内閣総辞職に当たっての内閣総理大臣談話
平成20年9月24日
衆参決議が異なる、この未曾有の国会状況の中、私は揺るぎの無い使命感を心内に秘め、内閣総理大臣に就任いたしました。
私の使命感、それは自身の内閣の寿命を考えず、日本国と日本国民に明確な道標を提供し、この道標を確実に次の世代にバトンタッチしていくことでした。
国会運営が遅滞を生じざるを得ない状況下、補給支援特措法案成立のために臨時国会は再度の延長を要し、歳入関連法案も予算成立から一ヶ月余遅れ、日銀正副総裁人事は四人もの候補者が否決されました。
理由の如何に拘わらず、結果として十分な対応が出来なかったことにつき、国民に対し責任を痛感しておりました。私が何よりも重く考えていたことは、「政治に対する国民の信頼」であったからです。
今日、国の内外は大きく変化しています。政治・行政の、「生産力の拡大強化」という従来の考え方や手法だけでは、国民の幸せに繋がらない時代になりました。
これまでの政治や行政を根本から見直さなければならない。
消費者庁設置法を決定したのはその一例であり、道路特定財源の一般化、国民の立場に立った行政を展開するための公務員制度改革、さらには徹底した行政経費の削減などに、全力を尽くしました。
私の想う「国民目線」とは、これらの施策を連携させ、構造体として作り上げていくことです。この改革は緒についたばかりですが、その進むべき道標を立てることはできたと考えております。
わが国は、景気の転換点を越えました。また、資源の逼迫と価格高騰、低炭素社会への転換、行き過ぎた金融経済が引き起こす問題、人口減少などの、構造的課題への対応にも迫られています。
私が、洞爺湖サミット等を通じて提言した環境問題への取り組みをはじめ、内外の課題に対峙する今、何よりも大切なことは政治の安定です。私は、自らの使命感に基づき、内閣総理大臣を辞任いたしました。
これまでの国民の皆さまの温かいご支援に対して、心よりの感謝を申し上げます。
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