2−2 IT基地インフラ
(1)現状と課題
コンピュータや頭脳労働が主要な生産手段となる高度情報社会は、土地と太陽エネルギーが主要な生産手段であった農業社会、工場と筋肉労働が主流であった工業社会とは異なり、時間や場所、資本力等を選ばない大きなビジネスチャンス・地域づくりの可能性を秘めている。一方で、高度情報社会に必要な人材養成、技術開発支援、情報収集・発信、ベンチャー企業育成といった主要素にスケールメリットや相乗効果をもたらすという観点から、IT産業の集積を促し、コア機能を形成する、いわゆる「IT基地インフラ」(知的インフラ)の整備を進めていくこともまた重要な地域経営戦略の柱であると言える。
米国のシリコンバレーの例をあげるまでもなく、国内でも神奈川サイエンスパーク、京都リサーチパークなどIT基地づくりを先進的に進めている地域が、高度情報社会の地域間競争において優位に立ち、ひいては地域社会に大きな波及効果をもたらしていることが広く認知されている。
岐阜県においても、スイートバレー*への企業集積促進や、「高度情報基地ぎふ(情場)づくり」の戦略拠点としてのソフトピアジャパン(大垣市)やテクノプラザ(各務原市)などのプロジェクトを通じてIT基地インフラの整備を全国に先駆けて進めてきたところである。
スイートバレー(SweetValley)とは
岐阜県は美しい自然(SweetGreen)、きれいな空気(SweetAir)、水(SweetWater)、長良川などの清流にすむ鮎(SweetFish)、近代養蜂発祥地(SweetHoney)といったさまざまなスイートなものに恵まれ、その豊かな自然、地理、歴史、文化、都市の資源などから首都機能移転の候補地にも選ばれた、日本のスイートスポットである。
20世紀半ばに発祥したアメリカ・シリコンバレーでは、多くのベンチャー企業が覇を競い、IT産業の誕生により新世紀の扉を開いた。1990年代から、ニューヨーク、サンフランシスコ、ボストン、シンガポール、ノルウェー、オスロなど世界の多くの場所で新産業集積地域が形成されつつある。
スイートバレーとは、岐阜県の南部に広がる濃尾平野を流れる木曽三川流域(Valley)を中心とした地域に現在集積している、ソフトピアジャパン、テクノプラザなどのIT拠点、ハイテク産業、教育機関や商業複合施設などの資源を結集して、IT関連企業、コンテンツビジネスの一大集積地を形成し、世界に誇る情報価値生産の場“情場”づくりをめざす構想である。
平成8年6月のセンタービルオープンからまもなく5年を迎えるソフトピアジャパンは、現在137社、約1,600人が働き、ITタウンを形成しつつある。
また、平成10年11月にオープンしたテクノプラザにおいても、昨年12月にアネックス・テクノ2(テクノプラザ別館)が新たに加わり、現在37社、約450人が働く「IT」と「ものづくり」の融合拠点となりつつある。
これまで岐阜県が実施したIT基地インフラ整備の概要
◆ソフトピアジャパンプロジェクト
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◆テクノプラザプロジェクト
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これらIT二大拠点に代表されるIT基地インフラ整備の成果は、多くの研究実績の他、県下における情報サービス産業の集積動向や、県外からの優秀なIT人材の県内定着実績においても顕著に現れている。
【県内情報サービス産業の状況】
・事業所数、従業者数及び年間売上高の伸びは、すべて全国平均の伸びを大きく上回っている。
| 平成元 年平成11年 | 伸び率(全国) | 伸び率順位 | |
| 事業所数 | 20社→85社 | 4.3倍(1.4倍) | 第1位 |
| 従業者数 | 908人→2,168人 | 2.4倍(1.4倍) | 第3位 |
| 売上額 | 120億円→410億円 | 3.4倍(2.3倍) | 第7位 |
【国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)における県内定着の動向】
・入学時は県外出身者が全体の約2/3を占める。
・卒業時の就職者(ベンチャー含む)の半数以上は、県内に定着している。
| 入学時就職 | ||
| 出身 | 県内 | 35%→52% |
| 県外 | 65%→48% | |
このような取り組み・成果を評価しつつも、IT基地インフラにおいても次の事例に代表 される現実があることも認識する必要がある。
IT基地インフラの整備は、これまで岐阜県が中長期戦略に立って先行的に進めてきた施策分野であり、今日明日にその成果が如実に現れるものではないし、すべてのベンチャー企業が大きな成功を収めることを約束されたものでもない。しかし、岐阜県には、これらの課題に着実に対応しながら、これまで築き上げてきたIT基地インフラの整備効果をより一層高めていく責務がある。
とりわけ少子高齢化が進む今日、岐阜県においては、特に地域経済の担い手となる若者に魅力的な職場を提供していくことが極めて重要な課題の一つとなっている。
本県の人口は、現在わずかながらも増加傾向が続いているが、近い将来減少傾向に転じることは確実視されており、早ければ2005年(平成17年)には減少に転じるという推計結果も出されている。この推計を基にすると、15歳から64歳までの労働力人口は2000年には減少に転じ、2025年の労働力人口は平成7年時の約4分の3まで減少してしまうという結果が導かれる。
これに反して、県内の高齢化率は一貫して上昇していくことから、これら高齢者世代を支える若い人々にいかに県内に定着していただくかが、今後の本県の将来像を描く上でも、極めて大きなテーマである。
| その意味でも、IT基地インフラが、拠点性を発揮しながら新産業の育成や産業の情報化・高度化など若い人々に魅力的な雇用環境を創出するための中心的役割を担っていくとともに、併せて、高齢者や障害者の方々、中小零細企業等が特にITの恩恵を受けられるよう一層県民生活へ貢献していくことが必要である。
また、地理的な要因によりこの恩恵を身近に受けられない県内各地域においても、IT基地の有するノウハウとネットワークの活用により、ITをテーマに体系的な研修を行ったり、企業のインキュベート等の事業を実施するなど、情報化時代を担う人材の養成、産 業の支援を行う有機的なブランチ機能の確立が必要となってきている。 |
(2)戦 略
“「IT基地づくり」プロジェクトは第2ステージに突入!! ”
〜スイートバレーへの集積効果の国内外PRによる、さらなるIT基地機能の強化〜
〜蓄積されたIT基地機能を全県下に!全県民の身近なところにブランチ機能を展開〜
これまでの県を中心としたIT拠点機能の整備、企業集積の推進をIT基地インフラ整備の第1ステージと位置づけるとすれば、本格的なIT時代が到来した現在は、これらIT基地インフラのより高度な活用を展開していく第2ステージに突入していると言える。
近い将来、ベンチャー企業が特許を取得する、株式公開する、あるいは町工場がCAD/CAMの活用により大幅なコストダウンを達成するなど、目指す社会を現実のものとするため、岐阜県が推進してきたスイートバレーの集積効果の発信による、さらなるITコア機能の強化や企業集積を図り、引き続き岐阜県が地域間競争の中で優位に立つことを目指す。併せて、特に若者、高齢者、障害者、中小零細企業などがITの恩恵を受けられるためのソフト開発や生産性向上支援などを通じた地域社会・県民生活への貢献を重点的に進めていく。
これと並行して、これまでIT基地に蓄積されたコア機能が県下各地域に波及し、県民がより身近なところでその恩恵を受けられるよう、地域の自発的取り組みを促しながら、コア機能のノウハウやネットワークを活用した地域ブランチ機能の定着を図る。
第2ステージに突入したIT基地インフラ整備においては、スイートバレーが目指すビジョンを分かりやすく示した上で、『ITコア機能の強化』と『地域ブランチ機能の定着』の2つ観点から戦略を示すこととする。
★スイートバレーのビジョン
現在、我が国においても、IT関連ビジネスに取り組むいわゆる「IT集積地」が、東京・渋谷「ビットバレー」をはじめ札幌、福岡など全国各地に立ち上がり始めている。多くが「バレー」という単語を付けるなど、地域における一体性を強化し、国内外に向けPRすることで、IT基地としての認知を目指している。
岐阜県における「スイートバレー」もソフトピアジャパン、テクノプラザを中心とした県南部地域におけるIT集積を指した呼称であるが、全国のIT集積地の中において確立した地位(ステータス)を保つためには、独自性を持ち、他地域との差別化を図ることが重要である。これにより、人が集まり、交流が生まれ、「IT基地」として自立した成長過程へと導くことが可能になるからである。
「スイートバレー」の特長とは、IT関連企業や人材が集うに十分な恵まれた立地環境だけでなく、県が主体となって展開する企業支援、人材育成、技術開発、さらには国際提携などである。これらを総合的に県外、国外にPRし、広く認知されることが質の高い「IT基地づくり」へとつながる。
この県IT戦略では、分かりやすく「スイートバレー」を説明する手段として、以下のビジョンを新たに提案する。
| 特 徴 | キーワード | 主なPRポイント |
|---|---|---|
| 恵まれた環境 | Surroundings | ・日本のまん真ん中/首都機能移転候補地 ・新高速三道・中部国際空港など国内外に直結した交通網 ・山紫水明の自然/ハイテクと伝統文化の融合 |
| 国際提携 | Worldwide | ・世界十数の国・地域の研究機関等との幅広い提携、共同研究開発実績 ・県の横断的な海外直結戦略・海外駐在員ネットワーク |
| 企業支援 | Enterprise | ・有利な条件で入居できるインキュベート施設とIT拠点施設のバックアップ(VB支援システムなど) ・ワークショップ24(仮称)の整備による業務支援・生活サービスの提供 |
| 人材育成 | Education | ・全国マルチメディア専門研修センターやアネックス・テクノ2など日本トップクラスの研修施設 ・IAMASなどITエリートを養成する教育機関 |
| 技術開発 | Technology | ・ソフト(マルチメディア)/テクノ(VR・ロボット)という2つの側面からの二大IT拠点施設 ・国内外一流の研究機関と幅広い提携 |
i 二大IT拠点における、産学官連携による『ITコア機能の強化』
スイートバレーの中核拠点であるソフトピアジャパン、テクノプラザの二大IT拠点は、進出企業の集積メリット・相乗効果をより明確なものとするため、まず、これまでの研究開発、新産業の育成、人材育成、情報発信などの横断的機能発揮のために必要な各施策を一層充実させ、実績を積み重ねていくことが何を置いても重要である。
そして、先に述べたように、他のIT基地(拠点)にはない二大IT拠点それぞれの特色を強く打ち出していくことも地域間競争に優位に立っていく上で重要であることから、本戦略においては、以下に示すとおり国内外に誇れる独自の機能・特長をさらに強化していくことを主要なビジョンとして提示する。これにより、世界の優れた技術、人材、情報が集まる国際的なハブステーションの地位を目指すものである。
更に今後は、5つのネットの構築、特に医療、福祉、教育、行政などの県民生活に関わりの深い分野の情報化やソフト開発が求められるものと考えられることから、県民、特に女性・高齢者・障害者等が有する能力を引き出し、社会参加を支援するシステム、NPO、ボランティア等地域活動の担い手による社会貢献を支援できるシステム等の確立に向けて、全国の先導的な役割を果たす。
《ソフトピアジャパン》
ii 地域格差是正、雇用環境改善に寄与するIT基地の『地域ブランチ機能の定着』
これからの岐阜県を支える若い人々が県内に定着するためには、「東京と地方」、「地方の中における都市部と過疎地域」の所得、雇用環境の格差是正を図ることが必要である。そのためにも、前述の「ITコア機能の強化」と並行して、これまでのIT拠点施設を中心としたプロジェクトにより蓄積された人材育成、研究開発、ニュービジネス創出、情報発信などの機能を、県内全域で展開していかなければならない。また、県民情報力の強化をはじめとする「ITを持つ者と持たざる者」の情報格差の是正は、県民の身近なところで、迅速かつきめ細かに対応していくことがより望ましい姿であるとも言える。
これらを踏まえ、岐阜県では県民がコンビニ感覚で気軽に立ち寄り、県下各地域でITに親しめるIT基地の身近な「地域ブランチ機能」の定着を図っていく。
地域ブランチ機能に対しては、主としてソフトピアジャパンが有する4つのコア機能(研究開発、人材育成、ニュービジネス創出、情報発信)により、各地域の実状に合わせたサポートを行っていくことが望ましいが、本来地域経済の活性化を実現するのはそこに根付いた人々のイニシアチブによるところが大きい。
したがって、県主導による画一的な地域ブランチ機能づくりや「ブランチ機能=ハード整備」という概念を捨て、IT活用の有効性を理解して積極的な自助努力を行う地域をソフト面で支援することを重視する。
ここでは、「地域ブランチ機能創出イメージ」と「ソフトピアジャパン・地域ブランチ機能の概念図」を次のとおり例示するが、いずれも既存資源(ヒト、モノ、施設、場所など)を有効に活用し、県下各地域の産学官の協働作業を通してブランチ機能が創出されることが、その後の効果的な運営を図っていく上での大きなポイントであると言える。
また、地域ブランチ機能の定着に当たっては、まず地域で可能なことから随時実施し、徐々にステップアップしていく姿勢が重要である。
(3)推進すべき施策
『ITコア機能の強化』『地域ブランチ機能の定着』という2つの戦略に基づき推進すべき施策を以下に示す。
i ITコア機能の強化
【当面重点的に進める施策】
これまで戦略的に進めてきた施策の一層の充実も含め、以下の施策を重点的に速やかに実施する。
「●」:ITコア機能強化の観点から今後特に推進すべき施策
「◎」:県民、特に若者、高齢者、中小零細企業等がITの恩恵を受けられるために、今後特に推進すべき施策
「☆」:岐阜県IT戦略会議「IT基地づくり分科会」からの提案で、施策に部分的にでも反映されているもの
◆ソフトピアジャパンプロジェクト
| 施 策 | 概 要 | |
|---|---|---|
| (研究開発) | ●情報産業の立地促進・クラスター形成 | ・研究開発型企業集積のための業務団地や技術開発室の整備・提供 ・福祉・教育・文化等の特定産業群(クラスター)形成 |
| ●産学官共同研究開発 | ・慶應義塾大学、岐阜大学等の国内外有力大学や京都リサーチパーク等のIT拠点、企業との提携による共同研究開発事業の実施 | |
| ●超高速ネットワーク環境の整備 | ・ソフトピアジャパン進出企業を支援するための超高速ネットワーク環境の整備 | |
| ☆ネット町内会の整備 ソフトピアジャパンに進出しているすべての企業が総参加できるネットワークシステムを構築する。 |
||
| ・国助成事業の活用 | ・地域結集型共同研究事業(文部科学省) など地域の研究開発型企業、大学、公設研究機関等のポテンシャルを結集した共同研究を通じた新技術・新産業の創出 | |
| ◎地元企業の研究開発支援 | ・情報科学、マルチメディアなどの分野で優れた技術を有する大学や県の研究関連機関等と地元企業との技術開発能力の向上及び産学連携の拡充を目指す「先端情報技術事業化検討事業」等の実施 | |
| ●◎地方自治IT共同研修の推進 | ・東海3県1市及び全国マルチメディア専門研修研修センターが連携し、IT時代に合った行政モデルを共同で研究、開発する「地方自治IT共同研修機構」を発足 | |
| ●◎公共サービスIT化推進事業 | ・ソフトピアジャパン進出企業が取り組む公共事業モデル開発に対し、慶應義塾大学から専門家の支援を受け、産学官一体となって公共モデルの高品質化を図る | |
| ・インターネット推進事業 | ・WIDEインターネットの「ソフトピアジャパン・ネットワーク・オペレーション・センター( SJNOC )」の設置による、県内主要機関の情報収集・発信支援 | |
| (ニュービジネス創出) | ●インキュベート推進事業 | ・起業家の育成と技術力強化を目的とした、快適な研究・開発環境としてのインキュベートルームの提供などを実施 |
| ●VB(ベンチャービジネス)支援システム | ・データベース共同利用、共同作業支援システム、経営支援システム等によるベンチャービジネス支援 | |
| ●「日本版CMM(能力成熟度モデル)」導入促進 | ・「ソフトウエア開発・調達プロセス改善協議会」を中心として実施される「日本版CMM」策定作業への参画(全国地方自治体の中心的役割)と、早期の導入促進 | |
| ●グローバル構想の展開 | ・海外のIT拠点との戦略的提携と共同研究など世界の優れた技術人材との連携・県内企業への活用 現在、アメリカ、インド、ノルウェー、ハンガリー、ドイツ、ベルギー、フランス、イタリア、スウェーデン、中国などの大学・研究機関等と連携 |
|
| (人材育成) | ●◎全国マルチメディア専門研修センターでの研修実施 | ・建設CALS/EC等企業向け研修、県民向け研修、全国の自治体職員向け研修等の実施 |
| ●国際情報科学芸術アカデミー・大学院大学との連携 | ・マルチメディアソフトの共同研究、教授陣・学生への研究環境の提供、卒業生の独立支援 | |
| ◎福祉メディアステーション | ・障害者や高齢者のマルチメディア技術活用による自立、社会参加、創作活動、就労支援を実施 | |
| ◎IT出前研修、レディースITセミナーの開催 | ・地域の情報化を促進するため、県内各地域の商業関係者や女性を対象に、IT環境の進展やネットワーク環境の可能性を分かりやすく平易に伝え、気楽に取り組める内容のIT出前研修等を実施 | |
| (情報発信) | ◎マルチメディア何でも相談 | ・コンピュータシステム導入、マルチメディア技術の応用、ネットワーク構築等の相談受付 |
| ●世界ソフトウエア&テクノロジー会議(WST)の運営 | ・世界の産学官の関係者をグローバルデジタルファミリーとして登録し、活発な意見交換・交流の場を提供し、ネットワーク化を図る | |
| ・先端ソフト情報発信の場の提供 | ・国内外のマルチメディア・VR関連企業が最先端技術を紹介し、地域産業の高度化、活性化、ニュービジネスの創出、人的ネットワークの形成を目的とする「マルチメディア&VRメッセぎふ(MVM)」の開催 | |
| ・国際情場学会の運営支援 | ・情報価値の生産システムの研究を目的としてネット上で 設立された「国際情場学会」での、オンラインによる研究活動や、シンポジウムの開催 | |
| ・全国地域情報化懇談会の運営支援 | ・情報社会における産学官のオープンな情報交流ネットワークを目的に設立された「全国地域情報化懇談会」における、インターネット上でのオンラインミーティングの開催 | |
| ◎情報ライブラリー | ・インターネット、各種ソフトウェアの無料体験や情報関連書籍・雑誌の閲覧ができるマルチメディア情報の提供の場の設置 | |
| (快適な職住環境) | ●ワークショップ24(仮称)の整備 | ・ソフトピアジャパン及び周辺地域で働く人々の居住・日常生活サービス、業務支援サービス、オフライン交流施設の整備 (平成13年度末完成予定) <機 能> 1.日常生活のサポート(コンビニ、飲食店、書店、インフォメーションセンター等) 2.技術開発室・ベンチャー支援事務所(弁護士、弁理士、税理士 等) 3.キャビン(研修合宿施設) 4.賃貸住宅 <事業主体> 岐阜県住宅供給公社 <共同事業者>オリックス(株)を代表者とする民間企業グループ <協 力 者> ソフトバンク・ファイナンス(株)他 |
| ☆オフライン交流の溜まり場 既存の共同利用型のサロンの他に、気軽にTシャツ、ジャージファッション感覚で集い、ビール、焼き鳥を食べながらワイワイ語れる溜まり場を設ける。 |
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◆テクノプラザプロジェクト
| 施 策 | 概 要 | |
|---|---|---|
| (研究開発) | ●産業集積のための分譲団地の開発・提供 | ・第1期:12区画中11区画に企業進出、残り1区画第 ・2期団地の検討 |
| ●◎産学官共同研究開発 | ・国内外の研究開発拠点との提携によるVR技術等の共同研究事業の実施 ・(社)岐阜県工業会、県内外の大学の協力のもとにロボットプロジェクトを推進(介護支援やレスキューに使用できるロボットの開発等 ) ・IT−MT(情報技術−製造技術)融合化技術の開発・研究と県内企業への技術移転支援 ・多様なCAD/CAM/CAEソフト等の活用による、企業技術者の実践の場の提供 ・県科学技術振興センターなど、県内公的研究機関との横断的な連携 |
|
| ・ものづくりとITに関する啓発・普及 | ・最新のCAD等の展示会や、ネット取引の実践セミナーの開催など | |
| ◎科学技術図書館の運営 | ・科学技術に関する国内外の図書、雑誌、CD−ROM、規格書、特許情報などの資料を幅広く収集し、産学官の研究者、技術者、一般県民へ情報提供 | |
| (ニュービジネス創出) | ●インキュベートルーム提供 | ・県の研究・開発機関と一体となった、官民共同施設内でのインキュベートルームの提供 |
| ●VB(ベンチャービジネス)支援システム | ・データベース共同利用、共同作業支援システム、経営支援システム等によるベンチャービジネス支援 | |
| (人材育成基盤) | ・VR技術に係る人材育成ものづくりへの応用 | ・VR工房の活用 ・テクノプラザ周辺地域における高速ネットワーク構築により、地域内で設計から解析・評価・試作・製品加工まで一連のモノづくり機能を有する「バーチャルファクトリー構想」の具体化 ・学生対抗手作り「バーチャルリアリティ」コンテストの開催 |
| ●◎製造業の生産性向上を目的とした人材育成 | ・アネックス・テクノ2におけるVR、CAD、CAM、CAE研修の実施 | |
| (交流基盤) | ●世界の研究者とのネットワークづくり | ・早稲田大学、岐阜大学等国内外の有力大学、IT拠点、企業、研究機関との連携と研究者のネットワークづくり ・VSMM(バーチャルシステム・マルチメディア)国際学会、日本VR学会との連携 |
【「IT基地づくり分科会」から提案された施策】
○ 岐阜県IT戦略会議「IT基地づくり分科会」において出された提案のうちいくつかは、部分的にでも速やかに上記施策に反映させている。その他の施策についても、可能なものから随時施策を講じていく。
| 施 策 | 概 要 |
|---|---|
| ・ネット町内会の整備 | ・ソフトピアジャパン及びテクノプラザに進出しているすべての進出企業が総参加できるネットワークシステムを構築する。 |
| 「上記●超高速ネットワーク環境の整備」に反映 | *ネットワークシステムの構築はもちろん、進出企業のビジネスサポートに大きく寄与する超高速ネットワークインフラ(光ファイバ)をソフトピアジャパンに速やかに整備する。 |
| ・オンライン交流の溜まり場 | ・既存の共同利用型のサロンの他に、気軽にTシャツ、ジャージファッション感覚で集い、ビール、焼き鳥を食べながらワイワイ語れる溜まり場を設ける。 |
| 「上記●ワークショップ24(仮称)の整備」に反映 | *ワークショップ24(仮称)内に、オフライン交流の溜まり場になり得る飲食施設等を整備予定。 今後も、これらの機能の集積を促進していく。 |
| ・メンタルヘルス機能の整備 | ・頭脳労働者の精神衛生面をケアするため、メンタルヘルス診療所、フィットネス、ジャグジー等のサポート機能を充実させる。 |
| ・ブランドの強化 | ・ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)、認証センター、データセンター等先進的な機能をソフトピアジャパン、テクノプラザに装備し、IT拠点としてのブランド化を進め、国内外とのネットワーク、ハブ機能の確立を目指す。 |
| ・県外、海外ブランチ機能の整備 | ・東京、シリコンバレー等県外、海外の主要拠点に企業支援のブランチ機能を設置し、ソフトピアジャパン・テクノプラザ立地、入居企業情報をPRする。 *現在、県東京事務所や県海外駐在員等が中心となり国内外にIT拠点の情報発信を実施している。 |
ii 地域ブランチ機能の定着
県下各地域における情報化ニーズは多様であり、一口に地域ブランチ機能と言っても、その規模・機能・活用対象者は多種多様である。
例えば、IT講習を受講したお年寄りの方が、公民館等で近所の若者により詳しくパソコン操作を教えてもらうことも地域ブランチ機能定着の第一歩であると言えるし、身近なところでより専門的なソフトウエア開発が可能な環境を望む地域があることも予想される。
IT拠点施設や県は、県内各地域が自ら考え創出していくブランチ機能の確立に向けた事業に対し、積極的な支援を行う。
ここでは、地域ブランチの「創出」に重点を置くこととし、近年県下各地域で立ち上がり始めた「地域情報化の取り組み例」を示した上で、「地域ブランチ機能の創出に資する施策例」及び「『IT基地づくり分科会』から提案のあった施策」を示す。
| 県内の自主的な地域情報化の取り組み例 |
《岐阜県内の自主的な地域情報化の取り組み例》
| 地 域 | 組 織 等 | 活 動 目 的 | 主 な 取 り 組 み |
|---|---|---|---|
| 中 濃 | 郡上白鳥地域情報化推進協議会(白鳥町) | ・住民レベルでの、地域における高度情報社会への適応。 | ・インターネット上での情報交流 ・会員の情報化知識の向上 (セミナー、講演会等の開催) (会員のホームページ開設支援) ・ワーキンググループ活動 |
| たかすマルチメディア推進協議会 (高鷲村) |
・マルチメディアを活用して地域の情報化を推進し、ネット上で地域の人の輪を広げ、地域やその周辺、さらに全国における豊かな産業・生活創造に寄与する。 | ・全村民を対象としたインターネットサービスを提供 (takasu.or.jpの付いたメールアドレス(個人用)、ホームページ(個人・業務用)の提供) |
|
| 東 濃 | Ena’T−クラブ (恵那市) |
・恵那市情報ネットワーク(サービス主体:市)を運営するためのボランティアクラブ。市民に対する認知度向上、技術サポート、メンタリティー向上等を目的に活動。 | ・インターネット技術研修会開催や訪問指導 ・ローカルニュースの運営 ・パソコン教室の開催 ・ボランティア募集、参加促進 ・所有サーバの運営 |
| 中津川市情報化推進協議会 (中津川市) | ・地域の情報化に関する諸問題及び市の行政情報サービスの向上についての調査研究を通して、地域の情報化の推進に寄与する。 | ・地域情報化に関する講演会・フォーラムや公開討論会等の開催 ・調査研究の実施 (中津川市におけるCATV導入に関する研究) (市民を対象とした、地域情報化に関するアンケート調査) 等 |
|
| 飛 騨 | マルチメディアウイークin 飛騨高山 (高山市) | ・地域において、コンピューティングをもっと身近に、もっと積極的に、「体験し」「感じ」「活かす」ためのセミナーやイベントの開催。 | ・地域や産業の情報化に寄与する各 種セミナー、イベントの開催 (高齢者のためのパソコン入門) (ホームページ作成研修) (3次元CG講座) 等 |
【地域ブランチ機能の創出に資する施策例】
○ 地域ブランチの創出に当たっては、IT拠点や県、市町村等との連携を密にし、これらの機能、資源を有効に活用することが重要である。「@ITコア機能強化」で掲げたソフトピアジャパンの施策の再掲も含めて、当面のブランチ機能形成上での有効な施策と活用方策を例示する。
| 施 策 | 地域における活用方策例 | |
|---|---|---|
| キーパーソンの活用 | 市町村版ITコーディネータの活用 | ・県が、市町村の要請に基づき、市町村や地域の情報化推進を目的に派遣する「市町村版ITコーディネータ」をキーパーソンとし、地域のブランチ機能設置機運の醸成に向けた中心的リーダー(ワークショップ・シンポジウムの開催)や、地域住民・団体と行政機関との橋渡し役として活用する。 (施策の詳細は「1−2 IT専門家の養成」に記述) |
| 企業版ITコーディネータの活用 | ・主として企業のIT化をトータルに担当する「企業版ITコーディネータ」を、一企業のみならず、地域経済全体の底上げに向けた取り組みのキーパーソンとして、地域の産業界全体で活用する。 (施策の詳細は「1−2 IT専門家の養成」に記述) | |
| 地域のネットワークづくりと住民ニーズを踏まえたIT講習環境の提供 | IT講習会におけるネットワークづくり | ・県下全市町村の約10万人の県民を対象に実施されるIT講習会を、地域ブランチ機能創出の絶好の機会ととらえ、地域住民のネットワークづくりを進める。 (施策の詳細は「1−1 県民情報力の強化」に記述) |
| 全国マルチメディア専門研修センターの機能を活かした研修実施 | ・全国マルチメディア専門研修センターで実施しているSE研修、建設CALS/EC研修など、地域では担いきれないより高度な研修を活用する。また、充実した情報インフラを活用した遠隔地研修も可能。 | |
| IT出前研修、レディース ITセミナーによる特定対象者のニーズに沿った研修 |
・県内各地域の商業関係者や女性を対象にソフトピアジャパンが実施するIT出前研修等を活用し、各対象者のニーズに沿った研修を地域で実施できる環境を提供する。 | |
| 専門的な情報収集・相談環境の確保 | 福祉メディアステーションプラチナモード・ブランチ機能の活用 | ・地域の障害者や高齢者のマルチメディア技術活用のため、アクセシビリー機器に関する相談など、より専門的な相談を受けるために福祉メディアステーションと連携を図る。 |
| マルチメディア何でも相談 | ・コンピュータシステム導入、マルチメディア技術の応用、ネットワーク構築等の専門的相談窓口として活用する。 | |
| 情報ライブラリー | ・インターネット、各種ソフトウェアの無料体験や情報関連書籍・雑誌の閲覧など、マルチメディア情報の提供の場である「情報ライブラリー」を、ひとつのモデルとして地域ブランチづくりの参考にするとともに、地域では困難な幅広い情報収集の場として活用する。 | |
【「IT基地づくり分科会」から提案のあった施策】
○ 岐阜県IT戦略会議「IT基地づくり分科会」において出された提案は以下のとおりである。地域ブランチ機能の定着に向けて、IT拠点施設や県において実施できるものから速やかに施策を講じるとともに、各地域におけるこれら施策の実施を促進する。
| 施 策 | 概 要 |
|---|---|
| ・ITホームドクター制度 | ・ITに関し、よろず相談に応じるアドバイザーを全県的に1,000人委嘱する。ITホームドクターは、民間技術者、商工業高校の先生に依頼し、ソフトピアジャパン、テクノプラザが支援する仕組みをつくる。 |
| ・企業と地域の交流 | ・企業が住民(自治会等)にIT機器環境を開放し、企業のIT技術者が講師を務めることにより、地域住民のITスキルの向上を図る。 |
| IT年寄り、IT若者の交流できる溜まり場づくり | ・老若問わず、碁会所のように気軽に集い、ITスキルを教え合える雰囲気の場を設置する。 ※IT年寄り…年齢を問わずITになじめない方々 IT若者…年齢を問わずITに精通した方々 (IT基地づくり分科会での位置づけ) |
| ・ITブルーワーカータウンの形成支援 | ・特にITの波に乗り遅れている、地場製造業に属する零細・中小企業の従事者に対し、デザイン面でのITアビリティの向上を支援し、地場産業の再活性化を支援する。 |
| ・コンビニ型ブランチ整備 | ・公民館、学校、商工会、工業団地の空き部屋あるいは空き店舗、ビル、倉庫等、既存の空間を利用し、既存IT器機の活用を図るなど、地域住民が「近く・いつでも・利用可能な」コンビニ感覚で活用できるスペースを整備。 *県下全市町村において、公民館、図書館、学校、その他の施設を活用した「IT講習会」が開催されるが、これによりコンビニ型ブランチのニーズが高まり、その整備が促進されることが期待される。 |