第4回個人情報保護法制化専門委員会議事要旨
資料3
個人情報保護法制化専門委員会
− ヒアリング資料 −
平成12年2月21日
総務庁行政管理局
行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律
(昭和63年法律第95号)の概要
立法化の背景
○ 情報化の進展に伴う行政機関における個人情報の電子計算機処理の拡大
年金・保険、旅券、出入国管理等多くの行政分野で利用
○ 個人の権利利益の侵害のおそれと国民の不安感の存在
電算機処理により、大量の個人情報を、容易にしかも遠隔地から検索、集中、結合することが可能となる一方、記録内容、処理過程が不透明であることに対する国民の不安感が増大
○ データ流通の国際化への対応
昭和55年、OECDが「プライバシー保護と個人データの国際流通についてのガイドラインに関する理事会勧告」を採択
勧告では、加盟国が国内法のなかで考慮すべき8原則を提示
⇒個人情報の取扱いに関する基本的ルールを定め、個人情報保護対策を的確に推進していく必要性
個人情報保護法制定までの主な経緯
○プライバシー保護研究会(座長:加藤一郎東京大学教授(当時))(昭和56年1月〜昭和57年7月まで16回開催)
公的部門及び民間部門における個人データの処理状況、諸外国の法律、OECD理事会勧告の内容等について調査し、制度的方策について積極的に対応すべき旨指摘
○臨時行政調査会「行政改革に関する第5次答申−最終答申−」(昭和58年3月)
「行政情報システムの進展、国民意識の動向を踏まえつつ、諸外国の制度運営の実態等を十分把握の上、法的措置を含め個人データ保護に係る制度的方策についても積極的に対応する」
○行政機関における個人情報の保護に関する研究会(座長:故・林修三元内閣法制局長官)(昭和60年7月〜昭和61年12月まで30回開催)
国の行政機関等における電子計算機処理に係る個人情報の保護に関し法的措置を講ずるに際しての基本的考え方、対象範囲、内容等制度の骨子について検討
○昭和62年度に講ずべき措置を中心とする行政改革の実施方針について(昭和61年12月30日閣議決定)
「行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護の制度的方策については、法的措置を講ずる方向で、そのための具体的検討を行う」
○行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律(昭和63年法律第95号)の制定、施行
*昭和63年12月9日成立(第113回国会)、12月16日公布
*平成元年10月1日施行(全面施行は2年10月1日)
法律の概要
- T 目的
- 行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報(注1)の取扱いに関する基本的事項を定めることにより、行政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益(注2)を保護(§1)
※(注1) 手作業(マニュアル)処理に係る個人情報は対象としていない
(注2) 電子計算機処理に係る個人情報の取扱いによって侵害されるおそれのある、あるいは個人情報の取扱いに伴って保護する必要のある個人の権利利益一般である
- U 対象機関
- ○ 国の行政機関(国家行政組織法第3条第2項)
○ 法律の規定に基づき内閣の所轄の下に置かれる機関(人事院)
* 地方公共団体、独立行政法人及び特殊法人については、本法を直接適用せず、国の施策に留意しつつ、必要な措置を講ずる旨規定(§26、27)
- V 対象情報及び定義
- ○電子計算機処理に係る個人情報
*「個人情報」:生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述又は個人別に付された番号、記号その他の符号により当該個人を識別できるもの
- ○個人情報ファイル
一定の事務の目的を達成するために体系的に構成された個人情報の集合物であって、電子計算機処理を行うために磁気テープ等に記録されたもの
- ○処理情報
個人情報ファイルに記録されている個人情報
- W 保護措置の骨格
- 1 個人情報ファイルの保有制限等
- @ 個人情報ファイルの保有制限
- 所掌事務を遂行するため必要な限度で、かつ、保有目的をできる限り特定
個人情報ファイルに記録される記録項目及び個人の範囲は必要最小限でなければならない(§4)
- A 個人情報ファイルの保有の事前通知
- 個人情報ファイルを保有するときは、原則として、あらかじめ個人情報ファイルの名称、保有目的等一定の事項を総務庁長官に通知(§6)
- B 個人情報ファイル簿の閲覧・公示
- ○ 行政機関の長は、その保有する個人情報ファイルの名称、保有目的等を記載した帳簿を作成し、国民の閲覧に供する(§7)
- ○ 総務庁長官は、各行政機関が保有する個人情報ファイルの名称、保有目的等を少なくとも毎年1回官報に公示(§8)
- 2 個人情報の安全及び正確性の確保
不正確・不完全な個人情報の利用、情報の漏えい、滅失、き損等により、個人が不測の不利益を被ることを防止するため、必要な安全・正確性の確保措置を実施(§5)
- 3 個人情報の利用・提供制限
処理情報を目的外に利用・提供することを原則禁止(§9)
- 4 個人情報の開示・訂正等
不正確な情報等による誤判断、不利益な取扱いを防止するため、自己の情報を知り、訂正等を行う機会を付与
- @ 開示請求権
- 行政機関の長は、本人から処理情報の開示請求があったときは、原則として開示(§13)
- A 訂正等の申出
- 処理情報の開示を受けた者から個人情報の訂正等の申出があったときは、必要な調査を行い、その結果を通知(§17)
- 5 総務庁長官の権限
法運用の統一性、法適合性を確保するため、行政機関の長に対し、資料の提出及び説明の要求、意見の陳述(§21、22)