高度情報通信社会推進本部 電子商取引等検討部会
第5回会合議事要旨

(平成9年12月18日)

1.日時  平成9年12月18日(木) 午前10時〜12時
2.場所  総理府 3階特別会議室
3.出席者
(検討部会)
大山座長、池田委員、内田委員、神田委員、黒住委員、富野委員、畠山委員、堀部委員、松尾委員、三村委員
(説明者)
総務庁行政管理局 藤井行政情報システム企画課長
経済企画庁国民生活局 藤岡消費者行政第一課長
文部省初等中等教育局 河村中学校課長
文化庁文化部 板東著作権課長
建設省大臣官房 木下建設技術調整官

(事務局)
田波内閣内政審議室長
大澤内閣内政審議室審議官
4.議題
○関係省庁からのヒアリング
(1)総務庁
(2)経済企画庁
(3)文部省
(4)建設省

5.会議経過

(1)総務庁より、行政情報化推進計画について説明があり、引続き質疑応答が行われた。概要は以下のとおり。

○現在、行政事務・事業の効率化・高度化、国民サービスの質的向上につなげるべく、行政の電子化施策を推進中。これには調達手続の電子化等、電子商取引等の進展にも対応するものが含まれるほか、電子文書の原本性、ネット上での本人確認など情報化における共通課題についても政府一体となって検討を進めていく。

○行政情報化推進計画及びその改定案においては、行政の電子化への取組みが本格化しているが、今後は特に、行政のワンストップ・サービス等、具体性・実現性のあるものを前面に出して国民の理解を得つつ施策を推進していくべき。

○米国では、情報化と同時並行的に、道路、金融ネットワーク、ライフライン等、国のインフラ整備を包括的に推進している。我が国でも、GIS等個別施策では関係省庁の連携があるが、今後はより一層政府全体に亘ったプランニングが必要。

○申請・手続の電子化等においては、役所毎、申請書毎のフォーマットが異なるとそのメリットが生かされないので、電子化にあたっては省庁横断的に標準化を推進していくことが必要。

(2)経済企画庁より、電子商取引にかかる消費者保護について説明があり、引続き質疑応答が行われた。概要は以下のとおり。

○政府としては、詐欺・不公正取引の規制の困難さ、消費者被害救済の困難さ、国際的協調の必要性等といった電子商取引をめぐる問題の特性を踏まえつつ、消費者被害の実態調査・情報提供、消費者啓発、消費者保護の制度整備等を実施していく。

○民間部門のプライバシー保護や、電子商取引におけるネガティブな信用情報に対する消費者サイドからのクレームを受付けるシステムの構築等については、現状では金融、電子通信等個別の分野毎に取組みが進められており、包括的な制度の整備については今後の検討課題。

○事業によっては顧客の属性を調べたりすることもあり、ビジネスでは「犯罪」ではないがプライバシーとの関係で微妙な問題が生じる恐れがあり、事業者側の動きも検討した上で消費者保護にかかる調整を行うべき。

○インターネット上であっても消費者の自己責任の面が大きいケースもあるところ、消費者保護は悪徳事業者との契約上のトラブル等悪質なものを念頭においたものとしつつ、ネットワークの特性を踏まえた保護形態が検討されるべき。

○電子商取引におけるトラブルに対処するためには、店舗の認証、契約文書の保管、紛争処理機関の整備等一貫したシステムが不可欠であるが、これらについて民間によるサービスの向上を促すには、消費者サイドからの需要が必要。この点、政府が消費者に対して、注意喚起をしたり、ネット上ではどういう取引が安全なのか等の情報提供を行って、民間サービスの充実を促進していくべき。

(3)文部省より、小・中・高等学校における情報教育について、また文化庁より、マルチメディア化と著作権保護への取組みについて説明があり、引続き質疑応答が行われた。概要は以下のとおり。

○情報教育の充実に向け、学校におけるコンピュータ等ハード面での整備が進められているが、同時に、教員の養成やアプリケーション、教育課程の整備等ソフト面での取組みを今後とも強化していく必要がある。

○初等中等教育における情報化においては、有害情報への対応やプライバシー保護等の対策が必要であり、現在、クローズド・ネットのモデル事業や地方自治体とのすりあわせ等対応が進められている。

○学校教育においては、単にパソコンの操作を習得するのみではなく、情報手段の特性への理解や情報の取扱い等、「情報活用能力」の向上が目指されるべき。

○情報化の進展に対応するため、著作権の内容の見直しと権利処理システムの整備の両面で取組みが進展中。前者としては法改正等権利内容の改善や96年12月に採択された世界知的所有権機関(WIPO)新条約への対応、後者としては著作権の集中管理団体の整備、権利処理ルールの確立、著作権情報の集中と管理(2000年を目途に著作権権利情報集中機構(J−CIS)(仮称)の設置)等、著作権審議会等を中心に検討がなされている。

○著作権情報の管理については、国際的調和の観点が重要。この点、EU等においても、現在消費者団体等で調査・研究が行われており、音楽や文学等の分野でのシステム開発が2〜3年後には最終段階へ入ってくる可能性がある。

(4)建設省より、公共事業の情報化への取組み(「建設CALS/EC」の推進)について説明があり、引続き質疑応答が行われた。概要は以下のとおり。

○95年、公共事業支援統合情報システム研究会を設置、96年4月に2010年までに我が国公共事業におけるCALS/ECの実現に向けた整備基本構想を策定。本年、建設省直轄事業についてのアクションプログラムを策定し、官民の協力により、実証フィールド実験や情報の標準化、電子調達システムの開発等に取組んでいる。

○地理情報システム(GIS)の整備については、内閣内政審議室を中心に、関係省庁連絡会議が設置されており、各分野における利用面での連携体制が整備されている。

○押印、決裁等、制度面でのペーパーレス化への課題については、工事打合せ簿等足元から見直しを進め、引続き、法令改正等が必要なものへも電子化に取組んでいく。

○我が国経済の構造上、公共事業の占める割合から見て、建設CALS/ECの進展が市場全体に与えるインパクトは大きい。今後とも積極的に取組んでいくべき。

(5)次回会合については、明年1月13日(木)午後2時〜4時に開催することし、引続き関係省庁からのヒアリングを行うこととなった。

−以上−
(文責 内閣官房内閣内政審議室 速報のため事後修正の可能性あり)