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我が国の情報通信ネットワークの現状は、携帯電話については、普及率が世界的にも高水準にあり、固定電話についても、全国どこでも、安全に、安心して利用できる信頼性の高いネットワークが形成されている。放送については、地上放送に加えてBS放送、CS放送、ケーブルテレビと多様な選択が可能な環境が整備されている。このように、我が国はこれまで極めて信頼性の高い世界的にも高水準の情報通信ネットワークを全体として構築してきたが、IT社会における中心的な情報通信ネットワークであるインターネットについては、アジア・太平洋地域においても決して先進国であるとは言えない状況となっている。
現在の我が国のインターネットアクセスは、電話網を利用したダイアルアップ接続によるものが主流であるが、その地域通信市場が事実上の独占状態であり、十分な競争が行われてこなかったことがインターネット普及の遅れの原因と考えられる。すなわち、1985年の民営化以降も地域通信事業分野においては、事実上の独占状態が続いており、低額な定額の料金による常時接続、高速アクセスといったインターネットの普及に必要な通信環境が十分に整ってこなかった。インターネットは、論理的には電話網とは別個のネットワークにより提供されるサービスである。しかしながら、インターネットの物理的なネットワークを全く新たに構築することは現実的ではなく、インターネットサービスプロバイダー*4 に接続するためにメタル線を用いたDSLやケーブルテレビ網等の既存伝送設備を活用し、電話交換機を介さない高速インターネット網の構築を推進することが現実的である。さらに、今後、光ファイバ、FWA*5 などの多様な技術による独自ネットワークの構築や超高速化を推進すべきものと考えられる。
電話サービスに依存しない低コスト・高速のインターネットの普及促進に当たっては、様々な事業者間で公正な競争が行われる環境を整備し、料金の低廉化とサービスの多様化・高度化を推進することが必要である。また、将来的には、電話網とは物理的に全く異なるアクセス網が構築されたり、インターネット関連サービスの提供市場が大きく変化する可能性があるため、市場の変化に柔軟に対応した競争政策の展開が必要である。
さらに、インターネットは、技術の多様性を許すという特徴があり、通信インフラに関して次々と新しい技術が登場し、様々な条件下で絶えず最適な技術が選択され、ネットワークが急速に展開してきた。米国と同様、我が国においても情報通信分野における積極的な研究開発投資を行い、革新的な技術開発を進めていくことが必要である。
安価に大量のデジタル情報を伝送することができ、インターネット通信との親和性が高いデジタル放送については、米国や英国では全世帯の約7割程度がデジタル地上放送を視聴可能な環境が整備されており、我が国においても早急に放送のデジタル化を図るとともに、放送と通信の融合を進める必要がある。
| FTTH*6 | DSL | CATVインターネット*7 | ISDN(定額) | |
|---|---|---|---|---|
| 加入数 | 300件※1 (2001年2月) |
3.4万件 (2001年2月) |
62.5万件 (2000年12月) |
59.2万件 (2001年2月) |
| 加入可能数※2 | (試験サービス) | 570万回線※3 | (参考) 1,900万世帯※4 |
3,500万世帯 |
| 料金(月額) | 18,450円 (2001年3月) |
7,750円 (2001年3月) |
5,200円 (2001年3月) |
8,380円 (2001年3月) |
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| (2001年2月現在) |
また、これらの高速ネットワークの形成は、ネットワークの高速化とアプリケーション(ネットワークの利用)の高度化が相互に刺激して好循環を発生し、これらの動きすべてが加速されていくという観点が重要である。したがって、人材育成の強化や電子商取引等の促進、行政の情報化等の施策と総合的かつ一体的に推進されることが重要である。
ii)NTTに対するインセンティブ活用型競争促進方策の導入(総務省)
NTTグループが地域網の開放の徹底など自主的に一定の競争促進措置を実施することを期待する。また、IT革命推進のため、東・西NTTの業務範囲規制を本来業務の遂行及び公正競争条件に支障を与えないことを条件として緩和し得る制度を創設する。
このため、2001年中に日本電信電話株式会社等に関する法律の改正案を国会に提出するなど所要の制度整備を行う。
なお、公正な競争を促進するための施策によっても十分な競争の進展が見られない場合には、通信主権の確保や国際競争の動向も視野に入れ、速やかに電気通信に係る制度、NTTの在り方等の抜本的な見直しを行う。
iii)電気通信事業紛争処理委員会の創設(総務省)
総務省に、接続等に係る紛争のあっせんなどの機能を有し、通常の許認可部門から組織的に独立した「電気通信事業紛争処理委員会」を国家行政組織法第8条に基づく機関として設置する。
このため、2001年中に電気通信事業法等の改正案を国会に提出するなど所要の制度整備を行う。
iv)公正取引委員会の機能強化(公正取引委員会)
IT分野における独占禁止法違反事件に迅速・的確に対処すべく、公正取引委員会の審査体制等を充実する。また、電気通信事業分野における制度改革の進捗状況を踏まえつつ、電気通信サービスを行うに当たって不可欠な設備等に係る合理的理由のない取引拒絶などによる新規参入の阻止行為など、独占禁止法上問題となる具体的事例を示した独占禁止法上の指針を2001年中に取りまとめ、公表する。
ii)接続ルールの整備(総務省)
東・西NTTがインターネット常時接続サービスに用いている地域IP網*9 を指定電気通信設備と位置付けてアンバンドル*10 に関するルール整備を行う。このため、2001年中に関係法令を改正するなど所要の制度整備を行う。
iii)線路敷設の円滑化(警察庁、総務省、国土交通省)
電柱・管路等の開放及び道路、河川等の公的空間への線路敷設については、「線路敷設の円滑化について」(2000年11月6日第5回IT戦略会議・戦略本部合同会議)に基づき、以下の施策を講じる。
| 事 項 | 措 置 内 容 |
|---|---|
| 1.電柱・管路等の開放(総務省) | ・公益事業者の保有する電柱・管路等を電気通信事業者に提供する際の無差別・透明・公正なルールを策定、公表。(2000年度中)
・公有地上も含めた電柱・管路等の提供について生じた紛争について、公物管理者等との間で必要な調整を行い、公正・中立な専門組織における審議を経て、協議認可・裁定を行う制度を、電気通信事業法を改正し、2001年中に整備する。 |
| 2.収容空間の整備、開放による敷設支援(国土交通省) | ・2001年度までに道路、河川、港湾等の公共施設管理用光ファイバの整備や電線共同溝の整備等による電線類地中化等にあわせて約2万9千kmの収容空間を整備するとともに、これらの開放を順次進める。また、これらの収容空間の整備状況等についてデータベース化し、2001年中にインターネットにより公表する。
・2001年度に新設橋梁への光ファイバ敷設の在り方を検討し、結果を公表。 |
| 3.工事規制の見直し(国土交通省) | ・電気通信事業者が行う光ファイバ敷設工事のうち、年度当初に想定しえず、かつ、緊急性を有すると認められるものについては、概ね四半期ごとに必要な調整を行い、冬季・年度末においても道路交通に著しい影響を与えない範囲で抑制を緩和する。当該措置は2005年度まで試行する。 |
| 4.線路敷設ルールの整備(国土交通省) | ・民間事業者による下水道管渠の使用を下水道の機能を損なわない範囲で効率的に推進するための標準的な敷設ルールをまとめ、公表。(2000年度中)
・共同溝への事後入溝手続を明確化。(実施済み) |
| 5.手続の迅速化等 | ・道路占用許可については、直轄国道は2001年度までに全国で電子申請を可能とする。その他の国道及び都道府県道については、概ね2003年度までに可能となるよう地方公共団体に要請する。(国土交通省)
・2001年中に複数の道路管理者に係る道路占用許可申請手続のワンストップ化推進のあり方をまとめる。(国土交通省) ・道路使用許可については、概ね2003年度までに電子申請が可能となるよう地方公共団体に要請する。(警察庁) ・河川占用許可については、大臣管理区間は2003年度までに電子申請を可能とする。都道府県知事管理区間は2003年度までに実施方策の提示等により、オンライン化の推進を要請する。(国土交通省) ・道路や河川の占用許可手続マニュアルを作成、公表する。(2000年度中)(国土交通省) |
| 6.情報提供の充実(国土交通省) | ・道路占用許可申請に利用される道路管理システム及び関連データベースの利用を円滑化。(2000年度中)
・道路台帳の整備を促進するとともに、その電子化について2001年度までに問題点を整理する。 ・道路舗装工事完了後の掘削禁止措置について禁止期間情報をインターネットにより公表する。(2000年度中) |
iv)加入者系光ファイバ網等の整備支援(総務省)
電気通信基盤充実臨時措置法に基づき、2005年度の加入者系光ファイバ網の全国整備に向け、民間事業者等に対し、超低利融資、税制優遇措置、無利子・低利融資、債務保証の支援策を講ずる。また、DSL等の広帯域加入者網*11 の整備を支援対象に追加する等の措置を講ずる。
このため、2001年中に電気通信基盤充実臨時措置法の改正案を国会に提出するなど、所要の制度整備を行う。
v)電力線搬送通信 *12設備に使用する周波数帯域の拡大(総務省)
電力線搬送通信設備に使用する周波数帯域の拡大(2MHz〜30MHzを追加)について、放送その他の無線業務への影響について調査を行い、その帯域の利用の可能性について検討し、2002年度までに結論を得る。
vi)電波資源の迅速かつ透明な割当(総務省)
2001年中に高速無線インターネットアクセスに使用可能な周波数帯を拡張するとともに、第4世代移動通信*13システム 等の周波数を確保するため、2002年度までに周波数の割当を見直して、周波数の再配分を実施する。また、今後の我が国の周波数の利用状況やオークション方式など外国で行われている割当の実施状況を問題点も含め調査し、これを踏まえて我が国における最適な周波数割当方式について、公平性、透明性、迅速性、周波数利用の効率性等の観点から検討を行い、2005年度までに結論を得る。
ii)無線による広範囲の超高速アクセスを可能とする技術を実用化する。無線超高速の固定用国際ネットワークを構築するため、2005年までに超高速インターネット衛星を打ち上げて実証実験を行い、2010年を目途に実用化する。(総務省、文部科学省)
b)インターネット基盤技術の高度化(総務省)
2003年度までにセキュリティ確保、端末即時認識等のIPv6の機能を拡充・活用する技術や、インターネットの対象を情報家電*20 などパソコン以外の多様な機器に拡大するための技術を開発する等の取組みにより、2005年までにすべての国民が、場所を問わず、自分の望む情報の入手・処理・発信を安全・迅速・簡単に行えるIPv6が実装されたインターネット環境を実現する。
c)移動通信技術の高度化
i)ITS関連情報を有機的に統合するとともに、最先端の高速無線ネットワーク環境と連携し、ITSにおける高速インターネットを実現する。このため、2005年度までに高速移動する自動車において様々な大容量の情報を無線ネットワークを通じて円滑に提供、享受できるための技術を実用化する。(総務省、経済産業省)
ii)最先端の高速無線インターネット環境やシームレスな通信サービスが可能な第4世代移動通信システムを実現することにより、世界最先端のモバイルIT環境の実現を図る。世界でトップレベルにある我が国の情報通信分野の技術と産業集積を活かして、世界をリードする技術開発を推進するとともに、国際標準化においても我が国が大きく貢献しつつ、2005年までに必要な要素技術を確立し、2010年までに実現を図る。(総務省)
)ネットワーク利用の利便性・容易性の向上を図るために、多種多様な無線通信サービスを利用者が意識することなく柔軟に選択して利用するための技術を2005年までに実用化する。(総務省)
ii)国際標準に向けた研究活動の推進(総務省)
情報通信分野において、IETF*22 、ICANN*23 などの民間標準化団体、国際電気通信連合(ITU)*24 等における我が国及びアジア・太平洋地域による標準提案を推進し、2003年度までに10件程度の標準提案を行う。
iii)沖縄の国際情報通信ハブ化(総務省、経済産業省)
アジア・太平洋地域の情報通信拠点形成に向けたグローバルなIX*25 の形成、国内外のコンテンツ・アプリケーションの集積、情報通信関連産業の集積等の施策を多面的かつ重層的に展開し、2005年度までに高度な地域情報通信ネットワークを整備するなど沖縄国際情報特区構想を推進し、2010年度までに沖縄における情報通信ハブ等を実現する。
高度情報通信ネットワーク社会においては、多様な情報がネットワークを区別することなく自由に流通することが重要である。デジタル放送はインターネットと極めて親和性が高く、IPv6を備えたインターネットと組み合わせることにより、デジタルコンテンツを放送以外の多様なメディアに流通させることが一層容易になるとともに、豊富なアドレス空間その他のIPv6の高度な機能を活用するなど、放送と通信を融合させた利便性の高いサービスが実現し、すべての国民が容易かつ安全に、多様な情報を入手し、利用することができることとなる。このように家庭におけるIT革命を支える基盤となる放送のデジタル化を推進し、関東、近畿、中京の三大広域圏では2003年までに、その他の地域では2006年までに地上デジタル放送を開始するため、地上放送のデジタル化に伴うアナログ周波数変更対策を講ずるとともに、デジタル放送施設の整備に対して税制・金融上の支援を行う。また、ケーブルテレビについては、2010年までにすべてデジタル化されるよう、税制・金融上の支援を行う。
CSデジタル放送、ケーブルテレビ等について、電気通信事業者回線の利用を可能とするとともに、通信・放送融合サービスの開発を促進するための研究開発について通信・放送機構が支援を行う。このため、2001年中に電気通信役務利用放送法案及び通信・放送融合技術の開発の促進に関する法律案を国会に提出するなど、所要の制度整備を行う。
国民生活に不可欠な加入電話等のユニバーサルサービスを維持するとともに、移動通信サービスの利用可能地域を拡大し、地理的な情報通信格差の是正等を図る。
ii)移動通信用鉄塔施設の整備
過疎地等において市町村が移動通信用鉄塔施設を整備する場合に国がその設置を支援すること等を通じ、2003年度までに市町村役場及びその支所等が移動通信サービスエリアとしてカバーされている市町村割合を95%以上とする。