IT戦略本部(第8回)議事次第
資料1
資料1
IT分野の規制改革の方向性
平成13年12月6日
IT戦略本部
IT関連規制改革専門調査会
要旨
ITを日本経済再生の牽引車とするため、政府は以下の規制改革を大至急実施すべき。
- 通信、放送の制度を、事業毎の縦割りの規制体系から機能毎の横割りの競争促進体系に、世界に先駆けて抜本的に転換し、競争の促進と通信・放送の融合の促進を図るべき。
- 情報通信インフラについて、加入者網での構造分離(卸・小売分離)等を通じた(a)公正競争の一層の促進、各家庭を結ぶ(b)光ファイバ網の構築、(c)電波の効率的利用等を通じて、ブロードバンドインターネット網を整備すべき。
- インターネットを通じて提供されるサービスの多様化とコンテンツの充実を図るべき。
問題意識
- アナログ技術を前提とした現行の通信・放送の制度は、デジタル技術とIPネットワークが中心となりつつある現実に合っていない。
- 現状のままで、e-Japan基本戦略に掲げられた目標の達成は可能か。
→IT分野の中心である民間事業者が、公正な競争の下でブロードバンドIPネットワークの構築と多様・低廉なサービスの提供を自由に行う環境が整備されているか。
制度と現実(1)
- 縦割りの規制構造の下で情報通信ネットワークも縦割りに複数並存するが、デジタル化とIP化の進展に伴い、あらゆるネットワークがIPネットワークに統合される方向。
制度と現実(2)
- 通信と放送は別々の法律で規制されているが、デジタル化とIP化の進展に伴い、通信と放送の融合は必然の方向。
- 通信や放送は、事業毎の垂直統合構造から、レイヤー毎の水平分離(アンバンドル)が可能な構造に移行。
規制改革の方向性
アナログ技術が前提の縦割りの通信・放送の規制体系が、デジタル技術、IP化によりもたらされる様々な変革を阻害する懸念。
- 政府は、
- 〔1〕現行の規制体系の、デジタル技術、IP化を前提とした横割りの競争促進体系への抜本的な改革
を早急に検討して実施すべきであり、同時に、
〔2〕ネットワークレイヤーにおいては、加入者網での構造分離等を通じた公正競争の一層の促進、光ファイバ網の構築、電波の効率的利用
〔3〕コンテンツ/プラットフォームレイヤーにおいては、公正競争の促進、権利保護の強化等
- を早急に実現すべき。
〔1〕通信、放送の法体系の抜本的転換
アナログ技術が前提の縦割りの通信・放送の規制体系を、デジタル技術、IP化の方向に沿った横割りの競争促進体系へと抜本的に改革し、
- 事業の水平分離(アンバンドリング)とレイヤー内での競争
- 通信と放送の融合
を促進すべき。
〔2〕ネットワークレイヤー
ネットワークレイヤーでは、
- 公正競争の一層の促進
- 光ファイバ網の構築の促進
- 電波の効率的利用の促進
のために必要な規制改革等を早急に実施し、ブロードバンドIPネットワークの整備を促進すべき。
1.公正競争の一層の促進
- 独占度の高い加入者網において、公衆網再販の制度化、構造分離(卸・小売分離)等の方策により、役務ベースでの競争を促進すべき。
- 公正競争の一層の促進とブロードバンドIPネットワークの整備促進の観点から最も望ましいNTTのあり方について、NTTの雇用問題にも配慮しつつ、早急に議論を深めるべき。
(参考)e-Japan重点計画(平成13年3月29日)
「なお、公正な競争を促進するための施策によっても十分な競争の進展が見られない場合には、通信主権の確保や国際競争の動向も視野に入れ、速やかに電気通信に係る制度、NTTの在り方等の抜本的な見直しを行う。」
2.光ファイバ網の構築
ダークファイバの開放、利用の促進に向け、
- 電力会社、鉄道、道路管理者が保有するダークファイバの一層の開放
- 地方公共団体が保有するダークファイバの開放と、ダークファイバ空き情報の開示方法及び貸与手続きの統一化
- IRUによる提供制度の一層の柔軟化(芯線に加え帯域、波長による提供の実現等)
- 線路敷設に関する環境の整備
等に取り組むべき。
3.電波の効率的利用
a) 電波割当て制度を以下の方向で改革し、国際的な戦略性を持った電波資源の再配分を可能とすべき。
- 情報公開の徹底と電波資源の再配分メカニズムの導入
- 価値に見合った電波使用料の設定
- その他、適切な形での競争原理の導入
b) その他、以下の電波関連制度の改革に取り組むべき。
- 無線LAN用の免許不要帯域の拡大
- 帯域免許の導入(同一帯域の複数目的での利用)
- 無線局免許手続きや審査基準等の簡素化
- 自己認証による端末機器等の技術基準適合証明
ネットワークレイヤーにおいて規制改革以外に必要な政府の取り組みは以下のとおり。
- IPv6の普及の促進
ユビキタスネットワークの実現に向け、以下の方策によりIP v6の普及に早急に取り組むべき。
- IPv4からv6への移行に向けた政策的対応
- 諸外国、特にアジア諸国との戦略的連携
等
- セキュリティの強化
政府は、セキュリティの強化に向け、早急に抜本的な取り 組みを行うべき。
〔3〕プラットフォーム/コンテンツレイヤー
これらのレイヤーでは、経済的観点からの規制を極力撤廃しつつ、以下の取り組みを進め、インターネットを通じて提供されるサービスの多様化とコンテンツの充実を図るべき。
- ネットワークレイヤーでの市場支配力を活用した上位レイヤーでのビジネスの展開等を防ぎ、公正な競争を促進すべき。
- インターネットを通じて提供されるコンテンツの充実に向け、
- 著作権等の権利情報の整備と簡便な許諾システムの確立
- 監視、追跡を含む技術的な保護手段の確立
- 放送番組のデジタル化
- NHKの番組のインターネットを通じた提供に向けた環境整備
- 著作権等の保護に関するアジア諸国との連携
等を促進すべき。
規制機関のあり方
- 公正取引委員会
各レイヤーにおける公正な競争の促進に向け、公正取引委員会の機能を早急に強化するとともに、総務省からの移管についても検討すべき。
- 情報通信に関する独立競争監視機関の設置
情報通信分野の専門性等に鑑み、独立競争監視機関の設置についても検討すべき。
IT関連規制改革専門調査会委員
| 【座 長】 | 宮 内 義 彦 | 総合規制改革会議議長 オリックス株式会社会長兼グループCEO |
| 【委 員】 | 秋 草 直 之 | IT戦略本部本部員 富士通株式会社社長 |
| 出 井 伸 之 | IT戦略本部本部員 ソニー株式会社会長兼CEO |
| 梶 原 拓 | IT戦略本部本部員 岐阜県知事 |
| 神 田 秀 樹 | 総合規制改革会議委員 東京大学大学院法学政治学研究科教授 |
| 岸 曉 | IT戦略本部本部員 株式会社東京三菱銀行会長 |
| 鈴 木 幸 一 | IT戦略本部本部員 株式会社インターネットイニシアティブ社長 |
| 鈴 木 良 男 | 総合規制改革会議委員 株式会社旭リサーチセンター社長 |
| 松 永 真 理 | IT戦略本部本部員 エディター |
| 村 井 純 | IT戦略本部本部員 慶應義塾大学環境情報学部教授 |
| 米 澤 明 憲 | 総合規制改革会議委員 東京大学大学院情報学環教授 |