2.場 所:内閣総理大臣官邸大食堂
3.出席者:[別紙]
4.会議の模様
こういった基本方針の下に、一つ目の目標として、2005年までに超高速のインターネット網を整備する。その内訳として、一つ目はアクセス回線については世界をリードする高速・低料金。二つ目として、インターネットの普及率は世界最高水準の普及率を目指す。三つ目は、バックボーン回線について10テラビットの光通信技術の実用化を図る。四つ目として、当然これはIPv6ということを備えたものということである。二つめの目標は、放送のデジタル化である。通信も放送もオールデジタル化を図るということが共通の基盤をつくる上での基本であることから、2006年までに全国的に地上デジタル放送を実現するということである。こういった目標の下に、これからご説明する政策を行う。
競争政策の一番目は公正競争条件の整備である。公正競争条件の整備の一番目として、支配的事業者の規制制度の導入について、電気通信審議会で御議論いただいているところである。内容としては電気通信事業法体系において市場支配力に着目した非対称規制、要するに支配力がある者には重い規制を、それ以外は軽い規制をということであるが、こういった非対称規制により競争を促進するということである。この内訳として、3点ある。まず、支配的事業者の反競争的行為を禁止する。二つ目として、そのような行為について監視・除去するための機能・手続の充実強化を図る。三つ目として、事業者間の紛争が起きた場合の紛争処理・裁定を迅速かつ公正・中立的に行うための専門組織を創設する。
公正競争条件の整備の二番目として、接続ルールの強化がある。光ファイバーのアンバンドル化の推進、すなわち、光ファイバーを部分で借りたい事業者がいればそれを貸すことを推進する。それからコロケーション、これは接続する場合に例えば電話局の場所を貸すということであるが、そういったコロケーションの推進。それから、キャリアーズレートの導入ということで、電気通信事業者から回線を借りて電気通信事業を行うことについて、いわゆる卸料として安い料金を導入する。
公正競争条件の整備の三番目として、NTTの在り方の見直しがある。これは現在、電気通信審議会で審議中である。
競争政策の二番目として、アクセス網における実質競争の促進である。まず、線路敷設権整備である。これは、公益事業者の持っている電柱とか管路の利用の円滑化を図るというもので、後で内政室の方から詳しくご説明申し上げる。それから二つ目として、キャリアズキャリア制度の創設である。これは自治体や電力会社が持っている自営の光ファイバーを公平に利用させることを促進しようというものである。
競争政策の三番目として、電波資源の利用促進がある。その一つ目として周波数、いわゆる電波であるが、電波の割当て計画、つまりこの部分は何に使う、この部分は何に使うといったような計画の策定等をオープン化し、公開する。二つ目は、光ファイバーと競争ができるアクセス回線として無線アクセスシステムがあるが、その周波数、電波の割当てを拡充する。
以上が競争政策のメインであるが、それ以外に国の支援措置等がある。これは大きく支援措置と研究開発に分かれている。支援措置については、光ファイバー整備について従来から財政・税制上の支援を行っているが、超高速インフラネット網のインフラ整備促進のため、支援の充実を図る。その他、先導的な公共シテスムの整備・支援として、地方公共団体等が設置している地域のイントラネット整備等を支援する。
国の支援措置等のもう一つの視点として研究開発がある。ITは最先端技術であり、基礎的な研究開発を常に行っていなければならないが、まず、超高速インターネット網の整備に関する基礎的な技術開発が必要である。その主な内容は以下のとおりである。一つ目は超高速フォトニックネットワークの開発、これは端から端までオール光通信で行おうという技術である。それから情報家電インターネットの開発。最後に、ITSにおける高速インターネットの実現ということで、いわゆる車の動くオフィス化である。
研究開発の大きな二つ目として、放送のデジタル化の推進ということで、デジタル技術を活用した高機能なコンテンツ制作あるいは放送システムの開発である。
それから、これらの競争政策、国の支援措置等と合わせ、通信・放送融合への適切な対応のための制度整備がある。通信・放送の融合という現象が起きている。特に伝送路の融合ということに対応した放送制度を整備しようということで、例えば、現在通信衛星は、この部分は放送、この部分は通信というふうに分けて使用しているが、それを市場の原理によって所有者が自由に使用できるようにする。あるいはCATVは現在自前の回線を持つことが原則になっているが、電気通信事業者から回線を借りて放送ができるように、より一層ハードとソフトの分離を円滑に進める制度を整備しようというものである。
通信・放送融合への対応の二つ目として、コンテンツ流通を促進するための環境整備、三つ目が情報流通ルールの確立ということで、これは前回のこの会議で議論のあった違法情報の流通に対するインターネットサービスプロバイダーの責任の明確化ということである。プロバイダーが違法情報を削除した場合のルールの整備、あるいは誹謗中傷を行うような発信者の情報をサービスプロバイダーが開示する場合の一定の条件による免責、通信の秘密に関わる問題であるが、一定の場合には免責をするというようなルールの整備等を行おうというものである。
線路敷設の問題については、超高速インターネットの整備に不可欠な光ファイバー網の整備を促進するために電柱、管路の開放の問題、事業者が実際に自分で線を張る場合の道路等の公的空間への線路敷設の円滑化という2つの問題があると考えており、それぞれについての政府としての考え方を今回お示しするものである。
第1の電柱、管路等の開放の点については、2つ中身があり、まず第1はガイドラインの策定であり、ここにあるように通信・電力等の本来目的に支障がない限り、電柱・管路等を電気通信事業者に開放することとし、ガイドラインのルール、基本原則としては、無差別、透明、公正というものをルールとして年度内に策定・公表する。また、公表する前には審議会あるいはパブリック・コメントを実施する。
ガイドラインの担保措置については、実際に開放に関して紛争がある場合については、現行電気通信事業法に基づいて郵政大臣の裁定制度があるが、民有地だけでなく、公有地も含め、その裁定が可能となるよう法的な担保措置も改正したい。当然、ガイドラインの法的な位置づけの検討を経た上で行うということである。ガイドラインの中身については、重要なのはどういうことをこのガイドラインの中で民間事業者は定めるべきかということを書くかということである。ポイントとしては3つ程あると考えており、基本原則は、例えば申込手続、申込窓口、手続の明確化と公開、それから調査費用、算定基準あるいはその内訳の提示ルールの明確化等があり、申込手続では、重要な拒否事由の場合について、貸与拒否事由とその判断基準を明確化するというものである。対価については、貸与の対価算定基準の策定、特にその料金を相手方に明示をするというようなことをガイドラインとしてきちんと書くこととしている。
次に、2番目の道路等の公的空間への敷設の円滑化については、収容空間の整備・開放は、今後、道路地下等の収容空間の整備につき電気通信事業者の意見を踏まえて行うものであり、IT戦略会議でも議論が出たとおり、冬季・年度末の路上工事抑制措置につき5年間試行的に緩和をする予定である。国が持っている下水道あるいは共同溝等については、ルールを策定をして明確化をするとともに、実際に道路工事をする場合には占有許可とか仕様許可とかが要るわけであり、そのワンストップ化、電子化というものを行い、さらに工事規制については、情報提供等々、埋設管路等についても情報提供の整備を図るものである。
具体的な中身については、以上のような方針に基づき、政府として具体的なガイドラインの策定、具体的な事業の実施ということにしたいと考えている。
○ ただいま堺屋IT担当大臣から御発言があったことは、IT担当大臣として責任を持って国として実行するということであり、基本戦略に関しては、簡潔に実行するための戦術を集中的に打ち立てるというのが民間の総意であると理解している。
通信と放送の融合に関しては、伝送路の利用をより柔軟にする放送制度を整備するとともに、通信・放送融合サービスの開発を支援する制度を創設することを予定している。今後とも関係各位の御意見を伺いながら積極的に取り組んでまいりたいと考えているので、どうかよろしくお願い申し上げる。
まず、起草委員会では4つの分科会を作った。ネットワーク、電子政府、教育、電子商取引だが、分科会のメンバー及び総合編成担当の皆様には、多大なる時間を割いてもらい、本当に感謝している。eメールも非常にうまく使い、様々な情報やいろいろな意見が出たが、何とかまとめることができた。起草委員以外の方からも貴重な意見がたくさん寄せられ、民間の期待がいかに強いかを実感した。それからIT担当室の方々にも、大変矛盾がある議論をまとめることに多大な時間を使って頂き、本当に感謝したい。2か月間という時間的制約もあったが、起草委員の皆さんの努力で民間主導というか、民間が意見をまとめ切ったということで、大変意義が大きいと考えている。
この草案の位置づけだが、またこれから議論も更に深め、推敲を重ね、次の委員会で最終版になるが、1月6日に施行されるIT基本法に定める高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部が、基本法に従って制定する重点計画の中核を成すものであると解釈している。高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部長である総理大臣及び全ての大臣及び民間有識者の本部員が、この重点計画の実行について責任を持ち、また進捗についても監視していくと理解している。
それから報告書のトーンだが、この基本戦略は冒頭にその志のメッセージが書いてあるので、まずそこの部分だけ少々説明する。
我が国は21世紀を迎えるに当たって全ての国民が情報技術、即ちITを積極的に利用し、かつ恩恵を最大限に享受する知識創発社会、知識創発社会というのは聞き慣れない言葉だが、ネットワーク経済においては創発、いわゆるemergent evolutionという言葉、要するに、秩序的ではなくネットワークが相互にコネクトすることにより様々なことが起こってくる。1足す1が2ではなく、3や5になったりするというemergent evolutionという言葉が、非常に一般的でかつ普及している。日本では聞き慣れない言葉だが、これを入れさせて頂いた。この知識創発社会の実現が、既存の制度や慣行、権益に縛られずに、早急に革新的かつ現実的な対応を行わなければならない。これは、妥協的な提案をするということでは国民的なサポートが得られないし、またジャーナリズムの格好の標的にもなると考えているので、革新的でなければならない。但し、現実的なものでもないと、夢だけ言っていても我々は本当に困っているわけだから、この革新的かつ現実的な対応を行わなければならないということがポイントになる。
そして、超高速インターネット網整備とインターネット常時接続の早期実現、電子商取引ルールの整備、電子政府の実現、新時代に向けた人材育成というものを通じて、市場原理に基づいて民間が最大に活力を発揮できる環境を整備し、我が国は5年以内に世界最先端のIT国家になることを目指すというのが志である。
私はよくこの件で意見を求められるが、ネットワークを作ることが目的ではなく経済発展の手段であるということに関して、皆さんの一致した見解だと思っており、これをいかに活用していくかということも議論を深めていかないと、ネットワークができただけでは、高速道路ができただけでは、いい社会ができないというのは当然のこと。
次に基本戦略の構成については、まず「1.IT革命の歴史的意義」。これに関しては堺屋IT担当大臣からも御提言を頂いており、今後この意見を反映させて行きたいと思うが、基本的には私は歴史的意義はどうでもいい。取ってもいいとすら思っている。問題は今なぜ日本が遅れているかということと、IT国家の基本戦略は何なのかということで、堂々めぐりの議論をやっている場合ではない。従って、歴史的意義の細かいニュアンスに関しては、私は完全に妥協する。但し、現実及び実現の重要性に関しては、これが政府で実現しないと今日本は沈没してしまうと、民間が総意を挙げて非常に強い意思を4つの分科会で示したと思っており、この点を重点的にお願いしたい。
従って、歴史的な意義の説明は省かせて頂いて、2番のIT革命への日本の遅れ。日本がいかに遅れているかは、新聞にもいろいろ書かれており、これも今回省かせて頂く。ただ、「我が国のIT革命への取り組みの遅れ」は、主要因は地域通信市場の独占による高い通信料金、公正・活発な競争を妨げる規制の存在等、制度的な問題があるという所で、技術的な問題ではないという所が主な意見である。
それから3番。まず「国家戦略の必要性」については、制度改革を5年間、緊急かつ集中的に実行する。この制度の改革は民間ではできないので、明確に政府の役目だと考えている。そのためには国家戦略を構築し、国全体で構想を共有することが重要。民間は競争を通じて様々な創意工夫を行い、政府は市場原理に基づく開かれた市場がうまく機能するよう整備環境を行うこと。この場合の競争というのは、競争の結果勝者が1人だけ出るというのはアメリカ的な社会であり、競争であるから勝つ人が勝って敗者が全部出るというのは日本的な競争ではないと考えている。公正な競争はやはり敗者復活戦というか、2回戦、3回戦で駅伝でも逆転があるように、そういう競争ルールを作るという意味で、勝者が1人だけ出て敗者が全員であるような競争社会ということを意味しているものではない。
次の「目標」だが、全ての国民がITリテラシーを備え、ゆとりある豊かさを実感できる。自由で規律ある競争原理に基づき、経済構造改革の推進と産業国際競争力の強化を図る。現在の経済構造は、戦後50年日本が大変成功したことに基づき、いわゆる製造至上主義の社会だが、ネットワーク社会と融合することにより日本の国際競争力を強化していく所がポイントであり、日本が最先端の情報技術やコンテンツを生み出す一大IT拠点となるべき。それから、知識創発社会の地球環境規模での発展に向けて積極的な国際貢献を行う。これはIPv6その他の利用ということで、世界的に困っている国がたくさんあるわけだから、日本が中心となってやっていけるだろうということ。
次に重点政策分野だが、まず超高速ネットワークインフラ政策。5年以内に超高速アクセス、目安として30Mbps〜100Mbpsが可能な世界的最高水準インターネットの整備を促進し、必要とする全ての国民、必要としない所まで初めの5年間でやることは無理なので、必要とする全ての国民に低廉で利用できる環境を作る。この数量的な目標については、宮津委員とも議論させて頂いたが、少なくとも3,000 万世帯には高速インターネット網が、1,000 万世帯には超高速インターネット、すなわち光ファイバーのインターネットが常時接続可能な環境の整備を目指すという所が、少なくともという点でモデストなというか、実現可能なことであり、IMT2000 とか無線網はこの数字には入ってない。だから、この無線網を高速としてカウントするかどうかの議論は別にあり、日本の強さはもしかしたらモバイルにあるということを考えると、この数字は最終版ではもう少し膨らませることも考えられるが、余り大きな数字を出すよりも内輪で実現できる数字が入っている。
さらに、1年以内に無線・有線の多様なアクセス網により、全ての国民が極めて安価にインターネットの常時接続を可能とすることは、インターネットは一々切るものではないので、常時接続ができるデータ通信と電話の料金体系に関して、郵政省及びNTTに真剣に検討して頂き、定額料金で常時アクセスがインターネットでできる状況を高速ならば5年で、1年以内には遅くてもいいから安くという所が書いてある。
それから、IPv6を備えたインターネット網への移行の推進だが、これは無線アクセス網から効率的な接続を実現することで、全ての時計でもカムコーダーでも何でも直接ネットワークに入れるような、自動車もそうであるが、そういうことをIPv6でやっていきたいということがポイントである。
2番目は、2002年まで電子商取引を阻害する規制の改革、民事・消費者保護等に関する法律・法制の整備、インターネット市場にふさわしい制度整備を行って、電子商取引を促進するというのがポイントである。
3番目の「電子政府の実現」だが、2003年までに行政、国、地方公共団体の内部の電子化、官民接点のオンライン化、行政情報のインターネット上での公開、利用促進、規制制度の改革等を推進するという所がポイント。
それから4番目は「人材育成の強化」。情報リテラシーの向上に努め、ITを指導する人材を長期的に育成することは、教育制度の根幹に関わること。何でも頭がいいというか、メモリーだけ強い人が上だという体制で高等教育までやるよりも、創意とか工夫とか創造性の豊かな人を育成するという点もあり、単なるITリテラシーのことだけではない。このような人材を育成すると共に、IT技術者、研究者の増大に取り組むことで、2005年までにIT関連の修士博士号取得者の水準が米国水準を上回り、また3万人以上の優秀な外国人、IT技術者等を確保するという所がポイントとなっている。
大変早く喋ったが、以上が基本戦略の草案であり、この件は議論を長時間かけ、ともすれば発散しがちなものを、IT担当室と民間とでやっとまとまったところである。
○ より民間が競争する社会をつくらないといけないということか。
○ そうである。痛みもある程度伴うし、行政のやり方とか政治のやり方も相当変わるということも、ある程度国民に理解してもらわないといけないのではないかという感じがする。
それから2番目として、これは議長が今締めくくりにおっしゃったようにIT基本法ができて、フォローアップの体制がきちんとできるということならばそれでいいのかもしれないが、例えば前から言っているようにIT担当大臣というのは今後どうなるのかとか、それからベンチマークその他でフォローアップしていくムービングターゲットはどうなるのか。5年以内に超高速と言っても各国もムービングする。きちんとフォローアップしていくことが必要だ。
それからもう一つ、郵政省は大変すばらしいポイントを挙げたと思う。それで、大変嫌らしい言い方かもしれないが、過去からの訣別、要するに今までの民間を保護して事前規制をやっていく行政から、ルールづくりと、監視と、それから新しい方向づけというものをこれからやっていく、その根底には競争というものがある、というふうに私は読ませていただいた。大変結構だと思う。
1つだけお願いは、いろいろお書きになっていることを是非実現するためには、できるだけスピードを上げて前倒しでお願いしたい。それだけである。
○ 最初に郵政省から説明があった件だが、経団連では今月この問題についての意見を取りまとめた。要は、競争促進のための法的な枠組みを確立するための立法措置を是非今度の国会でお願いしたいということであり、先ほどIT担当大臣からも今度の国会でやるという話があったので大変力強く感じている。
次は草案の問題で、電子政府実現の目標である。経団連の意見は、2003年度までに24時間365日、自宅、職場からインターネットで国の実質的にすべての行政手続を可能にし、2002年度内に大半の行政手続についてこれを実現するという踏み込んだものであるが、草案ではかなり柔らかい書き方になっている。今回のIT戦略会議はタイムテーブルをきちんとつくって、その実行状況をフォローするということに大眼目があったはずなので、例えば2003年度内にすべての行政手続が電子的に受付が可能になるようなことをせめて目指すということで結構なのでもう少し踏み込んだ書き方をしていただきたい。それが1点である。
それから、第2点は「調達方式の見直し」。これもCMM(能力成熟度モデル)のことをイメージしているが、インターネットによる電子化を講ずるというさらっとした書き方になっている。やはりこれは評価手法の策定導入を検討すると、せめてそのぐらい具体的に書いていただきたい。
○ 論点は非常に広いが、前回からやはりここでは国家戦略であるからサムシングニュー、サムシングエクストラオーディナリーが必要であろうということを議論させていただいたと思う。その焦点として是非2つ申し上げたい。これは競争政策を機能させるための、あえてキーワードと申し上げたいが、1つはエンフォースメント体制の強化ということであると思う。これまでも日本の競争政策というのは、例えば独禁法とか、そういうものを見る限りは法文は非常に厳しいことが書かれている。これは同僚の専門家の意見であるが、エンフォースメントにおいては必ずしもそうはなっていなかったのではないだろうか。そのエンフォースメントをどうするかというのが、立派なルールをつくってもその後のエンフォースメントの体制というのは、日本の行政風土、法風土の中では非常に大きな問題として残ると思う。それをきちんと解決するためには、例えばこれは一つの考え方であるが、IT担当大臣は今後どうなるのかという議論も先ほどあったが、IT行政の専門の省庁ないしはそれを主体とするような行政組織そのものの抜本的な見直しというのがこの戦略会議の中では議論されるべきではないかと思う。これは2001年、来年の1月6日から新しい省庁体制が発足するが、その中で橋本元総理も、IT行政の部分については非常に抜け落ちたもので反省点であるとの趣旨のことを言っておられるようであるし、そのことはやはり問題として残るということはこの議論の中で残されるべきであると思う。
もう一つは監視体制であるけれども、これに関してはエンフォースメントが第1点のキーワードであるとすると、私は第2のキーワードは多元的な監視体制であると思う。これはアメリカで見るとFCCと公取という2つの機能が必要なわけであるけれども、多元的にそれを行っていく。やはり日本の競争政策と、それに基づくインフラ整備がここまで遅れたということの反省点に立つならば、やはり今までとは違うエクストラオーディナリーな意見については、私はここではっきりと明示されるべきであると思う。
○ おっしゃるとおりだと思う。先ほど郵政大臣の方からも電気通信審議会の議論を踏まえてという発言があったが、まず最初に電気通信審議会の電気通信事業部会長の辞任を勧告したいと思う。なぜならば、本来であれば監督するとか、あるいは独禁法をきちんと守っていかなければいけないというところをリードするはずの部会長が、公取に頼る事業者はだらしないという発言をしている。これは全く今の議論の精神から逆行するものである。そのような部会長がいる場で議論されたものをなぜ我々は信頼できるのかということになろうかと思う。
そこで、アメリカはどうなっているかというと、産業促進のためのデパートメント・オブ・コマースと規制監督のFCC、そして反競争防止のFTC、独禁法を監視する側、これがきちんと三権分立されている。
日本の現状はどうなっているかというと、この産業促進と規制監督がくっついて現在の郵政省の電気通信事業部になっている。そして、公取は非常に弱くだらしない形で今、存在している。しかも、それが来年の1月から総務省ということで公取までくっついてしまう。三権分立どころか今は二権になってしまっていて、しかもそれが1つに総務省という形でくっついてしまう。こういう状況の下で育成と規制監督、それから反競争防止がきちんとバランスを取って監視する。前の方が発言されたように、多元的な監視体制というものがこれでは全く逆行であると思う。更に、公取の中には通信の専門部局をきちんと設置して、初めて今回公取がNTTに調査に入ったということが新聞等に何日か前に出ていたけれども、これは調査ではなくて本来査察であるべきである。独禁法というのはそれほど厳正なものでなければいけないと思っている。
先ほどから出ている草案の中に、非常によくまとまっていると思うが、ITインフラ競争促進法的なことを更にもう一歩踏み込んで是非やっていただきたい。
○ 前のお二人とちょっと議論が重なる部分があると思うけれども、重要な点だと思うので少しコメントさせていただきたい。
先ほどの議長の発言のように、今まで日本のいわゆるITのいろいろなことが遅れてきたということは、やはり日本の制度とか運用に問題があったのであろうと思う。したがって、世の中は今どういう新しい革新的な方向を出すかということに関して注目していると思うが、いろいろな点がある中で、2点非常に大事な点があると思う。
第1点は、「利用者からの苦情や事業者間紛争の迅速な処理と裁定スキームの充実を実現するために、早急に専門の機関を設置する必要がある。他方で、競争阻害行為の排除については、独占禁止法の下で公正取引委員会の機能を強化する」ことである。今、前のお二人が説明されたことと非常に関係があって大事であると思うが、要するに議論の違いを強調する気はないが、先ほどの郵政省の方の説明と随分違うところであると思い、ここは非常に大事なことだと思うので特にこの点は強調しておきたいということである。もう一つ、これも今まで議論になって今日はまだ議論が出ていないが、「そのためにオークションなども考慮に入れた公正、透明な割当てを検討し、実施する」ということが無線周波数帯のことについて言われているわけで、もちろんオークションが良いというわけではないけれども、やはり無線周波数という非常に貴重な資源について、今後いろいろな形の技術革新があっていろいろな新規参入があるときに、それをどういうふうに利用するかということで、一方で極端なところにいわゆる官による公正な配分という今までやってきたやり方があると思う。それをもちろんできるだけ透明にするという方法は非常に大事だと思うけれども、他方でそういうことではやり切れないという部分があるので、ある種の部分についてはオークションも含めてもう少し斬新な方法も当然考慮に入れなければいけない。そういう意味では、ここにオークションという言葉が入っているということは非常に意味があると思うし、この点について場合によっては強調した書き方をしたら良いのではないかと思う。
○ 国家戦略の構想を国民全体で共有するということに関連して、国民的サポートというお言葉を使われたが、まず総理が第1回会議で全国知事会の方もしっかり頼むとおっしゃられたので、会長とお話しして急遽全国知事会の案を取りまとめた。総理がIT国家戦略を取り上げられたお陰で最近都道府県も市町村も非常に盛り上がってきた。このやる気を更に促進するためにも、こういう都道府県を、これは市町村などの意見も聞いているが、後押しをするように是非とも予算等の御配慮をお願いしたい。都道府県、市町村はITのユーザーであり、プロモーターでもある重要な役割を果たすので、なかなかまだ歩調はそろっていないが、その気にさせるように是非誘導策をお願いしたい。
それから、いろいろなところで私は話を聞くが、国家戦略と言っても結局東京とか大企業の一人勝ちじゃないかという人が特に地方では多い。だから、東京にすべて集中するとか、大企業に集中して中小企業が恩恵を被らないというふうな疑念を皆が持っているので、こういう点も是非政治的に御配慮いただきたい。
それから、もう一つは女性の参画。頭脳労働であることから、女性が男性と対等に仕事ができるので、女性が明るく希望が持てるように、男女共同参画というニュアンスを打ち出した方がいいのではないか。
それから最後に若者。IT国家戦略というのは、今まで政治にそっぽを向いていた若者を政治に顔を向けさせる絶好のチャンスだと私は思う。そういう点は、全体的に予算や、いろいろな発言などでも配慮いただきたい。
それから光ファイバーの管路、ケーブルボックス。これを光ファイバーの問題とは別に公共事業でどんどんやっていただきたい。また、都市に電線がぶらぶらということでは都市の景観上もよくない。したがって、ケーブルボックスをどんどん予算を投入して促進していただくようにお願いしたい。公共事業に批判的な方も多いが、これはいいのではないかと思う。光ファイバーそのものを公共が引く引かないは別にして、ケーブルボックスさえ引けば後で光ファイバーを引くのは非常に楽になるので、民間の皆さんのためにもなるのではないかと思う。
それから、電子政府の実現についてだが、今の状況のままでオンライン化するのではだめだと議長がいつもおっしゃっているが、業務改革もあるが、もっと抜本的なことも必要ではないか。私どもの立場、すなわち地方分権、地域住民の立場から、より身近なところに事務処理が来るという事務委譲を何らかの表現で入れてもらいたいと思う。
それから「調達方式の見直し」であるが、米国で導入されているCMMの日本版は、地域にIT需要を確保していくと思う。それが人材養成につながり、中小のIT企業を育成することに大きく関係することから、私たちは非常にこのことに重大な関心を持っているのでよろしくお願いしたい。
最後に、人材育成。「地元企業を活用した」というのは非常にありがたい表現であるが、同様に人材を育成しても仕事があるかということが地域で非常に問題になっているので、鶏が先か卵が先かであるが、地域に需要を喚起しないと人材が育たないと私は思う。
○ 簡潔に4点だけコメントしたいと思う。
第1点は競争政策を確保するための専門の機関の設置である。これは極めて重要な問題で、エンフォースメントと監督ということも重要だが、日本の最大の問題は受け付けてくれないということ、つまり、競争違反があっても、私が業者だとすると公取に持っていっても公取がイニシアティブを取らない限りは受け付けてくれないということである。そこがアメリカと決定的に違う点なので、その点も含めて是非このことは十分検討いただきたい。
第2点はオークション。オークションについてどういう方式がいいかということについてはいろいろ議論があるが、世界的な潮流でもあり、私ども経済学者はどういうオークションが望ましいかを近く研究して提言するつもりなので、この点もそういう状況だということを報告する。
3点目は、全体像という話があったが、この全体像の中に環境問題が抜けているのではないか。つまり、地球環境問題あるいはもう少し広い意味でのエネルギー問題も、今回石油危機等がもう一度再来しそうなのにそんな大騒ぎにならないのは、ITが問題を解決していく部分がかなりあると考えられているからであるので、どこかに環境問題を入れたい。
4点目は教育問題であるが、これはIT戦略であるのでITによる教育というのが重要で、倫理、マナーというような話が出たりして混乱を招くおそれがあるので、教育のITコンテンツこそが重要であると申し上げたい。つまり、ITで教育するということはコンテンツ如何であるから、まさに教育のコンテンツを競争的に、あるいはいろいろなところから募集するなり充実することがポイントだと思う。
○ このIT戦略会議及びここでやっていることは、一般的に、やはりインターネット網を拡充するために光ファイバーなどをどんどん埋めていってというような、偏った印象が持たれていると思う。
しかしながら、我々が議論しなければならないIT革命というのは、放送のデジタル化、通信のデジタル化というようなことが非常に大きな影響を持ち、これがまた必要である。ところが、放送のデジタル化についての記述が、基本政策の中には書かれていない。事実インターネットというのは非常に重要であるが、今の一般の1億1,000万人いる国民の中の大半はインターネットよりもまだまだ放送というものに対して非常に興味を持っていることは事実なのであって、ITというものがそういうものに結び付くということを、やはりここはプロパガンダをしておく必要もあるだろうと思うので、それをまず第1点どこかに織り込むべきであるということを申し上げたいと思う。
それから、やはり放送についても、コンテンツのいいものが現実に必要になることから、有料コンテンツの確保のために例えば著作権をどうするかとか、そういった外縁の問題ではあるが、ひとつ展開がある。しかし、著作権の問題というのは規制問題というものと実は非常に関係があるので、こういったものとの兼合いをどうするかということを考えないと、ただ単に狭い範囲のIT問題ということだけに国民の印象がいってしまうのではないかということが問題だと思う。
それからもう一つ、この中で言われている人材確保はどうしてもIT、ハード技術者の人材確保というイメージが強い。そうではなくて、ソフトの技術というものは非常に重要である。そのソフト技術者をどう育てるかということからの人材確保ということも当面の問題ではないように見えるが、実は本質的な問題になると思うので、是非これをどこかにうたっていただきたいと思う。
○ 放送と通信の件に関しては、実際に放送と電話、インターネットと3つに分けると、放送と電話に関しては我が国はいい線を行っており、一番遅れているのがインターネットなので、ここへ集中して改善しようということに議論を絞らせていただきたいということを第1回目で実は議論をしている。従って、BSのデジタルとか、中波のデジタルとかというようなものに関しては、放送と通信というと、通信というのは巨大な産業であって、放送そのものとはけた違いの影響力を持っていることから、そこのところのインターネット体制をどうするかということに議論を絞らせていただいたというのが前段にあり、この件に関してはそういう方針で縛ったので、ここにBSのデジタル化が現在12月1日で始まると決まっているのを更に書くとか、そういうようなことはしていない。
ただ、地上波がどういうふうになるかとか、それとの通信との関係とかというようなことに関しては十分議論をしていかなければいけないことだと認識している。
○ 地上波のデジタルの問題がこのまま推移すると、地域格差というものが確実に出てくるのではないかと思って非常に心を悩ませている。そういう点でちょっと無視できない問題ではないか。原則的な議論はよくわかる。
○ この議論がどんどん進むと、アメリカと同じように、インターネットそのものが放送をのみ込むという議論にどんどんなっていって、これは議論が尽きなくなるぐらい難しい問題に入っていくということも、委員の方々の認識としてはかなりあって、地上波デジタルに関して御心配になっているところはよく理解している。その件はどういうふうにメンションするか、考えさせていただきたいと思う。
○ デジタル情報のインフラストラクチャーができると、その上で何をつくっていくかといったつくり出す力をプロモートしていくことが大切になると思う。
高速モービルインターネットについては、第四世代の規格を決めようという努力が始まったところなので、非常に戦略的に強い力を持っていくという考え方は重要と思う。
コンテンツについては、国家戦略中でコンテンツ取引の適正化などの法的な整備が書かれているが、コンテンツをつくり出す人たちを強化していくという考え方を入れられるとよいと思う。
「電子印鑑やセキュリティの高い行政ICカード等の規格の標準化」についてであるが、これに対しては、有識者や専門家等で検討をしながら、ICカードの導入、規格あるいは行政としてのICカードの利用というのを考えていく必要がある。
5年の間に国民全体が事態の緊急度を認識して協力をしていくべき。例えば、道路が混むのと光ファイバーが張られるのとどっちがいいかということを国民が理解をしながら、みんなで協力をしなければならないという場面だと思う。この5年間の緊急度のためにあるところは我慢しようといった雰囲気が盛り上がることが重要。物事には、必ずトレードオフがあるわけだから、こういった国家戦略の方針でいこうというのであれば、5年間の緊急度について国民の広い理解を考えていく必要があると思う。
○ 5年間の緊急性について国民の理解を求めるということは、いろいろな機会で発言をしていただきたい。ITに関しては、いろいろ質問を受けるが、質問した側は、ほとんど人ごとだと思っている。ITの技術が普及すれば、国民全員及び企業全体が絡んでくるということであり、「ITというのは特殊な領域だけではない。」という説明をいろいろな方と手分けして行っていく必要がある。
ICカードに関しては、専門の委員会等をつくって検討していけばいいのではないか。ただし、政府がスペックを決めるのはおかしいと思う。
○ 1つだけコメントしたい。「地球規模での発展に向けて」云々ということが書かれているが、インターネットというのは基本的に非常にインターナショナルなもので、もちろん日本の国内はしっかりしていかなければいけないが、同時にそれは国際的視野の中に立って日本が遅れないように、あるいは日本のペースでアジアを巻き込んでいくという考え方が必要だ。特にIPv6等について、日本が国家戦略としてそういうところも巻き込んで物事を進めていくという国際戦略的なものが出てもいいんじゃないか。全体的にちょっと内向き過ぎるという感じがする。
○ この基本戦略というタイトルだが、これは基本的にはもう少し言葉に直すと情報技術、すなわちITの基盤整備に関する基本戦略で、豊かでグローバルな日本の発展のためにというのが一番正しい題だと思うが、長過ぎるので基本戦略というだけにした。
それから一部、e−ジャパンというのがずっと放送で流れたりしていたけれども、e−ソニーというのは、文化的側面というのが抜けてしまって、eというのはe−コマーズのeになってしまうので、それで本当にいいのかとか、かなり反発があった。日本でe−ジャパンなんて言い出すと本当にどういう反対がくるか、またエコノミック・アニマルになったかとか、そういうのが社会的批判としては必ずくるということだけウォーニングしておく。
○競争環境の整備に関して簡潔に2点申し上げる。
ひとつは国内の競争促進のメカニズムであるが、既に意見が出ているが、要するに公取のファンクションというのは、私の考えるところでは、競争を促して価格形成プロセスをきちんとする、要するに、プライスディスカバリープロセス、ゆがみが生じないようにするというところに多分本質がある。したがって、更に積極的にイノベーションを促すためにもっと競争を促すという、もっとポジティブな側面からいくと本質的にかったるい部分を含んでいるんじゃないかと思う。アメリカのFCCというのは、単に価格形成プロセスを整えるという以上にイノベーション促進というところに視点を絞って、もっと押し出すものではないか。それは、したがって過去の既得権とかしがらみをも脱却して押し出すという要素が多分入っているので、日本の国内の競争促進メカニズムについてもそういう要素を入れる必要があるのかないのかという思想的整備が必要であり、今すぐ具体的結論を得られないにしても、この草案の中に方向性を入れた方がいいんじゃないかと私も思う。
それからもうひとつは国際的な整合性、例えば技術標準にしても著作権の問題にしても特許権の問題にしても、あるいは法制、更には税制、いずれもきちんと整合性がとれるように日本が主体的にイニシアチブをとっていくという要素がなければ国際的な競争環境は整備されないと思うので、その方向性も明確に一行でもいいから出しておいた方がいいんじゃないかと思う。
○ 2点申し上げたいと思うが、その前に今日の会議で我々のつくった基本戦略というものと、先ほど郵政省がプレゼンテーションされたものとの関連がどうなるのかということが非常にわかりにくい。郵政省の政策でやるということであればこの基本政策の位置づけはどうなるんだろうと、この辺はちょっと疑問に思っている。
まず郵政省のプレゼンテーションで指摘させてもらいたいのは競争条件のことである。支配的事業者の規制制度を出すということを言っているのだが、こういう支配的な事業者をつくらないということが競争の一番の原則なのではなかろうか。そういうことで、いろいろな事前規制を更につくって競争条件を整備していくという考え方は少し違うのではないかという点である。
それから、2つ目のキャリアズキャリア制度の創出ということである。これについては今、日本は一種、二種ということがあるけれども、また別の種類ができるということで、これは規制強化ということになっていく危険性が非常に強いのではないか。そういう意味で、こちらのメンバーの志向しているのはこういうものではなく、ルールをつくってその中で民間が自由闊達にやれるようにしていくということであるので、少しこれは逆行しているのではないか。いずれにしても、これまでの日本が遅れた原因というのは政策あるいは組織、そういう情報通信に関する国のシステムというのが間違っていたことも大きいということを考えると、こういう新しい施策というものを今後の戦略、日本の国の戦略にどう位置づけるかということを過去に振り返って、立ち返って考えてもらうということは非常に重要ではないかと思う。
それからもう一点は基本戦略である。これは私も参画し、一生懸命つくったが、自分が参加していることで1つだけいうと、例えば私は電子商取引ルールを主に担当したが、ここには最終的に2005年の目標というようなものを書きながら、実はすぐにできるものと2002年までにやるべきことというふうに段階をつけているわけで、今すぐにできることは実はたくさんある。光ファイバーも世界一ぐらい日本は引かれている。利用されていないということであるから、今すぐルールを変えただけでできる。今すぐルールを変えてすることができなければ、2005年の目標というのは絵にかいたもちということであるから、これからすぐやるということが非常に重要だということを指摘させていただく。
○ 先ほどのコメントにもう一言だけ加えるが、OECD加盟国の中でFCCというふうな形で分離されていないのは日本と韓国とトルコとポーランドの4か国だけで、あとはすべてきちんと分離している。三権分立という形で、FCCというのは原則分離が当たり前で世界の流れである。なぜ日本はそういう中でこれに逆行するのかということについては大変大きな問題だと思うので、是非今回の基本法の中にこの三権分立というものを明確に入れることを提案したいと思う。
○ 皆さんそれぞれの御意見には私はほとんど賛成である。しかし、このIT戦略会議で今議論されているこの案だけが非常に進んでいて、かつグローバルなものであり、既存の業者や企業が従来のままで、この基本戦略を受け取ったIT戦略本部において、これだけがぽつんと新しく乗れば万事うまくいくと思ったら、決定的にだめなわけである。今は、ともすればそういう感じがする。国民との関係でも、これだけやっていれば国民はじっと待っていれば棚からぽたぽたとIT社会が落ちてくるというふうに思っているだろうし、行政の方も従来型の形でやってこれをくっつければかなりうまくいくぞと言っているような感じがするが、実はこのIT戦略をよく読むと、これはみんなに変われと言っている。これに関与するには皆が相当変わらなければ実現できないという面をもう少しわかりやすく書く必要があるのかなと思う。
この基本戦略案では、各セクションで問題提起をしており、これを実行しようとすれば今あるものの相当考え方や制度を変えないとだめだということは暗にわかるが、日本語というのは面と向かって、あなたはこう変わらないとだめだと言わないと変わらない、気がつかないような仕組みがあるので、特にIT戦略会議が今後IT戦略会議・IT戦略本部合同会議、IT戦略本部に渡した後、そのあたりのところを相当覚悟しないと、これだけぽんと箱の上に置いても世の中が変わるわけではない。かえって不満が出る。だから、そのすり合わせと、そういうふうに仕組みが変わっているかどうかをフォローアップする仕組みも来年度に残していかないといけないということは、非常に重要だと思うのでよろしくお願いしたい。
○ 継続性とか、そういう問題は、わかった。
それでは次に移らせていただくが、FCCの件である。この競争政策のところでFCCに一番議論が集中したが、私はアメリカでビジネスをやっているとFCCの悪い点も多々目につく。それで、実際問題としては電波のオークションをむちゃくちゃにやって、デジタルテレビの放送を18システムも採用して市場で選べということで、結局アメリカでデジタルのハイビジョンみたいなものが実現しないとか、いろいろあると思う。
ただ、このFCCそのものというのは独立した方がいいことは事実だと思うが、これについては、IT基本戦略の方法で郵政省がベストエフォートするというように理解をしている。それで、FCCをどうするかということに関してはIT戦略会議のことをはるかに超えた議論だと思うので、別途、アメリカのFCCにどのようないい点があって悪い点があるか、日本的にFCCはどうするかということも専門委員会か何かをつくって議論をするというのが適当な現実案かと思う。私は、このIT戦略会議では、NTTとかNHKとか民放とか制度問題に触れ出すときりがなくなってしまうので、それよりも今やることをすぐやるというところだけは頼むからやってくれという姿勢で考えたい。皆さんの御意見もわかるが、その点は御理解をお願いしたい。
○ 郵政省の関係であるが、電気通信審議会において審議が並行して行われており、ここのメンバーの方でも審議会に関わっている方が何人もいらっしゃるわけで、その相互の関係というものは人的な関係でも、また郵政省がここに出席しているという関係でも、これから審議を進めるに当たって十分反映をされるものと思っている。日程的なことだけ若干申し上げると、特別部会というのを設けており、いろいろなことを研究しているが、これが11月16日に話をまとめる予定にしている。それから中間答申を12月の下旬ごろに出して、それで郵政省が次期通常国会に提案すべき政策を法制化したものを大体そこから固めていくという段取りにしているので、どうかひとつ今日御発言になったことにも一々私は反論したり賛成したりは申し上げないが、電気通信審議会との関係は密接に連携を保っていくということだけここで申し上げておきたい。
○ 戦略構想、基本戦略を大変よくまとめていただき、今出たそれぞれの御意見をできるだけ受け入れるようにしていきたいと思っている。また、国民全体に訴えるということが多くの委員から出たので、その点を、IT革命で線だけ引くのではなく、世の中がどう変わるんだというところをやはり明確に入れたい。もう一つ、コンテンツの問題が出たが、その点も修正、挿入をし、できるだけ早い機会に事務当局あるいは議長と打合せたうえで、案を作るようにしたい。
○ しかし、これはあくまでも民間がまとめたものであり、つたなくとも民間が政府に出す提言書ということにさせていただきたい。
○ コンテンツのところと、国民社会のところと、2つだけを相談させていただきたい。
○ 今日は競争政策について議論があり、やはりそこが一番のキーポイントであるということがだんだん絞られてきた。この件に関しても何らかの格好で継続的な前向きな討議がなされるということを関係大臣及び総理大臣にはお願いをしたい。
(別紙)
第5回IT戦略会議・IT戦略本部合同会議メンバー一覧
[IT戦略会議メンバー]
| 議長 | 出 井 伸 之 | ソニー株式会社会長兼CEO |
| 石 井 威 望 | 東京大学名誉教授 | |
| 伊 藤 元 重 | 東京大学教授 | |
| 今 井 賢 一 | スタンフォード日本センター理事長 | |
| 氏 家 齊一郎 | 日本テレビ放送網株式会社社長 | |
| 牛 尾 治 朗 | ウシオ電機株式会社会長 株式会社ディーディーアイ会長 | |
| (欠) | 海老沢 勝 二 | 日本放送協会会長 |
| (欠) | 大 山 永 昭 | 東京工業大学教授 |
| 梶 原 拓 | 岐阜県知事 | |
| 岸 暁 | 株式会社東京三菱銀行会長 | |
| 椎 名 武 雄 | 日本IBM株式会社最高顧問 | |
| 孫 正 義 | ソフトバンク株式会社社長 | |
| 竹 中 平 蔵 | 慶應義塾大学教授 | |
| 張 富士夫 | トヨタ自動車株式会社社長 | |
| 西 垣 浩 司 | 日本電気株式会社社長 | |
| 福 井 俊 彦 | 株式会社富士通総研理事長 | |
| 宮 内 義 彦 | オリックス株式会社会長兼グループCEO | |
| 宮 津 純一郎 | 日本電信電話株式会社社長 | |
| 村 井 純 | 慶應義塾大学教授 | |
| (欠) | 室 伏 稔 | 伊藤忠商事株式会社会長 |
[IT戦略本部メンバー]
| 森 喜 朗 | 内閣総理大臣 |
| 福 田 康 夫 | 内閣官房長官、沖縄開発庁長官 |
| 堺 屋 太 一 | IT担当大臣、経済企画庁長官 |
| 平 林 鴻 三 | 郵政大臣 |
| 平 沼 赳 夫 | 通商産業大臣 |
| 保 岡 興 治 | 法務大臣 |
| (欠)河 野 洋 平 | 外務大臣 |
| 宮 澤 喜 一 | 大蔵大臣 (※村田吉隆 大蔵総括政務次官 代理出席) |
| 大 島 理 森 | 文部大臣、科学技術庁長官 |
| 津 島 雄 二 | 厚生大臣 |
| 谷 洋 一 | 農林水産大臣 |
| 森 田 一 | 運輸大臣、北海道開発庁長官 |
| 吉 川 芳 男 | 労働大臣 |
| 扇 千 景 | 建設大臣、国土庁長官 |
| (欠)西 田 司 | 自治大臣、国家公安委員会委員長 |
| 相 沢 英 之 | |
| 続 訓 弘 | 総務庁長官 |
| 虎 島 和 夫 | 防衛庁長官 |
| 川 口 順 子 | 環境庁長官 |
| 安 倍 晋 三 | 内閣官房副長官(政務、衆) |
| 上 野 公 成 | 内閣官房副長官(政務、参) |
| 古 川 貞二郎 | 内閣官房副長官(事務) |