高度情報通信社会推進本部

第1回個人情報保護検討部会議事要旨


1日時:平成11年7月23日(金)9時30分〜11時45分
 
2場所:官邸大客間
 
3出席者:
堀部政男座長(中央大学法学部教授)、礒山隆夫委員(東京海上火災保険株式会社顧問/経済団体連合会情報化部会長)、大橋有弘委員(明星大学人文学部教授)、大山永昭委員(東京工業大学教授)、岡村正委員(株式会社東芝取締役上席常務/情報・社会システム社社長)、開原成允委員(国立大蔵病院病院長)、加藤真代委員(主婦連合会副会長)、鈴木文雄委員(株式会社東海銀行専務取締役)、須藤修委員(東京大学社会情報研究所教授)、西垣良三(第一生命保険相互会社専務取締役)、原早苗(消費科学連合会事務局次長)、三宅弘委員(弁護士)、安冨潔委員(慶応大学法学部教授)
(政府側)
小渕内閣総理大臣、竹島内閣内政審議室長、大澤内閣審議官
 
4議題
(1)議長の選任
(2)部会開催要領
(3)自由討議等
 
5審議経過
(1)竹島内閣内政審議室長より、委員の紹介
(2)総理あいさつ
(3)委員の互選により、堀部委員を座長に選任
(4)内政審議室より、部会の開催経緯について説明
(5)部会開催要領について意見交換
 「部会の公開」について、様々な意見があったが、「会議は原則公開」とすることとし、具体的な対応ぶりについては座長一任となった。
(6)自由討議

 内政審議室から、個人情報保護に関する国際的動向及び我が国の現状等について、説明があった後、出席した委員より、以下のような意見の表明があった。

・企業は、OECDのプライバシー8原則を踏まえ、プライバシーポリシーを策定、公表し、遵守していくことが必要ではないか。
・明らかに悪意の者を排除し、制裁を加えるための必要最低限の法的枠組みは必要なのではないか。
・消費者が、企業のプライバシーポリシーの確認等を行うなど、自己の個人情報を自分で管理するよう啓蒙することも重要なのではないか。
・行政機関が保有する個人情報について、機密性が高くなく、国民全体で共有することのメリットが大きなものについては、公開を促す方向で見直しを行うべきではないか

・個人情報の漏洩についての個人の不安感を解消するため、具体的な救済方策を検討することが必要なのではないか。
・望ましい個人情報保護のシステムの在り方については、包括的保護法、個別の法規制、自主規制の組合わせが考えられるのではないか。
・保護の対象を自動処理の情報に限るのかどうかを検討する必要があるのではないか。
・開示、訂正請求権等のアクセス権については、国の行政機関の電算処理情報保護法の際の議論を生かすことが可能なのではないか。

・委員間で、個人情報の定義についての基本的認識を合わせることが重要。
・法制度及び自主規制を適切に組み合わせることが必要なのではないか。そのためのいくつかの選択肢を明らかにすることが我々の役割ではないか。

・国際間の情報の流通についての議論の流れは、情報の自由な流通と個人情報の保護との整合性の確保という原則の下、民間における自主規制で対応すべき、また、できる限りグローバルスタンダードに沿った解決方法を望むというものではないか。
・個人情報の保護に関しては苦情処理機関の在り方が重要であり、民間も参画することによって実効性を高めるべきではないか。
・個人情報が流通することによる消費者のメリットについても目を向けるべきではないか。

・医療情報については、医師以外が保有することが増加していることもあり、刑法によって保護するだけでは不十分になってきている。
・個人情報の保護は分野によってその扱い方が異なるべきものであり、例えば、アメリカでは、医療分野における個人情報については州によってもその扱いが異なる。

・個人情報に対する国民の意識と事業者による現実の利用状況との間には、例えば名簿の売買のように格差がある。被害にあった場合の対策にも、情報の出所を調査したり、場合によって訴訟を提起するくらいしかない。やはり法律による保護が必要なのではないか。
・個人情報保護の目的は,国民の平穏な生活を守ること及び被害者の救済方策を確立することとすべきではないか。

・法律による個人情報保護は時代の流れであるが、現在の保護法制は不十分である。・個人情報の明確な定義が必要。内容やレベル、収集形態、蓄積形態による分類を行い、整理していくべき。
・第三者の不正利用に対する罰則が必要なのではないか。窃盗罪しか適用できない現行刑法では十分な対応ができないのではないか。
・先進国の取組を参考に、個人情報保護の適用除外(マネーロンダリング、クレジット情報など)についても検討を行うべきではないか。金融商品については、税の公平性の観点から、将来的には商品ごとに所得をトータルに把握することが必要ではないか。このため、金融機関が取引情報を開示することは、個人情報の保護から除外されるべきではないか。
・個人信用情報については資産・負債情報にしか焦点が当たっていないが、再定義して保護を図る必要があるのではないか。

・保護すべき情報の定義と併せて、罰則の検討を行うべきではないか。
・電子商取引などを推進するためにも、どの情報を入手してよいのか、よくないのかのフレームワークが必要なのではないか。
・米国等の例によれば、業界のガイドラインだけでは不十分であり、法律による罰則、第3者機関によるチェックも必要なのではないか。
・被害者の法的救済を容易とするための司法制度改革が必要なのではないか。

・個人情報の保護について一般的な保護の水準を決める必要があるのではないか。また、機密度の高い情報や漏洩時の被害が大きい情報については、学校教育において、ルール遵守を徹底させるための取組みも必要なのではないか。
・海外との整合性の観点から、OECD8原則に基づく法整備が必要。
・今後の議論の進め方について、各方面で既に議論の方向が定まっているものと、この部会で論点整理を行う必要があるものとに分け、立体的に組み立てることにより、効率的に行うべきではないか。

・消費者団体では、クレジット、NTTの番号通知等で個人情報への関心が高まっており、悪質商法の温床になっていることに危機感を覚えているところ。
・事業者と消費者の間では、保護すべき個人情報の範囲について食い違いがあるため、整合性をとる必要があるのではないか。
・本人が知らないままに事業者等に情報が蓄積されることもあるので、双方向性を担保するために、規制内容についてはアクセス権を拡充すべきではないのか。
・子供を情報収集のターゲットとする動きがあるので、論点として挙げていただきたい。

・情報公開法で開示の対象となるものは、個人情報の保護の対象から除外されるようにすべきではないか。
・本人情報の開示請求の利用状況は不十分である。本人情報の開示について、制度化を考えるべきではないか。
・特殊法人の保有する情報の開示に係る個人情報保護についても検討すべきではないか。
・大学入試センター試験の結果や医療現場のレセプト等、教育、医療の分野は個人情報の開示において先行していると考えられるため、この点も検証した上で検討すべきではないか。
・特別の監督機関についての検討に際しては、地方公共団体における審議会等の運用の実態も参考にすべきではないか。
・包括的な個人情報保護法が必要であると思うが、民間情報についてどこまで法規制できるか個別具体的に検討する必要があるのではないか。

・刑事罰との関係では、個人情報の侵害がどういう根拠で処罰できるのか、理由づけの検討が必要である。現状の刑法では、罰則があまりにも軽微ではないのか。
・刑事法の基本に関わる問い方をしてもいい。罰則は自主規制と相対的な関係もあるが、つきつめれば保護すべき個人情報の範囲につきるので、まずこの点の議論をすべきではないか。
・個人情報が侵害された場合にどのような問題が生じるのかについて、広く情報を提供していただきたい。

(次回の予定)
次回は、8月6日(金)14時から16時まで、総理府地下講堂で開催する予定。

*本議事要旨の内容については、事後に変更の可能性があります。また、詳細については、別途公開される予定の議事録で確認してください。