個人情報保護法制化専門委員会

第27回個人情報保護法制化専門委員会議事要旨



1 日 時:平成12年9月29日(金)14時〜17時

2 場 所:総理府3階特別会議室

3 出席者:

園部逸夫委員長、小早川光郎委員長代理、上谷清委員、高芝利仁委員、高橋和之委員、遠山敦子委員、新美育文委員、藤原静雄委員、堀部政男個人情報保護検討部会座長
西谷剛委員は所用により欠席

(事務局)
藤井昭夫内閣審議官、小川登美夫内閣審議官

4 議 題
個人情報保護基本法制に関する大綱案について

5 審議経過

 事務局より、関連資料の説明の後、議論が行われた。議論の概要は以下のとおり。(
→は関連意見及び質問等に対する回答。)

○ 枠の中と外とでは大綱の中ではどのような位置付けになるのか。
→ 枠書きの部分と趣旨説明の部分は一体として当委員会の意見となると認識している。

○ 「はじめに」では、平成11年のアクションプランについても触れる必要はないか。

○ 2(5)「透明性の確保」は、情報開示につながる基本原則であり、基本原則の中ではやや特殊な性格が与えられている気がする。このため、「個人情報の性質上相当でない場合を除き」というような何らかの限定があったほうがよいのではないか。
→ 「個人情報の性質上相当でない場合を除き」という表現では、要件が明確でないので、「公益上支障のある場合を除き」ということではどうか。
→ 「適切な」関与、「必要な」透明性ということで、衡量的な概念は入っているのではないか。
→ 原文どおりでよいのではないか。
→ 「透明性の確保」についてだけ除外をつける理由はあるのか。
→ 「透明性の確保」について、そもそも必要な透明性が確保されることがふさわしくない場合があり得るので、本文上限定の文言を入れ、明示した方がいいのではないか。
→ 他の原則についても、個人情報の質により適切性などが異なることは共通であることから考えれば、基本原則の柱書きに何らかの留保をつけることがよいのではないか。
→ 適用除外の問題とあわせて議論すべき問題ではないか。

○ 2(5)「透明性の確保」について、行政手続法における「透明性」は、見えるようにするところまでであり、その先の「関与」については別の概念でとらえているが、大綱案での表現では「関与」までを含めているという点で、異なっているのではないか。
→ 行政手続法においても、内容とプロセスの「透明性」という考え方をとっており、近い考え方なのではないか。
→ OECDでは、individual participationと言っているが、日本語にない概念である。

○ 3(3)「第三者提供の制限」イCについて、「その他適切な措置を講ずる」ことがまず前提であり、さらにそのことについて通知・公表されていることが条件となるのではないか。 

○ 3(4)「公表等」について、例として本人からの問い合わせの回答をあげているのは、必ずしも適当ではないのではないか。
→ 趣旨としては「公にする」ということで、必ずしも能動的なものでなくてもよいという理解でよいのではないか。
→ 「公表その他本人が知り得るようにすること」としてはどうか。

○ 3(5)から(7)までの考え方の中に「仕組みを法的に整備」とあるが、事業者の自主的な取組を要請するという本法制の考え方からすれば、裁判所が直ちに出てくるものではないのではないか。
→ 取扱事業者の法律上の義務として規定したということを書こうとしたに過ぎない。

○ 3(9)の考え方で「個人情報保護の一定水準の確保」とあるが、「一定」はいらないのではないか。
→ 本法は基本法として長い将来を睨んだものであり、現時点では「一定」との書き方でやむを得ないと思うが、今後少しずつレベルアップしていくことが大切。4(4)の基本方針とも関係するが、もう少し今後の動きも見据えた「動的」な表現が工夫できないか。例えば、4(4)で、基本方針を「随時」策定するようにするといったことも考えられる。
→ 表現については工夫したい。

○ 4(3)で本法が「予防型の保護制度」であるとしているが、これでは個別法は予防措置ではないということになりかねないので、「予防型の」は削除して、他の表現にしたほうがよいのではないか。

○ 4(5)の考え方の書き方では、行政による関与の必要性が明確になっていないのではないか。また、アとイに区別する理由も必要。
→ 精査したい。

○ 罰則については、具体的規定を書き込めなくてもやむを得ないが、罰則に関する要望は強いので何らかの形で採り上げる必要がある。政府に対して罰則の検討を求める表現を枠の中に入れて欲しい。

○ 罰則については4(3)においても記述があるが、これは個別法についてということか。
→ 新たな個別法の策定ということだけではなく、既存の法律の見直しも含んでいる。

○ 6(1)について、行政命令を介した間接的な罰則は最近よく見られるが、本来罰則はきちんと法律に書いておくべきであり、罰則について行政の判断に委ねるような仕組みを設けることについて「適当である」というのはどうか。
→ 行政命令を介した間接罰であっても当然法律に書くべき事項である。
→ 改善の指示等に従わなかった場合に行政命令をするかどうかという点については、確かに行政の裁量の余地があるのは事実。

○ 行政罰では従業員に対して罰することはできないのではないか。
→ 行政罰では、事業者の監督責任が問われることにはなる。従業員に対しては、事業者内の内部管理の問題として、懲戒等になることはあるのではないか。

○ 6(2)の苦情・紛争処理の部分では、事業者団体以外の団体が行っているようなADRの活用も読めるような表現としてはどうか。

○ 報道等の適用除外の検討に当たっては、国際的な動向にも留意することが必要。

○ 適用除外の方法等技術的な問題は今後の政府の検討に委ねざるをえないが、基本的な考え方は大綱に記述しておくことが必要。

○ 基本原則で適用除外が問題になった2(5)の調整方法としては、「公益上の理由により相当でない場合を除き、」を追加することでどうか。
→ 公益上の理由等の調整は(5)に限られたものではなく、2全体にかかるよう、2の柱書に書いてはどうか。また、基本原則とは言っても、一般の個人にまでかかるのはどうか。
→ あくまで基本原則は方向性を示しているものであり、除外する必要はないのではないか。仮に除外するとしても、(5)だけに書くと、逆に(1)から(4)までは除外されないことが明確になってしまい、問題ではないか。
→ 基本原則が一般個人にかかることへ懸念に対しては、原則とはそういうものだということではないか。また、適用除外を柱書に書くのでは、基本原則の格調が落ちる。適用除外は案1でよいのではないか。
→ 個人の人格尊重の理念といっても唯一無二のものではなく、もともと公共の福祉等との調整は前提になっていると考えられるため、案1でいいのではないか。
→ 柱書に書くと、公益上の理由がある場合には適正な取得でなくてもよいといったように悪用されるおそれもある。案1を基本として考えてはどうか。

○ 憲法上の自由権との調整に関する適用除外の表題については、報道等を個別に明示せずに、より柔軟な表現にしておいたほうがよいのではないか。

(件名等について)
 件名については、「個人情報保護基本法制に関する大綱」とすることで各委員了承。また、大綱全体について、最終的な文言の整理は、委員長及び委員長代理に一任することで各委員了承。

(次回の予定)
 次回は、10月11日(水)に開催し、最終的に大綱を取りまとめる予定。

*文責事務局

*本議事要旨の内容については、事後に変更の可能性があります。

資料