[総理府本府に対する質問項目]

☆行政改革の趣旨に照らし、総理府本府において、今後取り組むべきと考える(取り組もうとする)改革方策をご提示願いたい。
☆総理府本府の業務は、総理大臣が直接所掌するのに相応しいものに極力限定し、原則的に総合調整機能、管理機能に純化することについてどう考えるか。その場合、内閣官房との関係をどう考えるか。
☆上記のような総理府の存置意義に照らし、大半の諸機関・審議会等の他省庁への移管、廃止又は独立機関化についてどう考えるか。
☆総理府本府を改組し、内閣官房及び総理府(外局を含む。)の調整機能及び組織、人事等の管理機能を所掌する内閣府を設置すべきとの意見についてどう考えるか。

総理府本府説明資料(平成9年6月25日)

行政改革の趣旨に照らし、総理府本府において、今後取り組むべきと考える(取り組もうとする)改革方策をご提示願いたい。

1.総理府本府の特徴

内閣の統轄の下に行政事務を行う国家行政組織は、「府」及び「省」であるが、「府」として設置されているのは総理府(外局を含む。以下同じ。)のみである。総理府の所掌事務は、各省の所掌事務とは異なり、内閣の首長であり、かつ行政各部を指揮監督する内閣総理大臣自らが分担管理する事務として所掌するものであることに特徴がある。すなわち、現在総理府全体に分配されている事務を機能別にみると、特定の行政分野に関する行政事務を分担する各省とは異なり、@総理直轄機能、A総合調整機能、B管理機能、に整理されるところに特徴がある。
総理府本府は、総理府のこれらの機能のうち、総理直轄機能と総合調整機能を果たしている。具体的には、総理府本府は、内閣総理大臣直属の機関として、事務の性格上総理自らが直轄すべき国の基本に係る事務、その時々の政治判断等により総理自らが直轄すべきと判断した事務を所掌するなど総理直轄機能の中心的役割を担うとともに、内閣官房と一体となって総合調整機能を発揮しているところにその特徴がある。

2.総理府本府の機能及び所掌事務

(1)総理直轄機能
@事務の性格上総理自らが直轄すべき国の基本に係る事務
 例.元号、栄典
Aその時々の政治判断等により総理自らが直轄すべきと判断した事務
 例.行政改革会議、国際平和協力本部、阪神・淡路復興対策本部
B総理が分担管理上の最終責任を負うものとして所掌することとした事務
 例.特定の戦後処理

(2)総合調整機能
 例.男女共同参画社会の形成の促進、公益法人行政の推進

総理府本府の所掌事務の概要(例示として掲げた事務)

(1)総理直轄機能

1)事務の性格上総理自らが直轄すべき国の基本に係る事務
●元号に関する事務については、元号が国家の根幹的公式制度であることに鑑み、内閣総理大臣自らが所掌することとした事務である。
●栄典に関する事務については、栄典が、内閣の助言と承認により国民のために行われる天皇の国事行為であり、国家又は公共に功労あるものに対する国家の最高の顕彰制度であることに鑑み、内閣総理大臣自らが所掌することとした事務である。

2)その時々の政治判断等により総理自らが直轄すべきと判断した事務
●行政改革会議では、内閣総理大臣自らが会長として、21世紀における国家機能の在り方、中央省庁の再編の在り方、官邸機能の強化のための具体的方策等についての審議を行っている。
●国際平和協力事務については、関係の深い省庁として外務省、防衛庁等があるが、事務の性質、重要性に鑑み、内閣総理大臣自らが所掌することとされた事務である。
 国際平和協力本部では、内閣総理大臣自らが本部長として、国際平和協力業務(国連平和維持活動への協力及び人道的な国際救援活動への協力)に関する事務を行っている。
●阪神・淡路復興対策の事務については、関係の深い省庁として国土庁等があるが、被害の甚大性、復興対策の重要性等に鑑み、内閣総理大臣自らが所掌することとされた事務である。
 阪神・淡路復興対策本部では、内閣総理大臣自らが本部長として、円滑かつ迅速な復興のための施策の総合的な調整を行っている。

3)総理が分担管理上の最終責任を負うものとして所掌することとした事務
●特定の戦後処理として、平和祈念事業特別基金法の施行に関する事務等の実施、推進を行っている。

(2)総合調整機能
●男女共同参画社会の形成の促進
 男女共同参画社会の形成は、家庭、職場、地域など社会のあらゆる分野に及び、各種の法律や制度はもとより、身近な慣習・慣行、更には国民一人一人の意識や行動など国民生活全般にかかわるものであることから、内閣総理大臣の強力な総合調整の下、政府一体となって、広範多岐にわたる関連施策を総合的かつ効果的に推進していく必要がある。このため、その推進体制として、全大臣を構成員とする男女共同参画推進本部が設置されており、男女共同参画室は、その本部長でもある内閣総理大臣の下、男女共同参画社会の形成の促進に関する事務の調整に当たっている。
●公益法人行政の推進
 管理室においては、「公益法人の設立許可及び指導監督に関する基準」(閣議決定)、「公益法人に対する検査等の委託等に関する基準」(閣議決定)、「公益法人に関する年次報告」等による基準のフォローアップ、「公益法人等の指導監督等に関する関係閣僚会議」に関する事務などを通じて、各省庁が行う公益法人の設立許可及び指導監督に関する事務の統一性・整合性を確保するための総合調整を行っている。

(参考1)国際平和協力本部の体制図(チャート図(略))

(参考2)男女共同参画社会の形成の促進に関する推進体制図(チャート図(略))

3.これまでの取組み

 総理府本府は、従来より、その時々の状況に応じて、組織及び所掌事務の見直しに取り組んできたところである。

(1)特に、昭和59年7月には、臨時行政調査会の答申を受けた旧総理府本府及び行政管理庁の組織及び機能の再編統合に当たり、旧総理府本府の組織及び所掌事務の大幅な見直しを行ったところである。その結果、総理府本府は、内閣総理大臣直属の機関として、内閣総理大臣自らが分担管理すべき事務として整理された事務を所掌し、総理直轄機能と総合調整機能を果たすこととされたところである。また、組織についても、その所掌事務に相応しいものとすべく簡素合理化を図ったところである。

(2)その後、男女共同参画室、国際平和協力本部や阪神・淡路復興対策本部等の機関、行政改革委員会、地方分権推進委員会、行政改革会議等の審議会等が設置されてきたが、これらは、いずれもその時々の政府の最重要課題の一つとして新たに発生した行政需要に対応して、内閣総理大臣自らが分担管理すべく、総理府本府に設置されてきたものである。この間、このような新たな行政需要に対応する事務の増加にもかかわらず、定員は厳に抑制し、簡素で効率的な事務体制(平成9年度末定員 589人)により対応してきたところである。

4.今後の改革に向けての基本的考え方

 今後の総理府本府の在り方については、国家機能の在り方を踏まえた中央省庁の再編という観点のみならず、今般の行政改革の基本的視点の一つである内閣総理大臣のリーダーシップの発揮及びその補佐体制の強化という観点をも踏まえた見直しが必要である。すなわち、内閣総理大臣の補佐体制の強化のためには、内閣官房機能の強化と併せ、総理府本府の機能を強化し、内閣総理大臣自らが分担管理するにより相応しい機能とすることが必要であり、そのための総理府本府の機能、組織・所掌事務の見直しを行っていくべきものと考える。
総理府本府の機能、組織・所掌事務の見直しの具体的な検討については、後述する。

総理府本府説明資料(平成9年6月25日)

総理府本府の業務は、総理大臣が直接所掌するのに相応しいものに極力限定し、原則的に総合調整機能、管理機能に純化することについてどう考えるか。その場合、内閣官房との関係をどう考えるか。

1.総理府本府の機能強化の方向

 今般の行政改革においては、「総理のリーダーシップがより発揮されるよう、総理を補佐する体制を強化すること」が、その柱の一つとされている。総理府本府は、前述のとおり、総理直轄機能とともに、総合調整機能を果たしてきているところであるが、御質問の趣旨が、これらの機能に管理機能を加えて、総理府本府の機能をより強化するとともに、総理府本府の果たすべき機能を内閣総理大臣自らが分担管理するにより相応しい機能としてはどうか、という趣旨であるとするならば、これらの機能(総理直轄機能、総合調整機能、管理機能)を一体のものとして発揮することにより内閣総理大臣の補佐体制の強化につながるという意味で、今般の行政改革の趣旨に沿った、一つの方向を示されたものと受け止めている。
 なお、今後とも、その時々の政治、経済、社会情勢を踏まえた政治判断等により、総理自らが直轄すべきと判断される事務は不可避的に発生するものと考えられ、このような事務を所掌する総理府本府の果たす総理直轄機能は、不可欠のものであると考えられる。

2.内閣官房と総理府本府との関係

 内閣そのものの補佐機関である内閣官房と行政事務を分担管理する内閣総理大臣直属の補佐機関である総理府本府とは、異なる組織であるが、いずれも内閣総理大臣を長とし、内閣総理大臣を支える組織であることから、総理府本府は、他省庁とは違い、内閣官房と密接な関係にある。今般の行政改革の柱の一つである総理のリーダーシップの発揮のためには、内閣官房の機能強化と併せて、総理府本府の機能を強化するとともに、両者の役割分担、組織上の違いは明確にしつつも、その密接な連携を図ることが必要であると考える。
 なお、総合調整機能に関する内閣官房と総理府本府との関係については、重要課題についての企画立案に関連した総合調整を含む高度の総合調整、各省庁間の最終調整は内閣そのものの補佐機関である内閣官房が行い、一方、総理府本府は、行政事務を分担管理する内閣総理大臣の補佐機関として、行政需要の変化に伴い不可避的・経常的に発生する省庁レベルでの総合調整を担うものと考える。

総理府本府説明資料(平成9年6月25日)

上記のような総理府の存置意義に照らし、大半の諸機関・審議会等の他省庁への移管、廃止又は独立機関化についてどう考えるか。

1.総理府本府に置かれている諸機関・審議会等

 現在、総理府本府に置かれている諸機関及び審議会等は、以下のとおりである。
(審議会等)26
●総理府本府に事務局が置かれているもの(5)
 社会保障制度審議会、行政改革委員会、地方分権推進委員会、国会等移転審議会、行政改革会議
●総理府本府で庶務を行っているもの(5)
 港湾調整審議会、税制調査会、対外経済協力審議会、動物保護審議会、男女共同参画審議会
●他省庁で庶務を行っているもの(16)
海洋開発審議会、貿易会議、検察官適格審査会、地方制度調査会、選挙制度審議会、電源開発調整審議会、資金運用審議会、原子力委員会、原子力安全委員会、国土開発幹線自動車建設審議会、科学技術会議、宇宙開発委員会、歴史的風土審議会、衆議院議員選挙区画定審議会、臨時大深度地下利用調査会、食料・農業・農村基本問題調査会
(施設等機関)2
 国立公文書館、迎賓館
(特別の機関)10
●総理府本府に事務局が置かれているもの(5)
 日本学術会議、中央防災会議(会長:内閣総理大臣)、中央駐留軍関係離職者等対策協議会(会長:内閣官房長官)、国際平和協力本部(本部長:内閣総理大臣)、阪神・淡路復興対策本部(本部長:内閣総理大臣)
●他省庁で庶務を行っているもの(5)
 公害対策会議(会長:内閣総理大臣)、消費者保護会議(会長:内閣総理大臣)、中央交通安全対策会議(会長:内閣総理大臣)、高齢社会対策会議(会長:内閣総理大臣)、地震調査研究推進本部(本部長:科学技術庁長官)

2.昭和59年の旧総理府本府の組織及び所掌事務の見直しの際の整理

 昭和59年の旧総理府本府の組織及び所掌事務の見直しに当たり、旧総理府本府に置かれていた審議会等については、所掌事務が複数の省庁に関連するもの等について、特に事務の関連が深い省庁に移管するという方針により整理が行われたところである。その結果、当時の35の審議会等のうち4審議会等が総務庁に、10審議会等がその他の省庁に移管され、21の審議会等が総理府本府に存置されることとなったところである。(別紙1)

 総理府本府に存置された21の審議会等は次のような性格を有するものであった。
(1)次のような点から内閣総理大臣に強い総合調整が期待されているもの
1)内閣総理大臣にのみ諮問権が与えられているもの
2)内閣総理大臣が会長又は議長となっているもの
3)所掌事務に「総合調整」の規定のあるもの
4)内閣総理大臣のみに勧告することとなっているもの又は内閣総理大臣を通じなければ関係行政機関の長に勧告できないこととなっているもの
5)審議会の決定又は意見について、内閣総理大臣のみ尊重義務があるもの
(2)総理府本府固有の事務に係るもの
(3)その他特段の理由のあるもの
 (総理府本府に存置された審議会等の性格別一覧は、別紙2)
 また、この際、特別の機関についても同様の方針により見直しが行われたところであるが、内閣総理大臣が会長である機関を他省庁の所管とすることは、内閣の首長でもある内閣総理大臣が、各省大臣の指揮監督下に入ることとなり問題があること等から、そのまま存置することとされたところである。
(中央防災会議、中央駐留軍関係離職者等対策協議会、公害対策会議、消費者保護会議、中央交通安全対策会議)

3.昭和59年の整理以後、総理府本府に新設された機関

 その後、特別の機関として、国際平和協力本部(平成4年)、阪神・淡路復興対策本部(平成7年)、高齢社会対策会議(平成7年、議員立法)、地震調査研究推進本部(平成7年、議員立法)が設置され、審議会等として、衆議院議員選挙区画定審議会(平成6年)、行政改革委員会(平成6年)、地方分権推進委員会(平成7年)、臨時大深度地下利用調査会(平成7年、議員立法)、国会等移転審議会(平成8年、議員立法)、行政改革会議(平成8年)、男女共同参画審議会(平成9年)、食料・農業・農村基本問題調査会(平成9年)が設置されたが、これらは、いずれも、上記の整理により、総理府本府に置くこととされたものである。

4.具体的な検討

(1)検討の方向
 総理府本府の機能、組織・所掌事務の見直しに当たっては、内閣総理大臣の補佐体制の強化という観点から、総理府本府の機能を強化し、内閣総理大臣自らが分担管理するにより相応しい機能(総理直轄機能、総合調整機能、管理機能)とする、という趣旨に沿った見直しを行うとともに、併せて、国家機能の在り方を踏まえた中央省庁の再編という観点から、現在総理府本府が所掌する事務について、従来からの経緯をも踏まえ、引き続き内閣総理大臣において分担管理することが適当であるのか、あるいは、再編後の省庁において分担管理するのがより適当であるのか、を個別具体的に検討すべきものと考える。

(2)審議会及び特別の機関について
 現在総理府本府に置かれている審議会等及び特別の機関は、上記の整理により総理府本府に置くこととされてきたところであるが、その移管及び廃止については、例えば現に他省庁において庶務を担当しているようなものについて、新たな省庁再編成の枠組みの中で、最も関係の深い省庁に移管すること等について検討を進めることとしたい。

(3)施設等機関について
 総理府本府に置かれている施設等機関(国立公文書館及び迎賓館)の独立機関化については、独立機関の概念、枠組み等にもよるが、独立機関化の趣旨が、執行部門を政策の企画立案部門から切り離し、執行部門に組織運営・業務運営上の自律性(中期目標設定・事業計画策定・目標達成評価、企業会計、内部組織・人事・定員配分・給与メリットの柔軟性等)を付与し、責任を明確化するための仕組みを導入することを意味するものであるとするならば、これらの施設等機関にこのような仕組みを導入することが、その業務の目的・性質に照らしなじむものであるのか否か、また、その機能がより有効に発揮されるのか否か等について、慎重に検討すべきものと考える。

(4)その他の所掌事務について
 今後、中央省庁の機能再編に伴う組織再編がどのようなものになるかにもよるが、その他の総理府本府の所掌事務についても、総合調整事務の一部(例えば、観光、緑化推進)、他の行政機関の所掌に属さず内閣総理大臣が分担管理上の最終責任を負うものとして所掌することとした事務の一部(例えば、動物保護・管理)については、引き続き内閣総理大臣が直接所掌するのが適当なのか、あるいは再編後の省庁が所掌するのが適当なのか、という観点から見直しを検討してまいりたい。


(別紙1)

昭和59年の整理前に旧総理府本府に置かれていた審議会等

(関係省庁へ移管 計10審議会)
雇用審議会(労働省へ)、観光政策審議会(運輸省へ)、中央心身障害者対策協議会(厚生省へ)、海外移住審議会(外務省へ)、放射線審議会(科学技術庁へ)、農政審議会(農林水産省へ)、林政審議会(農林水産省へ)、沿岸漁業等振興審議会(農林水産省へ)、中小企業政策審議会(通商産業省へ)、国民生活安定審議会(経済企画庁へ)

(総務庁へ移管 計4審議会)
公務員制度審議会(総務庁へ)、恩給審査会(総務庁へ)、青少年問題審議会(総務庁へ)、地域改善対策協議会(総務庁へ)

(総理府に存置 計21審議会)
検察官適格審査会、社会保障制度審議会、地方制度調査会、選挙制度審議会、電源開発調整審議会、資金運用審議会、原子力委員会、原子力安全委員会、売春対策審議会、国土開発幹線自動車道建設審議会、科学技術会議、税制調査会、対外経済協力審議会、宇宙開発委員会、海洋開発審議会、貿易会議、港湾調整審議会、歴史的風土審議会、動物保護審議会、臨時行政改革推進審議会、日本国有鉄道再建監理委員会

(特別の機関(総理府に存置) 計5機関)
中央防災会議、中央駐留軍関係離職者等対策協議会、公害対策会議、消費者保護会議、中央交通安全対策会議


(別紙2)

昭和59年の整理の際に総理府本府に存置された審議会の性格別一覧

審議会等内閣総理大臣の総合調整が期待されるもの新府の固有の事務特別の理由があるもの
内閣総理大臣にのみ諮問権が与えられているもの内閣総理大臣が会長又は議長となっているもの当該審議会等の所掌事務中「総合調整」の規定があるもの内閣総理大臣にのみ勧告することとなっているもの又は内閣総理大臣を通じなければ関係行政機関の長に勧告できないこととなっているもの内閣総理大臣にのみ意見の尊重義務規定があるもの
検察官適格審査会       
社会保障制度審議会       
地方制度調査会       
選挙制度審議会       
電源開発調整審議会      
資金運用審議会       
原子力委員会     
原子力安全委員会      
売春対策審議会       
国土開発幹線自動車道建設審議会       
科学技術会議     
税制調査会       
対外経済協力審議会       
宇宙開発委員会      
海洋開発審議会       
貿易会議       
港湾調整審議会       
歴史的風土審議会       
動物保護審議会       
臨時行政改革推進審議会      
日本国有鉄道再建監理委員会      

総理府本府説明資料(平成9年6月25日)

総理府本府を改組し、内閣官房及び総理府(外局を含む。)の調整機能及び組織、人事等の管理機能を所掌する内閣府を設置すべきとの意見についてどう考えるか。

1.内閣機能の強化

 今般の行政改革においては、国家機能の在り方を踏まえた中央省庁の再編と並び、内閣機能の強化が一つの大きなテーマとされているところである。内閣機能の強化については、内閣自体の機能強化とともに、「内閣総理大臣のリーダーシップがより発揮されるよう内閣及び内閣総理大臣を補佐する体制を強化すること」がその柱の一つとされている。内閣及び内閣総理大臣の補佐体制の強化については、内閣そのものの補佐機関である内閣官房の機能の強化を中心に、先般御提言いただいた危機管理機能の強化をはじめ、企画立案機能、総合調整機能、情報機能、広報機能等の各機能の強化等について御議論いただいており、今後有益な提言がなされることを期待しているところである。

2.内閣総理大臣直属の機関の在り方

 一方、内閣総理大臣の補佐体制の強化のためには、内閣官房の機能強化と併せ、内閣総理大臣直属の機関である総理府本府の機能を強化し、内閣総理大臣自らが所掌するに相応しい機能とすることが必要である。
 総理府本府は、前述のとおり、総理直轄機能とともに、総合調整機能を果たしてきているところであるが、御質問の趣旨が、これらの機能に総理府外局の調整機能及び組織・人事等の管理機能を加えて、総理府本府の機能をより強化するとともに、総理府本府の果たすべき機能を内閣総理大臣自らが分担管理するにより相応しい機能としてはどうか、という趣旨であるとするならば、これらの機能(総理直轄機能、総合調整機能、管理機能)を一体のものとして発揮することにより内閣総理大臣の補佐体制の強化につながるという意味で、今般の行政改革の趣旨に沿った、一つの方向を示されたものと受け止めている。

3.内閣官房と内閣総理大臣直属の機関との関係

 内閣そのものの補佐機関である内閣官房と行政事務を分担管理する内閣総理大臣直属の補佐機関である総理府本府とは、異なる組織であるが、いずれも内閣総理大臣を長とし、内閣総理大臣を支える組織であることから、総理府本府は、他省庁とは違い、内閣官房と密接な関係にある。今般の行政改革の柱の一つである総理のリーダーシップの発揮のためには、内閣官房の機能強化と併せて、総理府本府の機能を強化するとともに、両者の役割分担、組織上の違いは明確にしつつも、その密接な連携を図ることが必要であると考える。
 なお、総合調整機能に関する内閣官房と総理府本府との関係については、重要課題についての企画立案に関連した総合調整を含む高度の総合調整、各省庁間の最終調整は内閣そのものの補佐機関である内閣官房が行い、一方、総理府本府は、行政事務を分担管理する内閣総理大臣直属の補佐機関として、行政需要の変化に伴い不可避的・経常的に発生する省庁レベルでの総合調整を担うものと考える。

(注)
1.内閣の補助部局と総理直属機関の一体化について
(1)我が国憲法は、内閣を行政権の帰属主体としているが(65条)、一方、個別の行政事務については、内閣の統轄の下に主任の大臣が分担管理することを前提としていると考えられる(72条、74条参照)。したがって、内閣の組織である内閣の補助部局と、行政事務を分担管理する「府及び省」の一つである総理直属の機関は、本来別のものであるということになる。
(2)両者を一体化した「内閣府」を設ける場合は、これを内閣の補助部局としてとらえると、総理府で行われている個別行政事務のようなものまで内閣の所掌とすることとなり、憲法の予想するところではないのではないか。
(3)さらに実態論としても、合議体たる内閣に主任の大臣に属さない膨大な実施事務を含む行政事務を専管させることは、内閣の事務の迅速・円滑な運営を妨げ、ひいては行政の事務処理を渋滞させる要因となる。
(4)なお、このような「内閣府」を総理直属の機関ととらえると、内閣の庶務や総合調整を担当する部局を、行政事務を分担管理する主任の大臣としての総理大臣の機関としてよいのかという問題がある。
2.総理直属の機関の名称について
属の機関は、行政事務を分担管理する「主任の大臣」としての立場の内閣総理大臣の組織であり、内閣自体の組織ではない。したがって、改組された後の新たな総理府本府に、それに相応しい新たな名称を考えることも検討に値するが、その名称を「内閣府」とするのは適当でないのではないか。