高度情報通信社会推進本部
第6回個人情報保護検討部会議事要旨
- 1 日時:平成11年10月6日(水)14:00〜18:20
- 2 場所:総理府地下講堂
- 3 出席者
- 堀部政男座長、礒山隆夫委員、浦川道太郎委員、大橋有弘委員、大山永昭委員、開原成允委員、加藤真代委員、須藤修委員、西垣良三委員、三宅弘委員、安冨潔委員
- (事務局)
- 竹島一彦内閣内政審議室長、小川登美夫内閣審議官
- (日本放送協会)
| 報道局編集主幹・報道局取材センター長事務取扱 | 御手洗正彦 |
| 総合企画室〔経営計画〕統括担当部長 | 大島敏男 |
- (日本民間放送連盟)
| 日本テレビ放送網報道局次長 | 石井修平 |
| 東京放送報道局編集主幹 | 植田豊喜 |
| テレビ朝日報道局コメンテーター室長代理 | 渡辺興二郎 |
| フジテレビジョン報道局解説委員長 | 船田宗男 |
| テレビ東京報道局次長 | 藤延直道 |
- (日本雑誌協会)
| 日本雑誌協会専務理事 | 乾 源哉 |
| 小学館取締役・日本雑誌協会取材委員長 | 五十嵐光俊 |
| 講談社取締役・日本雑誌協会取材副委員長 | 杉本暁也 |
| 文芸春秋第一編集局長・日本雑誌協会編集委員会委員 | 中井 勝 |
| 新潮社総務部部長・日本雑誌協会編集委員会委員 | 宮沢徹甫 |
| 小学館編集総務部次長・日本雑誌協会編集倫理委員会委員 | 山 了吉 |
| 集英社編集総務部部長代理・日本雑誌協会編集倫理委員会委員 | 永井英男 |
| 光文社編集総務部長・日本雑誌協会編集倫理委員会委員 | 橋本秀紹 |
- (新聞・通信8社(日本新聞協会)
| 朝日新聞東京本社編集局次長 | 鈴木規雄 |
| 朝日新聞東京本社総合研究センター主任研究員 | 松浦康彦 |
| 毎日新聞東京本社編集局次長 | 朝比奈豊 |
| 読売新聞西部本社論説委員・編集委員 | 鶴岡憲一 |
| 日本経済新聞社編集局次長兼社会部長 | 秋吉 穫 |
| 産経新聞東京本社編集局次長兼社会部長 | 高尾元久 |
| 共同通信社社会部長 | 古賀尚文 |
- 4 議題:報道機関ヒアリング
5審議経過:
(1)日本放送協会(NHK)からの説明を受けて、以下のような質疑応答があった(→は質問に対する回答。以下同じ。)
- NHKの関連業者からの勧誘が多いが、受信者台帳を流用しているのではないか。また、このような場合の苦情処理は行っているのか。
→流用していることはない。また、苦情は関連会社でもNHKでも受け付けている。
- 報道機関に個別法を制定しないことはもちろん、仮に個人情報保護の基本法をつくることとなった場合でも、報道機関は適用除外とすべきと考えているのか。
→法的強制力を伴わない宣言的、倫理条項的な法律であれば、直ちに反対はせず、検討したいと考えている。
- 適用除外に関して、NHK本体と関連会社を分けて考えてよいのか。
→NHKと共同で番組を作成している場合もあり、分けて考えてはいない。例えば、放送倫理委員会には関連会社も参加している。
- 受信契約者情報と取材関連情報を分けて考えるべきではないのか。前者は他の会社の顧客情報と同一に扱うべきではないか。
→受信料はNHKの自律的、中立的経営の唯一の財政的基盤であり、受信契約者情報と取材関連情報とを截然と分けては考えられない。
- ガイドラインの実効性確保のためにどのような方策をとっているのか。
→社員への研修をしっかり行っているほか、社内に考査室を設置し業務監査を行っている。また、地方、中央の番組審議会において有識者の意見を聴き、番組に反映させるべく努めている。
- プライバシー侵害について客観的に判断する機関を持っているのか。また、そうでなければ持つつもりはないのか。
→民放と共同で「放送と人権等権利に関する委員会(BRC)」を設立しており、今までに2件ほど意見を頂いている。また、外部者に考査モニターを依頼し、番組に意見を反映させている。
- 「報道の自由、取材の自由と個人情報保護との調和・均衡は、国民とマスメディア自身によって自律的に実現されることが望ましい」との主張だが、マスコミと国民とが自律的、客観的な公開の場で議論することなどないのではないか。
→メディア全体の課題である。なお、放送に関しては、前述のBRCがあるほか、民放と共同で設立した放送番組向上協議会が開催するシンポジウムなどにおいて外部者の意見を頂いている。
(2)日本民間放送連盟からの説明を受けて、以下のような質疑応答があった。
- 放送と通信の融合が進む中で、従来にはなかった顧客情報等が保有される可能性もあるが、放送業界として個人情報の保護をどう図っていくのか。
→これまで報道に関する個人情報の取扱いについては詳細に議論してきたが、これ以外についても、テレビショッピングの普及等もあり早急にトータルに検討していかなければならないと考えている。
- BRCの勧告が出された場合、どのような扱いがなされているのか。
→BRCの規約により審理の結果が公開されることとなっており、当該番組はもちろん他番組や告知番組でも放送することとしている。
- 番組への苦情処理の一環として、放送済みのVTRの視聴を認めているのかどうか。
→人権の侵害があったと申し出があった場合には、各社とも、当事者との話し合いを経た上で原則として見せることになっている。なお、当社(NTV)では、視聴を法定している放送法第4条(訂正放送の場合)にあたったケースは現在のところない。
- 包括的個人情報保護法が制定されると、マスコミが適用除外とされても、報道の自由が侵害されると考えているのか。また、このような制度をとるヨーロッパでは現に問題が生じていると考えているのか。
→ヨーロッパにおける具体的問題事例は承知していない。事実があるということではなく、危惧があると考えている。
- 物品販売業者、通販業者が個人情報保護にどのように取り組んでいるかということは、テレビショッピング番組制作の際に審査の対象とするべきではないか。
→手元に資料がないのでお答えできないが、個々の業者において厳格な管理が行われていると思う。
- 民間を含めた個人情報の包括的な保護が必要であるということと、報道の自由とは別の議論であると思うが、個人情報保護の基本法をつくることにも反対の立場をとるのかどうか。
→報道の自由と個人情報保護は対立するものではなく、両立すべきものである。個人情報保護に関する何らかのルールづくりは必要だと思うが、その具体的な内容までは民放連として詰めていない。
- 仮に包括的な法律をつくった場合、報道機関を適用除外とするならBRCの機能をもっと強化する必要があると考えるがどうか。
→現在でもBRCで処理すべき問題が提訴にまで至ってしまった例がある。個人的には強化が必要であると考えている。
(3)日本雑誌協会からの説明を受けて、以下のような質疑応答があった。
- 「包括的個人情報保護の立法化には反対であり、あくまで個人データ保護規定に限定すべき」との主張だが、「個人データ保護規定」の具体的なイメージはどのようなものか。
→ダイレクトメール等への対応のために規定が必要と考えているが、具体的なイメージはない。いずれにせよ、包括的な立法化には危機感を持っており、マスコミを対象外にすべきであるということ。
- 出版社におけるアンケート、懸賞等により収集した個人情報の取扱いはどうなっているのか。
→雑誌協会としてのガイドラインはない。また、各社により対応は異なるものの、社内会議での周知徹底や個別の焼却、断裁を行っている。なお、いずれの社もガイドラインは持っていない。
- 海外では、クッキーを利用して、個人のホームページへのアクセス記録の蓄積を商売に利用している会社もあると聞くが、日本の雑誌会社ではどうか。
→インターネット利用の歴史が浅く、そこまでは至っていない。
- 雑誌に関する苦情処理機関は存在するのか。
→新聞や放送とは異なり、雑誌では会社の規模が小さいこともあり、雑誌協会の倫理綱領を前提として各社が自主判断で取り組んでいるのが現状である。
- 「公人理論(公人、有名人等は、その職業を選択することにより、私生活、経歴などプライバシーの権利の一部を自ら放棄したとする理論)」を前提とするにしても、公人が自ら開示した以外の情報については放棄したとは言えないのではないか。
→例えば利権のからむ事件を報道するような場合、本人自らが開示した情報以外についても踏み込んで取材せざるを得ない。ただし、そうでない場合にプライバシー侵害で訴えられたケースでは、報道側がほとんど敗訴している。社会的に民事訴訟がよく機能していると思う。
- アンケートや懸賞等で集めた個人情報は保護すべきデータに入ると考えるのか。また、ダイレクト・メールの問題もこのような個人情報から生じると思うが、どう考えているのか。
→アンケート等は、本人の同意を得た上で購読者の年齢、性別、職業、住居地域等の基本的な情報のみを収集しているものである。また、第三者に流したり、他の目的に利用したりしようなどとは考えていない。
- 雑誌に広告宣伝はがきが入っているが、掲載に基準はあるのか。
→クライアントのものであるため、内容にタッチはしていない。
(4)新聞・通信8社(日本新聞協会)からの説明を受けて、以下のような質疑応答があった。
- 公的機関の個人情報収集には、法律で所掌事務の範囲内という明示的な厳しい縛りがあるが、民間には制限がない。これをどう考えるか。
→別の視点として、報道機関は基本的に公開することを目的として情報を収集しているが、公的機関はそうではないということがあり、こちらの視点の方がより重要である。また、民間には法律がないが、その分ガイドラインは増えてきている。
- 「報道機関」の定義について、また放送メディアと活字メディアとの違いによる個人情報保護の違いについてどう考えているのか。
→報道機関については、放送メディア、活字メディア、ネットメディアとを分けて考えているわけではない。また、インターネットの影響力が無視できないこともあり、具体的定義については今後考えていく必要がある。公的機関による報道機関の認定は危険である。
メディアの違いについては、宅配制度を持つ新聞、不特定多数に情報を伝達しうる放送といった性格に沿った個人情報保護の在り方を考える必要がある。
- 仮に基本法をつくるとした場合、OECD8原則を努力義務として盛り込むことについての是非如何。また、罰則を盛り込むことについてはどうか。
→努力義務であっても報道の自由が何らかの影響を受けざるを得ないため、一律に盛り込むことには問題がある。また、罰則については今後検討。
- 苦情処理のための公正、中立な第三者機関を設置することについてどう考えるか。
→現在ではまだ自社の保有する個人情報についてどう扱っていくべきかの検討が始まったところであり、各社ごとの自社努力が重要であると考えている。また、全新聞社間で意見を一致させることは困難。
なお、放送におけるBRCが所期の目的を達成しているかどうかは疑問であり、新聞に機械的に当てはめることには反対。むしろ、第三者機関による報道内容のコントロールに及ぶことを危惧している。
- 各社による自助努力とのことだが、報道部門、営業部門のそれぞれについてどうか。
→報道部門についてはきちんと取り組んでいる。営業部門についても取り組みつつあるところ。
- 記事データベースについては、営業用の情報であるか取材用の情報であるかという区別は不可能であり、例えば、検挙された個人を扱った記事について、後に無罪判決が出たような場合には、訂正請求を認める必要がある。こういった内容を盛り込んだ社内ガイドライン等をつくることができるかどうかが重要ではないか。
→重要な変更があった場合等には「続報注意」を付け最新の情報を掲載するといった対応を行っているところ。
(5)次回以降の進め方について、11月の報告まで時間が限られていることもあるため、まず座長が「座長私案」として基本的枠組みの骨子を示し、それに基づき議論を行うという形で進めることについて了承がなされた。
(次回の予定)
第7回会合は10月20日(水)午前10時〜12時、中央合同庁舎第4号館2階の共用第7会議室で開催する予定。
*本議事要旨の内容については、事後に変更の可能性があります。また、詳細については、別途公開される予定の議事録で確認してください。
配付資料