[外務省に対する質問項目]

☆行政改革の趣旨に照らし、今後取り組むべきと考える(取り組もうとする)改革方策をご提示願いたい。
☆対外経済政策・交渉に関し外務省の果たすべき役割についてどう考えるか。また外務省と離れて一元的な担当組織をもうけることについてどう考えるか。
☆外交・対外政策の企画・立案・調整や国際的な情報の収集・分析に関し、内閣官房外政審議室、安全保障室、情報調査室との分担関係をどう考えるか。
☆経済協力関係行政組織の一元化をどう考えるか。
☆ 外務公務員制度の必要性についてどう考えるか。
☆国際文化・スポーツ交流について、文化・スポーツ行政も含め、我が国として一元的な実施を図るための組織の在り方についてどう考えるか。

外務省説明資料(平成9年5月21日追加)

行政改革の趣旨に照らし、各省庁において、今後取り組むべきと考える(取り組もうとする)改革方策をご提示願いたい。

1.外交は我が国の存続と繁栄のために不可欠な国家機能であり、したがって国が処理すべき分野が中心となるため、外務省については、官民の役割分担や地方分権といった観点から業務を見直せる余地は殆どない。また、いわゆる許認可業務を行っていないため規制緩和の対象となる業務もごく限られている。

2.むしろ、外務省の改革方策を考えるに当たって先ず考慮すべきは、我が国外交の課題の多様化に伴って、外務省が果たすべき役割も飛躍的に多様化し増大していることである。
このことを端的に示す一例として、1995年と1996年の2年間の読売新聞の毎月1日と15日の朝刊一面の記事の中で外交関係のものがどれくらいあるか調査したところ、項目数にして実に36.6%であった。これら記事の全てが外務省だけの業務というわけではないが、外交問題・対外関係に対する日本国民の関心の高さを示すものと思う。然るに、現業職員等(含:国立学校職員や警察官)を除く中央省庁全体の職員数の中で、外務省の定員は僅か1.4%を占めているに過ぎない(平成8年度末数字)。

3.このように増大する業務量に対して実施体制が十分ではないというのが外務省の抱える最大の問題であり、行政改革の議論の中でこの点について理解を得たい。

4.他方、外務省としては限られた資源を最大限活用し、多様化・増大化する外交需要に対応できるよう、常に自己改革の努力を怠ってはならないことも十分認識している。

5.具体的には以下の方向性に沿って組織の見直しと体制の強化を図っていきたいと考える。
(1)内閣の機能強化とそれに応じた外務省の体制強化
危機管理、安全保障、情報の収集・分析等に関する官邸・内閣の調整機能の強化には賛成であり、外務省としては引き続き官邸・内閣と一体となって政策を遂行していくが、そのためにも情報機能をはじめとする自らの機能の強化と体制の整備に努める。
(2)外交に関する一体性の確保
安全保障や対外経済関係は我が国外交の根幹を成すものであり、外交の一元性を確保し、政府全体としての統一的対応を行うため、外務省の体制の整備と機能の強化に努める。
(3)外交手段としてのODAの有効活用
実施体制に改善の余地があると認識している。但し、外交政策の重要な手段としてのODAの有効活用を確保し得る実施体制となっていることが不可欠である。組織の一元化は一案だが、外務省を離れての一元化は不適当である。
現在、大臣の下に懇談会を発足させたところであり、外務省としてODAの質的改善を目指し、その抜本的改革と援助実施体制の充実に努める。
(4)幅広い文化外交の展開
国際文化交流は芸術・スポーツ交流の枠を超え、草の根交流、知的交流等を含む幅広い展開を示してきている。国際文化交流は諸国民間の相互理解の礎を成すものであり、外交政策上重要な柱となっている。官民の関係組織との幅広い連携の強化を図ることにより、一層積極的な文化外交の展開を図る。
(5)情報公開への取り組み
積極的に情報公開に取り組んでいくとともに真に保護する必要のある情報についての保秘対策も講じる。
(6)在外公館の整備と通信体制の近代化
外交活動のための拠点としての在外公館につき、警備の強化も含めた体制整備を進めるとともに、在外公館・本省間の通信体制の近代化も継続する。
(7)外務省の人的体制の強化と資質の向上
定員増強を中心とする体制整備を図ると共に、他省庁や民間における専門性・知見を更に活用すべく人事交流の活発化等にも取り組んでいく。また、限られた人的資源を一層活用するためにも、研修の強化等を通じて一人一人の職員の資質の向上に努める。

外務省説明資料(平成9年5月14日)

対外経済政策・交渉に関し外務省の果たすべき役割についてどう考えるか。また外務省と離れて一元的な担当組織をもうけることについてどう考えるか。

1.グローバル化が進み、国際社会の相互依存関係が深まる今日、世界全体の安定や繁栄と切り離して自国の安全や豊かさを追求することはもはや不可能である。内政と外交は益々一体化し、経済と政治・安全保障は不可分の関係になっている。したがって、対外経済政策は我が国外交にとり死活的な重要性を有する。また、内外の経済構造の急激な変化に応じた機動的な対外経済政策の実施が求められている。

2.外務省は対外経済政策・交渉に関し、その役割として特に次の5点を重視している。
(1)個々の対外経済政策・交渉を行うに当たり、常に国内情勢と国際情勢、政治・安全保障と経済、それぞれのバランスをとりながら、総合的な国益の判断を行うこと。また、かかる交渉が政治・安全保障面も含めた二国間関係全体に如何なる影響を与えるか、また、国連、WTOといった世界システム全体や多国間取極に整合的であるか否か等の点につき適切な配慮を行うこと。
(2)特定の国内産業を所掌しない外務省は、個々の利益を離れて全体の国益の観点から政策を実施し得る立場にあり、外務省が対外経済政策・交渉に参与することにより、我が国の立場に対する内外の信頼性を高め得ること。
また、我が国の経済構造の変化に伴い、対外経済政策・交渉の焦点となる分野も急速に変化しており、特定の産業を所掌しない外務省は機動的にかかる変化に対応し得ること。
(3)経済のグローバル化に伴い、貿易、サービス、投資等の経済活動に関する包括的なルール作り、整備が進展している。また、貿易の自由化と環境規制の関係、贈賄などの公正な経済活動を確保するための社会的規制の問題といった経済と非経済的な分野をまたぐ新たなルール作りが模索されている。これらのルール作りや、その下での交渉に対し、条約締結権・解釈権を一元的に有する外務省が中心となって的確に対応していくこと。
(4)外務省の有する相手国に関する情報、人脈、交渉能力、交渉経験等の蓄積を、対外経済政策・交渉のために有効に活用すること。特に、大使始め在外公館を効果的に活用すること。
(5)上記(1)から(4)までの特性を踏まえて、対外経済政策の立案や交渉に際し関係省庁間の立場を調整し、我が国としての統一的なポジションの決定に中心的な役割を果たすこと。

3.外務省と離れて一元的な対外経済政策・交渉担当組織を設けることは、以下のような問題があり、不適当である。
(1)仮に、本省と在外公館一体となって対外経済政策に関連する様々な情報収集、政策の企画立案、交渉等を実施している外務省と同様の機能を有する組織を作るのであれば、新たに大がかりな組織を必要とすること。
(2)通商交渉の一部を担当するような小所帯の組織を設けることとしても、対外関係の政策処理の二元化は相手国との関係で混乱を招く恐れが大きい。
(3)更に、交渉に際しては、新たに設立される組織が、情報収集その他の面で外務省を始め、国内関係省庁に人的、組織的にみて大幅に依存せざるを得ないこととなり、同時にこれら省庁との政策調整が不可欠となるので、却って非効率的である。

4.なお、国内官庁自身が国際場裡において対応を求められる機会が増えており、専門的な実務会合については、関係省庁に委ねられることに異論は無いが、外交的に必要が生じた場合には、外務省が関与できるよう、関係省庁との緊密な連絡が必要である。

外務省説明資料(平成9年5月14日)

外交・対外政策の企画・立案・調整や国際的な情報の収集・分析に関し、内閣官房外政審議室、安全保障室、情報調査室との分担関係をどう考えるか。

1.国の重要施策の決定や緊急事態への対処に当たって総理大臣が強いリーダーシップを発揮できるようにすべきことは論を待たず、そのために総理大臣の基本方針発議権や予め閣議で了承された基本方針に基づく行政各部に対する直接の指揮監督権の行使をより明確化すべしとの指摘には賛成である。

2.内閣官房は「行政各部の施策に関するその統一保持上必要な総合調整」(内閣法第12条)を行うこととされており、総理のリーダーシップを補佐するためにこのような機能を強化することは必要であると考える。対外関係については外務省が一義的な調整を行ってきているが、国内的影響が大きく、或いは所管省庁が複数に跨る等の理由により内閣レベルでの国内調整を要する案件もあり、外務省のみで関係省庁間の調整がつかない場合には、外政審議室に調整を依頼し、当省もそれに協力してきている。そのため、内閣官房(外政審議室)においては、こうした場合に主体的に調整方針を策定し、それに基づく関係省庁間の調整を迅速に行えるようにすることが重要である。また、何れの省庁の所掌にも専属的に属さないとみられる案件の処理を政府としてどのような体制で行うのかについても検討されるべきであり、そのためにも外政審議室の調整機能の強化は必要である。
 他方、外交政策は刻々と変化する国際情勢や相手国政府とのやりとりを踏まえて迅速に決定することが求められるため、外務省としては、外交の第一線の動きを政策決定者に速やかに伝えると共に重要な政策決定に際してはこれまでにも直接総理大臣、官房長官及び官房副長官の指示を仰いできており、今後とも、このような内閣と一体となった政策の遂行に努める所存である。

3.内閣安全保障室との関係については、同室は国防に関する重要事項及び緊急事態対処に関する事項を扱っており、最近では我が国周辺地域における緊急事態対処の検討のとりまとめ役を果たしているが、安全保障問題及び海外における緊急事態対処に深く関与している外務省としても、これまで同様、今後とも同室とは緊密に協力していきたい。

4.内閣の情報機能の強化に関しては、総理大臣のリーダーシップ強化の観点から必要であり、外務省としても勿論協力していく考えである。国際情勢一般に係る情報については、外務省が様々な国・地域や分野ごとの専門家を多数有し、かつ情報収集の手足となる在外公館も有すること等から、第一にこうした外務省の機能を更に強化・拡充し、これを直接的に活用していく(対総理ブリーフの強化等)ことが合理的かつ効率的と考える。
 外務省としては、情報の迅速性、正確さを高め、及び均衡のとれた情勢判断をするためには、内閣総理大臣が、外務省よりの情報に加え、防衛庁よりは防衛に係る情報を、警察庁よりは治安に係る情報を入手する等、複数の省庁からの情報を入手し、情勢を判断することが必要であり、この観点から、現行の関係省庁の情報収集・分析機能は今後とも継続すべきと考える。
 内閣官房の役割としては、政府全体としての情報機能を強化する観点から、関係省庁よりの情報の必要に応じた集約及び関係省庁間の情報交換の一層の緊密化などについて積極的役割を果たすべきと考える。

外務省説明資料(平成9年5月14日)

経済協力関係行政組織の一元化をどう考えるか。

1.経済協力は、我が国にとって重要な外交の実施手段であり、国際社会において我が国に相応しい貢献を行っていくための主要な柱である。我が国の国益を維持・増進していくためには、国際社会が安定し、全体として繁栄していくような環境が不可欠であるところ、そのためには我が国自ら国際社会の直面する課題に積極的に対応し、貢献を積み重ねていくことが極めて重要である。
しかるに、日本国憲法の下、軍事大国にならないとの基本理念を有する我が国にとって、かかる貢献を行う上において、経済協力の有する重要性は主要先進国に比しても大きいものがある。また、経済活動の上で海外に資源を依存し市場を必要としている我が国にとって、経済協力を通じて途上国の開発を支援し、もって国際社会と良好な関係を築いていくことは、自らの安全と繁栄を確保するために不可欠の施策である。

2.上記の如く経済協力は我が国にとって欧米諸国に比べて格段に重要な意義を有する。したがって、時々刻々と変化する国際情勢に対応し、タイムリーにかつ効果的に、外交政策の重要な一環として経済協力の政策・方針を決定し得る体制を確保することが極めて重要である。

3.こうした観点から現状を評価すれば、これまでも円借款についての4省庁協議、技術協力についての19省庁間の連絡会議の開催等関係省庁間の連携には十分努力してきたところであるが、関係省庁間の連携になお改善の余地があることは認めざるを得ず、今後関係省庁間の連携に向け一層努力を強化していく必要がある。

4.他方、経済協力関係行政組織の一元化については、上記の如く、外交政策との整合性の確保、援助の効率的・効果的実施の観点等から検討されるべき課題であると考える。経済協力の効率的・効果的実施を実現する観点からかかる組織の一元化を行う場合には、それが外務省から独立した形で設置されるのであれば、経済協力が我が国の外交政策から遊離することとなり、不適当と考える。
 また、一元化したとしても、実際の援助の実施において、各分野における専門家の育成、適切なリクルート等の面から、依然として、各省庁が有する人材、知見等を必要とする場合があることに変わりはない。それによって、これまでの体制に屋上屋を架することとならないよう留意する必要があることは言うまでもない。

外務省説明資料(平成9年5月14日)

外務公務員制度の必要性についてどう考えるか。

1.外務公務員も基本的には国家公務員法や関連の政令・規則等の適用を受け、国家公務員一般と同一の法的枠組みの下にある。他方、1)外務公務員の職務は国際的、対外的な性格が強く、特に在外公館職員については国内で勤務する公務員とは異なる規則が必要であること、2)大使等特別職の国家公務員が比較的多くいること等の理由により、外務公務員に特有の一定の技術的事項について特に規定する必要がある。外務公務員法は、このような技術的事項を定めた、国家公務員法の特別法であり、例えば、1)大使、公使等の信任状等の認証、2)参事官、一等書記官といった外務職員の公の名称、3)外務公務員の欠格事由等に関する規定が含まれている。なお、人事交流により一定期間外務省の職員となった他省庁や民間出身の者も当然外務公務員に該当し、外務公務員法の適用を受けることとなる。このように外務公務員に特有の技術的事項を定める外務公務員法は今後共維持する必要がある。ちなみに、主要国でも、米国、英国、ドイツ、イタリア、NZ等多くの国が我が国同様外務公務員について独立の法令又は概念を有している。

2.
(1)外務公務員の採用に当たって外務省が最も重視している点は、我が国の外交を如何にして有効かつ適切に企画・立案・実施するかということである。
(2)外務公務員は長期にわたる海外勤務、しかも、多くの場合、本邦に比し、はるかに過酷な環境の下での勤務を行う必要があるため、その採用に当たっては、外交に一生を捧げる覚悟と強固な意志を持つか否かを見極めることが極めて重要である。また、外務公務員は、外国において、場合によっては独りででも、臆することなく自国の立場を説得力をもって主張し、国益を追求することが期待されているため、このような職務の遂行に適性を持った人材を確保することも重要である。現行の外務公務員試験制度は長年にわたってこの要請に応えるべく実施されてきたものであり、そのような観点から有効な試験であると考えているが、外務省としては、上記のような観点から、外務公務員の採用のあり方について常時改善の努力を行っている。なお、主要国のほとんどが、同様の観点から、我が国同様外務公務員の採用について独自の試験を行っている。

3.同時に、外務省としては、近年国際問題の専門化・技術化が進む中、他省庁や民間企業の専門的な知見を活用することが外交政策の実施のため有益であると考えており、積極的に外部からの出向者を受け入れてきている(平成9年度末定員5094名中約950名が出向者)。また、大使や公使についても、外交という、高度の訓練と長年にわたる経験を必要とする職務の性格等から生ずる制約もあるが、基本的には、外務省としても優秀な外部の人材を、適材適所の観点から、積極的に起用していきたいと考えている。

(補足1)
 外務公務員採用I種試験 (参考)○国家公務員採用I種試験(法律職の場合)
1.受験資格4月1日現在で、20歳以上33歳未満の者(学歴は問わない。) 
2.試験科目(一次試験)すべて筆記試験
○一般教養(択一式)
○憲法、国際法、経済理論、外交史、外国語(和訳・外国語訳)
(注:英、仏、独、露、西、アラビア、中国語のうちから選択)(記述式)
○選択科目:行政法、民法、財政学、経済政策のうちから任意の1科目(記述式)
(二次試験)
○口述試験:憲法、国際法、経済理論
○筆記試験:外国語作文及び総合試験(集団討論の問題について個人としての提言乃至意見を記述する。)
○人物試験:個別面接、集団討論
○身体検査
(一次試験)
○一般教養(択一式) ○専門試験(択一式):憲法、行政法、民法、商法、刑法、労働法、経済学、財政学 (二次試験)
○総合試験(記述式)
○専門試験(記述式):憲法、行政法、民法各1題
○人物試験

(補足2)外務省外部から大使に起用された者(戦後)

平成9年5月現在 (注)括弧内が前職

1.民間出身大使(計13名、うち2名が現職)

新木栄吉駐米大使 昭和27年6月〜28年12月(日銀総裁)
西山勉駐インド大使 昭和27年7月〜29年12月(横浜正金銀行取締役)
荒川昌二駐ベルギー大使 昭和27年8月〜30年2月(横浜正金銀行頭取)
君塚慎駐ブラジル大使 昭和27年9月〜30年2月(三菱合資会社)
古垣鉄郎駐仏大使 昭和32年1月〜36年7月 (NHK会長)
大隈信幸駐ウルグァイ大使 昭和32年4月〜34年4月
駐ガーナ大使 昭和34年7月〜36年6月
駐コロンビア大使 昭和36年6月〜39年3月
(日立製作所、参議院議員)
二宮謙駐パナマ大使 昭和32年12月〜35年6月(横浜正金銀行頭取)
津田正夫駐アルゼンティン大使 昭和33年4月〜38年2月(日本新聞協会顧問)
林不二雄駐エルサルヴァドル大使 昭和34年2月〜40年7月(三井物産)
今井隆吉駐クウェイト大使 昭和55年7月〜58年1月軍縮代表部大使 昭和58年1月〜61年11月
駐メキシコ大使 昭和62年11月〜平成2年9月
日本原子力発電技術部長)
波多野裕造駐カタル大使 昭和59年9月〜62年10月
駐アイルランド大使 平成2年7月〜5年6月
(毎日新聞社編集局編集委員)
※高原須美子駐フィンランド大使 平成7年8月〜(済企画庁長官、経済企画庁参与)
※岩元克 駐エルサルバドル大使 平成8年5月〜 (元国際協力事業団理事)

2.他省庁等出身大使(計16名、うち5名が現職)

那須皓駐インド大使 昭和32年12月〜36年5月(東大農学部教授)
高橋展子駐デンマーク大使 昭和55年3月〜58年1月(労働省婦人少年局長)
滝口吉亮駐テュニジア大使 昭和56年2月〜59年7月(大蔵省官房審議官)
愛甲次郎駐クウェイト大使 昭和58年4月〜62年6月(通産省資源エネルギー庁次長)
山本鎮彦駐ベルギー大使 昭和58年4月〜62年6月(警察庁長官)
赤松良子駐ウルグァイ大使 昭和61年1月〜平成元年1月(労働省婦人局長)
伊藤忠一駐エティオピア大使 昭和62年10月〜平成3年12月(法務省入国管理局)
新田勇駐スリランカ大使 平成元年7月〜平成4年7月(警察庁大阪府警本部長)
米山揚城駐アラブ首長国連邦大使 平成元年7月〜平成4年7月(通産省中小企業庁次長)
佐藤ギン子駐ケニア大使 平成3年10月〜平成7年1月(労働省大臣官房総務審議官)
藤原武平太駐ブルガリア大使 平成4年10月〜平成7年4月(通産省通商政策局次長)
※城内康光駐ギリシャ大使 平成7年9月〜(警察庁長官、警察庁顧問)
※香田忠維駐オマーン大使 平成7年10月〜(通商産業事務官、大臣官房付)
※遠山敦子駐トルコ大使 平成8年6月〜(文化庁長官)
※小山嘉昭駐ルーマニア大使 平成9年1月〜(大蔵省理財局次長、国際協力事業団理事)
※石和田洋駐ウルグァイ大使 平成9年3月〜(日本学術会議事務局長、総理大臣官房管理室長)
(注)※は現在現役の大使を示す

(補足3)主要国における外務公務員の採用試験の概要(平成8年11月)
国名 試験の種類・名称[他の公務員試験との関係] 現行制度の趣旨(独自の試験なら独自である理由) 試験の特色 採用数
外交官試験[独自の試験を実施] 国務省で求めている人材と他省庁が求めている人材はタイプが異なっており、独自の採用が適当。 1次(筆記):一般教養、英語表現力、書類による人物考査等。2次(口述):面接、集団討論等。 90名
幹部職員採用試験 (FAST STREAM) (他に中級職職員採用試験及び事務職員採用試験あり)[第1次、第2次試験は統一的機関が実施するが、第3次試験は外務省が独自に実施。第2次試験でも集団討論については評定者3名の内少なくとも1名は外務省員。第1次より外務省志望者を集め試験] 受験前に外務省を第一志望とする旨明らかにする必要あり。1次:知能テストと健康診断。2次:集団討論、報告書作成。面接。学科試験、語学試験なし。3次:国際問題を材料に議論、語学適性試験。 20名(2500名が応募)
外務上級官試験(他に外務高等官試験及び外務中級官試験あり)[独自の試験を実施] 外交官の特殊な勤務条件に適した人物を採用するため、語学、国際法等を重視し、社交性、フレキシビリティも考慮。 書類選考の後、筆記試験:英仏2カ国語、歴史・政治、経済、憲法・国際法、一般教養;口頭試験:面接、集団討論、スピーチ、心理テスト 15名(1600名応募、うち500名が筆記受験、うち100名が口頭試験受験)
@一般管理職A東洋語管理職 (他に中級相当の験が数種あり)[@ENA卒業者を成績順に採用(他の役所と共通)A独自の試験] @外務省志望者は卒業時に2つの外国語の試験を受ける。A専門外国語及び国際関係論等についての筆記試験、口述試験。 @外務省志望者は卒業時に2つの外国語の試験を受験する。 A専門外国語及び国際関係論等について、筆記試験及び口述試験を実施。
外交官試験[独自の試験を実施] 職務権限が他省庁と異なっているため。(試験の統合について検討されたことはあるが、不適当との結論に至った。) 筆記:英語、選択第二外国語(仏、独、西、露)、現代史、経済・経済政策、国際法・公法;口述:公法、民法、地政学・地域経済学、政治思想史等 約30名
外交官試験[独自の試験を実施(一次試験のみ全国家公務員共通)] 1次:一般適性試験;2次:外交知識試験、論文、面接 35名(2722名が申込み、うち800名が二次試験受験、うち180名が面接を受験)
オランダ゙ 外交官試験[独自の試験を実施] 外交は優れた個人的な能力や人格、例外的状況に上手く対処しうる柔軟性等、他の公務員とは異なる資質を要求される。要求される資質を総合的に把握するには通常の試験では不十分。 半年間かけて選考。書類選考;面接;筆記試験(2本の小論文を提出);最終選考(英・仏・独語、心理テスト、外国語修得能力のテスト、集団討論、個別面接) 12〜15名程度(1000名程度が申込み;うち125名が面接試験を受験;うち50名が筆記試験;うち30名が最終選考)
外務貿易省大卒者採用試験[独自の試験を実施(一次試験のマークシート試験のみ全国家公務員共通)] 外交官に必要とされる、認識力、分析力、コミュニケーション能力、自国及び国際環境の理解について試験を行うものであり、外交官に必要な資質を判断するためには統一された試験では困難。 一般的外交政策に係る論文、国内・国際問題に関する択一試験、外交交渉のビデオテープから記録作成;面接 約30名
外務公務員上級職採用試験(他に官房職員と事務職員について独自の試験あり)[独自の試験を実施] 語学能力、専門分野の知識に対する要求水準が高く、国家公務員試験の下で試験科目を追加するだけでは不十分。現在、外交官試験は専門性を問う試験であるのに対し、他の一般教養や論的思考等を問う選択式試験。 1次(筆記):国際分野の論文及び外国語;2次(口述):英語、仏語、独語による口述(一般教養、外交史、経済学、文化、国際法、憲法)及び人物評価 人数不定(年に2回採用試験)
外務職員採用試験(他に事務・補助職があるが、そのための特段の試験はない)[独自の試験を実施] 独自の基準に従い人事採用を行う必要性がある。また、長年にわたり選考理事会による採用者の厳選を行っている。 1次:書類選考。2次(筆記):スウェーデン語及び英語作文、一般教養。3次:面接。外務省の選考理事会(国会、産業界、大学、政府、労働組合及び外務省の代表により構成)が最終合格者の案を提示し、これに基づき外務省が合格者を決定。 13〜18名(出願者: 1200名、 2次受験者:うち200名; 3次受験者:うち40 〜50名)
韓国 外務高等高試(他に外務行政職試験)[独自の試験を実施] かつては、他の国家公務員の試験である行政高等高試の中に外交職のような形で組み込まれていたが、1968年度より独立。これは、外務省勤務の特殊性、外交官としての遂行業務が他の国家公務員と比べて多様・広範囲であるため。 1次(択一式):憲法、韓国史、国際政治学、国際法、英語;2次(論文試験):英語、国際政治学、国際法、経済学が必須;その他に外国語、行政法、財政学等から選択。 30〜40名程度
フィリピン 外交官試験[独自の試験を実施] 科目の違い、面接やディスカッション等公務員試験の枠組みの中で独自の科目を課す程度では、外交官としての資質を判断することは困難。 一次(筆記):一般教養、英語;二次(筆記):憲法、国際法、国際政治学、国際経済学、英語、フィリピノ語等;三次:個別面接、集団討論、スピーチ等 100名程度(1000名程度が受験)
ロシア 外交官試験[独自の採用を実施(採用試験は行わず)] 語学能力に加え、不健康地での勤務に耐えられる健康、外交事務に携わるのに必要な能力は他省庁職員に要求される条件とは異なっているため。 特定大学からの推薦に基づき採用。 80〜100名程度
エジプト 外交官試験(独自の試験を実施) 外交官の仕事の専門性のため。そのためには種々の角度からのチェックが必要。勤務の半分以上を海外で過ごす心構えと覚悟を持った人材が必要。統合された試験では、外交官としての資質を見極めるには不十分。十分な人材が確保できず、外交力の低下につながる惧れあり。 一次(論文):外国語、国際法、国際経済、国際政治等;二次:面接(大臣・次官級による) 30〜40名程度(700〜900名程度が受験)
スペイン 外交官試験[独自の試験を実施] 採用試験の統合について議論されたことあり。しかし、全ての省の採用試験を統合することは、即戦力として各省に適した人物を採用することができないため不適当との結論に至った。 一次(択一式):政治、法律、経済等;二次:政治、経済、文化等から1分野を選択して論文+口頭諮問;三次:英・仏語筆記・口頭試験;四次:プレゼンテーション;五次:具体的事例を想定した総合試験 15名程度(約400名が受験)

外務省説明資料(平成9年5月14日)

国際文化・スポーツ交流について、文化・スポーツ行政も含め、我が国として一元的な実施を図るための組織の在り方についてどう考えるか。

1.国際文化・スポーツ交流(以下「国際文化交流」)の推進は、我が国と諸外国との相互理解を促進し、国際友好親善を増進するとともに、ひいては我が国に対する好意的な国際世論形成に資するものであり、我が国外交政策の重要な柱である。また、文化遺産の保存、文化無償資金協力の実施等、文化面での国際協力も、我が国の担うべき重要な外交活動である。国際文化交流の内容は、近年の国際化の進展とともに、狭義の文化交流(芸術交流)やスポーツ交流の枠を越え、日本語教育、草の根交流、知的交流などをも包んだ幅広いものになってきており、行政としても国民交流として個々の分野を越え、一体的・総合的にこれに取り組む必要がある。従って、国際文化交流は、単に国内での芸術・スポーツの振興を目的とする個別分野での国内行政の延長としてこれを捉えるのではなく、広く我が国の対外関係を増進させるための有効な手段として捉えられるべきものであり、以上の観点から、外務省としても国際文化交流に積極的に携わってきている。

2.国際文化交流の円滑な実施のためには、政府間の調整や大使館・総領事館などの海外拠点の存在がきわめて重要であることから、国際交流の実施面でも、以下に見るように外務省が中心的役割を担っている。
(1)交流実施にあたっては、外交チャンネルによる政府間での枠組みが大きな役割を有しており、主要国との間で文化協定を43カ国と締結し、文化混合委員会を21カ国と開催して二国間交流の総合調整を図るとともに、ユネスコ、世界遺産委員会などの国際的枠組みに参画している。また、交流実施にあたっては、外交的配慮に基づく政府間の調整が求められる。例えば、アンコール遺跡など文化遺跡の保存修復への国際協力の実施にあたっては、相手国政府及び他の支援国政府との間で緊密な調整が大前提となる。最近の例として、原爆ドームの世界遺産リストへの記載に向けての外交努力、橋本総理がASEAN演説にて提案した日・ASEAN多国籍文化ミッションの実施準備等が挙げられる。
(2)また、国際文化交流には、在外公館と国際交流基金事務所との緊密な協力の下での在外支援体制が重要な役割を果たしている。すなわち、相手国毎の政治・経済・社会・文化事情の把握、現地関係団体とのネットワーク作りを進め、これを生かして日本文化紹介事業の開催や民間交流団体への支援、国費留学生や語学指導等を行う外国青年招致事業(JET計画)参加者の募集・選考など、効率的・効果的な事業の実施が図られている。

3.勿論、国際文化交流は、外務省一人の力で行われているのではなく、外務省と関係省庁、地方公共団体、公益法人、民間団体などの間での連携により行われている。また、海外での古美術展、JET計画、留学生受け入れなどについては、対外業務は外務省、国内業務は国内官庁が分担する体制が確立している。このように、国際文化交流は、外務省が中心となって、関係省庁や関係団体と柔軟かつ緊密に協力する体制の下で、効果的な実施が期されている。実施組織の一元化に関しては、各省庁がそれぞれ異なる目的や対象の下に役割分担していることから、組織を一つにしても結局その中に現在の役割分担を持ち込まざるを得ず、全体としての効率化には寄与しないと思われる。従って、国際文化交流の一層効率的・効果的な実施のためには、実施組織の一元化ではなく、こうした現行の体制を運用面から強化するため不断の努力を継続していくことが肝要である。既に国際文化交流については、留学生に関する外務省・文部省、JET計画に関する外務省・自治省・文部省等、外務省を中心とする関係省庁間連絡調整体制があり効果的に機能している。国際放送に関する外務省と郵政省の連携についても連絡調整体制が整備されつつあり、今後ともその緊密化に努めていく所存である。なお、他の主要国においても、国際文化交流は外交政策の重要な一環との考え方であり、外務省が国際文化交流に主導的役割を果たしている。最近では、米国で国際文化交流を所掌する米国広報庁が国務省に統合されることとなった。