第18回会議配付資料

資料1

個人情報の漏洩等が問題となった事例

法務省刑事局



事件名 事案の概要・罪名 処分状況・判決結果等
@ 都市銀行の顧客データ流出に係る業務上横領事件(東京地検) ソフトウェア開発会社従業員が,都市銀行向けプログラム開発業務に従事していた際,顧客データをフロッピーディスクにコピーした上,業務上保管中の顧客データ項目説明書等の資料とともに持ち出し,20万円で売却したもの(業務上横領)。 H10.1.27 公判請求
H10.7.7  1審判決
懲役1年6月・猶予付(確定)
A 元警視庁大井署警察官らによる贈収賄事件(東京地検) 警察官が,興信所等を営む会社の代表取締役から,警察署備付け照会用端末装置による照会や捜査関係事項照会等を行い,これにより得た情報を教示したことに対する賄賂合計205万円を収受したもの(収賄) 収賄・贈賄側とも
H12.5.30 公判請求
B NTT職員による電話個人情報漏示をめぐる贈収賄事件(千葉地検) NTT職員が,電話加入者の住所氏名等の秘密情報を漏示し,職務上不正の行為に対する賄賂合計約89万円を収受したもの(NTT法違反) H11.5.28 公判請求
H11.9.28 1審判決
※収賄側(確定)
懲役2年・猶予付
※贈賄側(控訴)
懲役2年6月・罰金100万円・追徴20万円
C 信用情報機関から信用情報を不正に入手した貸金業法違反事件(仙台地検) 他人名義で貸金業登録をして信用情報機関から信用情報を入手して,これを売却しようと企て,3名共謀の上,貸金業を営む意思がないのにあるように装い,他人名義で貸金業者の登録を受けたもの(貸金業法違反) H9.3.26公判請求
H9.7.17 1審判決
各被告人に対し,懲役8月〜1年・猶予付
(確定)
D テレホンクラブ顧客リストを悪用した利用料金回収名下の詐欺事件(仙台地検) ツーショットダイヤルの経営者から利用者リストを入手し,利用者に未払金があると偽って,61名の被害者から現金合計約314万円を詐取したもの(詐欺) ※主たる被告人関係
H11.4.9, 5.12公判請求
H12.2.7  1審判決
懲役3年2月(控訴)



情報の漏洩等に関する罰則について

法務省刑事局



1 情報の漏洩等に対して適用され得る現行の罰則

 現行法上,情報の漏洩等に関し適用され得る罰則としては,例えば以下のようなものがある。

(1) 刑法
 医師,弁護士等が業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは,秘密漏示(同法第134条)に該当し得る。
 封をしてある信書を開けた場合は,信書開封(刑法第133条)に該当し得る。
 媒体の持ち出しについては,窃盗(同法第235条),業務上横領(同法第253条)に,媒体の受け取りについては,盗品譲受け(同法第256条)に該当し得る。

(2) 不正アクセス行為等の禁止に関する法律
 アクセス制御機能により利用を制限されているコンピュータへの不正アクセス行為等を処罰対象とする。

(3) 通信の秘密の侵害に対する罰則
 有線電気通信法,電気通信事業法等により,通信の秘密を侵す行為等については,これを処罰対象とする個別法が整備されている。

(4) 公務員その他の者の秘密保持義務違反に対する罰則
 公務員については,国家公務員法や地方公務員法において,守秘義務違反に対して罰則が設けられているほか,他人の秘密に触れる可能性のある一定の専門的業務に従事する者等に対して,個別に秘密保持義務を課し,その違反に対して罰則を設けている例が多数ある。

2 刑事法の分野における議論

 コンピュータ犯罪新設(昭和62年)の際に検討された事項
  @ コンピュータにより処理される情報の不正入手及び漏示行為の処罰
  A 権限なく他人のコンピュータを利用する行為の処罰