高度情報通信社会推進本部

個人情報保護検討部会(第1回)議事録


1日時:平成11年7月23日(金)9時30分〜11時45分
 
2場所:官邸大客間
 
3出席者:
(委員)堀部政男座長、礒山隆夫委員、大橋有弘委員、大山永昭委員、岡村正委員、開原成允委員、加藤真代委員、鈴木文雄委員、須藤修委員、西垣良三委員、原早苗委員、三宅弘委員、安冨潔委員
(政府側)小渕内閣総理大臣、竹島内閣内政審議室長、大澤内閣審議官

4議事

【竹島内閣内政審議室長】内閣内政審議室長の竹島でございます。座長が選任されるまでの間、進行役を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 ただいまから、高度情報通信社会推進本部個人情報保護検討部会の第1回会合を開催させていただきます。

 まず初めに、本検討部会に御出席をいただいております委員の方々の御紹介をさせていただきます。

 東京海上火災保険株式会社顧問で、また経済団体連合会情報化部会の部会長でもいらっしゃいます礒山隆夫委員でございます。
 明星大学人文学部教授の大橋有弘委員は少し遅れていらっしゃいます。
 東京工業大学教授の大山永昭委員でいらっしゃいます。
 株式会社東芝取締役上席常務、情報・社会システム社社長の岡村正委員でいらっしゃいます。
 国立大蔵病院病院長の開原成允委員でいらっしゃいます。
 主婦連合会副会長の加藤真代委員でいらっしゃいます。
 株式会社東海銀行専務取締役の鈴木文雄委員でいらっしゃいます。
 東京大学社会情報研究所教授の須藤修委員でいらっしゃいます。
 第一生命保険相互会社専務取締役の西垣良三委員でいらっしゃいます。
 消費科学連合会事務局次長の原早苗委員でいらっしゃいます。
 中央大学法学部教授の堀部政男委員でいらっしゃいます。
 弁護士の三宅弘委員でいらっしゃいます。
 慶応大学法学部教授の安冨潔委員でいらっしゃいます。

 それから、本日は御都合により御欠席でございますが、このほかに早稲田大学法学部教授の浦川道太郎委員にも検討部会の委員をお願いいたしております。

 さて、本日は高度情報通信社会推進本部の本部長でもいらっしゃいます小渕総理大臣に御出席をいただいております。議事に入ります前に、総理からごあいさつをいただくことにいたします。総理、よろしくお願いいたします。

【小渕内閣総理大臣】高度情報通信社会推進本部個人情報保護検討部会第1回会合の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。

 最近の情報通信技術の発展と経済・社会のネットワーク化の急激な進展の中で、多種多様な情報が国境を越えて自由に流通することとなり、プライバシー保護の必要性は内外ともに急速に高まっております。高度情報通信社会におきまして情報の自由な流通はもとより必要不可欠ではありますが、同時にプライバシーについては確実な保護が図られなければならないものと考えております。そのような意味で、今般、高度情報通信社会推進本部の下に個人情報保護検討部会が設置されましたことは、誠に時宜を得たことであると考えております。

 現在、国会におきまして住民基本台帳法改正法案の御審議をお願いいたしておりますが、その過程でも個人情報を適切に保護していくことの重要性が指摘されております。また、個人情報が大量に漏洩するといった憂慮すべきできごとも現実に起こっております。このような状況にかんがみ、私といたしましても民間部門をも対象とした個人情報保護に関する法整備を含めたシステムを速やかに整えることが喫緊の課題であると認識をいたしておるところでございます。

 本日、ここにお集まりいただきました委員の皆様は、個人情報の保護に関しては専門的でかつ優れた御見識をお持ちでいらっしゃいます。来たるべき21世紀において、国民の誰もが安心して高度情報通信社会の恩恵に浴することができるようなシステムを構築するため、皆様の御協力を心からお願い申し上げる次第でございます。

【竹島内閣内政審議室長】ありがとうございました。

【小渕内閣総理大臣】それでは、大変申しわけありませんが、よろしくお願いいたします。

(小渕内閣総理大臣退室)

【竹島内閣内政審議室長】それでは、議事に入るに当たりましてまず座長の選任をお願い申し上げたいと存じます。この件につきましては、委員の皆様方の互選ということでお願い申し上げたいと存じますが、座長にどなたか御推薦いただけませんでしょうか。

【礒山委員】本部会の座長は堀部先生にお務めいただくのが最もふさわしいのではないかと考えますので、御推薦申し上げます。

【竹島内閣内政審議室長】ほかに御意見ありませんでしょうか。
 それでは、堀部委員に座長をお願いするということで御異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」との声あり)

【竹島内閣内政審議室長】それでは、堀部委員に座長に御就任いただくことといたしまして、これからの議事進行を堀部座長にお願い申し上げます。

(堀部座長座長席へ移動)

【堀部座長】ただいま座長に選任されました堀部でございます。大変光栄に存じますと同時に、その職責の重大性、重要性を痛感せざるを得ません。

 私は、一研究者としましては40年近くプライバシーとか個人情報の問題について、断続的あるいは部分的と言ってもよろしいかと思いますが、いろいろ議論をしてきています。そのちょうど中間ぐらいの1970年代末に、OECD(経済協力開発機構)で個人データの国際流通について、一方では流通をどうするのか、自由にしていくのか、他方でプライバシーをどう保護するのかという流通あるいは利用と保護とのバランスをどうとるのかという議論が始まりまして、1980年にプライバシー・ガイドラインが採択されました。それを基に、日本でも行政管理庁でプライバシー保護研究会が開かれるようになりまして、その会にも出席いたしました。その後、OECDのガイドラインを国内でどう具体化するのかということを、いろいろな省庁で検討されるようになりまして、そのまとめ役も務めてまいりました。

 今回は各省庁にまたがる問題を扱うことになりますので、これは大変重要な任務ではないかと考えます。幸い、各界各分野でそれぞれ第一線で御活躍の方々が委員に選任されました。微力ながら全力を尽くしますので、よろしく御協力のほどをお願いしたいと思います。

 それでは、続きまして本検討部会の開催の経緯につきまして、大澤審議官から御説明をよろしくお願いします。

【大澤内閣審議官】内政審議室の大澤でございます。それでは、私の方から簡単に、本検討部会の開催経緯等について御説明させていただきます。

 まず、資料1をごらんいただきたいと思います。この検討部会は、高度情報通信社会推進本部の本部長である小渕総理の決定を受けて設置されたものでございます。高度情報通信社会推進本部とその下に置かれております有識者会議については、それぞれ資料2、資料3をごらんいただければと思います。

 それから、資料4をごらんいただければと思いますが、本検討部会のテーマでございます個人情報保護におきましては、まずこの高度情報通信社会推進本部の下に設置されて、本日も御出席をいただいております大山委員に座長を務めていただきました電子商取引等検討部会がございまして、それが昨年の6月に取りまとめた報告書の中でプライバシー保護の必要性を強調しております。

 これを受けまして、昨年の11月にプライバシーに関するこの報告書の記述をほぼ全て取り入れる形で、高度情報通信社会推進本部の場におきまして「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」が決定されました。資料5はそのうちプライバシー保護の部分のみを抜粋したものでございます。

 そして、この基本方針に基づきまして本年の4月、具体的な政策として資料6にございますアクションプランを取りまとめております。このアクションプランの一番最初に「個人情報の保護の在り方を検討するため、平成11年中に高度情報通信社会推進本部の下に検討部会を設置する」ということが書いてございますが、本日の検討部会はこのアクションプランの中に盛り込まれた措置でございます。

 その後、先ほど小渕総理からも言及がございましたとおり、住民基本台帳法改正法案を国会で御審議をいただいております。その審議過程におきまして、住民基本台帳ネットワークの実施に当たって個人情報保護措置を拡充する必要があるということが強く認識されることとなりまして、自由民主党、自由党、公明党・改革クラブの3党間で、個人情報保護に関する法律につきまして、資料7のとおり「今国会中に検討会を設置の上、法制化の検討に着手し、年内に基本的枠組みの取りまとめを行い、3年以内に法制化を図る」という内容の確認書が取り交わされております。この3党による検討会は6月23日に第1回の会合が開かれまして、これまでに既に3回ほど会合を持っております。

 このような動きに対しまして、政府としても資料8の小渕総理の国会答弁にございますように、「民間部門をも対象とした個人情報保護に関する法整備を含めたシステムを速やかに整えること」としております。その際は、先程の3党の合意も念頭に置いて取り組んでまいりたいと考えております。委員の皆様方におかれましてもこの点を御理解いただき、御協力をお願いします。

 以上が、本検討部会開催の経緯でございます。

【堀部座長】ありがとうございました。ただいま検討部会開催に至る経緯について御説明いただきました。御質問等あろうかと思いますが、後でお伺いしていただきたいと思います。

 引き続きまして、本検討部会の運営方法等について御意見を伺いたいと思います。その点につきましても、大澤審議官から御説明をお願いしたいと思います。

【大澤内閣審議官】本検討部会には議事規則といった厳格なものはございませんが、私どもでお手元の配布資料の中の「個人情報保護検討部会開催要領(案)」をとりあえず準備させていただきました。

 この中で特に御説明をしておく必要があるのは「3.運営」の中の(3)の「部会は非公開とする」という項目でございます。これは委員の皆様に自由かつ活発に御議論いただくという観点から、とりあえず入れております。

 他方、その2枚後に用意してございますが、昨日朝日新聞社社会部の記者の方から内政審議室に対しまして、本部会の傍聴を希望する旨の委員の皆様あての書面を配布していただきたいという依頼がございました。また、その書面の中で言及されております閣議決定の中身についても添付してございます。「審議会の整理合理化に関する基本的計画(平成11年4月27日閣議決定)」より抜粋したものがお手元の資料にあるかと思いますが、その(4)Aには、「会議又は議事録を速やかに公開することを原則とし、議事内容の透明性を確保する。なお、特段の理由により、会議及び議事録を非公開とする場合には、その理由を明示するとともに、議事要旨を公開するものとする」とございます。

 このような状況を踏まえ、@ABの選択肢をお示ししたメモを配布しておりますので、それをごらんいただければと思います。一般論として申し上げれば、このメモにありますとおり、選択肢には大きく言って3つあるかと考えております。

 まず、1つは部会自体を公開とするという選択肢でございます。

 それから2番目に、部会は非公開とするが、委員お一人お一人の御発言を発言者の名前を付して記述した議事録を委員のチェックを受けた上で公開するという選択肢でございます。

 それから3番目の選択肢としましては、部会自体及びその議事録については非公開とするが、発言者の氏名を付さない形で議論の簡単な概要を記述した議事要旨のみを公開するという選択肢でございます。以上の3つの選択肢があるかと思います。

 なお、議事要旨についてはBのみで言及しておりますが、プレス等に向けた広報用資料として、事務局で発言者の氏名を付さない形の簡単な議事要旨を作成することは、@Aのケースでも同じでございます。議事要旨は、座長の御承認を得た上で、官邸のホームページに掲載し広く一般に公開することにいたしたいと思います。ですから、@の部会自体を公開した場合でも議事要旨についてはBの場合と同様に作成する予定でおりますので、この点補足して説明させていただきます。

 それでは恐れ入りますが、委員の皆様方におきまして、この点について御議論をいただきたいと思います。

【堀部座長】それでは、部会の運営について、御自由に御意見をお出しいただくのがよろしいかと思います。

【原委員】私が所属しているいろいろな審議会などがありますけれども、今は原則ほとんど公開ということでやっておりまして、ここでも開かれた議論ということで公開にして皆さんに聞いていただいても私自身は構わないし、やはりその方がいいのではないかなと思いますけれども。

【加藤委員】今おっしゃったのは@のケースだと思うんですが、Aにする場合には時間がどうしても掛かりますので、記者の皆さんが議事録を見たり、あるいはそれがまたマスコミを通じて外に出るまでに大変新鮮さが失われると思うんです。また、3番目についても、みんな責任を持って発言しているので、ここまで言わば委員のプライバシーを保護する必要があるのだろうかと思いますので、私は@に賛成いたします。

【三宅委員】実は私は昨年、東京都の「情報公開制度の在り方に関する懇談会」に委員として出させていただきまして、そこでは一応懇談会は公開し、議事録については速記録を起こした段階で発言をした各委員に送付をしてチェックをする。そうしませんと、時々数字が間違ったり、固有名詞を間違ったり、それから何か当てずっぽうで言っていたところがある場合も考えられますので、もう一回議事録をチェックするということをいたしまして、それを次の委員会ないし2回ぐらい後の委員会、なるべく早い委員会で冒頭承認をするという形でさせていただきました。それがホームページに掲載されていまして、今でも東京都のホームページを開くと自分が何を言ったかというのが出ているんです。

 それは今回はまだ議論になっていませんので置くとして、少なくとも議事録につきましては、情報公開法の5条5号により、率直な意見交換を不当に損なうか、意思決定の中立性を不当に損なう、また不当に国民に混乱を及ぼすというようなこと、それから不当に特定の者の利益、不利益になるというようなことがない限り、原則公開ということにこれからはなりますので、恐らくこの議事録も情報公開法が2001年に施行されると公開の対象になりますので、一応それを心掛けて、議事録についてはそういう取扱いをしていただければと思います。

 議事要旨については即効性ということも必要でしょうから、事務局の方で要旨をまとめられて早目に公表されるということであれば、それはそれとしてまた別途取扱いは可能だと思います。

【堀部座長】そうしますと、会議自体についてはどういうふうにいたしましょうか。

【三宅委員】会議自体は、「審議等の整理合理化に関する基本的計画」という平成11年4月27日の閣議決定で、会議は一応そういう形で何か問題がない限り公開ということになると、やはり会議を速やかに公開することを原則にしたということで、特段の不都合、特別の理由がない限り、公開ということにしていただくのが原則ではないかなと思います。

 ただ、場合によって何か非常にプライバシーに関わるようなことを議論して、それが委員限りで議論しなければいけないようなことがこの個人情報保護検討部会ではあるかもしれませんので、それはその時座長に諮っていただいて、特段の理由により非公開とする場合の理由の明示の形を随時検討するということでいいのではないかと思います。

【堀部座長】ただいま3人の委員の方から公開という御意見が出ておりますが、ほかの委員の方はいかがでしょうか。

【竹島内閣内政審議室長】差し出がましくて恐縮でございます。これは委員の先生方がお決めになることでございますが、事務局をあずかる内政室として御参考までに申し上げますが、今それぞれの先生方がおっしゃったとおり、ほかの審議会で公開しているものももちろんございますし、また議事録の扱いについては、今、三宅先生のおっしゃったとおりでございまして、いずれにしても議事録には2、3週間はどうしても掛かるということでタイムラグがございます。ただ、議事要旨はすぐお出しし、ホームページにもお出しをするということでございます。議事録がいずれ情報公開法の対象になるというのはおっしゃるとおりでございますので、そういうことで文書は全部おしなべて情報公開するということでございます。

 後は、会議自身を公開するかどうかはまさに先生方の御意見ですが、やはりマスコミが入ってきて、それも一部の関心のあるマスコミだけが入ってくるというようなこともあり得る。そういうところで御議論をこれからいただくわけですが、実際にその現場をみんなが聞いているところで自由に御発言しやすいかどうかという、まさに先生方のお気持ちがあろうかと思います。事柄から言って決して隠したり何かすべきものではありませんで、節目節目できちんとしなければいけませんし、国会の方も関心を持っておりますので、途中でやはり国会の方からもどうですかというようなお話もあり得るテーマでございます。後は、次元が違うお話かもしれませんが、先生方の御議論が自由闊達に行われやすいのはどちらかということも、その審議会、審議会で御議論をいただいて決めていただいているというのが一般的なことでございます。

 それから、これは更に次元の落ちる話で恐縮でございますが、物理的な問題もございまして、次回以降は総理府の方の会議室を使わせていただきたいということでございますのでよろしくお願いいたします。

【西垣委員】私はこういう部会の委員を初めて仰せつかっているので要領等がよくのみ込めていないんですけれども、今もろもろ御発言の内容を拝聴いたしますと、最初からすべてが公開ということではなくて、発言の自由を保障するという言い方は変かもしれませんが、しばらくは非公開で議事は公開という格好にして、問題なく積極的に各委員が発言できるなということが確認された段階で公開にすることは極めて違和感があるのでしょうか。最初から公開又は非公開という、二者択一しかないということなんでしょうか。

【原委員】逆はありますね。最初は公開で、最後の報告をまとめる1回か2回を非公開とするというようなことはあります。

 それで、私自身は、今年度中にある程度の枠組みを出されるということであれば、発言がしにくいとか何とかという状況というよりはむしろ、もしもそれぞれの委員の中に、本当にこういうことでは困るとか、こういうふうに考えてほしいということがおありでしたら、それをオープンにされた状況で発言をなさって世の中に賛否を問われるぐらいのお気持ちで発言をしていただきたいという感じはいたします。内々だけの話ではないという感じがいたします。

【鈴木委員】私は全銀協の業務委員長になっておりますけれども、銀行というのはいろいろな情報提供、例えばマスコミの対応が非常に多いんですが、公開とした場合、やはり少し問題があるのかなと思います。記者の皆さんの把握の仕方で大分会議の内容のトーン自体が違ってくるわけです。幾ら議事録を出しましても、ウェートの置き方が非常に違うと誤った報道になる可能性があるという感じがいたします。

 それで、私は、会議自体はむしろ非公開にすべきであると思います。2番目の案にありますように、発言者の名前で責任を持つということは当然のことなんですけれども、やはり議論が行ったり来たりすることも結構ありますし、そのための修正とか、そういう意味ではなかったんだとか、結構手間暇が掛かるわけです。やはり解釈の違いというんでしょうか、事実誤認が結構ございますので、なるべくならば会議は非公開とする2番目の案が一番妥当かなと思います。

【加藤委員】私はいろいろな国の審議会や何かに出させていただいておりますが、どんどん公開になっております。物理的な場所の問題があると、今、内政審議室長はおっしゃいましたけれども、やはり広いところを探せば体育館もあるぐらいですし何か方法はあるんです。本当にみんなに聞いてもらおうと思えばですね。

 私は長いこといろいろな審議会にお邪魔して、非公開の窮屈さと、後の世話の大変さということに非常に疑問を持っております。と言いますのは、傍聴に来られないものですから憶測に基づく質問があちこちから来て、その始末というか、状況の説明をする。しかし、会議そのものは非公開ですから、誰がどう言ったというようなことは絶対に言えない。このジレンマの中で記者の皆さんと対応すると、出てきた記事というのはむしろその場にないとんでもないものになってしまう。

 そして、ここで今私が話していることですら、それぞれお一人お一人の胸の中に落ちるものは違うのですから、各記者さん、あるいはその社のトーンによって取扱い方が違っても、これはまた国民が判断すればいいことであるので、子どもの世界ではありませんし、国際社会に通用するような日本人として公開を原則にしていただきたいと思います。

【堀部座長】もう少し御意見を出していただいて、最終的には@ABのどれにするかという形で決せざるを得ないかと思います。

【加藤委員】鈴木委員がおっしゃったように、非常にデータ的に大事な部分ですとか、そういうことがある場合は、三宅委員のおっしゃったような方法で非公開にするようなことがあってもこれは差し支えないと思いますが、原則は公開で、例えば記者に対して不誠実さを心配するのでしたら、事前にその社ではだれが責任を持って出るということをきちんと出していただいて入っていただくという方法もあろうかと思います。

 というのは、ちょっとつまみ聞きに来て、主婦連の女の委員が何か言ったとか、そんなファッショを書かれたりするようなことでは大変困る。本当に国民の人権の問題を取り扱っているまじめな場として記者の皆さんにものぞいていただきたいと思います。

【大山委員】今ここで考えなければならないのは、実態というか、現実にどうやるのかという話であると思います。そういう意味では、部会自体を公開することを原則とすること、これはすごくよく分かりますし、私も公開が良いと思うのですが、公開をする以上はどなたにも見ていただけるチャンスを与えなければならないと思うのです。マスコミの人だけの話をするわけではなくて、どなたにも見てもらう必要があります。堀部先生も御一緒でしたけれども、衆議院地方行政委員会の様子は全部放送されています。あれは非常に良いと思います。ああいう形に残ってくれれば何を言っていたかは明確になりますが、そうではなくて、一部の方に自分の都合の良いとり方だけをされることが困るのです。それが公開によって更にそういうことが起きるチャンスが増えるとなると、内政室長が言われたように発言しづらくなることは現実にあると思います。

 一方、本来公開であるのであれば、その精神については、まさしく皆さん方が言われている話に全く異論はなくて、本当に大事だというのであれば、放送していただくことぐらい考えたら良いのではないかと思うのです。

 すなわち、どこかに記録を残すのでも良いのですが、後で見ていただけるようにしないと、その場に出ている方だけが得た別の情報になってしまうことがあります。また、議事録の方は当然紙になって残りますから、これはもちろんこれで結構なのですが、不適切な発言というよりも、先ほど委員の方からお話がありましたように、どうしても間違って言ってしまうときはあるので修正が必要になります。これを全部完璧にやれと言われると多分しゃべれなくなると思います。今までの経験からもそうですので、そこは一部修正をさせていただくチャンスを残していただきたいと思います。

 会議自体を公開にするのであれば、体育館でやる話はあれかもしれませんけれども、ちゃんとどこかに記録を残していただくような形で取って、外に出したらどうかと思います。

【礒山委員】私も公開でいいと思うんですけれども、ほかの審議会などで見ていますと、やはり物理的な場所の問題もあので、前日の12時までとかに名前を登録してもらっているんです。それがあるキャパシティーを超えると、悪いけれどもお断りという感じでいきまして、やはりオブザーブする人もそれなりに自分の名前を名乗ってきちんと来てもらうという形をとっています。

 それからもう一つ、公開はいいんですけれども、先ほどお話がありましたように、具体的な中身の論議に入ったときに、本当に言葉じりをとらえられて報道されるというのは嫌だなという正直なところがございます。そのところはマスコミの良心に訴えるしかないのかなと思います。

【三宅委員】いろいろ御意見はおありかと思うんですが、会議は原則公開という1995年の閣議決定がございますが、今年の4月27日の閣議決定もそれが原則なので、一応原則に従ってしばらくやってみて、率直な意見の交換ができないとかというような事情が出てくるようであればもう一回見直してみる。そうじゃないと、どんな議論をこれからやるのかまだ分からないところですし、私もこの委員会は初めてでお顔を拝見するのも初めての方が多いので、閣議決定に従って原則それでいって2、3回後にもう一度見直すような形でやってみるのはいかがでしょうか。

【西垣委員】今、三宅委員から御発言があったんですけれども、配布されました今年の4月の閣議決定では「会議又は議事録を」とある。これは選択肢として並列されているのではないのかなと私は理解しました。したがって、会議か議事録かということですので、先ほど鈴木委員が言われましたように、考え方としては@ABの選択肢のうちAであってもこの閣議決定の考え方を尊重していることになるのではないかと思います。

 また、これも三宅委員が言われましたけれども、実際にいろいろと検討といいますか、云々の過程の中で、これは堀部座長にお聞きした方がよろしいのかもしれませんが、例えばマスコミ自身による情報の取扱いというようなことがテーマになったときというのは、公開されていると誠に発言がしにくいというのが現状なんだろうなと思います。いつのタイミングでそういう話になっていくのかというのは今のところ全く分かりませんので、今日はマスコミの話は一切なしというような部会の展開はいかがなものかなという感じがいたします。

【岡村委員】今までの御意見の中で、特にマスコミだけが公開の対象ではないということに着目すべきだと思います。この個人情報の本質的な問題として、やはりデータの自由な流れということになりますと利害関係者が大変多い。そういう中で、利害関係者を一堂に後ろに回してここで議論をするということは、議論の筋を少し曲げてしまう可能性があるという心配をしています。したがって、この2番のとおり、議事録をしっかり残すということで運営されるべきではないかと感じております。

【開原委員】私は、自分の経験から公開をしても構わないと思っております。私は今までも実際にマスコミの方やそれ以外の方も傍聴する中でいろいろ会議をやったこともございます。事前には、混乱するのではないかという危惧の念がそこでも表明されたこともありましたが、実際にやってみると、確かに細かい点で多少の問題がないわけではないんですが、それほど大きな問題は少なくとも自分の経験からすればなかった。そうすれば、やはり原則に従ってまずは公開を原則にして、ただし例外はもちろんあって、例外の方で非公開というのがあっても構いませんが、原則は公開ということで私はいいのではないかと思っております。

【大橋委員】私も、個人的には議事録だけではなくてこういう場で自分の発言が公開されることは一切構わないのですけれども、西垣委員の話をもう少し拡大していきますと、今日はマスコミだからマスコミは遠慮してください、次のときは何だと、その都度、公開、非公開という方法でやるのも、運用上また妙な話ではないかと思います。話によってはマスコミに及ぶことだってあるかもしれないし、その都度制約を設けるのは難しいと思います。

 そういう意味で、私は、2番目のそれぞれの発言が公にされる、議事録できちんと残る、しかもチェックを受けた上でというのが前提とされ、部会の公開性という実質的なことが担保されればいいのではないかと思います。

【大山委員】確認したいのですが、ここで言っている議事録というのは速記録ですよね。ということは、しゃべった内容はそのまま全部落ちているんですよね。ですから、そこら辺はひょっとすると我々みんな委員の中で認識が合っていないかもしれないなという気が今したんですけれども。

【竹島内閣内政審議室長】議事要旨はまさに文字どおり要旨でございましてお名前も書きませんが、それはすぐに出す。一方、議事録はまさに議事録でございまして、速記録に近いものでございます。

【須藤委員】私も、大山委員のおっしゃったことと大体同じことを考えています。公開するならばあらゆる方々に公開するべきである。それが原則だ。ただし、いろいろな制約がございますので、現実的には2番の在り方でよろしいんじゃないかと思います。議事録を見ていただいた方が、正確な把握をしていただけると思うんです。

 というのは、1つは会議場で発言した場合、誤って発言したり、勇み足をする可能性もあります。後で訂正したいと思ってもそれでいろいろなことを言われると、後で真意は違うということでまた釈明もしなければいけないし、あるいは誤ったことを言った時点で報道されたり、いろいろな人が聞いてレッテル張りされたりする可能性もある。それから場合によっては、この会議がどういう形になるか分かりませんけれども、ある審議会の委員などに聞きますと、これは扱っている事象にもよりますけれども、脅迫の手紙が来たり電話が来たりすることもあるということになりますと、なかなか発言しづらくなると思います。

 したがいまして、基本的には2番のやり方でよろしいのではないかというふうに思っています。

【安冨委員】先ほど三宅委員もおっしゃいましたけれども、本年の4月の閣議決定の原則に従えば「又は」とありますけれども、会議の公開はあってもいいと思うんです。会議を公開にすることと議事録の公開というのは本来、性質が違うと思いますので、会議の公開はできると思います。この会議においてどういう方向で進むかがよく分かりませんから、公開、非公開と言われてもちょっと判断に困るところがあるんですけれども、基本的などういう在り方をすべきかというような話のときには、公開されても私は何ら問題ないだろうと思います。

 ただ、公開といってもどの範囲で公開するか、まさに大山先生がおっしゃるように、マスコミの方だけに公開をするのか、それとも全部どなたでも来たい方にはどうぞという形での公開にするのかということになりますと、これはちょっとまた議論が違ってくるので、その意味では、私は、マスコミの方が伝えられる、報道されるという意味での取材にこたえるという限度での公開でよいのではないかと思います。どなたでも来られるというのは、確かに公平なように見えますけれども、それは物理的には不可能な場合もあるでしょうし、場合によっては若干心理的な負担を感じることもあるでしょう。また、やはりどういう方が来られているかが我々も分かった形で進められる方がいいと思います。マスコミの方に傍聴していただいても一向に差し支えないと思います。

 ただ、先ほどから何人かの先生方からもお話が出ておりますけれども、例えば非常に具体的な話になって、個別の個人情報が取り扱われる場合もあると思うんです。そのときはやはりこれは非公開にせざるを得ないので、会議の進め方としては原則公開という基本計画に従って、それを広くお伝えするという意味ではマスコミの方に入っていただいて、個別の具体的な個人情報にかかわるようなときには非公開にするというような形での進め方でよいのではないかと思います。

 それから、議事録の話と議事要旨の話は会議自体の公開とはちょっと議論が違うと思うので、議事録は先ほどからおっしゃっておられるように残るものですから、言い間違い等々、訂正をしなければいけない部分もあると思います。そういう意味では2で部会は公開するという案もございます。それから、議事要旨については速やかに公開していただくということでよろしいかと思います。○須藤委員私は2番の案でいいと言ったんですけれども、マスコミとの間でコミュニケーションを確保しなければいけないと思いますので、会議が終わった後、委員長に会見を開いていただいてコミュニケーションをとっていただくということをやっていただいた方がいいと思います。

【堀部座長】どういたしましょうか。@がやや多いようですが。

【鈴木委員】個人情報と言いましても皆さんの認識はお互いに違うと思います。例えば、個人情報の中で信用情報についても、今は金融資産・負債情報だけに焦点が当たっていますけれども、個人信用情報というのはもっと広範にわたるものであり概念のとらえ方がみんなそれぞれ違うわけですね。こういうまだある程度漠とした段階でマスコミに入っていただいたときに、やはりそれぞれ皆さんが認識の度合いが違う段階の発言について、金融機関の代表がこんなことを言っていたとか、産業界の代表がこんなことを言っていたとかという格好で言葉じりをとらえられて、議事録より先にそちらが記事になってくるとなると、須藤委員がおっしゃいましたように、後から座長にコメントをしていただいても、結局曲がった格好ですとんと記事になってしまうというおそれがあり、初めに曲がると大変なことになるのかなという感じがします。自由にしゃべれないようになってしまうと、それだけを懸念しているわけでございます。

【西垣委員】個人情報の定義そのものというのが、多分これからこの部会で検討されていくんだろうと思うんです。そういう過程の中でいろいろと検討が進められていくと、だんだんと委員の共通認識というのもできてきて、言わば同じ土俵の上での判断というのができるのではないか。

 ただ、今の段階ですと、鈴木委員が言われたように、それぞれがそれぞれのお考えの下でということになりますから、そこで答えを出すというのはそれなりにやはりリスクがあるという感じがします。

【堀部座長】それぞれ意見が出てまいりましたが、もう少し他の方の意見を聞いて第2ラウンドで何かあればと思います。非常に重要な問題ですのでやはり議論をある程度尽くしてから決めた方がいいと思いますが、いかがでしょうか。1番の意見の方の中にも、特に議事録との関係などを言われている方もいますが。

【原委員】ほとんどの方の御発言をお聞きしましたが、やはり私は1番の原則公開で構わないという気がいたします。お話の中にはマスコミだけに限ったような公開なのか、それとももう少し広くかというのがありましたが、広くとすれば範囲が広がり過ぎてということがありますが、食品衛生調査会は広くやっているんですね。公募して、応募者多数の場合は抽選という形で、面積というんでしょうか、お部屋の広さに応じた形での抽選という形でおやりになっていらっしゃるので、それはやりようかなと思います。

 ただ、実際に公開にしたときには一般の方で来るという方はなかなかなくて、報道の方が多いという形にはなるかと思います。リンクされたりとか、誤報という形で出るのを非常に懸念をしていらっしゃる御発言が多いんですけれども、ただしそういった形で出た場合もまた次の回でこの場で、ああいった記事が出るのは私どもとしては心外であるとかという発言の場も確保されているわけですから、私自身は個人情報については非常にみんなが関心が高くて国民一人一人の問題だというふうに思いますので、その都度情報が開示されて議論が起こることを期待したいです。

 議事録というもちろん2番の案もあるんですけれども、私が所属しているような審議会では議事録というのは2、3週間とおっしゃったんですが、とても2、3週間でまとまらずに2、3か月ぐらい遅れて、ほとんど中間取りまとめが出たのにまだ議事録が半分ぐらいまでしかいっていないというような状況もありまして、議事録というのもタイムリーという意味ではすごく後手後手になり、記録保持みたいなところでは役には立つのかもしれませんけれども、そのときそのときの議論には間に合わないというところがありまして、今回のこの会自体も一応年内ということであれば、もっと情報をオープンにするというところは早い段階で行われた方がいいというふうに感じます。

【堀部座長】竹島室長、総理府の方の部屋は前に高度情報通信社会推進本部の電子商取引等検討部会などで使いましたけれども、あれしかないのですか。

【竹島内閣内政審議室長】実際問題としてその都度変えるのも大変でございますので、総理府本府の建物がこの官邸の向こう側にございまして、その3階の会議室を使わせていただこうと思っております。

 私どもが事務局をしておる審議会とか懇談会でも、公開しているものもございますし、そうでないものもございます。公開というときは、実際はマスコミでございます。後はそれぞれ委員の方々が、助手の方を連れて来られるということはございますが、一般国民となりました場合には管理の問題も実はございます。どういう方かというのを調べませんと、いいですよと言ってみんなに公開となると、本当に庁舎管理の問題まで起きかねませんので、そういうことから言って実際問題、公開の場合はマスコミだけということになる。あとは随行者みたいな形になるということかと思います。

 それから今、御提案のあった、座長がその後すぐ記者会見、ブリーフをされるというのもよくあることでございます。

【三宅委員】今の本人確認というんですか、まさに個人情報みたいなことになりますが、例えば委員の推薦とか、何かそういうような形で事実上公開だとすると、椅子は幾つくらいあるんでしょうか。

【堀部座長】かなり狭い部屋です。ここの半分ぐらいの感じです。

【三宅委員】そうですか。そうすると、事実上公開という議論をしていても入ってくる人数がかなり限られるんじゃないかと思うので、マスコミの方でも事前に前日までに登録していただくとか、それから傍聴人については、原則公開だけれども部屋のスペースの問題があるので、一応委員の推薦というか、随行の者と別扱いに多分なると思うんですけれども、そういう者を調整するなりで、実情そういうような形がとれれば余りリンクされたり、変なところで漏れるという問題は当面なくなるんじゃないかと思います。

 それから、1995年の閣議決定事項はたしか基本的に会議の公開についてのものだったように記憶しているんですけれども、不都合な点として先ほどプライバシーの問題が出ましたが、私も企業の法務相談をかなりやっていますと、個人情報ではデータ流出の相談を受けたりするんです。余りそういうものを出しにくいことも多分出てくると思うので、そういうときはそれなりに、次回は非公開でというようなこともあってしかるべきではないかなと思っておるんですが、閣議決定事項が原則公開ということであれば、それにのっとってやりながら随時調整していく。それで、スペースの問題もありますから、推薦制なり何なりをとって、余りどっと押し掛けられて部屋に入れないとか、立ち見になって囲まれるというようなことのないような裁量を座長さんにお願いするというような方向で、余り原則公開にならないかもしれませんけれども、実質的には公開が図られる方向になるべくした方がいいんじゃないかと思います。

【加藤委員】むしろ非公開による誤解されての脅迫みたいなことの方が、私としては体験上あります。あれは公開しておいていただいた方が、そんなことを私は言ったのではなく、こうこうだという真意で丁寧に説明ができただろうという体験もあるので、レッテル張りされるという御心配をどなたかおっしゃっていたけれども、もともとある種の偏見なり先入観を持って世間というものは動いているので、それをどのように自分を自分らしく見せていくかということはまさに人生のみんなが闘っているんだろうと思うんです。その場合に、自分の闘う公的な場で大勢の人の利益のためにしていくという、そのくらいの覚悟で私はこの委員は皆さん臨んでいただきたいなと、そんなふうに存じます。

 ですから、公開によるいろいろなプレッシャーとか何かを感じる以前に、非公開によるプレッシャーもあるのだということを考えると、公開による国民の気持ちの明るさの方を求めたい、選択したいというのが私の意見です。

【大山委員】スペースの問題というのは確かで、電子商取引をやっているとき、あの人数で回りの方が来られるとかなりいっぱいという感じになりました。

 それはそれとして、先ほど私が申し上げた中で放送したらなどと言ったのはかなり重くとられたかもしれないので、もう一回具体的な手段として申し上げます。私は普通の8ミリのビデオでも何でも良いのですが、持ってきて撮っていれば良いと思います。それを残すことがまず第一で、それをどうやってほかの人に見せるかというのは、例えばインターネットで見せるようにするとか、幾らでも方法はあるのです。

 公開ということがリアルタイムで公開しなければいけないのか、少し遅れても残しておいてちゃんと出てくるようにすれば良いのかというのは違うと思います。リアルタイムでやろうとすると本当に大変な器材が必要で、それからスペースも広いところが必要になってしまうのです。ですから、私はそこは現実解として、先ほど放送と言ったのはそういう形での記録を例えば残して、いつでもほかの人に見ていただけるように、それでその撮っている内容は顔がアップで映るとか、そんなことはないのですが、この会議を本当にどこかにカメラを置いておいてずっと撮っているだけで、しゃべっている内容は全部入りますので、それぐらいでも私は公開の意味はあるのではないかと思って申し上げたということです。それ

【堀部座長】その器材をそろえるというのはどうなのでしょうか、難しいと思いますが。

【大山委員】それは普通の放送と違いますからものすごく簡単な話だと思います。関係する方もおいでと思いますが。

【竹島内閣内政審議室長】どこかにビデオを撮れる人間はいると思いますけれども。

【大山委員】というか、全部入るようにカメラを置いておけば良いわけです。それだけであると思うのです。あとはマイクで取っていますから、ちょうどそちらにも音が入るようにすれば良いわけで、それをウェッブの上に乗せるかどうするかというのが、どこのウェッブに乗せるかとか、リアルタイムに流すだけにするかとか、それはまだありますが、多分礒山さんのところだったらいろいろおありではないでしょうか。どこが良いのか分かりませんが。

【礒山委員】社内ではやっています。社内では公開していますから。

【原委員】すごく現実的に考えると、非公開ということにしてしまって2番を取って、それで朝日に伝えたら、それが大きな新聞記事になるような気がするんです。そのリスクの方が大きいような気がします。三宅先生がおっしゃられたように一応原則公開でスタートしてみる。それで、やはりその論議の流れの中で非公開の部分が出てくるとかというふうになったら、その都度座長の方で判断していただくということの方が賢明ではないか。私は、公開を求めることについて新聞記者の方が希望を出されているのを初めて見ましたので、これを断ったら結構大きな記事になるのではないかなという気がするんです。

【西垣委員】でも、今回は公開、次回は非公開、また次は公開、また次は非公開というのは現実的には大変難しいことなんだろうと思います。なぜ今回は、あるいは次回は非公開なんですかという、そこの説明というのが果たしてできるんだろうかというふうに考えます。

【三宅委員】それをおっしゃるとしたら、それは率直な意見交換が損なわれるかどうかを具体的にはっきりおっしゃらないと非公開の理由にはならないと思います。ですから、むしろ明確に次回は非公開でやるということを決めて、なぜならばということで次回のテーマからすればこれは意見交換をしたり、意思決定の中立性を不当に損なうということがあるということで、それで明確に非公開にする方がすっきりします。

 それがそもそも情報公開法の今回の基本原則になっており、今、国は変わろうとしているわけですから、そこのところはやはり企業のこともいろいろこれから出てくると思いますけれども企業の方もディスクロージャーと割り切って、それから脅迫があったら会議で言って、こんな電話があったけれどもこれはけしからぬから今度は非公開でやってくださいということを言いましょう。私もそれはフランクに言うつもりですから、やはりその辺は意思決定の中立性を損なったり、意見交換を損なうということはあり得ると思うので、そのときは一回一回やるというようなルールメーキングは国際社会のルールだと思いますので、そういう方向で我々も訓練をしていかなければいけない時代かと思います。

【鈴木委員】おっしゃる意味はよく分かるんですけれども、一応この個人情報が体系的にどこまでというのがきちんと決まって、お互いにいわゆる概念というのはこういうことだなというところが決まる前に公開となると、議論が錯綜すると思うんです。今まで各委員から出ているいわゆる信用情報という概念、これについてはちょっと私も違うと思うんです。もっと大きくとらえています。いわゆるその体系が固まってから公開と言うならば分かるんですけれども、その前に錯綜した段階の公開というのはいかがだろうという感じが私はしているんです。特に何か一つの決まったテーマというんですか、もう少し明確に範囲までが決まった後だったらいいんじゃないかなと思います。

【加藤委員】それを言い出すと、すべてのレベルのところで錯綜が起きると思うので、その御心配はむしろしても無意味と言っては失礼ですが、次のレベルが待っていると思うんです。そうすると、全部非公開の話になっていってしまう。そんなに恐れることはないのではないかと思います。

 では、さっき原さんが非公開によるリスクというのもとおっしゃいましたが、私もそこのところをすごく考えて、非公開によるメリットは何なのかというとみんなが自由に発言できると一般的には言われていますけれども、それほど人に聞かれたら物が言えなくなるほど皆さん気弱でも子どもでもないんじゃないかと思うんですけれども。

【須藤委員】実は情報公開法について計画行政学会の政策評価研究会というところで総務庁の方をお招きして情報公開のメリット、デメリットについて議論したんです。加藤委員がおっしゃることはよく分かります。それで、一つマイナス要因として、三宅委員がおっしゃいましたけれども、具体的な名前を出せないということがある。そうすると、お互いに理解が深められないという場面が時にあり得るんです。そのときは三宅委員がおっしゃっていただいたように、そのような議題を扱う場合については明確な理由書を出して非公開にする必要がある。

 それからもう一つのデメリットは、創意工夫のある、クリエイティブな意見というのは、意外と常識的ではない発想から出てくるんです。慎重になるために常識の線に合わせて発言すると、ブレイクスルー的な発想が出てこないというデメリットは否めない。それについてもいやそんなことはないという研究者もいらっしゃいますし、いやそうだとおっしゃる研究者もいらっしゃる。だから、そこら辺がまだよく分からないということなんです。もちろん、加藤委員がおっしゃっている趣旨はよく分かります。

【堀部座長】大分この運営方法について議論をしていますので、大変難しい決定を迫られていますが、その数から座長として判断いたしますと、原則公開で進めて、いろいろ支障が生ずる場合は非公開にするということでいかがかでしょうか。原則公開と言いましても先ほどから言っていますように物理的問題もありますので、そういうところを事務局にきちんと検討していただいて、だれもがということにもならないと思いますし、事前にいつこういう会議を開くというのをどこまで公開してどうするかということはいろいろあろうかと思いますが、そういうもろもろの条件を考慮しながら原則公開ということではいかがでしょうか。それぞれ今まで御意見を伺っていても、それに対してまた反論もあろうかと思いますけれども、進めてみて支障が生ずる場合は非公開、または相談するということで、どうもこれでは率直な意見交換ができないというような御発言をしていただいて、その上でそこでまた検討会として考慮するということではいかがでしょうか。

【岡村委員】公開の対象ですが、先ほど竹島室長が言われたマスコミに限るというふうなことが、公開の原則ということに対して問題にはならないかということです。

 それと、公開するということであれば、少なくとも今ではインターネットが一番公開にしては非常に普遍的であり、みんなが了解している。インターネットで公開をして、かつ来られるのはマスコミの方だけだと、それがイコール公開ということになるのかということをちょっと疑問に感じていますが、これはいかがでしょうか。

【堀部座長】ほかでどういうふうにされているかにもよると思うんですけれども、今までの閣議決定もありますし、それぞれの会議でそういうノウハウがあるのではないかと思うんです。それにのっとってやるということにならざるを得ないと思うんですけれども。

【須藤委員】私の経験で言うと、5月にノルウェーの国際会議に出たんですけれども、これはすべてハンディーなビデオで録画して、ウェッブのプレイヤーで全部その会議の模様を流しているんです。それはノルウェー政府がスポンサーだったんですけれども、そういうやり方もあり得ますね。これは低コストでできます。

【堀部座長】しかし、今の状況でそれはなかなか難しいですね。

【加藤委員】私も幾つかの省庁にお邪魔しているんですけれども、企業のデータ的なものがあるような許認可のような場合は原則は非公開になるわけで、しかしどうしてどう落着したかは座長先生というか、部会長さんが非常に丁寧に説明するということで対応してきて、その過程の中で逆に非公開であったために、私は座長ではなくて委員であったために家で非常に誤解に満ちた非難の脅迫がましいファックスを受け取ったり、電話を受けてちょっと怖いなという気持ちがしたことがありますが、通産省などの会議ですと事業者団体と消費者団体とはもろに利害が対立するわけですけれども、しかし大きな意味で本当の功績、国のいい在り方、発展というものを考えたときには、やはりお互いにあるところまでは言い合ったがために理解し合って接点ができたということがあります。通産省の場合はものすごい大勢の人数が傍聴していらっしゃいます。業界団体の方もマスコミの方も、必要に応じては消費者団体の方もほかの市民団体の方もいらっしゃる。その辺の処理の仕方をどうしていらっしゃるのか。

 それから、原さんがおっしゃった厚生省の食品衛生調査会の場合は委員推薦でやっていく。あとは、マスコミはもうひと枠別にあるわけですね。だから、そういったことを少し急いで詰めていただいて、大山さんのおっしゃったようになるべく限定された人だけが対象にならない方が、または限定した人という印象というのが物理的なだけであっても、なかなかまたその外枠からの誤解というのもあるので、公平をできるだけ期する方法で処理していただければ、そこは事務局と座長先生の方にお任せしてもいいんじゃないかと、私は個人的には思います。今ここでそこまでやっていると、今日肝心の時間がなくなっちゃうんじゃないですか。

【西垣委員】今日の議題の最後の方で、委員から意見をというテーマがあります。それを基に多分、次回以降の具体的な検討のテーマが絞られていくんだろうと思いますが、その段階で、このテーマについての結論を出すということでも決して遅くはないんだろうと思いますが、いかがでしょうか。今日で結論を出すというのではなくて、やはり個人情報というのは何ですかというようなところから議論し、もう少しそこが浮き彫りになった上で判断をした方が、言わば納得いく判断ができるんだろうなと思います。

【堀部座長】そうすると、今の座長の発言に対する異議ということになりますね。

【開原委員】この話はこれ以上やっても堂々めぐりになると思いますので、私は先ほど座長が一応おまとめになったわけですからそれを尊重して、あとは座長と内政室長にお任せをするということで、原則は公開をするけれどもそれ以降の細かい具体的なことについては座長に御一任ということにしてはいかがかと思います。

(「賛成」との声あり)

【堀部座長】それでは、これで進めさせていただきます。範囲等につきましては物理的問題もありますし、既にいろいろ御指摘がありますように利害関係の事業者、団体等もありますので、そういう場合には委員推薦とかいろいろな形をとることになるのではないかと思います。そういうようなことで、竹島室長と具体的には相談させていただきたいと思います。大分運営方法につきまして議論されましたが、これが今後のいろいろな議論にも関係してまいりますので時間を掛けさせていただきました。

 それでは次に、個人情報保護の国際的動向と我が国の現状について大澤審議官から御説明いただきたいと思います。

【大澤内閣審議官】それでは、委員の皆様方は大体よく御存じの内容でございますので、細かい説明は省略させていただきます。資料9を配布してございます。これは個人情報保護の国際的な動向ということで、OECDのガイドライン、EU指令、OECDのオタワでの閣僚会議、それから主要国における個人情報保護システムの概要、アメリカについては例えば公的部門と民間部門を分けて規制しているということ、それに対して、EUであれば官民双方を包括的にカバーする個人情報保護法が制定され、個人情報保護監督機関が設置されていて、そこがかなりの権限を持って監督しているということで、具体的にはイギリス、ドイツ、フランスのそれぞれの状況について簡単に御説明してあります。

 それから資料10は、我が国における個人情報保護対策の現状について、簡単に1枚でまとめたものでございます。国の行政機関が保有する個人情報については、総務庁が所管している「行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律」というものがございます。それから、地方公共団体が保有する情報については18都道府県、1,407市町村等で個人情報保護に関しての条例が制定されていてそれで対応しています。

 それから、民間部門の保有する個人情報の保護に関しては、基本的には民間による自主規制を基本として各業種を所管する省庁がそれぞれ必要な措置、例えばガイドラインとかプライバシーマーク制度等でございますが、そういったものを実施しており、現段階においては民間部門の保有する個人情報の保護のための法律というのは存在していないということでございます。

 それから、政府全体の取り組み方針につきましては、昨年の11月に基本方針を策定したということで、資料5にその抜粋がございます。基本的には、業種業態別に民間によるガイドラインの整備、登録・マーク付与制度の実施等の自主的対応の促進を図ると同時に、個人信用情報や医療情報等、機密性が高く、かつ漏洩の場合の被害の大きい分野については法規制等の公的関与を十分検討する。これが、現時点における政府の基本方針でございます。詳しいことは、時間の関係もございますのでお時間のあるときにお読みいただければと思います。

 それから、お手元に「個人情報保護検討部会における論点(案)」というペーパーがございますので、そちらをごらんいただきたいと思います。本日お手元にお配りしております論点(案)は、ただいま御説明したような個人情報保護をめぐる国際的動向や我が国の現状等を踏まえまして、本検討部会として取り上げるべきではないかと思われる課題、ないし論点を事務局の方でとりあえず列挙したものでございます。したがいまして、このペーパーはあくまでも委員の皆様方の御意見を伺う際に参考にしていただくためのたたき台でございますので、この論点では例えばこういう重要な論点が抜け落ちているではないかとか、こういう視点からの検討も行うべきではないかといった御指摘、御意見を賜れば幸いでございます。

 論点(案)の(1)「現状と問題点」は、先ほど申し上げたような我が国の現状と欧米各国を比較し、我が国の現状においてどういった問題点があるかを検討するということでございます。

 それからBとしてに「国際的整合性」と書いてございます。これは説明を省略させていただきましたが、EU指令25条との関係で、第三国へのデータの移転に関して、その国において適切な保護がなされなくてはいけないという条項があるわけですが、その関係で、そういったグローバルなスタンダードへの合致の問題があります。それから、今申し上げたのは日本に入ってくる、例えばEUから日本に向けてのデータの流通でございますが、逆に日本から例えば中国といった外国へ個人情報が移転する場合の問題点といったこともやはり考えていかなくてはいけないだろうということでございます。

 それから2番目に「望ましい個人情報保護システムのあり方」という論点を挙げておきました。とりあえずここでは「@包括的保護法」、これはいわゆるオムニバス方式と呼ばれますEU型のものを念頭に置いたものでございますし、それから「A法規制と自主規制の組合わせ」、これは本日は説明を省略させていただきましたが、基本的にはアメリカ型のものでございます。当然、国によってそれぞれのシステムの在り方というのはかなり違いがあるわけですが、大きく言ってこういった2つのものがあります。

 それで、仮にAの法規制と自主規制の組み合わせを行う場合、法制化を検討すべき対象分野にどういったものがあるかという論点があります。基本方針の中ではとりあえず個人信用情報と医療情報を例示して、法制化を検討すべきだろうということが述べられているわけですが、果たしてそれで十分なのか、それ以外に法制化を検討すべき分野としてどういったものがあるかという点です。ここで具体的に例を挙げておりますのはいわゆる名簿屋といいますか、名簿が流出してそれを商売に使っている業者がいる。そういったものについての規制というのはどういうふうに考えるべきかという問題でございます。

 それから4番目に「保護すべき個人情報の範囲」、これは保護すべき個人情報をそもそもどういうふうに定義するかという問題がございます。それからもう一点としていわゆる電算機処理といいますか、自動処理を前提とする情報に限定するべきかどうかといった論点がございます。

 それから5番目に「規制内容」とございますが、これは情報主体、いわゆる個人情報の当事者本人ということでございますが「情報主体の権利」、例えば自分についてどういう情報が存在しているか、どういう処理がなされているか、そういったものについてのアクセスの権利といった問題がございます。それから「個人情報を処理する者に対する義務」、個人情報を集めて収集して、それを処理するものに対してどういった規制を行うべきかといった問題がございます。

 それから、6番目として「罰則のあり方とその適用範囲」という論点があるかと思います。

 それから、7番目に「自主規制の実効性」とございます。いわゆる法規制ではなく自主規制をした場合でも、やはりその自主規制が具体的に実効性を持っていなくてはいけないわけで、その実効性をどう担保するかといった問題がございます。

 それから8番目に「行政機関による監督のあり方」、これは先ほど説明を省略させていただきましたが、EUであれば国により名称は異なりますが、データ監督庁とも呼ぶべき特定の監督機関が設置されているわけです。我が国の場合もそういった監督機関を設置する必要があるのか。あるいは、現在ある行政機構での対応という可能性が十分あり得るのかといった問題点があるかと思います。

 とりあえず事務局で以上のような論点をお示しいたしましたので、皆様方の御意見を伺いたいと思います。

【堀部座長】どうもありがとうございました。事務局で用意してくださいました論点(案)を踏まえながら、更に追加すべきもの等もあると思いますし、ここはこうあるべきだという御意見もあろうかと思います。

 今日は最初の会合ですので、それぞれの方に御意見をお述べいただければと思います。五十音順ということになりますが、礒山委員からお願いいたします。

【礒山委員】実は経団連では、昨年の秋から電子商取引の具体的な推進策について検討をしてまいりまして、今月末に提言を公表したいということで今、準備しています。この検討部会が取り組む個人情報の取扱いの問題については特に重要と考えまして掘り下げた検討を行ってまいりましたので、そこでの議論を今日簡単に御説明させていただきたいと思います。

 経団連としても情報化や電子商取引に対する消費者の信頼を得るためには、個人情報の適切な取扱いを確保することが不可欠というふうに考えています。取扱いの方法が適切であれば、個人情報を活用することによって消費者に利便性の高いサービスを提供することが可能になるわけでありまして、この検討部会におきましてもそういった情報通信技術のメリットを生かす方向で、個人情報の適切な取扱いの在り方を検討する必要があるというふうに考えます。

 次に、個人情報の適切な取扱いの確保に関する基本的な枠組みでありますが、実際に事業を行う企業の自主的取り組みを尊重していただきたいというふうに考えています。企業は顧客である消費者や社会の信用を基本として事業に取り組んでいます。個人情報の不適切な取扱いをしますと、そのダメージは計り知れないものがあるわけです。私ども企業が自らこの個人情報の適切な取扱いに積極的に取り組まなければならないというふうに考えております。特に、OECDのプライバシー8原則を踏まえたプライバーポリシーといったものを企業が策定するということと同時に、それを公表してそれを遵守するということ、それから遵守状況を把握して見直しを行っていくこと、これが必要だというふうに思っています。

 合わせて企業の管理主体を明らかにすること、それから消費者などからのクレーム処理窓口を設けることも必要になってきます。

 更に、個人情報を収集、利用移転する場合に本人の同意を得るということと、本人からの開示、修正、削除要求があった場合に、合理的な範囲内で対応することが重要であると存じます。これらの取り組みに加えて、技術的な対応によって個人情報が悪用されないようにすることも大事なことだというふうに思っています。

 ただ、すべての企業が今、申し上げたような形で自主的に個人情報の適切な取扱いを心掛けてくれればいいんですけれども、悪意のものが個人情報を不当に取り扱う可能性というのは否定できないわけで、一たび個人に不利益が生じると情報化とか電子商取引に対する消費者の信頼が失われかねません。

 そこで、悪意のものを排除して個人の利益を回復するために必要最小限の法的枠組み、救済の仕組みと、それから消費者教育の充実など、企業の取り組みを補完するセーフティーネットとしての公的基盤が必要になると考えます。法的枠組みの在り方については、明らかに機密性の高い個人情報を取り扱う一部の業種を除けば、個別の業法で企業の行動を事前規制的に拘束することは、善意の企業にとっては事業の機動性とか、あるいは柔軟性といったものを阻害されるということになりますし、既存の業法の規制をかいくぐるアウトサイダーに対しては実効性を持たないということになるために、望ましい姿ではないと考えています。

 私どもとしては詐欺的、欺瞞的といった個人に不利益をもたらす可能性の高い行為であって、明らかに悪質な行為については業種横断的に規制して制裁を加えることが重要だというふうに考えています。悪意のものの取締りと合わせて、個人の被害が救済されやすい仕組みを設けることも、消費者が安心して電子商取引に参加するために不可欠でありまして、具体的な救済体制の在り方についてもこの検討部会で御論議いただければということです。

 また、被害を未然に防止するためには、消費者が自分の個人情報は自分で管理するという態度を身に付けることが何よりも有効だというふうに考えます。例えば、企業に対して個人情報を提供する前に当該企業のプライバシーポリシーを確認し、それが明らかになっていなければ事前に問い合わせるといったことを習慣づけるという必要があると思います。こういう消費者の啓蒙あるいは教育につきましても、政府としての取り組みを強化していただく必要があるというふうに思っています。

 なお、本日、今まで電子商取引の推進の観点で意見を申し上げましたが、最後に行政情報の公開について触れさせていただきますと、行政情報が保有する個人情報については既に立法が存在しておりますけれども、個人情報を含む行政情報であっても一律に情報公開の対象外とするのではなくて、民間部門と同様に機密性が高くなくて、国民全体で共有することのメリットが大きいものについては、むしろ公開を進める方向で再度検討する必要があるというふうに考えます。そのためにも、個人情報保護のための基盤の整備が重要な意味を持つものと考えています。以上で、私の意見とさせていただきます。

【堀部座長】どうもありがとうございました。それでは、大橋委員よろしくお願いします。

【大橋委員】この問題は、民間部門における個人情報の保護に関する国民の漠然たるというか、広い不安感、不快感というのがずっとあり、あるいは一部そのことによる被害ということから提起されているものです。それで、先ほど御説明がありましたように、国の方では国の機関が保有する個人情報ということでの規制は既にでき上がったわけですが、そのときの議論の中で民間の個人情報の保護に関しては5年後に附帯決議で規定されていますけれども、もともとあの法律の中で、しかも法律の延長上であの附帯決議を付けても無理な状況だったというふうに私は今でも思っています。

 そういう意味で、今回また妙なところからこの話がここへ結び付いてきたのですけれども、それはそれとしてこういう問題について抜けていた、そしてなかなか手がつかなかった部分をまとめて議論するという意味はあるというふうに思っています。

 そのときに、先ほどの論点のところでありましたように包括的、そして法規制、自主規制、これは2つに分かれていますけれども、私はむしろ3つに考える。包括的な保護法の必要性、これは個別の業態、業種を超えたところでの何らかの大きなフレームワークをつくるかどうか、その下で個別対象分野をどこまで絞るか、つまり全部をカバーするのは難しいと思いますので、個別で対応すべきもの、そして自主規制で対応していくものというふうな3つの組み合わせがあり得るのかなというふうに思っています。

 といいますのは、先ほども礒山委員の方からありましたように、民間事業者にとって個人情報の扱いというのは死命を制するというか、手足を全部縛られたのでは恐らく事業はできない。そういうことが、民間の個人情報の保護の難しさだったわけですから、そこのところをどういうふうに組み合わせていくのかというのは私もまだ見え切れていないんですけれども、まさにこの検討部会で議論されていくのかなというふうに思っています。

 それから自動処理かどうか、これもまた悩ましい問題でして、国の法律のときにも大きな議論、論点になったところです。それで、結果的に国の保護法では自動処理に限定したという経緯は、やはり保護の実効性というのでしょうか、施策による保護をどういうふうに実効化できるのかという議論、そして、具体的な被害の大きさというのか、運用の難しさはむしろ自動処理にあるのではないかという議論がされた経緯があると思います。今回は対象ををさらに広げたかたちになってくるので、民間事業者を対象に紙の文書まで含めた保護対策を確立するというのは相当大きなことになりそうで大変だなという感じはしております。ただし、国民等の先ほどの広い不安感、不快感というのは電算処理であるかどうかというのは余り直接的でないのかもしれません。そこら辺が今回の難しいところかなというふうに思っています。

 あとは、国の方の保護法でいろいろ議論された個人情報アクセス権の問題、開示請求、あるいは訂正、それから処理する側の義務、この辺は今までの経験を拡張していけば適用できるのかなというふうに思います。

【堀部座長】どうもありがとうございました。それでは、大山委員お願いします。

【大山委員】時間的に余り詳しいことを申し上げるのは無理があると思いますし、また今日は最初ですから触りで良いかと思いますけれども、まず基本的な認識を合わせることが大事であると思います。それは我々の今回の部会に与えられた委員のミッションであると思います。個人の情報保護と言っていますが、情報の内容によって当然保護されるべきレベルに違いがあるというのは、まず第一点として共通認識にならなければならないと思います。

 そのときに、ではどうやってその範囲あるいはレベルを決めていくのか。我々はここで単に意見を交換するというのではなくて、ある程度まとまった方向性を示すということがミッションであるとすれば、そこは明確に意味付けをしなければなりません。そうしないと、限られた時間でそれなりの成果を出すことは電子商取引のときもそうでしたが、非常に難しい問題になると思います。

 その観点から見ると、保護のレベルに違いがあること、そして具体的な手法としては包括的な保護法とともにガイドラインを使うような自主規制等があることを念頭に置く必要があります。これらの手段にはメリット、デメリットがありますが、今大切なのは、これら2つ手段のどちらを使うかではなくて、プライバシーの保護が十分になされ、我々が安心できる環境をつくることであると思います。プライバシー保護が必要ないという方は、ほとんど今はいないと思います。プライバシー情報は保護されるべきであるということは、大筋で皆さん納得なさっていることであると思います。

 ただ、その目的を達するための手段としてここに出てくるのは、1つは法的な規制であり、もう一つは自主的なガイドラインを使った自主規制になります。本来ですと技術的な対策というのもあるのですが、今回は、余り技術的な話は入りませんので、これらの2つ手段を適切に組み合わせることが重要になります。適切に組み合わせるというのは先ほどから言うように、目的は個人の情報が保護されて、我々が安心できる環境をつくるという目的から考えることです。

 これら2つの手段については、OECDのオタワ会合で、加盟国間の異なる保護手段を認め合うということがはっきり書かれています。そうなると、このプライバシーあるいは個人情報保護に関する検討を改めて行なうには、日本の今のやり方を見ることが必要になります。現状では、実質的な自主規制が片方で動いていて、一普A法的な規制というのは民間分野には無くて、公的分野は掛かっています。もちろん身分法でお医者さん等では、民間分野にも掛かっているものもあります。このような現状を理解し、さらに今の実態は不十分であるという認識が何かはっきりあって、新たな手を打つということになると思います。既に掛かっているところについて、不十分であると言うならばそこの法の改正をすれ良いいわけですから、包括的な話にはなりません。やはりその包括的な話をするというのは、今の自主規制では不十分であるという前提があって始めて言える議論であると考えます。

 包括法的な規制を掛けるということのデメリットもまた同時に考えなければなりませんので、ここの結論としては、どちらになるのかを我々が判断をするのではなくて、我々は利害特質、それからそこに伴う選択肢を明らかにすることがまず第一の作業であると思います。その観点から、論点整理のための案は十分網羅して出ていると思います。

 自主的な規制について言えば、この手段を更にうまく進めるための方策をやはり考えるべきであって、法的な規制が持つ利害特質と合わせて整理すれば、多分ここで言う結論になるのではないかなという気がいたします。

 以上から私の意見は、共通の認識を合わせるための議論を早急に開始する必要があるということです。

【堀部座長】ありがとうございました。それでは、岡村委員お願いします。

【岡村委員】今グローバル・ビジネス・ダイアローグ、GBDという会合がございまして、これは昨年の6月にEUから、電子商取引が盛んになる中で国際的なルールを民間ベースでガイドラインを決めていこうではないかといった提案がありまして、昨年の6月にスタートしております。8つの部会がございまして、日本では3つのイシューの議長を務めておりますが、私は個人情報保護部会のチェアーということで、スケジュールとしてはこの9月12日にパリで会合を開きまして、各国の要人を招いて民間側としての一つの方向を宣言しようではないかというような形で議論を進めている最中でございます。

 同様な会議は日米財界人会議ですとか、日欧財界人会議とかという形で進められておりますが、つい先日も日米財界人会議で電子商取引に対する一つの宣言が採択されまして、そこで個人情報についても触れられているというのは御存じのとおりだというふうに思います。

 9月ということで議論も大詰めにきておりまして、その議論の方法は先ほどの公開、非公開ではございませんけれども、自由に世界じゅうにネットワークで発信をいたしまして、自由に参加をして議論を闘わせるということで、常時20、30ぐらいの意見がネット上に出てきまして議論を重ねておりまして、8月の初旬に一応最終の宣言案を採択をするということになっています。そのとき、まだ決まっておりませんので先のことは申し上げられませんけれども、方向としては先ほど礒山委員の方から御説明がありました内容にほぼ近いということで、具体的な御説明は省きたいと思いますけれども、精神としては基本的には情報の自由な流通を確保する。それとプライバシー保護、これは基本的には相矛盾するということでありますので、この矛盾をどう解くかというふうなことを冒頭に宣言をして具体的な提案をしております。

 一つの提案は、まず国際間の個人情報の移転、これを政府の最小の規制の中で自主規制で促進をしていくべきだ。また、二国間の協定というのは暫定的には認めるけれども、国際ネットワークということから考えると大変矛盾を起こす可能性があるということで、できる限りグローバルスタンダードな解決方法を望むということでございます。

 それから、中身につきましては先ほど礒山委員の方からございましたし、ここで検討されますが、基本的にはOECDの8原則、これに乗ったものを原則として自主規制を強化をしていこうということで、具体的には既に行われていますがシールの付与方式であるとか、あるいは自己宣言方式というものによって消費者にその状況を確認をしていただくという方法をとろうというものです。

 それと、最も大事なのが苦情処理機関をどうするかということでございまして、これについてはここでも議論を十分していただきたいと思っておりますが、この苦情処理がどう実効性を出すような形で運営できるかというところが最大のポイントだろうというふうに思います。総じて日米欧、それぞれの民間の団体も、いかにして自分たちが自主規制を強化することによって、それを消費者に理解をしていただくかということの努力をこれからしなければいけない、したがって、その苦情処理機関についても積極的に民間側で参画をして、その実効をあらしめるようにしたいというのが基本的な考えでございます。したがって、論点案については全面的に賛成をいたします。

 ただ、先ほど大山委員の方からお話がありましたように、まず4番の保護すべき個人情報の範囲というのは一体何だと、この定義がまずスタートにないと先の議論が混乱をするということでありますので、是非この4番をまず最初に議論していただきたいというふうに思います。それから法規制の範囲をどうするのか、あるいは苦情処理機関の実効性をどう高めるのか。

 最後に、個人情報の流通による消費者側のメリットということも十分この場で議論をしていただきたい。どういう形で消費者に最終的に情報の流通促進ということが役に立つのかというふうなことも、やはりここでしっかり我々は認識をした上で、一つの結論を出すようにしていきたいというふうに思っております。

【堀部座長】どうもありがとうございました。開原委員、お願いします。

【開原委員】例示の中で医療情報を挙げていただいて大変ありがたいことだと思います。私は医療を代表しているということであろうかと思いますので、医療の事情について触れさせていただいて、その後今後の希望を述べさせていただきたいと思います。

 医療情報というのは昔から大変プライバシーが重要であるという情報でありまして、現在は刑法・医療法等によってプライバシーが保護されておりますので、そういう意味では民間部門でも既に法律があると言ってもいい分野です。しかし、それで十分であるかというと、最近の複雑な社会では、必ずしも十分ではないと私は思っております。

 十分でなくなってきた理由は幾つかありますが、1つは医師以外の、コメディカルと私どもは申していますが、例えば看護婦さんであるとか、介護福祉士であるとか、そういうような医療の分野が非常に広がってきているために、個人の医療情報が医師以外のところでも扱われるようになってきたということが一番大きいと思います。そのほかにも医学研究上の扱いであるとか、行政上の扱いであるとか、利用方法の方も広がっていまして、刑法や医療法だけで十分ではない状況になってきていると思います。したがって、こういう形で個人情報の保護ということが別な角度から議論されることは、医療界としても大変ありがたいことであろうかと思います。

 ただ、その次の問題として、医療情報はかなり特殊な分野であるということもまた事実でありまして、これをほかの個人の信用情報等とまとめて議論をしていいのかどうか。もちろんまとめて議論できる部分も当然あるわけでありますが、できない部分もあるのではないかと思っています。例えばアメリカなどは、私の理解しているところでは医療情報は別な法律が州によってはあります。そういう面で領域ごとの特殊性ということが将来の問題として私は出てくる可能性はあると思っています。

【堀部座長】どうもありがとうございました。では、加藤委員お願いします。

【加藤委員】主婦連合会というのは御承知でいらっしゃる方もおありかと思いますが、主婦を中心にした消費者問題、女性問題をずっとやってきているわけですが、いろいろ苦情も受け付けておりますと、電算技術が非常に進んできたことによって、そうであろうなと思うような苦情というか、うちのことをすっかり調べ上げたような感じでの電話勧誘とかいろいろあるということで、そういうのがどんどん増えてきたのがこの10年くらいです。その中で、私たちもいろいろな省庁と話し合いなどをした上でだんだん煮詰まってきた部分では、例えば訪問販売法の改正によって電話勧誘がその対象に入るといったようなこともしているわけですが、それ以外のいわゆる消費者問題だけではなくてプライバシーの侵害というものが非常にあるような場面というのが出てきているということです。

 それで、昨年たまたま私ども首都圏1,000人の10代から60代以上の方を対象に、個人情報の流通、蓄積、利用等に対してどういう意識を持っているかということと、それからどんな被害に遭ったかという実態調査をいたしました。もし事務局と座長先生、あるいは委員の皆さんの御理解を得させていただいて、可能ならば機会を見てその詳しい内容も御報告させていただければと存じますが、結論から言ってしまいますと、消費者の自分の情報についての意識と、事業者の皆さんによる個人情報の利用実態との間に非常に大きな格差があるということを、これを取りまとめた主婦連のメンバーとしては感じたわけです。

 例えば、データ情報なんて何でもないみたいな感じで皆様いらっしゃるようです。その最たるものが例の名簿の売買といったようなことだと思うのですが、やはりこれは預貯金や病歴といったセンシティブ情報に限らず、既にその事業者が収集利用、売買までしている住所、氏名や電話番号といったベーシックな個人識別情報についても大変大切で知られたくない、場面によっては知られたくないと思っている消費者が非常にあるということ、そのことを数字的に把握したわけです。

 それから、実質的な被害を被っていることもあるわけで、それではこういう社会であるということの自覚があるならば、どういう対抗手段をとっているのかということも調査したわけですが、せいぜい入手先を問いただす程度しかないわけです。あとは非常にドラスティックな被害に至ったときに裁判に訴えるという方法しかないというのが、まさに今の日本の国民生活の置かれている実態ではないかと思います。

 それで、私ども主婦連としては検討した結果、民間部門における個人情報保護が今のガイドライン行政とか、民間機関の業界の皆さんが一生懸命コンプライアンスプログラムをメンバーの皆さんをリードをなさっていろいろとやっていらっしゃるけれども、いいところはどんどんよくなっていくが、悪いところは全然意にも介さない。そして、消費者の平穏な生活は乱されていくというこの実態、あるいは地方公共団体の条例もありますけれども、やはりこれだけでは不足なので、法律による保護が絶対に必要ではないか。

 その場合、この行政機関の電算機処理とのリンクの問題もあるだろうし、それから電算機だけでは片が付かないマニュアルや、外部委託の問題やら、孫受け委託の問題やら、いろいろなふうに周辺の状況に手をつけないと、この検討は十分に行われないのではないかと困難さを感じておりますが、また皆様と一緒にとにかく目的は国民の平穏な生活を守るということと、それからやはり被害者の救済を今の法レベルだけでなしに何らか考えていただきたいというのが私どものまず冒頭にお願いしたいことでございます。

【堀部座長】どうもありがとうございました。では、鈴木委員お願いします。

【鈴木委員】まず初めに、個人情報保護の法制化に対する基本認識ですが、個々人が自己の情報に関する流れをコントロールする権利を法律で明文化して保護することは時代の潮流ということで大変重要なことだと思っています。現在、個人情報保護制度というのはここに書いてございますとおり、国の行政機関を対象とした個人情報保護法や地公体の個人情報保護条例、また民間については通産、郵政の所管企業とか事業者に対するガイドラインしかない。また、金融機関に対してはFISCのガイドラインしかございません。

 したがって、今回こういう検討部会で個人情報保護法制の在り方を検討されることは極めて大きな意義がある。しかしながら、高度情報通信社会が急速に進展して、さまざまな情報が電子データとして処理されて、国境や時間の制約を越えてくる中で、法規制をもってすべての個人情報に一律的な網を掛けていくことは困難だと考えております。また、後からちょっと申し上げますが、多くの問題もあると思います。

 このような困難な問題に取り組むに当たり、まず議論の入り口部分で個人情報の体系的な整理と、先ほど大山委員がおっしゃいましたけれども、法制度で保護すべき個人情報の定義を明確に行う必要があると思っております。

 まず個人情報の整理でございますが、内容レベルはさまざまでございまして、例えば国民が義務として自ら市町村に届出を行う住所、氏名、生年月日、性別などとか、電話帳に掲載する電話番号情報などはだれもが容易に閲覧し得る状況にある。また、金融機関などが取引を行う過程で収集する住所、氏名、生年月日、性別など属性情報、与信判断を行う上で収集する家族や住居の状況、収刀A所有資産、負債の状況、勤務先の内容等々。更に与信に関する情報の一部は契約書面で顧客の同意の下に信用情報機関に登録されておりまして、業者間で情報を共有しているという実態もございます。

 また、犯罪歴とか、事故歴とか、病歴とか、政治的信条など、いわゆる特定の機関のみが調査によって収集し得る極めて秘匿性の高いハイリーセンシティブ情報もございます。

 更に、行為規制の対象範囲を検討する上では、その情報を収集形態から更に整理することが必要と考えております。個人から直接的に情報収集する行政機関、金融機関など。またこうしたところが保有する情報を二次的に入手し加工し販売する名簿業者、DM代行業者等々ございます。また、保証業者もございます。こういう広範多岐にわたる業者もございますので、ここら辺の整理も必要だし、規制の対象範囲も考えていかなければいけません。また情報の蓄積形態が、紙か電子データかによる整理も必要になってくると思っています。

 このように個人情報をまず体系的に整理した上で、法制度で保護すべき個人情報を検討していく際には、まず個人の尊厳やプライバシー権、それから公共の利益や社会正義、いわゆる前提条件として先進諸国の法制が判断基準になる。先進諸国からも、マネーロンダリングとか、EU指令などのいろいろな圧力もございまして、そこら辺の問題も出てくると考えています。

 特定の本人が識別できる情報であっても、合法的な手段で獲得し得る住民票の基本的な情報とか、電話帳に掲載されている電話番号情報はそれ自体では公共の利益、個人の尊厳、いずれの観点からも法制の下に保護すべき対象とは言えないのではないかと考えております。

 こうした情報に、一般的には知り得ない金融機関の取引情報、信用情報が付加されればプライバシーの観点から規制が必要だ。それから、外部への流出や、外部の第三者の不正利用に対する罰則も検討が必要だ。うちもコンピュータを使用した不正送金事件がございましたが、そのときにもデータの漏洩だけをとらえると窃盗罪しか問われません。これは非常に問題だというふうに思っていました。

 それから、ハイリーセンシティブ情報は個人の尊厳やプライバシーに深くかかわるものであり、公共の利益や社会正義を考慮しても情報の収集自体が厳格に制限されるというふうに思っています。

 また私見でございますけれども、金融商品ごとに利子所得やキャピタルゲイン、一時所得、譲渡所得、雑所得の税制、税率のもととなっている金融所得について、税の公平性から将来的にはトータルで把握すべきというふうに考えておりまして、この際金融機関が取引情報を開示することは公共の利益の観点から保護対象から除外されるべきだというふうに考えております。

 また、マネーロンダリング規制の上で、これは我が国はマネーロンダリング規制が緩やかでございまして、実は麻薬犯罪だけしか問われていません。現在は3,000万以上の現金取引など金融監督庁の事務ガイドラインに規定されていますが、組織犯罪対策法の法制化に伴いFIUから相当きつい指導が行われると予想されます。こうなりますと、疑わしい取引は全て取りやめという極めてきついものになって参ります。そういう疑わしい取引を監督当局に届け出る場合は、社会正義の観点や先進国の法制を勘案して保護対象から除外されるべきだ。こうした意味で、除外対象も相当出てくるだろう。またクレジットカード、電子商取引のような国際的な情報が生命線となっているケースを考えますと、EU指令に沿った法整備を行っていない国については決済オーソリに影響が出てくる。例えば日本が個人情報保護法を整備していないと、最悪の場合日本国民がヨーロッパでクレジットカードを使えないという事態になりかねません。そういう意味で、情報の円滑な流通を引き続き確保する必要がございます。そのために、先進諸国の保護法制のベースであるOECD勧告やEU指令に沿って個人情報の定義を検討する必要がございます。

 それから、第3に個人信用情報保護についてですが、やはり個人信用情報につきましては個人情報全般にさきがけて法制化すべきという意見もございますけれども、今、個人信用情報と言われますのは金融資産負債情報のみに論点、焦点が当たっていすぎるような気がいたします。個人信用情報を再定義して体系づけて、またその中で保護規制を考えるべきではないかというふうに考えています。以上でございます。

【堀部座長】ありがとうございました。それでは、須藤委員お願いいたします。

【須藤委員】今、鈴木委員から包括的にお話をいただきまして、私も言おうと思ったことを大分おっしゃっていただきましてありがとうございます。

 いろいろな委員から御意見が出ていますように、まず保護すべき個人情報の範囲及び定義を明確にしなければいけない。それは鈴木委員の方からお話がありましたようにハイリーセンシティブ情報、センシティブ情報、基本情報、それから保有機関による行政保有情報、それから民間が保有している情報ですね。これの区別をした上で議論していかなければいけない。

 それから、介護保険に見られますように民間事業者がサービスを行います。そうすると、行政が保有している医療関係、福祉関係、社会保障関係の情報を民間企業に渡すということで、ある自治体によってはデータ通信を書類で受け渡しは大変だということで、暗号通信を用いて業者とのやりとりを行う方法を考えています。そして、守秘義務を持ってもらうということも言っていますが、介護保険については行政保有情報ですのでいろいろな罰則が適用されますが、これに関係するようなところで行政と民間のグレーゾーンのような情報というのも発生すると思います。その場合、やはり鈴木委員の方からもおっしゃっていただきましたけれども、罰則の在り方というのもここで提言すべきではなかろうかと思われます。

 アメリカはゴア副大統領が昨年の7月31日に刑事罰を適用する、ハイリーセンシティブ情報の窃盗については刑事罰の適用を考えているということをおっしゃっています。それに対して今年の6月に出ましたFTC(連邦取引委員会)は、現時点で法規制は適切ではない。業界の自主規制が最適であるという観点から、ある意味ではゴア副大統領の見解と違うことが言われているかなということがあります。

 というのは、この1年の間でアメリカでもかなり変化がありまして、ゴア大統領の声明が出たときには民間の自主規制の動きが緩慢であった。それに対して、この1年の間でかなりの進展が見られている。したがって、この進展は評価すべきであろうということをFTCの委員長は言っているわけです。

 ただし、ジョージタウン大学のカルナン教授が実施した調査では、やはり悪質な事業者の存在が危惧されるということであります。具体的にはどういうことがあるかといいますと、私も電子商取引絡みでお話をさせていただきますが、金融、それから商取引もインターネットをかなり重視する方向が出ておりまして、その際なぜインターネットをやるかといいますとワン・ツー・ワメEマーケティング、あるいはデータベースマーケティングが容易だからです。これによって個人の情報を集めて、それに合わせた、消費者に合わせた商品を開発するということが大きな参入要因になっています。

 それで、ここでどこまで、どういう情報だったら集めていいのか、どういう情報は集めてはいけないのかという線引きもしないと、例えば日本の企業の方でもそのフレームワークがないために動きがとれないという意見も事業関係者から聞いております。したがって、この会議ではそういうある意味ではフレームワーク、基本的な骨格もきちんと出していただければ、その後の法制化の議論はかなりスムーズに進むのではないかと思います。

 ただ、現在アメリカの企業を見ておりますとかなりインターネットの技術が進んでおりまして、ほとんどのサイトがクッキーという技術を使いましてアクセスした時間、アクセスした人のEメールのアドレス、それからどこを見たかという情報をつかんでいます。さらに、最近もっと進んだ技術が出てきていまして、エージェントロボットを使ってさまざまな個人の情報を収集してプロファイルを明確にしようという動きがあります。法規制で罰則規定がないと、ガイドラインだけではやはりアウトローといいますか、そういう行動は防げない面もあります。

 したがって、私はいろいろな学会等で申し上げていますが、これは日米財界会議もほぼ同じことをおっしゃっていると思いますが、基本的なところでは法制化が必要あり、ただしあまり法律でがんじがらめにすると動きがとれなくなりますから、そこは業界のガイドラインで柔軟に対応する必要がある。

 それからもう一つ重要なのは、消費者団体と協力して第三者のチェック機関ですね。これをつくる必要がある。例えば、アメリカのベタービジネスビューローのようなNPOに苦情処理及び消費者に対してこのサイトは危ないとかというアナウンスをしていただく。それから、あとはもちろん基本的なレベルの法規制に基づいて司法制度の改革も恐らく必要だろう。今年の1月、司法研修所で講演させていただいた際に司法関係者にお聞きしましたけれども、なかなか裁判所で取り扱いにくい状態である。したがって、小額の被害が出た場合でも、加藤委員の方からも出ましたように、法的な救済がしやすい制度改革をとっていただく必要があろうというふうに思っています。以上です。

【堀部座長】どうもありがとうございました。それでは、西垣委員お願いします。

【西垣委員】個人情報保護に関しての基本的な認識を簡単に申し上げたいと思います。

 高度情報通信社会の進展の中で、電子化されました情報というのはネットワークを介しまして大量かつ迅速に流通、蓄積をされている。こういうことから、個人データ保護の必要性は従来にも増して急速に高まっていると、このように認識をしております。官民のさまざまな個人情報が漏洩をして、時に社会問題化されるというケースも散見されているわけであります。

 プライバシーの侵害等に当たる情報の流通、あるいは公序良俗に反する情報の頒布、取、こういったものに対しましては法規制等の公的な関与、また業種業態ごとの民間によるガイドラインの整備、登録マーク付与制度の実施等々の自主規制、自主対応等、さまざまなレベルでの対応が考えられますが、まず個人情報一般についてどのような保護を図るべきかの水準を明確にした上で、各個別の情報の対応について具体的に検討を行っていくことが必要であると考えております。

 この中で特に機密性が高く、かつ漏洩時の被害の大きいと考えられる情報につきましては、学校教育等において高度情報通信社会におけるルール遵守を徹底させる取り組み等を含めた幅広い観点から十分検討されるべきであると思っております。

 また、国際的な情報通信の高度化における我が国の責務といたしまして、先ほどからお話がありましたが、いわゆるOECDの8原則に基づく法整備を進め、世界規模での情報保護議論との整合性にも十分配慮する必要があると思います。

 生命保険業界では、自主的ガイドラインの遵守を通じて生命保険業界における個人データ保護に取り組んでおりますが、全体的な個人情報保護の在り方についての十分な検討を踏まえた上で、民間の自主ルールによる努力では限界があると考えられる。例えば、悪意による情報の詐取、売買等については法的な規制を受けることもしかるべきであると認識をしております。

 一方、情報の創造と流通を基礎とする高度情報社会への移行が、豊かな国民生活と自由で活力のある経済社会を実現することをかんがみるときに、情報通信についての安全性、信頼性と情報の自由な流通、民間の自由な活動を維持しつつ、個人データ保護が確保された中で、個人情報の流通が行われていくべきと思われます。個人情報の保護と利用については、各業界の自主ルールと法的措置が相互に補い、役割分担が行えるような制度整備が必要となります。そのためには、対象となる個人情報の範囲の定義を明確にした後、保護と利用の両面から具体論を展開していくことになると考えます。

 1つ、この部会の検討の在り方について申し上げたいと思います。先ほど内政審議室からの御説明にもあったように、高度情報通信社会推進に向けて今まで各方面で議論が進められてきております。これまでの議論の中で論点が明確になったもの、あるいは方向感として定まったものと、この部会の中で論点を整理する必要のあるもの、あるいは新たなテーマとして取り上げるものに区分けいたしまして立体的に組み立てていけば今までの議論を役立てることができ、全体像も浮き掘りにでき、今後の個人情報全般に対してバランスのとれた保護の在り方を検討する議論も効率的に進められるのではないかと考えます。

 以上、簡単ですが終わります。

【堀部座長】どうもありがとうございました。それでは、原委員お願いします。

【原委員】消費者団体ではこの10年、全国消費者大会の資料集などを参考にして動きを見てみたんですけれども、クレジットについてですとか、それからNTTの電話番号の発信番号の表示制度がありますけれども、そういったことを通じて、この個人情報についても非常に関心が高まってきています。

 ただ、今、大変私どもが問題だというふうに思っておりますのは、悪質商法というんでしょうか、ダイレクトメールですとか、訪販ですと、そういったところの温床になっているというんでしょうか、第2次被害を引き起こすというところにこの個人情報が使われているというところに大変な危機感を持っております。ですから、今回の検討は大変時宜にかなったというふうに思っております。

 それから、論点については私もここに書かれているとおりの流れでいいかと思います。特に(4)と(5)についてなんですが、まず(4)についてですけれども、それから加藤委員の方からも発言がありましたけれども、これは多分事業者がおっしゃられることと消費者との間に、非常に食い違いがあるというふうに思っておりまして、消費者はただ氏名と住所だけでも一種自分の人格権だというふうに情報を考えておりますので、その辺りの整合化というのが必要ではないかなと思います。

 それから(5)の規制内容なんですけれども、情報主体の権利ということでアクセス権等というふうに書かれておりますけれども、私どもとしてはやはりここのところをもっともっと拡充をしていただきたいというふうに考えておりまして、アクセスするというのは何か不当なことが行われているなというふうに感じたときアクセスができて訂正が可能なわけですけれども、全く知らないままに不正な情報、間違った情報が蓄積をされているというようなこともありまして、双方向で何かチェックができないかなというふうに考えております。

 それから、利用ということで情報の流通の話が出ておりますけれども、これについても今、行われている利用というのは事業者側にとっての利用ということであって、私の情報が全然違う金融機関に流れていてこちらに連絡があったりというようなことがあります。そういう意味では、事業者の利用というところにまた消費者から見てどういう歯止めを掛けていくのかなというふうな論点もあるかと思います。消費者の相談窓口についても、どなたかから発言が出ておりました。

 それからもう一つ、私が個人的に大変気になっておりますのが子どもなんですが、子どもを情報収集のターゲットにする動きというのが大変強くなっておりまして、うちの子が通っている小学校でも毎月のように校長先生からお手紙が入ってきておりまして、5月は不審電話に対する心構え、それから6月も不審電話、括弧をして送りつけ商法ということに対しての心構えについてということで、毎月のようにきておりまして、子どもにゲームソフトのアンケートをやりたいから友達の住所とか電話番号を教えてというようなことで、大人の世界は結構きつくなってきているので、そういったところにターゲットが広がっているということに大変危惧しておりまして、そういったことも論点として挙げていただきたいというふうに思います。

 それから、今お隣りの西垣委員からも発言がありましたけれども、この情報のことについてはいろいろなところでいろいろな動きがありますので、ここで本当に総合的な、立体的な情報の公開と、それから保護と、両方はっきり分かるような指針というんでしょうか、法体系ができ上がるといいなというふうに思っております。

【堀部座長】ありがとうございました。では、三宅委員お願いします。

【三宅委員】私は11年前にできた電算処理情報保護法と呼びますが、その附帯決議をもう一度見直しまして、今日のお手元の論点はかなりその当時の附帯決議がそのまま入っているのではないか。附帯決議の中に既に入っているのではないかと思います。

 それは参考にしていただくとしまして、論点としては今日お配りいただいた論点案で結構でございます。その際、例えば附帯決議@で書いてありますところで、高度情報化の進展に伴うOA機器の多様化云々ということで見直しを行うということに関係しますと、この度できました情報公開法ではこの電算処理情報も含む電磁的記録すべてが対象になりますから、情報公開で開示請求の対象になるようなものが個人情報保護法で除外されるような話になるとちょっと整合性がとれないのではないか。それから、マニュアル情報については組織共用文書と申しまして、ここのこういう会議で配られた情報はすべて対象になるということになりますので、その辺りのことも個人情報保護の制度の中で処理をしていかないと整合性がとれないんじゃないかと思います。

 それから、自己情報の開示請求権等につきましても、情報公開で堀部先生などがお出になられた行政改革委員会の行政情報公開部会の方では、情報公開法の制定の際に積み残しとして、本人開示の問題について早急に専門的な検討を進め、その解決を図る必要があるということも指摘されていますので、従前の電算処理情報の中にも本人開示請求権はございますが、それがどのように利用されているのかも踏まえて、この制度化については重きを置く必要があるのではないかと思います。

 BCDEぐらいはOECDの8原則を電算処理情報保護法の中でどの程度運用としてできてきているのかという検証と、更にそれで不十分であればどういう形で更に具体化するような法改正が必要なのかということにもなろうかと思います。

 それからHですが、特殊法人についての電算処理情報の問題について、保護に努める、措置を講ずるよう努めるというようなことがありましたが、その法律にあるにもかかわらず、特殊法人についての個人情報の保護ということが全く11年間なされておりませんので、この辺りも提言等ができるようになればと思います。

 それから教育医療情報については今、言いました本人開示請求権から除外されてきたわけですが、昨今国立大学協会などでは大学入試センターの情報を公開するとか、それからレセプトは厚生省が開示に踏み切りましたが、そのように11年前につくられた法律の中から言うと、教育医療関係の個人情報についてはかなり開示の度合が広がっていますので、その辺の検証をした上で、今度の法律の中ではそういうものも盛り込めるかどうか、具体的に検討していただければと存じます。

 J、K、LはOECD8原則等の関係ですが、行政機関による監督の在り方とか、特別の監督機関を設置する必要があるのではないかというような点につきましては、この度の審議会で具体的にどういう提言ができるかは分かりませんが、地方自治体の情報公開条例における個人情報保護の審議会等の運用実態を検討すると、かなり具体的なイメージが出てくるのではないかなと思います。

 それからMについてですが、本人情報請求の利用状況について、これは総務庁のホームページで見ますと、平成9年度については実は1,500件を超える官報公示の対象ファイルがあるにもかかわらず、利用されているのは3つしか出ていないんです。それで、日本人の出入国記録マスターファイル486件、外国人出入国記録マスターファイル205件、司法試験2次試験ファイル3件と、それ以外は全然利用されていないというのは今の電算処理情報の法律がやはり不十分なのではないかと思うので、根本的なその辺りの見直しは要るだろうと思います。

 とりあえずは、やはりマニュアル処理情報も含んだ公的部門のものと、それから民間部門がどの程度法的規制の対象になるかはなかなか私もまだイメージがつかめていないんですが、ただ、3党合意などでは包括的な個人情報保護法というようなこともよく言われていますので、民間情報をどこまで法規制にできるのかというのは個別具体的に検討をしていく必要があるのではないかと考えまております。大体そんなところです。

【堀部座長】どうもありがとうございました。それでは、安冨委員お願いします。○安冨委員時間も大分過ぎておりますし、既に多くの委員の先生方からお話もちょうだいしておりますので、2点だけ述べさせていただくことにとどめたいと思います。

 今回のこの論点は、私も非常によく整理されていると思います。それで、私は専門が刑事法なものでございますから、その意味で(6)の「罰則の在り方とその適用範囲」ということとの関係で、若干この論点に沿った形の私の方向性のようなものだけ簡単にお話しします。

 この問題の中で刑事罰の関係で最も考えなければいけないのは、保護すべき個人情報の範囲ということにかかわるわけでございまして、そういう意味で申し上げますと、法規制によって自由な情報の流通というものが阻害されてはならない。他方で、情報保護のために刑事罰が必要になってくることもあるだろうというです。その際の一番の問題は、どういう根拠で処罰ができるかということだろうと思います。これは、いずれ機会があれば詳しく述べさせていただきたいと思いますけれども、今までの我が国の刑法の伝統的な考え方というのでは、もうはっきり言って対応はできない。先ほど鈴木委員からも御指摘いただきましたように、経済的な価値というものでは図れない、そういう重大な侵害があるにもかかわらず罰則規定というのは窃盗罪で10年以下、しかもそれも非常に低いところで現実には処罰されるという、普通の人なら何だこの日本の刑事法はと考える、先ほど須藤委員がおっしゃいましたけれどもそういう実態があります。そういう意味で言いますと、改めてやはり刑事法の全体にかかわる、基本にかかわるような問い方をここでもできればしてみてもいいのではないかという気もするわけであります。

 それで、罰則の在り方というのは自主規制との言わば相対的な関係にあるだろうと思いますけれども、その際に考えなければいけないのが、保護すべき個人情報の範囲をどうととらえるのかということに尽きるんだろう。そういう意味で、鈴木委員がおっしゃったように個人情報というものは何だろうかということをまず問い直さなければいけないと思います。

 なお、最後にその際こういう問題を考えていったときに情報を侵害された人、個人情報が漏れて権利を侵害されてしまった人、言わば被害者の回復をどう図るかということが、非常に難しいと思いますが、その救済手続も考えていく必要もあろうかと思います。

 なお、この議論を進めるに当たっての希望でございますが、一つは、ある意味で立法事実と申しますか、個人情報が侵害されたときにどんなことが問題になるんだろうかというようなことをできれば広く情報として御提供をいただきたい。更に、これは今、三宅委員がおっしゃったんですが、私もある自治体の個人情報保護審査会と審議会の委員もやっておりますけれども、地方自治体ではもう既に10年余りにわたってかなり具体的な個人情報保護の運用が実際に行われてきております。そこで、そういう実態も調べてみるというのもよいのではないかと思います。まさに知恵を借りるという意味で、国際的な意味での整合性、国際的な知恵を借りると同時に、既に先行している我が国内におけるそういう実態も知った上で方向付けていくことも大事だし、そこの調整がなければ国と自治体とがばらばらになるという非常に奇妙な状態も起こりますので、そういったような観点での検討の進め方があってもいいのではないかというふうに考える次第でございます。以上でございます。

【堀部座長】どうもありがとうございました。

 それぞれ大変貴重な御意見を出していただきました。私もいろいろ意見は持っておりますが、またそれは別の機会に述べさせていただくことにしまして、検討部会は先ほど大澤審議官からも説明がありましたように、3党の確認書で年内に基本的枠組みの取りまとめを行い、3年以内の法制化ということもあります。国会における動きも踏まえながら、高度情報通信社会推進本部の個人情報保護検討部会として検討を進めていかなければなりませんので、大変お忙しい委員の方々ではありますが、こういう形で会議を開き、また個別にいろいろと御相談をさせていただくというふうなことになろうかと思います。

 予定の終了時刻を大分オーバーいたしましたが、今日出していただきました御意見を踏まえまして、論点案を更に整理していきたいと思います。その上で、また次回会合で御検討いただくというように考えております。

 次回は既に御連絡済みではないかと思いますが、8月6日金曜日14時から16時まで、総理府で開催されることになっております。次回会合におきましては各委員の御意見を踏まえまして、本検討部会における論点をとりあえず取りまとめたいと考えています。

 以上でそろそろ終わらせていただきますが、何か特に御意見、御発言があればどうぞ。

【加藤委員】早々ですけれども、今日、先生は記者レクをしていただけるわけですね。

【堀部座長】それは別に予定はありません。

【加藤委員】今日の御報告は、事務局の方は定例の記者さんとの会合の中でおやりになると。

【大沢内閣審議官】議事要旨を作成して、インターネットに乗せるということは予定しております。

【加藤委員】御信頼申し上げておりますけれども、できるだけ詳しく教えてあげて、こちらに後でああだこうだと問合せのないようによろしくお願いいたします。

【堀部座長】長時間にわたりまして大変熱心に意見を述べていただきましてありがとうございました。本日はこれで終わらせていただきます。

(以上)