個人情報保護法制化専門委員会

第14回個人情報保護法制化専門委員会議事要旨



1.日 時:平成12年5月12日(金)14時〜17時00分
 
2.場 所:総理府5階特別会議室
 
3.出席者:
園部逸夫委員長、上谷清委員、高芝利仁委員、新美育文委員、西谷剛委員、藤原静雄委員、堀部政男個人情報保護検討部会座長
※小早川光郎委員長代理、高橋和之委員、遠山敦子委員は所用のため欠席
(事務局)
藤井昭夫内閣審議官、小川登美夫内閣審議官、松田学内閣審議官
4.議 題
(1)個別法、条例との関係等について
(2)今後の進め方について
(3)その他

5.審議経過

(1)個別法、条例との関係等について
 事務局より、資料1に従って、「個別法との関係」、「条例との関係」について説明がなされた後、以下のとおり議論が行われた。
 (→は関連意見及び質問等に対する回答。)

○ 基本法とは別の措置を個別法により規定した場合には個別法が適用されるということは、その部分については一般法と特別法の考え方となるということか。
→基本法は共通部分について規定するものであり、基本法の規定により難い特別の事情のある分野については、その部分については個別法によることとなる。
→中間報告においては、信用情報分野、電気通信分野、医療分野を個別法として明示している。

○ 個別法のイメージとしては職業安定法の例が参考となる。職業安定法では昨年の改正により、個人情報保護について新たに規定を設け、第51条第1項で秘密漏洩の禁止、第2項で秘密以外の個人情報の漏洩禁止を規定し、前者にのみ罰則をかけている。電気通信分野で言えば、個人情報保護のために新法を作るのは難しいだろうが、電気通信事業法の改正により職業安定法と同じような措置をとることが考えられるのではないかと考える。

○ 個別法という場合、全体として個別法になるのか、あるいは、基本法自体が様々なファクターについて規定しているのであり、そのそれぞれについて議論するのかを押さえておく必要がある。
 基本法はある意味デフォルトについて規定するのであり、個別法により異なった措置を規定するには、相応の理由の下に規定することになる。

○ 条例について、基本法の趣旨にのっとった措置を採るよう、努力義務により条例に任せる場合、どのように原則をカバーするのかという議論がある。例えば、行政手続法制定の際は、地域の実情及び地方分権の趣旨から、「この法律の趣旨にのっとり・・必要な措置を講ずるよう努めるなければならない」とされ、また、情報公開法では条例が先行していたことにも配慮し、条例に譲るところが多かった。しかし、今回の個人情報保護法制では、保護を厚くする観点から自治体に強く迫ることもあり得るものであり、地方分権の観点といかに調整するか検討が必要ではないか。

○ 現行の国の個人情報保護法の第26条では、地方公共団体は、「国の施策に留意しつつ・・必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならない」とされたが、条例を作っている自治体は未だ半分に満たない。全体としてのシステムを考えた場合、条例により措置される部分が抜け落ちることがあれば問題ではないか。

○ 例えば、戸籍など、法令に基づきどこの自治体でも同じように持っている情報は、その扱いについてもその法令により規定され、共通の扱いがなされ、他方、自治体が独自に持っている情報については、統一的な定めがなく、各自治体ごとに条例により定められることになる。後者については、例えば自治体に対する条例制定の努力義務などを念頭に規定する必要があるのではないか。

○ 法定受託事務により集める情報については、いわば民間における委託の場合と同様の観点から、一義的には国の責任で担保するため、国が一定の条例を策定させるべきではないか。

○ 福祉・介護等の分野では自治体は多くの個人情報を持っており、積極的に条例制定を求める必要があるのではないか。

○ 自治体の事務でありながら、全国共通に保護されるべき個人情報があり、この点を念頭に個別法の見直しの在り方も検討される必要があるのではないか。

○ 基本法の在り方として、民間部門と公的部門の共通則として理念、責務を規定することは賛成。
 民間部門は必要最小限の規律を規定としているが、民間部門についての一般的な法規定がないので、共通の規律を規定することとなる。公的部門については民間部門と同等以上の規律を規定することとしているが、国の行政機関については国の個人情報保護法があるため、個別法があるというインデックス規定を規定することとなるのではないか。

○ 条例との関係では、自治体が保有する個人情報の扱いについては条例で定めることとでよいが、民間部門について、基本法による民間部門の規律と、条例による民間部門の規律の関係を調整する規定が必要なのではないか。
→国の個人情報保護法では「国の施策に留意しつつ」と規定されている。

○ 民間部門からみると、法律による規律と、条例による規律の二方からの規律がかかってくることになり、その調整規定が必要なのではないか。

(2)今後の進め方について
 中間整理に向けた検討の基本的枠組みについて検討が行われ、資料2のとおりとすることとされた。

主な意見の概要は以下の通り。(→は関連意見及び質問等に対する回答。)

○ 4の「実効的で迅速な解決」のうち、「迅速な」に係る部分は訴訟を嫌うニュアンスが出てしまうのではないか。
→訴訟は時間がかかるという前提なのかも知れないが、訴訟も含めた紛争解決手段のすべてという趣旨であり、このままでよいのではないか。

(次回の予定)
 次回は、5月19日(金)14時から17時00分まで、総理府5階特別会議室で開催し、中間整理案について議論する予定。

*文責事務局

*本議事要旨の内容については、事後に変更の可能性があります。


資料
資料1個別法との関係、条例との関係
資料2基本的枠組み