別紙10
内閣機能の強化に関する論議結果の整理
T 基本的な考え方
- (1)日本国憲法上、内閣は「国務を総理すること」を主要な任務とする存在であることを重く受け止めるべきである。
- 「内閣」は、「行政各部」からの情報を考慮しつつ国家の総合的・戦略的方向づけを行うべき存在
- 「国務を総理する」という内閣の高度の統治・政治の作用を重視すべき
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- (2)「国務を総理する」任務を十全に遂行するためには、内閣の「首長」である内閣総理大臣の指導性発揮が極めて重要である。
- 内閣が現代国家の要請に応える機能を果たすためには、その「首長」たる内閣総理大臣の政治指導性が決定的意義
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- (3)以上にかんがみ、内閣の機能のあり方を工夫し、内閣及び内閣総理大臣の補佐・支援体制の強化を図ることが不可欠である。
- 内閣が「国務を総理」し、内閣総理大臣が内閣の「首長」にふさわしい指導性を発揮できるようにするため、従来の内閣及び内閣総理大臣の補佐・支援体制に抜本的な変革を加え、その格段の強化が必要
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- (4)内閣機能の強化は、日本国憲法のよって立つ権力分立ないし抑制・均衡に対する適正な配慮を随伴すべきである。
- 国と地方公共団体との間では、統治権力の適正な配分が図られることが必要(地方分権の推進)
- 国のレヴェルでは、国会と裁判所の改革を促すことが必要(国会改革、司法改革)。司法改革の端緒とする意味も込めて、独立行政委員会が果たしてきた行政審判機能(準司法手続)に係る組織を拡充・確立する等の検討も必要
- 省間の調整システムにあっても、透明なプロセスの確保が必要
- 内閣機能の強化は、政府の諸活動を国民に説明する責務を全うする情報公開法制の確立と不可分の関係
U 具体的措置
- (1)内閣機能の強化
- (イ)閣議の議決方法については、本来、内閣自らが定めるものである。この場合、必要とあれば、多数決制の採用も考慮する。
- 日本国憲法は、閣議の議事手続等については、基本的に内閣自身の意思に委ねる趣旨
- 事務次官等会議で了承された議題でなければ閣議にかけられず、閣僚が議題にないことを発言すると“不規則発言”として忌避される傾向は改め、閣僚間の討議を活性化
- (ロ)閣僚会議は、その実質的意義を発揮するよう、実効性・機動性重視の運営を図る。
- 設置目的を明確にし、目的達成後は速やかに廃止し、また、構成員を関係の深い閣僚に限定
- トップダウン的運用の下で、内閣総理大臣の発意による事案を関係閣僚間で実質的に議論し、その実現の方向づけを与える場として活用
- 閣僚間での実質的な討議の促進を図るため、閣僚懇談会を活用
- (ハ)特命事項担当大臣を、複数省にまたがる案件について、内閣としてのコンセンサスの形成やイニシアティブの発揮のため、活用する。
- 特命事項担当大臣については、閣議了解等の形式によって任務(関係大臣との関係)を明確にし、補佐組織を機動的に整備
- 特命事項担当大臣を設置する意義を考慮し、国務大臣の数は大括り省庁の数に比例しては機械的に削減しないものの、その総数を削減する。
- (ニ)各省の次官、局長等幹部人事については、「行政各部」に対する「内閣」の優位性を明確にするため、各大臣に任免権を残しつつ、任免につき内閣の承認を要することとする。
- (2)内閣総理大臣の指導性の強化
- (イ)内閣総理大臣の基本方針・政策の発議権を内閣法上明確化する。
- 内閣総理大臣が内閣の「首長」たる立場において、閣議にあって自己の国政に関する基本方針(対外政策や安全保障政策の基本、行政・財政運営の基本やマクロ的経済政策、予算編成の基本方針等はもとより、個別事項であっても国政上重要なものを含みうる)を発議し、討議・決定を求めうることは当然
- 現行の内閣法はこの点を明らかにしておらず、内閣総理大臣のかかる発議権を内閣法上明記すべき
- (ロ)行政各部に対する指揮監督について
- 「内閣の危機管理機能の強化に関する意見集約」(平成9年5月1日)において、「突発的な事態の態様に応じた対処の基本方針についてあらかじめ所要の閣議決定をしておき、総理大臣が迅速に行政各部を指揮監督できるようにすること」を求めたところ。
- これを超え、事後の閣議承認を条件に事前の閣議によらずに指揮監督できるようにすることについては、単なる行政上の意思決定手続を超え、幅広い検討を要する。このような幅広い視野からの検討は、それ自体、重要な課題であり、政府として真摯な検討を進めることが必要
- (3)内閣及び内閣総理大臣の補佐・支援体制の強化
- (イ)全体的な組織設計にかかわる問題
内閣の組織として、内閣総理大臣を直接補佐する組織(「内閣官房」)と、横断的な各省間調整事務及び特定の直轄事務を行う組織(「内閣府」(仮称))を置く。内閣府には、宮内庁、金融監督庁及び国務大臣を長とする外局を置く。この他、管理事務及び地方自治等に関する事務を行い、大臣の置かれない外局を置く組織として、「総務省」(仮称)を設置する。
- (ロ)内閣官房
i) 「内閣官房」は、内閣の補助機関であるとともに、実質的に内閣の「首長」たる内閣総理大臣の活動を直接に補助・支援する強力な企画・調整機関とする。
- その機能としては、1)基本方針の策定(対外政策や安全保障政策の基本、行政・財政運営の基本やマクロ的経済政策、予算編成の基本方針等はもとより、個別事項であっても国政上重要なものを含みうる。)、2)政府部内最終調整、3)危機管理、4)情報、5)広報
- 「内閣官房」の事務に関する内閣法12条2項に関し、企画・立案を含めるべく改正
- ii) 「内閣官房」は、内閣総理大臣により直接選ばれた(政治的任用)スタッフによって基本的に運営されるべきものとする。
- 行政の内外から優れた人材を登用する人事ルールを確立。各省庁からの派遣・出向についても、派遣・出向元の固定化や各省の定例的人事への依存を排除
- 「内閣官房」の定数管理を柔軟なものとし、必要に応じ内閣審議官等について内閣総理大臣の自由裁量で相当数を任用
- 情報機能・危機管理機能等の専門性の高い分野に関する人材については、在任期間の長期化
- iii) 内閣総理大臣補佐官など、総理の直接のスタッフ体制を充実する。
- 内閣総理大臣補佐官の数を増やすとともに、有効な活動を行いうるよう、その執務環境や補助者等の体制を整備
- 秘書官については、現在の派遣元省庁の固定化を排除するとともに、現在のように内閣法で定数を定めることを廃止
- iv) 「内閣官房」の組織は、現行の五室にこだわらず、時の内閣総理大臣の意向に沿った柔軟かつ弾力的な運営を可能とする。
- v) 情報機能については、1)「情報と政策の分離」の観点及び2)情報分析業務の専門性に照らし、「内閣官房」の組織として、独立かつ恒常的な組織を設ける。
- 関係省庁間の情報の共有と内閣への集約、分析・評価の相互検証を進めるため、「情報コミュニティ」の考え方を確立
- 現在事実上開催されている「合同情報会議」を内閣官房の正式な機関として位置づけ、有効に機能しうるよう配慮
- 現在の内閣情報調査室の機能・体制を強化
- vi) 危機管理については、「内閣安全保障室」を改組し、国防に関係する事項や大規模な自然災害を含むすべての危機管理につき、内閣総理大臣を適切かつ有効に補佐できる体制を整備
- vii) 内閣及び内閣総理大臣の指導性が国民に的確に認識され、内政・外政に関する政策が国民の間で広く理解されるようにするため、広報機能を強化する。
- 戦略性、機動性、専門性、国際性を重視し、企画機能を強化
- 広報に関する専門的知識・技術をもち、国際的なセンスをもった人材を登用。広報官の政治的任用も考慮
- (ハ)「内閣府」(仮称)
「内閣官房」とは別に内閣の機関として「内閣府」(仮称)を置き、経済政策、科学技術政策、男女共同参画、防災等の横断的な調整事務とともに、栄典、公式制度等の実施機能を担わせる。あわせて、宮内庁及び金融監督庁並びに大臣を長とする庁及び委員会をその外局とする。
- 「経済財政諮問会議」(仮称)、「総合科学技術会議」(仮称)等を設け、その事務局を置く。
- 「内閣府」(仮称)については、内閣総理大臣を主任の大臣とし、内閣官房長官がその事務を整理し、監督する。また、同府には、調整事務に対応し、必要な担当大臣(複数)を置く。
- (ニ)「総務省」(仮称)
人事・組織管理、行政監察からなる管理事務及び「郵政事業庁」(仮称)、「公正取引委員会」、「通信放送委員会」(仮称)、「公害等調整委員会」等の大臣を長としない外局の管理事務については、別に、「総務省」(仮称)を設置し、それに担わせることとし、主務大臣として総務大臣を置く。同省は、地方行政・選挙、地方税財政事務も内部部局とする。