資料2
1個人情報保護の現状について
(1)教育に関する個人情報の概要
学校においては、教育活動、運営に必要なものとして、主に次のような個人情報を保有している。
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(2)個人情報保護の取組状況
<国>
「行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律」(昭和63年法律第95号)に基づく取組を実施。
<地方>
個人情報保護条例等に基づく取組を実施。
<民間>
個人情報の保護については、各学校法人が自主的な取組を実施。
(3)現在までの検討状況
○小学校児童指導要録、中学校生徒指導要録並びに盲学校、聾学校及び養護学校の小学部児童指導要録及び中学部生徒指導要録の改訂について(平成3年3月文部省初等中等教育局長通知)(抄)
4 保存管理等について特に留意すべき事項
(1)学校においては、指導要録が有効に活用されるようにすることに配慮しつつ、保存管理の方法等の充実を図る観点から、学校の実情等に応じて、例えば、日常の指導に活用するための方法等について改善したり、保存管理に関する規程を整備したりするなど利用や保存管理の在り方を見直すこと。○学校教育法施行規則の一部改正について(平成3年3月文部事務次官通知)(抄)
2 改正の内容
(2)指導要録の保存期間について、従前は20年間としていたが、これを入学、卒業等の学籍に関する記録以外の記録については5年間に改めたこと。
3 留意事項
(2)上記2の(2)については、入学、卒業等の学籍に関する記録と指導に関する記録とを別葉として編製される改訂後の指導要録を前提としたものであり、指導に関する記録については、保存期間経過後は廃棄するなど適切な措置が取られることが望ましいこと。○学校保健法施行規則の一部を改正する省令の施行及び今後の学校における健康診断の取扱いについて(平成6年12月文部省体育局長通知)(抄)
第4 健康診断実施上の留意点について
1プライバシーの保護
健康診断は、児童生徒等が自分の健康状態を認識するとともに、教員がこれを把握して適切な学習指導等を行うことにより児童生徒等の健康の保持増進を図ろうとするものであるから、児童生徒等及び保護者と教員がその結果を知れば十分であり、プライバシー保護の観点から、他の児童生徒等に健康診断の結果が知られることのないよう十分に配慮する必要があること。このため、学校においては、個別検査等検査の実施体制や結果の通知方法を工夫すること。
2 学校における評価や判定に関する個人情報の取扱いについて
(1)初等中等教育における指導要録、調査書の取扱い
@ 指導要録、調査書の性格
A 指導要録、調査書等の本人への開示については、評価の公正や客観性の確保、本人に対する教育上の影響等を考慮し、特に厳正な取扱いが行われており、これまで、各自治体や学校においては、本人への開示を前提としない取扱いがなされてきた。
B 近年、一部の自治体において個人情報保護条例等に基づいて、指導要録、調査書を開示する動きがある。
【指導要録】
| ○過去に開示したことのある自治体(報道等で把握しているもの)
全面開示・・・7都府県、25市区 部分開示・・・2県、5市 |
【調査書】
| ○自治体の開示方針
全面開示・・・3府県 部分開示・・・7都県 全面非開示・・19県 方針なし・・・18道県(過去に開示の請求がない等の理由) |
C また、個人情報保護条例に基づく指導要録等の本人への開示請求に対する非開示の処分を不服として、いくつかの訴訟が提起されているが、判断は分かれている。
【指導要録】
| 全面開示・・・平成11年大阪高裁
部分開示・・・平成6年東京高裁 全面非開示・・平成10年東京高裁 |
【調査書】
| 全面開示・・・平成11年大阪高裁
部分開示・・・平成8年大阪高裁 |
D 学校教育における児童生徒等に関する個人情報は多岐にわたっているが、これらのうち、特に指導要録、調査書等の学校における成績の評価、入学者の選抜に関する個人情報については、個人の評価や選抜の判定にかかわるものであることから、その取扱いについては、国民の関心も高いところである。
E このため、文部省では、平成11年12月から「児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について」審議を行っている教育課程審議会において、指導要録の記載内容や取扱いのほか、調査書の取扱いについても検討することとしている。本審議会は、本年中に答申を取りまとめる予定としている。
(2)大学入学者選抜に関する事項の取扱い
@ 大学入学者選抜は、大学教育の第一歩として、基本的には各大学の自主的判断によって行われるものであり、その具体的な内容や方法は各大学が定めている。各大学においては、学力試験のほかに、面接、小論文を実施したり、調査書や自己推薦書等の提出書類を活用するなどして、試験成績(受験生の評価、得点、順位等)や合否を判定している。
A 試験成績の本人への開示については、現在、ほとんどの大学で行っておらず、実施している一部の大学でも、不合格者だけを対象に段階表示で開示するなど、各大学の判断に基づき、その形態は大学により異なる。
B なお、国立大学については、「国立大学の入試情報開示に関する基本的な考え方」を昨年6月に取りまとめたところである。これは基本的な考え方をまとめたものであり、開示するか否かも含め、具体的な開示の在り方は各大学の判断とされている。なお、この「基本的な考え方」においても、調査書の記録の一部や、答案、推薦書は本人に対しても開示しない個人情報と位置付けられている。
3 基本法の制度設計に当たって考慮すべきと考えている事項
「我が国における個人情報保護システムの在り方について」(平成11年11月高度情報通信社会推進本部個人情報保護検討部会中間報告)の「3個人情報保護のために確立すべき原則」として挙げられている原則について、次のことを考慮すべきであると考える。
(1)本人以外からの収集制限(個人情報の収集)
指導要録、調査書のように法令の規定に基づき、第三者から収集されるものについては、適用除外として取り扱うべきと考える。
また、大学入学者選抜においては、特に推薦入学やA.O入試の際に、高等学校の教師に直接評価を確認するなど、法令の規定に基づかずに、第三者から収集している場合もあり、このような場合には、本人以外からも収集できるようにすることが適当であると考える。
(2)本人からの開示の求め(本人情報の開示等)
○ 「情報公開法制の確立に関する意見」(平成8年12月行政改革委員会)において、「医療、教育関係情報の本人開示の問題は、国の施設のみならず公立・私立の施設を含めた情報の取扱いに関する基本的な在り方にかかわる問題であり、それぞれの分野における専門的な検討が必要である」とされているように、教育に関する情報の開示については、教育上の問題として検討する必要があると考える。
○ 学校における評価や判定に関する情報の多くは、国公私立学校を通じて、教育作用として各教員が教育上の必要から記録し、整理している情報であり、このような情報そのものの性格や、これを開示した場合の教員と本人等との教育上の関係に及ぼす影響、本人のその後の教育や学習に及ぼす影響等を考慮すれば、基本的に慎重な対応が求められるものである。
○ 他方、近年の自治体における個人情報保護条例の制定状況や諸外国における取扱いの状況、自己の情報に対する国民の関心の高まり等の社会状況を考慮すると、学校における評価や判定に関する個人情報といえども、開示して差し支えないものについては、本人への開示があり得るものと考えられる。
○ しかしながら、学校における評価や判定に関する情報には、例えば指導要録のように、法令上学校に備えることが義務づけられており、文部省において参考として様式を示しているものがある一方で、教員の指導記録のように、学校や個々の教員が教育指導上の必要等から適宜作成している資料もあるなど、情報の種類、内容は極めて多岐にわたっている。
○ このような現状や教育における個人情報の性格等を考慮すると、学校における評価や判定に関する情報の本人開示について、個人情報保護検討部会の中間報告に示された原則を一律に適用することは適当ではないと考える。
(3)本人からの訂正の求め(本人情報の開示等)
学校における個人の評価や判定に関する情報については、その性質上、本人からの訂正の求めを拒否することができることとすることが適当であると考える。
(4)本人からの自己情報の利用・提供拒否の求め(本人情報の開示等)
学校における個人の評価や判定に関する情報のうち、指導要録のように本人の同意にかかわらず法令の規定に基づいて作成される情報については、本人からの自己情報の利用・提供拒否の求めを、個人情報保有者は拒否できることとすることが適当であると考える。
1 個人情報保護の現状
【学術研究に関する個人情報の概要】
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2 現在までの検討状況
3 基本法の制度設計に当たって考慮すべきと考えている事項
○ 「職員が学術研究の用に供するためその発意に基づき作成し、又は取得する個人情報ファイルであって、処理情報を専ら当該学術研究の目的のために使用するもの」については、第6条第2項第9号において、学問の自由との関係があることなどから、事前に個人情報の保有目的を明確化するための総務庁への事前通知の適用除外とされている。
○ 第9条第2項第4号においては、「専ら学術研究の目的のために処理情報を利用するとき」は、公益性が高いこと等から、目的以外の利用・提供の原則禁止の例外として取り扱われている。
1 個人情報保護の現状
2 これまでの検討状況
3 基本法の制度設計に当たって考慮すべきと考えている事項
○ 宗教に関する情報は、信教の自由の保護の観点から、その存在を含め秘匿されるべき情報であり、その収集は個人の信仰の自由や宗教法人の宗教活動の自由を侵害するおそれがあるので、「収集制限の原則」の適用除外については慎重に検討する必要があると考える。
○ 宗教に関する情報は、個人のプライバシーに関わるものであり、収集された情報については、収集目的以外の利用により、信教の自由を侵害するおそれがあるので、法令の規定による場合など「利用制限の原則」の適用除外については慎重に検討する必要があると考える。
○ 宗教法人が所有する個人情報は、信教の自由の保護の観点から、その保有状況を含め公開することは適当でないと考えられるため、「公開の原則」の適用については慎重に検討する必要があると考える。