| 2003年における事業者間(BtoB)及び事業者・消費者間(BtoC)取引の市場規模が、それぞれの予測値である70兆円程度(1998年の約10倍)、3兆円程度(1998年の約50倍)を大幅に上回ることを目指す。 |
<電子商取引市場に関する主要指標(2000年)>
| 電子商取引市場規模 | 年間成長率 | 電子商取引化率 | |
|---|---|---|---|
| B to B市場 | 22兆円 | 60% | 3.8% |
| B to C市場 | 8,240億円 | 145% | 0.25% |
ア)電子商取引等を阻害する規制の改革
民間における電子商取引を促進する環境を整備するため、既に整備された民間同士の書面交付義務に関する規制を見直す法律に加え、対面行為、事務所の必置その他の電子商取引を阻害する規制についても、下記のとおり早急に見直すなど、2001年3月末までに策定される「規制改革推進3か年計画」に基づき見直す。
i)2001年中に、企業にとって重要な資金調達手段であるCP*3 の完全ペーパーレス化のための「社債等の振替決済に関する法律案」(仮称)を国会に提出するなど、所要の制度整備を行う。(金融庁)
ii)2001年中に、社債等登録法、株券等の保管及び振替に関する法律の見直し等統一的なシステムでの証券取引決済を可能とするための「社債等の振替決済に関する法律案」(仮称)及び「株券等の保管及び振替に関する法律等の一部を改正する法律案」(仮称)を国会に提出するなど、所要の制度整備を行う。(金融庁)
iii)2001年中に、インターネットによる保険販売に係る認可基準を明確化する。(金融庁)
iv)2001年中に、インターネット等での損害保険募集において、派遣社員等が活用できるよう、社員の雇用形態の見直しを行う。(金融庁)
v)2001年度中のできるだけ早い時期までに、インターネット上での懸賞関連規制に係る独占禁止法上の考え方を明確化する。(公正取引委員会)
vi)2001年度中に、現時点において薬局等で販売されている医薬品について、カタログ販売が可能な医薬品の範囲に追加できるものがあるか否かについて、これまでの基準に従い、改めてその販売範囲を検討する。(厚生労働省)
vii)2001年度から、専らインターネットのみにより職業紹介を行う場合は、事業所面積に係る要件を撤廃する。(厚生労働省)
viii)2001年度中に、電子機器を活用してより低廉な費用で不動産特定共同事業が活用されるよう書面交付手続等における電子機器の活用形態の明確化について、検討を行う。(国土交通省)
イ)商法の見直し(法務省)
株主総会の招集通知、議決権行使等についてインターネットの利用が2002年の株主総会で可能となるよう所要の商法改正を行うことにより、株主総会開催のコスト削減、株主による議決権行使の円滑化等を図る。
また、株主総会と取締役会の権限配分の見直し、純資産額規制及び出資単位規制の見直し、トラッキング・ストック(部門・子会社業績連動配当型株式)*4 の発行のための制度整備等を含む商法の抜本改正を2002年の通常国会までに行うことにより、企業が迅速・機動的な意思決定、多様な資金調達等をできるようにする。
ウ)「行政機関による法令適用事前確認手続」の導入(総務省及び関係府省)
IT化の進展に伴い、サイバー空間における新たなビジネスに対して、既存の法令の適用関係が不明確となるケースが多々生じ、ITを活用した新たなビジネスの展開の阻害要因となりかねない状況にある。
こうした状況に対応するために、IT革命の到来の中で、民間企業の事業活動が迅速かつ公平に行われることを視野に入れて、2001年3月に策定された指針に則り、「行政機関による法令適用事前確認手続」を導入する。
エ)独占禁止法ガイドラインの整備(公正取引委員会)
対消費者電子商取引(BtoC)に関して、消費者保護の観点から電子商取引上の表示に対する景品表示法上の対応や消費者に分かりやすい表示の在り方について「消費者向け電子商取引への公正取引委員会の対応について−広告表示問題を中心に−」を2001年1月に公表したところであるが、2001年中に電子商取引の実態を適宜把握し、必要に応じて見直しを行う。
ア)電子契約、情報財契約*5 のルール(経済産業省)
郵便を前提としていた隔地者間の契約成立時期の見直しや消費者の真意に反する契約申込み等への対応など、関係者が安心して電子商取引に参加するために必要なルールの整備を行う。
i)2001年中に、インターネット等の情報通信の手段を用いる場合の隔地者間の契約の成立時期などについて、民法が定める民事ルールを見直し、電子商取引の円滑化を図るための法案として、「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律案」を国会に提出するなど、所要の制度整備を行う。
ii)2001年中に、プログラム取引における利用者保護措置を定める「特定電子商取引の円滑化に関する法律案」(仮称)を国会に提出するなど、所要の制度整備を行う。
イ)インターネットサービスプロバイダー等の責任ルール(総務省)
インターネット上の情報流通に関して、ウェブページ等への情報掲載による他人の権利利益の侵害に、プロバイダー等が迅速かつ適切な対応が行えるよう責任を明確化するとともに、携帯電話の利用者保護のため、必要なルールの整備を行う。
このため、「特定電気通信による情報の流通の適正化及び円滑化に関する法律案」(仮称)を2001年中に国会に提出する。また、携帯電話上のサイトに関し、違法・有害情報の排除、個人情報保護等に向けた新たなルールの導入を2001年度から開始する。
ウ)刑事法制の見直し(法務省)
<後掲(6.高度情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保)>
ア)コンテンツの契約慣行・流通慣行の是正等
良質なコンテンツのインターネット上での提供の増大を図るため、既存の契約慣行・流通慣行を見直し、IT社会に適応した形態へ是正するための方策を講ずる。
i)2001年度中に、コンテンツ取引やクリエイターに対する報酬等に関する現状と問題点を整理した上で、コンテンツ市場における競争政策のあり方を検討するとともに、コンテンツに関する標準契約書案の策定など製作・流通等に係るルールの確立のための方策を講ずる。また、2002年度中に、複製防止技術等の確立のための環境整備を行う。(経済産業省)
ii)2001年度中に、映像デジタルコンテンツのネットワーク流通を円滑化するため、コンテンツ課金等を確保する取引ルールの整備と流通システムの構築のための方策を講ずる。(総務省)
イ)独占禁止法上の考え方の明確化(公正取引委員会)
知的財産に関連する独占禁止法上の考え方については、1999年7月に「特許・ノウハウライセンス契約に関する独占禁止法上の指針」を発出したところであるが、さらにソフトウェアライセンス契約等についても、競争政策の観点から実態を把握し、2001年度末を目途に独占禁止法上の考え方の明確化を図る。
ウ)ドメイン名*6 利用の適正化(総務省、経済産業省)
ドメイン名の価値の高まりとともに、ドメイン名が実質的な審査なく先着順に取得できることから、ドメイン名と商標等の抵触を巡る紛争が増加し、電子商取引等の阻害や国際問題になっている。したがって、ドメイン名利用の適正化について、国際的な動向も踏まえつつ必要な措置を講ずる。
i)2001年中に、商標等と同一又は類似のドメイン名の不正取得等の防止を図るため「不正競争防止法の一部を改正する法律案」を国会に提出するなど、ドメイン名利用の適正化を図るための所要の制度整備を行う。
ii)2001年中に、ドメイン名に係る国際ルールによる裁判外紛争処理手続において、日本人同士の紛争を日本語で処理可能にするとともに、内外の新設ドメインについて優先登録期間を導入する等紛争処理の円滑化・紛争予防に係る方策を講ずる。
エ)特許法の見直し(経済産業省)
2001年度中に、インターネット上で取引されるコンピュータソフトウェアの保護の明確化等インターネット上での知的財産保護についての検討を行い、特許法の見直しなど、所要の制度整備に取り組む。
オ)著作権制度の充実(文部科学省)
2002年度中に、高度情報通信ネットワークの急速な普及に対応し、著作物等のインターネット上での適正かつ公正な利用を確保するため、著作権制度上の当面の課題について検討を行い、所要の制度整備を行う。
ア)個人情報保護
個人情報の有用性に配慮しつつ、個人情報の保護を図り、国民が高度情報通信ネットワークを安心して利用できるための仕組みを整備する。
i)個人情報の保護に関する基本法制の整備
2001年中に、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とし、個人情報の適正な取扱いに関し基本となる原則を定めるとともに、個人情報データベース等を事業の用に供している一定の事業者が遵守するべき義務、政府が講ずべき措置等に関する基本事項を内容とする「個人情報の保護に関する法律案」を国会に提出するなど、所要の制度整備を行う。(内閣官房)
ii)電気通信分野その他の個別分野における個人情報の保護個別法等の整備
「個人情報の保護に関する法律案」に基づき、電気通信分野における個人情報保護に関する個別法案を2002年度までに国会に提出するなど、個別分野における個人情報の保護のために必要な措置を講ずる。(総務省及び関係府省)
イ)消費者に対する情報提供等
電子商取引の発展のためには、消費者の保護を図ることによって、消費者が安心してITを活用できる環境を整備することが不可欠である。
そのため、電子商取引の分野においては、民間団体等による自主的な対応が重要であるが、政府においても、電子商取引においての消費者トラブルの増加に対応するため、消費者保護に関するルールを整備するとともに、消費者が、自己責任のもとで、自らトラブルを回避できるよう、消費者に対する情報提供や啓発活動を行う。
i)インターネット通販におけるトラブル増加に対応するため、「特定商取引に関する法律」において、従前からの広告表示規制に加え、申込みに係る分かりやすい画面表示の義務付けの規定を新設したところであり、これらのインターネット通販に係る規制に関連するルール整備を2001年に行うとともに、これを適切に執行する等のため、2001年度から、インターネットサーフデイ*7 を拡充し、常時モニタリングを行う。(経済産業省及び関係府省)
ii)2001年度までに、電子商取引等でのトラブルに対応するため、高齢者等を対象とした消費者相談会を各都道府県で平均40回を目標に実施するほか、18万人を対象として、全国の消費生活センターにおいて消費者がIT機器を利用して消費生活を向上させるための講習会等を実施する。(内閣府)
iii)対消費者電子商取引(BtoC)において行われる不当表示の問題について有効な規制を行うため、2001年度以降、監視体制を構築していく。(公正取引委員会)
ウ)ADRの整備
電子商取引において、紛争が生じた場合に、多様な紛争処理の仕組みから消費者が最も使いやすいものを選択できるようにしておくことにより、消費者の信頼を醸成することが重要である。
そのため、IT時代の専門性の高い紛争や国際的な消費者紛争の増加に対応して、消費者の負担を小さくする観点から、簡便で多様なADRの整備に向けての環境整備を行う。
i)2001年中に、既存の相談機関の紛争処理能力向上及びADR機関相互のネットワーク化を図り、消費者へのワンストップサービスの実現を目指すとともに、トラストマーク制度*8 における市場メカニズムを利用した、BtoC電子商取引のための新たなADRスキームの構築を行う。(経済産業省及び関係府省)
ii)司法制度改革審議会において2001年7月までに取りまとめられる最終意見及びUNCITRALにおいて行われているADR法制の見直し作業を踏まえ、2001年から、仲裁や調停を含むADRの拡充・活性化のための基盤整備やADRと裁判手続との連携強化の方策等についての検討を開始する。(法務省及び関係府省)
ア)中小企業を対象としたIT共通基盤整備(経済産業省)
中小企業にとって、IT革命への対応は、インターネットを通じた取引関係の拡大等新たな可能性を提供するものである。IT革命への対応の中でも、日本経済の基盤をなす中小企業がITを積極的に活用し、事業の効率化や収益の拡大につなげていくことは、産業新生のために極めて重要である。2003年度中に、中小企業のおおむね半数程度がインターネットを活用した電子商取引等を実施できることを目標とし、ものづくりと商業の分野における共通基盤の整備、IT経営に必要な経営資源の確保等の施策を総合的に講ずる。
このため2003年度末までに、中小企業の規模や業種・業態の違いによるIT化の進展度合い等に応じて、きめ細かな支援を行う。具体的には研修・セミナーの実施やアドバイザーの育成・派遣とともに、中小企業のネットワーク形成等に向け、標準的なソフトウェアやシステムの開発・普及など共通基盤の整備を図る。併せて、多様な中小企業の経営に適したIT導入を円滑に進めるに際し、各種情報提供事業を充実させるとともに、中小企業に不足しがちな経営資源を補完するためのIT貸付等の支援を実施する。
イ)ICカード*9 の利用環境の整備(経済産業省)
ICカードを用いた安全な電子商取引の実証事業等を行い、2003年度までに汎用的なシステムモデルを提示する。
また、ISOにおけるICカードの国際規格の策定に参画し、2003年度までにカードの電磁的性状等に関する国際規格の成立を目指すとともに、日本企業と海外の企業との間の交流・協力を促進し、セキュアなICカードシステムの標準的なモデルの構築を2003年度を目途に国際的に進める。
ウ)国際的な環境整備
国境を容易に越える電子商取引の特性に鑑み、我が国と経済社会的に密接な関係にある諸国家・地域との間で電子商取引に関する制度調和を構築し、国際整合性のあるIT社会を形成する。
i)2001年中に合意を目指している日・シンガポール新時代経済連携協定においてITに関する二国間の制度の調和を目的として諸事項を盛り込む。(外務省、総務省、経済産業省)
ii)貿易関連手続の電子化・ワンストップ化を図るため、2001年度を目途に、我が国で開発された貿易金融EDI*10 システムとアジア各地域の税関等の政府手続用システムとの連携を促進する。(経済産業省)
iii)グローバルな電子商取引等の促進のためには、国際的な電子署名・認証基盤の整備が不可欠であることから、2003年までに、認証業務の認定について、国際的な相互承認を推進する。(総務省、法務省、経済産業省)