行政改革会議の発足に当たって

平成八年十一月二十一日(木)事務次官等会議

橋本内閣総理大臣発言要旨


一、本日、行政改革会議が発足するに当たり、私から一言皆さんに申し上げる。
この行政改革会議は、私自らが責任者となり、第一に、二十一世紀における国家機能の在り方、第二は、それを踏まえた中央省庁の再編の在り方、第三は、官邸機能の強化のための具体的方策、という三つの課題について検討を行い、会議発足後一年内に成案を得たいと考えている。
その際、特に重要なことは、現在の政府の業務を所与のものとすることなく、大胆な規制緩和を進めるとともに、地方や民間への業務・権限の委譲を行い、徹底した努力によって行政をスリム化し、そうした行政の遂行に最もふさわしい省庁体制や官邸機能を構築していくことである。このため、行政改革会議の運営に当たっては、規制緩和や官民活動分担の見直しを審議しておられる行政改革委員会、地方分権の具体化を審議しておられる地方分権推進委員会はもとより、経済審議会を始めとする各審議会とも積極的な連携を図っていく考えである。
各事務次官においては、各大臣とともに、今この時期を逃すことはできないとの認識をもち、高い識見を発揮して、規制緩和、地方分権、中央省庁の再編など行政改革の推進に最大限の努力を改めてお願いしたい。

二、(一) これらの行政改革を進めるに当たっては、国民の協力と理解を得ることが不可欠であり、それには、行政や行政を動かしている公務員に対する信頼感がその前提となる。しかるに、公務員の最高幹部として行政の先頭に立つべき者がその信頼を失墜させるような事件を起こしたことは、極めて遺憾千万であり、私自身激しい怒りを覚えてならない。国民から公務員の自負心・倫理観は低下し、綱紀の緩みは覆いがたいと受け止められても仕方のない状況である。

(二) もとより、綱紀の厳正な保持や公務員の倫理観については、公務員一人一人の自覚という心の部分に待つところが大きいが、行政改革をはじめとする変革が最大の政治課題であるこの時期にこそ、改めて、公務員一人一人が深く自戒するとともに、組織全体としてもこのような不祥事を引き起こす土壌がないかどうか深く反省し、国民の信頼を取り戻すための最大の努力を払う必要がある。とりわけ、幹部職員は、このことを特に肝に銘じていただきたい。

(三) このため、先の閣議においても、各閣僚に、綱紀粛正に最大限の努力を行うよう指示したところであるが、事務次官各位においても、自らが先頭に立ち、あらゆる手段をもって綱紀粛正・倫理向上に取り組むよう、特にお願いしたい。