個人情報保護検討部会

第12回個人情報保護検討部会議事録



1 日時:平成12年10月10日(火) 15:30〜17:00

2 場所:自治総合センター大会議室(山王パークタワー21階)

3 出席者:

堀部政男座長、大橋有弘委員、大山永昭委員、岡村正委員、開原成允委員、加藤真代委員、鈴木文雄委員、須藤修委員、西垣良三委員、原早苗委員、三宅弘委員、安冨潔委員
※礒山隆夫委員、浦川道太郎委員は所用のため欠席

(事務局)
竹島一彦内閣内政審議室長、藤井昭夫内閣審議官、小川登美夫内閣審議官

4 議題:個人情報保護法制化専門委員会 「個人情報保護基本法制に関する大綱案」について

5 審議経過:

【堀部座長】それでは、ただいまから情報通信技術(IT)戦略本部個人情報保護検討部会の第12回会合を開催させていただきます。
 本日は、それぞれ所用のため磯山委員、浦川委員が御欠席とのことで、開原委員は後ほどおいでになるということです。大橋委員、大山委員は後ほど来られるかと思います。
 本日の会議ですが、明日個人情報保護法制化専門委員会として最終的な取りまとめをするに当たりまして、個人情報保護検討部会の方でも最終の案に近いところでまたいろいろ御意見を出していただこうということで、もう少し早く開催できればよかったのですが、先週OECDの会議等で外国に行っていまして今日になってしまいました。そういうことで、急遽開催というようなこともありまして御案内も直近となり、御迷惑をおかけしたかと思います。
 御案内のとおり、改めて言うまでもないところですが、今回取りまとめられようとしています大綱は、当部会が昨年11月19日にまとめました「我が国における個人情報保護システムの在り方について(中間報告)」を基にしまして、その中心課題でありました個人情報保護に関する基本的法制の整備の問題につきまして本年2月以降検討を進めてきたものを、整理しようとしています。法制化専門委員会の検討途上におきましても私自身が同委員会に出席しまして、本検討部会の考え方を申し上げるなど、相互に連携協力を図りながら進めてきたところであります。当部会としての検討成果がここにひとつ結実しようとしているわけでして、当部会の使命がいわば具体化されつつあると言ってもよろしいかと思います。これによりまして、長年の課題と私には思えるものが、大きく進展するところに至ったと見ております。
 そういう区切りということで、この検討部会の方も今日が最終回ということになりますが、本日はその最終段階の大綱の内容につきまして事務局から報告をしていただきまして、また御質問等に答えていただきますとともに、今後の政府の立法作業、立案作業に向けて御意見、制度ができた後での運用の在り方等も含めまして忌憚のない御意見を出していただければと考えています。それでは、事務局から説明をお願いしたいと思います。

【藤井室長】それでは、まず私の方からごく大ざっぱに御説明した後、詳細には小川審議官の方から説明させていただこうと思います。
 今、座長のお話にありましたとおり、法制化専門委員会の方は今年の2月に初会合を開いて約8か月の中で先々週の29日、第27回会合が開かれまして、それで大体大綱としての実質的内容については固めていただいております。恐縮ですが、資料3にそのときの資料がお出ししてございます。それで、現在字句修正的なものとか、あるいは恐縮でございますが資料4をごらんいただきたいのですが、第27回の29日で議論が煮詰まったものが資料4に書いてございますが、大体こういう内容を固めた上で今まさに最終的な字句修正等をやらせていただいて、明日3時半、第28回会合が開かれますが、ここで正式決定されて即総理に御報告という運びになってございます。
 この27回目の大綱案の中身につきましては、当検討部会でもいろいろ御意見をいただきました。そういった御意見も踏まえながら、できるだけそういう内容が盛り込まれるように記載されているところでございます。特に、枠書きとその趣旨説明の2つの部分になっておりますが、この枠書きの中はどうしても基本法とか一般法という法律の文言を念頭に置いて書いているところで、どうしても一般的抽象的に書かざるを得ないところがあるわけですが、そういう一般的抽象的な文言にならざるを得ないとしても、その規律の趣旨、これはやはり当部会での御論議あるいは法制化専門委員会での御論議を踏まえて明確にするということで、趣旨の説明部分をいわば平文で書いてあるところでございます。法制化専門委員会でも、そういう意味では枠書きもその趣旨の説明部分も重みとしては全く同じであるというところを事務局である政府側にも受け止めてくれというような御指摘もあったところでございます。
 そこで中身的な御説明に若干入らせていただきたいと思いますが、今日の御説明は私は途中で恐縮ながら別のものがありますので中座させていただきますが、主として資料2は概要となってございますが、これは中身的には固まっている話ですので、これが更に動くということはまずございませんので、これをベースに御説明することになろうかと思います。それプラス、若干先ほど申し上げました8月29日段階で新たに固まった資料4を中心に御説明させていただくことになろうかと思いますが、私からまず申し上げたいところはこの目的は何かということでございます。これはこの概要の1に書いてありますとおりですが、個人の権利利益に関連する個人情報の取扱いというものは従来から問題になっていたのでしょうが、近年高度情報通信社会の到来ということでより一層保護の必要性が高くなってきている。そういう中で基本的事項を定めるということはそのとおりなのでございますが、特に強調しておきたいのは「個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護する」というくだりでございますが、これは法制化専門委員会でもこの法律の主目的は個人情報の保護にあるということです。それで「有用性に配慮しつつ」ですが、あくまでも個人の権利利益を保護する観点から本法律をつくっているので、その場合には当然正当な利用というものも認めるという意味では「有用性に配慮しつつ」ということが書いてあるということでございます。
 それから2.の「基本原則」のところ、これは当部会においても基本法、「基本原則」を確立するという御指摘をいただいていたわけですが、これも法制化専門委員会でも御論議の中で単なる理念とかというものにとどまるのではなくて、やはり取扱者それぞれが個人情報の性質とか利用のされ方、取扱いの仕方、非常にさまざまなのですが、それにそれぞれふさわしいような取扱いを自主的に努力していた。そのためのいわば目標としての意味があるのだというのが1つと、あとは今、申し上げましたように個人の情報というのは非常にさまざまな性質のものがございますし、さまざまな取扱いがなされているのですが、当然政府の対策というのも多くの主務官庁の下で総合的に整合的に行われていかなければいけないのですが、そういう施策を講ずるに当たっての大きな枠組みでもあるし、いわば指針でもあるという2つの性格、これは「基本原則」とはそういうものであるということを明確にしたということでございます。しかも、この「基本原則」というのは個人情報を取り扱うものであれば、官民を通じてすべての方々が自主的に努力していただくべきものという位置づけになっているということでございます。
 これも繰り返しになるかと思うのですが、3の「個人情報取扱事業者の義務等」というのはまさに今、官民を挙げてIT社会の実現を図ろうとしておるわけですが、企業等におかれましても顧客情報を始めとして多くの個人情報というものをコンピュータあるいはネットワークを通じて利用されようとしておられる。そういった状況を踏まえまして、いわば必要最低限な一般法的な規律というものを確立しようとしているものでございます。内容的には「基本原則」を単なる努力義務から法律上の明確な義務という位置づけと、「基本原則」を更にそういうIT社会における一般的な法制にふさわしいような具体的な規律、そういったものを中心に定めておるところですが、これも法律上の義務ですから、我々は制度的担保ということを言っているのですが、それをどのようにして守っていただくような仕組みをつくるかということが規範そのものをつくる以上に大事なことなのですが、ここは1つは本人のチェックの仕組みで、本人もチェックしていただくために取扱事業者の方々にも通知とか公表とか、どういう情報を持っているのかとか、どういう使い方をしているかということを通知公表等をしていただくとともに開示請求、訂正請求、停止、そういった本人チェックの仕組みを確立したということが1点。
 それと、基本的にはこの問題というのは私人間の、いわば民民の間の問題でございます。仮に紛争が起きたとしても、まず事業者あるいは事業者団体による自主的な自己規律的な解決方策というものを進めていただく。それプラス主務大臣というものの広い意味での規制を設けているのですが、これは第二次的なものだろうと思っております。何か社会問題化したような場合はやはり行政としても責任がありますので、そういう責任を果たすのに必要な範囲での報告徴収とか、改善指示とか、あるいは改善命令、そういったものを設けるという形になってございます。
 それ以外にも、行政機関個人情報保護法とか独立行政法人についての規制もはっきりと4の項目で、そういったものの見直しとか制定というものを明記しておるところでございます。
 あと1点、資料4のところの御説明で出ると思いますが、罰則の問題がございます。これは当部会でも、罰則の制定について非常に難しい点があるので引き続き検討という御結論だったかと思うのですが、法制化専門委員会の方でもこの辺りは相当十分御論議いただいたところですが、結論的には基本法なり一般法なりの部分では、この制度のつくり方はもともと個人に関する情報、識別可能な情報であれば個人に関する情報で一切を対象としております。個人の秘密とか個人情報の性質といったものに着目せず、個人に関する情報であれば全部対象としている。あとは、取扱いの仕方についても非常に広範に対象にしているということで、刑事罰をつくるとなるとどうしても情報の性質とか取扱いの仕方から問題がある。問題があるものに限って構成要件をつくって、それに比例するような形での刑事罰というものを憲法上の罪刑法定主義の物の考え方から言っても当然要請されるところでございますが、それは今の大綱のベースになっている基本法、一般法ではなかなかそこまで持っていくのは難しい面がある。将来的にはいろいろ可能性はまだ否定できないと思いますが、とりあえずはこの一般法的あるいは基本法の下での刑事罰というのはなかなか困難である。
 ただし、逆に言えば個別法の場合はそれぞれ対象情報がある程度はっきりしていますし、どういう取扱い方をされるかということもはっきりしてございます。既に既存のいろいろな守秘義務法制で刑事罰、守秘義務規定が設けられているところでございます。これもどうも横断的に言いますと必ずしも整合的あるいは漏れていないというか、網羅しているものでもないようでございますので、こういった部分での個別法での刑事罰といったものの整備充実というものを大綱では指摘されておられるとともに、あとは個人情報取扱事業者に対する改善命令といったような行政処分を課して、それをいわば担保するための罰則、間接罰ということになると思いますが、そういったものについてはやはり設ける必要があるというような御結論でございます。
 以降は、小川審議官の方に個別に御説明させていただきたいと思います。

【堀部座長】どうもありがとうございました。

【小川副室長】それでは、引き続き私の方から御説明申し上げます。
 全体の進捗状況、またはその大綱の全体の流れ、考え方は今ほど藤井室長の方から御説明申し上げたとおりでございますけれども、お手元の資料の3をごらんいただきたいのですが、右上に書いてございますように、一応専門委員会の直近の9月29日時点の資料でございます。現在、文言調整を、'てにをは'を含めましてやっておるところでございますけれども、実質的な議論というのはほぼ終結しておりまして、大体この資料の3で全体の大綱の97、98%ぐらいはこのとおりになっているということでございます。それで、残された論点、27回の29日の専門委員会での議論でほぼ方向が出たというのが、冒頭に藤井室長も触れられましたけれども資料の4でございます。先にまず資料の4の方から御説明をしたいと存じます。
 資料の4では、論点が大きく分けて3つございます。第1の論点は、大変いろいろ各方面で関心を読んだ報道分野における個人情報の取扱い等でございまして、29日の議論で方向性がほぼこのように固まっております。ごらんいただきますと、『報道分野における個人情報の取扱いについては、A「3の個人情報取扱事業者の義務等」の諸規定は適用しない。B「1.目的」、「2.基本原則」の諸規定に基づき、個人情報が適正に取り扱われるための自主的な取組を行うよう努力』すべきものとするということでございます。考え方といたしましては、いろいろここに至る結論が出るまで非常に慎重な審議、御議論がございました。この結論のほかにも、途中では規定ごとに考えてはどうかとか、あるいは「基本原則」の中ももう少し考えたらどうかとかいろいろございましたけれども、結論的に申し上げますとやはり憲法に定められました表現の自由に非常に深く関わるものであり、特にこの大綱で考えています基本法制の中で行政の関与とセットになっている部分が3でございます。したがいまして、法律の規制による行政の関与を、これらの分野についてはそれぞれを尊重して不介入と申しますか、自制をした方がいいのではないかという考え方に基づいて、3のところの義務等は一切適用を外してしまおうという方向が出たわけでございます。
 しかしながら、個人情報が慎重に取り扱われなければならないと言っております「基本原則」の考え方、これは恐らくどの分野においても通ずるものではないか。それで、「基本原則」といいますのは行動原理ないし目標を定めたものと大体考えておりますので、そういう正当な活動に対して支障が生じることは考えにくいと、こういう判断からここにございますような方向でほぼまとまってきたということでございました。具体的には明日の資料で、これが大綱の中にきちんと盛り込まれるということになっております。
 なお、その2つ目の○でございますけれども、今のような考え方でまいりますと、そこにございますような報道分野以外の宗教、学術、政治もそれぞれいわゆる憲法上の自由権に深く関わる諸活動でございます。したがいまして、これらの分野における個人情報の取扱いについても、政府の立案過程において、報道分野に準じて適切な調整を行うべしという表現を盛り込む方向でございます。
 2つ目の論点は罰則でございます。今ほど藤井室長から既に申し上げましたけれども、いろいろな罰則についても各方面から罰則の必要性等がこの委員会でも出ておりました。一方で大変難しい、慎重に考えるべきだという意見もたくさんあったところでございます。結論といたしましてはここにございますような方向でございまして、まずこの罰則の前提として先般の9月18日の検討部会で御説明しました素案では、主務大臣の関与が改善の指示にとどまっていたのですけれども、後ほどまた見ていただきますが、もう一歩踏み込んで主務大臣の改善中止命令まで盛り込むべしという方向になっております。したがいまして、命令違反に対して当然罰則を置くべしということで、罰則を置くのか置かないかという問いに対しては置くということになります。
 さはさりながら、それぞれの3の義務規定等に違反した行為を直接罰する、いわゆる直罰の規定を置けるかということについてはいろいろ議論をいたしました。先ほども藤井室長から申し上げましたとおり、やはり基本法制ではここにございますように個人情報の性質とか、あるいは侵害の態様、裏返しますと利用の方法ということかと存じますが、そういうものを基本法制で区分をしておらないわけでございまして、区分をしないままに一律にそういう直罰の規定を設けるというのは相当無理といいますか、難しい面が多いというのが結論でございます。したがいまして、直罰の規定は置かないけれども、この大綱の中でそのBのところに書いてございますように、既存の各法律のまず守秘義務規定を十分見直していただきたいという趣旨を明記しようというのが1点。それから、今後関係法律を整備するに当たっても個別法において罰則の創設を含む規定の整備を十分検討していただきたいという検討の方向性をきちんと書くという方向で今、調整をしているところでございます。
 専門委員会での議論はいろいろございました。例えば、個人の秘密に限る方法はないかとか、あるいは事務局からも資料を出したことがあるわけでございますけれども、守秘義務違反と承知をした上でその第三者提供の禁止に触れるような提供をした場合とか、いろいろな案を考えたような経緯はあるのですが、やはり最後は侵害の態様なり情報の質というものを法制上問うていないということで、やはり限界がありそうだと。また、前回の9月18日の検討部会では安冨先生の方からも意見書をいただいたところでございまして、それらを総合勘案してこういうような結論になったということでございます。
 3点目でございますけれども、これも中間報告の御提言以来あった第三者機関の話でございます。結論的には、やはり本基本法制の制度運営が大変幅広く、かつ複数の主務大臣で行われるということもございます。したがいまして、「個人情報の取扱いの実態及び今後の動向に適時・的確に対応したものとなるよう、有識者等の意見を反映させるための仕組みを整備することについて検討」すべしという方向で今、調整をしているところでございます。苦情紛争処理の延長として独立した第三者機関、いわゆる紛争処理の第三者機関という議論も実は専門委員会の中で出たわけでございますけれども、これはどちらかと申しますと個人情報にかかる苦情というのは、これは中間報告でも出ていた考えですが、できるだけ現場に近いところで当事者間で解決を図る方がベターであろう。
 それを押していくと、とにかくまず事業者で苦情処理をしてくださいという規定を入れておりますし、それからこれは中間報告になかった部分でございますが、後ほど見ていただきますけれども、この前の素案にも出ておりましたが、業界ごとの苦情処理の団体を認定する制度をつくろう。こういったものを中心に動かしていくというのが適切ではないか。それで、それでもだめならば主務大臣とか、あるいは地方公共団体が苦情処理を行うということで、その裁判の前置ということになるのでしょうか、遵守、法的な機能というところまでは十分必要性といいますか、そこまで認識できるほどのものでもないのではないか。したがって、そういうものは将来的な課題には残っていますねという文言は、今お示ししている資料3にも書いてはございますけれども、そちらの方は今後の課題ということでございまして、具体的に整備することを検討というのが全体の法制度の運営が適切になるような有識者等の意見を反映させる仕組みということに絞って明記をするという方向でございます。
 そこで資料3に戻っていただきまして、先般の9月18日のこの部会でお示ししました素案と大きく変わった点等を中心に簡潔に御説明をさせていただきたいと存じます。
 素案にはなかった端書き、「はじめに」というのが付いております。これはお読みいただければよろしいのですが、2ページ目の端書きの一番下の4行でございます。「政府においては、本大綱の趣旨に沿って、個人情報保護に関する基本法制の早期成立に向けて直ちに立案作業に着手するとともに、その他の課題についても、個人情報保護をめぐる実態を勘案し、迅速かつ的確に対応するよう要請する」と、専門委員会としてもできるだけ迅速な立案化作業を要請するということを明記をしているところでございます。
 それから3ページ以降でございますが、従前の素案に比べますと、ごらんいただきますように四角の中に本文、その外側に解説というような格好でかなりそれぞれの趣旨が充実して解説されております。この辺は既に事前に資料はお配りを申し上げておりますので割愛いたしますが、全体として非常に趣旨が明確になっているのではないかと思っているところでございます。
 4ページを開いていただきたいと思います。4ページは「基本原則」でございますけれども、実は変更というほどでもないのですが、素案の段階ではこの「基本原則」の前に「定義」というのを置いてございました。それで、その「定義」のところは実はもう少し法制的に、立法技術的に相当詰めた議論がかなり必要かなということでございまして、実は「定義」は本文の中へ溶け込ませる方式に書き方を変えております。趣旨は全く変わりません。
 次に「基本原則」のところでございますけれども、この「基本原則」がどのような趣旨であるかというような辺りを解説でそれぞれ全体について、またそれぞれ(1)から(5)についても述べているところでございます。
 それから、少し先へまいりまして7ページ、3の「個人情報取扱事業者の義務等」でございますけれども、ここもこの義務等を課す趣旨等を明確にした上で8ページ以降、それぞれの規律の中身を書いてあるところでございます。
 8ページの(1)の「利用目的による制限及び適正な取得」のところはほとんど変わりませんが、若干適用除外の関係を本文に入れた関係で順番を少し変更しているだけでございます。加えたのは9ページの上の方にございます「エ」、これが従前の素案では注でございましたけれども、これは恐らく本文に入るだろうということでここに入っております。
 それから10ページの「適正な管理」もほとんど趣旨は同様でございます。
 若干解説、説明が必要なのは11ページでございまして「第三者提供の制限」というのがございます。ここは、この基本法制の大綱案で一番メインの規定といいますか、非常に明確なルールを定めようというところでございまして、基本的に第三者提供はだめであると認めた部分でございます。ここはルールでございますから当然適用されない場合、「イ」のところですね。ここを明確に書いておく必要があるだろう。このうち「イ」のABは注を本文化したところでございますけれども、CとDが追加をされております。Cはお読みいただきますと、いわゆる特定の者との間で相互に個人データを利用する場合の想定ができるわけでございまして、その場合は利用の目的及び提供先等があらかじめ通知、公表されていなければならないということを明確にしております。
 それからDは若干説明が必要でございまして、これは素案では個人情報の第三者提供を業とする者の取扱いを引き続き検討となっていた部分でございますけれども、いわゆるデータベース業等を営む方というのは既に正当な事業活動としてそういうことをやっておられるわけでございまして、これを一律に禁止してよいかどうかという議論がございました。一方で、第三者提供を業とする方は基本的に通知、公表だけでいいよということになるとかなり第三者提供の制限そのもののしり抜けになる。そういう2つの間の中で工夫しましたのがDということになろうかと存じます。すなわち、ちょっと読みにくい文章でございますけれども、趣旨はまず第三者提供を目的として業としておやりになっておられる事業者については「あらかじめその旨」と、あらかじめ自らが第三者提供を目的としておりますというその旨です。それからその方法、こういうものを通知、公表していただく。それから「及び」以降でございますけれども、「本人からの提供の停止等の申出があった場合原則として当該個人情報の提供の停止その他の適切な措置を講ずる」。すなわち、通知、公表の義務の中身を加重いたしまして、かつ事後的にいわゆる利用停止等に応ずることを条件として第三者提供の禁止の制限を外すという工夫でございます。この案でまいりますと、いわゆる世の中で正当にそういう第三者提供をやっておられるデータベース業者等は十分対応できる線であろう。かつ、個人の方からも利用停止の申出ができるわけでございますからバランスもとれているだろう。それで、必ずしも正当と認めにくいような、この検討部会でいろいろ問題になりました名簿業とか、そういった方はここまではついてこられない可能性がありますので、それは制限に引っ掛かってしまうということになろうと想像するところでございまして、Dが素案からかなり具体的に改まった部分でございます。
 「公表等」は素案のときとほぼ同趣旨でございまして、解説が加わっているだけでございます。
 それから、14ページの「開示」でございます。ここも趣旨は素案のときとほぼ同様でございますけれども1点、(5)の囲みの中の「イ」でございますけれども、「個人情報取扱事業者は、本人からの求めに対し、開示しない場合には、本人に対し、その旨を明示しなければならないものとするとともに」というのが加わっております。いわゆる事業者側の応答義務を明確にしております。しない場合は、まずしないというその旨を明示しなければならないということを明示した上でその理由の説明となっているところでございます。これは、その後に出てきます15ページの(6)の「訂正等」も同じようなことになっております。
 それから16ページにまいりまして「利用停止等」でございます。利用停止についても同じように「イ」のところで応じない場合のその旨の明示という応答義務を明確にしたというところが追加されておりますとともに、その1つ上でございますけれども、いろいろ議論をしておりまして利用停止等が働く場合というのはAのいわゆる目的外利用をしている場合とか、Bの違法または不適正な方法により取得される場合、これが従前の素案では注に書いてありましたけれども、やはりCのケース、いわゆる制限に違反して第三者に提供されている場合というのも当然あり得るだろうということでCが追加をされております。
 (8)(9)辺りは趣旨は同様でございます。解説文が充実をしたとお考えをいただきたいと存じます。
 それから18ページの4の「政府の措置及び施策」のところでございますけれども、この辺も大体趣旨は同様でございます。(1)は国の行政機関の個人情報保護法を念頭に、その見直しの内容等を具体的な考え方でかなり盛りだくさんに書いているところでございます。
 それから20ページにまいりまして「(2)独立行政法人等に対する措置」も解説を書いて明確にしているところでございます。
 それから「(3)法制上の措置等」は個別法の話でございますけれども、趣旨は同じでございます。ここの中に解説でそれぞれやはり個別法の整備が必要な場合を想定して、それぞれ整備を政府において講ずべしということをはっきり書いているところでございます。21ページの上から8行目からの5、6行でございます。「したがって、政府においては、このような個人情報について、本基本法制を上回る保護の水準を確保する必要がある場合〜個別に、当該個人情報の性質、利用方法、取扱いの実態等に即して罰則の創設等を含む法制上の措置又は各種の制度施策を必要に応じて講ずべきこととしている」ということでございます。
 それから(4)の基本方針の策定等はほぼ素案のときと同じ考え方でございます。解説文が加えられているところでございます。
 それから23ページへまいりまして「(5)主務大臣の指示等」でございますけれども、先ほど罰則のところで触れましたように、素案では上の「ア」だけでございましたけれども「イ」を追加されているところでございます。すなわち「個人情報取扱事業者が主務大臣の改善の指示に従わないときは、一定の場合に、主務大臣は個人情報取扱事業者に対して、改善又は中止の命令を行うことができるものとすること」ということでございます。命令、行政処分までここで踏み込んで立法化をせよという大綱案になったということでございます。
 以下、23ページの一番下の「地方公共団体の措置」は従来と大体同じような考え方でございます。
 25ページの6から「その他」でございまして、ここは先ほど解説いたしましたけれどもまず(1)が罰則でございます。ここは、先ほど別紙で資料4で御説明しました主務大臣の改善中止命令に対する違反につき罰則を設けるというのが最終的には四角の中の囲みに入ってくるかと存じます。それで、趣旨は先ほど申し上げたとおりでございます。
 それから、26ページの「(2)苦情・紛争処理の仕組みについて」でございます。これも先ほど解説で若干触れましたように、「個人情報の取扱いに関連して生ずる事業者・個人間の争いは、基本的には私人間の問題であって、また、当事者間での事実上の対応等により解決し得る場合も多いと考えられることから、その解決は行政が介入するのではなく当事者による自主的な取組を通じて行われることが望ましい」という基本認識の下にそれぞれの苦情処理制度の整備ということを考えておりまして、26ページの下から3行目でございますけれども、「各業の所管の大臣等がそれぞれの所管に応じて必要最小限度の監督を行うシステムを整備する必要がある」という結論になったということでございます。したがって、最後の行から次のページでございますけれども、「行政機関としての独立的な苦情・紛争処理機関を設けることとしていないが、行政機関と司法機関の役割分担の在り方、本基本法制制定後の運用状況等を勘案して、将来的に検討すべき課題であると考える」という指摘になっているところでございます。その次の3行は、先ほど御説明申し上げたところでございます。
 次に(3)の「適用除外について」のAは先ほどの資料4の冒頭で御説明したとおりでございます。
 最後にBのところでその他の適用関係の調整が必要な場合があると、ここは考え方はそれほど変わりません。以上が資料3の説明でございます。
 全体といたしまして若干コメントを付させていただきますと、昨年の中間報告のときに想定をしておりましたいわゆる基本法の中身、それはそれぞれ委員の先生方にはいろいろイメージがあったかと存じますけれども、事務局なりのイメージをあえて申し上げさせていただきますと、そのときの基本法の中身よりはかなり個別法に定めるべき部分、特に行政処分等も含めてめり張りの効いた事業者一般法の部分を含む基本法になってきたのではないかと考えております。したがって、基本法のほかに個別法と自主規制と3階建てでシステム全体を構成すべしというのが中間報告だったように記憶しておりますけれども、そのうちの1.5 といいますか、そういう言い方がいいかどうかわかりませんが、かなり個別法で対応すべきと当時考えた部分と共通して定め得る部分は、取扱事業者という一定の縛りをかけつつ、具体的に義務等をしっかり書く方向での大綱案にまとまってきたのではないかと考えているところでございます。かつ、その考え方の中で、例えば罰則の在り方等も含めて、個別法の整備についての方向性も考え方をかなり明確に出すことができたのではないかという感想を持っているところでございます。説明としては以上でございます。

【堀部座長】どうもありがとうございました。それでは、御意見・御質問があろうかと思いますので適宜御発言いただきたいと思います。

【加藤委員】簡単な質問なのですが、資料4の○の一番上の「報道分野における個人情報の取扱いについては」の2つ目の○で、宗教、学術について御説明はあったのですが、政治の分野というのは憲法何条の何の話で政治の分野における個人情報の取扱いということになるのですか。

【小川副室長】集会、結社の自由でございます。

【堀部座長】憲法21条で保障されています。昨年の段階でも私はそういう言い方をしましたので明示的には書きませんでしたが、「など」の中で説明はした部分です。

【加藤委員】それならばいいのですが、私は過剰に怖がっておりまして、政治家の皆さんが自分の個人情報については適用除外してくれなどと言われたら困るなと思いまして、これはいささか冗談ですけれども。

【堀部座長】政治活動をするに当たっても個人情報の取扱いをするわけですね。それについて個人情報取扱事業者と同じように扱うかどうかという問題になってきます。結社の自由ということを考えますと、その団体をつくる、政党をつくる場合にやはり第三者から個人情報を集めるということもありますので、その辺りをどうするのか。これも憲法21条の集会、結社、言論、出版その他一切の表現の自由はこれを保障するという中でその問題をどう扱うかということにもなります。昨年の国会での参考人質疑の中でもそのことは既に触れていますので、中間報告の段階でもそういうことがある、それを「など」と表現しました。今回法制化専門委員会でも具体的になかなか個別には議論するだけの時間がなかったところですが、今後政府の立案過程においてそういうところも報道分野に準じて適切に調整してほしいという形で法制化専門委員会としてはまとめると理解しています。
 それでは、大橋委員どうぞ。

【加藤委員】わかりました。ありがとうございました。

【堀部座長】それでは、大橋委員どうぞ。

【大橋委員】この大綱案は識別できる情報すべてを含むこと、プライバシーという概念ではなく個人に関する情報としている点、それから官民をカバーする等、カバーしている範囲が広い。これだけの内容、広さを持つ基本法というのは、恐らく堀部先生は専門ですけれども世界にもないという意味で私は評価できると思います。それから特に社会的な問題となっている、ここで言う第三の事業者に対するいろいろな措置もこれだけ書き込んであるということで、個々の内容については特に申し上げることはありません。
 ただ、1つだけ報道関係の適用除外について申し上げます。この議論のそもそもの最初の直接的なきっかけというのは今更でもないのですけれども、住民基本台帳法の改正の論議の中で世の中の官民の個人情報の保護方策が不十分な段階ではこの法案の改正はできないという議論があったと思います。そこで亡くなった前の総理大臣が、きちんとつくると約束したことで議論が始まったと思います。そのときに報道関係が、個人情報が危ない、プライバシーが危ないということを強く主張された経緯があったと思います。それが、でき上がってみたら報道関係は適用除外だということは、そのまま見ると釈然としないところが残る。
 ただ、私は今回の構造の中で「基本原則」と事業者の責務を分けて考えるという方向がでていると思います。「基本原則」というのは先ほど言いましたように官民すべての分野をカバーし、「基本原則」の中にもかなりのことが書かれているわけですから、これで報道関係の第三は適用除外することを考えるのかと思っています。
 ただし、「基本原則」において、自主的な保護方策、自主的な施策をとるということに関して、報道関係の業界によってはまだ業界の自主規制もない分野もあるということも明らかになっていますので、是非この「基本原則」に沿って報道関係がきちんと自主的な対応をとるように、お願いしておきたいと思います。くれぐれも基本法の法律はできたけれども重要な部分が骨抜きだと報道されないように強く望むところです。

【堀部座長】ありがとうございました。それでは、鈴木委員どうぞ。

【鈴木委員】ちょっと御質問したいのですが、11ページの「イ」のAです。これは「営業譲渡、分社等」とわざわざここで書いてあるのですけれども、営業譲渡というのは一つの手法なのです。だから、ここでこういう格好で「等」で2つだけ例示するのではなくしっかりと詰められた方がいいのではないかと思います。

【小川副室長】御指摘は全くそのとおりでございまして、実はここはAとBというのは解説文で11ページの一番下からでございますけれども、12ページの頭にかけてでございますが、「A、Bのように本人との関係において、取扱主体としての地位が承継されると認められる場合、あるいは」云々と書いてございます。確かにいろいろ法制化段階でここは本当に詰めなければいけない部分だと思いますが、いわゆる第三者と認識しなくてもよい場合が当然通常の取引関係の中にあるだろう。したがって、それは本人にとってもかなり明確な場合に限ってということになろうかと思います。確かに御指摘のように思い付いたのが営業譲渡、分社ということでありまして、これ以外にもあるし、この中にももう少しうまく要件を書いていかないとはっきりしない部分もあろうかと思います。

【鈴木委員】営業譲渡の方式のみでなく、いろいろな方式があるわけです。これは専門家に見てやってもらった方がいいと思います。

【小川副室長】これは当然立案段階で詰めていくわけでございますが、趣旨は12ページの頭に書いてあるとおりでございまして、要は本人との関係で第三者、例えば合併の場合は確かに動くのですが、それは合併したことが本人にはわかっているわけです。だから、そういうのは特に例示を挙げていないのですけれども、要するにここの法律で基本法制で言っている禁止すべき、制限すべき第三者にあたるかどうか。まず第三者にあたりませんねというようなケースを念頭に今後、立法化段階で十分詰めていこうと考えております。

【堀部座長】例示として挙がっていると理解していただくとよろしいのではないかと思います。では、原委員どうぞ。

【原委員】御説明にありましたように、去年の11月の段階では大きな基本法をつくりましょうというところが、かなり事業者への法規制の掛け方というところまで個別にまで入り込んできて、法律としてかなり明確になったと思っているのですが、逆に今日三宅先生もペーパーを出していらっしゃるのですが、「基本原則」で書かれていることと、それから事業者の義務規定で入ってきている部分とでうまく整合しているかどうかというのでしょうか、かみ合っているかどうかという点では少し気になる点があります。
 それからもう一つですけれども、随分ここでも保護と有用性のバランスの話というのが出て、有用性は配慮しつつということになったのですが、すべて8ページ以降、前回も申し上げたのですけれども、事業者側の正当な利益とか、それから業務の適正な実施と、それに配慮をするという形がすべてにかかってきていて、私としてはこれは本当に法律の条文の中に組み込むべきことかどうか今でも疑問に思っておりまして、全くそういうことを考慮しなくていいと考えているわけではないのですが、条文の中ではなくて政省令とか、そういったところの話ではないかという感じがしております。それで、少なくともこれがどのような形で運用されていくのかのフォローアップというのでしょうか、どんな形でここの判断を事業者がしていくのかということについては、5年ぐらいかけてのフォローアップが必要だと思っております。
 それからもう一点なのですが、消費者としては最終的に苦情になった場合、どこに持っていったらいいかということで資料5の方に図があるのですが、これを見ますと議論の途中で消費生活センターの存在の話が出ていたのですが、これは地方公共団体の中に含まれるということになるのかどうか。それから確かに消費者、国民から見るとたくさんのところに苦情を持っていけるような形になっているのですが、窓口がこういうところにあるよということがはっきりわかるように、明確にわかるような手だてということを、これからの運用の段階ですけれども是非工夫をしていただきたいと思いますし、そこに集まった情報というのが中に眠るということではなくて、それもやはり公表をされるということを是非お願いしたい。これは運用の部分になりますけれども、お願いをしたいと思います。

【小川副室長】資料5のイメージ図でございますけれども、当然苦情統括官庁は地方公共団体で、このラインの中にはこの本部の中に入っておりますが、既存のネットワークを活用も図りつつということも入っておりますので、この中にそういう国民生活センターのネットワークも当然既存ネットワークの一つであるということで入っております。

【堀部座長】その点は神奈川県からもヒアリングをしました。神奈川県の条例では苦情処理について個人情報保護条例に規定がありますが、個人情報保護の担当の方には余り来ない、むしろ消費者相談の方にいったりしているというようなこともあります。ほかの自治体でも私がいろいろ伺っているところでは同じような状態がありますので、消費者の側からすると一番相談しやすいところで相談するということになります。消費者相談の方はこれまでにも実績がありますので、どこに行けば相談できるかということもわかっていますので、そういうところで対応するケースが多いようです。その辺りは今後こういう仕組みができた中でどのようにするか。それから、運用につきましても先ほどの資料4にもありますし、資料3の方の先ほど小川審議官が指摘された最後のページにある、この有識者等の意見を反映させるための仕組みでいろいろフォローアップし、またそこで仮に法律の改正が必要であればそういうことも建議していくということも可能になってくるのではないかと思います。

【加藤委員】9月22日の法制化委員会のときにこの資料の図があるということを部会委員としてちょうだいしたものですから、一応原委員と連名で法制化委員会に対して事業者における苦情処理体制のイメージという、ここのところで苦情統括官庁が置かれているのですけれども、個別法では例えば通信販売関係だったら通産省とか、電気通信関係ですと郵政省とかということになって主務大臣についてはわかるのですが、苦情統括官庁というものが出てきていることについては私どもとしてはやはりどこかがこの法律の運用が的確にいくことを把握していなければならない政府としての責任があるとは思いますけれども、ここは特定官庁そのもの、行政官庁そのものが個人情報を随分持っていらっしゃるので、そのある一つの行政官庁が兄貴分といいますか、ボスになってしまうのはおかしいのではないかということで、私と原委員とで特定官庁の大臣を置くことは反対なので、統括官庁ではなくてこの後段に書いてあるような国民有識者各界代表で構成される第三者的な独立行政委員会を設置して、その事務局をどこかの官庁が担うという形で国民の信頼を得ていくような仕組みをつくってほしいということをお願いしたわけです。それは被害者意識かもしれませんが、また一蹴されてこのまま前の資料が29日も出てきて、また本日も強要されていることについてはいささか不満なのでございますけれども、いかがでしょうか。

【小川副室長】この個人情報保護という観点も非常に重要ではございますけれども、別途の観点で独立の行政機関をつくるということについては、これは御案内のとおりでございますけれども、この行革の時代にまずそういう新しい……。

【加藤委員】でも、要らないものはやめて、新しくても必要なものはつくっていくというのが国の進むべき道じゃないんですか。

【小川副室長】現段階ではなかなかそこまで踏み込んだ大綱はなかなか難しいということでございますので、何とぞ御理解をお願いしたいと思います。

【加藤委員】そうすると今、苦情統括官庁というのはどこをイメージしているわけですか。

【小川副室長】その点は、実は大綱が出た後の政府内の検討ということでこれから調整することになりますが、個々の業を所管している大臣以外のどこかが全体のこの法律の運用を統括するということをイメージしておりまして、候補としては内閣府または総務省でございます。それで、その方向でこれから調整していくということでございます。

【堀部座長】これが法制化専門委員会の方に資料として出たのが14日で、18日のこの検討部会にもたしか出てきていまして、その後の22日にこの有識者等の意見を反映させるための仕組みの整理というようなことが少し具体的に議論になってきたというようなことなので、合わせて読んでいただいた方がいいのではないかと思います。それをどう関連づけるかは恐らく明日、最終案が出て、それについて政府としてどう取り組むかということになってくると思います。
 それでは、三宅委員どうぞ。

【三宅委員】今の苦情統括官庁の件ですけれども、例えば情報公開法の場合は多分総務省が年次報告書をまとめるということが法律に運用状況を公表すると法文に明記されていますね。今回の基本法にはそれがまだ明記されるところまでいっていないのは、今おっしゃったようにこの大綱の後で各省庁で調整をして、総務省なり内閣府というような形に、もしなることになれば、これは是非そうしていただきたいと思うのですが、個人情報の取扱いに関する全般的な運用と、それから苦情処理の運用について、これはかなりいろいろなところに私は複層的と言いましたけれども、苦情がばら付きますので、それをどこかで情報としてはきっちり把握して、今後の改善のための運用をするようなところが必要になるので、これが苦情統括官庁だとすると、是非年次報告等のようなものはほかに報告されるような、そういう法律の文言に具体的になるように、そういう苦情統括官庁の取扱いがこの大綱が出た後の内部の処理を踏まえて法律で明文化されるように是非お願いしたいと思います。多分それは今後のそういう報告書等を踏まえて紛争処理機関を独自につくった方がいいのか、それとも有識者の意見を反映させる仕組みというか、審議会のようなものをつくってそこで運用していくことで十分足りるのか。その辺の判断材料になると思いますので、その辺は是非この大綱ができて十分というわけではなくて、その辺は詰めていただきたいと思います。

【小川副室長】今の点は、大綱に基づきましてまさに政府に要請されています立案化作業をすぐ進めろということでございます。その立案作業の中で、最終的には法案の中で今、申し上げました候補の役所の設置法を改正する。そこで基本法制の運用の責任を明確にするという方向に多分なると思っておりますし、少なくとも事務局、担当室としてはそういう認識でいるということでございます。

【三宅委員】それから少し細かいところですが、定義規定がなくなったというのはなかなか難しいところで、大綱では最終的にはどこか文章の中に入り込んだということですが、ただ、個人情報の取扱者と個人情報取扱事業者というのは非常に似通って、国民から見て非常にわかりにくい。これはやはり最終的に詰めていただいて、これも法案の段階では定義規定として明確に従前あった定義規定が明確にされた方がよい。それは、両方で効果が非常に違ってくるからです。事業者に当たるとものすごい義務というか、強い義務が課せられる。それで、取扱者だと自主的な努力義務ということで、このどちらに当たるかによって非常に違ってきます。
 例えば、今回個人情報取扱事業者の定義のところに、「電子計算機等を用いて検索することができるよう体系化された個人情報の集合物を事業の用に供している一定の事業者」とあるのですが、これは弁護士会で調査しても地方の単位弁護士会にはそういう個人データベースはないというのです。ところが、第二東京弁護士会のようなとろこでは人権救済の申立て等についての個人情報データベースがあるのです。弁護士会でも全然違うのです。そのように、ではどこが対象になるのかというのは我々の仕事の関係でも非常に違ってきますので、その辺を明確に定義する方向で詰めていただきたい。
 その際に、データベースというのは一人でいろいろな情報をマッチングして、それを集めてまた第三者に提供するようなことは仮に一人の事業者でもできますので、この「一定の者」のところはやはり注意をしていただいて、個人であっても大量の個人情報を流せるという今の情報通信技術の発達に即応した定義の規定の仕方にしていただきたいと思います。
 それから報道機関の点ですが、私も前回欠席していまして、今回「基本原則」のところは報道機関としても適用になるということで、努力義務だから何とか一生懸命やってくださいよということを報道機関にお願いすることになるのだろうと思うのですが、その場合に報道メディアの持っているデータベースについての適用除外というのははっきりしますが、取材とかその辺りの関係の個人情報の取扱いについての努力義務ということになったときに報道の持つ記事の内容によって、例えば非常に適正な方法というところが際どい調査報道で、重要な報道をしなければいけない必要性というのも出てくるだろうと思うのです。それから、我々の仕事の関係でも言いますと、例えば民事事件のために個人情報を入手したものを刑事告発とか告訴のときに利用する際に、これがまた目的外利用だと言われると非常に際どい問題が出てきます。
 現に最近の『判例タイムズ』の1,037 号では、別件の民事保全事件で疎明資料として家事調停申立書の控えを裁判所に提出したところ、たまたまその文書に第三者のプライバシーに関する事項の記載があったということで、それを閲覧謄写をして入手された人から弁護士に対する損害賠償請求というのが起こされて、それで認められているのです。恐らく私も意見書には書いておきましたが、この「基本原則」も基本原則違反の行為ということで損害賠償請求とか、場合によっては事前差止めということが出てまいりますが、そのときに先ほど枠内と枠外とは重さとしては同じだとおっしゃったのですけれども、法律の条文になるとやはり枠の中だけが条文となってきますので、非常に強い「基本原則」のイメージが先行するのではないかと思うのです。
 そういう際に弁護士などの正当な業務行為とか、報道取材の在り方、適正な報道取材等との調整を図るという意味では、できれば今日意見書に少し提案しておきましたけれども、枠外にある、これがいいかどうかはまだ検討していないのですけれども、「個人情報の性質、利用方法、取扱者の適正な業務の実施の必要性等を勘案しつつ」というのを、「基本原則」の前文であれば個々の「基本原則」に触らなくても大丈夫そうなので、是非条文化の段階では検討していただいて、「基本原則」についても報道機関は適用になるということの前提ですが、その中で個別具体的に比較考量なり利益考量ができることにしておいた方が、少なくとも民間部門については私は今、自分の仕事の分野と報道メディアで言いましたけれども、ほかの部分についても、例えばNGOなどがいろいろ個人情報データベースを運用すること以外に、個人情報を取り扱う際にその利用者の会員とか、会員以外の人たちとの関係の調整ということも多分出てくると思いますので、さまざまな分野での利益考量が少しできるような規定を是非本文の文言上に入れていただければと思っています。
 それから、公的部門についてはかなり前回の素案とは異なって枠外に積極的にいろいろ踏み込んでいただいた規定があります。そういう意味では、非常に前向きに公的部門についての法制化を検討していただきたいと思うのですけれども、特に自治体の職員の研修などに行っておりますと、自治体の個人情報保護条例というのはどんなものをつくればいいのですかと最近よく言われるのです。それで、私もこの基本法を条例に即して直すということだけでは不十分でしょうねと。差し当たりは神奈川県とか、ほかの先行自治体のものをモデルにしておつくりになったらどうですかというようなお話をしてはおるのです。それで、その中に民間部門の在り方をどうするかということで基本法に盛り込まれた趣旨を入れたらどうかというようなサゼスチョンをしているのですが、やはりその辺はこの基本法制についての取扱いが自治体にも協力を求めるという対応になると、いずれにせよ個人情報保護条例をどうやってつくるかということが具体的に出てまいりますので、これは個人情報保護法の具体的な在り方とできれば連動させた方がいい部門にもなりますので、是非早急に行政機関の個人情報保護法の改正なり見直しについてはこの大綱で触れられておりますけれども、その辺を積極的に進めていただきたい。それが、やはり自治体との協力関係を具体化する意味では必要になってくるのではないかと思います。
 それから、先ほど原委員から正当な利益とか行政事務事業の適正な執行の支障というのを基本法の枠外に置いたらどうかという御意見があったので、その点なのですが、この規定というのは運用いかんによっては非常に例外が広くなったり狭くなったりする部分がありますので、これも詳しく意見書に書いておきましたけれども、この運用を少なくともこの文言をもし採用されるとしても、一定期間たった後の見直しをしていただきたい。それが苦情統括官庁で年次報告を受けながら、国民としてもその辺の運用の具体的な在り方を踏まえて更に検討する機会が置かれるような、そういうことを是非何らかの形で手当てをしていただきたいということです。

【堀部座長】どうもありがとうございました。

【小川副室長】幾つかお答えできる点を先にお答えしておきたいと存じます。
 まず事業者の範囲ですね。これは立法化の大前提でございまして、法制化の段階で当然取扱事業者の範囲というのは明確にしなければ明確なルールになりませんので、今の時点でそれがどれかというのはまだ詰まっておりませんけれども、必ず明確になるとお考えいただければと思うところでございます。
 それから、「基本原則」の書き方について御意見を三宅委員からいただいておりますけれども、本文というよりもこの法律の趣旨そのものが保護とのいわばバランスということになっておりますので、当然こういうことは前提になっております。したがって、「基本原則」の解説の中でこういったことを改めてネーミングを入れた文章をもう少し足し算するのかなということで最後の文言調整をやっているところでございます。いずれにしても条文化の段階で「基本原則」の性質論を含めて検討を要するところではあろうかと思っております。
 それから、公的部門の関係でございます。行政機関の電算機処理に関する個人情報保護法ですけれども、これは見直しの方向をここではっきり打ち出すわけでございまして、時期的な問題は総務庁さんの御判断がありますので、なかなかこの法律の細部が法制化が進まないとその影響というのははっきりしないので、同時とか、そういうことはなかなか難しいかもしれませんけれども、総務庁さんの方でも相当真剣にお考えをいただいているという状況でございます。
 それから、地方公共団体の在り方も御指摘のようにいろいろ問題はあろうかと認識はしておりまして、実は政府で基本方針を定めるという中に、後ほどごらんいただきたいのですけれども、地方公共団体に対する指導みたいなことも閣議決定等を念頭に置いております基本方針の中でそういった項目を盛り込んでいきたい。国全体としてそういうような地方公共団体の協力も得ながら個人情報の保護の水準を上げていきたいという考えでございまして、そこは十分念頭に置いているところではございます。
 あとは見直しの話ですが、これは法律がこれからできるわけでございますので、その際のいろいろな議論もあろうかと存じます。

【堀部座長】それでは、開原委員どうぞ。

【開原委員】11ページの「第三者提供の制限」というところと、それから一番最後の27ページの「その他の適用関係の調整について」というところが関係していて、そこについての質問でございます。
 関連する質問が2つございまして、1つは既に法律等で第三者に提供しなければならないということが規定されているようなものがかなりあります。例を挙げれば、最近成立した児童虐待防止法ではその守秘義務にもかかわらず児童虐待を見たときにはそれを通知しなければいけないということが明文化されているわけです。ですから、そういうような場合は当然第三者に提供しなければいけないわけですけれども、そのような場合にはこの第三者提供の制限というところはそのどれを適用して除外になるのかということで、多分それはCがあるからこういう法律のような場合には除外になると解釈すればいいのかどうかという点が1つです。
 それから、11ページのCのところに関連してなのですけれども、「個人データを特定の者との間で相互に利用する場合であって、その利用目的及び提供先等があらかじめ本人に通知され、又は公表等が行われている場合」と書いてありますが、この「公表等が行われている」ということが具体的には何を担保すれば第三者提供が可能になるのだろうかということなのです。ただアナウンスすればそれでいいとも、このままだと解釈されても仕方がないと思うのですが、多分そういうことではないと思うのです。そうすると、例えば医学界ならば医学界がガイドラインみたいなものをつくって、それを公表すればこれが可能になるのかどうかとか、その辺のところはどのように考えればいいのかということなのです。

【小川副室長】第1点ですけれども、他の法律との調整はむしろ一番最後の27ページのBでございまして、当然この基本法制で法律をつくる場合に、それと違う特別な扱いを定めた規定が各法律にある場合が当然あると想定しております。それで、それぞれについて具体的に法文上調整が必要なのか、あるいは解釈で当然一般法に対する特別法の中でいけるのか、その辺は今後の立法段階で調整することになりますけれども、いずれにしても特別な扱いが別の理由で必要になっているわけでございますから、それは当然そちらの方が優先するという考え方でございます。
 それから2点目でございますけれども、21ページのCのところでございます。これは念頭に置いておりますのは、要は提供先等が本人が知り得るような状態になっている場合で、企業名まで全部書けということまでは想定は事務局としてはしていないのですけれども、基本的にエンドが不明確な場合はやはりだめだという考え方を持っておりまして、この辺は法制化段階で詰めていかなければいけないなとは思っております。

【開原委員】例えば医学界が、コンセンサスをつくるようなことをやって、それである個人情報は学問上か、公衆衛生上の必要性から、こういうところに提供されるけれども、これは十分な注意義務を持ってこれこれの制限の下にこういうところに提供されるものであると、仮にそういうガイドラインをつくって、それを世の中にアナウンスしたとしますね。そうすると、それはこの条件に足りるとみなされるのかどうか。

【小川副室長】今ほどの御質問で、公衆衛生とか医学とかという話でございますと、むしろ資料4の学術目的というところに当たろうかと思うわけです。

【開原委員】仮にそれが学術目的でなかったような場合はいかがですか。

【小川副室長】学術目的でないのはこちらに入ってしまうと思います。

【開原委員】では、そのときの公表というのは何を担保すれば公表したとされるのですか。

【小川副室長】提供先です。

【開原委員】それをただアナウンスするだけでいいということですか。

【小川副室長】提供先を、例えばインターネット上とか、あるいは契約のときにどこどこへ提供されますと。それで、それの提供の仕方ですが、これはまだ想定ではっきりしたことはこれから詰めるのですが、我が社が適当と認める企業に提供しますというのは恐らくエンドが不明ですからだめだと。どういう企業とか、例えば何々業界加盟者とか、そういうはっきりしたエンドが明確なところの中で使いますという方式であれば、かなりこれに入っているのかなという今のところのイメージでございます。

【開原委員】では、この公表という意味は、一方的に我が社がということを公表すればそれで足りるわけですか。

【小川副室長】これは「あらかじめ」ですから、取得の前にそういうことをはっきりしておくということになります。

【堀部座長】例えば病院にポスターを出しておいて、この患者についてのデータは提供しますというのでいいかどうかという議論にはなってくると思います。

【開原委員】例えば病院の前に張り紙をしておいて、それでここに来られる患者さんのデータは学生教育のために使いますと。それは学生の目に触れるかもしれませんということを張り紙によってアナウンスすれば、それでもってそのデータを学生教育に使ってもいいかどうか。そういうような例をお考えいただくといいかと思います。

【小川副室長】学生教育というのはどこで使うかが問題で、それは不特定ということになるのではないでしょうか。

【開原委員】もちろんその病院内での学生教育ということです。

【小川副室長】それは病院内から出ないわけですから。

【開原委員】そういうことは構わないということですか。

【小川副室長】そうですね。その目的の方の書き方になるでしょうね。

【堀部座長】今後その辺りをどうするのかというのは具体的な議論になってくると思います。

【小川副室長】その辺は、基本法制ですからなかなか個別の業の細部まではなかなか書き込めない部分が当然出てくると思うのです。したがって、考えておりますのは政府全体としては基本方針をつくり、それに基づいて各主務大臣がやはりガイドラインとか、個別のきめ細かなそういう対応についての基準等はお定めをいただこうかなと思っているところでございまして、全体としてそれが一定の執行機関内に積み上がってくれば、それほど不明確でないような全体の構造が明らかになるのではないかと思っているところでございます。

【堀部座長】では、大山委員どうぞ。

【大山委員】この大綱案をずっと見せていただきまして、適用される範囲の広さとか、それからもともと中間報告等で出された内容から見ても、かなりよくできていると思います。ただ、よくよく考えてみると1つだけ気になることがあります。そこでお願いになるかと思いますが、私の意見を申し上げます。
 そもそも論になるのですが、我々の社会というのは人一人が基本にあって、それが組織という形を通常作っています。その意味では、個人情報を取り扱う事業者といっても、事業者は事業者としての一つの団体であり、放送関係においても業界という形になる団体があり、政治結社等に関しても同じような団体と考えることになります。さらに政府や地方公共団体も同じであると思うのですが、このことを念頭においてこの大綱案を見ますと、「基本原則」はそれぞれの団体が守るべきものとなっているように見えます。しかし、これは解釈によるかとも思いますが、よくよく考えてみるとそもそも適用除外云々の話があるにしても、基本法である以上、国民個人にそれぞれ関与すべきものがどこかにあるはずです。したがって、個人にも適応されるとして「基本原則」を見ると、今度は少し大変だぞと見えてきます。
 何を申し上げたいかというと、やはり適用除外という話があるにしても、こういう情報化されてくる時代とともに個人情報保護基本法の必要性が言われてきたわけですので、組織である前に個人に対する何らかのものがあって良いのではないかと思ったわけです。その点からは2の「基本原則」の中をずっと見ても、説明のところも、あるいは「はじめに」のところに書けば良いのか、どこに書けば良いのかわからないのですが、是非解説等に私が申し上げた個人のところとしての話がどこかにあるとよろしいのではないかと思います。個人がそもそも守るべきことに照らせば、やはり努力義務になるのでしょうか。

【堀部座長】この考え方でいくと、個人情報を取り扱う限り個人でも「基本原則」は適用になります。それは法制化委員会でも議論したところです。よく私が挙げている例は、個人で住所録をつくっていればそれについても適用になります。努力義務だからこの程度ならばとか、いろいろ議論があるところです。

【大山委員】そうすると「安全保護措置の実施」というところはかなり気になるのですが、これは例えば個人のメールに添附して何か人の個人情報を流すようなことをやるとだめだということになるわけですね。

【小川副室長】この書き方でございますと、いわゆるパーソナルユースも全部入っております。そこは法制化段階でもう少し議論が必要かなとは思っておるのですが、基本的な考え方としてはやはり個人情報を慎重に取り扱うべきというのは何も事業者に限らない話かなというのがこの大綱案の原点なのです。かつ「基本原則」は行動原理ないし目標でございますから、法的強制を伴うものではない。だから、その分ではバランスしておるだろう。
 ただ、おっしゃるようにパーソナルユースも含めてこの取り扱う者は努めなければいかぬと言われたときの印象の部分では確かに別途あるなとは思っているのですけれども、大綱の考え方としては基本的にはそこは一応は引っくるめているということです。ただ、そういう法律というのは今までないものですから、法制化のときの検討課題かなと思っておるところでございます。

【大山委員】そうすると、立法の過程あるいは審議の過程で決まることとは思いますが、個々人が、十分に認識するような手段を講じることが必要になります。すなわち啓発の話が非常に重要になるということですね。そういうことであれば、わかりました。

【堀部座長】政府としてはそういう啓発もすることになっていますけれども、その点は法制化専門委員会の方でもいろいろ議論はしているところでありまして、事務局もそこは十分認識しているものと思います。

【加藤委員】質問なのですけれども、先ほど開原委員がおっしゃってどのように具体的に、例えば御専門の医療の分野について真剣にお考えになっていらっしゃるかということをおっしゃっていましたけれども、私どもの検討部会が昨年の11月に出した中間報告の中で個別法の整備ということで手つかず分野の対策も私どもは一筆入れてほしいということを言ったのですが、そのときには信用情報分野と医療情報分野、電気通信分野などで終わってしまっているのです。そうすると、今回の法制化の関係の行政官庁はこの3つの分野以外、はっきり言ってしまえば郵政省と大蔵省と通産省と厚生省以外の、例えば運輸省だとか、建設省だとか、文部省だとか、それらの裾野にある業界などの関係もあって、全部が主務大臣として今回について個人情報の実態について洗い出しをやっていただくと、このように理解してよろしいのですか。

【小川副室長】そのとおりでございます。

【加藤委員】わかりました。

【堀部座長】それでは、須藤委員どうぞ。

【須藤委員】苦情処理機関のところとも関わるのですけれども、資料5と本文とを参照して考えると、苦情処理機関というのは主務大臣の認定監督下に置かれて、それから業界団体等で整備しなさいということが中心になっているのですけれども、例えばここに中間報告でNPOという言葉があったはずなのですが、今回そこら辺はまだ今後の検討課題だろうということで取り除かれていると思うのですが、NPOはかなり認定ではなくて認証で設置が容易ですね。でも、容易だけれども開示義務、構成員とか財務の開示、ディスクロージャーは結構きちんとしているわけです。そこでそういう業界団体を超えて、例えば主婦連と弁護士と企業の方々が任意で集まってNPOの設置を都道府県あるいは経済企画庁に出す。それでレイティングといいますか、企業の格付けとか、それから紛争処理、エスクロー、ここら辺をやるということを言った場合、それはどの程度の効力があり、またどういう意味を持つのかというのをお伺いしたい。私はむしろそういうものも認めるべきではないかと思うのです。

【小川副室長】NPOの議論は確かに中間報告で記載をされていたわけですけれども、大綱では実はそこまで必ずしも煮詰まった議論があったわけではございません。まずはやはり事業者自身、その次が事業者、要するに個人情報取扱事業者が集団でというところが近道かなと。それで、ほかのルートというのを大綱で盛り込むにはなかなか至らなかったというのは非常に正直なところでございます。
 ただ、この法律ができて施行されますと水準全体を上げようという話になりますので、その際にはいろいろ働きどころということではあり得るかなと思っておりますし、これも今後の政府部内の調整でございますが、この表で書いてあります苦情統括官庁のこのルートというのは必ずしも大綱ではっきり触れられていない。もっとここはふくらませていくこともできるわけでございまして、その辺は今後の運用の問題の中で貴重な御指摘だと受け止めさせていただきたいと思います。

【堀部座長】では、岡村委員どうぞ。

【岡村委員】国際的な問題についていろいろ問題提起させていただいたので、最後もそれでお話させていただきたいと思うのですが、ある意味で「基本原則」と事業者の義務というところをはっきり明確に区別されて基本法をつくられたということは世界にも例を見ない法体系ということで、そういう意味では大変世界的にもモデルになり得る原則論として高く評価をさせていただきたいと思います。それで、この個人情報が国際間を行き交うところにこの問題の一番難しいところがあるということを考えますと、やはり条文化をしてからということになろうかと思いますけれども、ある意味で政府としての国際的な位置づけみたいなものを明確に出していただいて、是非ともこのような考え方に基づいた各国での法制化が促進されるように、是非リーダーシップをとってお願いをしたいということが1つございます。
 それからもう一つは、この法律の裏側にある自主規制をこれからどうしていくかということになって、これは直接基本法との関係ではございませんけれども、今、世界の民間企業がコンシューマー・コンフィデンスというところに最大の焦点が当たって、そこでいかにしてコンシューマーのコンフィデンスを得るか、これが得られなければネット社会は成り立たないという強い問題意識を持って進めていることも事実です。先ほど話していたのですが、1つは民間団体で自主的にこの紛争を解決するADRの問題ですとか、あるいは民間機関が主体となって自分たちのこの原則を守るべき企業というものに対して認証を与えようとか、あるいは個人保護に関する各国に対するガイドラインを与えようとかというようなことを一生懸命やっています。
 したがって、そうは言っても前回のGBDの会議でも出たのですけれども、まだプライバシーポリシーを確立して運用している会社というのが欧米ですら21%しかない。こういうような状態をいかにして打開するかということで民間団体もこれからいくわけですけれども、消費者団体対民間団体という組合せの中の対話が各国でも欠けているのです。これを促進していくことによってコンフィデンスが高まってくるということ、法律がすべてを律するいうことはできないわけですから、そういう意味での政策みたいなものを強く打ち出していただいて民間団体、我々としても努力をしますし、消費者の方々も利用の有意性という問題についても理解をしていただかなくちゃいけない。そこのところの対話がこれからどんどん進むように努力が必要だと、そこがこの問題の解決の一番の根っこにある問題だと思っています。

【堀部座長】どうもありがとうございました。まだまだ御発言はあろうかと思いますが、先ほど事務局からも説明がありましたし、この大綱の中に明文化することになります有識者等の意見を反映させるための仕組みの整備ということにもなりますので、そういうものができますと法律の運用についていろいろ幅広い観点から議論もすることができるかと思います。
 日本でこの問題について議論が始まりましたのはかなり以前、私などからすると何十年も前なのですが、ようやくここに法律、主として民間を対象とする個人情報保護法ができることになりましたことは大変重要な意味を持っています。これは日本の歴史においても特筆すべきことであります。
 この間、昨年の7月から11月まで9回、その後、法制化専門委員会に法制化についての専門的検討をお願いしてまいりまして、この検討部会といたしましても今日を含めて3回意見を申し上げる機会がありました。法制化専門委員会におきまして、当検討部会の中間報告を踏まえましてここまで努力をされてきたことについて感謝したいと思います。
 昨年の7月以降、非常に急ぐ形になりましたが、短期間に中間報告をまとめることに御協力いただきました検討部会の委員の方々に改めて御礼申し上げたいと思います。
 最後に竹島審議室長からごあいさついただければと思います。

【竹島内閣内政審議室長】内政審議室長の竹島でございます。この個人情報保護検討部会は今、座長からお話がございましたように12回、去年の7月からおやりいただきまして、本日こういうことで成果が出たということで大変ありがたく思っております。その間、お忙しいのに御熱心に先生方に御議論を賜りましたことをまず御礼を申し上げます。
 本邦初のことでございまして、私どももどうなるかということで大変心配をいたしましたけれども、昨年中間報告で基本法という大変大きな目玉をつくっていただいて、日本型のプライバシー保護法というようなものをイメージしていたわけですけれども、その後、専門委員会でまた大変な密度でもって御議論いただきました。その専門委員会の方には堀部座長にも御出席いただいていろいろと御議論していただいたわけでございますが、そちらの方もお陰様で順調にまいりまして、明日結論を出していただけるという運びになりました。いずれにしてもプライバシーの問題、一方でIT社会で新しい世紀を何とか切り替えていこうということで、情報の利用とプライバシーの両立ということの両面をにらんで日本型の基本法というものができ上がってきたのではないかと考えております。
 政府の方では、正式に大綱が総理の方に提出されましたら、なるべくすぐこれを受けての対処方針を決定をさせていただきたい。その中身は、当然のことながらこの大綱を尊重して次期通常国会に基本法を提出する。そのために具体的な法案化作業を始めるということになろうかと思いますけれども、そのようにさせていただきたいと思います。
 本当にお忙しい中、長い間、御協力いただきましてありがとうございます。また、これからそういうことでいろいろと引き続いて新しい問題等で御相談に上がらせていただくこともあろうかと思いますが、どうかこれを御縁に今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。大変ありがとうございました。

【堀部座長】どうもありがとうございました。
 なお、お手元に今日御欠席の磯山委員からの御意見も出ておりますので、適宜御参照いただきたいと思います。
 今の竹島室長のお話で、かなり今後の方向性が明確になったかと思います。また、法案作成作業の中でもいろいろ御意見を伺うこともあるいはあるかもしれませんし、また法案ができたところでそれぞれのお立場で御意見があろうかと思います。適宜御意見を述べていただきまして、よりよい法律ができることを願っています。
 1年数ヶ月にわたりまして御無理を申し上げながらこの会を行ってまいりましたが、本日を最後といたしまして、またそれぞれ別のところで意見交換もしてみたいと思います。

【加藤委員】お願いなのですけれども、法案ができましたときは一応検討部会委員には送っていただけるのですか。

【小川副室長】お送りいたます。

【加藤委員】よろしくお願いします。

【堀部座長】よろしいでしょうか。それでは、これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。