(参考1)特別司法警察職員等との関係

現在、海上保安官、麻薬取締官、労働基準監督官等が特別司法警察職員として定められている。また、司法警察職員ではないが捜査権を与えられているものもある。これらの特別司法警察職員等による事件取扱い件数は、全体で、警察の事件取扱い件数の数パーセントである。

 特別司法警察職員等の置かれている分野であっても、一般司法警察職員たる警察官の捜査権が制限されるものではないので、両者の捜査権が競合的に存在することになることから、国レベル、現場レベルで事件捜査に関する所要の調整を行っているところである。

 なお、捜査権を与えられていた鉄道公安職員が昭和62年に廃止されたが、これに伴い、都道府県警察において、元鉄道公安職員を受け入れるとともに、移動警察事務が増大することから、地方警察官の定員が2,882人増員されたところである。

(参考2)交通警察の治安、保安関係行政機構における位置づけ

 交通の規制の実効性を担保するためには交通違反の取締りを的確に行うことが不可欠であり、また、交通違反を犯したり、交通事故を起こした運転者に対しては運転免許の行政処分を迅速に実行する必要があるように、交通警察に係る事務は相互に密接に関連を有し、総合的に運用することが不可欠である。

 これらの交通警察に係る事務は事務量が膨大であり、マンバワーを有する都道府県警察以外の機関が一元的に処理することは困難である。

 さらに、サミット等の国家的な行事が行われたり、地震等の災害が発生した際等には、交通警察活動と他の警察活動が一体として行われることが極めて重要である。

 このようなことから、国レベルにおいても、治安確保、危機管理を担当する警察機関において、交通警察に係る事務を一体のものとして取り扱うこととされているものである。

 なお、交通警察行政と関係を有する道路行政、運輸行政を担当する機関とは、国レベル、現場レベルで必要な連携をとっている。


(参考1)阪神・淡路大震災における警察の活動と教訓及びそれにかんがみ講じられた措置

時間警察の活動教訓
1月17日
5:46
6:10
6:15
6:20
6:30
6:45
8:00
8:25
8:30

9:25
10:00
14:55
17:00
24:00

地震発生
○兵庫県警察が、県下各警察署に対し、署員召集を指示。
○兵庫県警察本部長を長とする「災害警備本部」を設置。
●近畿管区警察局長を長とする「災害警備本部」を設置。
●警察庁警備局警備課長を長とする「災害警備連絡室」を設置。
○被災地区への車両の乗り入れを防ぐため交通情報板等を通じた広報を開始。
○兵庫県警察の4分の3に当たる8,500人が出動態勢を整える。
・大阪府警察のヘリコプターが、状況把握のため離陸。
●警察庁警備局長を長とする「災害警備本部」を設置。
●近畿管区機動隊第二大隊が出動。以後、出動準備が整った部隊から順次兵庫県へ向け出動。
●近畿管区警察局・大阪府機動警察通信隊が出動。
・応援部隊が被災現地に到着、被災者等の救助活動を開始、以後、順次到着、救助活動を開始。
・警察庁レスキュー隊が警察ヘリコプターで大眼空港に到着、以後救助活動を開始。
・大阪府警察では、派遣部隊に対する補給等の支援体制を確立するため、「支援対策本部」を設置。
・派遣部隊約2,500人の兵庫県入りほぼ完了。
現場では、救出を求める被災者が殺到し、人命救助を優先せざるを得なかったため、実態の把握、交通規制等のための要員の確保が不可能な状況となった。
・警察庁・管区警察局においては、現場からの報告をまたなければ実態の把握が困難であった。
・警察庁に送られた画像を官邸に電送するための通信施設がなかった。
1月18日
 6:00


 9:30

14:00

15:00

○緊急輸送車両以外の車両の通行制限を行って緊急輸送ルートを設定し、緊急輸送車両以外の通行を禁止する(道路交通法に基づく警察署長権限による交通規制)とともに、パトカー・蟹綾官による誘導等を行う。
●警察庁は、警視庁及び中部管区内等の自動車警ら隊、交通機動隊、機動捜査隊のパトカー等(約100台)に対し、兵庫県下の被災地に向け出動を指示。
●警察庁は、関東、中部管区内機動隊等に対し出動を指示。これにより派遺部隊総数は約5,000人となる。
○兵庫県警繁に「行方不明者相談所」を開設。
・交通管制施設の破損等により、交通規制等についてマンパワーに頼らざるを得なかった。
・都市部における大規模災害であったため、被災地へ迅速かつ大量に警察官及び装備資器材を投入する必要があった。
1月19日
 9:00
 9:50
15:00
16:00
17:00
20:00

・大飯府警察、警視庁、広島県警祭等のヘリコプターによる医師及び医療物資の輸送を開始。
・警視庁及び中部管区内等から派遣されたパトカー等が逐次被災地に到着し、活動を開始。
●警察庁に「外国からの身分安否照会ホットライン」を設置。
●警察庁とNTTが協力し、「死亡者リスト照会電話」を開設。
○兵庫県鷺糠に「外国人相談コーナー」を開設。
○災害対策基本法第76条に基づく交通規制を実施。
(○〜兵庫県警黍 ・●警察庁及び管区警察局  ・〜その他の都道府県警察)

講じられた措置

ア 広域緊急援助隊の新設
 阪神・淡路大震災の際、救出救助活動や緊急輸送路の確保等の現場活動に困難を極めたことから、現場において救出救助活動等に従事する警備部隊と、当該都道府県の範囲を越えた広い範囲において緊急輸送路の確保等に従事する交通部隊から構成される広域緊急援助隊を、管区警察局ごと等に編成した。管区警察局においては、平成8年度にすべての管区警察局に置かれることとなった災害対策官が、広域緊急援助隊の広域運用、訓練等を行っているほか、岡部隊とともに行動し得る通信部隊を整備したところである。

イ 災害時の交通規制に関する国家公安委員会の指示権の新設等
 阪神・淡路大震災の際、災害応急対策に従事する車両の通行が著しく停滞した状況等を踏まえ、国家公安委員会は、関係都道府県公安委員会に対し、運行禁止等に関する事項について指示することができることとされた。併せて、現場における警察官等の権限についての規定が整備された(平成7年6月の災害対策基本法の一部改正)。

ウ 警察庁等における現場無線のモニター体制の整備
 大規模災害の発生に際して、早期に初動措置に必要な情報収集を行うため、都道府県警察の通信指令室と被災現場の警察官との間で行われる無線通信の内容を警察庁及び管区警察局が同時に聴くこと(モニター)ができる体制を整備したところである。

工 広域的な情報収集体制の整備
 被災情報の収集等のために、都道府県の枠を越えた広域的なヘリコプターの運用を行うこととし、管区警察局で連行状況を管理・調整することとし、併せて、必要な情報伝達体制を整備したところである。

オ 官邸との連携体制の強化
 阪神・淡路大震災の教副lにかんがみ、現場の状況をリアルタイムで伝達できるようにするため、官邸と警察庁の間に画像送信ルートを設置するなど、官邸との連携体制の強化を図ったところである。

(参考2)オウム真理教事件の経過と教訓及びそれにかんがみ講じられた措置

年 月 日経  過教  訓措   置
昭59年2月
昭62年7月

平元年11月4日

平2年2月

平5年3月
8月
平6年6月
・「オウム神仙の会」設立
・「オウム真理教」に改称、全国に拠点を設け始める。
・坂本弁護士事件発生(7.9.6以降6人検挙)
・政治団体「真理党」を結成し、衆議院議員総選挙に億者多数が立候補
・毒ガスの研究を開始
・サリン原材料の購入開始
・いわゆる省庁制の導入
・特殊な閉鎖的犯罪組織についての情報不足 〜過去に暴力主義的破壊活動を行ったことがなく、かつ、過去に暴力主義的破壊活動を行った団体と全くつながりを持たない特殊な犯罪組織に関する情報収集・分析体制が不十分であった。○報収集体制の強化
公安第一課に特殊組織犯罪対策室を新設
6月27日

7月

11月
平7年2月28日

3月20日

3月22日
5月16日
・松本サリン事件発生
(7.7.16以降16人検挙)
・山梨県上九一色村において2回にわたり異臭事裏発生
・鑑定の結果サリンの簾漬物を検出
・公証役場事務長逮捕・監禁数死事件発生(7.5.18以降10人検挙)
・地下鉄サリン事件発生
(7.5.16以降43人検挙)
・教団施設を強制捜査
・教団代表を殺人及び殺人未遂で逮捕
・サリン等の発散等や製造目的の原料物質所持等を、人の生命及び身体の被害を防止する観点から有効に取り締まる法規の不存在 ・高度な科学技術についての知識不足
〜サリン、VXその他犯行に用いられた有毒物質の性質、毒性、製造方法、原材料等に関する知識が不足していた。
・都道府県警察の管轄区域外の権限についての制限 〜公証役場事務長逮捕・監禁致死事件の発生に至る平成7年2月28日以前に警視庁がその管轄区域外にある教圏施設に対する捜査を行うことが困難であった。
○サリン等による人身被害の防止に関する法 律の制定(平7.4.21公布、施行)
○科学捜査体制の強化
・警察庁に長官官房審議官(特殊犯罪(刑事局)担当)を新設
・捜査第一課に特殊事件捜査室を新設
・科学費繋研究所法科学第三部の新設
・地方蟹察官の増員 ・高度鑑識・鑑定費機材の拡充 ・専門的知識・技能を有する捜査員の確保及び育成
○警察法の一部改正(平8.6.5公布、施行)
・都道府県警察は、広域組織犯罪等を処理するため必要な限度において、その管轄区域外に権限を及ぼすことができることとされた。