追悼の辞

 本日ここに、「阪神・淡路大震災犠牲者追悼式典」が執り行われるに当たりまして、謹んで追悼の言葉を捧げます。

 多くの尊い命を奪い、この地に未曾有の被害をもたらした阪神・淡路大震災の発生から、ちょうど二年が経過いたしました。ここに改めて、震災でお亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして、心から哀悼の意を捧げるものであります。

 阪神・淡路地域では、震災後、地元の方々をはじめとする関係者の懸命な御努力によりまして、復旧は順調に進み、今や本格的な復興の段階を迎えております。しかし、その一方で、今もって約四万世帯の方々が仮設住宅での生活を余儀なくされるなど、一日も早く解決すべき課題が存在することも事実であります。これからは、こうした課題の解決を目指し、住宅をはじめとする生活の再建、安定した雇用の場の確保と産業の復興、安全な地域づくり等、本格的な復興に向けての取組みを一層推進していくことが必要であると考えております。

 そのため、国として、阪神・淡路地域の一日も早い復興に向けて、これまで同様、全力を挙げて取り組んでまいりますことを、この場をお借りして、改めてお誓い申し上げます。そして、御遺族をはじめとする被災者の方々が、厳しい試練を乗り越え、一日も早く生活を再建されますとともに、阪神・淡路地域が、来るべき二十一世紀に向け、安全で住みよい、魅力ある街へと再生していきますことを心から願うものであります。

 さらに、阪神・淡路大震災の貴重な教訓を今後の災害対策に活かすべく、今後とも総合的な防災対策を積極的に推進し、国民が安心して暮らせる社会の実現に全力を挙げてまいります。

 最後に、犠牲者の方々の御霊の安らかならんことをお祈りいたしますとともに、御遺族の皆様方に対して、心よりお悔やみを申し上げまして、追悼の言葉といたします。

  平成九年一月十七日
               内閣総理大臣
                 橋 本 龍 太 郎