(平成10年3月12日)
5.会議経過
(1)大山座長及び大澤内閣内政審議室審議官より、3月4日に開催された高度情報通信社会推進本部有識者会議の概要について報告があった。
(2)引き続き、電子商取引等推進の意義及び電子商取引等推進にあたっての原則等について意見交換が行われた。意見の概要は以下のとおり。
<議論の進め方について>
○電子商取引等推進の意義及び電子商取引等推進にあたっての原則については、本検討部会の報告の「幹」となるものであり、現時点で議論することは、委員間の意識共有を行うという意味で重要。但し、個別重点事項についての議論を行った後で、それら議論の結果も踏まえ、再度レビューを行う必要がある。
<本検討部会における検討のスコープについて>
○「電子商取引」として、どのような範囲のものを考えるかは、どのような分野のどのような制度を構築するために論ずるか等、その検討の目的によって広狭異なるが、本検討部会においては、まずは、コンピュータとネットワークを利用して行われるあらゆる経済主体によるあらゆる経済活動と最も広く捉えつつ、個々の検討課題に応じ、必要があれば適宜限定した定義を設けることとすべき。
<電子商取引等推進の意義について>
○電子商取引では、ネットワークを活用して、国境を跨る取引を瞬時に行うことができる。この点は実体経済と大きく異なるので、強調すべき。
○電子商取引は、経済構造を変革するにとどまらず、「大量生産・大量消費」から「情報資産の蓄積・流通」への価値のパラダイムシフトをもたらし、ひいては環境・資源問題等への取組みを通して社会生活を変化させる。電子商取引の意義として、社会面と経済面の効果は分けて論ずるべき。
○OECD等の報告書には、電子商取引がdisintermediationをもたらすと必ず書いてあり、本検討部会の報告書においてもこの点に触れるべき。但し、中間流通業務については、その高付加価値化に成功している例もあり、注意が必要。流通の合理化等のために最も重要なのは情報流通基盤整備の促進である。
○国内産業の活性化という観点だけではなく、電子商取引等のグローバルでボーダーレスな性格に着目した、全世界的な競争の促進という視点が必要。
○我が国のもつ技術力、文化的価値や商慣行等をグローバルな舞台にどう発信していくかという点については、そのスタンダード化を目指す方法と、それらを活かした形で作成した知識データベース等情報コンテンツの発信・普及を目指す方法とがある。
○前回会合での議論にもあったとおり、本件分野における我が国の現状に対する危機感を打出しながら、もう一方で、具体的な対応策についての提言を行うべき。関係省庁からのヒアリング等で説明のあった真摯な取組みについては後押しをしたい。
<電子商取引等推進にあたっての原則について>
○政府の役割を考える際、ネットワークも含めた社会インフラの整備がまずあって、その上で情報基盤へのアクセスの確保、消費者と企業の電子商取引に対する安心・信頼感の提供、流通障害(紙ベースの承認・認可等)の排除による流通スピードの向上、といった多層的な考え方が必要。
<個別論点のプライオリティについて>
○本検討部会においては、複数の省庁に跨り、政府として統一的方向性を早急に打ち出すべき問題を検討すべき。この観点からは、認証とプライバシー保護が重要(公正で安全な取引の確保)。電子商取引はボーダーレスであり、世界の共通ルールの策定に向けた動きの中で、両者とも日本としてのスタンスを早急に確定して、世界に向けて発信していく必要がある。
○プライバシー保護をはじめ、消費者保護が重要。米国の消費者被害の実態等につき最新の情報が知りたい。
○課税、広告・宣伝の規制、電子決済・電子マネーも重要。
○安心・信頼性の確保が重要というのは委員間でも共通認識のようだが、まず情報流通の障害を取り除くための方策について論じるべきではないか。
(3)次回会合については、3月30日(月)午後2時〜4時に開催することし、会合の進め方等については、今次会合の議論を踏まえ、大山座長が事務局とも協議の上、次回会合前に、できる限り早急に各委員に連絡することとなった。
−以上−
(文責 内閣官房内閣内政審議室 速報のため事後修正の可能性あり)