個人情報保護法制化専門委員会

第15回個人情報保護法制化専門委員会議事録



1 日 時:平成12年5月19日(金)14時〜17時00分

2 場 所:総理府5階特別会議室

3 出席者:

園部逸夫委員長、小早川光郎委員長代理、上谷清委員、高芝利仁委員、高橋和之委員、遠山敦子委員、新美育文委員、西谷剛委員、藤原静雄委員、堀部政男個人情報保護検討部会座長

(事務局)

藤井昭夫内閣審議官、小川登美夫内閣審議官、松田学内閣審議官

4 議 題
(1)中間整理案について
(2)その他

5 審議経過

【園部委員長】それでは、ただいまから個人情報保護法制化専門委員会第15回の会合を開催いたします。
 初めに、本委員会が発足いたしましたときに、高度情報通信社会推進本部長を務めておられました小渕元総理が過日逝去されました。委員長として、委員の皆様とともに慎んで哀悼の意を表させていただきます。
 それでは、6月上旬の公表に向けて、本日から3回かけて中間整理案の検討を行うことといたします。極めて短期間でまとめる必要がございますので、毎回案文を一通り議論を行い、修正しながら三巡するという方法で審議を進めてまいります。
 そこで、前回の会議で了承されました「基本的枠組み」に沿いまして、起草グループの委員に御尽力をいただき取りまとめられました中間整理の粗案を事務局に用意をしていただいておりますので、本日はその粗案を基に審議を進めてまいりたいと思います。
 それでは、まず事務局から資料の説明を願います。

【小川副室長】それでは、私の方から御説明申し上げます。
 中間整理粗案でございますけれども、まず「目的」「定義」「理念」というところ、それぞれかなりさまざまな議論があるところでございますが、一応のたたき台ということでお示ししております。
 「責務」のところに入りまして3ページでございますけれども、若干の文言修正で下線が上から2行目に入っております。(3)の「事業者の責務」のところも単純な文言修正でございます。
 (3)の下に注書きを書き加えております。事業者の責務ということを書いた場合に、基本枠組みで御議論いただきました自己規律ということの考え方を重視する考え方をここに盛り込む。ここはどうかはともかくとして、盛り込むということも考えられるのではないかという注書きを加えさせていただいております。
 それから、次の「国民の責務」でございますけれども、4ページに入りまして一番最後の語尾でございますが、諸施策に協力するというところで、「協力の責務」というのもちょっと厳しいかなということで「協力するよう努める」という修正を行っております。
 続きまして「政府の措置」関係でございまして(2)の「独立行政法人等に対する措置」でございますけれども、これは「政府は」と始まりまして単純に個人情報の保護の充実強化と書いておったのですが、これは情報公開法のときの議論等も踏まえまして、「性格、業務の内容に応じ」というものを挿入させていただいております。それにつながって「本法の趣旨に沿って」というところが場所が少し動いたということでございます。
 それから、ずっとまいりまして6ページへ飛んでいただきたいと思います。6ページの「事業者の措置」でございますけれども、ここで(1)から(3)に掛けて、まず利用目的を明らかにするという文言がございましたが、必ずしも本人に明らかにするという意味に限定するわけではなくて、一般に明確にするということで足りるのではないかという起草委員の先生の御意見もございましたので、一律にここは「明らか」という言葉を「明確に」と直しております。
 それから3行目でございますけれども、「必要な範囲」の後ろに「かつ適正な内容」ということを挿入させていただいております。これは、事前に配布しました原案ではここがなかったのですけれども、内容の原則に触れた部分がなかったものですから、一応議論の取っ掛かりということで「かつ適正な内容」という文言を挿入しております。
 それから(2)でございますけれども、ここは「適切な方法に」というワーディングでございましたが、適切ということになりますとかなりいろいろな意味に取られかねないということで、全体を通して「適正な」というワーディングの方がふさわしいのではないかということでこういう文言に直しております。文章の中の最後の行もそうでございます。
 それから、取得のところ2行目から3行目に掛けてでございますが、当初は「他に方法がない場合」とか、そういう言い方をしておったのですけれども、これも情報公開法の不開示の情報のところの条文にこのような文言がございまして、「個人情報の性質、取得の際の状況等に照らし、合理的と認められる場合」というワーディングの方がまだいいのではないかという御意見もございましたので、それに変更いたしております。
 それから(3)の「目的の変更等」のところでございますけれども、ここは注の1を加えております。これは、趣旨は当初の案は新たな利用目的を明確にすればこれは足りるのではないか。すなわち、目的制限制でも(1)と(3)がある程度目的の範囲内で利用を認めるわけですから、変更も明確にするというところをそろえてはどうかということで原案をつくっておったのですが、さはさりながら利用の中に個人情報の処理等という概念を定義している中に第三者への提供も含まれてしまいまして、第三者への提供については別途少し議論していただいた方がいいのではないか。すなわち、漏洩についていろいろ制限を設けようという考え方がその後の安全保護等に出てくるわけでございますけれども、漏洩が厳しく制限されるのに対して目的外の第三者への提供というものが余りにも広く認められ過ぎるのはいかがなものか。ここはひとつ議論が必要ではないかという御指摘で加えております。
 それから、安全保護の中では各事業者が是非つくってほしいという自主的な自分の社の中のガイドライン等を念頭に規定ということを例示で出しておるわけですけれども、これの名称が個人情報の処理等に関する規定という名称でございましたが、やはりこれは保護という方が適切ではないかということでワーディングを変えております。
 それから「第三者への委託」でございますけれども、ここは単なる文言修正で「委託等」の「等」を取っただけでございますが、その下に注を加えております。ここは是非御議論をいただきたいということで、すなわち「必要な監督等を行うことにより」という言葉の裏側の意味をどう考えるか。すなわち、監督義務を尽くしていればその事業者は免責になるのかどうか、そういったところの問題点があるのではないかという御指摘がございまして、このような注を入れさせていただいております。
 それから公表でございますけれども、本文は同じでございますが8ページの注で、先ほどの委託の問題はかなりいろいろ重要ではないかというような御指摘もございましたので、その他の事項の例示として公表事項の中に「委託している場合は、その理由及び第三者の氏名または名称」といったことも考えられるのではないかということで追加をさせていただいております。
 それから注2でございますけれども、対象となる事業者の範囲については検討ということになっておりましたが、ファイルの性質等によっても公表になじまないというようなものもあり得るのではないかという問題点も御指摘がございましたので、ここは合わせて御議論をいただきたいということで「ファイル」という文字を加えさせていただいております。
 それから下の「開示、訂正等」でございますけれども、訂正のところで最初の配布を申し上げました原案では、求めがあったときに内容を確認する。そして、確認されたときは訂正を行うものとすると文章を分けておったのですけれども、やはり「事業者は」という主語で本体規定のような書き振りの方がいいのではないかということで、これは圧縮をして一つのセンテンスに収めたということでございます。
 それから、9ページにまいりまして「開示、訂正等を行うべき場合に関して」ということでございますけれども、@のところで個人の権利利益確保に対する開示、訂正等の求めの必要性というのが原案でございましたが、これは正確にそういう観点がある場合の必要性と、要件性を求めるかどうかという趣旨でございますので、その趣旨を明確にするために若干の修文をしております。
 それから、3番は「理由の付記」という言葉遣いをしておりましたけれども、これは手続法に合わせまして「理由の提示」という言葉に改めております。
 続きまして、(8)の「苦情等の処理」でございますが、ここも「明らかに」という言葉を「明確に」と、先ほどの目的のところと同じような訂正をしております。
 なお、注を加えておりまして、政府の措置で業界全体の方針ということを政府で決めて、それに基づいて各省庁がガイドライン等を定めていくような話を盛り込もうということでこの粗案の中に入っているわけでございますけれども、ここにございますように事業者団体等によるガイドラインというものもあるわけでございますし、それからまた一番後ろのその他になりますけれども、第三者的な苦情・紛争処理機関については公的なもののほかに民間の自主的なものも当然考えられるわけでございます。したがって、そういう事業者団体等によるガイドラインの策定あるいは苦情・紛争等の処理といったものを法的に位置づけるようなことも御議論いただいた方がいいのではないかということで、このような注を加えさせていただいております。
 それから地方公共団体の関係ですけれども、ここは単なる平仄をそろえるための修正でございます。
 以上、先日お手元へ配布させていただきました粗案からの変更点を中心に御説明を申し上げました。以上でございます。

【園部委員長】それでは、これからの御議論はお手元に今、御説明いただきました中間整理粗案、全体のまず構成がこれでいいかどうか。それから、3時15分まで最初の「目的」から5の「政府の措置」と5ページまでを対象にして順次意見の交換を行います。別段どこからということは申しませんで、今の「政府の措置」までの間について何か御発言がございましたら、どなたからでも御自由にお願いします。
 ちょっと余計なことかもしれませんが、前の情報公開のときなどの要綱案というのはほとんど条文のような要綱案が出されましたが、今回はそこまではとても難しいものですから大綱案ということで、大綱と要綱の違いはそこにあるようですので、そういうことで余り詳しい細かい規定的なところまではここで議論しなくても、それは秋以降に更に政府サイド等々で詰めていくということになると思います。

【小早川委員長代理】今日の冒頭に委員長や事務局からも御説明があったと思いますが、私も含めて起草委員ということを仰せつかっておりましたが、諸般の事情で時間的にも起草委員としての立場で起草するということになかなかまいりませんので、適宜意見を述べたというのが実態でございますので、それは誠に申しわけないと思います。
 その過程で差し当たり全体の構成なのですが、それについてこういう点も議論にはなったということを申し上げたいと思います。全体の構成が目的、定義、これはいいのですが、その次に要するに理念、責務、措置という3レベルになっているわけでございます。抽象的なものから具体的なものまでといっているわけですが、これでいいのかなということです。その分け方が、理念は全体についての理念でありまして、責務は各アクター、主体ごとに一応書き分けてあるわけです。しかし、それを全体として責務ということでくくってある。
 次の措置のレベルにいきますと、最初から政府の措置、事業者の措置として、後の方は今の委員長のお話でまだ議題にはならないのかもしれませんが、地方公共団体の措置まで並んでおります。ですから、ここは責務のところでまず4つのアクターの責務を並べ、次にまた措置ということで今度は3つのアクターの措置を並べるという構成がいいのかどうか。全く形式的な問題だと言えばそうなのですが、もう一つのやり方として政府の責務と措置、事業者の責務と措置、地方公共団体の責務と措置という書き方もあり得る。
 ただ、その場合に国民の責務というものが浮いてしまうかもしれませんが、そういう問題がありますけれども、そういう縦割り方式を強調した書き方というのもあり得るし、その方が責務と措置との対応関係がはっきりしてわかりやすいのかもしれないという気もするのですが、そこは本当にそうかどうかそこまで詰め切れないということで、一応形はこのようになっております。御検討いただければと思います。

【西谷委員】今の関連で、全体構造についてちょっと感想を申し上げたいと思います。
 おっしゃるように措置ということで、公と民、公共団体もありますが別ですけれども、この措置という言葉の中身がおよそ違うわけですね。政府の措置と言っているのは、まさに立法しなさいとか苦情処理に対応しなさいという話であって、個人情報保護のためにどのような、自己保有情報についてどのような基準で保護を図るかということを意味していない。他方、事業者の措置というところはまさにその情報の保護基準が書いてあるわけです。ですから、措置といってもおよそ違う。
 そこで、一体保護基準、政府保有情報についての保護基準はどこにいってしまったのかというと、別法があるからそれは見直すよと書いてある。見直すといってもどう見直すかはわからないのだが、一応理念というのをぱっと書いておいて、そこから照らして見直すという程度にしか、基本法と言ってもこれは指示していないのですね。そこが非常に形としておかしいなと。
 民については、ずばりこういう情報について次のような基準でいけということが書いてあるからまさに基本法であるわけですけれども、政府情報について言えば、何も基準が書いていなくていわば丸投げ、理念はありますが丸投げしているような格好というのは、保護基準に関する基本法でもはやなくなってしまっている。端的に言えば、民間・事業者保有情報基本法ということならばわかるのですけれども、多分求められているのはそういうものではなくて、全体を通ずる保護基準も含めたものであろうと考えると、結局私は政府保有情報についても基準を書くべきものではないだろうか。その書き方は工夫を要するし、そんな難しいものではない。既存法がありますから、その既存法の中から適当なピックアップをして基本原則を書いてくればいいのですが、若干問題になりそうだと思うのは、そのことの結果、民で書いた基準と公で書いた基準が全く同じようになるのか。同じようになるならば共通則として書いて、若干の例外は公の場合においてはこうこうというようなことを付け加えることででき上がってしまうし、およそ違う形になりそうであれば章を分けて公の基準と民の基準とやればいいのですが、私の感じではかなり一緒になりそうな気がするのです。非常に細かく書くわけではなくてかなり抽象的に書くから、大体共通則で重要なところは公によってはこうであるというコメントが入る程度の共通則として書くことができるのではないかなという気がしますが、そのようにすればいわゆる基本法、実質的な意味での基本法の体裁というものを保つことができる。それは既存法からみればお化粧をしたようなものかもしれないけれども、今後の法改正のようなことを考えてみるとまず基本法が先にあるわけですから、個別法の方で自由自在にやれるわけではなくて基本法に照らして動いていくということになるから、公についても基本基準を定める意味がある。
 つまり、この案ではそこの部分が少なくとも抜けているということがある。

【高橋委員】今の御発言に関連してなのですけれども、私も同じような印象を持ったのです。つまり、国に対してどういうことをすべきだというのが、この書き方だと何となく落ちてしまっているのではないか。つまり、個人情報を保護する場合の諸原則というのをいろいろ議論してきた私の理解では、それは国であれ、事業者であれ、すべてに対して原則的には妥当するものだという形で書かれることになるのだろうと思っていたのですけれども、この案ですと、国についてはそれが出てこない。
 一つの理解の仕方としては、国はもっと事業者以上に厳格に考えますよということを、どこか国について書くところで文章上出てくる形にするのかなと。それによって、事業者でこう言っているから、国はもっとそれより厳しい形で現行法を見直すのですよという趣旨が出るような形でお考えなのかなと思ったのですけれども、そこら辺がちょっとわからなかったということです。ですから、そういう趣旨がきちんと出るような形で書いていただければ、全体の構成としてはこれでもいいのかもしれないと思いますけれども、そうでなければやはり全体に通ずる原則という形の構成を取る方がいいのかもしれない。そんな印象を持ちました。

【藤原委員】先ほど小早川委員長代理からお話がありましたけれども、私も起草委員の一人で、比較の問題ですが、時間的余裕があるときもあったのでコンタクトは取っていたつもりなのですけれども、今の西谷委員と高橋委員のお話の関連で一言述べさせていただきます。官民を分けるとして目的、定義、理念で、目的と理念のところで63年法のことはかなり書かれているのだなという感じがしたのですけれども、ただ冒頭の小早川委員の御発言との関連で言いますと、6ページの例えば「事業者の措置」の中の注のところに「利用目的による制限」「適正な方法による取得」「目的の変更等」について理念とか責務として規定することも考えられるということで、もしそれを統一的なところに位置づけると、理念と呼ぶか原則と呼ぶかという問題はあるのですけれども、そうすると恐らく西谷委員が言われたような体系にイメージとしてはかなり近づくのかなと。恐らく公的部門が持っているといっても、特段この点に気をつけなさいということは、もちろん昔風の公的部門、民間部門ということを強調すればともかく、データの処理の能力によって危険性が増しているというような状況にかんがみれば昔ほどの差はないと思いますので、この辺りを工夫することによってかなり今の御意見に近いものができるのかなという感じもいたしております。

【園部委員長】どうですか、責務か理念かどこでまとめるかわかりませんが、両方一緒にするというお考えもあったのですが、というよりも、もっと国の責務をもう少しちゃんと書けというお話もありました。それは、具体的にはどうなのでしょう。2ページの下の方の「国の責務」ではちょっと足りませんか。

【西谷委員】今、藤原先生がおっしゃったことはわかりますが、責務とか理念というのはもともとその概念として抽象的なるものという感じがありますね。やはりここに区別して書かれたように、基準と規律というのは別途書き出すべきもので、たとえて言えば訂正請求権をどこまで権としてということは別として、少なくともそういうかなり具体的な、抽象的とは言っても具体的なことを書くのはやはりきちんとこちらに分けて一つひとつ行為基準として書くべきものではないだろうかと思うのです。
 そして、更に公についてもそれは通ずるように書くべしと言っていることをもう少し具体的に申し上げますと、63年法は訂正のところはどうなっているかと見れば、訂正しろとは書いていなくて申出がある。これは請求とも書いていないで、申出だよと。そして、受けたら調査しろと。ですから、それはある意味では中途半端なところでとどまっているわけです。開示請求の方は請求であり、まさに裁判所も出るような形に見えます。訂正の方は、そこをごまかしている感じなのです。
 仮に、こちらで訂正請求権という形に民を構成したとすれば、当然それは公についてもそのようなものとなるべきであるとすれば、それは63年法個別法にぽんと任せておくのではなくて、当該こちらの基本法でそのようにするのだから向こうをそう改正しろと、このように指示をする体系にして初めてこれは基本法なのでありますから、やはりそのようなことはこちらに共通則としてかA、Bとしてであるか、書くべきものではないかと思うので、はっきりさせた方がいいのではないか。つまり、理念やら何かのところへ抽象化して収めてしまうよりは、できる限り具体化する方向の方へベクトルを向けて書いた方がいいのではないかと私は思います。

【上谷委員】私も、いざでき上がってみたこの案を拝見していると、やはり同じような感じを持ちます。ここの中に並んでいる「政府の措置」、それから「地方公共団体の措置」、これは割と似た感じがするのですが、事業者の措置の方の内容は、政府の措置と同じ「措置」という字を使っていますけれども内容は違うように思います。事業者の措置の中に出てくるのは、どちらかと言えば具体的に個人情報を扱う際にどうしろというようなことを書いているわけですね。要するに、具体的な個人情報の取扱いに関する行動を規制するような形のものが入っているのに対して、政府の措置と地方公共団体の措置というのは直接情報を取り扱う際にああしろこうしろということではなくて、もう少し外枠で何か個人情報の保護がうまく機能するようにいろいろなものをつくっておきなさいというような感じがするのです。「政府の措置」の中で例えば「既存法令の見直し等」というのも、ここの中でこれをやって、その中に恐らく事業者の措置の中に入ってくるようなものが具体化されてくるのではないかというような感じがします。
 そういう点から言うと、確かにもう少しいわゆる責務とは違う具体的な個人情報の取扱いの原則みたいなものはもう少し上の段階で、国も地方公共団体も含めて書いた方がいいように私も思います。結局これまでの議論にいろいろ出てまいりましたけれども、権利の体系から書けるかどうかはちょっと問題がありますが、できるだけ具体的な権利義務を裏に伴っているような条文を共通項で設けておくのが望ましいというのが、これまでの議論ではかなり出てきていたと思います。そういう面が民間に関しては書かれているものの、国・地方公共団体に対してもうひとつ明確でないなという感じがします。
 前回急いで大綱をつくらなければいけないという話になってきてしまったものですからその辺の詰めが甘かったのかなと、私も急ぐ事情はわかりますし、余り細かいことをこの大綱に盛り込むことは難しいかなという気もしまして、若干その辺のところは自分でも妥協した嫌いがあるような気がするのですが、今こうやって見直してみますと、ちょっとその辺のところが不十分のような気がします。

【高橋委員】この措置のところで、今まで議論が出ているように政府と地方公共団体について書いてあることと、事業者について書いてあることがかなり食い違っていると。何となくパラレルになっていない感じがするわけで、一つの案としては、むしろ事業者のところで書いている原則は、例えば理念の後にまとめて、この理念を実現するためにこういう原則を取り入れる必要があるというようなことで書く。その後、責務、措置という形に持っていって、事業者の措置のところでは政府の措置に対応したような事業者はどういうことをしなければいけないかという、ガイドラインをつくるべきだとか、そういうようなことを書くという構成がひとつ考えられるのではないかなという気がするのですけれども、いかがでしょうか。

【小早川委員長代理】最初に発言しましたときは、問題の指摘というつもりで申しました。今回は自分の現段階の意見を申しますが、ここにある形での大綱案の要するに中身、あんこがどこに入っているかというと、事業者の措置のところにしかあんこがないということになるわけです。それではまずいのではないかというのが、何人かの方の感じ方だろうと思うのです。
 ただ、あんこの部分の6ページ以下に挙がっております項目というのは、この中を共通原理的なものと、それから民間事業者に特有の義務づけというふうに仕分けするということも考えられますが、それもなかなか難しいと思うのです。これは、やはり全体として一つの体系を成した事業者に対する要求なわけでして、これをもしばらさないとしますと、これは事業者に対しても何を求めるかということになるのだろう。それで一つの問題は、その場合に措置という言葉が適切なのかどうかということがあると思います。現に事業者に対して求めていることと、措置という名前で求めていることと、それから、政府に対して措置という名前で求めていることが大分違うではないかということは今、御指摘があったとおりでして、措置という言葉がいいかどうかは一つ問題です。
 ただ、次の問題は、ではここに書かれている事業者の措置に相当するようなものを個人情報保有主体としての政府に対して別項目でやはり書けるかということになりますと、そこは実際問題として63年法の見直しの結果できてくる法律との整合性が問題になると思うのです。基本的なところはこちらで、具体的なところはあちらでというようにした場合、やはり両者の関係が複雑になってどのように整合的に読むのか、解釈論をいろいろやらなければいけないということになる可能性があるので、私としては情報保有主体としての政府が何をやるべきかという具体的なことは、できるだけそちらの法律に別法に任せるべきではないかというような気がするわけです。
 ただ、全部丸投げというのは基本法としてどうか。また、体裁としてもどうかということがありますので、そこは政府に関する立法の整備、見直しを求めるという、ここに書かれている部分に何か付け加えて、この法律で事業者に対して求められているところも横目で見て、それを踏まえながら政府についても見直しをするというようなことで間接的にその方向づけをするというぐらいのことでどうかなというのが今、差し当たりの思いつきでございます。

【遠山委員】国の役割は2つありまして、申すまでもなく国全体として個人保護の施策をどう考えていくか、基本を定めるというような役割があるのと、それから個人情報の取扱い主体としてどうするかという両方あるわけです。ここの書き方は、恐らく国全体の役割を考えて政府の措置ということが書かれていると思いますが、確かに個人情報取扱いの主体として成すべき行動の在り方というのは、事業主体とそう差があってはいけないわけですね。その意味では、ここに事業者について書かれた基本原則はできるだけ国が個人情報の取扱い主体として作業を行う場合にもかぶった方がいいと思います。それに加えて、国としての役割というものを明確に書かれる方がいいと思うのです。
 ですから、この原案は政府の措置の中で両方のものが込み入って入っているような気がいたします。できれば、今までの議論の流れに合わせるとすれば、個人情報保有主体としての役割のことはできるだけ共通に読むようにして、さはさりながら国全体としてこういう独立行政法人に対してどうするであるとか、あるいは基本的なこういうものを定めろといった、更に課す国としての役割を明確に書くことが必要なのと同時に、共通の部分についても国あるいは公の個人情報保有主体であれば更にこういうことが必要であるということがあるわけです。
 ただ、元の法律がありますから、そこのところはちょっと詳しい言葉で、ここは元の法律に書いてあるとか、私自身の頭の中で区分できないものですから明確な意見は述べられないのですけれども、そこの2つの役割のところが同じ政府の措置という中で書かれていることにおいて、やや読む側も混乱するのではないかという気がいたします。

【西谷委員】小早川委員のおっしゃることもわかりますが、やや技術的なことにわたるかもしれない。この民間事業者の規制基準を書いておきながら、それに配慮してというようなものはいかにもおかしい。つまり、もともと配慮できるようなものならばずばり共通として書けばよいし、根本にはどうも何かおよそ違うのであろうか、公と民の場合とはどうなのだろうかという、そこのところがまだはっきりわかっていないから、そこはやや疑心暗鬼になるのですが、私の見るところ、やはりOECDをかぶっていって共通に書かれた限りならば、私の感じでは、これは公の場合だって政府の場合だって同じように思います。
 ただ、訂正のところが若干政府の方が緩い感じになっているような、この文章の限りではそこに差があって、多分原則についてはむしろ政府の方が具体的にもっともっと書き込んでいるという構造になっているわけですから、この原則を共通則とし、かつ政府については更にこれを具体化すべく別法で定めるという構造にすることに内容的な抵抗はないはずではないかと思うのです。つまり、丸投げではなくて、効いてくるというならばその手法としてはもう正面から共通則として挙げて、具体的には別法という落とし方の方がきれいではないかと思います。

【高芝委員】私も西谷委員と基本的に同じような考え方なのですけれども、その理由は2つありまして、1つは基本法である以上、必要最小限度の共通則を設定するということになると思うので、必要最小限度のところは共通に抜き出せるのではないかということと、いま一つは事業者の定義のところを見ますと、国と地方公共団体とそれらを準ずるもので別の法律で定めるもの以外ということで、国だけではなくてもちろん地方公共団体、それ以外も外れてくるといいますか、除外という形になっていますけれども、地方公共団体の方では条例等でもこの間のお話では半分ぐらいの制定率で、制定していないところも半分あるということになるわけですので、まだこれからつくろうというところに対しても基本の指針を示すという意味は大きいのではないかなと思います。以上、2点の理由です。

【上谷委員】私も今、西谷委員や高芝委員がおっしゃったのと結論的には同じ意見になります。先ほどちょっと舌足らずだったかと思いますのでもう一度正確に申しますと、やはり基本法というのはどちらかと言えば個人情報保護についての最低限のところを書いておくという性質は持っていると思います。ですから、これは言葉じりをつかまえたようなことになるので大変小早川委員には失礼なのですけれども、民間を横目で見ながら政府は重くするというものではなくて、必要最小限度の基本は基本法に決めてあるけれども、それよりも更に場合によっては厚く保護するという面が出てくるのが国の個人情報保護の在り方だというような性格を持たせるべきではないかという趣旨です。したがって、民間の方もこれは最低限に守ってほしい個人情報保護の在り方なので、更にもっと手厚く保護するいい方法があれば、それはどんどん民間の方でも取り入れてもらっていいという態度でつくる方がいいのではないかということです。その立法技術的なやり方については可能だというのは、先ほど西谷委員から御発言がございましたので、そのまま私の方で援用させていただこうと思います。ですから、結論を申しますと、民間事業者の措置の中で権利義務的なものの裏付けになっているような具体的な措置で、政府も当然というか、国の個人情報保護法についても当然取り入れられるべきものはそのまま共通のものとして掲げておくということです。
 それから、これは個々の話になりますけれども、例えば政府の措置でも今回のこの案を背景にしていますと、どちらかというと既存の個人情報保護に関する法令というと、この個人情報保護法だけを指すような感じがしますけれども、これはたしか前回か前々回、ほかの方からも御議論がありましたし、私も申し上げましたが、何も個人情報保護法のことだけを考えているわけでは決してないので、例えば住民基本台帳法だとか戸籍法だとか、そういうような国が情報を収集することを法令で認めているような法令の在り方まで含んでいるはずだ。したがって、既存の法令に従っている、つまり法令に従っておればいいということではなくて、その法令自体が場合によれば個人情報保護の観点から見直されなければならないものを含んでいるのであって、それを含んだ規定がこの基本法だと位置づけるべきだということを、前回でしたか前々回、ほかの各委員からも議論がございましたし、私も申し上げました。そういうようなものだという基本法の性格が、やや今回の大綱案ではわかりにくくなっているような気がしますということです。

【小早川委員長代理】私の意見は折を見て撤回してもいいのですが、それは具体的に考えてこれでいけるということであればということであります。ですから、その点であるいは個別のところでもっと議論しなければいけないのかなと思いますが、6ページ以下の諸項目で申しますと、私が気になっておりましたのは具体的には次の点です。
 (2)で原則としては本人から取得するという原則を、国の場合にも原則として認めさせていいのかということは大変な議論が必要だろうと思います。例外でいいではないかというのはちょっと安易な解決なので、そういう原則を認めていいかということが公と民でといいますか、国と民間で同じなのかどうか、これが第1点です。
 それから、安全保護措置の実施の細かな規定をつくれということは当然、一般法と特別法の関係で国の方の立法で何かするというのであればそちらが優先的になる。これは問題がないと思います。
 あとは(6)とか(7)辺りなのですが、もしこれを両方かぶせた上で、国の方については国の個人情報保護法でもって更に具体化するということになりますと、根っこの部分の法的な性質がそれぞれ違ってくるということで、そこはうまく落ち着くのかなというそこはかとない心配を持っていたわけです。情報保有主体としての国については、この部分はプログラム規定である。当然これを具体化する別の立法が予定されていることになって、民間については個別法はあるのでしょうが、一般的にはこれが一般法として直ちに適用される。事業者は、できるだけこれを単なるお題目としてではなしに、法的な規範として受け止めるということになって、かつこれは解釈上もできる範囲でできる限り不法行為法なり何なりの裁判にも反映させるということになるわけでして、そこは一方はプログラム規定であり、他方はそういうエンフォーサブルな方向を目指す規定であるというのがあるというのが解釈論上といいますか、規定の性格の使い分けがうまくいくのかなというのがもう一つの心配だったわけです。その辺の個別の具体的な懸念が払拭されれば、私もこの共通の原則を掲げるということ自体は結構なことだと思っています。

【新美委員】私も小早川さんと同じような心配といいますか、懸念を持っていて、政府の場合には多少ブランクにしておく必要があるのかなという気がしていたわけです。個別の例は小早川さんのほかにもありますけれども、ちょっとそれが気になっていたということです。
 それで、もしも原則を掲げるということであれば、場合によっては官と民との場合でそれぞれ例外を認めることをどこかにメンションしておかなければいけないだろうという気はいたします。そうなった場合に、共通原則として掲げるという手法がいいのか、あるいは官の場合の原則と民の場合の原則という形で書き分ける方がいいのかという問題も出てくるだろうと思います。

【西谷委員】情報取得、収集のところで官と民の場合はかなり違うなというのは前から私も思っていました。なぜならば、民の場合は契約であり、ネゴシエーションとしてそこのところが多分決まってくるけれども、官の場合は多くの場合は法令に基づいて定型的に一方的に収集、取得が行われるということが違うからだろうと思います。それは、多分よく詰めていく必要がありますが、法令に基づき取得するものを除きという形一発で、つまり法令があるものについては当然法令に乗っかっていくのではないかなと。
 ですから、余りそこは官と民とは違うのだが抽象的に条文として表れてくる限りでは全然違う方向を向いているわけではないという感じがするものですから、共通則として書くことは可能なのではないかという印象を持っていますが、どちらにしてもそれはそんなに大した作業ではないからやってみたらどうかなという気はするのです。63年法は現にあるのだし、一方こちらはこちらで書かれているのだから、それと照らし合わせてみればいいだけなので、その作業をやっていただく価値はあるのではないかと思います。

【新美委員】西谷先生がおっしゃるとおりで、一遍やってみて無理だったら違う方向ということで考えてみればいいのではないかと思います。一度やってみると、作業は大変かもしれませんが。

【園部委員長】どなたがやりますかね。

【藤井室長】今、御指摘のあったところは、事務局がいろいろ悩んでいたところです。
 それで、1つは基本法とは何かという話に戻ってしまうので、多分10回目ぐらいのときに御議論があったところなのですけれども、基本法というものを考えていただく際に、今の行政機関個人情報保護法を多分この法律の中に完全に入れてしまったら全然問題はないのだろうと思うのです。それはやらないという多分選択の上で基本法という制度をつくられたということなのだろうと思います。それで、何とか共通する部分を書けないかということはいろいろ苦心してみたのですが、ひとつ事務局なりに考えてみて一番ネックになったのは、先ほど原則とか共通則とおっしゃっていただいていたのですけれども、それは法律に書くと、やはり書いてしまったら権利義務関係みたいな感じになってしまうのではないか。権利義務関係ではない憲法の権利のように、抽象的な権利説みたいに何か具体的な措置を待って権利義務関係になるというようなものが技術的に可能であれば、共通則なり基本原則というものを法律に書くことも可能なのでしょうけれども、書いたら多分民間の事業者、これは民間事業者といっても大きなところから小さなところからいろいろなところがあるのですが、それにあまねく掛かるような権利義務の条文という形で基本原則が適用されてしまって、権利義務でなくても少なくとも行政規制的な書き方になれば行政庁が相当強権的な規制でそれを実現するというような制度を根っこにした形にせざるを得ないということになって、なかなか共通的なものが書けない。
 それと、10回目ごろの御論議でもあったのですけれども、民間事業者の部分については相当自主的、自立的な規律にせざるを得ないということになって、それに対して行政機関の方は国民対政府との関係ですから、政府に対するいわば義務規定ということであれば書けることが多いということであれば、法律のつくり方を違えざるを得ないのかなと。むしろ、民に適用されるような規律そのものを果たして行政機関に適用するということの意味合いですね。ほとんど該当しないようなものになってしまう可能性があるというようなところで、とりあえずは共通する部分は理念と責務の分担関係。
 それで、理念について何とか共通則的なものの抽象的な部分が書けないかどうかということを苦心して作成しているのが今の案なのですが、まだ成功していないような気持ちは事務局の方にありまして、その成功していないところはどこかというと、8原則で言っているような趣旨が理念にうまく表現されていないというところかなと思っていて、その8原則の中でも特に気になっていたのが、まさに6ページの6の(3)の注で御紹介いただきましたけれども、(1)から(3)みたいなものを何とか理念のところに引き上げられれば、それはそれでまた官民通ずる共通理念でありながら原則と。理念ですと、先ほど言いましたように個々の実体規定で書くのとは違って、すぐに権利義務関係なり強制を伴うという仕組み、それを考えなくてもそれはまた別途のところで考えればいいという形なのかなというようなところなのでございます。
 それともう一つは前々から感じていたのですけれども、OECD8原則と申しましても実体的な個人の権利利益を守ろうというような記述のところと、どちからというと制度的、手段的ないろいろな手続的なものが少し混在しているなというところがありまして、それを共通則に挙げた場合、官と民の違いが出てくるのは多分制度的、手続的、技術的なところかなという気持ちもするのですけれども、そこはうまく整理されれば官民通ずるようなものは相当この基本法の上の方で表現することも可能なのかなという気がしております。
 それから、先ほど西谷委員がおっしゃっていた行政機関個人情報保護法の訂正の申出の話ですが、実はあの法律をつくるときにも相当まず理論的にいろいろ議論して、これは堀部先生よく御存じのところだろうと思うのですが、なかなか理論だけではなく、あまり権利とした例がないといったことであのようになっていまして、ただ実質的には訂正請求権と等しい法律効果はあるという前提で制度をつくっているというところでございます。よくわけのわからない説明ですが。

【小川副室長】作業という面で私からお願いやら、御発言をお許しをいただきたいと思いますけれども、基本法の大綱の中間整理ということで6月初旬に出すというわけでございますから、今の議論は大変基本的な部分なものですから、少なくとも6月初旬に出していくときにはどちらか是非委員会としての御判断を賜りたい。やってみてどうかということでは、その後のスケジュールが大変心もとなくなりますので、もちろんそれで突っ込んでいってどうしてもだめならば9月までに訂正はあり得るかもしれないけれども、基本的にはやはりこちらだと、まだ決めていないという状態は是非避けていだたきたいなというのが1つです。
 それからもう一つは、別に今ほどのいろいろな議論に水を差すつもりはないのですが、これに行政機関個人情報保護法をそっくり取り込んでしまおうという考え方は今、室長からも申し上げましたけれども、少なくとも中間報告のときにはない。なぜならば、それはこの前も申し上げましたけれども、基本法を早くつくりたい。要するに、国の行政機関の個人情報保護法を全部これに取り込んで最初からつくっていますと相当な期間を要するのではないかというおそれを中間報告のときに考えた経緯がございまして、官民を通ずるとは言っておりますけれども、やはり行政機関個人情報保護法というのは現にあるわけでございますから、それの逐一見直しまで全部かっちりやった上でないと基本法ができないという事態は避けたいというのが事務局としての偽らざる希望でございますので、そこはひとつ念頭に置いていただければありがたいということでございます。

【高橋委員】現行法の見直しと基本法の関係で、当初からどういう関係になるのかという点はよくわからなかったのですけれども、現行法の見直しが並行的に進んでいてその内容がわかっていれば、丸投げと言っていいかどうかわからないけれども、そちらの方で納得できるような形になっていれば、ここではそんなに立ち入る必要はないだろうし、そうでなければ、こちらである程度指針を示すということが必要になるだろうと思うのです。これを読んだだけで一体、現行法のどこをどういうように見直してくださいということを言っていることになるのだろうか、そういう趣旨が読み取れるのだろうかという点について私自身はちょっと疑問を持ったものですから、もう少しその辺りである程度明確な線が出るような書き方ができないだろうかという趣旨なのですけれども。

【藤井室長】まだ行政機関個人情報保護法を見直してそのようにしているという段階ではありません。ただ、今の御論議の流れからいったら、例えばマニュアル処理を含めるかどうかというところ、それから独法とか特殊法人といったもの、それはまず目に付くところかと思います。
 それともう一つ気になっているのは、いわば情報主体の意思にどの程度情報保有者の行動をコントロールさせるかというようなところのつくり方ですね。そこが一番行政機関個人情報保護法の影響の受けるところかと思っています。ただ、そこは先ほど西谷委員がおっしゃったように、行政機関の場合は一つのいわば法律に基づく権限行使等をやっているのでそれは別なのだという整理をしていただくと、それはほとんど関係なくなるという意味で、もともと行政機関個人情報保護法もOECD8原則に沿ってつくった法律でございますので、そんなに大幅に違うはずはない、違えなければいかぬものではないというところは御理解いただければと思います。

【藤原委員】もし63年法と共通則として書けるところを書くという御議論に沿って考えた場合に、先ほど小早川委員がちょっと言われたのですけれども、6ページの6番になりますけれども幾つかあると。その中で私も注のところのことは既に申し上げたのですが、一番気になるのは、さっき室長は少し控え目におっしゃいましたけれども、実は8ページの「開示、訂正等」の位置づけで、恐らく開示請求権というものと訂正請求権というものとの性質自体もかなり違いますし、行使させる手法、手続、効果というものがかなり難しいし、官民でも異なるし民民でも訂正請求権はうまく仕組まないと、請求権の行使をさせて、その例外をどうするのかとか、そこのところが難しいので、例えばこれを共通原則に一緒に持っていったときに、結局のところ全く同レベルで書くのか、書き分けるのか、あるいはそれぞれ民民の関係と官民の関係に配慮して書くのかというようなことがある程度見えないと、というか議論を詰めてしまわないと、前に持ってこられないという感じがしたということを申し上げておきたいと思います。

【上谷委員】先ほど小川副室長からお話がありましたが、「先に決めておいてくれないと」というのは誠にごもっともです。これから先で考えるというのでは動きがつかないというのは誠にごもっともなので、だからここで決めるということで私の意見を申し上げますと、やはり共通原則はきちんとここで書くべきだということです。例えば、開示請求権を例に取りますと、これは請求権があるということで恐らくこの間からの議論を聞いていて反対される委員はいらっしゃらなかったはずですから、請求権として認める。それから、訂正もしたがって権利として認める。
 ただ、それを民間であれ、国であれ、権利として認めて、その後どういうように具体的にそれを処理するのかということを放ったらかしておきますと至るところで紛争が起きてくるわけですから、民間では苦情処理のための手続をきちんとつくっておいてくださいよということですし、行政の個人情報保護法ではそれなりの不服申立ての手続を十分整備していくということ、それを特例でいろいろ書いていくということだと思うのです。
 例えば、情報はできるだけ本人から得なければならない、第三者から得るというのはその必要性、合理性があるような特殊な場合でなければだめなのだと、これも原則としてそう書けるはずなので、例えば国が行政目的で集めるような情報については、実は必ずしも本人から集めることができないような情報がいろいろあって、それで法令に基づき恐らく集めるという制度になっているわけでしょうから、そういうようなものはそういうようなものとして法令で第三者から集めてくることの合理性を認めて法律をつくればそれでいいということになります。そういうことで、私はできると思います。
 それから、法体系として両方の法体系で解釈が違ってくる心配があるという点ですが、これは立法手続でやることによって別に混乱は生じないはずで、基本法の解釈がまず優先する。それに付け加えて、特にこの法律ではここの点はこう考えてほしいというのならば、その特則を定めましたということでそれぞれの法律が書けばいいことなので、何も書かなければ個別法に特別の規定がなければ一般法の原則によるとなる、これは当然のことだと思うのです。ですから、その点に別に心配する必要はないのではないかという気がします。
 行政官庁として余り窮屈なものをつくってくれたら動きにくくてしようがないというようなお気持ちがあるとすれば、それはそれでそんなことをされては、この基本法のとおりではとても行政目的を遂げられませんよということで合理的な理由があれば、特別法で別の手続を定めていただければそれでいいということなのです。私は前に「準憲法」などという変なことを言いましたけれども、あくまでも基本法は基本法としてそれなりの意味を持っている必要があると思います。基本法というのはそういうもので、できる限り基本法を尊重してつくってもらうということでお互いのフィードバックは必要です。ただし、特別法の方からフィードバックしてきてやるだけの時間は今はないということですから、一方通行の方になる可能性はありますけれども、ここのところで基本法で決めておいていただいて、それを尊重してやっていただくということで、立法作業としてはできないことでは決してないように私は思います。

【小早川委員長代理】細かな点から申しますが、開示請求権を認めるという場合に、認めるからには要件を定めなければいけないわけなので、今日の案ですと一定の場合にということで先送りになっているのですけれども、それが国の場合と民間の場合とで同じ要件でいいのか、不開示事由についての書き方が同じでいいのかという問題は検討してみないとわからないことですね。それが1つ。
 それからもう一つ、法令で第三者から取れるものは別だということで書いて、はいおしまいというのではやはり基本法としては、法令に対する指針を含まないのはちょっと物足りないなという感じがいたします。
 その2点は私としては留意をしたいというところですが、決めなければいけないということですと、できるかどうかは書いてみなければいけないわけでしょうけれども、今のような点も考慮しまして、やはり政府に対してはほかの法律で具体的に書くから、しかし、民間に対してはこの法律でとにかく書きますよという部分はやはりあるのではないかと思うのです。ですから、少し複雑になるかもしれませんが、理念なり何なりの部分に持ち上げられる部分は今日の案では事業者の措置の中にある、先ほど藤井さんが言われたことで言えば1、2、3辺りが中心なのかもしれませんが、その辺を理念に引き上げる。
 けれども、その理念と、特に民間の場合には理念を同じ法律の中で更に具体化していくような規定が民間のところに出てくるというような構成で、その後の部分に対応する政府に関する規定は別の法律ですよということになるのではないかというのが私の意見です。

【上谷委員】そこはちょっと違います。私は、理念ということに引き上げる問題ではないと考えています。具体的に開示請求権を認めるというのは理念でも何でもないので、その理念から出てくる具体的な権利を与えるか義務を負わせるかという問題だと思っていますので、それを理念のところに書き込むのは大変難しいのではないかというのが私の意見です。したがって、政府の関係はいずれ政府の個人情報保護法の改正の際にどういうようなものにするかを検討していただくわけですけれども、民間の場合は当面のところはこの法律しかありませんので、例えば信用情報、あるいは医療情報等については別個の法律ができるでしょうけれども、それができるまではこの法律しかありませんので、この法律で施行できる限度の一定の場合をこの法律ができるまでに決めなければいけないと思っています。

【小早川委員長代理】一言だけ。理念でなくても基本原則でも結構です。

【園部委員長】基本原則というのは、またもう一つ増えるわけですか。

【高芝委員】小早川委員の最後の方で先ほど言っていただいたところで、私もそのように思っていたのですけれども、6ページの注の2のところで書いてありますように、(1)から(3)というのが共通的に理念で書けるところではないかと思ったものですから、それ以外の(4)以降のところ、事業者の措置の(4)以下はやはりあくまで措置、具体的な内容になってきますので、行政機関と民間では違いが出てくるところだろう。共通に書けるところを抜き出すとしたら、この注にあるように(1)から(3)のところで検討するのかなと思っていました。

【園部委員長】それでは、ここで少し頭を冷やしたいと思いますので、あと15分たちましたら再開いたします。では、休憩します。

(休憩)

【園部委員長】それでは再開をしますが、何しろ来週の初めに大綱案というものをこしらえて公表しなければなりません。そのためには、今日一応大綱案のまた大綱を決めていただいて、それに基づいて起草委員の先生に御無理をお願いし、かつ事務局にも頑張っていただいて、もう一度練り直してつくらなければいけないということでございます。
 そこで、先ほどのお話を多少別の見地からながめておりまして「目的」「定義」「理念」「責務」と非常に高遠なものばかりまず並べるものですから、定義は仕方ないとしても目的、理念、責務、これらはいずれも一種、基本原則的なものでございます。したがいまして、基本法制における基本原則というのは何かということはある程度理念的なものではありますけれども、OECDのようなああいう形の原則が何らかの形で並べばわかりやすいのではないかなというのが一つでございます。この「理念」というものと「責務」辺りを少し整理をして、先ほどの基本原則のような形で盛り込むことができればいいかなと思います。
 それからもう一つは「政府の措置」という中で「既存法令の見直し等」というのがございますが、政府というのはどういう意味かということになるとなかなか微妙でございまして、この委員会でもって政府に対して法令を見直せという案を出すということになると、政府の中には何が入っているのか。国会も入っているのか。大体法律は国会がつくるところですから、これを見直せと言ってもはなはだ一つの法令の基本法でもって他の法令を見直せとどこまで、しかも国会に対してまで言えるのかという問題がございまして、基本的な考え方は確かにそうなのですが、その辺はどうも客観的に見て、普通の実務から言えば政府が法令を見直すというのは当然のことかもしれませんが、外へ基本法の大綱として出た場合に、どういうような形で見られるかというのは少し心配であります。
 ここで政府は行政府の意と書いてありますから、なおさら法令という場合に、本来行政府が法律をつくるわけではございませんので、実際はそうでございますけれども、ここのところを非常に細かいことを言うようですが、そういう指図をこの基本法でどこまでできるか。それから、もしするのであれば、もう少し具体的に書かないとわかりにくい。「理念」「責務」を受けてというだけでは、それではどこがおかしいのだということになる可能性がありますので、それ自体理念的な規定がいいかどうかという問題があります。
 本来、どうも結果論ですけれども、基本法はやはり民間を頭に置いてつくっているということがどうしても見えてくるものですから、この「既存法令の見直し等」と国の措置について何か書かなければいけないだろうことで、これはバランスを取らなければならない問題でございます。
 それからもう一つは、上谷委員からも非常に明快な御主張がございました。開示請求権の問題でございますが、開示請求については例えば苦情処理を求めて苦情処理に対する不服という形で権利を実現していくという方法が1つございますのと、もう一つは開示請求権という民法上の権利を直接行使して司法上の争いにまで持っていくという方法と両方ありますが、本来この基本法は基本的に行政法的な性格を有するものですから、そこでどこまで民法的な権利を規定できるか。むしろ、苦情処理機関とか苦情処理行政機関というものに対する不服申立てあるいは行政指導等を求めていくという形で、開示を請求できるというような条文を実現していくということになることも考えられる。その辺のところは基本法である程度はっきりさせなければいけませんが、そのはっきりさせる方法をこの際検討して、それについては、やはり苦情処理機関というものがある程度頭の中にないと、これを先送りしているものですから、一体どうやって救済してくれるのだということがどうしてもわかりにくいわけなのです。苦情処理の方法がある程度はっきりしておりましたら、とりあえずはそちらの方で争ってくれという形へ持っていけるわけなのですが、どうもそこのところの先が少し見えない面もございます。
 そういう等々がございまして、はなはだ短い時間で申しわけないのですが、少し具体的に起草委員にお願いする骨格の見直しをそれぞれの委員から、こういう項目でこういうことをここにこう書き込んでおけばいいではないかというようなことで御意見をいただければ大変ありがたいと思います。どなたからでもどうぞよろしくお願いいたします。

【西谷委員】2ページの「理念」と書いてあるところで、「透明、公正かつ安全な方法で行う」というこの「透明、公正」というのはどういうことか。「安全」というのは何となくわかりますが、「個人の権利利益が不当に侵害されることのないよう、透明」というのがちょっとイメージが具体的に思いつかないので、もしこの言葉の内容をお教えいただけるならば教えていただきたい。
 それから、3ページは上から2行目「必要な制度施策等の措置を講ずる」、これは何ということはないのでしょうか。何か意味がわかりません。
 その下の「国民に対する必要な支援を講ずる」というのですけれども、これはどういう意味なのかが文章としてわからないので、もし内容があるのだったら少しコメントをここに書いて、「のような支援」とでも書かないと、「事業者と国民に対する必要な支援施策」というのはどういうものなのか、これもちょっと想像がつかない。自治体の(2)のところも同じであります。
 それから、3ページの一番下の「自己に関する個人情報の慎重な取扱いに努める」。国民は自分の個人情報の慎重な取扱いというのはどういうことか。つまり、これも読んだときに意味が、自分の情報は慎重に扱えよというので気持ちはわかるのですけれども、具体的にどういうことなのか、ちょっと文章としての工夫が要るなと。外へ出す文章になるということであれば、わかるようにした方がいいのではないかと思います。とりあえず、そんなところが気になりました。

【園部委員長】それでは、事務局の方から御説明いただきましょう。3ページの上から2行目の「必要な制度施策等」というものと、それから「地方公共団体の責務」のところの2行目にも「必要な制度」、これは「、」がついていますが、これは施策の制度となりますが、これは何か言葉に相違があるのか、それともどういう意味があるのか。

【小川副室長】3ページは、基本的には同じつもりでございます。

【園部委員長】「制度、」でいいのですか。

【小川副室長】はい。上の方がですね。それで意味、内容は、地方公共団体の方は当然後ろの方に出てまいります条例による制度化とか、そういうことでございます。
 それから、上の国の方は個別立法、要するに信用情報等の立法化ということを念頭に置いていると。
 それから、ちょっと委員長の質問の外にいってしまいますけれども、必要な支援ということで念頭に置いていますのは、マーク制度だとか、いろいろな周知を図るとか、さまざまな施策が各省も地方もあり得るのではないか。それをうまく書けているかどうかは別として、その取っ掛かりとしてですね。

【園部委員長】これは地方公共団体も両方ともで、ガイドラインなども入るのですか。

【小川副室長】そうですね。それで、具体的に政府については、必要な支援等のスキームとして後ろに出てまいりますのが方針の決定であり、それに基づく各省庁のいろいろなガイドライン等を読み込もうとしている、その方針を受けたいろいろな施策だと。

【園部委員長】「慎重な取扱い」は。

【小川副室長】実は、この言葉自体について起草委員の方からも若干御疑問がございました。もうちょっといい言葉があればなと。それで、心としては自己管理みたいなことを言いたいということなのですけれども、管理という言葉がうまく使えるのかなということで、ここはむしろ委員の先生方のお知恵を拝借したいところでございます。
 それから透明性という言葉でございますけれども、これは法律にたしか初めて登場したのは行政手続法だったかと私は思っているのですが、手続法は行政運営における公正の確保と透明性ということで、透明性に括弧が付いていまして、「行政上の意思決定について、その内容及び過程が国民にとって明らかであることを言う」という法文になっているわけです。それで、ここの今度の大綱で透明という言葉を使ったのは、やはり他人の個人情報を、民間が主ですけれども、民間事業者がそれを利用してさまざまな業務なり事業を行うという場合に、ある程度どんな目的で使うのかというものについて、国民に対するアカウンタビリティーと申しましょうか、そういう内容や過程が国民にとって予見可能であるというようなことが、この基本法制の中心的な価値に置いてもいいのではないか。それの具体的な表れが、民間についてあれはだめ、これはだめということよりも、中身を公表しろという規定を事業者の措置の中に書いているのですけれども、そこが一番のポイントであるというような意味合いで、かなりこなれない言葉ではございますけれども「透明」という言葉を使っているということでございます。

【高橋委員】今、文章のことが出ましたのでついでですけれども、目的のところの文章が何か私の頭にはよく入ってこないので、もう少しわかるような文章に変えていただけないかなという印象を持っています。特に「著しい増大に伴い」というのは、どこに掛かるのか、全体の文章として非常にあいまいな構造になっているような気がするのです。それだけです。

【小川副室長】ここの原案を書いたときには、一応「伴い」というのが背景説明のつもりなのです。よく法律では「かんがみ」という言葉を使って背景説明をする場合が多いのですけれども。

【藤井室長】この「伴い」は、「その適正な利用を図りつつ、個人の権利利益を保護することを目的とするものとすること」。それで、間に入っている「個人情報の取扱いに関し基本となる事項を定めることにより」というのは、この法律のいわば手段として示しているわけでございます。「伴い」は、本当は全体に掛かるということなのでしょうけれども、具体的にはこの法律は適正な利用を図りつつ、個人の権利利益を保護することですから、それに掛かるようなというつもりでつくっているということです。

【西谷委員】何か1つ抜けているのですね。増大に伴うから適正利用が要るよと。

【新美委員】何か問題があったからというのが一言要るような気がしますね。

【西谷委員】あるいはプライバシーを保護することが必要だからとか、何かそういうものがないと、無関係ではない、確かにわかるのだけれども、順序がぽんと飛んでいるからだと思います。

【小川副室長】ちなみに、63年法は「行政機関における個人情報の電子計算機の処理の進展にかんがみ、行政機関の保有する」云々の「基本的事項を定めることにより、行政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする」と書いてあります。

【西谷委員】それでも、本当は1個抜けているのだけれども。

【新美委員】「かんがみ」だと多少オブラートが……。

【藤井室長】「かんがみ」だと、増大そのものが問題であるという趣旨が出る。「伴い」であれば、余り問題であるかどうかということを強調していないというような語感かなと思いますけれども。それこそ、個人の権利利益の侵害のおそれが高くなったからというような趣旨なのだろうと思うのですが、ちょっと個人の権利利益を保護するとダブってしまうかなと。

【園部委員長】だけど、それはまた「理念」のところでダブってしまうのだけれども、2ページの「理念」をごらんになると2行目に「その取扱い次第で個人の権利利益に重大かつ深刻な影響を及ぼし得る」ことが生ずると、それが本来ここへ入るのですよね。だから、個人の権利利益を保護しなければいかぬとなるのだけれども、そこはのみ込んでしまって、「理念」のところでは出てくるのですよね。

【上谷委員】さっきあんなことを言った手前もありまして、具体的な案を提案しなければいけないことになっていますので、私はこういうことで提案だけしておきます。率直なところ、時間が余りありませんので、この文章がいいかどうかはもう少し検討して、できれば来週早々にでもFAXでもお送りしようと思いますが、今、当面、先ほど私が申し上げた点をもし修正していただけるとするならば、この2ページの「理念」のところを例えば冒頭は「理念等」としていただいて、一番最後の「適正に行われるべき旨を規定するものとすること」となっていますが、ここのところを「適正に行われるべきものとすること」として、それに続けて「この理念を実現するもの」として、(1)として現在6ページの「事業者の措置」の(1)に入っている「利用目的による制限」の中の文章をそのまま持ってきて、「事業者は」の次から(1)として「個人情報の処理等に当たっては、原則として個人情報ファイルの利用目的を明確にするとともに、その目的に関連し必要な範囲かつ適正な内容で行うものとすること」。それから、(2)は「個人情報の取得に際しては、法令に反してはならず、個人情報の性質、取得の際の状況等に照らし、第三者から取得することが合理的と認められる場合、当該本人の権利利益を侵害し又は侵害するおそれの無い場合等を除き、原則として当該本人から取得するなど、適正な方法で行うものとすること」として、(3)の「目的の変更等」は必要ないと思います。これは(1)の中に含まれるということで8ページの(7)へ飛びまして「開示、訂正等」というところで、これは文章を短くして、「個人情報ファイルに記録された個人情報に関し、個人から、開示を求められたときは、一定の場合に限り、個人にその情報を開示するものとすること。また、個人情報ファイルに記録された個人情報に関し、個人から、訂正を求められたときは、一定の場合に、求めに係る個人情報の内容を確認し、訂正等を行わなければ個人の権利利益を侵害すると認められる場合には、訂正等を行うものとすること等を規定するものとする」という文章で結んでいただければ、私はそれ以上細かいことは申しません。
 これでも細かいと思われたらしようがないのですが、これは大綱ですから、とにかく頭出ししておいてくだされば結構だという趣旨です。それに応じて「事業者の措置」の方で(1)(2)というのはもう書き込んでしまっていますから、もう少し細かいこととして先ほどのものに加えて(3)(4)(5)辺りにずっと書いておいてくだされば、それで結構です。

【藤原委員】上谷委員に1点確認させていただきたいのですが、今、上谷委員は「事業者の」ということで3番の「理念」のところへということは、「事業者の」という主語……。

【上谷委員】いえ、事業者のここに書いてある(1)のところの文章を拾ってきて、だから「事業者は」としないで、これは全部に共通することだから「個人情報の処理等に当たっては」と、ここからスタートしてくださったら結構ですということです。

【西谷委員】もう一声なのですが、私は例えば(4)の安全保護措置というものも、これは当然今、項に入っていますし、持ってきて差し障りはない。それから、(5)の「第三者への委託」も63年法で十分書いてありますから、このくらいのことは当然書かれてしかるべし。(6)の事項の公表も当然63年法では、こここそぎらぎら書いているわけですね。総務庁と行政局とダブルで書いている。これもこのくらいのことならば当然である。
 それから苦情処理、ここはどうするかは本体のここをどうするかにかかわるのですが、これだって書いている。つまり、これもついでに持ってきてもらってということは、結局これが両方に通じる原則でいいと。ずっと前にこれは根本的にあっちとこっちにいっているわけではないのではないか。民のときだけ第三者委託の基準が入って公の方は別法で定めると、どうしてそういうように格違いになってしまっているのだということの説明が非常に難しいのではないかと思うから…。

【高橋委員】西谷委員のおっしゃられたことに賛成という趣旨で発言したいのですけれども、今の西谷委員のような考えで書いた方が、我々が今まで議論してきたことを生かすことになるのではないかという気がするのです。つまり、どういう原則があるかということをいろいろ議論をし、しかしそれでは困るものもあるだろう。いろいろな例外があり得るだろうということを議論してきたのですね。その例外として必要なことはヒアリングのところでもいろいろ出てきましたし、そういうものが例外になるような書き方をいろいろ工夫してみるということではないか。ですから、原則と例外という形ですね。最初のところに「理念」の後でもいいですし、あるいは「理念」と別立てで原則という形で立ててもいいと思いますけれども、そこに書くことを考えてみたらどうかなと私も思います。

【小早川委員長代理】質問ですが、西谷委員、高橋委員のおっしゃるのは、事業者の措置のところは中身がなくなるわけですか。

【西谷委員】共通則という名前にして残すという手もあるし、上谷先生のおっしゃるように上へ持ってきてこちらは削るというのでもよし。これは整理の問題なのですが。

【小早川委員長代理】その主体ごとの部分、少なくとも事業者の措置のところはもうカットで全部前と。

【西谷委員】内容的には全部残るから。

【上谷委員】苦情等の処理ぐらいは残るのでしょう。

【小早川委員長代理】それだけ残るというのも何だか……。

【上谷委員】寂しいですね。

【高橋委員】内部でルールをつくりなさいとか、ガイドラインをつくりなさいとか、つまり政府とか地方に対応した措置でしょう。それを書けばよろしいのではないでしょうか。

【西谷委員】「責務」のところは第2案が出てきてしまっているから、この辺がどのようになるか。

【小早川委員長代理】ですから、高橋委員のおっしゃるのは、今ここに書いてあるいろいろな苦情処理やら、公表やら、この辺に更にこのレベルのことをもう少し付け加えてと。

【高橋委員】だから、苦情処理は前に持っていかなくても、そこに持っていくならばそれでもいいと思います。

【小早川委員長代理】西谷委員がおっしゃるのは、全部この項目はなくなってしまうと。

【堀部座長】法律にあるからということではないですか。

【小早川委員長代理】わかりました。

【上谷委員】これは余りいじるのも申しわけないと思って私は遠慮したつもりで言ったのですが、そんなに声が掛かってくれるならば、それはそれでもちろん私は異存はありません。
 ただし、そんなに長くなってきますと、この理念を実現するものとしての2文はおかしくなりますから、(3)の次に3の2ということでこれが(4)になりますけれども、(4)として情報処理の原則という項目を立てるべきことになると思います。そこまで書いてしまうならばですね。

【小川副室長】今の議論の前提ですけれども、ちょっと横の話ですが、国についていろいろ御議論をいただきますけれども、事業者で除いている純粋個人はドメスティック・ユースみたいな話は今の御議論ではどちらになるのでしょうか。

【上谷委員】個人も入るのでしょうね。個人だから勝手に不適正な方法で入手してよいということにはならないと思います。

【小川副室長】そうですね。そうすると、開示とか訂正もかかるのでしょうか。

【上谷委員】その辺のところは外していくことにならざるを得ないと思います。

【小川副室長】公表は義務で書こうという。

【上谷委員】それは恐らく6月以後の作業でやることですから、そこはぼかすならばぼかしておいていただいて一向に差し支えありません。今そこまで細かい議論は詰まっていませんから。

【小川副室長】一応、定義で純粋個人を外した格好で事業者と使っていたものですから、今、事業者の概念が全部外れて議論になっていますので。

【上谷委員】それならば問題はございません。では、注として個人にまでかけるかどうかは更に検討すると。

【堀部座長】私は個人情報保護法制化専門委員会の委員ではないのでどういう発言をしたらいいのかと思って発言は控えていますが、少し発言させていただきます。今の事業者の点については情報公開のときもそうですし、個人情報の一般の条例などでは事業を営む個人の場合にはその対象とし、事業者の中に含めます。前にも触れたのですが、純粋に個人の例えば住所録までこの法律を適用して訂正請求まで認めるというのはどうかと思うので、どこを除くかというのは後ろの方の適用範囲の問題でもあります。そういうところで調整していくということになると思うのですけれども、個人事業者というのは適用してもいいのではないですか。

【小川副室長】この粗案では、純粋個人だけを除いたつもりでございます。事業を行う個人は当然事業を営む者に入っております。

【藤井室長】今お聞きしていて「理念等」としてお書きいただくにはちょっとボリュームがあり過ぎたという感じで、そうなりますとむしろ堀部先生がおまとめになった中間報告で保有者の責務というような書き方がございましたね。保有者の責務として書いた上で、それぞれまた分散して国としては具体的にこういう措置を講ずるのだとか、事業者はこういう措置を講ずるのだという書き方もあるのかなと感じたのですが。

【堀部座長】この中間報告で、藤井室長が言われたのは、第1回のときの6ページですが、個人情報保有者という形でとにかく保有していればすべてこういう原則でいく。行政機関の個人情報保護法は個別法の一つに入れて、そこで何らかの見直しをすることもあり得るというような形をとったわけです。個別法ということで12ページの4の(1)の最後のところに例として、行政機関個人情報保護法をあげています。この段階では住民基本台帳法が改正されたばかりでしたので、あげていません。これは個人情報保護について厳格に定めていると私は理解しています。国会の参考人の意見としてもそういうように述べてきました。戸籍法などどうするのかというのはあると思いますし、その種のものはほかにも公的部門でもありますし、それはあり得ると思います。

【藤井室長】具体的措置として、政府が講ずべき具体的措置ということでいいのかと思います。

【堀部座長】これだと法律の最初の方に、この順序でいくとくるような気がします。

【藤井室長】政府の法律の見直しというのはレビューの方ですけれども、レビューと立案までであれば必要な措置ということで、そこまで入ったって別に三権の観点からはおかしいということにもならないのかなという気がします。

【園部委員長】一番最初にどんと出ると。そればかりが目的であるわけでもありませんが、それはちょっとあれですから。
 あとは時間の関係で、資料1の少なくとも見出しの順序ぐらいは多少変更してもいいのですが、こういう形でないものに大急ぎで直せませんか。例えば1、2、3、4、本当にこれは見出しだけなのです。今のお話でいけば、多少見出しを上下変えればいいのでしょう。そうすれば格好がつくと思いますけれども。

【西谷委員】しかし、措置というのがおよそ違う中身であると、これはやはり気になりますから。

【新美委員】先ほどの議論でそうでしたね。

【西谷委員】やはり基本構造に関わるものだから、このパターンは……。

【園部委員長】西谷委員から、まずこれならばどうだというのを出してください。それを直します。

【西谷委員】4の次、つまり5の前に「個人情報保護の基準」、「原則」としますか、高橋先生の原則をいただければ、「個人情報保護の共通原則」としておきましょうか。

【上谷委員】「責務」の前に入らないといけないですね。「責務」の中にそれを引いて、表を掲げておるものですから「理念」の次ですね。

【西谷委員】3と4の間に入れて、この6のうちの(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)、(8)がペンディングになりましたね。(7)まで入れると。そして次が「責務」で、次が「政府の措置で」このまま、次が「事業者の措置」で苦情処理をしっかりやれですか。それだけだと寂しいですね。もう一つないですかね。

【上谷委員】自主的なプログラムとか規律とか、そういうようなものを推進しようと。

【西谷委員】何かいい言葉で1行、要するに目次だから。

【新美委員】「具体的な自主的取り組みの策定」ぐらいですかね。

【上谷委員】それでいいですね。

【園部委員長】前の検討部会では自主規制という言葉を盛んに使っておられたけれども、自主規制というのは余り使いたくないのですか。

【藤井室長】そんなことはないのですが。

【新美委員】「規制」という言葉がね。「自主的な取り組み」ぐらいだったらいいのではないですか。

【園部委員長】では、「自主的な取り組み」。

【堀部座長】これは一般的にセルフレギュレーションと言っているものを概念としては使ったわけですけれども、法律に書くかどうかというのは別としまして。

【小早川委員長代理】今日の段階での項目表であれば、今の3と4の間の原則のところの中身と「事業者の措置」のところのダブりがあってもいいのではないでしょうか。先ほどのように足切りをするのしないのという話になると原則ではなくて後の方の各論になるでしょうし、そこはよく仕分けをしてみないとわからない話なので。

【新美委員】ダブらせてもおかしくはないですね、この段階では項目だけは。

【西谷委員】ただ、その場合は6の措置というのが、やはり「政府の措置」という言葉と「事業者の措置」という言葉が「措置」違いと、そこが気になるというか。

【小早川委員長代理】そうすると、むしろ5の方が政府の施策ですか。措置はどちらでもいいのですけれども、どちらかを変えるとすると。

【遠山委員】今、基本原則みたいなものがずらっと並ぶというならばそれでいいと思いますが、ここを議論してくると「国の責務」というのと「政府の措置」というのはちょっとダブってきている面もありますね。一気に書けるのかもしれませんが。今日の段階では残しておいてもいいかもしれませんが、国の責務……。

【高橋委員】この構成を見たときに「責務」のところの順序と違いますが、これは何か特別に意図があって書いてあるのですか。

【小早川委員長代理】地方公共団体の。

【高橋委員】そうです。地方公共団体と事業者が順序が変わっているのは……。

【西谷委員】自治体はこの内容について丸投げですから、だからでしょうね。「責務」としては2番目なのだけれども、内容的にはほとんどない。

【高橋委員】事業者はもう書くことが少なくなったから、順序を合わせてもいいのかなという感じはするのですけれども。

【西谷委員】しかし、民の場合は直撃はするのですね。規範的意味があって、自治体は多分そこもほとんどなくて任せるという。

【藤井室長】よろしければ今、遠山委員からも御指摘ありましたけれども、「責務」と措置とか施策がダブるので、むしろこれはなくして今、西谷委員の基本原則を4に入れるということで。

【園部委員長】「責務」のところを全部取りますか。「1.目的」「2.定義」「3.理念」、4はただの「基本原則」ですか。それで「責務」を取りまして「5.政府の施策」ですか、「措置」ですか。

【小川副室長】「国民の責務」だけが残るのではないかと思います。4の次に5で、場所が問題なのですけれども。(1)(2)(3)は実はダブっています。4の(4)の「国民の責務」だけはダブっていないものですから。

【園部委員長】これは何か表に出さないで書けないですか。

【遠山委員】これはちょっと議論のためだけですけれども、「国民の責務」のところで自分の情報については自己管理をきちんとやれ、それから人のことも大事にしろということですよね。だから、ただ守られているだけではなくてきちんとやれ、そして倫理としてもきちんとやれという意味は「理念等」の後ろに何かくっ付かないかなという感じはしないでもないのですけれども。

【小早川委員長代理】今までの基本法でもそうなのですが、ここでは特に自分できちんとやれというのはいかにもパターナリスティックな感じがするので、そんなことは個人の自由ではないかと。「理念」として書くならば、それは結構でございます。

【堀部座長】例えば、神奈川の場合には県民の役割と規定しています。「責務」と書くと県民に責務を負わせるのかという議論もあったりして、役割というのを使ってみたのです。

【遠山委員】そうですね。主として保護のための法律であるのに「国民の責務」と出てくると、それだけで何か……。

【園部委員長】それはそのとおりですね。「4.基本原則」で「理念等」の中に国民の責務と役割を入れ込む。それから「5.政府の措置」ですか。これは「措置」でいいですか。

【小川副室長】堀部座長から御指摘がありました1と2と3、4、5は若干性質が違うのです。3、4、5は施策みたいな話で、1と2は措置なのです。だから、場所をどうするかの問題ですけれども、措置及び施策ということであればいいのかもしれませんが、分ける方法もございます。

【園部委員長】それでは、それは一応分けておきましょう。政府の措置が1、2ですね。3、4、5は施策。
 さて、その次はどうなのですか。この「事業者の措置」というのは取るのですね。入れるのですか。ここに地方公共団体ですか。

【西谷委員】事業者で2つ書くのではなかったですか。(1)が自主的な取り組み。

【園部委員長】「事業者の措置」として「(1)自主的な取り組み」、(2)は「苦情等の処理」ですか。これが一応なくなって、あと(1)から(7)までは全部基本原則が入るのですね。それで、その次が「7.地方公共団体の措置」。これは、「措置」でいいのですか、「施策」ではないですか。「地方公共団体の施策」(1)(2)、「8.他法令との関係」「9.その他」。「既存法令の見直し等」については、またどこに置くか考えましょう。一応これはこれでこのまま載せておいて、そういう形でちょっと組み替えてもらえせんか。そうしていただくと説明が楽になります。
 また更に検討しますけれども、この線で起草委員の方に中身について、こちらの大綱案の中からどういう具合に言葉を入れ込むか。とりあえず、今日はそこまでということにして、なおそれでは中身について御議論いただきたいと思います。

【高橋委員】「定義」の(3)ですが、議論の中では「収集」とか「利用」という言葉を多く使ってきたように思いましたが、それは外されているのですね。これは何か特別な意味があるのですか。全くそんなものは必要ないということなのか、特別な理由があってなのか。

【園部委員長】「収集」というのは「取得」とは違うのですか。

【堀部座長】「取得」と言い換えたのではないですか。

【高橋委員】だから、なぜそう言い換えることになったのかということについて議論があったならば聞きたいということです。

【藤井室長】この問題ですけれども、「収集」というのは意図的な収集に限定しているようなニュアンスがあって、御論議の中ではそういう統計調査とか情報収集みたいなものだけではなしに、いろいろなプロセスで事業者なり保有者が情報を取得されているというところまで読めた方がいいのかなというところでございます。要は、どうも最近そういう最初の入口から出口まで一連の処理プロセス自体を規律するというような一つの流れがあるということもあり、それと出口の方がより重要だというような御論議もあったかと思うのですが、そういうようなところを反映させるという意味で若干の区分をしているというぐらいの話でございます。

【堀部座長】恐らく取得という概念ですと、例えばインターネットサービスプロバイダーが通信回線を通して情報がどんどんそこに蓄積されていくというようなものも、自ら意図的に収集するのではなくても取得という概念でとらえられるかもしれません。むしろ高度情報通信社会推進本部の議論としてそういうものも含めて広く基本法で規律していくとなると、そういうものがいいのかなと、今藤井室長の話を聞きながらそう思いました。どういう概念を使っていくかというのはもちろんこれからの議論になると思うのですが、一つのアイデアかなという印象を持ちました。

【藤原委員】「利用」という言葉でなくて「処理等」という言葉になっていて、それでこの素案が整理されているのはこういうことではないかと思います。
 つまり、外国等でもこれはEU指令以降どの国でもそうですけれども、やはりプロセッシングというか、処理という一連の行為、最初から最後まで、入口から出口まで規制する、あるいはちゃんと見ていくということになっている。その背景をいろいろ調べてみましたら、できるだけ情報技術の進展と法制の枠組みそのものは切り離してしまった方がいい。つまり、情報の処理が進展して、例えばファイルという概念に余りにこだわったり、もちろん権利行使のところでは非常に重要なわけですけれども、そうではなくてファイルという概念でかつてのように切り取ろうとしたり、あるいは収集というのは多分コレクトだと思うのですけれども、それだけに寄り掛かっていると、今、座長から説明があったようなほかのところの技術の進展でそういう定義に含まれないものについて、ではこの法で規制できないのかということになってしまう。
 そこで、そうではなくてプロセッシングで処理といって一連の過程を見ておくと、一応すべてのものを見ることができるという、その基本的な発想があるということだと思います。

【堀部座長】前にも言ったのですが、EU指令がプロセッシングという概念を使って、その中に個別の行為を全部入れています。これはそれと非常によく似た定義の仕方をしたと思いました。EU指令の中でもコレクト、コレクションという言葉を使っている面もあるのですが、たしかイギリスのデータ保護法は原則ではオブテインを使っているのですね。オブテインとコレクトというのはどう違うのかというのがあるのですけれども、オブテインとなると取得というような意味になります。私もそういうように訳したこともあります。
 OECDのプライバシー・ガイドラインではコレクション・リミテーション・プリンシプルと言っています。その辺を踏まえて日本の立法は先進国の中では一番新しいもの、遅いという意味もありますけれども、一番新しいものということになるので、その辺りも考慮する必要もあるかと思います。
 あと言葉遣いの問題ですけれども、概念とするとそういう形で今、藤原委員が言われたように一連の過程をとらえてみるということで良いでしょうが、ただ、そのプロセッシングを処理と訳してみた場合、日本で処理と言うと電子計算機処理という言葉が出てきたり、国の法律でも処理情報という言い方をしていたりして、電子計算機との関係もあってそれを使っているのですが、それに引きずられるのでもう少しいい言葉はないのか考えてみる必要があります。
 ILOもプロセッシングを使っていたと思います。

【高橋委員】それはよくわかりました。私もそうだろうと思いますけれども、ちょっと疑問のようなものを感じたのは、処理とつまりプロセッシング、プロセッシングというとぴったりときますからわかりますけれども、処理とこのように定義したときに、この定義の言葉の中から収集とか利用というのは落ちているとか外されている。そのことはいいのかなという疑問だったのです。
 つまり、この言葉ですね。「取得」「作成」「加工」「蓄積」「維持管理」「他人に提供すること」で「収集」とか「利用」という言葉が持っていたものをすべてカバーしていることになるのかどうか。もししていなければ英語などで定義をいっぱいやるときに、重なっていようと何でもばっといっぱい言葉を入れていきますね。日本で法律をつくるときにはそういうものは余りみっともないからやらないのかもしれませんけれども、逆に言えばこの言葉で非常にぴったりとすべてをカバーしているのかどうかという疑問を持ったものですから聞いたのです。
 例えば、利用ということで理解しているのに、他人に提供することは利用だと思っているのですけれども、他人に提供しないほかのいろいろな利用形態があったと思いますが、それがすべて「蓄積」「維持」「管理」「加工」「作成」等々のここで使っている言葉でカバーされ尽くしているのかどうか。その辺りの疑問なのです。

【藤原委員】「その他個人情報の取扱いに関する一連の行為」というところで読めるのではないかと思うのですけれども。

【小早川委員長代理】「利用」が入っていないというのは1点キーかもしれませんが、私は納得しているのですけれども、利用というのは目的なのであって、恐らく藤原委員が言われたような読み方ではちょっと世間は納得しないのではないかと思いますが、取得から一連のプロセッシングというのは普通は何かの目的のためにやるわけで、その目的というのはそれを使って何かをすることですよね。だから、そこはプロセッシングそのものではないので、あの人は何月生まれだっけというのを調べて、その月になったら誕生日カード、ダイレクトメールを発送するわけですね。それは、普通はそのために「取得」「作成」「加工」「蓄積」「維持管理」しているわけですね。そのためにそれをやっていいかどうかということを当然この法律では規制するわけなので、それは厳然として大事な話だと思うのですが、しかしレベルが違うのではないか。
 逆に、利用目的なしに集めるのだったらいいのと言われたら、それはやはりいけないわけですね。だから、目的というものを要件にしてしまうとまた狭くなり過ぎるので、そういう関係なのではないかと私は理解しているのですが。他人に提供するというのも、それ自体が利用なのではなくて、それはやはり情報を取り扱う一つの行為形態で、ということは他人に利用させるためですね。利用との関係というのはそういうことではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
 それから、「処理」という言葉は確かに日本語でちょっとこなれないので、これはいっそ「取扱い」の方がよくないかなという気もちらっとはするのですけれども。

【堀部座長】言葉の問題で読んだ印象では「処理」というのと「取扱い」と両方使われていて、ここの定義では「その他個人情報の取扱いに関する一連の行為」というから、それですとインクルードされることになります。

【小早川委員長代理】「取扱い」にすると、定義の中で「その他取扱い」というのは変ですね。

【堀部座長】そこは何かまた工夫が必要でしょうけれども。

【遠山委員】貴重な時間を取るのは申しわけないような小さなことなのですけれども、「定義」の(2)の個人情報ファイルのところの締めの言葉が「一定のものとすること」とありますけれども、個人情報ファイルの中にマニュアルも含まれるということになっていまして、どのようなものも細部のものはマニュアルで書かれている、そのどこまでが対象になるのか。一定のものということの議論はひょっとしたら既に終わっている議論かもしれませんけれども。

【園部委員長】終わっていないですよ。

【遠山委員】要するに、学校とかいろいろなところで細々としたものがありますね。それがすべて含まれるのか、一定のものというのはそういうものを何らの水準を持って保つように書かれたのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

【藤原委員】多分これもEU指令等から来ているというか、最近の個人情報保護法の基本的な枠組みだと思うのですけれども、今、遠山委員がおっしゃったような役所と学校と1枚切りであるとか、分散してぽんぽんと一、二枚ずつ置いてあるというのは個人情報保護法の枠組みの中に取り入れることは不可能であると。

【遠山委員】集合体と書いてありますから、そのことはわかるのですけれども。

【藤原委員】そして、この一定のものというのは恐らくそういうものであって、例えばこれは質で切るとか量で切るとか、いずれにせよここのところで先生がおっしゃるようにある意味では均衡というか、いろいろな労力に見合ったようなきちんとした枠組みが取れるかどうか。取れないようなものはここで外れるのではないか。そういう趣旨ではないですか。

【藤井室長】ここで「一定のもの」という言葉を使ったのは、御議論の中というか、事務局が出したペーパーで、例えばボリュームで切るという方法もありますということがあったので「一定の」としておりますが、今、藤原委員のおっしゃったように質で切る、情報の内容で切るというやり方もあるかと思います。普通、適用対象範囲はいろいろな切り方があるのですけれども、ファイルの種類で切るとか、あるいは事業者の種類で切るとかいろいろな切り方はあり得るのだろうと思います。それは、まだ御論議していただいていないところかと思いますので。

【堀部座長】今のことに関連しまして、中間報告でもどのように個人情報の範囲を定めるかということで議論しまして、中間報告の5ページから6ページにかけて書いておいたのですが、一方では個人情報ファイルでファイリングのもので検索可能なようなものが中間的にあって、その一方には電算処理だけのもの、それから他方では紙一枚一枚までというのがあります。中間報告の6ページの3のすぐ上ですが、「一定の限定は必要であると考えることが適当である」と書いておきました。事業者の人たちからすると、実態を調べてみないとわからないところがあるのですが、今は一つの電算機に入れているわけではなくて、いろいろなところにサーバーがあってそこにある、全部対象にして自分のものを全部見せてくれと言われても、それは対応できない、だから、一定の限定をつけてもらいたいという意見もあって、ここでは一定の限定が必要だと書いてみています。

【上谷委員】もっと細かい話で次元の低い話をしますけれども、今の話のついでから申し上げますと「一定のものとする」という表現は私は好きではないのです。「一定の範囲のものとすること」というのが正しい日本語ではないか。一定の成果を上げたという言葉がこのごろ流行していますからこういう言い方もあるのでしょうが、本来は余り好きな言葉ではない。これは趣味の問題です。
 その次の(3)のところも「取得、作成又は加工し、蓄積、維持管理及び他人に提供すること」と、ここへ1つ「他人に」という言葉が入ってくるので何とも読みにくい感じがします。こんなものは法制局で最後の段階で修文していただければ結構なことですけれども、私の趣味から言いますと「取得、作成又は加工し、蓄積、維持管理し及び他人に提供すること」と、ここの「及び他人に」というところで「蓄積、維持管理」の次に「し」がないのが何とも気になるということです。それだけのことです。

【園部委員長】個人情報ファイルの利用という言葉は、この後もいろいろ出てきますので、全く利用という言葉が使われていないわけではありません。
 それから、個人情報ファイルというのが非常にあいまいもことして、これがなかなかこれから難しい議論になると思いますが、言葉としてはファイルというと何かファイルだのフォルダーだの見えるものを想像するものですから、そういう意味ではなくてとにかく何かの形で入れ込んでいるもの、これはインターネットその他いろいろございますし、そういう観念をここでファイルで表すかどうかということですが、ほかになかなかいい言葉がないものですからファイルという言葉を使っております。
 それから「本法の趣旨にのっとって」というものと、「本法の趣旨に沿って」というのは違うのですか。この3ページの下から2つ目の線のところと4ページの「本法の趣旨に沿って」と、これはちょっと違うのですか、のっとるのと沿うのと。

【小川副室長】構成を変えると、3ページの(3)は多分なくなると思いますが、「のっとり」なのか何なのか。これは法律でいろいろ、特に地方団体の関係は「留意して」だとか「尊重して」だとか立法例がありまして、余り法令用語でない「沿って」ということを後から使い出したものですから、ここは3ページだけ残ってしまったということです。ほかは全部「沿って」ということになっております。

【園部委員長】今、新しく組み替えたのがお手元に配られましたが、これをごらんになっていかがでございましょうか。この「理念等」というのはどういう具合に入るのですか。この「等」には何が入るのですか。

【小川副室長】「等」は要らないですね。

【新美委員】「国民の責務」が入るのですが、それを責務のところを外して……。

【小川副室長】でも、それは「理念」で、責務という言葉は使わないですから。

【園部委員長】では「理念」だけでいいですね。

【小早川委員長代理】それから、基本原則の中に(1)から(7)まで並べましたが、たしか先ほど上谷委員から御指摘があったのではないかと思いますけれども、(3)の「目的の変更等」というのは(1)の一部というか、コロラリーというか、結局は同じことだと思うので、多分それと合体するのではないかという気がいたします。
 それから、あとはさっきの議論をここで蒸し返すことはないと思うのですが、6の「事業者の措置」のところで「自主的な取組」とありますので、その中に安全保護措置の実施とか、公表の細かい話とか、その辺はまた再出ということになるのかなと思いますが、その辺はテンタティブなものだということで理解できるかと思います。

【高橋委員】今の小早川さんの言われた基本原則の(1)と(3)の問題ですが、(3)で前の方の6ページで出ている文章を読むと、何となく目的は自由に変更できるような書き方に読めてしまうのですが、(1)の方に組み込むとそうならないのか、それとも(1)と(3)で両方で読んでも目的ははっきしていなければいけないけれども、はっきりしていれば自由に変えてもいいということになっているのか、ちょっと気になったのです。
 議論の過程では目的を変えた場合には、例えば本人がそこから外してくれと言えなければおかしいのではないかというような議論もあったように思うのです。ですから、一つの目的で収集した情報を自由に、今度はこの目的で使うと変更していくことは自由ではなかった。何か制限があるのではないかと思うのですが、その制限が(1)と(3)から読み取れればいいのですけれども、何となく読み取れないような気がしたものですから。

【上谷委員】私が先ほど申し上げたのは、高橋委員のおっしゃるとおりいろいろ疑問が生ずることがありますので、カズイスティックに書き上げることができればそれにこしたことはないと思っていますけれども、今度の記者に発表する項目と、あるいは6月までにつくらなければいけない急ぎの項目等としては含めておいても、別に基本的には同じ性格のものだからという趣旨で端折ったまでのことです。

【小早川委員長代理】高橋委員の御心配はもっともなのですが、これは結局担保措置と絡むわけですね。だから、1つは公表をどれだけがっちりやるかということで、ここがポイントになると思うのです。それで、当然最初のこういうファイルをつくって、これからそれこそ取得ではなくて収集しますというときには一定の範囲で公表しなければいかぬということになると思うのですが、同じことは目的を変更したらそのときにまたそれは公表しなければいかぬということになると思います。
 あとはまさに実態問題なのですが、「訂正等」の「等」の中に何を含むか。削除要求まで入れるのかという点は、まだオープンで。

【小川副室長】その部分の御議論なのですけれども、実は注1というのを付けている部分がございまして、要するにこの「個人情報の処理等」という概念には提供まで含まれるものですから、目的外利用に提供が含まれる。そうすると、例えば自社内でいろいろ目的外に利用する場合は、個人が確認できるようにその目的を公表すればそれで足りるのではないかというのは1番とのセットでいいのですが、最初に示した目的なり何なりを特に自社以外で使わないということを前提にしていた場合、それを今度使うよと簡単に変更できるのかどうかというところは若干御議論していただかないといけないのではないかと思っていまして、そういう意味で(3)というのは存在意義はあるのではないかと事務局としては思っているのですけれども。

【園部委員長】除外規定の問題なのですけれども、これは議論の対象に今からするわけではないのですが、いつの段階でするわけですか。

【小川副室長】大綱案の中間整理が出た後ということですけれども。

【藤井室長】新聞協会辺りのヒアリングでもありましたけれども、やはり規定の内容次第で関係各方面の考え方も違ってくるかと思いますので、この大綱案の中間整理を出していただいて関係各方面からヒアリングをしていただいて、その中で御検討いただければと思います。

【園部委員長】こういうものがかぶってくると困るという意見が出てくると。

【小早川委員長代理】度々で申しわけありませんが、さっき自分で言っていて何となくやはり気になったのですが、収集の際の目的の告知はこの案ではどういう……。

【小川副室長】公表です。

【小早川委員長代理】当社の業務の範囲内でというような公表でも足りるのですか。

【小川副室長】そこは、目的の公表の仕方の問題かと考えていますが、それは実はファイル概念と関わりますので、かなり深く御議論いただかないと。

【小早川委員長代理】ですから、個別の告知というものを最初からもうこれは要らないとこの段階で考えてしまっていいのかということです。

【小川副室長】要らないというわけではなくて、ミニマムとしてはそこまで求めない。そこは業種、業界ごとのガイドラインだとか個別法だとか、そういうもので手厚くし得る部分としてとらえたらどうかという頭の中でございます。

【小早川委員長代理】それは理念なり、さっきの原則としても挙がってはこないわけですね。個人に対して個別に目的を知らせると。

【小川副室長】この案では直接は入っておりません。

【小早川委員長代理】となると、しかしそれはガイドラインに期待するわけにもいかない。

【小川副室長】ガイドラインにもいろいろあると思うのですけれども、要するにできるだけこれはミニマムでその水準を上げてくださいという趣旨で個別法なり、あるいは各省庁のここで言っております政府の施策の方針に基づく各省庁のガイドラインなどでは必要に応じて、業種分野の実態に応じてそういうものをやってほしいという整理でいかがかと。

【藤井室長】「事業者の措置」のところは語尾は「ものとする」というのが多いわけですが、実はそれはどこまでの義務にするかというのはまだ詰めていない形でやっております。むしろ具体的措置というのは相当法律上の義務になり得るものというような書き方にしていて、全部が全部ガイドラインか何かに任せてやってもやらなくても法的サンクションは何もないよという感じのものではない。公表の方も、ある程度一定規模のものについては義務になるという場合もあるという書き方になっているところです。
 それともう一つは「収集」「取得」どちらでもいいのですが、こちらの委員会でも御論議になった、例えば運送業者などのように直接収集するときであれば個別に通知することも可能な場合もあるでしょうけれども、実際に大量の情報をどこか間接的に取得してきた場合、それを全員に通知するというようなことは相当物理的にも無理な面があります。そういったことを考えますと、やはりある程度公表方式でやらないと無理な場合もあろうかということで、発想としては可能な限り本人に直接通知することが適切ですが、それでなくても少なくとも利用目的ぐらいはだれでも心配の人は見られるような形にしておくというような制度がある程度念頭にあるという書き方になっています。

【高芝委員】その場合の公表というのは、積極的に何かアクションを起こすということではなくて、聞けば教えてくれるという意味なのですか。

【藤井室長】それは、まだ全然事務局としては判断しているわけではなくて、公表というか、本人に対する透明性の確保あるいは本人でなくても持っているか持っていないかわからぬ人たちが聞いてくる場合があると思うのですけれども、そういった人たちには個別に明らかにするとか、そういうことは必要なのだろうと思いますが、一般に公にしなければいかぬ話かどうかというところは大いに議論のあるところだろうと思っております。

【高芝委員】そうすると、通知は来ないわけですね。聞かないとわからない状態というと、何か起こったときに聞けるという形を念頭に置いているということですか。

【藤井室長】少なくともOECD8原則などの発想からいくと、本人がチェックできる機会というか、基盤を制度的につくることは最低限必要なのだろう。それから、チェックしたい人がチェックできる基盤はやはり制度的に構築しておく。それプラス自分の情報は自分の権利利益に関する話だから、勝手に使ってはいけないよというような制度設計までにするかどうかというのは、これまた御論議次第というところかと思っております。

【高芝委員】私の疑問は、目的を変更するというのは当初からすると目的外で利用するという言葉にも置き換えられるケースがあると思うのです。そのときに、通知は来ないわけですね。それで、公表といっても積極的なアクションは多分なくて、何か目的外に利用されて自分の情報が目的外に使われたことを知ったときに初めてそこで聞けますねというか、質問をできるというか、どうなっているのですかということを尋ねられる仕組みになっている。そこまでを押さえるという趣旨ですか。

【藤井室長】御論議の中でも、例えば個人に関する情報というのは本当に個別に収集してそのまま保存しているものもあれば、いろいろ加工修正あるいは突合したり、そういったものがあるという中で全体を保護していこうというような制度をつくる場合の、あくまで最低限ここまではやるべきですよというぐらいの形で今の起草グループの方に見ていただく前の事務局の案というような考え方ですが、それ以上必要があるということであればその御論議次第ということになろうかと思います。

【堀部座長】今、高芝委員が言われたことで、7ページのところを読んで連想しましたのはOECDの8原則の中の公開の原則です。これは資料で言えば第2回のときにOECDのものがありますが、読みますと、公開の原則、オープネス・プリンシプルについては、「個人データに係る開発、運用及び政策については、一般的に公開の政策が取られなければならない。個人データの存在、性質及びその主要な利用目的とともにデータ管理者の識別、通常の住所をはっきりさせるための手段が容易に利用できなければならない」とありまして、収集のときどうするかということがあるのですが、一般的にどういう個人情報の処理等に関する事項をわかるような形にしておくかというのをここに入れたのではないかと思ったのです。
 例えば、イギリスの場合はデータ・プロテクション・コミッショナーがいまして、そこに登録をするという形で、個別の企業がどういう目的でこの種の情報を使うのかということが分かります。ここでは登録制度を取りませんので、一般的に公表しておいて自ら確かめるということなので、個別の例えば取得のときに目的を告げて集めるというのは、それぞれの行為で出てくるのではないかと思うのです。
 例えば、神奈川県の場合には、任意の登録制度をとっていまして、全部登録簿を公開していますから、どういう事業者がどういう目的でどういう事項のものを集めているとか、どこから収集し、どこに提供しているか、電算処理しているかどうか、連絡先はどこか、全部それを見ればわかるというようになっています。そういうものを連想してみました。

【小早川委員長代理】今の堀部座長の御説明を踏まえて更に申し上げますが、中間報告ですと「収集目的の本人による確認」という表現が使われているわけですね。これがOECD8原則の、ここでは目的明確化及び収集制限の原則の中身なのだと。ただし、それは規範としてはっきり書くというときにはいろいろ検討しなければならないという慎重な書き方になっていると思います。ただ、私も公開の原則なのかなというようにも考えたのですけれども、いずれにしましても中間報告でとにかく言葉として出ている以上、それを今回明示的に採用しないということについては十分な説明が求められる。この表で変えられるかという。

【小川副室長】ここの新しくなったところの4の(6)の公表というのは、逆に中間報告ではせいぜいが「開示、訂正の前提としての保有情報の公開」としか書いていなかったのが一歩出ているわけですから、それは全体のシステム設計で専門委員会にお任せしたものではないかとも。

【小早川委員長代理】相当大きな設計思想の変更だと思うのです。

【堀部座長】ここの公開に当たるのだろうと思うのです。

【小早川委員長代理】今日出ている案は、事業者の自主的取り組みのための枠組みをきっちりつくる。その中の大きな柱が公開であるということだと思うのですが、それに対して当該個人にスペシフィックな目的を知らせることは要らないのですねという。

【小川副室長】その議論の前提なのですけれども、(1)から(7)までを基本原則で書いた場合、先ほど室長は保有者の責務と書いたらどうかと申し上げましたけれども、それはどのような書き方をするかで大分変わってくるのではないかと思うのです。今「事業者は」ということで主語を書いていますけれども、ここはどういうイメージなのでしょう。全部受け身で書いて、そういう書き物だという程度で、それは実際に事業者がやるのは後ろの自主的な取り組みと苦情処理等しかないというのであると相当弱いものになるわけですけれども、そうではなくて中には場合によっては請求権というような議論も出ておりますように、規範として書くということではないのでしょうか。どちらでしょう。

【堀部座長】もう少し議論しないと、そこはなかなか難しいのではないですか。

【小川副室長】全体の枠組みを変更するのはよろしいのですが、事業者概念が一応基本原則からは消えるわけですので、主語をどうするかという問題を私はさっきから質問しようと思っていたのですけれども、その点についてはいかがなものでしょうか。

【園部委員長】それはひとつ来週にしましょう。ただ、起草委員の方で何かいいアイデアがあれば原案を出しておいてください。

【小早川委員長代理】一度消した情報保有者というのが差し当たり……。
 ただ、取得する前にはまだ保有者ではないわけだから。

【小川副室長】しようとする人、またはしている人とか、いろいろな書き方はございますので。

【園部委員長】情報保有者という言葉を使うと、また定義しなければいかぬですね。そういうことも含めて検討しましょう。
 今日は、これで5分超過しましたが、とにかくここで一応今日の御議論は終わらせていただきます。
 最後に、事務局から連絡事項があればお願いをします。

【小川副室長】4の(3)は落とさないのでよろしいのですね。

【園部委員長】これは、どうしますか。さっき落として1へ入れ込むとかありましたが、今日の段階では残しておきましょう。
 それでは本日はこれでもって会合を終了させていただきます。
 本日は、どうもありがとうございました。