内閣総理大臣談話

平成八年十一月七日

本日、再び内閣総理大臣の重責を担うこととなりました。課せられた使命と責任の重さに身の引き締まる思いであり、今般の総選挙において示された有権者の審判を厳粛に受け止め、国政の遂行に全力を傾ける決意であります。

わが国は今、大きな転換期にあります。本格的な高齢社会の到来を間近に控え、産業の空洞化、財政の危機的状況に直面しています。戦後五十年余にわたりわが国の発展を支えてきた政治、行政、経済、社会の「変革と創造」を何としてもやり遂げなければなりません。
私は、国民一人一人が将来に夢や目標を抱き、創造性とチャレンジ精神を存分に発揮できる社会、そして世界の人々と分かち合える価値があまねくゆきわたるよう努力する国を一日も早く創り上げたいと考えます。このため、三党政策合意を踏まえ、行政改革、経済構造改革、経済の基礎をなす金融システム改革、財政構造改革、効率的で質の高い社会保障・福祉政策の実現に全力を尽くします。なかでも行政改革については、大胆な規制の撤廃・緩和を進めるとともに、官から民、中央から地方へ業務と権限を移し、簡素で効率的な行政を実現できるよう努めます。これと並行して、国民に開かれた透明な行政を心がけながら、時代の変化に柔軟に対応でき、複雑多岐にわたる行政課題に的確に対応できる体制に中央省庁を再編します。
沖縄に係る諸課題については、引き続き、内閣を挙げてその解決に最大限努力します。
外交面では、日米安全保障体制を根幹とする日米関係を基軸とし、アジア太平洋地域をはじめとする各国との関係強化に努め、世界の平和と繁栄に努力します。特に、明年、国交正常化二十五周年を迎える中国との関係が一層発展するよう力を尽くします。地域紛争、開発、環境など国際社会が抱える諸問題にも積極的に貢献します。

私は、わが国の将来を大きく左右するこれらの国民的課題に真正面から取り組み、その実現に全力を尽くすことを約束いたします。
国民の皆様のご理解、ご協力を心からお願い申し上げます。