第2回個人情報保護法制化専門委員会

資料1−7

ドイツ・イギリス・フランス・アメリカの個人情報保護法及び制度の概要

 

ドイツの個人情報保護法及び制度の概要

1.法律:連邦データ保護法(1990年)(現在改正作業中)

2.目的: 個人情報の扱いを通じてその人格権を侵害することから個人を保護すること。(第1条)

3.適用範囲(第2条)
(1)公的機関(連邦政府機関及び連邦法を執行する州政府機関):データファイル形式及び書類形式(図画、映像媒体、録音媒体を含むがメモ・草稿は含まない)によるデータの扱い。
(2)非公的機関: データファイル形式であって、営業としての又は職業上若しくは事業目的のためのデータの扱いであるもの。

4.データ保護原則

(1)明示の法規定あるいは当事者の同意がない限り、データの処理及び利用は禁止。(第4条第1項)

(2)同意は書面主義を原則(学術目的の場合の例外)とし、データ蓄積目的、データ提供目的、不同意の効果についての事前説明義務がある。(第4条第2項)

(3)目的変更の場合、許可と同意が必要。(第14条、28条)

(4)データ収集原則

・公的機関(第13条) @任務遂行のために必要であること。(必要性の原則) 
A原則として当事者本人から収集し、その際収集の目的を告知すること。(直接主義)
 直接主義の適用除外(第13条第2項) ・法令上の定めがある場合(行政調査等)
・行政課題の性質上第三者収集が必要な場合(犯罪捜査等)
・当事者から収集すれば必要以上の経費がかかる場合(本人不在等)

Bデータ提供の義務があればその根拠法令を、データ提供が法的利益の供与の前提であればその旨を告げること。
Cデータ提供が任意である場合はその旨を告げること。

非公的機関 ・データは信義則に基づき適法に収集されなければならない。(第28条第1項)
・データ主体に対し、蓄積の事実及び情報の種類を告知しなければならない。(第33条)

(5)アクセス権

@開示請求(第19条、34条) ・データ主体は、申し立てにより@自己に関し蓄積されているデータ(データの出所、データ受領者を含む。)、A蓄積の目的、B非公的機関のデータファイル情報については定期的にデータの提供を受けている者について、情報の開示を要求することができる。
・公的機関が情報開示を拒否した場合、申立人は連邦データ保護監察官に調査を求めることができる。

Aデータファイル登録簿の閲覧(第26条、38条)

(6)訂正・封鎖・消去(第20条、35条)

個人データに誤りがある場合又はデータ主体から指摘があった場合、訂正し、又は指摘があった旨記録する。

(7)連邦データ保護監察官等に対する苦情申し立て(第21条、38条)

データ主体は、個人情報の収集・処理等により権利の侵害があると判断した場合、連邦データ監察監又は監督機関に苦情申し立てを行うことができる。

(8)損害賠償請求

・公的機関(第7条)
 個人データを不法に又は不正に自動処理した場合、過失の有無を問わず責任を負う。
 人格権に対する重大な侵害がある場合には、慰謝料を請求することができる。
・非公的機関(第8条)
 債務不履行、不法行為等による賠償となるが、その際、データ管理者の監督下であるか否かについてはデータ管理者が立証することとされている。

5.登録制度

(1)公的機関(第18条、26条)

 個人データを蓄積する自動データファイルを、連邦データ保護監察官に届け出なければならない。

(2)非公的機関(第32条、38条)

@業務上提供の目的のために集積される個人データ、又はAサービス業として委託により処理若しくは利用される個人データのファイルを、州の監督官庁に届け出なければならない。

6.監督制度

(1)連邦データ保護監察官

・連邦議会の選挙によって選出。任期5年。(第22条)
・事務局(連邦データ保護委員会):62人(1998年現在)
・連邦の公的機関を監督。データ保護規程違反を発見した場合、所管の最高連邦機関に異議を申し立てることができる。(第25条)
・データ主体からの申立ての審査
 苦情処理件数:年間3,000〜4,000件
・2年毎に連邦議会に報告書提出(第26条)
・個人情報保護に係る技術上又は組織上の欠陥を矯正することができる。欠陥が重大である場合等は、処理を禁止することができる。(第38条)

(2)州監督官庁

・非公的機関及び州の公的機関を監督。
 苦情の多い業種(ノルトライン・ウェストファーレン州の場合):クレジット、保険、小規模商工業、各種団体、名簿業者、ダイレクトマーケティング

(3)自己統制

@公的部門: ・データ保護規定の順守を義務づけられている。(第18条)
内部監督機関を置くのが通例。

A非公的部門: ・データ保護受託者を置く。(第36条)
監督官庁は企業のデータ保護受託者を解任することができる。(第38条)

7.主な適用除外

○ 報道関係又は映画関係の企業又は補助企業、若しくは放送関係の補助企業が、自己のジャーナリスティックな編集目的で個人情報を処理又は利用する場合、当該活動は第5条(活動に従事する者に対する守秘義務)及び第9条(データ管理者に課せられる技術的・組織的保護措置義務)による規制のみを受ける。
 出版社が住所、電話、職業別名簿等のために個人情報の処理を行う場合は、ジャーナリスティックな編集活動に関連している場合に限り、上記特権を受けることができる。(第41条)

イギリスの個人情報保護法及び制度の概要

1.法律:データ保護法(1984年制定、1998年改正)

2.目的:明文の規定なし。

3.適用範囲:公的機関、非公的機関が有する自動処理データ、自動処理を目的として記録されたデータ、及びファイリングシステムの一部として又は一部とすることを目的として記録されたデータ(第1条)

4.データ保護原則

(1)データ保護(第4条、附則第1項)
@ 個人データは、データ主体が処理を承認している場合、又はデータ主体が当事者である契約の履行又は法律上の義務の履行等のために必要である場合でなければ、処理されない。
  個人データ処理の際、データ主体に対し、データ管理者、処理目的等の情報が提供されている場合、公正に取得されたものとして扱われる。
A 個人データは、明示された合法的な目的に限り取得されるものであり、取得後、かかる目的に矛盾する方法により処理されない。
B 個人データは、目的に関し適切かつ相応であり、これに対して過度であってはならない。
C 個人データは正確で、必要な場合は最新のものに更新される。
D ある目的のために処理される個人データは、かかる目的のために必要な期間を超過して保存されない。
E 個人データは、同法に基づくデータ主体の権利に従って処理される。
F 個人データの不正処理若しくは合法的な処理、個人データの紛失、破損、損傷に対し、適切な技術的・組織的措置が講じられる。
G 欧州経済地域以外の国等において、個人データの処理に関してデータ主体の権利及び自由のための適切な保護レベルが保障されていない場合は、係る国等に個人データを移転しないものとする。

(2)アクセス権(第7条)
 個人は、データ利用者の保有するデータが自分の個人データを含んでいるかについて知らされる権利を有するとともに、自身がデータ主体である個人データ、処理目的、データ受領者を通知される権利を有する。

(3)損害賠償請求(第13条)
 データ管理者の違法な行為により被害を被った場合、係る損害についてデータ管理者から保障を受ける権利を有する。

(4)訂正・抹消請求(第14条)
 裁判所は、データ主体の申し立てに基づいて個人データが不正確であると認めた場合、当該データの訂正又は抹消を命じることができる。

5.登録制度(第17条、18条)
 データ管理者は個人情報を処理する場合、データ管理者名、個人データ内容及びデータ主体、処理目的等を、データ保護コミッショナーに届け出なければならない。
  登録企業数:約21万(1998年)

6.監督制度
(1)データ保護コミッショナー

・データ利用者等の監督機関として、データ保護コミッショナーが任命される。
・事務局(データ保護委員会):約100人(1998年)
・権限 @データ利用者及びコンピュータを利用する行政機関の登録簿を保全するとともに、一般に利用させること。
A法律に関する情報及び法律の機能を普及すること。
Bデータ保全原則の遵守を促進すること。
Cデータ保全原則に従うデータ利用者の指針となる実行規範の策定を推進すること。(第51条)
 同業者団体その他のデータ利用者を代表する団体を奨励し、データ保護原則を遵守する指針となる運用コードを作成させ、これらの団体の会員に普及させる。
Dデータ保護違反又は法律違反に関する苦情に対応すること。
 苦情件数:4,173件(97年度)
 (クレジット照会、迷惑郵便、不正確データ、データ主体のアクセス関係、情報の公正な取得原則違反など)
E強制処分通知(第40条)
 データ管理者がデータ保護原則に違反している場合、何らかの措置を講じることを要求する通知書を発出することができる。
F情報通知・特別情報通知(第43条、44条)
 データ管理者に対し、個人データの処理に関する情報の提供を要求する通知を発出することができる。
G訴追
訴追件数:38件(97年度)
未登録データ利用者による利用  :22件   情報の斡旋           : 6件
情報の売り渡し         : 6件   目的外利用をしたデータ利用者  : 2件
未公開情報を利用したデータ利用者: 1件   目的外利用をした経営者     : 1件
H国会に年次報告を提出すること。(第52条)

(2)データ保護審判所 データ保護コミッショナーの決定に対する不服申し立てを審理する機関として設置。

7.主な適用除外

○ 国家安全保障の保護の目的において要求される場合、データ保護原則(第4条)、パートU(個人データへのアクセス等)、パートV(データ保護コミッショナーへの届出)、パートX(データ保護コミッショナーによる強制執行)、第55条(個人データの非合法取得等)は適用されない。(第28条)

○ 個人データが、犯罪防止若しくは捜査、犯罪者の逮捕若しくは追訴、公訴公課若しくは徴収、又は類似する内容の賦課に必要である場合、データ保護原則(第4条)、第7条(個人データへのアクセス権)は適用されない。(第29条)

○ 国務大臣は命令により、データ主体の心身の健康に関する情報からなる個人データに関する規定の適用を除外又は緩和することができる。(第30条)
 また、データ管理者が学校の所有者等である場合、当該学校の生徒又は生徒であった者に関する情報から構成される個人データに関する規定の適用の除外又は緩和を図ることができる。(第30条)

○ ジャーナリズム目的、芸術・文学のために処理される個人データ、表現の自由における公益を重視した結果公益に資するものと考える刊行物については、データ保護原則(第4条)、第7条(個人データへのアクセス権)、第10条(データ主体による、損害等の可能性がある処理の取りやめ請求)、第14条(データの訂正・消去請求)等から除外される。(第32条)

○ 統計上もしくは歴史上の目的から、特定の個人に関する判断等を目的としない個人データに関する情報の処理については、第5データ保護原則(必要な期間を超える保存の禁止)にかかわらず、無期限に保存される。(第33条)

○ データ主体の教育・研修・雇用、ある任務への任命等を目的として提供される場合、第7条(個人データへのアクセス権)は適用されない。(附則第7項)


フランスの個人情報保護法及び制度の概要

1.法律:情報処理・データと自由に関する法律(1978年制定)

2.目的:明文の規定なし

3.適用範囲:公的機関、非公的機関の保有する個人情報

4.データ保護原則

(1)不正・違法な個人情報の収集の禁止(第25条)

(2)個人情報の収集の際に、@情報提供が義務的なものか否か、A提供しなかった場合の効果、B情報収集対象、Cアクセス権及び訂正権について通知しなければならない。(犯罪捜査の場合適用除外)(第27条)

(3)個人情報は、収集の際示された期限を超えて保存されない。(法令で規定のある場合、又は情報処理及び自由に関する国会委員会(CNIL、Commission nationale de linformatique et des liberte)の承認がある場合は適用除外)(第28条)

(4)情報管理者は、個人情報を保護し、歪曲、損傷、又は第三者への漏洩を防止するために必要な措置を取らなければならない。(第29条)

(5)データ主体の明確な同意なしに、人種、政治的・思想的・宗教的信条、労働組合、倫理に関する情報を収集することの禁止。非公的機関による犯罪、有罪判決、セキュリティに関する情報収集の禁止。(第30条、31条)

(6)アクセス権
 ・データ主体は、自らの個人情報を有するか否かを問い合わせる権利、及び個人情報を有している場合にはその情報に対するアクセス権を有する。(第34条、35条)
 ・アクセス権を有する者は、自らの情報の訂正、追加、明確化、更新又は抹消を要求することができる。修正・削除した場合はその旨を既に情報を提供した第三者に通知されなければならない。(第36条、37条)

5.登録制度
  登録件数:約58万件(約40万企業)(1998年現在)
  正規届出件数:総数12万4,547件(1996年末現在)
              9,727件(1996年度)

(1)意見申請(第15条)
 公的機関が個人情報を処理する場合、あらかじめ、CNILへの諮問を経て、政令・省令などの規則的行為により定めなければならない。また、国民識別番号を使用するシステムについては、公的機関・非公的機関を問わず意見申請となる。
 答申は@明示的承認、A設置不許可、B黙示的承認、C他の申請(簡略届出)への振り替え。

(2)正規届出(第16条)
 非公的機関の個人情報の処理にあたっては、 CNILに届出をするだけでよい。届出が受理されれば直ちにシステムを立ち上げることができる。 CNILは届出によりその所在を明確にしておくにとどめ、問題のある事例につき事後的に統制を加えることとしている。
 届出項目:届出機関名、システム利用担当部局、処理対象個人数、システムの主要目的、利用開始年度、アクセス権行使可能場所、外国との国際的交流の存否、システムの用途、安全と秘密防護措置、処理情報の類型、類型別利用先、国民識別番号・犯罪保安関係情報、オンライン照会のあり方

(3)簡略届出(第17条)
 公的機関・非公的機関を問わず、定型的でプライバシー侵害のおそれが少ない個人情報の処理について、業務類型毎にCNILが定めた「簡略規範」に従うことを申告すればよい。(簡略規範項目別紙参照)
 簡略規範はシステムの目的・情報の種類・保存期間・アクセス権の行使が可能な場所等について、概略的な規定を置くのみのモデル規定であり、システム設置時点でその規範を個別のシステムが遵守しているか否かについてCNILはチェックせず、事後的に運用の段階でチェックし、運用上問題があった段階で簡略規範の見直し、当該システム管理者に対し必要な措置をとることとしている。

6.監督制度
 情報処理及び自由に関する国家委員会(CNIL)

・委員:17人(国会議員4、経済社会評議会委員2、コンセイユ・デタ構成員2、破毀院構成員2、会計検査院構成員2、上下両院議長推薦2、内閣推薦3)
・政府委員1、事務局職員約60人(1998年)
・権限・任務(第21条、23条) @個々の裁定、一般規則の制定
A実地査察
Bシステムセキュリティの標準規則の設定
C関係者への警告、追訴
D申し立て、請願書、苦情の処理 苦情処理件数(1998年):電話相談:約1万件、書面相談:約4千件
処分件数(1998年):苦情への対応:約2千件、企業に対する調査:約100社

Eデータ処理の利用に貢献する産業活動・情報活動を常に知っておくこと。
F年次報告書の作成、大統領・議会への提出

7.主な適用除外

(1)表現の自由(第33条)

 第23条( CNIL の年次報告作成)、30条(犯罪等に関する情報収集の禁止)、31条(センシティブ情報の収集禁止)は、その適用が表現の自由を制限する効果を持つ場合、出版又は報道機関が処理する個人情報に対しては適用されない。

(2)健康分野における研究目的のための姓名に結びつくデータのコンピュータ処理

 健康の分野における研究目的の姓名に結びついたデータのコンピュータ処理は、第15条( CNILへの意見申請)、16条(正規届出)、17条(簡略届出)、26条(データ主体によるデータ処理に反対する権利)、27条(個人情報収集の際の情報提供)が直接適用されず、委員会への申請に先立ち、研究担当大臣が任命する、健康・疫学・遺伝学・生物学の研究者からなる諮問委員会の意見を聴かなければならない。(第40−1条、40―2条)

(参考)簡略規範
 1号:国家公務員・職員の俸給支払いシステム
 2号:国家公務員・職員管理システム
 3号:公施設法人職員、公役務を担う私法人の職員俸給支払いシステム
 4号:公施設法人職員、公役務を担う私法人の管理システム
 5号:地方公共団体職員及びその外郭団体たる公施設法人の職員の俸給支払いシステム
 6号:地方公共団体職員及びその外郭団体たる公施設法人の職員の管理システム
 8号:電気・ガス等公益事業による利用料金徴収システム
 9号:図書・視聴覚作品・美術品貸与システム
10号:公共団体による各種使用料徴収システム
11号:一般顧客名簿システム(※全体の17%)
12号:銀行等の顧客名簿システム
13号:信用機関による信用供与・貸付に関するシステム
14号:納入業者管理システム(※全体の12%)
15号:情報提供用住所管理システム
16号:保険機関等による契約履行に関するシステム
17号:通信販売業者の顧客名簿システム
18号・19号:統計情報管理システム
20号:社会福祉施設・財産の管理システム
21号:不動産管理システム
22号:退職年金制度適用者管理システム
23号:非営利社団の職員管理システム
24号:市町村選挙管理システム
25号:定期刊行物の顧客名簿システム
26号:統計情報を利用する事業者の情報処理システム
27号:公共団体による各種料金徴収システム
28号:公役務を担当していない個人・法人の俸給支払いシステム(※全体の40%)
29号:公立・私立中等教育校における会計・行政・教育管理システム
30号:労働委員会委員選挙名簿システム
31号:人口1万人以下の市町村のシステム
32号:人口2,000人以下の市町村のシステム
33号:幼稚園、小学校の学籍簿管理システム
34号:政党による候補者・議員管理システム
35号:市町村労働委員会委員選挙名簿管理システム
39号:ホテル等公共的施設における電話利用先・利用時間管理システム
40号:内線電話網を私用した場合の支払い請求のための受発信電話管理システム
(※)の割合は1994年段階のもの


アメリカの個人情報保護法及び制度の概要

1.法律:プライバシー法(1974年改正)

2.目的:連邦行政機関に対して、データ保護原則等を義務づけることにより、個人のプライバシーの侵害に対する保護措置を講じること。(第2条)

3.適用範囲:連邦政府機関の保有する個人情報

4.データ保護原則

(1)行政機関は、データ主体の書面による請求があった場合、又は事前の承認を得た場合を除き、第三者に対し記録を提供してはならない。(第3条)
第三者提供禁止規定の適用除外

・記録を保有する当該行政機関の職員であって、その職務の遂行に必要な者に提供する場合。
・情報公開に関する規定により提供が義務づけられている場合
・法令に基づく統計調査の場合
・記録が統計調査としてのみ用いられることを確約したと行政機関が認める場合
・歴史的記録として国立公文書館に移管する場合
・他の行政機関の民事上・刑事上の法執行活動の用に供するため提供する場合
・個人の健康・安全に関し急迫した現状の存在が示された場合
・連邦議会の委員会に対して提供する場合
・会計検査院、裁判所、消費者信用報告機関に提供する場合

(2)データ主体からの請求があった場合、自己に関する記録の検査を許可するとともに、その全部又は一部の写しを作成しなければならない。

(3)データ主体が記録の訂正を請求することを認めなければならない。

(4)行政機関は、当該機関の目的の達成に関連があり、かつ必要な個人情報のみを記録として保有しなければならない。

(5)当該情報を原因として、連邦施策の下における個人の権利、利益、特権に関して不利益な決定がなされる可能性がある場合は、実際的に可能な限りこれを本人から直接収集しなければならない。

(6)個人に対し情報の提出を要求する場合は、@情報提供要求の根拠及び提出が義務か任意かの別、 A利用目的、B情報不提供の場合個人の利害に何らかの影響がある場合その内容を告知しなければならない。

(7)個人に関する何らかの決定に用いられる記録については、その決定の公正を保証するため、合理的範囲で必要とされる正確性、合目的性、現在性及び完全性をもって保有しなければならない。

(8)憲法修正第1条(宗教・言論・出版・集会・請願の自由)により保障された個人の権利の行使の様態に関する記録を保有してはならない。

(9)記録が第三者に提供される場合、データ主体に対してこれを通知するための適切な努力を払わなければならない。

(10)記録の安全と機密を保持・保護するため、適切な管理的、技術的及び設備的防御措置を確立しなければならない。

5.登録制度

 政府機関は、記録システムを設置又は変更したときは、システムの名称、データ主体の種別、記録の種別等について、連邦公示録により公示しなければならない。

6.監督制度

 プライバシー保護調査委員会(7名で構成)
 構成:大統領任命3、上院議長任命2、下院議長任命2

7.主な適用除外

・中央情報局の保有するもの
・刑事法の執行及び検察、司法、矯正、保護観察、恩赦又は仮釈放に関する業務を行う行政機関が保有するもの
・国防又は外交政策上秘密を保持するよう大統領行政命令により特に義務づけられた事項
・大統領その他の個人の警護の実施に関し保有されるもの
・連邦職員等の任用又は昇進に関する資格の有無を決定する試験・検査の資料で、これを提供することにより試験・検査の客観性又は公正性が損なわれるもの

8.自主規制

(1)オンラインプライバシー同盟(OPA)

 1998年、企業41社・業界団体14団体が参加して設立。インターネット上のプライバシーポリシーの基準・ガイドラインを作成することを任務としている。

(2)ダイレクト・マーケティング協会

通信販売事業者団体。会員事業者に対するプライバシー保護ガイドラインを作成。メール・プレファレンス・サービス(MPS)を原則とし、違反者を除名するとの自主規制強化策を採択。 メール・プレファレンス・サービス:
 ダイレクトメール受領者から申し出があった場合、当該申出者の氏名・住所等をダイレクトメール発送用リストから取り除くシステム。

(3)BBB(Better Business Bureau)

プライバシー保護のみではなく、広告の真実性を確保することを目的に設立。 @BBBオンラインマーク(シール)
 オンラインショッピング事業者の信頼性と消費者の苦情処理に関するシール制度。
ABBBオンライン・プライバシー・プロジェクト
 OPAのガイドラインを実行する仕組みとして、1999からの実施を予定。

9.子どもオンラインプライバシー法
 1998年成立。13歳未満の子どもからインターネット上で個人情報を収集する場合、事前に親の許諾を取ることを事業者に義務づけるとともに、親に子どもが提供した個人情報の開示・提供を請求する権利を認めるもの。
 またウェッブサイトに事業者のプライバシー保護ポリシーの掲載が義務づけられ、自らのポリシーに違反した場合、不公正ないし欺瞞的取引慣行として連邦取引委員会(FTC)の摘発対象となる。
 (注)アメリカでは、セクトラル方式を取っており、このほかにも「コンピュータ・マッチング・プライバシー保護法」等個別法が多数存在する。