| 行政改革の趣旨に照らし、各省庁において、今後取り組むべきと考える(取り組もうとする)改革方策をご提示願いたい。 |
【出入国管理行政】
1 出入国管理関係出張所の配置の見直しについて
出入国管理業務は、現在、法務省の地方支分部局として全国8か所に設置された地方入国管理局及び地方入国管理局の下部機関としての支局・出張所において遂行されている。このうち出張所については、多くの出張所が海港に寄港する外国からの船舶の乗員・乗客を主たる審査の対象として設置された歴史的事情を背景に、その大半が全国津々浦々の海港区域内に存在していた。
しかし、国際間の主たる輸送手段が船舶から航空機に移り、また、就労、勉学、日本人配偶者等との同居等々の目的で長期間我が国に在留する外国人の増大により、海港における審査から空港における出入国審査及び全国に居住する外国人に係る在留審査に重点を置いた審査体制に移行する必要が生じてきているため、海港出張所の整理統廃合を進めるとともに、地方空港を含む主要空港及び各都道府県の県庁所在地その他の主要都市に出張所を設置すべく出張所の再配置に努めているところである。
新たに設置する出張所は、空港・海港における出入国審査、居住外国人に係る在留期間の更新・在留資格の変更などの在留関係諸申請の審査、不法就労等出入国管理及び難民認定法違反者に係る情報収集等を総合的に行う「出入国管理総合事務所」型の出張所体制を目指す計画であり、こうした出張所の配置の見直しに係る方針を今後とも推進することにより組織体制の大幅な合理化・効率化を図り、国際化時代の要請に一層的確にこたえ得る出入国管理業務処理体制の実現を期することとしている。
なお、事務の効率的執行を確保するためには、地方の国際化を推進する地方公共団体との協力関係を一層強化する必要があり、今後、国際港の指定を受けた空港・海港における出入国管理業務の運営に当たって提携を深めていくほか、入国・在留手続一般に関する広報活動に当たって地方公共団体のメディアを活用するなどの具体的な諸方策を推進していく所存である。
また、上陸拒否事由の該当の有無に係る審査に関連して、税関当局における麻薬・覚せい剤及び銃器等の不法流入対策、検疫当局における病害虫や伝染病の流入防止に協力するなどCIQ(税関・出入国管理・検疫)関係機関相互の連携を深め、特に船舶の入港に係る諸手続に関して事務処理の共通化を図りつつ、それぞれの行政が有する所期の目的が達成されるべく協力関係を構築していきたいと考えている。
2 出入国管理上の諸手続に係る簡素化を目指した見直しについて
我が国に入国・在留する外国人の活動態様が多様化しており、また、昨今は、不法残留者の潜在期間の長期化や激増する密航事案等の増加など出入国管理及び難民認定法違反事案に係る諸問題は、我が国社会全般に与える悪影響も大きく、的確な対応が求められている。
こうした状況下で、例えば、外国人の受入範囲をむやみに拡大したり、出入国管理上の手続を一切省略する等の措置を採ることは、「すべての人の出入国の公正な管理」という出入国管理行政の使命を放棄するもので、現在及び将来の日本社会に重大な支障を生ぜしめる可能性が高く、出入国管理における規制緩和には一定の限界があるが、当局としては、外国人の適正かつ円滑な受入れが引き続き確保されることを大前提として、可能な限り手続の簡素化を進めていくこととしている。
具体的には、1)長期滞在者で一時帰国や出張等を目的として我が国をいったん出国し再び入国する意図を有する者に対してあらかじめ付与する再入国許可の制度について、その規制緩和を図ること、2)我が国の空港・海港における日本人の出国・帰国の確認に当たって提出を求めている出国・帰国記録カード(E/Dカード)を旅券の自動読取装置が配備され、システム等所要の準備が整った段階で廃止し、手続に要する負担の軽減を図ること、3)我が国の海港に寄港して一時的な休養等を希望する船舶の乗員を対象とする乗員上陸許可について、当該許可に係る業務を行う出入国管理官署と当該申請を行う運送業者とをオンライン化し、申請・届出のコンピュータ化による申請者の負担軽減、業務処理の合理化・迅速化が行えるようなシステムの構築に関する調査・研究に着手すること等の施策を推進していきたいと考えている。
3 外国人登録制度の見直しについて
外国人登録事務は、我が国に在留する外国人の居住関係及び身分関係を明確にし、外国人の公正な管理に資する目的で今日まで実施されているところ、その対象範囲や同一人性確認の在り方について在留外国人及びその関係団体から見直しを求める要望が提出されている。
特に、現在外国人登録原票と指紋原紙に押なつし登録証明書に転写することとされている指紋については、平成5年1月に施行された外国人登録法の一部改正によって、その対象が永住者・特別永住者を除く1年以上の長期滞在者に限定されるに至ったものの、同一部改正の法案を審議した衆参両院法務委員会において、外国人登録制度の在り方について検討すべき旨の付帯決議が行われていることを踏まえ、外国人登録制度の抜本的な見直しを行うこととしており、所要の法改正を目指していきたいと考えている。
【法務局の行政】
1 登記等の業務の効率化と法務行政サービス向上のための方策について
(1)登記事務のコンピュータ化を一層推進して全登記所における早期導入を図り、迅速かつ正確な登記申請の処理及び証明書の発行を実現する。
(2)登記事務のコンピュータ化の進展に沿って、法務局に来庁しなくても手続が行えるよう、平成11年度中の実現に向けてのオンラインによる登記情報の提供の早急な検討と、これに続くオンラインによる登記申請の研究など、情報化の推進による登記手続の抜本的改革を行う。
(3)登記所備付けの地図のコンピュータ化、供託事務のコンピュータ化、電子認証制度の創設等新たな事業の具体化を図る。
(4)登記簿謄抄本発行等の窓口取扱時間の見直し、郵送請求の積極的な活用、供託金払込み方法の拡大など、利用者の立場に立った取扱手続の改善に向けての検討を進める。
(5)前記(1)から(4)までの施策を中心として、申請負担の軽減と今後の社会の高度情報化への対応のための新たな施策を推進するとともに、人権擁護等の登記以外の業務を強化するなどして法務サービス全体の総合化を図り、もって、業務全般の効率化と行政サービスの向上を実現する。
2 法務局(登記所)の組織のスリム化のための方策について
(1)法務局の組織は、全国に約1,000か所存在するところ、小規模庁の多い支局・出張所の整理統合を一層推進しておおむね半分程度に削減し、併せて、定員の配置の見直しを行う。
(2)登記簿謄抄本発行等のような機械的な事務については、従来から外部委託を図ってきているが、今後とも一層の外部委託の推進を図るとともに、船舶登記と船舶登録のように他の行政機関との協力を通じて行う事務については、重複を回避し、全体として、必要最小限の定員で、しかも業務を一層充実させ、円滑に遂行することができる体制作りをする。
3 登記業務等の客観的評価について
登記業務等の効率化と行政サービスに関する客観的な評価を可能にするべく、業務に関する基本的な情報(登記特別会計の収支決算情報等)を公開するとともに、第三者を含めた機関で業務の評価を行うことを検討する。