個人情報保護検討部会

第12回個人情報保護検討部会議事要旨



1 日時:平成12年10月10日(火) 15:30〜17:00

2 場所:自治総合センター大会議室(山王パークタワー21階)

3 出席者:

堀部政男座長、大橋有弘委員、大山永昭委員、岡村正委員、開原成允委員、加藤真代委員、鈴木文雄委員、須藤修委員、西垣良三委員、原早苗委員、三宅弘委員、安冨潔委員
※礒山隆夫委員、浦川道太郎委員は所用のため欠席

(事務局)
竹島一彦内閣内政審議室長、藤井昭夫内閣審議官、小川登美夫内閣審議官

4 議題:
個人情報保護法制化専門委員会
「個人情報保護基本法制に関する大綱案」について

5 審議経過:

 はじめに事務局より「個人情報保護基本法制に関する大綱案」について説明がなされ、その後以下のとおり意見交換が行われた(→は関連意見)。

○ 政治の分野については、憲法21条の集会結社の自由により適用除外となるとのことだが、政治家が自分の個人情報を適用除外とするのでは困る。

○ この基本法制は官民共通に広く適用されるということであり、評価できる内容となっている。報道に関しては、議論のきっかけとなった住民基本台帳法の改正時の論調はプライバシーが危ない、とのことであったが、大綱ができあがってみると、報道分野は適用除外となっている。基本原則については官民広く適用することとなっているので、重要部分が骨抜きであると言われないように、報道も基本原則に沿って自主規制するよう、お願いしたい。

○ 3.(3) 第三者提供の制限 の適用除外のうち、@について、合併はいろいろな手法があるが、この書き方では非常に狭いものしか認められないように読めるので、法案化に際してはしっかりと詰めていただきたい。
→ この適用除外は、取扱い主体としての地位が承継され、「第三者」に該当しない場合を例示しているものである。

○ 3.(1)ウなど、個人情報取扱事業者の「正当な利益」などをほとんどの義務で考慮することとされているが、これは法案化の際、条文に書きこまなくても良いのではないか。少なくとも、法律制定後、運用をフォローアップしていく必要がある。

○ 消費生活センターの行っている苦情処理は、地方公共団体の措置に入っているのか。また、苦情相談窓口がはっきり分かる手だてを取っていただきたい。さらに、集められた情報についても公表されるようにして欲しい。
→ 5.(2)にあるように、苦情処理については既存のネットワーク等も活用することも念頭においているが、ここに消費生活センターなども想定している。

○ 苦情統括官庁について、特定の官庁が責任を負うこととするのはいかがなものか。国民代表者、有識者で構成される第三者機関を設け、事務局をどこかの官庁におくとするのがよいのではないか。
→ 独立の行政機関については、行革の時代にはなかなか困難。なお、苦情統括官庁については、大綱公表後に政府内で調整。候補としては、内閣府又は総務省。

○ 苦情統括官庁に関し、個人情報の取扱いに関する全般的な運用と苦情処理の運用状況の公表について、年次報告を国会へ提出することとするよう、明文化するようにしていただきたい。
→ 法案の中で、統括官庁の設置法を改正し、そこに基本法制の運用の責任を明確にすることとなるのではないか。

○ 定義の項がなくなった関係で、取扱者と取扱事業者など表現が分かりにくい。法案化する際には定義規定を置き、明確にしていただきたい。
→ 事業者の範囲は当然に明確にする。

○ IT技術の発達により、一人の事業者でもマッチングは可能となっている。このような技術の発達に即応したものとしていただきたい。

○ 民事事件で収集した個人情報により刑事告発するなど、基本原則といえど、これが強いものとなると正当な業務活動が阻害される。条文化に際しては、様々な分野で個別具体的に比較衡量ができるようにしていただきたい。
→ 基本原則については、その性質論も含めて検討する。

○ 公的部門については、最近自治体などで条例制定をしているが、基本法と連動させるべきであり、早急に法改正をすべきである。
→ 行政機関の個人情報保護法の見直しについては、時期は総務庁の判断となるが、基本法の法制化が進まないことには、なかなか難しい。地方公共団体については、4(4)の政府の基本方針の中で、自治体に対する内容を盛り込むことができることとされている。

○「正当な利益を害するおそれ」といった適用除外の書き方は、運用により、広くも狭くもなりうる。この文言を採用するとしても、運用により、見直しを検討して欲しい。

○ 例えば児童虐待防止法などには第三者提供を義務付けた規定があるが、これは3(3)イの適用除外のBで読むのか。
→ 他法令との関係の調整は、その他の(3)Aによることになる。

○ 第三者提供の適用除外のBに「公表等が行われている場合」とあるが、何が担保されていれば「公表等」を行ったものとして適用除外されることになるのか。例えば医学界のコンセンサスで「業務の必要上個人情報を提供することはあるが、十分な注意を払うべき」といったことを決定しアナウンスすればいいのか。また、病院内の張り紙で「学生教育のために個人情報を利用することがあります」と書いておけばいいということか。
→ あらかじめ提供先等について本人が知り得る状態にしてあればいいことになる。

○ 基本法制は事業者という一つの団体が対象となっているようだが、組織の基本は一個人であり、個人に対する規定がまずあった方がいいのではないか。
→ 基本原則は個人にも適用されることになる。

○ 基本原則が個人にも適用されるということであれば、安全保護措置の実施など大変なのではないか。
→ あくまで基本原則は行動原理なり目標であり、法的強制を伴うものではない。

○ 個人にも適用されるということは国民にはそれほど認識されていないので、個人に対する啓発活動が必要ではないか。
→ 政府において啓発への取組が行われることになろう。

○ 中間報告では、個別法を整備すべき分野として信用情報、医療情報、情報通信となっていたが、大綱ではその点について触れられていない。それ以外の分野も含めて、全体について個別に洗い出しを行うという理解でよいか。
→ そのとおり。

○ 認定苦情処理団体に関連して、業態を超えて任意で集まって、比較的設置が容易なNPOを作った場合の効力・意味はどのようなものになるのか。
→ まずは事業者自身や事業者団体による取組が苦情の解決への近道だと考えており、NPOまでは専門委員会の議論が至っていない。NPOについては、今後の運用上の問題として受けとめたい。

○ 基本原則と義務を分けて書いた本基本法制は世界的にモデルになりうるものとして評価している。今後の立案過程で国際的な位置付けについて、明確にしていただきたい。また、民間企業と消費者との関係では、‘Consumer Confidence’が大きな課題になっており、それがないとネット社会は成り立たない。今後は民間企業と消費者との対話が重要になると考えている。

 最後に、竹島内閣内政審議室長から挨拶があった。

* 本議事要旨の内容については、事後に変更の可能性があります。また、詳細については、別途公開される予定の議事録で確認して下さい。

配布資料
資料1 個人情報保護基本法制に関する大綱(要旨)
資料2 個人情報保護基本法制に関する大綱(概要)
資料3 個人情報保護基本法制に関する大綱案
資料4 ノンタイトル(報道分野等の取扱い、罰則等について)
資料5 事業者における個人情報の取扱いに係る苦情処理体制について(イメージ)
その他 個人情報保護基本法制に関する大綱案(素案)に対する意見