高度情報通信社会推進本部電子商取引等検討部会

第1回会合議事要旨

(平成9年9月19日)

1.日時   平成9年9月19日(金) 午前9時10分〜午前10時40分
2.場所   総理府 3階特別会議室
3.出席者
(検討部会)
池田委員、内田委員、大山委員、神田委員、富野委員、松尾委員、三村委員
(事務局)
田波内閣内政審議室長
4.議題
(1)検討部会の開催経緯、開催要領等について
(2)座長選任
(3)自由討議
(4)今後のスケジュールについて

5.会議経過

 (1)事務局から、本検討部会の開催経緯、開催要領等につき説明があった。

 (2)本検討部会の座長として、大山委員が選任された。
  大山座長より、本検討部会は、「国民にわかりやすい情報化」のよい例になる可能性がある、来春までに報告をまとめるのは大変な作業だが、各メンバーの協力を得て精力的に取組んでいきたい旨挨拶があった。

 (3)各メンバーより、各々の立場、経験等を踏まえ、以下のような意見が述べられた。

○ ネットワーキングは、陸(陸上交通)、海(海上交通)、空(航空)の時代を経て、これからはサイバーという第4の段階。今、我々が入ろうとしているのは新しいネットワーキングの段階であるということを認識すべき。
  従来のネットワークではモノが動いていたが、サイバーのネットワーク上では「bit」が動く時代。ネットワーク上で情報とエネルギーが流れるようになれば、金融・通信エネルギーのビッグバンは必然的に起こる。

○ 国連の作業部会等においても、企業間EDIから電子商取引全般に取組みが進み、世界の動きは極めて速い。検討の内容も、以前はビジネスプロトコールの標準化等技術的なものが主流だったが、これからは法的制度の枠組み、制度的インフラの整備等が重要な問題となりつつある。

○ サイバー取引というのは国境のない世界であり、どんなに優れた制度でも、国ごとにバラバラでは却って障害になる。この点、日本は各国の趨勢を調査・追従することには熱心でも、自分から世界に対し、制度構築のあり方等について発信していくことが苦手であり、また、意思決定の遅れや既得権益等もあって、法律面でのインフラ整備の遅れも目立つ。政府内でのこれまでの同時並行的な色々な取組みを調整・総括し、世界に対しリーダーシップを発揮していくべき。

○ 法律面でのインフラ整備の遅れについては、法律は過小評価も過大評価もしてはならない。電子署名法等についてはもっと早く整備すべきだが、かといって法律さえ作れば全て上手くいくというものでもない。この点、いかにして適切な制度を構築していくかという観点からの議論を期待している。

○ 本検討部会では、一般の消費者がパソコンを通じて商取引を行っていくにあたり、トラブルや個人情報の漏洩等の混乱が生じないよう消費者保護の観点に立った議論をする必要がある。

○ これまでのパソコン上の商取引は、ホームページに代表される宣伝・広告にとどまるものが多かったが、今後は電子的に決済も行われていくであろうから、手続は複雑化していく。

○ 従来の商取引では、印鑑・署名という手段で枠をはめる(個人認証)というコンセンサスが出来上がっているが、電子商取引ではどのように枠を設けていくかについて世界的にコンセンサスを築いていく必要がある。

○ 電子商取引の普及に向けた方策としては、電子署名方法の開発等の技術的な側面ばかりが先行し、制度面では規制緩和や現行法の発展的な解釈ばかりが叫ばれていて、新たに作るべきルールに対するビジョンが欠けていた。

○ 本検討部会の意義としては、消費者の利便性の向上と情報通信産業の育成という2つの側面がある。

○ 電子商取引というと企業と消費者の間の商取引が注目を集めているが、企業間経済行為の電子化についても、国際的な取引や業界共通のスタンダード構築等難しい問題があり、真剣に取組んでいく必要がある。

○ 法制度やセキュリティの問題も重要だが、それのみにとらわれず、官・民の役割分担を考えつつ、幅広い課題を抽出して検討していく必要がある。

○ 電子商取引等については、ソフトウェアやコンテンツを「資源」と位置づけることにより、天然資源の少ない我が国においては、知的生産活動による資源開発及びその高付加価値化という、国を支える新たな経済活動と捉えることが可能。

○ (上述の)情報を「資源」として捉えることを可能ならしめるには、(1)国としてヒト・モノ・カネの動きがきちんと記録されていること、(2)それぞれの制度や各省庁の取組みが各々明確な目標を持っていること、(3)知識のベースを育成し、情報資源の探査・検索を可能にすること、の3点が条件となる。

○ 本検討部会は勿論だが、政府・事務局としても情熱を持って省庁横断的に全力でことに当たって欲しい。

 (4)事務局から、今後のスケジュールにつき説明があった。
また、今後の検討部会の進め方に関連して、出席メンバーより、以下のような意見が述べられた。

○ 議論の拡散を防ぐため、具体的な検討対象や目標・方向性を早目に固める必要がある。

○ (上記関連で)具体的な検討課題については、世界的には論点が絞られてきている。日本としても、論点の抽出に終わるのではなく、各論点毎に我が国がどのように対応していくのかという方向性を打ち出すべき。

○ ヒアリングについては、最優先事項として、世界的な動向(米国、EU等)の最新の動向をインプットして欲しい。また、それを受けて、関係各省庁より今後の政府としての取組み等について聴取してはどうか。

  以上のような意見を踏まえ、次回会合までに座長が各メンバーの意見も踏まえた上で、具体的な論点の叩き台を提示することとなった。
  次回会合については、10月9日(木)午後に開催する方向で検討し、具体的な日時・場所等につき、事務局から各メンバーに連絡することとなった。

−以上−
(文責 内閣官房内閣内政審議室 速報のため事後修正の可能性あり)