iT戦略本部(第2回)議事次第

資料9

「e-Japan重点計画」に関する考え方について

2001年3月2日

内閣総理大臣
IT戦略本部長
 森  喜 朗 殿

東京三菱銀行会長2001年3月2日
経団連副会長・情報通信委員長
岸   曉

「e-Japan重点計画」に関する考え方について

拝啓 ますますご清祥のことと存じあげます。

 総理におかれましては、昨年のIT戦略会議以降、わが国のIT革命の推進に向けて、前例のないほどスピィーディに施策を講じていただき、厚く御礼申し上げます。

 3月2日のIT戦略本部第2回会合には、残念ながら所用により欠席せざるを得ませんので、書面にて、このほど経団連が取りまとめた「『e-Japan戦略』実現にむけた提言」のポイントをご紹介申し上げ、「重点計画」の取りまとめに当たり、ご配慮賜りますようお願い申し上げます。

 この提言で強調しておりますのは、「重点計画」を「やりやすいこと」ではなく、ITを活用する国民や企業からみて「やるべきこと」を迅速に実現する計画にしていただきたいということであります。特に世界各国がITの活用に凌ぎを削る中、日本が米国などにキャッチアップし最先端のIT国家となるには、「重点計画」の初年度にどれだけの成果をあげることができるかが鍵であり、2001年度内に、全ての国民にIT革命の推進を実感させ得る成果をあげることが必要と存じます。

 この観点から、まず、通信事業者間の競争促進、国際競争力の強化などに向けた事前規制の抜本的見直しを早期に実現していただきたいと存じます。1月のIT戦略本部会合で私からご紹介しました通り、この点は産業界のニーズが最も高いものでございます。例えば現状では、通信事業者は一種・二種に区分され、回線調達方法や新サービスの提供などが事前規制の対象となっております。この結果、通信事業者の機動的なサービス展開が阻害され、利用者ニーズが十分に充足されない状況にあります。主要国に類を見ない規制が残ったままでは、日本のIT革命は加速致しません。一種・二種の事業区分のあり方については、昨年12月の電通審答申で、早急に見直しに向けた検討に着手するとされておりますが、この点を含め、ドッグイヤーの中で、事前規制の抜本的見直しについて、2001年内に結論を得ることとしていただきたいと存じます。

 また、電子政府の実現につきましては、組織の壁を越えてITを活かす業務プロセスを確立することが不可欠であり、国民からみて行政の業務改革の象徴となるのが、輸出入・港湾関連手続などのワンストップ・サービスの実現であると存じます。インターネットを経由した一回のデータ送信で、関連省庁全てに対する手続を完了させ、縦割り行政の常識をITで覆すことによって、真に国民・企業のための電子政府を早期に実現することが重要であります。併せて、電子商取引につきましても、情報財取引や、不正目的のドメインネームの登録への対応を含む知的財産権に関するルール等を整備し、発展の基盤を強固なものとしていただきたく存じます。

 「重点計画」に盛り込まれる具体的施策については、幅広い国民の理解と支持を求めていく必要があろうと存じます。この観点から、「重点計画案」へのパブリックコメントを募集するとともに、寄せられた意見に対する政府側の対応を、インターネットを通じて国民に説明していくことが重要と存じます。

 総理ならびに政治のリーダーシップによって、国民・企業から理解され支持される「重点計画」を策定いただきますようお願い申し上げます。

 また、「重点計画」策定後も、日本を世界最先端のIT国家とすべく必要となる事項については、民間の意見を踏まえた上で、総理直属のIT戦略本部が主体となって検討いただくよう、お願い申し上げます。         敬  具

【添付資料】
「重点計画」に盛り込んでいただきたい75項目
「e-Japan戦略」実現に向けた提言(概要・本文・別添資料)

以  上


「重点計画」に盛り込んでいただきたい75項目
1 一種・二種事業区分の廃止 01年度早期実現
2 卸電気通信役務(キャリアズ・キャリア)制度の導入方針の撤回
3 設備変更許可制の廃止(一種事業者)
4 業務区域変更許可制の廃止(一種事業者)
5 役務区分・役務種類変更許可制の廃止(一種事業者)
6 特定無線設備・端末機器の技術基準適合に関する自己宣言方式の導入
7 NTTの経営に行政が直接介入するNTT法規制の廃止
8 契約約款認可制の廃止(一種事業者)
9 指定電気通信役務を除く料金届出制の廃止(一種事業者)
10 外国政府との協定締結等の認可制の廃止
12 接続に関する協定認可制の廃止
13 日本版FCCの創設検討着手
14 事後チェック型行政の充実(人員拡充等) 01年度実現
15 道路占用規制の緩和
16 河川占用規制の緩和
17 公園緑地等における工作物設置規制の緩和
18 情報BOX、共同溝等の一層の整備
19 公共空間に埋設済み設備に関する共通データベースの整備
20 道路工事等に係わる法律、申請手続等に関するマニュアルの整備
21 無線LAN出力電力量の拡大
22 局免許不要で使用可能な新たな帯域の無線LANへの割当て
23 電力電灯線通信の使用周波数帯の拡大
24 周波数利用実態の調査・公表 01年度早期実現
25 省庁横断的なITS推進体制の強化
26 道路交通情報の民間利用促進に向けた環境整備 01年度実現
27 ITSインフラ整備への民間活力利用の枠組み構築
28 日本版ノーアクションレター制度の実施 01年度早期実現
29 対面行為を義務付ける規制の見直し 01年度実現
30 事務所の必置を義務付ける規制の見直し
31 国産映像ソフト等の迅速・簡易な権利処理の仕組みの検討・導入
32 公衆送信権の適正な保護に向けた仕組みの検討
33 概算要求・予算編成における投資額と「配当」の明示 01年度早期実現
34 行政の既存業務の検証実施
35 電子的行政手続・行政運営を包括的に認める法令の制定 01年度実現
36 適正な人員配置や組織編成の実現 02年度実現
37 現品の提出等を求める法令等、手続のインターネット化を阻む規制・制度の見直し 01年度早期実現
38 行政手続電子化アクションプラン(00年9月策定)の見直し・実施 01年度実現
39 税務関連書類の電子保存制度の改善
40 実質的に全行政手続のインターネット化 03年度実現
41 世界最高水準のワントップ・サービス提供に向けた明確な実行計画の策定 01年度実現
42 輸出入・港湾関連手続のワンストップ化 02年度実現
43 税関手続のワンストップ化(42の一環)
44 道路占用・使用手続のワンストップ化
45 建築確認申請関連手続のワンストップ化
46 自動車生産関連手続のワンストップ化
47 自動車販売・流通手続のワンストップ化
48 住民記録関連手続のワンストップ化
49 歳入・歳出手続の電子化に関する全国一体的な取り組みに向けた諸課題の解消 01年度実現
50 歳入・歳出手続の電子化に向けた民間ネットワークの効率的活用策の明示
51 歳入・歳出手続の電子化に向けた書面の使用を義務付ける会計法令の見直し 02年度早期実現
52 国・地公体のシステム標準仕様の提示 01年度実現
53 地方公共団体間のシステム共有の推進 01年度より順次
54 モデル電子自治体の選定基準、支援内容の決定と実施 01年度早期実現
55 モデル電子自治体の効用についての評価 02年度早期実現
56 中央省庁共通の電子調達サイトの設置 01年度実現
57 全資材調達・公共事業に関する電子入札・改札の実現 02年度実現
58 総合評価落札方式の見直し 01年度実現
59 コンサルテーション業務の予算化
60 日本版CMM(能力成熟度モデル)の導入
61 行政ICカードの集約化(原則一枚)
62 行政ICカードの基本仕様の決定
63 行政ICカード導入に向けた法制面での基盤構築
64 医療・介護分野におけるIT活用の推進
65 危機管理能力強化に向けた情報共有・活用体制の整備
66 行政情報のより迅速な公開
67 各種政策・方針等に関する国民との情報交流強化
68 GIS行政情報の公開と民間利用の促進
69 電子的行政手続・サービス利用具体的インセンティブの決定・導入 01年度早期実現
70 手数料後納制度等の導入
71 自律的・機動的な大学の運営の実現 01年度実現
72 大学におけるITを活用した教育の推進
73 IT指導人材の登録・派遣制度の導入
74 ミレニアム・プロジェクト「教育の情報化」の達成前倒し 03年度実現
75 インターネット等を使った授業の本格実施