高度情報通信社会推進本部

第8回個人情報保護検討部会議事録

1 日時:平成11年11月9日(火)15:00〜18:10
 
2 場所:総理府地下講堂
 
3 出席者
(委員)
堀部政男座長、礒山隆夫委員、浦川道太郎委員、大橋有弘委員、大山永昭委員、開原成允委員、加藤真代委員、鈴木文雄委員、西垣良三委員、原早苗委員、三宅弘委員、安冨潔委員
(事務局)
竹島一彦内閣内政審議室長、小川登美夫内閣審議官
 
4 議題:報告案について

【堀部座長】定刻になりましたので、ただいまから高度情報通信社会推進本部個人情報保護検討部会第8回会合を開かせていただきます。お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。

 本日は、岡村委員と須藤委員が都合により欠席という連絡が入っております。

 議事に入ります前に、事務局から連絡事項がございますのでよろしくお願いいたします。

【小川内閣審議官】事務局から2つ御連絡申し上げます。

 1つは、部会の議事録の関係でございますけれども、第7回目、前回の分までお手元にチェックをお願いをしていると思いますが、なかなか集まりが悪うございまして、まだ2回分しか完結していないということでございます。是非可及的速やかに御返送いただきたいと存じます。

 それから、もう一つは事務局の職員を1人紹介させていただきます。三上補佐でございまして、昨日付で本部会を担当の併任になりましたのでどうぞよろしくお願いします。以上でございます。

【堀部座長】ありがとうございました。それでは、早速本日の議事に入りたいと思います。本日は、報告の具体的案文につきまして検討をお願いしたいと思います。前回の会合、10月20日ですが、そこで座長私案をお示しいたしました。それにつきましてさまざまな意見をお出しいただきまして、必ずしもこうするとまとめてはいませんが、全体の議論の状況等も踏まえ、またこれまでに出ている御意見なども勘案しながら、報告書案を事務局の協力の下にまとめてみました。これについて御議論いただきたいところですが、お手元にありますのが全部で15ページ、16ページ目は案の1と案の2の比較ですので15ページあります。これを3つぐらいに分けまして、それぞれのところについて御検討いただくことにしたいと思います。

 なお、この報告書案につきましては委員の皆様方には事前にお送りいたしました。その後、若干字句の修正等をしたところもありますが、それに対しまして2人の方から意見がペーパーで出ております。それもコピーして今日お配りしてあります。それも踏まえまして、これから検討していただきたいと思います。

 まず最初にTの「はじめに」から始めますと、4ページにUで「個人情報保護システムの基本的考え方」がありまして、そこの2ですね、5ページから始まります2で6ページの3の前までぐらいでしょうか。そこをまず第1部として御検討いただくことにいたしますが、事務局に読んでいただいて、その後で御意見を出していただくということで進めていきたいと思います。

 時間は2時間を予定しておりますが、2時間では終わらないかと思いますので、あらかじめ御了承いただきたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。

【小川内閣審議官】それでは、案文を朗読させていただきます。

(「個人情報の保護について(案)Tはじめに」から5ページ「2保護すべき個人情報の範囲」終わりまで朗読)

【堀部座長】どうもありがとうございました。最初のTの「はじめに」からUの途中まで、2の終りまで、読んでいただきました。

 お聞きになっていただいておわかりのような内容ですので、余り説明を加えない方がよろしいかと思いますけれども、従来の文書にはあまりないような、「1背景」で少し歴史的なものも踏まえてまとめてみています。また、基本的には前回座長私案で出したものを踏まえていますが、若干後の方で表現等で修正したところもあります。基本的には前回の10月20日にお示ししたものと同じです。それぞれ御意見をお持ちだろうと思いますのでお出しいただきたいと思います。では、開原委員どうぞ。

【開原委員】3ページの「我が国の状況」というところなのですけれども、法律的に言えば秘密保持ということと個人情報保護というのは違うということは私も理解しているつもりですけれども、実態的には医療の世界においては刑法の中に秘密保持の規定があるということが非常に大きな役割を果たしてきたと思うのです。ですから、そういう形で個人情報の保護が行われてきたということを私は是非記載をしておいていただきたいと思うのです。

【堀部座長】それは、刑法134条の秘密漏示罪に当たるような規定ですが、ほかにもいろいろあります。主としては公務員等の守秘義務に関するものですが、それ以外にも例えば電気通信事業法の4条に通信の秘密に関する規定がある等、民間も含めて秘密保持についての規定は既に存在しています。それがこれまで秘密を含む個人情報の保護に役立ってきたことは当然なのですが、秘密という概念と個人情報という概念とは必ずしも一致するものではないものですから、そこをどう書くのか。開原委員の御指摘の刑法134条を書くとなりますと、今度ほかの規定もかなり入れていかなくてはならないということになるのではないかということもありまして、ここでは個人情報ということで最近論じられているものを書いております。

【開原委員】その点は理解ができているつもりで、秘密保持ということと、個人情報の保護が違うということは理解しているつもりなのですが、ここは我が国の状況を書いているわけですので、実態的にはそれがかなり役に立ってきたということは、何も医療の場合だけでなくて結構ですが、その他を含めて記載をしておいた方がいいのではないかと私は思います。

【堀部座長】では、一つ一つ本当は解決していかなければならないのですが、恐らくそうしていますと時間がなくなりますので、今日の御意見を踏まえて次回もう一度ありますので、そこでどのように表現するか考えさせていただく点もありますし、あるいはここでこのようにすると決めておいた方がいいという点もいろいろあろうかと思います。今の開原委員の御発言と関連してくるということで、ではまず加藤委員どうぞ。

【加藤委員】そういった一定の歯止めになっている法律もあるかもしれませんが、逆に例えば電気通信関係ですと、NTTの社員の場合がNTT法という特別のかつての独占体であった時代の法律が効用していて歯止めになっているけれども、あとの新規参入のさまざまな事業者の場合は、例えばそれが窃盗漏洩されてもコピー代だけしかその対象にならなかったといったようなことがありますので、この辺を書き出すと相当な分量になるのではないかと思うし、書き出すのだったらそういった持っている限界までも述べていく必要があるのではないかと思います。効用だけではなく、限界を述べていただきたいと思います。

【堀部座長】日本電信電話株式会社法ではみなし公務員としてNTTの職員が賄賂を受け取りますと収賄罪になるのですが、他の電気通信事業者の場合にはそういう規定がありませんので、通信の秘密を侵せば電気通信事業法で処罰されますけれども、個人情報である電話番号とか住所とか氏名等を他に知らしめても、それ自体では処罰の対象にならないということになります。ここで問題になりますのは、電話番号とか住所とか氏名とか生年月日、性別等の個人識別情報、秘密にかかわる部分もあるかもしれませんが、それよりもっと範囲の広いものです。通信の秘密というのはまた特別の意味もありますが、それではカバーできない個人情報もあります。先ほど申し上げたように、秘密に関する規定を書きますとかなりのものになってきます。

 今、正確に覚えていませんが、秘密という概念を使った日本の法律の規定は何十とあります。昔、調べたことがありますが、それを整理するだけでも相当大変なことになりますので、ここは個人情報に関するものであると考えていただきたいと思います。医学の分野、医療の分野でそれが大きな役割を果たしてきたということはどなたも認めることではないかと思います。しかも、これも私が調べたところ、134条違反で処罰されたケースは判例上はどうも見当たらないようでありまして、そこは医師の遵法精神によるというか、倫理としてそういうものは守られてきたということがあろうかと思います。そういうことまで触れていくとかなり大変なことになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 それぞれの分野で同様の規定があります。職業紹介などでも職業安定法に規定がありまして、今度の改正で変わりましたけれどもそういうものとか、さまざまなものがありますので、なかなか書きにくいのではないかと思いますが、よろしいでしょうか。では、三宅委員どうぞ。

【三宅委員】今、開原委員のお話をお伺いしていたのと同時に、5ページのアの「個人情報の定義」のところの議論になるだろうと思っていたのですが、「法人その他の団体に関する情報については、基本的には、個人情報の保護の問題と法人等の情報の安全性や機密の保持等の問題とは同一に取り扱うべきではないと考えられるが、この点についても検討する必要がある」というのがありますが、医療という団体における秘密の保持というのは、多分この法人その他の団体に関する情報の一部にも含まれ得るのではないかと思うのです。ですから、今の堀部座長のお話で「我が国の現状」のところで余り膨らませて書くことがもしできないとすると、今の開原委員の御意見は今、引用しましたところ辺りに今後の課題として込められているというような御了解の上で「現状」のところはさらっと流してはいかがでしょうか。

 実は、私はこの3行は要らないのかなと思って今日来たのです。と言いますのは、機密の保持とは言わば不正競争防止法の営業秘密等の問題ですので、個人情報の保護とは別問題ではないかということで3行を削っていただいてもいいのかなと思ってきたのですが、今後更に検討する課題があるとすると、この辺りにその辺の御趣旨を含んでおいていただいて、これは合わせて検討する必要があるということで、今後の検討課題としておけば足りるかなと思うのですが、どんなものでしょうか。

【堀部座長】いかがでしょうか。

【開原委員】あとはお任せいたします。

【堀部座長】それではもう一度、次回までに考えさせていただきますが、先ほど申し上げたような趣旨でここではそういうものは含めていません。それでは、原委員どうぞ。

【原委員】2点あるのですけれども、1つは3ページの4の(1)です。私だけがこだわっているのかもしれませんが、利用ということに一番最初のときも私は発言申し上げたかと思うのですけれども、ここでやはり保護という有用性とのバランスということで、バランス論でこれだけ多く書かれているというのが大変気になりまして、保護と利用とバランスと書かれていると両方同じ重みであって、それのバランスをどう取るかというような感じなのですが、私などが考えるに、やはり保護が大前提としてあっての利用という感じがするので、バランス論ではないと思うのですが、私だけがそのように考えているのかどうか。それで、1行ぐらいにそういう言葉が入っているのはいいのですけれども、多分5か所ぐらいにバランスが出てきて、それだけでくくられているのが少し気にかかります。

 それから6ページの一番最後、3に入る前の段階のところでマニュアル情報についてはもちろん取り込むべきだけれども限定が不可欠であるという書き方になって、私は不可欠かというのはそこまでの断定はできないというか、場合によっては限定をかける必要があるということになるかとは思うのですけれども、余りにも断定的な文章なので表現を考えていただきたいと思います。

【堀部座長】最初のバランス論ですけれども、ここに書いていますように、もともと一般的には利用の方が先にきているのです。今でも全くルールのないまま利用されているという状況もあります。また、例えば報道機関の報道などは、むしろ自由であるというところに意味があります。それはいけないという意見ももちろんあるわけですが、保護という概念で何とかルール化できないだろうかということできているものですから、そうすると一方の利用活用している方からすると保護のために制約を受けるということになります。これは、この前の座長私案に対するいろいろな意見でも既に出てきているというところもあります。そうすると、やはりバランスで一方で利用は確かに必要であろう。しかし、他方で保護ということももっと考えるべきではないかと、今の段階はどうもそうなのですね。そういう趣旨であります。

 それでは、関連して礒山委員どうぞ。

【礒山委員】私はこのバランスというのが非常に大事で、このバランスをどう取るかというところが結構大変なのかなという感じがするのですけれども、今、座長がおっしゃったように、世の中こういう情報が動くことによって非常に便利になっているのですね。それで、情報だけが動くわけではなくて、実際には物流を動かすときに情報も一緒にくっ付いて動くものですから、そこを何かの形で止めたりすると物流そのものも動かなくなってしまう。今の便利な生活もできなくなってしまうというので、それをどうバランスを取るかというところは非常に重要な点ではないかと思いますので、私はこの原案でいいと思っております。

【堀部座長】それから、先ほどの原委員の6ページのところですが、実はここは前回案1、案2、案3ということで案の3がすべての個人情報なのですね。すべての情報となると、紙一枚一枚に書いてあるものを含めてということになるのですが、それに対しまして礒山委員を始め、そのように広げるのは困るという意見もありましたし、実際に法制化する場合にどうなのかというのは、ほかのことも含めて更に今後検討せざるを得ないのですけれども、すべてを対象とする場合に、特に後で出てくる自己情報アクセス権になってきますと、一体どこに何があるのかということがわからない状況でも、それに対して権利を行使できるということになります。法としては非常につくりにくいのですね。そういうことも考えまして、一定の限界は不可欠であると考えるのが適当であるとここでは書いてみました。

 いろいろ御意見があったことは前回のところでよくわかりますけれども、情報公開の議論の場合には、情報公開はすべての行政文書ということになりますが、これは公開ということで対象は明確なのですね。ところが、個人情報となりますとその本人に関する情報ですので、どこにどれだけのものがあるかということを確認することが大変難しいところで、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律の場合も、事前通知という形で総務庁長官のところにどういうシステムを持っているかということを事前に通知することとしています。一枚一枚まで事前通知するというのは非常に難しいのです。そうしますと、どうしても一定の限度がある。そこで電子計算機と限ったのですが、それよりもっと広げていくというようにここでは考えていまして、それだけでもかなり広がってきているという側面があるのです。

 EUの前にカウンシル・オブ・ヨーロッパという欧州評議会とかヨーロッパ評議会と言われている国際機関がありまして、そのコンベンション、条約、これはOECDの理事会勧告が1980年9月23日ですが、その少し前の17日に採択されまして、翌年の81年1月28日に各国の批准に付されました。このコンベンションは自動処理だけに限っています。イギリスなどはカウンシル・オブ・ヨーロッパのコンベンションに従って自動処理のものだけで法律をつくってきました。今度、そこがEUのディレクティブでもう少し広げてファイリングシステムで検索可能なようなものと広がってきました。検索可能なものとなるとかなり広がってきたと見ることができると思います。

 そういう趣旨も含めて書いてみたのですが、恐らく三宅委員もまた別の意見というか、これではだめだという意見だろうと思いますけれども、どうぞ御発言ください。

【三宅委員】実は、原委員はかねて利用という言葉にかなりこだわっていらっしゃるというのを横にいて何となく感じておりまして、先ほど座長の方が利用、活用とおっしゃったのですが、本来の利用という意味の概念だと、他に先駆けてうまく利益を得るというようなニュアンスもかなり含むのかなと思いまして、本来的にはこれはまた別な話なのですが、以前、裁判所でメモが取れないというのを議論したときに、元始、人間はメモを取る権利があったとおっしゃった作家がいらっしゃったのですが、メモを取って個人の名前を書くのはやはり自由としての本来的な発現としてあると思うのです。それは何かというと、自分でメモを取ることによってその人のことを覚えて、その人のことを大事にしていくという何か人格の発現みたいなものがあると思うので、それは多分個人情報を生かしている側面だと思うので、これは全部利用で統一されているのですけれども、ところどころに何となく活用の「活」きるという文言をどこかに入れていただくと、少しニュアンス的には違ってくるのかなと。非常に技術的なことを言っているようなのですけれども、本来的に個人情報の自由な流通というのは、情報を知る権利というのも本来的には個々人が持っていると思うのですが、余り人のことを知り過ぎて、やはりプライバシーの侵害に通じるというところで個人情報の保護が出てくるので、堀部座長が実態的には利用が先行しているとおっしゃったのは、人間の持っている自由な発現行為としてメモを取ったりすることにおける、それが前提としての行為としてあると思うので、その辺のところを保護の必要性と利用と、まず保護の必要性が表にきていますからここはいいとして、若干その辺のニュアンスを含むような表現ができないかなと思って、先ほどの活用という言葉でひらめいたのですが、非常に技術的ですが。

【堀部座長】利用というのは国際的にユースという言葉が使われていまして、それが日本でもこれまで利用されておりますのでそれを使ってみているのですが、活用というのはそういう側面もあると思いまして先ほど申し上げました。そうするとどのように書けるか、なかなかどこまでが利用でどこから活用かというのは難しいので、とりあえず利用という辺りで止めておいていただいてもよろしいのではないかと思います。

【三宅委員】もう一点の個人情報の定義のところですが、これは事前に意見として述べておいたのですが、前回案の2と案の3でかなり対立的な意見のように見受けられたのですけれども、私が考えるところ、案の2と案の3を対立的にとらえられるのか、微妙に感じております。

 ただ、その検索可能な情報というのが日本においてはどういう場合に検索可能と言うのかが非常に分かりにくい。例えば、自分の裁判の記録でも、ダンボールに入れて倉庫に置いてあるのは検索可能なのか、それにそのファイリングの目録を付けないと検索可能にならないのか。その辺のことを考えると、検索可能というより、ちゃんとダンボールに入れて、だれそれの記録はここにあるということで置いてあるという、これは多分管理という概念だと思うのですけれども、礒山委員が前回、会社の中のどこにどんな個人情報があるのかわからないけれども、それが全部対象になるのは大変困るというような御発言があったと思います。それは多分、会社として個々の従業員の個人メモも含んで、会社として管理していないのではないかと思うのです。していないことが悪いと言っているのではなくて、実態として管理されていない個人情報というのはやはりあると思うのです。

 その辺で、これは極めてまだ思い付きの域を出ないので、「業務に関連して収集管理されたすべての個人情報」という定義を今日は提案しておきましたけれども、対価を得て他人に提供する場合というのは、一回でもそういうことをやった場合は業務関連性があるというのはたしか刑法などでもそういう理論があったように思います。収賄の関係などでもそういうことがあったと思いますが、そういうことを考えると業務関連性みたいなものが一つのメルクマールになるし、検索可能というよりはもう少し広目にしておいた方がいいのかと思いましたので、その辺をここに盛り込んでいただけるのか、それともそういう議論があったということで更に今後の議論としていくのか、少し御検討いただければと思います。

【堀部座長】これは今後の議論になるのですが、前回の座長私案では最後に専門部会という言葉を使いましたし、今日もそのように使ってあるのですが、事務局からは専門部会という言葉だと、この検討部会がなくなって新たなものができるかのような印象を与えるのではないかと指摘されています。そうではなくて、この検討部会はこのまま存続して、専門的に検討する委員会を設けることを考えています。今日の段階では案1、案2という形で指針と包括的な基本法とを並べていますけれども、これまでの御意見の多数は包括的な基本法ということになりますので、それを進めるとなるとやはり専門的に相当検討しないとならないですね。言葉の一つ一つの使い方にしても、先ほどの利用という概念でいいのかとか、活用は使えるかとか、そういうことを他の法令との関係で検討しなくてはならない。だから、専門委員会を設けて、そこで検討していただく。そこで検討したものについてここで大所高所から意見を述べるということになるかと思います。そういう趣旨ですので、細かい概念につきましてはそこで検討していただくと考えていますが、いかがでしょうか。

 では、鈴木委員、先ほどから手を挙げていますのでどうぞ。

【鈴木委員】個人情報の保護すべき範囲の中に、収集形態とか保有形態については書いてございますけれども、公開、非公開という考え方について、例えば登記簿謄本とか電話帳情報など公開されている情報について保護すべき範囲に入るのか、その点については触れる必要はないのでしょうか。

【堀部座長】それは入ります。前回も鈴木委員が言われていた公開情報、電話帳の情報とか出版物に出ている情報とかで、法律なり条例なりをつくるときには、公開されているものについてはそこから収集するのは自由だというつくり方になるのです。その場合でも今まさに問題になっている、特定の企業名を挙げるのはどうかと思いますけれども、電気通信事業者の電話帳には出ているかもしれない、しかし、特定の人の住所、氏名、電話番号が外に出たことによって、それがまた別の意味を持つということになりますので、そうするとそこはどの範囲で保護すべきなのか。個人情報の範囲とすると公開、非公開を問わずすべて対象になると理解していただきたいと思います。

【鈴木委員】公開情報と非公開情報を同じレベルで保護するとなりますと、円滑な経済活動が妨げられるということになりはしないでしょうか。公開、非公開を問わず全部に網を同じレベルでかぶせるということになりますと問題かなと思います。

【堀部座長】網をかぶせるといいましょうか、個人情報となれば公開されているものも非公開でも、非公開の中でまた秘密として保護されるべきものというのはほかの既にいろいろな法律の体系の中にあるわけですね。それに当たらないものについてどういうルールを考えるのかということになります。これで経済活動が規制されるということはないと言ってもいいと思います。

 かなり厳しい法律をつくっているヨーロッパでの議論ですが、日本では保護法ができると経済活動が規制されるから反対だという意見もあると言いますと、ヨーロッパの企業家はそういうことはないということを言っていまして、むしろルールが必要なのだと考えているということです。

 保護法ができても公開情報については、例えば電話帳に出ている情報を使ってはならないということはこういう法律では出てこないわけです。集めるときに公開されているものから集めるのはむしろ自由なのです。いろいろな条例に例はありますが、例えばそういう出版物等で公開されているものというのは本人から集めるという、本人収集の原則の例外であるということになります。ダイレクトメールを出す方は電話帳なり一般のデータをさまざまな形で使っているという実態がありまして、それをやめろということにはこのシステムではなりません。では、この範囲のところでどうぞ。

【開原委員】4ページの四角の囲みの(2)のところで非常に細かい話でございますが、2行目の「現代のネットワーク社会の中において利便性の高い豊かな国民生活」という言葉がありますが、この中に「利便性の高い豊かで健康な国民生活」と、「健康な」という言葉を一言入れていただきたいと思います。といいますのは、豊かで利便性というと何か効率性と経済性だけを追求しているような感じがするので、是非。

【堀部座長】いかがでしょうか。では、少し考えさせていただきたいと思います。

【開原委員】精神の健康のためにこれはすごく大事ですので。

【堀部座長】確かに国民生活ということで言えばそうなのですけれども。

【開原委員】情報は公衆衛生の面でも利用していくことが重要でして、情報の流通が健康な国民生活に大きく役に立つものですから、是非その言葉を入れることを、単なる趣味ではなくて、本質的な意味で申し上げているということです。

【堀部座長】では、大山委員どうぞ。

【大山委員】開原委員が今、言われたように、私も公衆衛生の面で言えばその方が良いと思います。たしか厚生省は「健やか」という言葉を使っていたと思います。

 それはそれとして、6ページ目の先ほどの議論に関連した私の意見を述べさせていただきたいと思います。マニュアル情報云々の話ですが、個人情報にかぎらず、もともと情報にはいろいろな特性があって、複数のものが結合するだけでその意味が大きく変わることがあります。個人情報で言えば例えば、氏名だけと、それからその人に関係するほか情報が結合したときに、同じ個人情報と言ってもその意味が全く違ってくるということです。このことからも分かるように、情報の表現形態、すなわち紙に書かれているか、電子的に記録されているかということで、保護対象の議論をするのは、私は原則的におかしいと考えます。本来、この個人情報保護云々の話が出てきたのも、個人情報の取り扱い方そのものに対して、国民が不安を感じるからであり、前の事に関連して言えば、例えば情報が幾つか組み合わさってくるとその不安感が増すので、収集に関する制限が必要と言う事になるのです。この意味で、個人情報を流通させるというときに、いろいろな問題が発生してきていると思います。例えば保護対象となるような個人情報を知ってしまったとしても、知っていること自体が罪だと言われてもどうしようもないわけであって、それを外に出すときに十分な注意が必要なわけです。以上のことから分かるように、個人情報の保護を図るのであれば、情報の記録形態に関わらず情報そのものを対象にすべきであり、このことから、電算処理情報とマニュアル情報を区別するというのに対し、私は反対です。

 また、文章の中にマニュアル処理情報とマニュアル情報という2つの言葉がありますが、これらは同じ意味なのでしょうか。マニュアル処理情報とマニュアル情報の違いがあるのか、さらにマニュアル情報というのはもともとどこを言っているのかを明確にすべきと思います。

【堀部座長】ただ、制度としてつくるとなると、何か形態で表現しないと難しいと思うのですが、可能でしょうか。個人情報ならば個人情報ということだけですべてを対象にしていくというのはいかがでしょう。では、大橋委員、関連しているかと思いますのでどうぞ。

【大橋委員】今の関連で、形態において区別がしにくいという実態は一方にあるのですけれども、大山委員がおっしゃった意味を逆に考えてみると、マッチングといいますか、データが突合されることによる被害、侵害というものがクローズアップされているわけですね。そこのところで、まさに私の名前だけでは何の意味もない。けれども、いろいろな情報が付くと気持ちが悪いという議論からすれば、ファイリング等により検索可能というのはその辺のことを言わんとしていると考えます。それで、書きぶりはもう少し工夫があるかどうかはわかりませんけれども、まさにそういう情報というものが、国の法律の場合もそうですけれども、突合されるというか、集積されることに対する問題を防ぐという書きぶりができればいい。

 それと、先ほど三宅委員の話もありましたように、紙であるか、電子化情報であるかと

 いう問題と別にもう一つ、情報公開でも議論されたところですけれども、民間全体の活動の中に網をかぶせるとなると、組織業務として、そして組織的にそれが管理利用されているという、そこの限定が何らか入る方がはっきりするのかなと思います。検索可能な状況になっていて、組織業務として集められていて、組織的に管理利用されるという限定の中で考えるしかないのではないかと思います。

【堀部座長】その辺りは、恐らく制度としてつくっていくときにどういうふうに表現していくのかということにもなってくると思いますので、大山委員の意見を含めて少し検討してみます。では、浦川委員どうぞ。

【浦川委員】今、座長がおっしゃられたとおりの問題なのですが、私は、前回、余りここのところで定義的なものを明確にしておかない方がいいのではないかと申し上げました。というのは、最後のところで議論されるのかもしれませんが、基本法を目指すか、指針を目指すかにより個人情報の範囲の表現は相違し、例えば極めて宣言的なものを考えれば、個人情報というのは非常に抽象的な範囲で定義してもいいと思うのです。

 ところが、個人情報の対象者に請求権的なものを認めたいという御意見もある。その場合、抽象的に定義されたために広がりすぎた範囲のあらゆる個人情報を開示して欲しいと言われたら、これは請求を受けた方が困ってしまう。したがいまして、ここの段階ではやはり制度設計が今後の問題にゆだねられているとするならば、ここでは一応このレベルで押さえておいて、もう少し具体的な制度設計をどうするかという段階で考えてみたらいい。いろいろな考え方の基準があるということはここで明らかになっているわけですから。

【堀部座長】ありがとうございました。では、加藤委員どうぞ。

【加藤委員】制度設計というのは、専門委員会の方でもう少し精密に調査していただいた、その結果がもう一度この検討部会がそれを話題にするチャンスというのはあるわけでございますか。

【堀部座長】あります。

【加藤委員】わかりました。ありがとうございます。

 私は少し勘違いしている部分があって出した意見書かもしれませんけれども、そうでもないのかなと思っておりますが、別紙のようなものを用意させていただきました。それで、全体的に非常に事務局が御苦労をなさって、委員の意思を限定的に書かないで努力してくださったために、こういうふうに非常に婉曲な言い回しとか、それから結論が出ていない部分が多いのではないかと思うので、それを今日と次回とでもう少しきちんとこの部会としての意思表示、大きな柱だけはつくっていけるのではないかと期待しています。そこで、お願いしたいというか、要望したいのは、大手のゼネコンの丸投げではないですけれども、諮問されたことをそのまま下に下ろしてしまえばいいというような感じではなくて、ある程度この部会での意思として大きな柱だけはつくっていっていただきたい。大体、今までの議論の過程で確認されたことはきちんとここで確認していっていただきたいという私の希望で別紙のようなペーパーを用意いたしました。

 大変重箱の隅をつつくようなことも書いてあるかと思いますけれども、失礼をお許しいただいて、これにプラスし少し気が付きましたことは、まず1ページ目の一番下で「近年、民間部門等において個人情報の流出や漏洩」と書いてありますけれども、行政機関、自治体の中から漏れた場合もありますので、ここは「等」でそれを読みこなすという必要はなく、「民間部門等において」ではなくいきなりただ「個人情報の流出や漏洩」とした方がよろしいのではないかと感じました。

 それから4ページ目で目的のところですけれども、「個人の尊厳が重んじられるという人権の一部に由来」するということで非常に柔らかな表現でございますけれども、ここはやはり憲法13条に基づく個人の尊重の原理を源とする人権の一部に由来するというように明確にしていただけないものか。この辺、また法律の先生方がどのように難しい御議論を出すのか知りませんけれども、素人としては、平凡な国民としては是非こういう明確な権利であるということを明示していただきたいと思います。

 それから5ページ目の3行、4行目にかけまして、こういったこの個人情報保護をする原因というのはみんなが不安感を持っているからだということが書いてありますけれども、不安ではなしにこれまでにいろいろな被害が実際起きているし、二次被害、三次被害も起きていますので、ここの3行目のところは、情報が予期しない形で収集、利用、提供されたことによる被害、そして不完全な情報が利用提供されているのではないか等の不安感を国民の間に生じさせているところにあると書きぶりを直していただければありがたいと思っております。

 それから、5ページ目の「保護すべき個人情報の範囲」では前回、座長骨子の案の3のところで明確にしていっていただきたいことについてはもうほかの先生方からも御意見が出ましたので、一応メモとして出させていただきます。以上でございます。

【堀部座長】ありがとうございました。もう一度考えてみますが、憲法13条に根拠を求めるというのは私は口頭で言いましたけれども、憲法の適用は公権力と国民あるいは私人と言っていますが、その関係のものというのが通説なのです。これは民民の関係のことまで含んで問題にしますので、そうすると憲法の規定に淵源としては由来しているにしても、憲法の規定に直接根拠を求めてというのは法的には非常に書きにくいところです。

 後の方に出てくる表現の自由などになってきますと、法律ができてそこで公権力が出てくるわけですが、それが表現の自由を制約するという問題になってきますと、そこで憲法の問題が出てくるわけです。しかし、民間の間では、憲法は直接適用にならないので、間接適用説というのが判例通説なのですね。その精神はこの前も言いましたように13条にあるのですが、ここでこれは13条だと言うのは大変法的には難しい表現なのです。

【加藤委員】ほかの憲法でも国民生活の平穏であることや何かも、健康でとさっき先生がおっしゃった25条ですか、ああいったところも関係してくるのだろうと思います。私はさっき原委員がおっしゃっていたバランス論のところで非常に危惧しております。経済発展と個人情報の保護のバランスというところで、先生は逆に非常に利用の方が先行してしまったから、ここでバランスを取る、利用のスピードを落とすぐらいの感じにおっしゃったけれども、始めの頃私がこの会合に出ましたときに、この法律が個人情報利用保護法にならないようにということを申し上げたのですが、原委員が発言されたその気持ちといいますか、懸念しているところと私は恐らく同じだと思います。

 そういう意味で、私たちはOECD8原則に基づくような権利を日本国民も是非享受したい。そういうことが実現するためには、こういう婉曲な言い方だけでよろしいのだろうかという不安を持ったので、明確に何か根拠法を書けるものならば書いてもらいたい。例えば、経済発展というものも最終的には国の政策の結果、もちろん民間企業の御努力もありますけれども、やはりどこかで私たちの生活ルールを規定しているものなので、民民の関係についても憲法をお互いに尊重するということを、書いてもらいたいと固執するところでございますので、御検討ください。

【堀部座長】個人の論文ならばそのようにも書けるのですけれども、政府で今後検討していく際の文章となりますと、どうしてもそういう辺りは配慮しなければならないという点があることもまた御承知おきいただきたいと思います。 バランス論の問題に戻りますと、最初の背景のところにも書きましたように、プライバシー問題が先行してそれに対してどのように法的には救済を図っていくのかという議論なのです。日本でもこれまでもいろいろな形で法的救済は考えてきたわけですし、訴訟で救済するということもしてきています。それを今度はいろいろな分野でそういうことが法律の面でできればということもありますし、全体をカバーするような何か基本的なものを定めるものができれば、そこがより明確になってくるというようなことでありまして、それぞれのお立場でここは取り方が違ってくると思います。

【礒山委員】4ページの「国際的な議論との整合性」のところですけれども、国際協調を図っていくことが非常に重要な課題となっていると、まさにこのとおりだと思うのですが、読みようによってはというか、もう少し前向きな表現ができないものかという感じがしています。例えば、日本の企業とヨーロッパなどの企業との情報の取扱いについてのアンバランスというか、そういうものが出ては困るわけです。日本の消費者は知らない間に海外の事業者と取引をしてしまうわけですから、もっと国際的な整合性の確保に日本が参画していく、あるいはもっと日本が主張していくというか、そういう前向きな取り組み方が必要なのではないかと思います。

【堀部座長】ここも特にインターネット等の関係などでいくと、今のところ各国でとにかく法律をつくって、他に出さないということにすることもできますが、その場合でも実際にはインターネット上でも情報は行来していまして事後的にしかチェックできないような状況にあります。その辺りは、EU的に外に出すことを制限するのか、あるいはアメリカ的にもう少し自由にと考えるのか。その辺りもありまして、まず国際協調という概念でとりあえずとらえてみまして、国際的整合性はどういう点でとるかですが、OECD8原則などは言ってみれば各国大体こういうものでという考え方になりますので、そういう点では整合性がとれるのではないかとは理解していますけれども。

【礒山委員】少し外国の何かに合わせていくみたいな感じに読めてしまったものですから、もう少し何か……。

【堀部座長】それはやはり後発なものですから、どうしてもこちらで先にというわけにはいかなくて、8月の初めに整理した論点のところで、今度日本から外へ出て行く場合どうするのかというのは指摘しておいたのですけれども、ここではそれは入れていません。日本は世界的に見ると今は中程度のところにあると思うのです。そうすると、今後日本から出ていくものはどうするのか、保護措置を講じていないところに対してどうするのかということもあるのですが、まずは国内法で対応することを考える必要があります。

【礒山委員】国内法でというよりも、個人情報保護についての取り組みの基本的な考え方みたいなものが一番最初の「はじめに」で入っているものですから、そこで果たすべき日本の役割というのが何かあるのではないかという感じもしていたし、また手をそこまで差し延べないと日本の消費者を守れないという問題も出てきてしまうのではないかという感じがしたものですから。

【堀部座長】では、もう少し考えてみますけれども、うまく表現できるかどうか、趣旨はわかりました。

 次のところについて恐らくかなり御意見があるのではないかと思うので、とりあえず一通り検討してみて、また後で時間の許す限り御検討いただきたいと思います。次は6ページの3の「個人情報保護のために確立すべき原則」ということで、10月20日に出しました座長私案で、特に個人情報保有者の責務で原則的なものを掲げておきました。これはなかなか表現が難しいところでして、それについてどうするのか考えましたが、やはり磯山委員から御発言がありました国際的な整合性といいますか、そういうことになると、日本が加盟国であるOECD8原則にも言及するとなると若干説明を加えた方がいいのではないか。説明を加えれば加えるほど一つ一つが難しい問題になってきて、この段階では具体的にこうだとはなかなか言い切れない問題を持っています。

 これは前から申し上げておりますように1988年、昭和63年の行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律の前に総務庁で研究会が開かれましたが、そのときにも随分OECDのものをどうするのかという議論がありました。具体的に日本の法律体系の中に入れていくとなると、国際的な文章というのはそのままではいけませんし、随分いろいろな点で工夫をしなければならない点が出てきます。そこで、国の行政機関については1つ法律ができていますが、今までの法律にない点についても意見や要望が出てきています。今後基本法を考えた場合にどのようにそこを表現するのかというのは、この段階では結論的にこうだとは言い切れない側面が多々ありまして、検討が必要であるという表現になっているところがありますが、とりあえず読んでいただけますか。

【小川内閣審議官】(「3個人情報保護のために確立すべき原則」から9ページまで朗読)

【堀部座長】ありがとうございました。そこまでを第2部として御検討いただきたいと思います。では、どうぞ礒山委員。

【礒山委員】6ページのところから確立すべき原則ということで、基本原則を確立することが必要だと、まさにこのとおりなのですけれども、この基本原則一つ一つを固めていくときにお願いなのですが、やはり善良な企業といいますか、事業者の実務というのですか、これを是非踏まえていただきたい。それから、業種業態によってもいろいろ仕事の仕方も違いますし、実態として仕事が今アウトソーシングで、社外の人を使いながらやっている仕事もかなり多いものですから、余り画一的にということではなくて、そこは是非踏まえていただきたいということが1つでございます。

 それからもう一つは「国の責務」のところですけれども、これは国民に対する教育とか啓蒙ですね、このことについて何か明記していただいた方がいいのではないかと思いまして、啓発活動とか教育の推進という条項が消費者保護基本法の12条に入っているのですけれども、何か国民に対する教育、啓蒙というのをしていくのは国の責務としてあるのではないか。

 それからもう一つ、アメリカなどを見ますと、アメリカの特に公的機関はプライバシーポリシーステイトメントというのを公表して自ら率先して守って、こういう個人情報が大事だということを国民に対してリードしていくというか、そういう役割を果たしていると思うのですけれども、やはり国も是非自ら率先してそういうものを出して国民をリードしていくということをおやりになってはどうかと思います。以上でございます。

【堀部座長】ありがとうございました。この段階でどこまで入れるかということはありますが、そういう御要望があったということを踏まえて今後当たりたいと思います。では、鈴木委員お願いします。

【鈴木委員】7ページの「個人情報の管理等」でございますけれども、アで「個人情報の内容の適正化、最新化」ということがありますが、この最新化という言葉は漠としていると思います。

 情報の更新はサイクルも全部違いますし、個人情報の種類によっても違いますし、商品によっても違います。したがいまして一律に最新化すべしというのは非常に難しい点がありますので適正化だけでとどめていただく方がよいのではないかと思います。

【堀部座長】実は、そこのところはそういう御意見もあろうかと思いまして、括弧を入れまして「取扱目的に必要な範囲内」というのは座長私案ではなかったのですけれども入れました。それは、すべての情報を常に最新化しておく必要はないわけで、必要な範囲内でそうするということです。銀行が住宅ローンを貸すというときに、最初の段階で返債能力があるかどうかということで最新の個人情報を収集しますが、あとは一々毎年給与証明書を取ってということはやっていないと思うのです。しかし、必要な範囲内で最新のものにしておくように努力していただきませんと、その情報を見て判断されますので誤った結果を招き不利益を被るということもありますので、この括弧には大きな意味があります。

【鈴木委員】個人情報の最新化ということは混乱を招くと思いますので下ろし方は気を付けていただきたいと思います。

【堀部座長】OECDのデータ内容の原則などでもそういう書き方になっております。アップ・ツー・デートということなのですが。

【鈴木委員】そうですね。ただ、非常に漠としていますのでお願いします。

【堀部座長】具体的に法律の場合どのように書くかというのはまた考えますけれども、趣旨はこういうことで取扱目的に必要な範囲内でそうしていただくということです。では、安冨委員どうぞ。

【安冨委員】8ページのところの一番下の憲法上の考え方との整理の仕方なのですが、ここで報道と出版と挙げられて、もう一つ学術・研究などと、などの範囲の問題がいろいろ出てこようかと思いますが、一応ここに挙げられているのは自由権として代表的なものであり、かつこのヒアリングにおいても報道機関等からの聴取があったということでお書きいただいたと思うのですが、2つありまして、1つは自由権的な面と、もう一つは国の責務にかかわるような問題というのは出てくるだろうと思うのです。それは具体的に言いますと憲法25条2項で、いわゆる社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上ということをうたっていますね。これから保険の問題であるとか福祉の問題というような形でいろいろ個人情報というのは集まってきて利用されることもあると思うのです。そういうときもやはり憲法上の問題が出てくると思います。そういう意味では、自由権的な性格のものと、国の責務としての25条2項に掲げられているような社会福祉や社会保障や公衆衛生というようなことも憲法上の問題としては考えていかなければいけないのではないかと考えることが1点です。

 それともう一つは、9ページの2行目以下のところに表現の自由で報道機関からの話が4行にわたって集約されています。確かにそういう議論がありまして、私どもこういう議論をした記憶がありますし、そのとおりなのですが、ただ逆にそこだけが浮き立っているのではないか。つまり、いろいろ学術団体や研究者のグループ等々があると思うので、そこからのヒアリングはやらなかったわけですね。そうしますと、この4行だけ見ますと報道機関とのかかわりでの非常に強いニュアンスで述べられてしまっているような印象を私は受けるものですから、どうもそこら辺りが少しアンバランスのようなといいますか、結論を先取りしてしまえばこの4行は要らない。つまり、それはここの検討部会での議事録が少なくともいろいろな形で伝わっていけば、ここの4行に集約されているような議論があったことはわかると思いますし、あえてここに書いてしまうとこれがかえって表に強く出過ぎてしまうのではないかという印象がありまして、それ以下の「これらの分野については」以下の部分でもう少し広く伝えておくことで最初の検討部会の任務は達成されるのではないかと思うわけです。以上の2点でございます。

【堀部座長】この憲法上の自由権について記しています。25条になりますと社会権として位置付けられているわけですが、何らかの法的なルールをつくりますと、それによって一般的には自由権の制約を伴うものですから、それとの関係を念頭に置いてこれを入れています。ほかにも憲法上さまざまなものがあるわけでして、例えば政党をつくるという場合には結社の自由にかかわってきます。政党が持っている個人情報とか、政党委員の名簿はどうなるのかとか、また、信教の自由との関係でいくと宗教団体はどうかとかいろいろ出てきまして、その辺りもどのように書いていくのか、基本法の中でそこをどのように適用関係を書くのかというのはもう少し考えてみないと出てこないところなのですね。

【安冨委員】ただ、9ページの1行目の「など」というのは恐らくそういう意味で言いますと自由権としての例示的な意味合いを持つものだと思います。私が申し上げたいのは、確かに自由権の制約ということが個人情報保護との関係で出てくることは否めないと思います。

 ただ、一方においては25条2項の言っている生存権というのは必ずしも自由権としてとらえられているわけではない。別の社会権ですから、そういう意味で言うと憲法上も自由権とは全く違った性質の権利としてとらえられているものにかかわる個人情報の利用という問題が、社会保障の問題であるとか公衆衛生の問題とかで出てくるはずなのです。ですから、そういう意味では性質が違うものなのですから、憲法上の議論として自由権の制約の問題と生存権の確保の問題というのを二本立てで書いておく。

 だから、先生がおっしゃったのは確かに自由権の制約の場面での個人情報の保護と利用ということではわかります。ただ、もう一方においては生存権との関係においてこれから保険制度とか社会福祉だとかでいろいろ個人情報にかかわるような問題が出てくると思うので、そのことも今後は検討すべきだという意味で、生存権の保障にかかわる25条2項に関する議論を1行入れていただきたいと、こういう趣旨であります。

【堀部座長】恐らくそれも25条を根拠にするのか、個人情報を利用するという側面で問題になってくるのか……。

【安冨委員】それならば、ここに21条であるとか23条であるとかと例示的に挙げられているわけですから。

【堀部座長】それは自由権の場合には国で何らかの措置を講ずれば制約が生じてくるわけです。生存権の方は積極的な権利ですから、むしろそれを利用することの意味が大きいわけですね。

【安冨委員】ですから、その利用することにかかわるさまざまな福祉制度であるとか、社会保障にかかわるものは、今後恐らく介護保険も含めて、あるいはいろいろな疾病に関するものであるとか、むしろ個人情報を利用することによって更に生存権の十分な確保につながっていくような問題というのは必ずある。むしろ多く出てくると思うのです。ですから、私はここに1行、「など」の次にそういう意味での生存権としての、つまり自由権と生存権という分け方の中でここのところの議論を整理していただきたいと、こういう趣旨であります。

【堀部座長】ここでどこまで挙げるかというのは非常に難しいところでして、経済活動の自由についてどうするか。これは憲法では職業選択の自由のところに営業の自由ということで入ってくるわけですが、これについては明文の規定はないわけです。経済活動の自由も重要ですので、それをどうするかとか、いろいろ出てきますので、どのように入れられるか考えてみますが。

【安冨委員】御検討いただきたいと思います。ただ、性質の違う2つのものが憲法上議論されなければいけないということをここで申し上げているわけでございます。

【堀部座長】わかりました。表現の自由の問題というのはやはり外国の立法例でも非常に重要な問題として取り上げているところですので、そういうこともありまして報道機関からも意見を出していただいたところでもありますし、確かに議事録にあればということもありますが、今後問題を考えていく上でどのように扱うのかというのは非常に難しい問題になってくるかと思います。他のものも、恐らく安冨委員が念頭に置かれたのは、公衆衛生のために利用するときに、多分収集なり利用のところでどういうふうにするのかという問題にもなってくるかと思うのです。さまざまな側面がありますので、どこまで具体的にこの段階で書けるか。また、次の段階で今日の御発言などを含めてその辺りをどういうふうに条文として起こすのかということは検討しなければならないところであることは十分承知しております。

 では、加藤委員どうぞ。

【加藤委員】小さな話と、一つはっきりしていただきたいこととあります。

 6ページの四角の囲みの中の「個人情報の収集」のイの「収集目的の本人確認」ですけれども、これは骨子にあったときには本人によるというわかりやすい表現だったので元へ戻して、本人による確認と直していただければと思います。

 それから8ページの請求権の問題ですけれども、これは事業者の行為規範に終わらせるということは大変私たち利用するよりはむしろされる側の立場としては困るのです。というのは、事業者の意思の範囲に私たちは収まっていなければならなくて、自分の努力の余地が非常に狭められてしまう。だから、当然本人請求権は明記してもらっていいのではないか。本人に請求権があることを今回は是非ここで大きな柱として基本法をつくる、それから本人の請求権があるということぐらいはこの部会として結論の中に入れていただきたいと思います。というのは、例えば9ページの6で私たちの果たすべき役割と責務というのが明記されているのですけれども、この役割と責務を果たすには自分で自分のことはちゃんと行動しなければならないわけで、そのための権利保障がなければ身動きができないわけですから、本人請求権があることを明記していただきたいと思います。以上です。

【堀部座長】法律上の権利をどう定めるのかというのは非常に難しいところでして、これも更に検討しないと裁判所もその訴えについてどう判断するのかという問題にもなってきますし、総合的に検討しないと、要望としては趣旨はよくわかりますし、私などもそれをずっと言い続けてはきていますが、具体的に制度として設計していくとなると、ここでそれでいくべきだと結論づけるというのは、他の意見もあるところですのでなかなか難しいところです。

 それと、基本法というものでどこまでその権利などを定められるのかという基本的な問題もあるのです。権利というのは一般法に基づく人格権で考えるか、ここで新たに権利を創設するということの持つ意味は違ってきますので、その辺りはまさに総合的に検討しないと結論はなかなか出ないところだと理解しています。

 では、三宅委員どうぞ。

【三宅委員】今のところなのですけれども、先ほどの4ページの枠との関係もあるのですが、まず枠で囲む部分と囲まない部分とは具体的に今後の方針でどういう意味の違いがあるのか。枠で囲っている部分と囲っていない部分との兼ね合いですが。

【堀部座長】枠の方は、前回の座長私案として出したものです。それを説明するとどうなるかということで説明を加えたものです。

【三宅委員】これは、最終的には枠は外すということになるのですか。

【堀部座長】外すというか、そこはどのようにするかですけれども。

【三宅委員】私はむしろ大事なところだという意味では、枠はそのまま残しておいていただいた方がいいのかなと実は思っておるのですが。

【堀部座長】これでどこまでというか、この検討部会で考えている範囲というのはこれである程度出てきたと思うのです。それを踏まえて今後、仮に立法化するとなればそれを念頭に置いていただくということになりますので、そういう趣旨です。一つ一つどう書くのかというところですね。収集目的の本人確認といいますか、本人によると言った場合、この辺りも具体的にどういう場合にどうなのかということもいろいろと考えていかなければなりませんので、むしろその辺りも文章化というか、条文化、法文化してみてどういう表現が可能かということになってくると思うのです。できるだけここにあるものは取り入れていただくという趣旨で書いていまして、あとのところは先ほど途中で申し上げましたように、とにかくどういう趣旨かということで説明を加えてみました。説明すればするほどここではなかなか結論を出し得ない問題だということがわかってきているというところです。

【三宅委員】それは私の発言の前提としての質問だったのですが、請求権として明記するかどうかというところで、非常に8ページは双方が対等のような表現になっておるのですが、これはやはり4ページの個人の尊厳が重んじられるという人権の一部に由来しているということと、人格の一部としての適切な保護というところのニュアンスからすれば、請求権としての構成の方が筋が通るのではないかと思っておりますので、その辺のニュアンスをもう少しここの8ページのところで込められないのかどうかということです。

 それと同時に、先ほど発言できなかったので触れておきますけれども、個人情報保護の目的で(1)(2)が枠にありますが、その枠のうちの(1)の部分の説明が、先ほど座長の方から憲法の直接適用の問題と民民における間接適用の問題とがあって書き込めないのだという御発言があったのですが、個人の尊厳が重んじられるというのは、13条が個人の尊厳を保障するものであるというのはどうも最高裁の判例の中でこういう表現はあるようですが、その辺りをもう少し枠の後に先ほど御発言いただいたような説明が書けないのかどうか。この説明だと(2)の方の説明はかなりあるのですが、(1)をもう少し重く説明としては少なくとも書いておいた方が、先ほどの加藤委員の憲法13条の趣旨というところは、枠の中の文言に入らなくても達成できるのではないかと思ったので、少しこの辺は工夫の余地があるのではないかと思いました。

 それから、そことの関係で8ページの真ん中のところで、私は個人的には請求権として構成するか、事業者の行為規範とするかの問題については、苦情処理相談機関の窓口をどう充実させるかということに尽きてくるとは思うのですが、せっかく個人情報保護検討部会で検討したという、この趣旨としてはやはり事業者に行為規範として求めるよりは、その保護を求める個人としての保護を求めている国民の権利という側面をもう少し強く出しておいた方がいい。ただ、専門委員会で検討するという余地が法律をつくる上で必要な部分というのは含みとしてはあるのかもしれませんけれども、検討部会としてほかの委員の方々に御異論がなければ請求権として構成すべきだという意見がかなりあったというようなニュアンスは、どこかにやはり残しておいた方がいいのではないかと思います。

【堀部座長】では、その点について少し御意見をいただきたいと思います。

【安冨委員】私は、請求権であるまで明記するのは反対であります。先ほどの前段の憲法13条との関係で、人格の尊厳に由来するものだという考え方を最初のところに入れたらという御提案には私は賛成です。もちろんストレートにそこに出てくるわけではなくて、説明のところです。それを前提にしても、個人の人格の尊厳に由来するものであるという位置付けをしても、直ちに法律上、だからと言って請求権であるという結論には至らないわけでいろいろ構成の仕方はある。そういう意味で言うと、確かに請求権であるという考え方がかなり有力であることは認めます。

 しかし、この時点での説明の中で、ここで請求権であるという決定の仕方というのはかえって今後、具体的な法律を考えていったり、さまざまな情報というものを開示したり利用したりする場面において、逆に縛りがかかってくる可能性がある。だから、情報の質に応じてそれぞれの個別法の中でこういうものは請求権という形で請求できるのではないかという余地も私は残した方がいいのではないか。そういう意味で、ここでむしろ一つに絞らないで、両方考え方はあり得るのだとむしろしておくのがいいと思います。

 ただ、説明として、表現として「請求権」と書いたり、他方は事業者(個人情報保有者)の行為規範と言うと、請求権と行為規範とが相対立するかのような概念に読めるのですけれども、必ずしも構成というのはすべてそれに尽きるものではないと思いますので、そこの工夫、表現の仕方というか、構成というのはいろいろあるというようなニュアンスのところに、今にわかにどう表現しろと言われると困るのですが、少しここは請求権に対するものが事業者の行為規範であるという二者択一的なもので整理するのに尽きるものではないように思います。そこで少し工夫したらいいのではないでしょうか。

【堀部座長】では、原委員どうぞ。

【原委員】これは最終的には報告書でまとめられてパブリック・コメントを求められる形で出ると思うのですけれども、余りにも簡単に2行で書き過ぎてあって、非常に消費者からすれば請求権として構成をしていただきたいというのがあるのですけれども、この議論に加わっていた者にはわかるのですが、もっと一般の人にわかる形で2行ではなくて、ほかのところはかなり丁寧に説明がしてあるのに、なぜここだけが非常に簡単に書かれているのかという感じがしますので、何が論議の問題になるのかということがわかるような形で書いていただきたいと思います。

【堀部座長】議論があったことはそのとおりですので、それは議論があったことにふさわしい形でもう少し加えることといたします。それでは、大橋委員どうぞ。

【大橋委員】別なことになりますけれども全般的なことで、ここに書いてある原則というものが我々は案の1、案の2ということを置いたまま議論しているものですから少し不明確なのですけれども、この原則というのは私はどちらかというと個別法の運用にかかるものであると思います。例えば国の保護法は大体こういう原則に基づいて進められていますけれども、あれは個別法ですね。そういう意味で、この原則は案の2で言う場合の基本法そのものに置かれる原則なのか、あるいは個別法のことを意識しているのか。この内容を基本法でかぶせると運用は大変ではないかと思っていますし、先走りますけれども12ページで基本法では罰則とか規制措置は置かないという記述がありまして、それも全体のここでの議論だったと思いますので、そうしますとこの原則はどう位置付けるかというのがひとつ疑問です。

 それからもう一つ、別の話で少し細かいことですけれども、考え方で確認しておきたいのですが、9ページの米印3のところでオンラインの場合の問題が書いてあります。確かに、個人情報の取扱いはオンラインによるというのは重要な視点なのですけれども、当事者が未成年であるかどうかということとは関係なく重要な問題なので、未成年ということをここで限定して考えているのはどういう趣旨なのかというのを確認したいと思います。むしろ未成年でなくて一般の場合でも重要だと思っていますし、未成年に特別な問題ではないと思います。

 それから、10ページの最後の段落なのですけれども「地方公共団体の責務」のところに条例が相当団体によってまばらというか、程度の差があるということは承知しておりますけれども、それに対して当該地域の特性に応じる必要があるのかどうかということです。条例に決める個人情報の保護という問題は、A県ならばいいけれどもB県ではだめという地域の特性ということが考慮される必要があるのかどうか。この2点です。

【堀部座長】全体を基本法に入れるかどうかというのは、実はそこはまだ明確には全体としてはなっていないわけです。個別法に入るものもあるかもしれません。個人情報保護ということを図っていくためには、こういう原則が必要であろうということで書いています。

 基本法がどういう中身になるのか、10月20日に座長私案を出しましたところ、いろいろなところから意見が出ていますし、個人的にも言われていますが、単に原則を宣言するようなものならば法律事項もないし法律はできないだろう、何かほかのものもプラスする必要があるのではないだろうかとか、いろいろな忠告をいただいています。これも先ほど言いました専門委員会で一体どういうものが可能なのかということを少し考えていただかないと、大橋委員は別ですが、ここで余り立法の経験を持っていない者が軽々にはなかなか言えないところがあるのではないかと思っています。個人情報を保護する上ではOECDの8原則にあるようなものを少しアレンジしてみるとこういうことになるかもしれませんが、基本法との関係は必ずしも明確にはなっておりません。

 それから、未成年のところはアメリカで昨年チルドレンズ・オンライン・プライバシー・プロテクション・アクトというものができたものですからそういうことと、それから原委員とか加藤委員から未成年者から個人情報を集める場合のことが問題になっていましたので、そういうことで触れました。全体にインターネット上の問題、オンライン上の問題としては保護措置をどうするのか、なかなか難しいところで、これも岡村委員がGBDeでの議論などからすると、政府は干渉するなということでもあったようですし、大変難しいところではないかと思います。

 地方公共団体でも住民の意識との関係でいろいろな個人情報保護条例をつくってきていますし、まだつくっていないところもありますが、ある程度特性も認めながら対応していただくということもあり得るのではないか。また、非常に地域的なものを、前にも神奈川県から来ていただいたときにありましたけれども、PDマークの場合なども例えばプロパン業者などというある町だけでプロパンのボンベを配達して名簿をつくっている、そういう人たちには特に地方公共団体で対応していただくというのはひとつあり得るとか、いろいろなことを含めて特性と書いてみております。

 では、浦川委員どうぞ。

【浦川委員】今後考えるべき項目を並べていくということであれば、5番目の「管理責任及び苦情処理」というところに「被害救済」という項目をひとつ入れておいていただきたいと思います。現実にはこれは苦情処理の一部になるのかもしれませんが、もし被害が個人情報保護にかかわって生じた場合に、どういう被害救済の在り方が妥当かというようなことも一度検討しておいた方がいいだろうと思います。

【堀部座長】その辺は専門的にはどうなのでしょうか。苦情の中では。

【浦川委員】処理というと、ここで書いたものは「苦情処理・相談窓口の設置及びその適正な処理」ということで個人情報を保有する側と個人情報の対象者との相対間の制度だろうと思うのです。それ以外に国の採るべき措置として、従来民法の損害賠償制度の変更もあると思います。特別の賠償制度を設けることも絶対考えられないわけではないと思うのです。これは基本法のレベルかどうかはわからないですが、一応基本法を考えるときに一つの項目としてはやはり検討しておくべきことだろうと思うのです。

 例えば実際上、個人情報などというのが侵害された場合、非常に小額であるということは御存じのとおりで、場合によると無過失賠償ということも考えられるわけです。

【堀部座長】この辺りは民事上の救済の問題にもなってくるかと思いますが、いろいろ含めて苦情処理のところでとりあえず何か救済を入れてみました。複層的な救済システムと言ってみたのは後の方に出てきますけれども、そういう趣旨もあります。

【浦川委員】それは入っているということですか。

【堀部座長】民事上の新たな救済措置をどうするのかというのは基本法で入るのかどうかですね。あるいは、別途どこかで考えられるのか。御指摘のように、電話番号が漏らされて損害が幾らだったのかというときに、その算定というのは非常に難しいですね。そういうときに損害額の推定をするということも法的には考えられるかと思うのですけれども、その議論はどこでするのか。基本法の中には入れにくいのではないかと思いまして、全般に救済というようなことで最後の方に入れてみています。そういう御意見もありましたのでどういうことで入るのか、そこをもう少し考えてみたいと思います。

 では、加藤委員どうぞ。

【加藤委員】今、浦川先生のおっしゃったことなのですが、後ろの方で複層的なということを書いてありますので、その中には国とか地方公共団体の機関も入ると思うので、ここにやはり入れておいていただいても別に不自然ではないと思います。よろしくお願いします。

【堀部座長】では、開原委員どうぞ。

【開原委員】4番の「本人情報の開示等」という四角のところに関係しての発言です。先ほどの請求権の問題とも多少関係があるのですが、結論から先に申し上げると、医療の情報というものに対してこの考え方を適用するということに対してはいろいろ問題を生じてくる可能性があります。そういう意味で、確かに国の法律では例外規定の中に入っているわけですが、ここの書き方だとア及びイの原則についてはという限定が入っていて、その後ろに国の電子計算機の法律の話が出てくるわけですけれども、実はそうではなくて、私は医療に関する情報はそもそもこういう請求権とか開示とかという考え方自体になじまないところがあって、私はむしろセクトラル方式で別な観点から考えた方がいいと思っています。ただ、今それをここで申し上げてもいた仕方ないことかもしれないので、医療の問題をここで丁寧に取り上げて、この考え方の中の除外規定になるのだということをはっきりさせておいていただきたい。

 私は決して医療情報を患者とともに共有することを否定しているわけではないのですが、それは医師と患者の信頼関係の中で情報を共有するべきであって、個人情報を医師が集めているからそれを開示させるという考え方とは根本的に違っているところがあります。

【堀部座長】その辺りも含めまして、請求権にするかどうかということで留保しているところがあります。実際に日本医師会の常務理事の方にも来ていただいてヒアリングもしていますが、自ら情報提供のガイドラインもつくっています。また、厚生省の医療審議会でこの問題は法的権利として認めるのか、それとも医師の倫理規範として考えるのかとか、随分議論があったことも承知はしております。一方では先ほどから出ていますように請求権として構成すべきだという意見があるのに対して、そういうことも踏まえてここは留保しているというところです。これはすべてにわたってそういう問題が出てくるのです。

 では、西垣委員お願いします。

【西垣委員】苦情処理のお話が先程浦川委員から出ましたので、この点について発言をさせて戴きます。後ほど出てくる複層的な救済システムの表現と、10ページの「国の責務」のイ中で記載されている部分についてです。「所管業界について、各行政庁における苦情処理・相談窓口の設置」と、これは言葉どおりの理解でよろしいのだろうと思うのですが、15ページに複層的な云々というところの、これは段落で言うと2つ目ということになりますか、「このため」以下ですね。少し文面を読ませてもらいますと「事業者の苦情処理・相談窓口において対応するとともに、民間における紛争処理機関の活用を図るなど、まず当事者に近いところでの迅速な解決を図った上で、それでも解決できない場合については、各省庁又は地方団体の苦情処理・相談窓口に申し出ることができ、必要に応じて指導、勧告、公表等の措置が講じられるよう、その体制等について検討する必要がある」。

 この指導、勧告、公表ということと、実際に苦情処理の窓口を開いて相談に応じますよというのは本質的には全く違う次元というのですか、別次元の話だと考えます。ここで言う15ページの各省庁という言葉と、10ページで言われている各行政庁というのは同じ意味なのか、全然違うのか。私自身は同じように受け止めたのですが、もし同じだとすると苦情処理・相談窓口を設置するということと、15ページで述べられている当事者間で平たく言えば話し合いがつかない場合にはここまで挙がってきますと。そのときには相談窓口を受けると言いながら、必要に応じて指導だ、勧告だ、公表だと、これは極めて一方的な措置と言わざるを得ないというような感じがしておりまして、苦情処理・相談窓口の本来の趣旨に沿うよう修文をお願いしたい。

【堀部座長】では、そういうものを踏まえてもう一度考えてみたいと思います。それでは、鈴木委員どうぞ。

【鈴木委員】9ページの米印の3で「未成年者等」の欄でございます。これは先ほど大橋委員も少し触れられたと思うのですが、個人情報の取扱いをオンラインによって行う場合、という部分についてでございます。個人情報の取扱いはオンライン、オフラインとか、バッチ処理、リアル処理という格好で分けるべきではないと思います。個人情報の取扱いをオンラインによって行う場合に限定する必要はないのではないかと思います。そうした意味から、この記述はむしろ抜いた方がいいと思います。

【堀部座長】オンライン以外の未成年者から個人情報の収集についてはというのは、いろいろなことがありますが、例えば学校の名簿を持ってくれば5,000円やるというようなことで、実際にそういうダイレクトメールを出して、名簿を集めているところがあると聞いています。未成年者の方は名簿を渡して喫茶店で待っていると、コンビニでコピーしてきて5,000円もらって返してもらうというようなことをしています。味をしめると、それをあちこち売り歩いているという実態もあるということです。原委員が前に言われたのも多分そういうことが念頭にあるのだろうと思うのですが、そういう実態などもあって、ではこれをどうするのかというのは非常に難しいのです。教育の問題でもあります。オンラインで子どもが当事者で何か契約で申込みをした場合、個人情報の収集をどうするのかというのはまた別途考えられるのではないかということでここは分けております。

【鈴木委員】実際にコンピュータをやっていた人間としては、オンライン、オフラインというのは余り分ける意味がないと思います。

【堀部座長】バッチ処理よりはもっと単純な手作業処理ですね。名簿を子どもから買うというようなものがどうなのかということがここで現実に話が出ていましたので、それをここでは表現しているということです。

 とりあえず全体を読んで…、休憩を取ったらどうかという御提案もありますが、休憩を取るとまた更に長くなりますのでこのまま続けさせていただきます。それでは最後のというか、10ページのVの「個人情報保護システムの在り方」と、15ページのWの「今後の進め方等」を含めて、長いのですが読んでいただけますか。

【小川内閣審議官】(「10ページ「V個人情報保護システムの在り方」から

 15ページまで朗読)

【堀部座長】どうもありがとうございました。それでは、第3のパートについて御意見をお出しいただきたいと思います。原委員、どうぞ。

【原委員】罰則規定についてですけれども、前回も私どもとしては罰則を入れないと実効性が上がらないという話をしたのですが、今日の書き方の中では3つの場面で出てきております。1つは12ページのところで、これは全体的な基本法にするか、指針にするかはまた別の論議ですけれども、米印の3の一番最後の段落のところで、あらゆる分野を通じたこういったものを設けるのは慎重に考えざるを得ないという書き方になっております。そうすると、ここでは全体的な基本法的な法律の中では慎重にとなっていて、その次を見ますと13ページのところで「個別法の在り方」に入ってきて、(2)の一番最後のところでは刑罰とか行政罰とかを別途検討する必要があるということが書かれていて、そして一番最後に今後の検討の在り方のところで15ページですけれども、これはわざわざ2という項目を起こしていただいて、悪質な場合についての検討ということで、ここはでは最後のところで「将来において」という文章になっているのです。

 それで、私としては非常に拡散をしてしまったような感じがして、この全体的な基本法の中で罰則規定を設けるかどうかについては両方の意見があったように思うので、すぐに断定的に慎重にとしてここをまとめていいのかどうか。また、もしも慎重にと考えてもここのところで、でも個別法では検討の余地があるということを1行入れていただかないと、突然個別法のところで出てきますね。そして、ここでは個別法の方は別途となっているので、別途は来年度以降設けられる専門部会になるのかと思うのですが、そうすると一番最後に書かれている「今後の進め方等」のところの「将来において」というのは専門部会ではなくてもっとずっとその先のことに将来が置いてあるのか。その辺が私の頭の中でうまく整理できなくて、文章を読まれた方も混乱をするのではないかと思いますので、お考えとその整理の仕方を考えていただきたいと思います。

【堀部座長】罰則については前回も少し触れましたが、何か罰則を設けて保護措置が講じられればいいのですけれども、日本の現行法制度の中で考えていくとなると、秘密については漏示に対して罰則を科しているのですが、個人情報という識別情報で社会的にも利用されているようなものを漏らしただけで罰則という例は今までないのです。そのことは前回も申し上げました。それが本当に可能なのかどうかというのは刑罰の本質にもかかわる問題でもありますし、かなり専門的に別途検討せざるを得ないと思います。

 それから、個別法の問題はそれぞれの関係省庁で検討をしていただいていますし、これからも検討していただくことになると思うのですが、そういう意味でそれぞれのところでまた検討をしていただくことになると思います。

 あと2つありますが、1つは基本法の中に罰則というものが設けられるかどうかというのは、基本法という性格からすると一般的には非常に難しいと思います。そうすると、悪質なものについて何か対応策を考えなければならないのですが、警察庁からのヒアリングのときに私は質問しているのですが、今、警察庁としてすぐ対応する状況にはないことがわかりました。この検討部会としてこうせよとはなかなかいかないところがありまして、こういう報告をまとめて、それをそれぞれのところでまた読んでいただいて、これは是非必要だから検討するとなっていけばそれでということもあると思います。報告書をまとめることによって、そういうことを促進する効果はあると思います。

 では、西垣委員どうぞ。

【西垣委員】今の内容と少し関連するのですけれども、1つは悪意による情報の詐取についてはやはりこの部会での結論としては、「将来において」という表現では納得できかねます。要するに実態としてそういう現実があります。それで、初めてこういう個人情報について総合的に国の云々として議論をした。その結果としても、やはり悪意での情報の詐取等については将来の課題だということでの整理しか結論が出なかったということになれば、それで本当に社会的にいいのでしょうかということが問われると思います。ですから、これは部会の姿勢としても悪意による情報の詐取ということに対しては厳正なる姿勢を示すということが必要ではないかということが1つです。

 それからもう一つ、個別法の中で先程原委員も言われていたところですが、刑罰、行政罰、行政処分等となっています。ところが、通常の善意の企業活動の中で考えますと、それこそ企業が組織ぐるみで行うとか、あるいはまさに悪意でもって情報が詐取されたというような場合、前者の場合は別なのですけれども、後者の場合についても例えばここで言われているような刑罰とか行政罰等の対象になるということではいかにもバランスを欠くのではないかということですから、ここはやはり慎重に検討をしてしかるべきだと思います。

 それと、相対的に案1と案2のところでひとつ御質問も込めてなのですが、一番最後の15ページの3番で「法制的、専門的な検討のための体制の整備」で括弧書きに「前記案の1の場合には本項目削除」となっています。ここの案1というのは、多分11ページの指針のところですね。ところが、先ほど御説明いただきましたように、かぎ括弧のところは指針とか基本法いずれかが入るという趣旨ですから、したがって指針の場合であっても例えば基本原則それぞれについて記述が加えられることになります。ところが、この基本原則なるものも相当程度これから検討することが必要であるということが多々述べられている。もちろん言葉の定義も含めてということになるのですが、そうなると例えばここで言う15ページの案1の場合にはこういう法制的な専門的な検討のための体制の整備は本当に不要なのでしょうか。やはりこれはこれで検討が必要なのではないでしょうか、そこは何か混乱をしているのであれば御説明いただきたいと思います。

【堀部座長】最後の点から申しますと、これは閣議決定となりますので、事務局においてここの議論などを踏まえて原則を宣言するということで足りるのではないかと思います。これはまだ結論を出していませんが、基本法という御意見がここでもかなりありますので、そういう方向でいくことになると思います。その場合を主として念頭に置いてこの辺りは触れております。

 それから罰則の点は関係省庁との問題もありまして、ここにこういう形で将来においてにせよ書くことによって、それぞれのところでまた考えていただくということになるのですが、いろいろな議論の歴史がありまして、簡単に言えば情報窃盗みたいなものについては法制審議会の刑法部会でも見送った経緯等もあって、それは全体の刑罰のバランスなり、また刑法の体系の中ではなかなか入ってこないのです。そこで、何か特別の法律ができないかということでいろいろ議論もしてきてみているのですが、そういう罰則を設ける何らかの行政法規を設けるとなると、これは所管するのは警察庁なのです。その警察庁がどのようにしてくださるのか、この前のヒアリングで私が受けた印象ではすぐには進まないと思います。

 先日ある電気通信事業者の派遣社員が電話番号等を印字して外に持ち出したという事件が報道されました。新聞社から電話が掛かってきてコメントが欲しいということだったのですが、それを窃盗罪で立件していこうというのは、警察の意気込みを感じるといいました。ここでのいろいろな議論を踏まえて、警察庁が指示したかどうか、よくわかりませんけれども、個人情報保護に対する関心がこれだけ高まっている、そういうことを踏まえて窃盗容疑で逮捕ということになったと思いました。窃盗容疑で逮捕というのは初めてだといえます。

 そういういろいろなことの積み重ねの中でいきますので、悪質なものにすぐここで法律をつくるというわけにはいかないと思いますので、ここではこういう表現にならざるを得ません。しかし、それは先ほどから言っていますように、何らかの促進効果は持つだろうということを期待しています。

 では、開原委員どうぞ。

【開原委員】罰則に関してですけれども、これは議事録にとどめておいていただくだけでも結構なのですが、私は個人情報保護の問題を考えるときに、ここでは、ひとつ構成要素が欠けているところがあるのではないかという感じがしているのです。

 ここには情報を集める人のことしか出てこないのですが、私は情報を集めると同時に、それを利用する人がいるはずだと思っています。それが同一の場合もあるけれども、それが別な人の場合もある。問題が起こっているのはどこで起こっているかというと、集めるところで起こるのではなくて、それが不正に利用されたところで起こっていると思うのです。ですから、私はこの個人情報保護の問題を考えるときには情報を利用する人をきちんと定義して、そこに対して罰則をかけるということであれば、それは誰でも歓迎するところであろうと思います。そのような形で理論構成をしていただくことはできないのであろうかということをコメントしておきたいと思います。

【堀部座長】前回そういう御意見を文書でいただきまして少し考えてみたのですが、保有しているものは同時にまた利用者でもあるというように考えます。別の人が利用するとなると、その人が収集して利用するということになります。各国の立法例でも保有者のところで押さえていくという構成になっているものですから、利用と保有というのは密接不可分で、それぞれのところで保有すれば利用するという関係になっていくのではないかと思います。

【開原委員】ただ、盗み出すような場合には明らかに保有者と違ってくるわけですね。

【堀部座長】盗み出すのは別途考えられるところでして、その点についての法制的な対応というのはもう少し専門的に検討していただかなくてはならないのですけれども、私の経験でも行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律の12条で、個人情報の内容について、これは受託事業者にも義務を課していますけれども、みだりに知らせてはならない、あるいは不当な目的に使ってはならないということを規定していますけれども、それに罰則を科すかどうかというのは議論したのですが、今までの刑罰のバランスからすると過料もなかなかかけにくいのです。そこで、これも科していません。

 定め方としては、情報を保有している主体の方がみだりにそれを知らせてはならないというようなことになると思うのですけれども、その場合の罰則は、今までの法律では設けるのが困難です。一歩何か踏み出せるかどうか。この前もそこで何か行為の態様に着目してといいましたが、悪質なもの、違法とはまだ法律になっていませんので言えませんが、その悪質なものについてどういうものが考えられるのか。これは専門的に検討していただかないと、ここでこうすべきだとはなかなかいかないところです。御意見としては今まで出ているのは大変よくわかりますし、それをやらないということではなくて更に検討していただくということです。

 盗むという形の利用といいましょうか、その辺りは何らかの形でサンクションが加わるようにとは思いますが、すぐにそれが刑罰になるのかどうかということになると、現行法との関係ではなかなか難しい、ここにも書きましたように、前提として登録制度や何かで保護すべき範囲を確定できればいいのですが、全体をカバーするようなものというのは今の日本で可能か、それもできにくいとか、そういうことを考えましてこういう表現になっています。浦川委員から御発言がございますか。

【浦川委員】これは確認なのですけれども、11ページの監督機関というところに「EUにおける「データ保護庁」のような」ということで、ここで設けることがふさわしくないという判断を下しているのは、あらゆる分野を通じた規制権限を有する監督機関の創設ということなのですね。そうすると、堀部先生は私よりもよく御存じだと思うのですが、例えばドイツにおけるいわゆるオンブズマン制度ともいうべきデータ保護受託官といったような制度を設け、民間部門の個人情報保護の状況がどうなっているかを毎年レビューするような機関は、ここで言うデータ保護庁ではないということになりますか。

【堀部座長】ではなくて、何か設けられないだろうかということで、それは特に「複層的な救済システムの在り方の検討」のところで15ページですね。「このように、実効性の担保の観点から、それぞれの段階において、事業者間、民間第三者機関等、各省庁、地方公共団体、統一的な第三者窓口が役割を分担しつつ、全体として効果的に機能し得るような、「複層的な救済システム」を構築していくことが有効かつ適切であると考えられるところであり…」ということで、何かものができないか。また、その上のところで、「最終的に国においてこれらを受け付け、公正・客観的な立場から処理する統一的かつ第三者的な窓口の設置について検討する必要がある」と、このようにしています。

 ドイツの場合は連邦とラントに制度があって、民間についてはラントのデータ保護受託官が所管していることなども認識していますが、たしかベルリン辺りでは数名でやっているとか、実際にどの程度機能しているのか明確ではありませんが…。実はこれは世論調査がありまして、どこまで知っているのかということについていくつかの国で調査しているものなどを見ると意外に知られていないというところもあったりして、その機能がどこまでなのかというのはなかなか評価が難しいところがあります。そういうことも含めまして、ここではそういうことになっていますが、何も設けないということではなくて何か救済システムが設けられないだろうかということで11ページのところで出しております。

 三宅委員、どうぞ。

【三宅委員】先ほどの罰則のところにまた戻るのですが、12ページの米印の3のちょうど真ん中に「特に違法承知のアウトサイダーに対しては十分な効果が期待できず」とあるのですが、実際はそうなのかもしれませんが、これが報告書で出ると何かそういうのを我々としてしようがないということで認めたようなニュアンスになるかと思いまして、ここは削除した方がいいのではないかと思います。

【堀部座長】わかりました。その辺はそういう趣旨というか、実際にそうだろうといいましょうか、罰則というのがどこまで効果を及ぼすのかというのは、実は原委員とは大分意見の違うところなのですけれども。

【三宅委員】ここは「特に」から「期待できる」まで取っても文書はつながるのではないかと思います。

【堀部座長】わかりました。では、その辺は工夫します。

【三宅委員】それから、確かに前回安冨委員からもおっしゃったように、財物の保護を対象とする刑法に対して、情報を刑罰上の保護法益にできるのかどうかという問題がありますが、それは多分情報が先ほどおっしゃった6円の価値しか持たないものが刑罰の対象になったということは、情報自体がその時点で財物性を持っていると思うのですが、ただ、一般的に財物性を常に持っているかというとなかなか言えないところが情報の非常に難しいところで、ある人にとっては重要でないようなものがある人にとっては重要になる。しかも、それがマッチングされると極めてまた重要なものになるという非常に難しいところがあるのですが、ただこれは私は個人的に言えば、やはり専門部会では検討をもう一度して国民に議論をちゃんと投げ返す必要があるのではないかと思います。

 そういう意味では、先ほどの15ページの「将来において」というところなのですが、ここはやはり削除をして、趣旨は大体わかりましたけれども、別に削除したからと言って絶対議論をしてはいけないというニュアンスではないと思うので、削除していただいた上でなかなか難しければ難しいというような問題提起も専門部会なりの結論として挙がってくるような表現ですね。「将来において」というのを入れたことによって専門部会で検討できないというようなニュアンスにならないような措置が必要ではないかと思いまして、できればこれは削除しておいてもいいのではないかと思います。

 それから専門部会の在り方ですが、先ほどの加藤委員の今日のメモの中で、事務局の精力的な努力に感謝するとともにということで、その後、委員の中から最終起草委員を募って当部会の直接責任の遂行を期待しますとございますが、将来的な専門部会の在り方ですけれども、多分いろいろな法律の専門家が入られることになると思うのですが、やはり先ほどおっしゃったようにこの部会が上位的な機関であるとすれば下位的な機関というような位置付けを明確にしておいていただくことが必要かと思いますが、つまりこの部会で議論したことが全然反映されないような形にはならないようなところ、それから場合によってはある程度の専門部会での意見がまとまったところでこの部会で意見を聞くような、そういう交互のやりとりみたいなものもできるような形の表現にしておいていただく必要があるかと思います。

 それから、最後に細かいところなのですが、3ページの個人情報条例が、これは個人情報保護と……。

【堀部座長】これは、自治省の調査では個人情報に関する条例ということになっていて保護と言っていないのです。それでこのようにしています。

【三宅委員】それで、法律と異なり法的な限界が指摘されているというのですが、ここの法的な限界というのは少しわかりにくいのではないかと思います。なぜそのようなことを申すのかといいますと、地方自治体に対する期待みたいなものが10ページで書かれていまして、公共団体が果たし得る役割も大きいと考えられるということで地方公共団体の責務を積極的に言うときに、条例では限界があるけれども法律をベースにして条例を更に基礎づけるというようなニュアンスをもう少し入れると、多分入っていると思うのですが、そのときに3ページの法的な限界というのをもう少しかみ砕いて書いた方がいいのではないかと少し思ったのですが、わかりにくいですね。

【堀部座長】ここのところは地域的な効力の限界とか、それから地方自治法の14条で法令に違反しない限りにおいて条例を制定することができるとありまして、どうしても法令の範囲内で、しかもこれも実際に神奈川県で条例をつくるときに登録制度をとろうとしたのですが、民間に対して地方公共団体がどこまで規制を及ぼすことができるのか、随分議論をしていただき、また、自治省でも研究会で議論をしましたけれども、任意の登録制度ぐらいのところまでならばいいだろうということになりました。

 そういう経験からしますと、どうしても法的限界というのが問題となりますので、そのように表現しました。しかしそういう中でも是非地方公共団体には一定の役割を果たしていただきたいと申しますか、既に一生懸命地方自治体で取り組んでいるところもあり、それは是非やっていただくように基本法ならば基本法の中で位置づけるということであります。表現は少し工夫してみますが、そういう趣旨です。

【三宅委員】それから最後に1点ですが、私は意見の2ページの下の方の7で書いておいたのですが、基本法にとどまる場合には個別法の整備が極めて重要になると思うのですが、遺憾ながらこの基本法ということにしても個別法の全体像が見えないものですから、いわゆる透き間産業的なものがカバーできないのではないかという懸念が非常に強うございまして、例えば信用情報分野の個別法の法制の作業も基本法の動向を見るということで実際は止まっているのではないかと思うのです。

 それは非常に困ったことでございまして、基本法の在り方にも専門部会でどういうものにするかにも非常に絡んでくるのですが、仮に専門部会で基本法をどういうものにするかを検討するときには、やはり同時平行または先行してある程度の個別法の案も出ていないと全体としての法体系がわからないと思うので、これはこの委員会というか、この部会の守備範囲ではないかもしれませんが、是非個別法を検討されている信用情報分野とか、電気通信分野もこれから始まるのですか。

【堀部座長】電気通信分野は報告を今月末にはまとめたいと思っておりますが、個人信用情報の方はその後進んでいません。

【三宅委員】その辺は是非、要綱案の中間報告みたいなものと、それについての説明の考え方が早目に出てパブリック・コメントに付されながら基本法の検討ができるような体制を、各省庁を挙げて連絡をとっていただきたいと思うので、それは是非要望しておきます。

【堀部座長】わかりました。恐らくそれに関連して加藤委員のペーパーを見ますとほかの分野も挙がっているのですが、先に言いますと、ここに挙げましたのは前から言っています高度情報通信社会推進本部の電子商取引等検討部会の、大山委員が座長でまとめられたものに例示として個人信用情報と医療情報というのは入れていましたので、それらと、それから実際に郵政省で電気通信分野について検討をするということがありましたので入れまして「など」となっています。図書館などの問題ということになりますと、かなり地方公共団体とかかわっているところがあります。図書館というのは公立が多いものですから、条例を持っていればその条例でカバーされることになります。

 そういうことからしますと、ここでもう少しヒアリングなどもしないと、どこの分野を個別法で定めるべきかというのはなかなか出てこないところです。この報告が出ることによって、またそれぞれ関係省庁でお考えいただくということになると思うのです。

【加藤委員】それに関して私のペーパーの2枚目のところの7、8のポイントで書いているのですが、個別法の整備は三宅委員もおっしゃったように早急に進めていくべきだということをきちんとこの部会として明言していただきたいと思います。

 それから、例示でもって教育情報分野の問題は情報開示の問題ともかかわってくるので、やはり文部省関係のところでは一回ヒアリングがございましたけれども、何か違う世界の話みたいにご当事者がお聞きになっていたのではないかと思えます。きちんとやはりここでこの部会として要望するような分野だと思って、私は是非書いていただきたい。通信販売などというのはまさに電子商取引の問題でございまして、ここも通産省からのヒアリングはありましたけれども、ご当事者のヒアリングもないままでございました。ですけれども、一応これは書いてもらった方がぴんと国民にはわかるのではないか。

 それから、さっき鈴木委員もおっしゃってくださいましたが、未成年者が当事者である場合の法的な対応というのはオンラインだけではなくてあると思いますので、何か言ってもらいたいと思います。

 それで、戻って申しわけないのですけれども、前のページの私は5番目で書いていますが、11ページの基本法とするかということについては大体基本法でいいのではないかというニュアンスをさっき先生はおっしゃいましたが、ここもきちんとここの部会の見識として明言していただけたらと思います。

 罰則のことについても当事者に対して、原委員もよく言っていらっしゃいますが、警告の効果とか善意の当事者に対してやっていいか悪いかよくわかっていない人に抑制の効果があるので、何らかの形でやはりこれは手当をしていくべきだという方向を明確にしていただきたいと思います。

 それから、2枚目のポイントの10に移りまして、複層的な救済システムの在り方の検討、悪質な不適正処理を行ったものに対する制裁措置の検討というのは今後の問題ではなくて、もう既にかなりここで議論されているので、前々ページの5のところに続いて、これは項目として6、7というような整理の仕方をしていただきたいわけです。そして、今後の進め方として後ろの方の法制的、専門的な検討のための体制の整備と、国民へのパブリック・コメントを求めると、この2つを今後の話として整理した方が自然ではないかと思います。是非わかっていただきたいと思います。

 それからもう一つは、事務局が大変神経を使った表現で今回案をつくってくださったので、私は誤解をした部分もかなりありまして失礼をお許しいただきたいのと、それからもう一つはこの次が最終回でございますので、是非座長先生を倒れさせないためにも、少し助っ人の委員をつくって、私たちの直接責任においてこの最終報告書案を仕上げさせていただきたい、そのことをお願いしたいわけでございます。

【堀部座長】では、大山委員どうぞ。

【大山委員】今、加藤委員が言われたとおりと思うのですが、この検討部会のミッションから見ると、現在示されている案の1、案の2に対して、あと残された時間といいますか、中間報告をするという後ろが切られていることを考えれば、この後どのように決まっていくのかということが非常に重要であると思います。このことは言いづらいかもしれないのですが、それこそ本当に座長が苦労なさらないようにするためにも、もしお話ししていただければというお願いです。中間報告に、案の1、案の2は両論を併記する可能性があるのかどうかも含めて、このことを今日の時点ではっきりする方が良いのではないかという気がいたします。

 それからもう一つは、やはり最後になるわけですけれども、もし時間をいただければ、例えば1週間とか数日でも今週いっぱいでも良いと思いますが、意見を紙でもう一回挙げさせていただくというのが良いのではと思います。というのは、今日伺っていてもいろいろな意見があって頭の中で整理し切れていないものがあるものですから、そういう意味で少し時間をいただければと思います。

【堀部座長】前回大山委員が指針でまずやってみて、その指針で問題なければそれでもいいではないかという御発言もあったものですから、それでまだ留保していまして。

【大山委員】私が申し上げたのは、指針でやるのは比較的すぐにでき、それでも今より状況はよくなると考えられるのに対し、基本法はより大きな効果を持つが施行までに時間が掛かるので、これら2つの措置を時間的に見て2段階で行なうことも有り得ると言うことです。この場合には、どちらかを選択するわけではなく、両者を時系列で行なうと言うものです。

【堀部座長】今までの御発言で、基本法でいくべきだということではないかと思うのですが、その内容はどうなるかというのはまた更に細部について詰めなければなりませんけれども、そういう方向でよろしいでしょうか。特に御異議なければ。

【礒山委員】今の大山先生のお話をどう受け止めるかということだと思うのですけれども、基本法でいいのではないかと思うのですが、これと時間軸を入れた組み合わせみたいなものが考えられないものなのかどうか。

【堀部座長】そこはどうなのでしょうか。竹島室長、何か御発言ありますでしょうか。

【竹島内閣内政審議室長】基本法の場合には、早速年が変わりましたら専門部会をつくっていただいて1年ぐらいで法律まで持っていっていただくとなると、再来年の通常国会に基本法をかけるということになるわけですね。ですから、仮に急ぐからまずは指針で、それで後に基本法と考えましても、ガイドライン、指針を考えるにしてもすぐ明日できるわけではないわけで、やはりそれなりの検討をしなければならぬということになりますと、せいぜい違って半年ぐらいなのかなという問題もございますから、私どもしては、基本法なら基本法で、その代わり1年余で法案を提出する方向で全力を挙げられたいということですっきりしていただいた方が実際的なのかなという感じがいたします。

【堀部座長】そういうことであれば、基本法ということでここではまとめていくということでよろしいでしょうか。特に御異議なければ、そういう方向でということになります。いろいろ詳細につきましては、大山委員からもありましたし、今日ペーパーを出していただいた方もいます。どういう形でまとめられるか、今日が11月9日で次回が11月19日で10日間しかありません。

 今週末というよりもできればここ一両日中に何か文書を出していただいて、その全体を見て調整しますので、そのまま入るとは限らないことはあらかじめ御了承いただいて、今日も一つ一つまとめなければならないところもあるのですが、何回も言っていますように、やはり専門的に検討をして、しかもそれを支えていただく担当室も設けていただけるということですので、そういう体制で議論を進めることになります。今まで経験してきていますが、相当エネルギーを使うのです。国際的な調和とか、そういうことも考えますと、外国の法制についても、ある程度は私などもデータを持っていますけれども、より詳細に検討してみるということも出てまいります。また、この中にも書きましたようにEUとの関係もありまして、通産省からのヒアリングのときにも出てまいりましたが、これはどうするのか。また、アメリカとの関係も実はあるのです。日本は日本独自にということでこういう形でまとめていますけれども、そういうグローバルな視点で問題をとらえていかなければならないという側面もあります。また、日本の固有の法文化がありまして、その法文化の中で何が可能なのかということも考えなければならないというさまざまな課題を背負っております。そのために、それぞれ出していただいた意見、10日後にまとめる予定の報告書でどこまでできるか、大変心もとないところはありますが、できるだけその目標に向かって進んでみたいと思います。

 加藤委員からの御提案で起草委員会ということがありますが、今までの意見を踏まえて事務局に指示して整理します。全体は私もある程度は念頭に入っていますけれども、どの委員がどう言ったかということなども踏まえて、それをどういう形で入れられるか検討してみたいと思います。意見のある方は一両日中に事務局の方に出していただいて、今週から来週にかけて案をまとめたいと思います。

 そのときのタイトルなのですが、「個人情報の保護について」ということでこの前、骨子・座長私案で出しましたので今日はそのままになっていますが、もう少し何かここで検討したことを表現するようなタイトルにできればと思っています。このペーパーの重要なポイントは10ページのVの「個人情報保護システムの在り方」、このシステムというのは総理答弁の中で法整備を含めたシステムという言い方もしていますので、総理を本部長とする高度情報通信社会推進本部の下にありますこの検討部会としてはそういう概念が考えられるのではないか。そうすると、例えば「我が国における個人情報保護システムの在り方について」で、第1次報告とかいろいろな言い方がありましたが、竹島室長の今の御発言からしますと、再来年の通常国会というのが目標になると思います。そうなりますと、第1次、第2次ということで報告をまとめるということも時間的にできませんので、中間報告というような表現でいいのではないかと思っています。

 また、部会とここに書きましたが専門委員会というような形で、それはどういう名称になるか、事務局にも検討いただきまして、そこで専門的に検討したものを必要に応じてこの検討部会でも更に検討いただいてと思います。大体そういう日程で事務局の方もよろしいでしょうか、いかがでしょうか。

 それでは、まだまだいろいろあるかと思いますが、今日も2時間の予定を3時間以上使いまして大変申しわけありませんでした。しかし、一方で何回も言っていますように、国会の方でもこれについてはずっと議論をしてきたところでありますし、政府としてもこういう形で案をまとめていくということが早急に求められているところですので、その辺りは事情を御理解いただきたいと思います。それでよろしいでしょうか。何か御発言ありますか。

 次回は来週になりまして、2時から4時には終わりたいとは思いますが、どうなりますか。場所は、ここだそうです。

 では、大変長時間にわたりましてご議論いただきありがとうございました。これで終わらせていただきます。

(以上)