州諸国と比べても遜色のない水準にある。
 【(参考)(主要国におけるはがき・手紙国内料金の比較】(図表 略)
  イ)料金水準決定のポイント… 規模の経済性の確保(手紙・はがきのサービスは、配達コストが高い割合を占める)
  →1)物数の一層の増加のための、サービス改善や料金割引制度を実施する。
   2)コスト削減のため、新郵便番号制(7桁化)を導入の予定である。
  (導入後の10年間で8,000人程度の合理化・効率化の見込み)
  ウ)郵便については、電気通信メディアとの競合の中で、1)誰でも簡単にアクセスできる基礎的通信手段、2)現物性、一覧性、儀礼性等といった特性を生かしつつ、事業としての経営努力を行ってきており、最近10年間で郵便物数は年平均3.5%と着実に増加してきた。
  今後も、電気通信メディアとの厳しい競合を踏まえ、国民のニーズに応じたサービスの改善、効率化に一層努めていく。
 (c) 今後、サービスの質的向上と効率化を一層促進するため、
  1)効率化・サービス水準の目標と実績の公表
  2)外部評価システムの導入 … 経営情報・経営分析の一層の開示
  3)地方郵政局経営委員会(仮称)の設置 … 生活者・地域の視点
 b)三事業一体の経営
 (a) 郵政事業は三事業一体で運営し、共通部門の経営資源を共有化している。
   →範囲の経済性が働き、効率的な運営となっている。
 (b) 利用の少ない過疎地域の郵便局でも、三事業のサービスを総合的に提供することにより効率的に運営している。
 c)事業別の区分経理
 (a) 郵便・貯金・保険の各事業は、厳格に区分して経理している。
 (b) 郵便局の共通部門など事業別が明らかでない経費は、経費の性格により、事業別の要員比・面積比等で分担している。
 d)経営情報のディスクロージャー
 (a) 貸借対照表・損益計算書
  1)国会に提出
  2)官報・新聞に掲載
  3)インターネットで情報提供
 (b) 各種経営情報
  1)郵政行政統計月報・年報を発行
  2)インターネット・パソコン通信で情報提供
 (c) ディスクロージャー冊子
  1)事業別に発行
  2)インターネットで情報提供

(4)「民間」との関係
 1 郵政事業と民間企業は異なる制度・経営理念の下に運営されているが、両者が適度な緊張関係の下に共存していることが、商品・サービスの開発の促進、利用者の選択肢の拡大を通じて、国民・利用者の利益向上に貢献している。
 2 信書の送達(手紙・はがきのサービス)以外のサービスには、民間も参入。
  手紙・はがきのサービスについても民間の参入を認めた場合、全国均一料金制・簡便で効率的なポスト投函制は崩壊し、地方あて郵便料金の値上げ等が必要である。
 3 郵政事業と民間企業は、制度・経営理念が異なるため、競争条件を全く同一とすることは困難である。郵政事業は、トータルとしてのバランスに配意しつつ事業を運営している。
 a)国民・利用者へのサービス提供
 (a) 郵政事業が先導的な役割を果たしたサービスの例
  1)ふるさと小包
  2)介護貯金 … 要介護者に対する金利の優遇等
  3)国際ボランティア貯金…通常貯金の受取利子の一部又は全部を海外援助のため寄附
  4)男女別の保険料の設定
  5)夫婦保険・夫婦年金
 (b) 民間と協力して提供しているサービス等の例
  1)旅行小切手(トラベラーズ・チェック)の受託販売・買取り
  2)ビッグ、ワイド、割引金融債等の購入に郵便振替の利用
  3)クレジット会社等との間での郵便貯金共用カードの発行
  4)配達ボックスの普及促進…不在時に小包郵便物や宅配荷物等を保管できる
    「配達ボックス」の普及促進に向け、民間運送事業者等と協力
 b)郵便サービス
 (a) 信書の送達(手紙・はがきのサービス)以外のサービスには、民間も参入。
  【郵便事業を取り巻く環境】(概念図 略)
 (b) 手紙・はがきのサービスへの民間参入の問題点
 ○ポスト投函・全国均一料金という簡便・効率的な制度で郵便局のみが提供
  →仮に民間参入を認めた場合、大都市あて・大口利用など採算性が高いサービスを中心にいいとこ取り(クリームスキミング)が発生
  →1)全国均一料金制の崩壊(大都市あて・大口利用→値下げ、地方あて・一般利用→値上げ)
  →2)ポスト投函制の崩壊(差出しの都度料金を確認、窓口に持参することが必要、処理コストも増加)
  →3)1)不採算地域からの郵便局の撤退、2)赤字補てんのための補助金等の導入、3)政策料金の廃止
    例)盲人用点字郵便物、日刊新聞等の定期刊行物、通信教育、心身障害者団体発行の定期刊行物
 ○世界各国とも、手紙・はがきのサービスは、郵便局のみが提供
 c)郵便貯金と民間金融機関
 (a) 郵便貯金と民間金融機関とのバランス
  郵便局は非営利のため税金の支払等が免除されている一方、高度の公共性からくる制約として、不採算地域を含む全国サービス提供義務、個人・小口への限定というサービス上の制約を負担している。
 【郵便貯金と民間金融機関の比較概念図】(略)
 1)金利…定額貯金金利は、商品性を勘案し、民間定期預貯金金利より低く設定している。
  【定額貯金の金利設定ルール】
   「短期金利<長期金利」の場合 → 3年定期預貯金金利(%)×0.95程度
   「短期金利≧長期金利」の場合 → 10年国債表面利率(%)−0.5%程度
 2)信用面…民間金融機関の預金者も、預金保険法によって1,000万円まで保証されている。
 3)シェア … 郵貯の個人金融資産に占める割合は、ここ10年2割弱で推移している。
 【郵貯の個人金融資産に占める割合の推移】(グラフ略)
 (b) 市場メカニズムとの一層の調和
  現在、民間金融機関の不良債権問題を背景とする郵貯への資金シフトの懸念が一部にあることにも留意しつつ、民間金融市場との一層の整合性の確保に努める。

2 21世紀を展望した郵政事業の改革
 (1)郵便局ネットワークの活用は、行政の効率化や国民・利用者の利便の向上に資する。
 (2)郵政事業の今後の在り方については、21世紀社会を展望し、我が国が直面している課題の解決に向けて郵便局ネットワークをいかに活用していくかとの観点から検討すべきである。
 (3)具体的には、郵便局のネットワークや窓口を広く社会に開放し、情報・安心・交流の拠点」として活用する。
 【概念図】(略)

[1 情報の拠点]
 (1)21世紀社会は「情報」が鍵である。モノ・カネといった「現物」の流通・利用と「情報」の流通・利用とがあいまって円滑化していく。
 (2)情報・モノ・カネを流通させ、国民に身近なアクセスポイントを有する郵便局ネットワークは、「情報の拠点」としての役割を果たしていく。
 (3)「情報の拠点」に向けた郵政事業改革
  1)ワンストップ行政サービス … 地域での行政アクセスポイントとして活用
  2)郵便局のオープンネットワーク化 … 民間へのネットワーク開放
  3)低廉な郵便料金水準の実現とサービス水準の向上
  4)多様なニーズに応じた郵便サービスの提供
  5)郵便局のマルチメディア化 … 個人間・地域間の情報格差是正
 a)ワンストップ行政サービス
   複数の窓口での手続を要する各種行政サービスを、一つの窓口で一括して手続
   →国民の負担軽減・利便向上、行政コストの削減に貢献 【概念図】(略)
 (参考)諸外国における取組み
  諸外国においても、効率的な行政の推進、国民・利用者の利便性向上等のため、政府と国民・利用者のアクセスポイントとして身近な郵便局を活用した取組みを行っている。
 1)米国
  4万の郵便局を活用して行政サービスのネットワーク(WINGS)を構築していく予定である。【概念図】(略)
 2)マレイシア
  郵便局と政府の各省庁をオンラインネットワークで結び、様々な更新手続を郵便局窓口で提供している。
 3)英国、シンガポール
  郵便局窓口を広く行政と国民・利用者の接点として活用している。
b)郵便局のオープンネットワーク化:民間へのネットワーク開放
 1)民間のネットワークとの結合
  ア)郵便貯金ネットワークを民間に開放する。
  イ)預貯金等を受払いする拠点が全国各地に拡大するなど、国民・民間企業の双方にとって決済機能・利便性が向上する。
  ウ)国際送金サービスへのアクセス機会を全国あまねく提供する。
  エ)災害時の相互バックアップ体制とする。
 2)全国の郵便局窓口を通じ、民間金融商品を提供
   日本版ビッグバンの進展に伴い、多様な金融商品へのアクセス機会を提供する。
   特に金融に関する情報弱者の利便性が向上する。

[2 安心の拠点]
 1)21世紀は、少子・高齢化等に伴い、「安心」が鍵である。
 2)社会保障費の伸びに伴う国民負担の増大を抑制するため、公助には一定の限界があり、一層の自助努力が必要となる。特に、老後の生活設計を踏まえた自助努力はより重要となるものと考えられる。
 3)郵便局は、自助支援サービスの充実や郵便局の情報、人的ネットワークの活用により、地域社会の「安心の拠点」としての役割を果たしていく。
 4)「安心の拠点」に向けた郵政事業改革
  ア)生活設計の自助支援サービスの実現
  イ)地域における福祉増進の支援:自治体の在宅福祉サービスの支援等
  ウ)安全な生活環境の整備:地域の災害対策への協力等

[3 交流の拠点]
 1)生活重視の観点から、生活の場としての地域社会が見直される。
 2)郵便局には、地域に密着した情報・モノ・カネのネットワークや国民に身近なスペースがある。これらの資源を活用して、地域の情報・人等の交流を支援する「交流の拠点」としての役割を果たしていく。
 3)「交流の拠点」に向けた郵政事業改革
  ア)地域活動支援:ボランティア活動の情報拠点
  イ)地域間交流の支援:各種地域情報の発信
  ウ)生活・交流基盤の整備:地方公共団体への郵便局資金の直接融資

3 郵政事業の経営形態
 (1)郵政事業は、全国津々浦々まで設置された郵便局ネットワークを通じて、国民の日常生活に不可欠な各種サービスを提供し、生活インフラとして国民の生活を支える基盤となっている。
  1)ユニバーサルサービスとして、生活基礎サービスの利用の機会を保証
  2)公的な窓口サービスを提供
  3)社会的弱者を対象とした福祉施策を実施
  4)地域振興施策を実施
  5)文化・情報流通振興施策を実施
  6)災害時にもサービス提供を継続等
  7)社会資本整備のための原資を供給
  これらのサービスの提供に当たっては、税金からの補てんは一切受けず、独立採算で健全経営を行っている。
 (2)郵便局サービスに対する国民の信頼は高く、長い歴史の中で国民の暮らしに定着している。
 (3)郵便局ネットワークの活用は、行政の効率化や国民・利用者の利便の向上に資する。
 (4)仮に郵政事業を民営化した場合、上記1の役割の維持は不可能となり、地方の切捨て・弱者の切捨てとなる。
 (5)したがって、郵政事業は、今後も、民間とのバランスに配意しつつ民間企業とは異なる目的・行動原理の下で運営されることが適当であり、国営・非営利・三事業一体の現行の経営形態であるべきと考える。
 (参考)ドイツ及びニュージーランドにおける郵政事業の経営形態の変更
  経営形態を変更したドイツ及びニュージーランドの郵政事業については、1)赤字経営、2)サービス水準の問題(ストライキ、日常的遅配)など、日本の郵政事業とは異なる背景があった。
  なお、両国とも、経営形態の変更後、郵便局数は減少している。
  【経営形態変更の背景等】(図表 略)

郵政省説明資料(平成9年6月11日)
通信放送行政と他の産業行政、文化行政との関係及び組織の在り方をどう考えるか。

1 情報通信行政の目的と内容

(1)情報通信行政の目的
 1)情報通信行政は、高度な情報通信の利用を実現し普及させることにより、情報通信がもつ効用、変革力をあらゆる社会経済主体が享受できる社会、「高度情報通信社会」の構築を推進することを目的
 2)欧米、アジア諸国においても、情報通信行政を国家的重要課題として位置付け
ア 情報通信は、急速な技術革新により、従来のような音声だけの情報交換、マスメディアによる一方向の情報の提供にとどまらず、音声、映像、図面、データ等多彩な情報交流を地球規模で可能にしつつある。
  このことは、知識創造・交流に価値を置くソフト化、ボーダレスな活動が活発化しているグローバル化という世界的な潮流に沿うものであるとともに、個々人の創意工夫・主体性発揮を支援し、自己責任原則の確立を促すことにより、新規市場の創造、高い生産性の確保、時間的なゆとりの醸成等をもたらすという大きな変革力を内在するものである。
  また、こうした情報通信の利活用は、経済構造の改革のほか、行政事務の効率化・情報公開・危機管理機能の強化や、医療・福祉事務の効率化、金融システムの効率化、教育の多様化など現下の国家的課題である六大改革の推進にも貢献するものである。
  情報通信行政は、高度な情報通信の利用を実現し普及させることにより、こうした情報通信がもつ効用、変革力をあらゆる社会経済主体が享受できる社会、「高度情報通信社会」の構築を推進することを目的としている。
 イ 欧米・アジア諸国においても、情報通信行政を21世紀に向けた国家的重要課題として位置付け、積極的に推進しているところである。
  また米国では、国防技術として開発された情報通信技術の民間転用が、米国の情報通信分野における国際競争力の源泉となっている。
 (参考)【米国における国防技術の民間転用事例】
 1)インターネット:国防機関を結ぶネットワークとして発足
 2)GPS:国防目的で開発された全世界測位システム
 3)セキュリティ技術:電子申請・電子商取引における本人確認、データベースアクセス制御等に応用
 4)音声認識技術:キーボードレス端末等に利用
 5)GUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース):ウィンドウズ95等の基礎
 6)低軌道周回衛星技術:イリジウム等に採用
 7)周波数拡散移動通信技術:米国の新携帯電話方式に採用
 8)高性能ネットワーク接続技術
  ウ さらに、情報通信分野も、いわゆる「大競争」の例外ではなく、国境を超えた企業間の連携(グローバルアライアンス)が進展している。このため、国際的な視点での情報通信行政の必要性が増大しており、海外への情報発信、事業者の海外展開へ向けての施策を推進している。

(2)情報通信行政の内容
   高度情報通信社会の実現を図るため、長期的な視野に立った政策の展開に努めつつ、以下の政策を一体的に推進
 1)情報通信産業のダイナミズムの創出を目指した市場環境の整備:「第二次情報通信改革」の推進
 2)21世紀の新たな情報通信基盤の整備促進:基幹ネットワークとしての光ファイバ網整備等次世代ネットワークインフラの整備促進
 3)電波の爆発的需要増に対応した電波資源の積極的活用方策の推進:新たな電波資源の開発等
 4)情報通信のグローバルな展開の促進:国際標準の確立と高度な世界的情報通信基盤の整備等
  情報通信行政は、高度な情報通信の利用を広く社会に実現し、普及させることにより、高度情報通信社会の構築を推進するものである。
  このため、通信の秘密や表現の自由の確保という憲法に保障された情報通信利用の基本的なルールの遵守を担保しつつ、以下の政策を一体的に推進している。
 1)情報通信産業のダイナミズム創出のため、すなわち、事業者が低廉・多様な情報通信サービスの提供へ向けて活力を発揮するよう市場環境の整備を図る「第二次情報通信改革」を推進すること
  2)21世紀の我が国社会経済の発展を支える基幹ネットワークとしての光ファイバ網等の次世代ネットワークインフラ、これを利用するアプリケーション、さらに両者を支える情報通信技術によって構成される情報通信基盤の整備に関し、投資リスクや採算の問題から民間部門では着手されない部分について、民間部門にインセンティブを付与すること等によりその整備を促進すること。
  あわせて、情報通信の利用に際して発生する社会的問題に対応し、利用環境を整備すること。3)情報通信の利用の普及に伴う爆発的な需要増により逼迫する電波資源に関し、新たな電波資源の開発等により、その有効かつ積極的な活用方策を推進すること
 4)情報通信のグローバルな展開を促進するため、国際標準等グローバルスタンダードの確立のための調整や高度な世界的情報通信基盤の整備のための施策等を推進すること
  その際、長期的な視野に立った政策を展開するため、中長期の政策の在り方につ いて関係する審議会に諮問しているが、資料を公開する中で、できるだけ多くの方々の意見を反映させるなど透明性の確保に努めているところである。

ア 情報通信産業のダイナミズムの創出を目指した市場環境の整備
  「第二次情報通信改革」により、情報通信産業のダイナミズムを創出
  1)「規制緩和」「接続政策」「NTT再編成」の三位一体の競争政策
  2)デジタル化による放送革命
  3)通信と放送の融合によるマルチメディア化の促進
  4)情報通信ベンチャービジネス創出のための環境整備
 (ア)三位一体の競争政策
  昭和60年の日本電信電話公社の民営化を中心とする第一次情報通信改革により、電気通信事業者数は4,726社(本年4月1日現在)に及び、サービスの低廉化・多様化、市場拡大が進展してきている。
  一層の競争促進によるダイナミズム創出のため、「規制緩和」「接続政策」「NTT再編成」を三位一体として推進しており、これを内容としたNTT法、KDD法及び電気通信事業法の一部改正法案を、本国会(第百四十回国会)に提出しているところである。今後とも、一層の競争を創出するための政策を推進していく。
 (イ)デジタル化による放送革命
  これまで、地上放送、CATV、BS放送、CS放送(注)等、多様な放送の実現・普及による放送市場のダイナミズム創出を図ってきたところであり、現在、放送のデジタル化に向けた制度整備等を推進している。これは、多チャネル化、マルチメディア化等を促し国民の多様な情報ニーズの充足を可能とするものである。
 注:
 1)地上放送:いわゆる民放、NHK及び放送大学学園など地上波を用いた放送:268社(平成8年度末)
 2)CATV:有線テレビジョン放送(Cable Television)641社(自主放送を行うもの:平成7年度末)
 3)BS放送:放送衛星(BS:Broadcasting Satellites)を用いた放送 3社(平成8年度末)
 4)CS放送:通信衛星(CS:Communication Satellites)を用いた放送 60社(平成8年度末)
 (ウ)通信と放送の融合の促進
  CATV網を利用した通信サービス、CS放送などいわゆる通信と放送の融合サービスについて、その実現を図ってきた。これは情報通信手段の多様化、マルチメディア化により、利用者の利便の向上をもたらすものであり、今後ともこれを促進していく。
 (エ)情報通信ベンチャービジネス創出のための環境整備
  第二次情報通信改革の担い手として、独創的な技術やアイデアを有し、多様なニュービジネスを展開していくベンチャー企業等の活躍が期待される。
  このため、こうした企業の資金調達環境の整備、人材確保の円滑化、研究開発への支援等の起業環境の整備に向けた各種施策を推進している。

イ 21世紀の新たな情報通信基盤の整備促進
  21世紀の新たな情報通信基盤を構築するため、以下の政策を推進
  1)基幹ネットワークとしての光ファイバ網の整備等次世代ネットワークインフラの整備促進
  2)社会経済の情報化を先導するアプリケーションの開発・普及
  3)経済成長と繁栄の原動力となる情報通信技術の創造的研究開発の推進
  4)情報弱者対策、セキュリティ対策等新たな社会問題への対応
(ア)基幹ネットワークとしての光ファイバ網の整備等次世代ネットワークインフラの整備促進
  高度情報通信社会の基幹ネットワークとして最も重要となる光ファイバ網の早期全国整備に向け、その立ち上がりを支援するとともに、過疎地等における移動体通信用鉄塔の整備支援や放送難視聴地域の解消のための施設整備支援(注)といった格差是正事業を推進している。
  注:
 1)光ファイバ網整備支援
  加入者系光ファイバ網整備に対する超低利融資制度を講じ、2000年までの先行整備期間における民間事業者の投資負担の軽減を図る。
 2)移動通信用鉄塔の整備支援
  携帯・自動車電話等の利用不可能地域の削減に向けて、地方公共団体等が行う移動通信用鉄塔施設の整備に対して補助を行う。(2000年までに利用不可能な市町村の割合を10%に削減することを目標として推進)
 3)放送難視聴地域の解消のための施設整備支援
  民放テレビ、民放中波ラジオなどの放送が良好に受信できない地域について、地方公共団体等がその解消を図るために行う中継施設などの整備に対して補助を行う。
  この他、例えば光ファイバ網と移動体通信網、衛星通信網など様々なデジタルネットワークの調和ある発展を図るための技術開発を推進している。
 (イ)先導的アプリケーションの開発・普及
 1)社会経済の情報通信利用の高度化を牽引する先導的・汎用的なアプリケーションの開発・普及を支援している。
  (開発例)超高精細映像技術、暗号技術や認証技術等セキュリティ技術の研究開発
 2)また、地域の情報通信利用の拠点として、郵便局の活用も積極的に推進していく。
 (ウ)創造的研究開発の推進
  情報通信技術の進歩は経済成長と繁栄の原動力であり、各国とも、技術開発・標準化への取組みを、自国の国際競争力を左右するものとして戦略的に重視しているところである。
  郵政省では、民間での実施が見込まれない基礎的技術の開発、ハイリスクな研究開発への支援を実施している。
  また、情報通信の発展に必要不可欠な相互接続性の確保等の観点から、標準化への取組みを重視している。具体的には、ITU(注)等の国際標準化活動への積極的貢献を図るとともに、国際的な標準化の動向に係る情報提供や外国主管庁との調整等を通じて、民間標準化活動の円滑な実施を支援している。
  さらに、国際標準化を目指した研究開発や実証実験活動への支援の強化を図っていく。
  注:ITU(International Telecommuniation Union) 国際電気通信連合
 (エ)新たな社会問題への対応
  情報通信利用の高度化に伴い生ずる社会的問題に対処するため、以下のような施策を実施している。
 1)字幕放送等の充実支援、高齢者・障害者等にも使い勝手の良い端末の開発・普及を促進する等情報弱者対策を推進
 2)苦情処理・相談体制の充実、プライバシー保護対策の指導等、消費者保護対策の推進
 3)情報通信ネットワークの安全・信頼性対策の普及・支援
 4)災害等の非常時の通信の確保。このための技術開発も推進
 5)電磁環境対策の充実(電波利用の増大に伴い、電磁波が人体や医療機器に及ぼす影響が懸念される。このため、適切な防護指針の策定・周知や必要な技術開発等を推進し、国民が電波を安心して利用できる環境を整備している。)
 6)行政の情報化の推進(電気通信行政の情報化により、行政の効率化、国民への情報開示を促進している。また、郵便局を活用したワンストップサービスは、行政全体の情報化に寄与するものである。)

ウ 電波の爆発的需要増に対応した電波資源の積極的活用方策の推進
  電波需要が急増する中で、その有効かつ積極的な活用を図るための方策を推進
  1)未利用周波数帯の開発等新たな電波資源の開発
  2)世界規模の携帯電話サービスの導入等新たな電波ビジネスへの対応
  3)不法無線局対策等電波監視行政の充実
  携帯電話の急速な普及等、電波需要は急増し、無線局数は昭和60年に約300万局であったとこ ろ、現在は約3,000万局にまで増加してきている。
  電波は限られた資源であるため、我が国全体として電波が有効かつ積極的に活用されるよう、資源開発も含めた電波政策を実施している。
(ア)新たな電波資源の開発
  増加の一途をたどる電波利用の需要に対応するため、1)未利用周波数帯の開発、2)伝送効率の向上技術の検討、3)混信妨害の軽減技術の検討(注)等、無線局の収容能力の拡大につながる電波資源の開発を推進している。
 注:
 1)未利用周波数帯の開発:ミリ波(30GHz〜300GHz)など現在利用が進んでいない周波数の高い電波を利用可能とする技術の開発
 2)伝送効率の向上技術:既存の周波数帯域内で、デジタル化等により伝送効率を改善することや周波数帯域幅を狭くしても従来の通信を可能とすること(ナロー化)で、新たに割当てが可能な電波を増加させることにより、周波数を有効に利用するための技術
 3)混信妨害の軽減技術:近接する端末間での電波の混信を軽減するための高性能フィルタ技術など、混信妨害を軽減または解消することにより周波数を有効に利用するための技術
 (イ)新たな電波ビジネス等への対応
  携帯電話における包括免許制度の導入、衛星を用いた世界規模での携帯電話サービスについて国境を超えた端末の自由な流通を確保するための免許制度の導入、電波割当て手続の透明性の確保を図るなど、新たな電波ビジネス等の創出に向けた電波利用環境の整備を推進している。
 (ウ)電波監視行政の充実
  電波利用の増大に伴って、電波の適正な利用を確保し、電波が有効に利用できる環境を整備することが重要になってきており、不法無線局の増大に対応した効率的・ 効果的な不法無線局の探査や電波の利用状況の調査等の電監視行政の充実を図っている。

エ 情報通信のグローバルな展開の促進
  情報通信のグローバルな展開を促進するため、以下の政策を推進
 1)国際標準等グローバルスタンダードの確立
 2)高度な世界的情報通信基盤整備のための協力・支援
 3)国際放送、放送番組国際交流事業等国際交流の推進
 4)我が国事業者の国際競争力強化策の推進
 国境を越えて急展開する情報通信については、政府間をベースとした対応が必要であり、グローバル化に当たっての混乱を解消し、これを促進するため、次のような施策を推進している。
 (ア)グローバルスタンダード確立のための国際調整
 1)ITU活動への主体的・積極参加
  国際連合の電気通信に関する専門機関であるITUにおいては、国際的な電気通信の標準化のほか、各国への電波の割当てに関する国際調整、衛星の軌道位置の国際調整等を実施している。情報通信のグローバル化、電波需要の増大や衛星通信へのニーズ拡大に対応して、ITU活動の重要性は高まっており、我が国としてこれに主体的・積極的に参加・貢献していく。
 2)「デファクト標準」の形成に向けた支援
  米国では、その技術力を背景として、市場主導により事実上の標準化を進める、いわゆる「デファクト標準」を主体とした活動が活発であり、インターネット関連技術等、世界市場を席巻している事例も多い。
  我が国が産み出す情報通信技術が、こうした「デファクト標準」を形成することを目指し、これにつながる研究開発への支援等を推進する。
 3)WTO(注)等での自由化交渉
  先般2月に終結したWTO基本電気通信交渉においては、積極的に自由化方針を提示し、交渉をリードしてきたところである。
  世界的な情報通信市場の活性化のため、一層の自由化に向け、今後ともリーダーシップを発揮していく。
 注:WTO(World Trade Organization) 世界貿易機関
 4)OECD(注)における情報通信利用の国際ルール検討への積極参加
  インターネット等を通じ国境を超えて流通する違法・有害情報への規律の調和に向けた検討等へ積極に参加している。
 注:OECD(Organization for Economic Cooperation and Development)経済協力開発機構

 (イ)高度な世界的情報通信基盤整備のための協力・支援
 1)世界的情報通信基盤整備に向けた協力
  1995年2月の「情報社会に関するG7閣僚会合」において、情報通信基盤整備を通じた高度情報通信社会の構築に向けてG7各国が協調・協力関係を推進する旨が宣言され、これに基づく国際共同プロジェクト等を推進している。
 2)開発途上国の情報通信基盤整備への支援
  開発途上国における円滑な情報通信基盤整備を支援するため、基盤整備に必要な技術の移転や国際共同研究等を通じた国際協力を推進している。
(ウ)情報通信分野における国際交流
 1)諸外国の対日理解の促進や在外邦人に対する情報提供のため、国際放送の実施を推進している。
 2)対日理解の促進・開発途上国の放送の発達・普及のため、放送番組国際交流事業(注)を推進している。
 注:日本の放送番組を開発途上国向けに翻訳する事業への支援
 3)アジア地域における情報受発信の一翼を担うべく、我が国の情報受発信機能を高めるための政策支援を推進している。
(エ)国際競争力強化のための施策
 1)電気通信分野における競争を推進することにより国際競争力の強化等を図るため、公専公接続の完全自由化等の規制緩和、接続政策の推進、NTTの再編成等による第二次情報通信改革を推進している。
 2)デジタル化の進展や国境を越えた衛星放送の普及などに対応して国際競争力の強化等を図るため、デジタル技術の開発や放送ソフトの制作・流通の環境整備を推進している。
 3)我が国の事業者の海外進出、我が国で開発されたPHS等の技術の海外展開を推進するため、NTT再編や政府ベースによる支援等を推進している。

2 他の行政との関係及び組織の在り方
 (1)他の行政との関係
 1 情報通信行政は、1)「第二次情報通信改革」の推進、2)基幹ネットワークとしての光ファイバ網整備等次世代ネットワークインフラの整備促進、3)新たな電波資源の開発、4)国際標準の確立と高度な世界的情報通信基盤の整備など一連の政策を一体的に遂行し、独自の領域を形成。
 2 行政遂行の過程で、関連する産業、文化との関わりを持つが、情報通信行政の目的は、時代の要請に対応した高度な情報通信利用の実現・普及を図り、高度情報通信社会を構築すること。
 ア 産業行政との関係
 (ア)情報通信行政は、高度な情報通信の利用を広く社会に実現・普及させるために、情報通信産業のダイナミズム創出を目指した市場環境の整備(「第二次情報通信改革」)、21世紀の新たな情報通信基盤の整備促進(基幹ネットワークとしての光ファイバ網整備等次世代ネットワークインフラの整備促進)、電波資源の積極的活用方策の推進(新たな電波資源の開発等)、情報通信のグローバルな展開の促進(国際標準の確立と高度な世界的情報通信基盤の整備等)という一連の政策を一体的に遂行しており、独自の領域を形成している。
 (イ)情報通信行政は、主として情報通信市場の整備を進める中で、情報通信産業を行政の対象としている。しかしながら、この情報通信市場の整備は、当該民間部門がその活力を発揮する舞台となる競争的な市場環境をつくることを通じて、低廉かつ多様な情報通信サービスの提供を可能にすることにより、高度な情報通信の利用を広く社会に実現・普及させることを目的とするものである。我が国産業の成長に伴いその意義を失いつつある産業の育成や産業の保護そのものを目的とするものではない。
 (参考)【行政関与の在り方に関する基準(抜粋)】(平成8年12月 行政改革委員会)
 V.判断基準
 2.行政の関与の可否に関する基準
 (6)公平の確保
 4)公平の確保に関わる行政の関与のうち、特に地域間、産業間、世代間での所得再分配の施策に関しては、次に示す基準を満たす必要がある。
  b.産業間の所得再分配
  1)産業間の所得再分配を目的とした施策や産業保護的な施策から原則として撤退する。
  2)(略)
  3)特定産業の育成政策からは撤退する。(以下略)
 イ 文化行政との関係
 (ア)情報通信のうち、文化との関わりの深いのは放送であるが、この放送は、報道番組や 教育・文化に関する番組、各種商品情報、災害情報等を広く提供する機能を通じて、文化のみならず、政治経済、社会活動全般にわたる大きな影響力を持つメディアである。
  放送行政は、こうした広範な機能を持つ放送について、有限稀少な電波の有効利用を図りつつ、国民に対し多様な放送メディアの実現・普及を図ることを目的としており、文化振興や保護を目的とする文化行政とは目的を異にする。
 (イ)なお、放送の多チャンネル化、グローバル化の進展に対応するため、放送ソフトの円滑な制作、流通を図るための環境を整備しているところであり、その一環として、放送ソフトに係る著作権処理ルールの確立を行っていくことが重要な課題となっている。このため、著作権行政との連携・調整を図る必要が高まってきている。
 (ウ)このほか、インターネット等を通じ国境を越えて流通する違法、有害な情報への規律の在り方については、各国の文化的事情の違いにも配慮しつつグローバルスタンダードの構築を進めていくことが必要であり、情報通信行政と文化との関わりが生じてきている。
 (エ)なお、1(2)アで述べた通信と放送の融合といった動向に適切・機動的に対応していくためには、通信と放送の全体を行政対象としてとらえる必要がある。
 ウ 利用面の行政との関係
  なお、質問にあった産業・文化行政以外の利用面の行政との関係は以下のとおリである。
 (ア)情報通信を行うために必要な設備は、ネットワークインフラとその上に立って現実の利用に係るアプリケーションによって構成されるが、アプリケーションの普及による需要の創出がネットワークインフラの整備を促進し、ネットワークインフラ整備の促進がアプリケーションの普及を誘発するという意味で、両者はいわば車の両輪となるものである。
 (イ)こうした点を踏まえ、郵政省では、ネットワークインフラの整備支援とともに、先導的・汎用的なアプリケーションの開発・普及の支援を行っているが、こうした開発の結果が実用化の段階に達した際に、現実の導入を図るのは利用面を所管する行政の役割である。
  例えば、郵政省は、高精細の映像伝送の開発を進めるため、これを利用する分野の一つである医療の分野で実験を行っているが、これが実用化された段階で、現実の導入を図るのは医療行政の役割である。
 (ウ)政府内においてこのような役割分担を行う(2(2) イ)ことによって、各個別分野での施策重複や不整合が回避されており、高度な情報通信利用の実現・普及を進めるに当たって、これが一層効率的に機能するようにすることが重要である。

(2)組織の在り方
  情報通信行政の組織については、多様な政策の一体的な遂行を可能とする現行の組織体制を基盤としつつ、国の内外の環境の変化に的確に対応して、より効率的・機動的な行政運営が可能となるよう、その強化・充実を図ることが必要。
 ア 技術革新の成果により高度化する情報通信は、多彩な情報交流を地球規模で可能にし、その効用は、社会・経済のシステムを横断的に変革するものと期待されている。
  郵政省は、情報通信が持つこうした効用・変革力を誰でもが享受できるような社会、高度情報通信社会の構築を推進することを目的として、市場環境の整備、情報通信基盤の整備促進、電波資源の積極的活用、グローバルな展開の促進という相互に関連する一連の情報通信政策を一体的に推進しているほか、技術革新の進展等に伴う情報通信を取り巻く国の内外の環境の変化にも的確に対応するよう努めている。
  イ 情報通信は、その普及に伴い、社会経済の広範な活動に関わりを持つことから、情報通信行政と他省庁の所管行政との関係が緊密化し、その政策上の連携を行う必要性が増えてきている。この点については、「高度情報通信社会推進本部」(本部長:総理、副本部長:郵政大臣等)のもと、「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」を策定し、これを共通認識として関係各省庁が施策を推進してきているほか、関係省庁との間で連絡協議会を設置し、この場を活用して施策の連携実施を推進している。
  ウ 以上を踏まえると、情報通信行政の組織については、高度情報通信社会の構築を図るため多様な政策の一体的な遂行を可能とする現行の組織体制を基盤としつつ、国の内外の環境の変化に的確に対応して、より効率的・機動的な行政運営が可能となるよう、その強化・充実を図っていく必要がある。

郵政省説明資料(平成9年6月11日)
研究機関について、他の研究機関との統廃合を含め、組織の在り方についてどう考えるか。

1 情報通信技術の研究開発の重要性
  情報通信技術は21世紀の高度情報通信社会の実現等に不可欠な技術。我が国としては、この分野への重点的投資と研究開発推進体制の充実が必要。
 (1)情報通信技術の研究開発は、21世紀の高度情報通信社会の実現、情報通信の高度化による社会経済構造改革の達成とともに、科学技術創造立国を支える知的資産の形成のためにも不可欠である。
 (2)一方、情報通信は今後の各国経済の国際競争力の鍵を握る重要な戦略分野であり、各国それぞれその強化を図っているところである。
  このような状況の中で、我が国が世界をリードできる先端的な情報通信技術を保有することは極めて重要である。にもかかわらず、当該分野の技術貿易では我が国の入超の状況である。
 (3)従って、情報通信技術の研究開発への重点的投資と研究開発推進体制の充実が必要である。

2 中核的研究機関としての通信総合研究所
  通信総合研究所は、情報通信分野唯一の国立試験研究機関。情報通信技術の戦略的重要性に鑑み、政策部門と密接な連携を取りつつ、通信総合研究所を中核とした研究開発の推進が重要。
 (1)情報通信分野の唯一の国立試験研究機関としての通信総合研究所
  通信総合研究所は、電波及び電気通信技術など情報通信技術に関する研究開発を総合的に行う唯一の国立試験研究機関である。民間では実施困難な次のような研究開発を、産学官連携の中核的機関として推進している。
  1)基礎的でハイリスクな研究開発
  2)公共性が高い技術の研究開発
  3)多様な分野に共通的・普遍的な技術の研究開発
  4)波及性が高く緊急性を有する研究開発
  その他、周波数及び時刻の国家標準の維持・管理などの業務を実施している。
 (2)主な研究開発項目
  現在の通信総合研究所の主な研究開発項目は、次のとおりである。
  1)情報通信基盤技術の研究開発
  2)宇宙通信技術の研究開発
  3)電波を用いた計測技術の研究開発
  4)周波数資源の開発
  5)電気通信フロンティア研究開発
 (3)政策部門と研究部門との密接な連携による研究開発の推進
  技術の急激な進展の中で高度化・多様化する国民ニーズに適切に対応するためには、情報通信基盤整備、周波数有効利用、無線通信の秩序の維持、地球環境保全等の政策目標実現のための研究開発の推進と研究開発成果の政策への適時適切な反映が重要であり、このため政策部門と研究部門との連携、一体的運営が不可欠である。
  通信総合研究所は、このようなニーズに対応すべく、常に組織・研究体制の見直しを図ってきたところである。

3 情報通信分野の研究開発推進体制の在り方
  情報通信技術の基礎的な研究開発と応用技術の研究開発は相互に刺激を与えつつ進展。このため、通信総合研究所は基礎から応用までの研究資源(研究人材、研究資金及び研究施設)を一体的に保持した上で、利用分野の他の研究機関との連携を図りつつ研究開発を推進することが重要。
 (1)基礎的な研究開発と応用技術の研究開発との密接な連携の必要性
  ア 情報通信は、電話の時代から光ファイバ通信、携帯電話の時代を迎え、社会経済活動を支える基本インフラ(情報通信基盤)を形成し、その上に様々な情報通信アプリケーションが展開されつつある。
  イ 情報通信分野においては、技術の進展がさらに高度な技術の実現を求めるという、いわゆる正のフィードバック(帰還)効果が大きく、応用技術の研究開発と基礎的な研究開発とは相互に刺激を与えつつ発展する。従って、限りある研究資源(研究人材、研究資金及び研究施設)の中で最も効率的・効果的に研究開発を推進するためには、基礎的な研究開発のみならず、その成果を踏まえ、具体的な利用場面を想定しての応用技術の研究開発を一体的に実施することが重要である。
  ウ このような状況を踏まえ、通信総合研究所においては、新しい周波数領域であるミリ波を用いた無線システムの研究開発や地球環境計測技術の研究開発のような、汎用性が高く、かつ国が主体となって推進すべき基礎から応用までの研究開発を総合的に実施しているところである。
 (2)通信総合研究所の研究資源の保持と関係研究機関との連携
  ア 上記(1)のような観点から、通信総合研究所においては基礎から応用までの研究開発を総合的に実施しているところであり、利用分野に特化した研究開発を実施している他省庁の研究機関との重複はない。
  イ 一方、通信総合研究所においては、その応用技術の研究開発の実施に当たっては、より実用的な技術の開発を効果的に推進するため、共同研究等により利用分野の研究機関との連携・協力を行うとともにそれらを通じて関係研究機関にその成果を移転してきたところである。
  【利用分野の研究開発機関との連携−電磁波計測技術の場合−】(概念図略)
  ウ これら一連のプロセスを利用分野の研究機関に統合するとの考え方もあり得るが、仮にその考え方に従う場合、情報通信技術の利用分野は、地球環境、宇宙開発、測地、学術など多岐に亘るため、それぞれの分野の研究機関に研究資源を細切れに分散せざるを得なくなる。その結果、我が国の研究開発力の低下を招き、欧米諸国のみならず、韓国、マレイシアなどのアジア諸国も含め、各国が戦略的にその強化を図りつつあるこの分野の研究開発において我が国の国際競争力の低下を引き起こす恐れがある。
  エ このため、我が国がとるべき方策としては、通信総合研究所が国際的にも戦略的分野である情報通信分野の研究資源を保持した上で、共同研究や研究交流などの手段を積極的に活用して利用分野の研究者や研究機関との連携を図りつつ、研究開発を推進することが重要である。

 4 結論
 (1)情報通信技術は我が国が戦略的に強化すべき分野であり、政策部門と密接な連携を取りつつ、通信総合研究所を中核とした研究開発の推進が重要。
 (2)情報通信技術の基礎的な研究開発と応用技術の研究開発は相互に刺激を与えつつ進展。このため、通信総合研究所は基礎から応用までの研究資源を一体的に保持した上で、利用分野の他の研究機関との連携を図りつつ研究開発を推進することが重要。
 
 (参考)通信総合研究所の概要
 1 沿革
  郵政省通信総合研究所は、「逓信省電気試験所」において1896年(明治29年)に開始された電波研究にそのルーツを持ち、戦後の混乱期を経て1952年(昭和27年)に「郵政省電波研究所」として発足し、1988年(昭和63年)に「郵政省通信総合研究所」と名称変更して、現在に至り、情報通信技術分野の研究を総合的に行う唯一の国立試験研究機関。
 2 予算及び定員
西暦年19901991199219931994199519961997
(予定)
予算(億円)4551537383101141200
定員(人)423422422424423423424425
(1997年3月現在)
                           
 3 組織(組織図 略)
   所長、次長(1)、総合研究官(1)、総務部、企画部、7研究部、3特別研究室、2支所、4電波観測所(1997年5月現在)
 4 開かれた研究所としての運営
 国  内海  外 
外部研究者の受け入れ156名86名 
外部研究機関との共同研究120件90件(1996年度現在)

 5 主な研究開発項目
 (1)情報通信基盤技術の研究開発
  21世紀の情報通信基盤整備に資する超高速ネットワーク技術、高齢者・障害者を含め誰でも容易に利用できる通信端末技術、高度な情報伝送・蓄積技術等の基礎的・汎用的技術の研究開発、相互接続性の確保やアプリケーション開発促進のための国際ネットワーク実証実験
 (2)宇宙通信技術の研究開発
  超高速光衛星通信、衛星間通信、宇宙天気予報等次世代の通信・放送衛星技術の研究開発
 (3)電波を用いた計測技術の研究開発
  大気、海洋、降雨、雪氷、植生、オゾン層等地球環境の遠隔観測、高精度な地殻変動計測等のために電波を利用する技術の研究開発
 (4)周波数資源の開発
  有限な資源である周波数の効率的な利用と新しい周波数の開発を目的とする研究開発及び技術試験
 (5)電気通信フロンティア研究開発
  未開拓電磁波技術、生体機能の解明等今後の情報通信に飛躍的革新をもたらし、将来のニーズに応える基礎的な研究開発
  【別図】(図略)

郵政省追加説明資料(平成9年6月11日)
有限な国民的財産である電波に対する需要が高まる中、その利用調整については、現在の不透明な割当制から、透明な制度(たとえば公開入札制度等)に改革すべきとの意見をどう考えるか。また、電波割当の有料化も検討できるのではないか。

1 現行の周波数割当、電波免許手続
 周波数の割当てについては、国際的な分配に基づき、関係者からの意見の聴取、審議会への諮問等、透明な手続を経た上で決定。
 電波免許についても、電波法関係審査基準をオープンにして透明性を確保。
 (1)個々の無線局に対する周波数の割当ては、国際的な周波数の業務別分配、それを受けた国内的な周波数の業務別分配、さらには業務別分配の範囲内で決定される具体的な用途等に従って行われる。
 (2)周波数割当ての各プロセスにおいては、手続の透明性を確保するため、次のような措置が講じられている。
 1)国際分配の見直しに関する我が国の考え方を決定するに際し、電気通信事業者、放送事業者、その他無線局免許人等から意見を聴取。
 2)主要な通信システムの技術基準及び使用周波数帯を決定するに際し、電気通信技術審議会及び電波監理審議会に諮問。審議会では利害関係者から意見を聴取。また、WTO等の国際機関に対しても技術基準案を通報し、諸外国からのコメントを募集。
 3)無線局の免許については、行政手続法の施行に伴い策定された「電波法関係審査基準」等(公表済み)に基づく審査を経て可否を決定。電気通信事業者が最初に開設する無線局など重要性の高い無線局については、電波監理審議会に諮問。
 4)周波数の業務別分配及び個々の無線局に割り当てられた周波数の現状を、電波法に規定された周波数公開の原則に基づき公表。
  なお、電波の割当ての透明性を一層向上させるため、電子的手段等により新たな周波数公開方法の構築などを実施する予定である。

2 周波数オークションに関する検討
  周波数オークションについては、メリット・デメリットの両方が認められること、当面対象となるシステムが想定されないこと等から、将来の課題として検討。
 (1)規制緩和推進計画(平成8年3月29日改定)に基づき、オークション方式導入の是非を含む周波数割当方式の在り方について検討するため、平成8年4月から平成9年1月まで、「電波資源の有効活用方策に関する懇談会(座長:舟田正之立教大法学部教授)」を開催し、懇談会報告を公表した。
 (2)懇談会報告では、周波数割当方式の在り方について、次のように提言している。
 1)オークションには、迅速かつ透明な選定手続の確保等、行政手続として優れた点があると考えられる一方、コスト増による利用者に対するサービスの低下のおそれ、特定者による周波数独占のおそれ等の問題点も存在。
 (注)米国のPCS(移動電話サービス)オークションでは、一免許あたり最高10億ドル近い金額が提示されるなど、落札金が高騰したが、その後、落札金不払いによる失格等が続出し、事業の開始や適正な事業の運営が危ぶまれている。
  また、英国のテレビ放送事業免許(ソフト提供者)のオークションでは、16の既存事業者のうち、4社が落選し、事業の継続性が確保されないことについて問題視する 向きもある。
  このように、既にオークションを実施した欧米でも、様々な問題が生じており、 オークションへの定まった評価はまだ下されていない。
 2)また、オークションの対象となるシステムが想定されないこともあり、オークション方式の導入については、慎重な検討が必要。
 3)郵政省では、報告の趣旨を十分に踏まえ、また、規制緩和推進計画に従い、オークションの導入については、当面対象となるシステムが想定されないこと等から、将来の課題として検討することとしている。

3 電波割当の有料化
  電波利用の拡大等に伴い増大する電波行政経費を賄うため、平成5年4月から電波利用料制度を導入。
  電波利用料制度は、無線局全体のための共益的な行政事務(電波の監視及び規正並びに不法無線局の探査、総合無線局管理ファイルの作成及び管理等)に係る費用を、費用負担の公平の観点から、当該事務の受益者である免許人全体で負担する制度である。
  なお、電波の経済的価値を考慮した周波数管理の手法について、調査研究を行っているところ。

郵政省追加説明資料(平成9年6月11日)
5月16日に閣議決定された「経済構造の変革と創造のための行動計画」においては、「地上放送のデジタル化については、平成12年(注:2000年)以前にデジタル放送が開始できるよう放送方式、チャンネルプランの策定、制度整備等を進めることを目標として所要の取組を推進する。」とされているが、その必要性は何か。このような意思決定に当たっては、公開の議論を経て、国民が利害得失や問題点を十分理解した上で方針決定されたのか。米国と日本の中継局の数等の状況の差異を考慮せずに、単に世界的な潮流を背景に意思決定されてはいないか。
 特に、NHKに関するデジタル化に関する、財源負担の考え方(受信料値上げ、財政投融資資金の活用等)及び民間事業者との公平性のバランスの取り方について、どのように考えているのか。

1 放送のデジタル化の動向と意義
 放送のデジタル化は、周波数利用効率等を飛躍的に高め、多チャンネル化、高画質化、高機能化を実現する技術であり、衛星放送分野に加え、地上放送分野でも導入が進む等世界の動向と時代の潮流になっている。
 こうした流れの中で、我が国の放送分野の国際競争力を確保していくためには、我が国の放送のデジタル化の推進は、重要課題である。
 我が国においては、デジタル技術の成果を取り入れて、既にCS放送、BS放送、CATVにおいてデジタル放送が導入され、又は導入の道筋が示されており、残されている課題は、地上放送のデジタル化である。
 国民に最も身近なメディアである地上放送のデジタル化は、家庭のマルチメディア化を促進し、国民に大きな効用をもたらすとともに、放送事業者、機器製造業界等にも幅広い波及効果を及ぼし、経済構造改革に大きく貢献するものであり、その推進が必要である。
(1)放送のデジタル化に関する主要国の動向
 ア 放送のデジタル化は、周波数利用効率を飛躍的に高め、放送の多チャンネル化、高画質化、高機能化を容易にし、多彩な放送サービスの実現を可能とする。
 イ 放送のデジタル化に関する主要各国の状況をみても、衛星放送分野で1994年に米国、1996年からフランス、ドイツが導入を開始し、地上放送分野でも、1998年から米国、英国、2001年から韓国が導入を予定している等世界の動向と時代の潮流になっている。こうした流れの中で、視聴者サービスの充実と今後の我が国の放送分野の国際競争力の確保を図っていくためには、放送のデジタル化を進めていくことが重要課題である。
(2)我が国における放送のデジタル化の道筋
 ア 優れたデジタル技術の成果を取り入れて、昨年6月からCSデジタル多チャンネル放送が開始され、来年度には300チャンネルにもなると予想されている。また、BS放送については、いわゆるBS−4後発機において、平成12年(2000年)頃を目途に高精細度を中心とするデジタル放送を開始することが決定されている。さらに、昨年12月には、デジタルCATVの技術基準が策定されている。
 イ こうした中にあって、現在アナログ放送が実施されている地上放送のデジタル化が重要課題となっている。
(3)地上放送デジタル化の意義
 ア 国民に最も身近なメディアである地上放送のデジタル化は、家庭のマルチメディア化を促進する最大のツールであり、国民は、アナログ放送では実現できないマルチメディア放送サービス等多彩で多様なデジタル放送が視聴可能となる。
 イ また、放送事業者にとっては、マルチメディア放送サービスや移動体放送サービス等、新しい放送ビジネス・マーケットが拡がる一方、機器製造業界やコンテント業界にとっても、大きな新規市場が創出されるとともに、流通、教育等産業界全体にも幅広い波及効果が及ぶ等我が国の経済構造改革にも大きく貢献する。
 ウ さらには、ほぼデジタル化が完了した通信ネットワークとあいまって、トータルデジタルネットワークを完成し、21世紀のマルチメディア社会の実現に寄与する。

2 地上デジタル放送に関する目標設定の経緯
 地上デジタル放送の在り方については、平成6年以来、幅広い分野からの有識者等による懇談会、審議会での検討を重ねてきた。
 こうした検討を踏まえて、我が国において2000年以前にも地上デジタル放送が開始できるよう道を開くため、放送方式、チャンネルプランの策定等行政側の準備をできるだけ早期に進めていくとの方針を「経済構造の変革と創造のための行動計画」において明らかにした。
(1)地上デジタル放送に関する検討の経緯
 国民に最も普及した放送メディアである地上放送のデジタル化については、平成6年以来、幅広い分野からの有識者等による懇談会や審議会の場において、様々な観点から検討が行われてきた。
 ア マルチメディア時代における放送の在り方に関する懇談会
  (開催時期:平成6年5月〜平成7年3月)
 イ 電気通信審議会(答申「高度情報通信社会構築に向けた情報通信高度化目標及び推進方策」)
  (開催時期:平成8年1月〜平成8年5月)
 ウ 電気通信審議会(中間報告「情報通信21世紀ビジョン」)
  (開催時期:平成9年2月〜(中間報告;4月))
(2)行政上の取組方針
 本年4月に電気通信審議会から出された「情報通信21世紀ビジョン」中間報告において、放送のデジタル化の意義や動向等を検討の上、地上放送のデジタル化については、2000年以前に事業化を計画する事業者がデジタル放送を開始できるよう、制度整備等の行政側の準備を進めることを目標として取り組む旨報告されている。これを踏まえて、本年5月の「経済構造の変革と創造のための行動計画」において、同様に定められた。

3 円滑な地上デジタル放送の導入に向けて
 地上デジタル放送の導入に当たっては、中継局数等を踏まえての投資負担の問題、NHKと民放の役割、視聴者保護の在り方等数多くの課題を整理し、我が国の地上放送の特質を踏まえつつ、円滑かつ計画的に進められるよう適切な対策を講じていく必要がある。
 これらについては、幅広い分野からの有識者、視聴者、放送事業者等からなる懇談会を開催し、広く各界の意見を求めながら、検討を進めていくこととしている。
(1)我が国の特性を踏まえた円滑な導入のための対策の必要性
 ア 日本では、地上放送におけるテレビジョン放送事業者はNHK、放送大学学園に加えて民放124社であるが、放送の全国普及を積極的に推進してきた結果として、狭い国土の中で中継局が数多く整備され、総局数は、1996年6月末で約1万5千局弱にもなっている。例えばこれを米国と比較すると、国土面積は25分の1に過ぎない我が国で、約2倍の局があることになる。
 イ こうした日本の地上放送の特性を踏まえつつ、国民に最も普及した放送メディアである地上放送のデジタル化の導入に当たっては、視聴者、放送事業者等多くの関係者に大きな影響を与えるため、以下のような諸課題解決の方向性を整理し、円滑かつ計画的に進められるよう適切な対策を講じていく必要がある。
 1)投資・財源負担の問題
 2)NHKと民放の役割
 3)既存アナログ放送視聴者保護の在り方
 4)地上デジタル放送のメリットを最大限活かす制度の在り方
 5)円滑な導入方策と支援措置の在り方
 (2)懇談会の開催等
 このため、有識者、視聴者、放送事業者、コンテント、コンピュータ事業者等幅広い分野の方々からなる「地上デジタル放送懇談会」(座長:猪瀬 博 学術情報センター所長)を開催し、更に広く各界の意見を求めながら、来年6月中間報告、10月最終報告を目途に今後検討を進めていくこととしている。

郵政省追加説明資料(平成9年6月11日)
デジタル化の進展によって「通信と放送の融合」が進むといわれているが、今後の関連行政の在り方、法体系の在り方はどのように変化していくべきと考えるか。
 特に、放送は、言論・報道機関として、放送法のもと、放送事業者の責任により運営されてきた。今後、様々な形で映像情報サービスが出現するだろうが、こうした社会的な機能を果たす放送の役割は変わらないのではないか。すなわち、通信と放送を、さらには情報処理サービス業を一律に扱うことはそれほど容易なことではないのではないか。

通信と放送の融合化の進展と対応
 1 技術革新の進展により、通信と放送における「ネットワークの共用化」や「中間領域的なサービス」が出現。こうした通信と放送の融合化の一層の進展に対応し、これを促進するため、現行法制との整合性を図りつつ、制度の整備に取り組んでいく。
 2 通信と放送の融合化の動向に適切かつ機動的に対応していくためには、通信と放送の全体を行政対象としてとらえる必要がある。
 (1)通信と放送の違い
 ア 通信と放送は、いずれも有線又は電波という手段を用いたものであるが、社会的な機能としては、異なるものとして発達してきている。
 イ すなわち、通信は、社会活動、経済活動等の社会のあらゆる面で利用されるコミュニケーション手段として機能しているが、その基本は個人と個人を結ぶ1対1の電話にあり、個人のプライバシーとも密接に関わることから、制度的には、事業面、サービス面において、通信の秘密を確保することに重点を置いた規律となっている。
  これに対して放送は、一度に多数の人に情報を送り出すのに有効な電波によって発達してきたものであって、言論・報道、教育・文化の普及等に大きな社会的機能を果たしている。このため、制度的には、国民の知る権利や表現の自由に深く関わるものとして規律されている。
 ウ 以上のような通信と放送の基本的な機能は、今後も、引き続き残るものと考えられるが、以下で述べるような「通信と放送の融合化」が進展してきている。
 (2)通信と放送の融合の進展
 ア 通信と放送は、それぞれのサービスを実現するために独自のネットワークを構築してきたところであるが、技術革新の進展により、CATV網を利用した電話サービス、通信衛星を利用した衛星放送等を行うことが可能となり、現行制度の下において、こうした通信・放送における「ネットワークの共用化」の実現を図ってきた。
 イ さらには、
 (ア)通信としての基本的特性は有しながら実質的に通信内容に秘匿性がない、パソコン通信の電子掲示板やインターネットのホームページによる情報提供といった「公然性を有する通信」
 (イ)放送としての基本的な特性を有しながら高度に専門的な情報を限定された視聴者に対して提供する、例えばVICS(道路交通情報通信システム)におけるドライバー向けに道路交通情報を流すFM多重放送などの「限定性を有する放送」
 といった、通信・放送の「中間領域的なサービス」も出現している。
 (3)通信と放送の融合化への対応
 ア 通信と放送における基本的機能は、今後も、引き続き残り、これらに対する基本的な法制は維持されるものと考えられる。
  一方、今後、技術革新の成果により、通信と放送の融合化(注:情報処理サービス業については、趣旨がつまびらかでないので、ここでは記載せず)がさらに進展し、ネットワークの共用化・中間領域的サービス分野の拡大、いわばマルチメディア化により、利用者の利便の向上がもたらされるものと考えられる。
  こうした動向に対応するため、諸外国においても制度的な整備を検討しているところであるが、我が国としても、現行法制との整合性を図りつつ、通信・放送の融合化に対応しこれを促進するための制度の整備に積極的に取り組んでいく。
 イ また、こうした通信と放送の融合化の動向に適切かつ機動的に対応していくためには、通信と放送の双方を行政対象としている現行の組織体制を維持していく必要がある。

郵政省追加説明資料(平成9年6月11日)
「経済構造の変革と創造のための行動計画」においては、「規制緩和等により、平成13年(2001年)を目途に、国内・国際通信の料金水準、サービスの高度化・多様化において、内外格差の解消の実現を目指す。」とされているが、具体的な取り組み方針はどのようになっているか。
 また、電気通信の接続ルールについては、米国FCC、英国OFTELのような中立的機関による監視が必要との意見をどう考えるか。

1 料金の低廉化やサービスの高度化・多様化
 電気通信市場における事業者間の活発な競争を通じて、料金の低廉化やサービスの高度化・多様化が進展することを期待。
 このため、以下のような公正有効な競争環境の確保策等を実施予定。
 1)NTTの再編成
 2)接続ルールの策定
 3)外資規制の撤廃
 4)料金制度におけるインセンティブ規制方式の導入 等
(1)我が国の電気通信市場においては、昭和60年の競争原理の導入、電電公社の民営化等抜本的な制度改革により、料金の低廉化やサービスの高度化・多様化が進展しつつある。
(2)電気通信料金における内外価格差については、長距離電話、自動車・携帯電話等一定程度競争の進展している分野においては縮小しつつあるが、基本料、加入時一時金等独占的な分野においては、諸外国に比べて割高な状況にある。
 また、技術革新を背景とした新サービスの登場や障害対応・品質の相違に着目したサービスグレード別料金の拡充等サービスの高度化・多様化も進みつつある。
 但し、米国と比べると、定額制料金や発信番号(ID)を活用したサービスの展開において格差が存在している。
 (3)電気通信市場においては、活発な競争による電気通信事業者間の切磋琢磨を通じて、料金の低廉化・多様化、サービスの高度化・多様化が進展することが基本原則である。
 このため、公正有効競争条件の確保等の電気通信市場の環境整備を積極的に推進することが電気通信行政の大きな課題である。
(4)今後、次のような抜本的な制度改革を含む第二次情報通信改革を推進することにより競争を促進し、内外格差の解消を目指す。
 ア NTTの再編成
  平成11年中に、現行NTTを、持株会社の下に、東・西地域会社と長距離会社に再編成し、
 1)長距離会社の分離により、長距離系NCCとの公正競争の促進、
 2)東・西地域会社間の間接競争の創出、
 3)長距離会社による国際通信分野や地域通信分野への参入等を促進する。
 イ 相互接続の基本的ルールの策定
  接続条件の透明性を確保し、電気通信事業者間の多様な形態での相互接続を推進する観点から、第一種電気通信事業者に対して接続の義務を課すとともに、NTT地域通信網について、接続料金や技術的条件等の料金表・約款化を行う予定。
  このような接続ルールの適用により、多数の事業者間において公平かつ円滑な接続が進み、事業者間の競争を促進する。
 ウ 外資規制撤廃
  本年2月のWTO基本電気通信交渉合意に基づき、NTT、KDD以外の第一種電気通信事業者の外資規制を撤廃することにより、外資の更なる新規参入を促進する。
 エ 料金制度におけるインセンティブ規制方式の導入
  公正有効な競争環境が整い次第、認可制を見直すこととし、NTTの再編成の実施等を踏まえ、平成11年度を目途にインセンティブ規制を導入する予定である。
  現在、「マルチメディア時代に向けた料金・サービス政策に関する研究会」(座長:岡野行秀東京大学名誉教授)において、インセンティブ規制の具体的内容等について検討中である。(最終取りまとめ平成10年5月目途)

2 電気通信の接続ルール
 電気通信分野は急速な技術革新による変化が激しい分野であることから、接続ルールの策定及び監視に関する行政は、一体的に遂行されることが適切かつ効率的。
 米国連邦通信委員会(FCC)及び英国電気通信庁(OFTEL)においても、接続ルールの策定及び監視に関する行政は一体的に遂行。
 接続に関する行政における公平性・中立性・透明性を確保するため、行政手続の整備を実施予定。
(1)電気通信分野は、急速な技術革新やマルチメディア化、社会の情報化に対応し、接続形態の多様化や技術的条件の変化が著しい分野であるため、
 1)接続ルールの策定においては、接続ルールの不断の見直しが不可欠であり、このため、接続ルールの監視に関する情報を常時的確に把握することが必要、
 2)接続ルールの監視においては、不断に見直されるルールの内容を熟知し、また、ルールが想定していない新しい問題に対しても的確かつ迅速に対応することが必要、
 であることから、接続ルールの策定及び監視に関する行政は一体的に遂行されることが適切かつ効率的である。
 (2)FCC及びOFTELにおいても、接続ルールの策定及び監視に関する行政は、料金規制等他の規制行政と合わせて、一体的に遂行されている。
 (3)接続に関する行政における公平性、中立性及び透明性の向上を図るため、現在 国会において審議中の電気通信事業法改正法案及びその実施段階において、以下の行政手続の整備を行うこととしている。
 1)接続ルールに関する省令の制定、接続に関する命令、独占的地域通信ネットワークの接続約款の認可等の電気通信審議会への諮問及び議事内容の原則公開
 2)関係者に対して意見を述べる機会の付与及び当該意見の取扱を明確にすることの制度化
 3)接続に関する命令を行う場合に必要な聴聞の審議会委員による実施